JP2008174194A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、かかる油圧パワーステアリング装置の性質を考慮し、油圧パワーステアリング装置の作動油の状態に応じて電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置の出力比率を変化させ、状況に応じて適切に電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置に出力分担させるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電動パワーステアリング装置20と油圧パワーステアリング装置10とを備えた車両用パワーステアリング装置30であって、
前記電動パワーステアリング装置と前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を、前記油圧パワーステアリング装置の作動油の状態に基づいて変化させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーステアリング装置に関し、特に、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置とを並列して備えたパワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置を備え、パワーステアリング装置に求められる要求操舵補助力が、電動パワーステアリング装置の最大操舵補助力より大きいときには、電動パワーステアリングの過熱保護のため、要求操舵補助力の不足分を、油圧パワーステアリング装置が発生する操舵補助力で補う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−132201号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、電動パワーステアリング装置の過熱防止への配慮はなされているが、油圧パワーステアリング装置の保護の配慮がなされていない。
一方、油圧パワーステアリング装置は、車両が悪路を走行している場合には、油圧パワーステアリング装置のリターン配管内の油圧がサージ状に発生して配管が抜けたり、耐久性が低下したりする場合がある。また、据え切り等を何度も繰り返し、大きな負荷を与えると油温が上昇し、その結果油圧ポンプが焼きつくおそれがある等、油圧パワーステアリング装置の方が、その保護対策を必要とする場合が多い。
そこで、本発明は、かかる油圧パワーステアリング装置の性質を考慮し、油圧パワーステアリング装置の作動油の状態に応じて電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置の出力比率を変化させ、状況に応じて適切に電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置に出力分担させるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係るパワーステアリング装置は、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置とを備えた車両用パワーステアリング装置であって、
前記電動パワーステアリング装置と前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を、前記油圧パワーステアリング装置の作動油の状態に基づいて変化させることを特徴とする。これにより、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置とを適切に出力分担させ、油圧パワーステアリング装置の劣化等を防止できる。
第2の発明は、第1の発明に係るパワーステアリング装置において、
前記作動油の状態は、前記作動油の圧力変動に基づいて判定されることを特徴とする。これにより、油圧パワーステアリング装置のリターンサージ圧の圧力変動に基づいて、油圧パワーステアリング装置の出力比率を適切に変化させることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係るパワーステアリング装置において、
前記作動油の状態は、前記作動油の温度に基づいて判定されることを特徴とする。これにより、油温に基づいて、油圧パワーステアリング装置の出力比率を適切に変化させることができる。
第4の発明は、第2の発明に係るパワーステアリング装置において、
