JP2010284960A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧を分割して印加するようにした場合、圧電アクチュエータの特性上、非吐出の圧電アクチュエータも変形してノズルから液垂れなどの不具合を生じる。
【解決手段】液体吐出ヘッド1の圧電アクチュエータ7は、振動板6上に、第1電極11、第1圧電層12、第2電極13、第2圧電層14、第3電極15を順次積層して構成され、第1電極11、第2電極13には、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位の駆動電圧V1、V2が印加され、第3電極15には、液滴を吐出するとき、電位0Vの駆動電圧V3を印加し、液滴を吐出しないときには第2電極13に印加した電位と同じ電位を印加することで、液滴吐出時には第1圧電層12及び第2圧電層14がいずれも面内方向に伸縮し、液滴非吐出時には第1圧電層12が伸縮しようとするが、第2圧電層14が伸縮しないので、結果として第1圧電層12の伸縮が抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「圧電素子」、「圧電層」は、電気機械変換素子、電気機械変換層を意味する。
従来、液体吐出ヘッドとして、液室内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電アクチュエータを用いるもの、静電アクチュエータを用いるものなどが知られている。圧電アクチュエータを用いるものとして、振動板上に第1電極(下部電極)、第1圧電層、第2電極(上部電極)を積層したユニモルフ型圧電素子を配置し、第1電極と第2電極に駆動電圧を印加することで圧電素子の面内方向に伸縮を生じさせて振動板を面外方向に撓ませるものがある。
ところで、液体吐出ヘッドを駆動するための電子部品は、使用する電圧、電流値に応じて必要な耐圧が決まり、通常、耐圧が大きいほど部品コストが増大する。このことは、ヘッドの高集積化が進むほど、配線数が増えるため、製品コストが増大することにつながる。
そこで、例えば、駆動電圧Vを2分割し、例えば、一方の電極には正極性の電圧V/2を、他方の電極には極性の異なる負極性の電圧−V/2を印加することで、部品の耐圧を下げる方法が考えられる。し
かしながら、通常、2つの電極のうち、一方は、複数のアクチュエータで共通の電位を採って配線数を低減するよう構成されているため、この駆動方法では、液滴を吐出しないアクチュエータにも、液滴を吐出させる場合の1/2程度の大きさの電圧が加わることになる。そのため、圧電素子を用いた場合は、吐出時のほぼ1/2の駆動力(振動板を変位させる力)を発生させることになり、非吐出ノズルから液滴を吐出させるおそれが生じることになる。また、液滴が吐出されまでも、ノズルのメニスカスの盛り上がりによりノズル面にインクが はみ出してしまうおそれがあり、ヘッドの動作に不具合を与える可能性が高くなる。
この点、静電アクチュエータを用いる場合には、振動板が、対向電極とのギャップが初期の1/3までは電圧上昇に対して緩やかに(非線形で)変位量が増大し、1/3を超えると僅かな電圧増加で急激に変位するという特性があることから、上述したような駆動電圧Vの1/2をそれぞれ振動板と対向電極に印加するという構成が可能である(特許文献1)。
そのため、2つの圧電素子を用いて、一方の圧電素子は複数の振動板を変位させ、他方の圧電素子は各振動板を個別に変位させる構成とし、2つの圧電素子がともにくどうされるときに液滴が吐出されるようにしたものがある(特許文献2)。
特許第3865386号公報 特許第2988265号公報
上述したように駆動電圧を2分割して2つの電極に印加する構成を採用するためには、発生する駆動力と電圧との間に非線形性を持たせることが必要になるが、圧電アクチュエータでは通常このような性質を持たせることが難しい。
この場合、特許文献2に記載のような構成を採用しても、液滴を吐出させない場合、2つの圧電素子(これを圧電素子A、Bとする。)の一方(例えば圧電素子B)は駆動しないが、圧電素子Aは駆動されるため、ノズル面へのインクのはみ出しのような不具合を防ぐためには、圧電素子Aの変位量は液滴吐出時の振動板変位量の半分を大きく下回るようにしなければならず、駆動電圧Vを分割しても1/2にはならないことから、上述した駆動系部品の耐圧低減効果は小さく、十分なコストダウンも図れないという課題がある。
本願発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、駆動電圧の分割による電子部品の耐圧を低減して低コスト化を図れ、非吐出時の動作にも不都合な影響を与えないようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、画像形成装置は、
液滴を吐出するノズルと、前記ノズルが連通する液室と、前記液室の一部の壁面を形成する振動板と、前記振動板を変位させる圧電アクチュエータとを有する液体吐出ヘッドを備え、
前記液体吐出ヘッドの前記圧電アクチュエータは、前記振動板上に、第1電極、第1圧電層、第2電極、第2圧電層、第3電極を順次積層して構成され、
前記第1電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、
前記第2電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、
前記第3電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときで異なる電位を印加する
構成とした。
