JP2008173895A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置及び静電型アクチュエータ - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置及び静電型アクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことができない。
【解決手段】振動板11と電極14との間の空隙13は圧力補正室17に連通し、この圧力補正室17の壁面の少なくとも一部は振動板11よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材21で形成され、この第1可動部材21を挟んで圧力補正室17と反対側には密閉されたダンパ室18を有し、このダンパ室18の他の壁面は第1可動部材21よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材22で形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置及び静電型アクチュエータに関する。
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されるものではない。
液体吐出ヘッドとしては、電気機械変換素子などの圧電型アクチュエータを用いたもの、電気熱変換素子に膜沸騰を利用するサーマル型アクチュエータを用いたもの、振動板と電極間の静電力を利用する静電型アクチュエータを用いたものなどがあり、この中でも静電型アクチュエータを用いたヘッドは、小型化、高速化、高密度化、省電力化において他の方式のヘッドに比べて優位であるという利点を有している。
このような、静電型アクチュエータを用いた液体吐出ヘッドにおいては、静電引力は圧電素子に比べて非常に弱い力であることと、アクチュエータの駆動電圧を小さくしたいという要求により、振動板(可変電極)のコンプライアンスは割と大きな値に設定される。
一方で、アクチュエータの駆動電圧をより抑えるために可変電極と固定電極間の距離(以下、「ギャップ長」という。)はできるだけ狭くするのであるが、可変電極と固定電極の間の空間(以下、「ギャップ」、「空隙」又は「振動室」という。)に異物が侵入すると、その部分で可変電極は変位できない状態になり、あるいは、水分が浸入すると、液架橋力もしくは水素結合力により可変電極が固定電極に接触したままの吸着状態になり、アクチュエータとして機能しなくなる。したがって、振動室は、外部から異物、液体が入らない構成としなければならず、そのために、振動室は外部から閉じた系とすることが好ましい。
しかしながら、振動室と振動室に連通する空間(以下、「アクチュエータ室」という。)に外の気体が出入りできない構成を採る場合には、別の問題が生じる。つまり、アクチュエータ室内の気体と外界の気体が自由に行き来できないため、外界の気圧、温度が変化すると、アクチュエータ室内と外界の気圧に差が生じ、この気圧差に応じて振動板(可変電極)の平衡位置が変化する。
例えば、温度の上昇により振動室内のガスは膨張する。また、可変電極はノズルあるいは液体供給側から大気圧の影響を受けるので、大気圧が低下すれば振動室内のガスの体積が増加する。これらの場合、可変電極の平衡位置は固定電極から遠ざかることとなる。結果として、ヘッドから吐出される液滴の吐出量,滴速度は、アクチュエータ室と外界の気圧差により変化することになり、液体吐出ヘッドは安定した吐出特性を維持できなくなる。逆に可変電極の平衡位置が固定電極側に近づく場合も同様の不具合につながる。
このとき、温度変化した場合は液体の粘度も変化するので、所望の吐出特性を得るためには、何らかの補正が必要であり、温度変化によるガスの膨張,収縮は液体粘度に対する補正と同時に行えば、付加的に必要なのは気圧に対する補正機能のみのように考えられる。しかしながら、この場合、ギャップ長を大きくすると、駆動時に可変電極と固定電極が接触する最小電圧が増大し、この最小電圧が用いているドライバの上限を超えてしまうおそれが生じる。
そこで、特許文献1には、共通液室の壁面の一部に振動板の変形量よりも大きい変形可能板を設けると共に、この変形可能板を挟んで共通液室と反対側には空隙と連通する気圧補正室を設けた液体吐出ヘッドが記載されている。
特開2003−334945号公報
特許文献2には、振動室に連通する圧力補償室が設けられ、変位板を介して圧力補償室とは逆側に設けられた大気圧室を大気に連通させることで、変位板は大気圧を感知し圧力補償を可能にした液体吐出ヘッドが記載されている。
WO99/047357
特許文献3には、ギャップに連通し、犠牲層エッチングにより形成されたバッファ室を有する静電型アクチュエータが記載されている。
特開2005−081790号公報
特許文献4には、1又は複数の前記空隙に連通する連通路を設け、この連通路は振動板と略平行な面と直交する面内では閉口しているインクジェットヘッドが記載されている。