前記圧力変動が所定値以上のときには、車両が悪路走行中であると判定し、前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を下げることを特徴とする。これにより、悪路走行時の油圧パワーステアリング装置のリターンサージ圧による配管の抜け、劣化等を防止しつつ、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置を適切な出力比率にして必要な操舵補助力を発生させることができる。
第5の発明は、第3の発明に係るパワーステアリング装置において、
前記温度が所定値以上のときには、前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を下げることを特徴とする。これにより、据え切り時等の負荷が高く油温が上昇したときであっても、油圧パワーステアリング装置の油温上昇による油圧ポンプ焼き付きや配管劣化等を防ぎつつ、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置を適切な出力比率にして必要な操舵補助力を発生させることができる。
本発明によれば、油圧パワーステアリング装置の配管劣化等を防止しつつ、電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を適切な比率として必要な補助操舵力を出力することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本実施例に係る車両用のパワーステアリング装置30の概略構成を示した図である。図1において、本実施例に係るパワーステアリング装置30は、主要構成要素として、油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング20とを備えている。また、関係する構成要素として、ステアリングコラム40を備えている。
以下、個々の構成要素について、詳説する。
まず、ステアリングコラム40の説明を行う。ステアリングコラム40は、ステアリングギアボックス41、トーションバー42、ステアリングホイール43及びピニオンギア44を備える。
ステアリングホイール43は、運転者が車両の操舵を行うための手段である。これにより、運転者は車両の旋回方向を定める。
トーションバー42は、運転者のステアリンングホイール43により操舵を行ったときに、ステアリングホイール43の操舵トルクを検出するとともに、バルブ16の制御を行うための手段である。
図6は、トーションバー42を含むバルブ16の断面図である。トーションバー42は、例えば、図6に示すように、バルブシャフト161が固定され、その周囲がバルブポート162P、162R、162Lを有するハウジング163で覆われて構成されてよい。そして、操舵時にはトーションバー42が捩れて、両者に相対変位を発生させてバルブ16の開閉を行ってよい。また、この相対変位に基づいて、操舵トルクを検出し、必要な操舵補助トルクをECU35により算出するようにしてもよい。
図1に戻り、引き続きステアリングコラム42の他の構成要素の説明を行う。
ステアリングギアボックス41は、ステアリングホイール43からの回転操舵入力を、ピニオンギア44及びラックギア32により左右方向の動きに変換し、操舵輪を進行方向に動かす装置である。上述のように、ステアリングギアボックス41は、ピニオンギア44及びラックギア32を収容してよい。ピニオンギア44及びラックギア32の連結は、本実施例に係るパワーステアリング装置30では、以後ラック&ピニオン式で説明するが、これに限らず、例えばボール・ナット式が用いられてもよい。
次に、本実施例に係るパワーステアリング装置30の説明を行う。
油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20は、共通のタイロッド31を有し、ピニオンギア44を介してステアリングコラム40及びステアリングホイール43に連結されている。このように、本実施例に係るパワーステアリング装置30は、油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20とを並列に組み合わせて構成され、その発生操舵補助力は、双方の合計出力であってよい。そして、その発生操舵補助力により、ステアリングコラム40を介して運転者のステアリングホイール43の操舵を補助するトルクを発生させてよい。
油圧パワーステアリング装置10は、油圧によりステアリングホイール43に操舵補助力を発生させる操舵補助力発生手段である。油圧パワーステアリング装置10は、パワーシリンダ11、パワーピストン12、油圧ポンプ13、リザーバタンク14、油圧配管15及びバルブ16を備える。そして、本実施例に係るパワーステアリング装置30の油圧パワーステアリング装置10は、更に、圧力センサ17、油温センサ18及びソレノイドバルブ19を備える。