ここで、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して印加される電圧の大きさが同じである構成とできる。
また、前記第2電極はグランド電位に接続されている構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、液体吐出ヘッドの圧電アクチュエータは、振動板上に、第1電極、第1圧電層、第2電極、第2圧電層、第3電極を順次積層して構成され、第1電極及び第2電極には、それぞれ液滴を吐出させるときと液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、第3電極には液滴を吐出させるときと液滴を吐出させないときに異なる電位を印加する構成としたので、駆動電圧の分割による電子部品の耐圧を低減して低コスト化を図れ、非吐出時の動作にも不都合な影響を与えないようにすることができる。
本発明の第1実施形態の説明に供する説明図である。 同実施形態における印加電圧の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態における印加電圧の説明に供する説明図である。 本発明の第3実施形態における印加電圧の説明に供する説明図である。 本発明における液体吐出ヘッドの製作工程の説明に供する断面説明図である。 比較例の圧電アクチュエータの説明に供する断面説明図である。 比較例の圧電アクチュエータに対する印加電圧の一例の説明に供する説明図である。 比較例の圧電アクチュエータに対する印加電圧の他の例の説明に供する説明図である。 実施例の圧電アクチュエータに対する印加電圧の一例の説明に供する説明図である。 実施例の圧電アクチュエータに対する印加電圧の他の例の説明に供する説明図である。 比較例及び実施例の圧電アクチュエータにおける振動板変位量の測定結果の説明に供する説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 同じく要部平面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の説明に供する説明図である。
記録ヘッドを構成する液体吐出ヘッド1は、液滴を吐出するノズル2を形成したノズル板3と、ノズル2が連通する液室(圧力室)4を形成する流路板5と、液室4の一部の壁面を形成する振動板6と、振動板6を変位(変形)させる圧電アクチュエータ7とを有している。
圧電アクチュエータ7は、振動板6上に、第1電極11、第1圧電層(第1圧電材料層)12、第2電極13、第2圧電層(第2圧電材料層)14、第3電極15を順次積層して構成されている。
駆動電圧印加手段20は、印刷データに応じて、圧電アクチュエータ7の第1電極11、第2電極13、第3電極15に対してそれぞれ駆動電圧V1、V2、V3を印加する。
ここで、3つの電極11、13、15はそれぞれ独立であり、液滴を吐出する場合には、第1圧電層12、第2圧電層14が共に面内方向に伸びる(又は共に縮む)ように電圧印加を行う。一方、吐出させない場合には、第1圧電層12のみが伸びる(又は縮む)ように電圧印加を行い、第2圧電層14は伸縮させない。つまり、第2電極14と第3電極15は同電位となるように駆動する。
これにより、非吐出時の場合、第1圧電層12は面内方向に伸縮させるが、その両側には伸縮しない振動板6と第2圧電層14が存在するため、単純なユニモルフ構造とはならず、第1圧電層12の面内方向伸縮は大きく制限され、結果として、振動板6の面外方向撓みも非常に小さなものとなる。
一方、吐出を行う場合、第1圧電層12に加え、第2圧電層14も伸縮させるため、ユニモルフ構造となり、振動板6には大きな面外方向撓みが与えられる。
例えば、吐出時の駆動電圧をV0とすると、非吐出時に圧電素アクチュエータ7にはα×V0(α<1)の電圧が印加されるが、得られる振動板6の変位量も吐出時のα倍になるのではなく、もっと小さい変位しか得られない。これにより、吐出時と非吐出時では駆動電圧と得られる振動板変位量の間に非線形性が生じることになり、駆動電圧を分割して、2つの圧電層を駆動することでアクチュエータの動作を行うことが可能となる。
次に、この実施形態における印加電圧について図2を参照して説明する。ここでは、吐出を行うための電圧を電圧V0とする。
第1電極11には、図2(a)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位+V0/3の駆動電圧V1が印加される。また、第2電極13には、図2(b)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位−V0/3の駆動電圧V2が印加される。つまり、第1電極11と第2電極13には、極性の異なる電位+V0/3、−V0/3の駆動電圧V1、V2が印加される(駆動電圧V0を分割した電圧が印加される)。これにより、第1圧電層12には2×V0/3の電圧が加えられる。
一方、第3電極15には、図2(c)に示すように、液滴を吐出するとき、電位0Vの駆動電圧V3を印加することで、第2圧電層14には電位V0/3の電圧が加えられ、第2圧電層14は面内方向に伸縮する。また、液滴を吐出しないとき、第2電極13に印加した電位と同じ電位(この例では−V0/3)を印加することで、第2圧電層14に加えられる電圧は「0」となり、第2圧電層14は面内方向に伸縮しないことになる。
これにより、液滴吐出時には第1圧電層12及び第2圧電層14がいずれも面内方向に伸縮し、液滴非吐出時には第1圧電層12が伸縮しようとするが、第2圧電層14が伸縮しないので、結果として第1圧電層12の伸縮が抑えられて、液滴を吐出せず、またノズルからの液垂れなどが防止される。