特開2002−160374号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているように大気に連通する大気圧室と変位板を挟んで圧力補償室を設ける構成にあっては、大気圧に開口している孔が必要になるが、製造プロセス時あるいは装置搭載使用時に、何らかの異物、液体により大気に開口する孔が塞がれるおそれがあり、塞がれないまでも孔から大気圧室に侵入した異物,水分のためへ気圧補正が困難になる可能性もある。また、実際の画像形成装置では、フレキシブルプリント基板(FPC)などの電装系統に水分が付着しないように、ノズル板表面を除いてヘッド周辺をシールドする必要があることから、ヘッドのノズル板表面はもちろんヘッドの側面にも大気に開口する孔を形成することは困難であり、ヘッドの裏面に孔を設ける等の工夫が必要となる。このとき、大気に開口する孔の配設に伴い、ヘッドの大型化或いは製造コストの上昇は避け難いものとなるという課題がある。
また、特許文献1に記載のように圧力補正室を形成する変位可能板の逆側に共通液室を配置している構成にあっては、共通液室の構成、配置が制限されるという課題がある。また、特許文献3、4に記載のアクチュエータにあっては十分な圧力補正を行うことができないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置及び画像形成装置、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる静電型アクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出ヘッドは、振動板と電極との間の空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで圧力補正室と反対側には密閉されたダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている構成としたものである。
ここで、第2可動部材はノズルを形成したノズル板で形成されている構成とすることができる。また、ダンパ室の壁面の一部は液室を形成する部材で形成されている構成とすることができる。また、前記ダンパ室は、第1可動板側の第1ダンパ室部分と、前記第2可動板側の第2ダンパ室部分とを有し、これらの第1ダンパ室部分と第2ダンパ室部分とは連通路で連通されている構成とすることができる。また、第2可動部材は樹脂から形成されている構成とすることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、振動板と電極との間の空隙は液室を形成する部材で構成された密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている構成としたものである。ここで、可動部材は樹脂から形成されている構成とできる。
これらの各液体吐出ヘッドにおいては、記録液を供給する液体タンクが一体化されている構成とできる。
本発明に係る液体吐出装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る静電型アクチュエータは、振動板と電極との間の空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで圧力補正室と反対側には閉じた空間で形成されるダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている構成としたものである。
本発明に係る静電型アクチュエータは、振動板を形成する部材上に設けられた部材に形成された密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている構成としたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、振動板と電極との間の空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで圧力補正室と反対側には密閉されたダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている構成としたので、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、振動板と電極との間の空隙は液室を形成する部材で構成された密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている構成としたので、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる。
本発明に係る液体吐出装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたので、安定した滴吐出特性が得られる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたので、安定した滴吐出特性が得られ高画質画像を形成できる。
本発明に係る静電型アクチュエータによれば、振動板と電極との間の空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで圧力補正室と反対側には閉じた空間で形成されるダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている構成としたので、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる。