油圧パワーステアリング装置10は、油圧ポンプ13によりリザーバタンク14に蓄えられた作動油を汲み上げ、油圧配管15の送り配管15aから、バルブ16を介してパワーシリンダ11に作動油を供給するように構成されている。パワーシリンダ11に供給された作動油は、操舵によるトーションバー42の捩れに基づくバルブ16の開閉操作により、パワーピストン12の左右に圧力差を生じさせ、パワーピストン12を圧力差により移動させる。作動油は、油圧配管15の戻り配管15bを通ってバルブ16を介してリザーバタンク14に戻る。そして、また油圧ポンプ13により汲み上げられて油圧配管15、バルブ16及び1パワーシリンダ11との循環を繰り返す。なお、油圧ポンプ13は、油圧用として適したポンプが用いられてよく、例えばベーンポンプ等が用いられてよい。
一方、パワーピストン12の左右移動により、タイロッド31に設けられたラックギア32がステアリングコラム40の下部に設けられたピニオンギア44を介して回転トルクを発生させ、ステアリングコラム40に操舵補助力を伝達する。
圧力センサ17は、油圧パワーステアリング装置10の作動油の圧力を測定するための検出手段であり、例えば、パワーシリンダ11内に設けられてよい。詳細は後述するが、本実施例に係るパワーステアリング装置30においては、圧力センサ17により、作動油の圧力変動△Pを測定し、これに基づいて、車両が悪路走行中であるか否かを判定し、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を定める。
油温センサ18は、作動油の温度を検出するための検出手段であり、例えば、リザーバタンク14内に設けられて、油温を検出してよい。油音センサ18は、作動油の温度が検出可能であれば、他の位置に設けられてもよく、その態様は問わない。詳細は後述するが、本実施例に係るパワーステアリング装置30では、油温センサ18により検出した油温に基づいて高温判定を行い、これに基づいて油圧パワーステアリング装置10の出力比率を定める。
ソレノイドバルブ19は、バルブ16を制御するための手段であり、電磁バルブで駆動制御可能に構成されてよい。本実施例に係るパワーステアリング装置30では、作動油の状態により油圧パワーステアリング装置10の出力比率を変化させる。詳細は後述するが、その制御は、バルブ16を構成する低速用バルブ16aと高速用バルブ16bとの流量を調整することにより行われる。かかる低速用バルブ16aと高速用バルブ16bの流量制御動作は、ソレノイドバルブ19のバルブ開閉により行うが、かかるバルブ開閉制御は、ECU35の指令により行われてよい。
なお、油圧パワーステアリング装置10で発生させる操舵補助力の制御は、ECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)35により行われてよい。例えば、運転者のステアリング43の操舵によるトーションバー42の捩れに基づいて、ECU35により油圧パワーステアリング装置10で出力すべき操舵補助力を演算算出し、ソレノイドバルブ19を制御することにより、油圧パワーステアリング装置10を制御してよい。
電動パワーステアリング装置20は、モータを利用した電気動力によりステアリング43に操舵補助力を発生させる操舵補助力発生手段である。電動パワーステアリング装置20は、電動モータ(図示せず)を備え、この回転駆動力によりピニオンギア21を回転させてタイロッド31のラックギア32に動力を伝え、ステアリングギアボックス41内のピニオンギア44を介してステアリングコラム40に操舵補助力を与えて、運転者のステアリング43の操舵補助を行う。
なお、電動パワーステアリング装置20の駆動制御も、ECU35の指令により制御されてよい。
本実施例に係るパワーステアリング装置30では、上述の油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20との組み合わせにより操舵補助力を発生するが、この出力配分制御は、ECU35により実行してよい。
ECU35は、上述のように、油圧パワーステアリング装置10、電動パワーステアリング装置20及び両者の発生する操舵補助力の出力配分比率の制御の他、パワーステアリング装置30の全体の制御を行ってよい。ECU35は、例えばプログラムによって実行されるコンピュータ等の演算手段であってよく、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)、タイマやカウンタ等を備えてよい。
次に、本実施例に係るパワーステアリング装置30の動作について説明する。
図2は、車両の通常の走行状態におけるパワーステアリング装置30の、ある車速での出力特性を示した図である。
図2において、横軸は操舵トルクTm、縦軸は必要な操舵補助力Fを示している。図2において、本実施例に係るパワーステアリング装置30の合計出力を100%とすると、電動パワーステアリング装置20の出力と、油圧パワーステアリング装置10の出力比率は、50%:50%となっており、等分された1:1の比率となっている。
