JP2008173781A - 断熱シート及びこの断熱シートを用いた成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、製造工程が短く、鮮明な模様を有する断熱シート、及び、この断熱シートを用いた成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】 中空気泡体含有樹脂層と、この中空気泡体含有樹脂層の上に配置される表面保護樹脂層とを備え、上記中空気泡体含有樹脂層と表面保護樹脂層との境界部に、上記中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配した断熱シート。
【選択図】 図1
【解決手段】 中空気泡体含有樹脂層と、この中空気泡体含有樹脂層の上に配置される表面保護樹脂層とを備え、上記中空気泡体含有樹脂層と表面保護樹脂層との境界部に、上記中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配した断熱シート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、浴室ユニットの防水パン等の住宅設備に用いられる断熱シートと、この断熱シートを用いた成形品に関する。
従来の表面に模様を有し、断熱性を備えたFRPの成形品、例えば防水パンとしては、特許文献1に記載されるものがある。
特許文献1に記載されるものは、繊維強化プラスチック製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有した断熱部と、この断熱部の表面に一体に設けられた保護層とで構成された防水パンである。
特開2005−226236
特許文献1に記載されるものは、繊維強化プラスチック製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有した断熱部と、この断熱部の表面に一体に設けられた保護層とで構成された防水パンである。
特許文献1に記載される防水パンは、断熱部の表面に厚み0.15mm未満、且つ、粗面化された保護層を設けることで、温感効果を高めることができ、また、必要部位にのみ断熱部を設け、強度不足を低減することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されるものは、プラスチック製基部と、断熱部とを別々に成形した後に、保護層をスプレー塗装によって形成させるので、製造工程が多く、作業時間が長くなる。
更に、粗面化された保護層は、断熱性に優れる一方で、塗装剤に含有された着色剤によって得られた模様の鮮明さを低減させる。
更に、粗面化された保護層は、断熱性に優れる一方で、塗装剤に含有された着色剤によって得られた模様の鮮明さを低減させる。
本発明は、製造工程が短く、鮮明な模様を有する断熱シート、及び、この断熱シートを用いた成形品を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)中空気泡体含有樹脂層と、この中空気泡体含有樹脂層の上に配置される表面保護樹脂層とを備え、上記中空気泡体含有樹脂層と表面保護樹脂層との境界部に、上記中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配した断熱シート。
(2)項(1)において、樹脂浸透シートが、表面保護樹脂層側に模様を有した断熱シート。
(3)項(1)又は(2)において、中空気泡体含有樹脂層及び表面保護樹脂層が、同一顔料を有する断熱シート。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、表面保護樹脂層が、織布、又は、不織布を配してなる断熱シート。
(5)項(1)乃至(4)の何れかに記載した断熱シートが、基材用成形材料と重ねて加熱・加圧し、断熱シートと基材用成形材料とを一体化した成形品。
(1)中空気泡体含有樹脂層と、この中空気泡体含有樹脂層の上に配置される表面保護樹脂層とを備え、上記中空気泡体含有樹脂層と表面保護樹脂層との境界部に、上記中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配した断熱シート。
(2)項(1)において、樹脂浸透シートが、表面保護樹脂層側に模様を有した断熱シート。
(3)項(1)又は(2)において、中空気泡体含有樹脂層及び表面保護樹脂層が、同一顔料を有する断熱シート。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、表面保護樹脂層が、織布、又は、不織布を配してなる断熱シート。
(5)項(1)乃至(4)の何れかに記載した断熱シートが、基材用成形材料と重ねて加熱・加圧し、断熱シートと基材用成形材料とを一体化した成形品。
本発明によれば、中空気泡体含有樹脂層と、表面保護樹脂層との境界に、中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配したことにより、中空気泡体含有樹脂を樹脂浸透シートにローラ等で押し付けながら含浸した際、開口を通過できない中空気泡体と、開口を通過できる樹脂に分離される。これにより、通過できなかった中空気泡体と、通過しきれなかった樹脂が残存することで断熱性を有した中空気泡体含有樹脂層を形成すると同時に、通過した樹脂が表面保護樹脂層を形成することができるため、2つの層を一度に製造でき、製工程を少なくし、製造時間を短縮することができる。