本発明に係る静電型アクチュエータによれば、振動板を形成する部材上に設けられた部材に形成された密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている構成としたので、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を係る静電型アクチュエータを備える本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドのアクチュエータ基板の要部平面説明図、図2は図1のA−A線に相当するノズルの並び方向の模式的断面説明図、図3は図1のB−B線に沿う模式的断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、第1の基板であるアクチュエータ基板1と第2の基板である液室を形成する部材である流路基板(流路部材)2と第3の基板であるノズル板3を順次積層して構成し、これら3枚の基板1、2、3を接合することで、液滴を吐出するノズル4が連通する液室(吐出室)6、液室6に液体(インク)を供給するための図示しない流体抵抗部や共通液室を形成している。各液室6は液室間隔壁9で仕切られている。
アクチュエータ基板1は、基板21上に、液室6の一部の壁面を形成する振動板(変形可能領域)11を形成する振動板部材12と、この振動板部材12の振動板11に空隙(ギャップ、振動室)13を介して対向する個別電極(下部電極)14を備えている。
また、アクチュエータ基板1の基板20には、ノズル4の並び方向に、各空隙13に個別連通路15を介して連通する共通連通路(連通管)16を形成し、この共通連通路16を空隙13の面積(平面での面積)よりも大きな面積の閉じた空間である圧力補正室17に連通させている。この圧力補正室17の壁面の一部は、振動板11よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材(第1可動板)21で形成されている。この第1可動板21のコンプライアンスは、振動板11のコンプライアンスより大きく、温度,気圧の環境変化によるアクチュエータ室(空隙13、連通路15、16、圧力補正室17を併せた空間)のガスの収縮,膨張による振動板11の初期撓みを十分軽減できる程度に大きい必要がある。
さらに、この第1可動板21を挟んで圧力補正室17と反対側に流路部材2によって閉じた空間で形成されるダンパ室18を配置し、このダンパ室18の他の壁面(第1可動板21で形成される壁面以外の壁面)の1つは第1可動板21よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材(第2可動板)22で形成されている。この第2可動板22のコンプライアンスは、第1可動板21のコンプライアンスよりもさらに大きく、かつ、温度,気圧の環境変化によるアクチュエータ室とダンパ室18のガスの収縮,膨張による振動板11の初期撓みを十分軽減できる程度に大きい必要がある。
この液体吐出ヘッドにおいては、可変電極である振動板11と電極14との間にヘッド駆動回路から所定の駆動パルスを印加することによって、振動板11と対向電極14との間に静電力が生じて、振動板11が対向電極14側に当接するまで変位し(破線図示の状態)、駆動パルスが立ち下がることによって静電力が消失することにより、振動板11が自身の復元力によって液室6側に復元するので、この振動板11の機械的な力によって液室6内の記録液が加圧されて、ノズル4から液滴が吐出される。
そして、この液体吐出ヘッドでは、振動板11と電極14との間の空隙13は圧力補正室17に連通し、この圧力補正室17の壁面の少なくとも一部は振動板11よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材21で形成され、この第1可動部材21を挟んで圧力補正室17と反対側には密閉されたダンパ室18を有し、このダンパ室18の他の壁面は第1可動部材21よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材22で形成されているので、温度,気圧の環境変化による振動板21の平衡位置の変化を十分軽減することができ、安定した振動板変位特性が得られて、安定した滴吐出特性の維持が可能となるとともに、大気に通じていないので、ダンパ室18への異物、水分の侵入のおそれがなく、また、共通液室とは別にダンパ室18が設けられているので、共通液室の配置、構成上の制限を受けることがない。
また、この液体吐出ヘッドにおける本発明に係る静電型アクチュエータは、液室6などの流路、ノズルを形成する部分を除く部分で構成される、つまり、振動板と電極との間の空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで圧力補正室と反対側には閉じた空間で形成されるダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている構成であるので、温度,気圧の環境変化による振動板の平衡位置の変化を十分軽減することができ、安定した振動板変位特性が得られるとともに、大気に通じていないので、ダンパ室への異物、水分の侵入のおそれがない。