次に、同じ車速で、車両が悪路を走行している場合を考える。悪路走行時には、路面から車輪への外乱の入力によってタイロッド31が振動し、ラックギア32が左右に揺れることによってピニオンギア44を回転させ、バルブ16の開閉に影響を与える。バルブ16が悪路走行による外乱振動により急開閉を繰り返し、流路を急激に閉じると、作動油の流れが急激に止められるため、バルブ16下流の戻り配管15b内のステアリングギアボックス41出口で圧力が急低下して負圧となる。この圧力低下は、波動となって戻り配管15b内を伝わり、リザーバタンク14に到達する。そして圧力波は反射され、ステアリングギアボックス41に向かう。この圧力波がステアリングギアボックス41に到達する前後にバルブ16が開かれると、ステアリングギアボックス41からリザーバタンク14に向かって作動油が流れるため、反射した圧力波との相互作用で、戻り配管15b内でリターンサージ圧力が発生する。このリターンサージ圧力は、配管の抜け、劣化を招くおそれがあり、特に、配管が抜けた場合には、作動油が飛散するという深刻な事態となる。例えば、通常の走行では、戻り配管の圧力は0.1MPa程度であるが、悪路走行中には、2〜3MPaとなり、20〜30倍程度の圧力がかかるため、配管劣化等の要因となり得る。
一方、電動パワーステアリング装置20は、このような悪路走行時に特別に発生する問題というのは存在しない。
そこで、本実施例に係るパワーステアリング装置30では、このような悪路走行時には、油圧パワーステアリング装置10のバルブ16の感度を小さくするように制御し、同じトーションバー41の捩れに対して、バルブ16があまり開かないように変化させている。このようにすることにより、悪路走行時には油圧パワーステアリング装置10の出力を小さくすることができ、リターンサージ圧の発生を抑えることができる。このとき、要求されている操舵補助力は一定であるから、油圧パワーステアリング装置10の出力が下がった分、電動パワーステアリング装置20が大きな比率で操舵補助力の出力を分担することになる。
図3は、悪路走行時の、図2と同じ車速における本実施例に係るパワーステアリング装置30の操舵補助力の出力特性図である。図3において、図2と同様に、横軸は操舵トルクTm、縦軸は操舵補助力Fを示している。
図3において、パワーステアリング装置30のトータル出力100%の出力特性は図2と同様であるが、油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20の出力比率が、油圧パワーステアリング装置30%:電動パワーステアリング装置70%として、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げた点で異なっている。
このように、本実施例に係るパワーステアリング装置30では、油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20の双方を備えているので、油圧パワーステアリング装置10に問題が生じうる悪路等の状況下では、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げて問題が生じない範囲での動作を行わせるとともに、電動パワーステアリング装置20に大きな出力比率を担わせることにより、必要な操舵補助力を確保することができる。
なお、図2及び図3に示した操舵補助力特性図は、車速感応型のパワーステアリング装置30とし、車速により変化し得る特性であってよい。通常、高速の時には、操舵補助力を小さくして、あまりステアリングホイール43が軽くならないようにする制御を行う方が好ましいので、車速に応じて、図2及び図3のような出力マップが用意され、適切なものが適用されてよい。そして、これらの制御は、ECU35により実行されてよい。
次に、本実施例に係るパワーステアリング装置30の、油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20との出力比率を変化させる制御条件について説明する。
(1)式及び(2)式は、車両が悪路走行中か否かを判定する式である。
Figure 2008174194
(1)式かつ(2)式が成立したときに、車両は悪路走行中であると判定し、図3に示した制御を行う。(1)式は、油圧パワーステアリング装置10の作動油の圧力変動△Pが、所定の閾値αより大きい場合である。上述のように、車両が悪路を走行中には、リターンサージ圧の発生により、圧力変動△Pが大きくなる。従って、図1に示した圧力センサ17a、17bにより作動油の圧力変動△Pを検出し、これが所定の閾値αを超えたときには、悪路走行中の可能性が高い。