なお、印加する電圧に応じて、第1圧電層12と第2圧電層14の面内方向の伸縮が、共に伸びる或いは共に縮むように圧電材料の配向を行う必要がある。また、図2の印加電圧例では、第1圧電層12と第2圧電層14に印加される電圧が異なるので、非吐出時、第1圧電層12のみに電圧が印加された場合に液滴が確実に吐出されないように、第1圧電層12の厚みを第2圧電層14の厚みよりも厚くしている。
このように、液体吐出ヘッドの圧電アクチュエータは、振動板上に、第1電極、第1圧電層、第2電極、第2圧電層、第3電極を順次積層して構成され、第1電極及び第2電極には、それぞれ液滴を吐出させるときと液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、第3電極には液滴を吐出させるときと液滴を吐出させないときに異なる電位を印加する構成とすることで、駆動電圧を分割することができて、電子部品の耐圧を低減して低コスト化を図れ、しかも、非吐出時の動作にも不都合な影響を与えないようにすることができる。
また、第1圧電層には、液滴吐出時も非吐出時も同じ電圧を加えるので、第1圧電層の両側の第1電極と第2電極は複数のアクチュエータで共通とすることで、電圧印加のための配線数を減らすことができて、更なるコストダウンにつなげることができる。
次に、本発明の第2実施形態における印加電圧について図3を参照して説明する。
ここでも、吐出を行うための電圧をV0とする。
第1電極11には、図3(a)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位(0V)になる駆動電圧V1が印加される。また、第2電極13には、図3(b)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位V0/2になる駆動電圧V2が印加される。これにより、第1圧電層12にはV0/2の電圧が加えられる。
一方、第3電極15には、図3(c)に示すように、液滴を吐出するときには電位0になる電圧V3を印加することで第2圧電層14には電位V0/2の電圧が加えられる。また、液滴を吐出しないときには第2電極13に印加した電位と同じ電位(V0/2)になる電圧を印加することで、第2の圧電層14に加えられる電圧は「0」となり、圧電アクチュエータ7は面内方向に伸縮しないことになる。
これにより、液滴吐出時には第1圧電層12及び第2圧電層14がいずれも面内方向に伸縮し、液滴非吐出時には第1圧電層12が伸縮しようとするが、第2圧電層14が伸縮しないので、結果として第1圧電層12の伸縮が抑えられて、液滴を吐出せず、またノズルからの液垂れなどが防止される。
このように第1の圧電層と第2圧電層に印加される電圧を略同じ大きさとすることで、アクチュエータ駆動における電子材料、電子部品の耐圧を下げることができ、コストダウンにつなげることができる。
なお、印加する電圧に応じて第一圧電層と第2圧電層の面内方向の伸縮が、共に伸びる或いは共に縮むように圧電材料の配向を行う必要がことは前述したとおりである。
次に、本発明の第3実施形態における印加電圧について図4を参照して説明する。
ここでも、吐出を行うための電圧をV0とする。
第1電極11には、図4(a)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、同じ電位+V0/2になる駆動電圧V1が印加される。また、第2電極13には、図4(b)に示すように、液滴吐出時及び液滴非吐出時のいずれでも、電位0になる駆動電圧V2を与える(第2電極13はグランド電位に接続する)。これにより、第1圧電層12には吐出時も非吐出時もV0/2の電圧が加えられる。
一方、第3電極15には、図4(c)に示すように、液滴を吐出するときには電位−V0/2になる駆動電圧V3を印加することで第2圧電層14には電位V0/2の電圧が加えられる。また、液滴を吐出しないときには電位0になる駆動電圧V3を印加することで、第2の圧電層14に加えられる電圧は「0」となり、圧電アクチュエータ7は面内方向に伸縮しないことになる。
これにより、液滴吐出時には第1圧電層12及び第2圧電層14がいずれも面内方向に伸縮し、液滴非吐出時には第1圧電層12が伸縮しようとするが、第2圧電層14が伸縮しないので、結果として第1圧電層12の伸縮が抑えられて、液滴を吐出せず、またノズルからの液垂れなどが防止される。
そして、一般的に、記録媒体にドキュメントを印刷する場合、液滴を吐出してドットを形成するよりも、ドットを形成しない(記録媒体上の)エリアが多くなる。したがって、ドットを形成しない場合(非吐出の場合)に、印加する電位を「0」Vとすることで消費電力が小さくなる。この実施形態のように、第2電極13を常に電位0とする(GND電位にする)ことで、第3電極15に印加する電位を、吐出する場合には「0」でない電位、吐出しない場合には電位0とすることができて、消費電力を下げることができる。
なお、印加する電圧に応じて第一圧電層と第2圧電層の面内方向の伸縮が、共に伸びる或いは共に縮むように圧電材料の配向を行う必要がことは前述したとおりである。
次に、圧電アクチュエータの製作方法の一例について図5を参照して説明する。なお、図5は1つのアクチュエータの振動板短辺方向断面図である。
ここでは、図5(a)に示すように、単結晶シリコン基板31、32の間にシリコン酸化膜41を有するSOI基板30を使用する。そして、図5(b)に示すように、シリコン基板31の表面に図示しないレジスト膜を形成し、酸化膜41をストップ層としてシリコン基板32のKOHなどによるウェットエッチング処理を行い、掘り込み部を形成する。掘り込み部は、ヘッドの液室4となり、掘り込み以外の部分は液室間隔壁となる。また、シリコン基板31は振動板6となる(例えば厚さ2μmのシリコン基板31を用いる)。