なお、上記実施形態では、第1可動板21と振動板11とは振動板部材12で形成しているが、同じ厚みである必要はなく、異なる材料で形成することもできる。また、ダンパ室18の第1、第2可動板21、22以外の壁面は流路部材2で形成しているが、流路部材と異なる材料、部材で形成することもできる。また、第2可動板22はノズル板3で形成しているが、ノズル板3と異なる材料、部材で形成することもできる。
ただし、プロセス工程を最少にすることでコスト低減効果を得るためには、上述したように、第1可動部材は振動板部材で形成し、ダンパ室は流路部材で形成し、第2可動部材はノズル板で形成する方が好ましい。
ここで、第1可動部材21、第2可動部材22、気圧補正室17、ダンパ室18のスケール(大きさ)について説明する。
気圧補正室17に連通する全ての振動室(空隙)13を含むアクチュエータ室の室温における初期の体積が、状態方程式P=nRTにより表せるとする。その後、温度,気圧がそれぞれT,Pとなったときの状態をPV=nRTで表す。すると、状態遷移前後の体積差ΔVは、次に(1)式で与えられる。
Figure 2008173895
一方、矩形板が変位したときに形成される変位体積をWとする。例えば、矩形板の長辺長bが短辺長aに対して十分長く、矩形板に加わる圧力Pが一様であり、矩形板の端部の変位が他の部分と同じと仮定すると、変位体積Wは、次の(2)式で与えられる。なお、(2)式中、ν:ポアソン比、E:ヤング率、t:矩形板の厚みである。
Figure 2008173895
したがって、ΔV<W、の関係を満たせば、温度,気圧の変化によって振動板11の平衡位置が変わることはない。つまり、環境変化によるアクチュエータ室の体積変化分をΔV1、アクチュエータ室とダンパ室の体積変化分をΔV2とし、第1可動部材21の変位体積をW1、第2可動部材22の変位体積をW2とすると、ΔV1<W1、ΔV2<W2、という2つの式を満たす必要がある。
次に、本発明を係る静電型アクチュエータを備える本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図、図5は同ヘッドの流路部材のダンパ室部分の斜視説明図である。
この実施形態では、ダンパ室18は、第1可動板21側の相対的に面積の狭い第1ダンパ室部分18Aと、この第1ダンパ室部分18Aに連続する、第2可動板22側の相対的に面積の広い第2ダンパ室部分18Bとで形成している。
次に、具体的な実施例について説明する。
〔実施例1〕
(アクチュエータ基板の作製プロセス)
図6に示すように、シリコン基板20上に熱酸化膜30を形成し、その上に固定電極の導電層となるポリシリコン31を0.5μm厚で積層する。その後、絶縁膜となるHTO32を0.15μm厚で積層する。次に、振動板−固定電極間の空隙13を形成するために犠牲層としてポリシリコンを0.25μm厚で積層する。
さらに、振動板部材12を形成するため、犠牲層上に振動板保護膜である絶縁膜となるHTO34を0.15μm厚で積層し、振動板11内の可変電極である導電層となるポリシリコン35を0.2μm厚で積層し、次に、引張内部応力を有するSi36を0.18μm厚、HTO37を0.6μm厚で順次積層形成した後、図示しない除去孔を通して犠牲層であるポリシリコンをICPによりエッチング除去し、空隙13を形成して、その後接液層である樹脂ポリイミド層38を1μm厚で積層することで振動板11とする。
これにより、振動板11及び電極14を1つの基板20上に犠牲層プロセスで形成した静電型アクチュエータを作製し、この静電型アクチュエータを160個集積して液体吐出ヘッドのアクチュエータとした。なお、振動板11は1000×60μmの面積を有する。
ここで、静電型アクチュエータの振動板部材12は、振動板11を形成するとともに第1可動板21を形成する。また、気圧補正室17、連通路15、16は空隙13と同時に犠牲層をエッチング除去することで形成しており、これたは同じ深さを有している。なお、電極14を形成する電極形成層となるポリシリコンは気圧補正室17及び連通路15、16にも形成されるが、この電極形成層には外部から電位を与えることはできない構成となっている。なお、連通路15、16の幅は5μmとし、160個の空隙13が連通路15、16を通じて一つの気圧補正室17に連通する構成としている。
(流路部材の作製プロセス)
流路部材2にはシリコン基板を用いて、KOHによるウェットエッチングとICPを併用して、同じシリコン基板に液室6などの流路とダンパ室18を形成した。シリコン基板の厚みは400μmである。
(ノズル板の作製プロセス)
ノズル板3にはポリイミド系の樹脂フィルム(厚み20μm)を用いている。このノズル板3はダンパ室18の壁面となる第2可動板22を形成している。
なお、後述する実施例2における評価を行うために、一部のアクチュエータに対応する流路部材の一部分は、大きい貫通穴を設けて、さらにその部分にはノズル板を接合せずに、上方から振動板11を観察できる状態で形成した。
〔実施例2〕
上記製造工程により、気圧補正室17、第1可動板21、ダンパ室18、第2可動板22からなる気圧補正機構を設けないヘッドAと、気圧補正機構を設けたヘッドBを作製した。ヘッドBは、第2実施形態の構成として、図4及び図5に示す各部のパラメータを図7に示すようにした。