(2)式は、時間に関する式であり、(1)式の条件が、時間△Tが所定の閾値βを超えたときに、悪路走行中と判定する。(1)式が成立しても、それが短い時間であるならば、油圧配管15の抜けや劣化のおそれは少なく、また、車両の走行状況も、悪路を継続して走行しているのではなく、一瞬の外乱による影響の可能が高い。このような状況下で、あまりに頻繁に出力比率を変化させる制御を行なうと、ハンチングのような状態となり、パワーステアリング装置30への負担が大きくなってしまうおそれがある。従って、作動油の圧力変動△Pが所定値αを超えて(1)式が成立し、かつそれが所定時間△Tより長く継続したときに、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を変化させる制御を行うこととしている。なお、時間△Tは、ECU35内のタイマで計測してもよいし、他の計測手段を設けて、それにより計測してもよい。
このように、(1)式かつ(2)式が成立したときには、油圧パワーステアリング装置10へのサージ圧の影響が大きい状態であるから、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げる制御を行うことにより、油圧パワーステアリング装置10の悪路走行に弱い性質を補うことができる。なお、本実施例では、車両が悪路走行中と判定して油圧パワーステアリング装置10の出力を下げる例について説明したが、車両が現実に悪路走行中であるか否かに関わらず、(1)式かつ(2)式が成立したら、油圧パワーステアリング装置10の出力を下げる制御を行ってよい。(1)式かつ(2)式が成立していれば、実際の車両の走行状況が悪くないとしても、油圧パワーステアリング装置10の作動油の状態は良好ではないので、サージ圧による影響から油圧パワーステアリング装置10を保護する必要があるからである。
なお、(1)式及び(2)式の成立判断の判定演算は、ECU35で行ってよく、成立時の出力比率を変化させる制御も、ECU35の指令により、ソレノイドバルブ19を制御することにより行ってよい。出力比率の制御は、比率自体を制御してもよいが、要求された操舵補助力に対して、油圧パワーステアリング装置10の出力を定めれば、自動的に残りの操舵補助力が電動パワーステアリング装置20の担当分になるので、そのような制御としてもよい。
次に、他の態様の油圧パワーステアリング装置10の出力を下げる制御条件について説明する。
Figure 2008174194
(3)式及び(4)式は、高温判定式である。(3)式かつ(4)式が成立したときには、油圧パワーステアリング装置10の作動油が高温となり、油圧ポンプ13の焼きつき又は油圧配管15の劣化のおそれがあるため、油圧パワーステアリング装置10の出力を下げることが好ましい。
(3)式は、作動油の温度tが所定の閾値t0より大きいことを要求した条件式である。例えば、据え切り等を繰り返すと、必要とされる操舵補助力が大きくなり、パワーステアリング装置30には大きな負荷がかかる。この場合は、負荷自体が大きい状態なので、油圧パワーステアリング装置10だけではなく、電動パワーステアリング装置20にも大きな負荷がかかり、電動モータの過熱等も同時に招くことになる。しかしながら、油圧パワーステアリング装置10の場合は、ポンプ焼きつき等を招くので、その被害は電動パワーステアリング装置20よりも深刻である。よって、作動油の油温が上昇した場合には、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げる条件としている。なお、作動油の温度tは、図1に示した油温センサ18により検出してよい。
(4)式は、時間△Tについての条件式である。上述の(2)式と同じ条件であり、高温判定の場合にも、所定時間より長く継続したことを要し、所定の閾値βより大きいときに出力比率変更の制御を行うこととしたものである。あまり頻繁に、出力比率の変更制御を行なうことは、却って煩わしさを招いて実用的ではないからである。
なお、(3)式かつ(4)式の条件成立の判定演算及び出力比率を変化させる制御も、ECU35及びソレノイドバルブ19により実行してよいことは、今までの説明と同様である。
このように、油圧パワーステアリング装置10の作動油の圧力変動△P、温度t等の状態に着目することにより、油圧パワーステアリング装置10の作動状態を把握することができる。そして、所定時間継続して圧力変動△Pが大きい場合、又は温度tが高い場合には、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げることにより、油圧パワーステアリング装置10の問題を解消しつつ、必要な操舵補助力を発生させることができる。また、作動油の状態は、現実の車両の置かれた状況においても、圧力変動△Pが大きい場合は悪路走行中を示し、油温tが高い場合には据え切り等の高負荷状態を示しており、外乱等の影響を含めた車両の状況を反映している。従って、作動油の状態に応じて油圧パワーステアリング装置10と電動パワーステアリング装置20を適切に出力分担して使用することにより、車両の置かれた状況に応じた使い分けが必然的になされていることになる。