次に、図5(c)に示すように、シリコン基板31からなる振動板6上のレジストを除去し、CVDにより0.3μmのHTO(酸化シリコン)膜42を形成する。その後、図5(d)に示すように、CVDによる製膜とパターニングにより、第1電極11、第1圧電層12、第2電極13、第2圧電層14、第3電極15を順次積層して圧電アクチュエータ7を形成する。なお、電極の厚みはそれぞれ0.1μmであり、圧電層の厚みは1μm、電極材料は白金とした。
なお、図5は振動板短辺方向断面図であるため明らかでないが、全アクチュエータで第1電極11と第2電極13は各々振動板長辺方向端部において配線が通じており、共通電極となっている。
次に、従来構成の圧電アクチュエータとの比較について説明する。
(実施例)
上記図5の作製工程で圧電アクチュエータを製作した。
(比較例)
前述した図5の作製工程で、図6に示すように、第2圧電層13、第3電極15を有していない圧電アクチュエータ507にしたこと、第1圧電層12の厚みを2μmとしたこと以外同様な構成のものを製作した。
そして、電極に電圧を印加した場合の振動板の変位量を計測した。ここでは、比較例の圧電アクチュエータに対して図7及び図8に示す電圧パルスを印加した。また、実施例の圧電アクチュエータに対して図9及び図10に示す電圧パルスを印加した。それぞれ電位の値は図示した値である。また、電圧パルスの幅は10μsであり、パルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時間はそれぞれ2μsとした。振動板の変位量の計測はレーザードップラー振動計で行い、振動板の短辺方向中央部の変位量を計測した。結果を図11に示している。
この結果、圧電層の厚み辺りの電圧印加値が同じ図7及び図9に示す電圧を印加した場合、振動板の変位量は比較例及び実施例ともほぼ同じ0.14μmであった。しかしながら、全体で11Vしか印加しない図8及び図10に示す電圧を印加した場合には、振動板の変位量は実施例の方が小さくなる。すなわち、変位量が小さいということは、吐出に寄与する力も小さいとは明らかである、ノズルからの液垂れなどの不具合を防止できることが分かる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る画像形成装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。なお、図12は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図13は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液体吐出ヘッド234a、234bを1つのベース部材に取り付けた構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、各色毎の液体吐出ヘッドを備えることもできる。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは「サブタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このとき、記録ヘッド234を構成する液体吐出ヘッドとしては前述した液体吐出ヘッドを使用して、各ノズルに対応する圧電アクチュエータに対して前述した各実施形態で説明した駆動電圧を印加するようにしている。
これにより、電子部品の耐圧を低下させることができてコストの低減を図れ、液垂れなどの不具合を生じることなく、安定して高画質画像を形成することができる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、前述したように、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができ、また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
1 液体吐出ヘッド
2 ノズル
3 ノズル板
4 液室
5 流路板
6 振動板
7 圧電アクチュエータ
11 第1電極
12 第1圧電層
13 第2電極
14 第2圧電層
15 第3電極
20 駆動電圧印加手段
234 キャリッジ
235 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (3)

  1. 液滴を吐出するノズルと、前記ノズルが連通する液室と、前記液室の一部の壁面を形成する振動板と、前記振動板を変位させる圧電アクチュエータとを有する液体吐出ヘッドを備え、
    前記液体吐出ヘッドの前記圧電アクチュエータは、前記振動板上に、第1電極、第1圧電層、第2電極、第2圧電層、第3電極を順次積層して構成され、
    前記第1電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、
    前記第2電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときに同じ電位を印加し、
    前記第3電極には前記液滴を吐出させるときと前記液滴を吐出させないときで異なる電位を印加する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して印加される電圧の大きさが同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2電極はグランド電位に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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