(評価方法)
振動板11と電極14との間に駆動周波数1kHzの駆動パルスを印加して駆動し、ドップラ振動計を用いて振動板11表面を観測し、振動板11が固定電極14側に接触する最小電圧Vthを計測することで、気圧補正の効果が得られているかを判断した。なお、振動板11が固定電極14側に接触するまでの距離、すなわち、ギャップ長でもって効果を判断していないのは、最小電圧Vthを用いた方が計測の精度が良いと判断しているからである。
また、評価において、外気圧を変更することは簡単ではないので、ヘッドをホットプレートに積載し、温度を変更することで、外気圧を変更したのと等価な実験条件を得ている。
この評価の結果を図7に示している。これより、室温での最小電圧Vthとヘッド加熱時(40℃)の最小電圧Vthの計測結果から、気圧補正機構を有しないヘッドAにおいては、最小電圧Vthが変化しているが、ヘッドBでは殆ど変化していないことが分かる。なお、有限要素法によるシミュレーション結果からは、ヘッドAの2.9Vの最小電圧Vthの増加は、ギャップ長が0.019μm程度増加したことに相当する。
次に、本発明を係る静電型アクチュエータを備える本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。
この実施形態では、ダンパ室18は、第1可動板21側の第1ダンパ室部分18Aと、第2可動板22側の第2ダンパ室部分18Bと、これらの第1ダンパ室部分18Aと第2ダンパ室部分18Bとを連通する連通路である連通口18Cとで形成している。この場合、第1可動板21と第2可動板22の面積(可動面積)は同じでも異なってもよい。
このように構成することで、第1可動板21、第2可動板22の可動性を遮ることなく、ダンパ室18の空間体積を第1、第2実施形態よりも小さくすることができ、環境変化により増減するダンパ室内ガスの絶対値を下させることになる。したがって、第2可動部材の面積を低減することができ、その結果、静電型アクチュエータ並びに液体吐出ヘッドの大きさを抑えることができる。
次に、本発明を係る静電型アクチュエータを備える本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図、図10(a)は同ヘッドの流路部材のダンパ室部分の第1可動板側から見た斜視説明図、図10(b)は同ヘッドの流路部材のダンパ室部分の第2可動板側から見た斜視説明図である。
この実施形態では、ダンパ室18は、第1可動板21側の相対的に面積の狭い第1ダンパ室部分18Aと、第2可動板22側の相対的に面積の広い第2ダンパ室部分18Bと、これらの第1ダンパ室部分18Aと第2ダンパ室部分18Bとを連通する連通口18Cとで形成している。
次に、具体的な実施例について説明する。
〔実施例3〕
上記製造工程により、気圧補正室17、第1可動板21、ダンパ室18、第2可動板22からなる気圧補正機構を設けた第2実施形態の構成の前記ヘッドB、ヘッドCと、異なる気圧補正機構を設けた第4実施形態の構成のヘッドDとを作製した。このとき、各部のパラメータは図11に示すようにした。そして、前述した実施例2と同様の評価方法及び条件で評価した。この結果を図10に示している。
室温での最小電圧Vthとヘッド加熱時の最小電圧Vthの計測結果から、ヘッドBのY2を650μmへと短くしたヘッドCでは最小電圧Vthが明らかに変化しており、気圧補正機構が十分に作用していないことが分かる。一方、ヘッドDでは、Y2の値がヘッドCと同じであるにも関わらず、最小電圧Vthは変化しておらず、気圧補正機構が十分働いていることが分かる。なお、有限要素法によるシミュレーション結果からは、ヘッドCの2.6Vの最小電圧Vthの増加はギャップ長が0.016μm程度増加したことに相当する。
なお、可動板の自由変位による気圧補正機構を採用する場合、最小でも第1可動部材のスペースが必要である。つまり、アクチュエータ室の圧力補正を行なうために第1可動部材は必ず必要である。
上述した各実施例では第2可動板は第1可動板よりも大きなスペース(面積)としているが、同じ面積を有し、同じ圧力を受けたときに、第2可動部材がより変位しやすい材料であれば、第1可動部材と第2可動部材とを同じ大きさにすることができ、最小のスペース増加で気圧補正機構を設けることができる。

次に、本発明に係る静電型アクチュエータを備える本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態の異なる例について図12及び図13を参照して説明する。
この実施形態では、圧力補正室17に代えて、アクチュエータ基板1の共通連通路15を振動板部材12に形成した開口25及び連通路26を通じて流路部材2に設けたダンパ室28に連通させ、ダンパ室28の壁面の一部を、振動板11よりもコンプライアンスの大きい可動部材である可動板23で形成している。なお、図12の例では連通路26の開口断面積と同じ開口25を形成し、図13では連通路26の開口断面積より小さい開口25を形成している。