なお、本実施例では詳細には、説明していないが、例えば、作動油の圧力Pの値について所定の閾値を設定し、本実施例に係るパワーステアリング装置30を適用してもよい。圧力Pも、油圧配管15の劣化の要因となり得るため、これを考慮した条件を設定することとしてもよい。
図4は、図1とは異なる態様のパワーステアリング装置30の概略構成を示した図である。図4において、圧力センサ17cが、パワーシリンダ11内ではなく、油圧配管15の戻り配管15bに設けられている点で、図1の構成図と異なっている。他の構成要素は、図1と同様であるので、その説明を省略する。
図4において、圧力センサ17cは、油圧配管15の戻り配管15bに設けられているが、上述の説明のように、悪路走行中に発生するリターンサージ圧は、戻り配管15bで発生するものであるため、よりリターンサージ圧を反映する圧力変動△Pを正確に検出することが好ましい。従って、図4に示すように、圧力センサ17cを戻り配管15bに設けた構成としてもよい。これにより、より適切な作動油の状態の検出及び油圧パワーステアリング装置10の操舵補助力の出力制御が期待できる。なお、圧力センサ17cは、戻り配管15b内であれば、いずれの位置に設けてもよい。
次に、ソレノイドバルブ19、バルブ16及び油圧配管15により構成される油圧回路について説明する。図5は、本実施例に係るパワーステアリング装置30の油圧パワーステアリング装置10に適用される、バルブ感度可変タイプ車速感応型パワーステアリングの油圧回路の例を示した図である。なお、今までの説明と同様の構成要素については、同一の参照符号を付す。
図5において、油圧回路は、油圧ポンプ13と、ソレノイドバルブ19と、低速用バルブ16aと、高速用バルブ16bと、パワーシリンダ11と、パワーピストン12と、タイロッド31と、リザーバタンク14とから構成される。
低速用バルブ16aは、トーションバー42の捩れ角に対して、敏感に油圧が上昇する高感度のバルブ特性を有するバルブである。低速用バルブ16aにおいては、トーションバーの捩れ角に対して、サージ圧の上昇が大きい。
一方、高速用バルブ16bは、トーションバー42の捩れ角に対して、油圧上昇が鈍い、感度が小さいバルブ特性を有する。高速用バルブ16bのバルブ特性においては、トーションバーの捩れ角に対して、サージ圧の上昇が小さい。
ソレノイドバルブ19は、油圧ポンプ13から供給される作動油の高速用バルブ16bに流れる流量を制御する電磁バルブである。ソレノイドバルブ19を全閉とすれば、油圧ポンプから供給される作動油は、総て低速用バルブ16aの方に流れる。ソレノイドバルブ19のバルブを開として流路を開けてゆくと、高速用バルブ16bに作動油が流れ込み、これにより、低速用バルブ16aと高速用バルブ16bの流量比を制御することができる。そして、その流量比により、油圧パワーステアリング装置10の出力が定まる。
上述のように、悪路走行時のサージ圧は、油圧パワーステアリング装置10の出力特性を決めるバルブ感度によって、その大小が変化する。よって、図1〜図4において説明したように、ある車速で電動パワーステアリング装置20と油圧パワーステアリング装置10の出力分担を各々50%にしておき、サージ圧変動△Pが所定の閾値αより大きい状態が一定時間βより長く継続した場合には、悪路走行と判定し、油圧パワーステアリング装置10のバルブ感度を下げる制御を行う。つまり、バルブ感度の小さい高速用バルブ16bへの流量を上げてゆくように、ソレノイドバルブ19のバルブ開度を上げる制御を行う。これにより、トーションバー42の捩れに対して、サージ圧の上昇が小さい状態とすることができる。ここで、バルブ感度を下げるということは、油圧パワーステアリング装置10側の出力を低下させることに相当する。
一方、油圧パワーステアリング装置10の出力を低下させた分を、電動パワーステアリング装置20側で増加させ、パワーステアリング装置30全体としての出力は、同じになる制御をECU35にて行う。
このように、ソレノイドバルブ19により低速用バルブ16aと高速用バルブ16bの流量比を制御し、通常の走行状態では低速用バルブ16aに多く流量を流しておき、作動油の状態の変化に応じて、高速用バルブ16bの流量を上げてゆくことにより、油圧パワーステアリング装置10の出力比率を下げることができる。
また、油温センサ18により、作動油が所定の閾値温度t0より高い状態が一定時間βより長時間継続した場合にも、ソレノイドバルブ19の流路を開けて高速用バルブ16bへの流量を上げていってよい。これにより、油圧パワーステアリング装置10のバルブ感度を下げて油圧パワーステアリング装置10の出力を低減させることができる。この場合も、ECU35の演算制御により、要求される操舵補助力を電動パワーステアリング装置20で補うようにすれば、全体の出力は一定とすることができる。
次に、図6を用いて、低速用バルブ16aと高速用バルブ16bの構成について説明する。図6は、バルブ16の断面図である。
図6において、バルブ16は、バルブシャフト161と、バルブポート162P、162L、162Rと、ハウジング163と、トーションバー42とを含む。図6は、ステアリングホイール43を右に操舵した状態を示している。作動油は、162Pからバルブ16に供給されるが、ステアリングホイール43を右に操舵することにより、バルブシャフト161が右方向にトーションバー42の捩れからの復元力に引っ張られるように遅れて回転し、右側のバルブポート162Pへの流路を大きくするとともに、左側のバルブポート162Lへの流路を小さくする。右側のバルブポート162Pから流出した作動油は、パワーシリンダ11の右側に流入し、パワーピストン12を左に移動させる。そして、ピニオンギア44を介して、右側への操舵補助トルクを出力する。
このような構成のバルブ16において、バルブシャフト161のランド部161aは、面取り部161bを有するが、この面取り部が大きいと、流路が緩やかに開閉するため、トーションバーの捩れに対して、作動油の圧力の上昇は緩やかである。一方、面取り部161bを小さくすると、流路は急激に開閉するため、圧力の上昇は急激になる。このように、バルブシャフト161のランド部161aの面取り部161bの大小により、圧力の上昇度合を変えることができる。図5の例に適用すると、低速用バルブ16aは面取り部161bが小さく、高速用バルブ16bは、面取り部161bが大きく構成されている。
図5に戻ると、例えばバルブ16は、ソレノイドバルブ19によって流路が切替可能なように、面取り部161bの小さい低速用バルブ16aと、面取り部161bの大きい高速用バルブ16bを備え、このバルブ16の流量比率は、ソレノイドバルブ19により制御される。このように構成することにより、バルブ感度可変型の油圧パワーステアリング装置10を備えたパワーステアリング装置30とすることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本実施例に係る車両用のパワーステアリング装置30の概略構成図である。 通常の走行状態でのパワーステアリング装置30の出力特性を示した図である。 悪路走行時の、パワーステアリング装置30の操舵補助力の出力特性図である。 図1とは異なる態様のパワーステアリング装置30の概略構成図である。 バルブ感度可変タイプ車速感応型パワーステアリングの油圧回路図である。 バルブ16の断面図である。
符号の説明
10 油圧パワーステアリング装置
11 パワーシリンダ
12 パワーピストン
13 油圧ポンプ
14 リザーバタンク
15、15a、15b 油圧配管
16、16a、16b バルブ
17、17a、17b、17c 圧力センサ
18 油温センサ
19 ソレノイドバルブ
20 電動パワーステアリング装置
21、44 ピニオンギア
30 パワーステアリング装置
31 タイロッド
32 ラックギア
35 ECU
40 ステアリングコラム
41 ステアリングギアボックス
42 トーションバー
43 ステアリングホイール
161 バルブシャフト
162P、162R、162L バルブポート
163 ハウジング

Claims (5)

  1. 電動パワーステアリング装置と油圧パワーステアリング装置とを備えた車両用パワーステアリング装置であって、
    前記電動パワーステアリング装置と前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を、前記油圧パワーステアリング装置の作動油の状態に基づいて変化させることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記作動油の状態は、前記作動油の圧力変動に基づいて判定されることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記作動油の状態は、前記作動油の温度に基づいて判定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記圧力変動が所定値以上のときには、車両が悪路走行中であると判定し、前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を下げることを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
  5. 前記温度が所定値以上のときには、前記油圧パワーステアリング装置の操舵補助力の出力比率を下げることを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置。
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