つまり、振動板11と電極14との間の空隙13は液室6を形成する部材で構成された密閉されたダンパ室28に連通し、このダンパ室28の壁面は振動板11よりもコンプライアンスの大きい可動部材23で形成されている構成としている。なお、静電型アクチュエータとして構成する場合には、ダンパ室28を形成する部材を別途設ければよい。
これにより、アクチュエータ室という密閉された空間の容積は前記第1ないし第4実施形態に比べて小さくなり、第2可動板22の面積に比べて小さな面積の可動板23でも圧力補正を行うことができるようになり、ヘッドの小型化を図ることができる。なお、大気からの水分、異物の浸入による影響を受けることなく、共通液室の配置や構成の制限を受けず、確実に空隙内の圧力補正を行うことで安定した振動板変位特性が得られること、安定した滴吐出特性が得られることは前記各実施形態と同様である。
なお、上記各実施形態における第2可動部材21、可動部材23の材質として、メタルなどを用いた場合、製造プロセスにおいて作製も取り扱いも困難な程に厚みを薄くするか、あるいは気圧補正機構のために大きなスペースを用いてヘッドを大型化しなければならなくなる。そこで、これらの第2可動部材21、可動部材23としては曲げ弾性率の低い樹脂により形成することで、面積増大、これによるヘッドの大型化を防ぎつつ、気圧補正機構をヘッドに組み込むことができるようになる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの他の実施形態としての液体カートリッジ一体型液体吐出ヘッドについて図14を参照して説明する。
この液体カートリッジ一体型ヘッド80は、ノズル81等を有する本発明に係る液体吐出ヘッドと同じ構成のヘッド部82と、このヘッド部82に対して記録液(インク)を供給するインクタンク(液体タンク)83とを一体化したものである。これにより、安定した滴吐出特性が得られる液体カートリッジ一体型液体吐出ヘッドを得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載した本発明に係る画像形成装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図16は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する独立した4個の本発明に係る液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成した記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液体吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
また、搬送ローラ127の軸には、スリット円板134を取り付け、このスリット円板134のスリットを検知するセンサ135を設けて、これらのスリット円板134及びセンサ135によってエンコーダ136を構成している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、キャリッジ103の前方側には、スリットを形成したエンコーダスケール142を設け、キャリッジ103の前面側にはエンコーダスケール142のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ143を設け、これらによって、キャリッジ103の主走査方向位置を検知するためのエンコーダ144を構成している。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。この維持回復機構156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部(高圧電源)から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構155側に移動されて、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このように、この画像形成装置によれば、安定した滴吐出特性が得られる液体吐出ヘッドを備えるので、高画質画像を形成することができる。
なお、上記実施形態においては、液体吐出ヘッドとしては、インク以外にも、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液体吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液体吐出ヘッドなどの他の液体吐出ヘッドにも適用できる。また、静電型アクチュエータは、マイクロポンプ、光学デバイス(光変調デバイス)、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドのアクチュエータ基板の要部平面説明図である。 図1のA−A線に相当するノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 図1のB−B線に沿う模式的断面説明図である。 本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 同ヘッドの流路部材のダンパ室部分の斜視説明図である。 具体的な実施例の説明に供するアクチュエータ基板の説明図である。 同じく各部のパラメータ及び最小電圧Vthの変化の説明図である。 本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 同ヘッドの流路部材のダンパ室部分の斜視説明図である。 具体的な実施例の説明に供する説明図である。 本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 同第5実施形態の他の例に係る液体吐出ヘッドのノズルの並び方向の模式的断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの他の例の説明に供する斜視説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を説明する側面説明図である。 同画像形成装置の要部平面説明図である。
符号の説明
1…アクチュエータ基板
2…流路基板(流路部材)
3…ノズル基板
4…ノズル
6…液室(吐出室)
9…液室間隔壁
11…振動板
12…振動板部材
13…空隙
14…個別電極
15…個別連通路
16…共通連通路
17…圧力補正室
18、28…ダンパ室
21…第1可動板(第1可動部材)
22…第2可動板(第2可動部材)
23…可動板(可動部材)
25…開口
26…連通路
80…液体カートリッジ一体型液体吐出ヘッド
107k、107c、107m、107y…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (12)

  1. 液滴を吐出するノズルが連通する液室の一面を形成する変形可能な振動板と、この振動板に空隙を介して対向する電極を備える液体吐出ヘッドにおいて、
    前記空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は前記振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで前記圧力補正室と反対側には密閉されたダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は前記第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記第2可動部材は前記ノズルを形成したノズル板で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ダンパ室の壁面の一部は前記液室を形成する部材で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ダンパ室は、第1可動板側の第1ダンパ室部分と、前記第2可動板側の第2ダンパ室部分とを有し、これらの第1ダンパ室部分と第2ダンパ室部分とは連通路で連通されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記第2可動部材は樹脂から形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 液滴を吐出するノズルが連通する液室の一面を形成する変形可能な振動板と、この振動板に空隙を介して対向する電極を備える液体吐出ヘッドにおいて、
    前記空隙は前記液室を形成する部材で壁面の一部が形成される密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は前記振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記可動部材は樹脂から形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、記録液を供給する液体タンクが一体化されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出させる液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
  10. 液滴を吐出する液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 変形可能な振動板と、この振動板に空隙を介して対向する電極を備える静電型アクチュエータにおいて、
    前記空隙は圧力補正室に連通し、この圧力補正室の壁面の少なくとも一部は前記振動板よりもコンプライアンスの大きい第1可動部材で形成され、この第1可動部材を挟んで前記圧力補正室と反対側には閉じた空間で形成されるダンパ室を有し、このダンパ室の他の壁面は前記第1可動部材よりもコンプライアンスの大きい第2可動部材で形成されている
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  12. 変形可能な振動板と、この振動板に空隙を介して対向する電極を備える静電型アクチュエータにおいて、
    前記空隙は前記振動板を形成する部材上に設けられた部材に形成された密閉されたダンパ室に連通し、このダンパ室の壁面は前記振動板よりもコンプライアンスの大きい可動部材で形成されている
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
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