また、樹脂浸透シートによる中空気泡体と樹脂との分離によって、樹脂浸透シートの表面保護樹脂層側に模様を有している場合、樹脂浸透シートを通過した樹脂が透明であれば、鮮明な模様を発現した模様付断熱シートを得られる。
更に、中空気泡体含有樹脂に顔料を添加した場合、顔料と樹脂だけが樹脂浸透シートを通過することで、顔料の発色が良好な表面保護樹脂層を得られる。
表面保護樹脂層は、織布、又は、不織布を配することで補強され、樹脂単独層の場合よりも、加熱・加圧成形時に成形品表面のシワ、破れ等が起きず、成形後の収縮も低減される。
即ち、本発明の断熱シートを用いた成形品は、製造時間が短く、表面が美麗で、模様入り、顔料入りの断熱シートを用いたものでは、鮮明な模様を有した成形品となる。
また、樹脂浸透シートによる中空気泡体と樹脂との分離によって、樹脂浸透シートの表面保護樹脂層側に模様を有している場合、樹脂浸透シートを通過した樹脂が透明であれば、鮮明な模様を発現した模様付断熱シートを得られる。
更に、中空気泡体含有樹脂に顔料を添加した場合、顔料と樹脂だけが樹脂浸透シートを通過することで、顔料の発色が良好な表面保護樹脂層を得られる。
表面保護樹脂層は、織布、又は、不織布を配することで補強され、樹脂単独層の場合よりも、加熱・加圧成形時に成形品表面のシワ、破れ等が起きず、成形後の収縮も低減される。
即ち、本発明の断熱シートを用いた成形品は、製造時間が短く、表面が美麗で、模様入り、顔料入りの断熱シートを用いたものでは、鮮明な模様を有した成形品となる。
本発明にて述べる中空気泡体含有樹脂層は、樹脂組成物中に中空気泡体を含有したものである。
中空気泡体は、内部に独立気泡を有するものであればよく、無機系のもの、有機系のもの何れでも使用することができ、より具体的には、無機系として、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン等、有機系として、未膨張のものを用い、シートを形成後、加熱によって膨張させ、中空気泡体にすることもできる。
また、中空気泡体は、無機系のものと有機系のものを合わせて使用することができ、粒径の異なる2種類以上を組合せて使用することもできる。
中空気泡体の粒径は、樹脂浸透シートの開口径より大きいものであれば特に制限されるものではないが、樹脂との混合、分散性の良好な10〜300μmの範囲が好ましい。中空気泡体の粒径は、10μm未満の場合、断熱性能が徐々に低下すること、逆に300μmを超えると、得られる断熱シートの平滑性が徐々に悪化し、中空気泡体含有樹脂層に配される織布、又は、不織布等の基材への含浸性が低下する。
中空気泡体は、樹脂100質量部に対し、5〜40質量部配合されることが好ましい。配合量が5質量部未満であると、樹脂の配合割合が多くなるため、徐々に均一分散性が得られなくなり断熱性能にむらが発生する。また、配合量が40質量部を超えると、樹脂組成物の粘度が徐々に増大し、攪拌、混合が難しく、かつ、基材への含浸が難しくなる。
中空気泡体は、内部に独立気泡を有するものであればよく、無機系のもの、有機系のもの何れでも使用することができ、より具体的には、無機系として、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン等、有機系として、未膨張のものを用い、シートを形成後、加熱によって膨張させ、中空気泡体にすることもできる。
また、中空気泡体は、無機系のものと有機系のものを合わせて使用することができ、粒径の異なる2種類以上を組合せて使用することもできる。
中空気泡体の粒径は、樹脂浸透シートの開口径より大きいものであれば特に制限されるものではないが、樹脂との混合、分散性の良好な10〜300μmの範囲が好ましい。中空気泡体の粒径は、10μm未満の場合、断熱性能が徐々に低下すること、逆に300μmを超えると、得られる断熱シートの平滑性が徐々に悪化し、中空気泡体含有樹脂層に配される織布、又は、不織布等の基材への含浸性が低下する。
中空気泡体は、樹脂100質量部に対し、5〜40質量部配合されることが好ましい。配合量が5質量部未満であると、樹脂の配合割合が多くなるため、徐々に均一分散性が得られなくなり断熱性能にむらが発生する。また、配合量が40質量部を超えると、樹脂組成物の粘度が徐々に増大し、攪拌、混合が難しく、かつ、基材への含浸が難しくなる。
中空気泡体含有樹脂層に用いる樹脂は、熱硬化性樹脂を用いることができ、より具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
また、この樹脂には、模様付けするためのインキを添加することができ、熱硬化性樹脂に可溶である、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、硝化綿(ニトロセルロース)系の樹脂等に顔料や染料を混合したインキを用いることができる。
また、この樹脂には、模様付けするためのインキを添加することができ、熱硬化性樹脂に可溶である、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、硝化綿(ニトロセルロース)系の樹脂等に顔料や染料を混合したインキを用いることができる。
本発明における断熱シートは、図1に示すように、中空気泡体含有樹脂層、樹脂浸透シート層、表面保護樹脂層の3層で構成されるものである。前記中空気泡体含有樹脂層、表面保護樹脂層は、熱硬化性樹脂、硬化剤、および、中空気泡体を混練して得られる樹脂組成物を、ガラス繊維、ポリエステル、セルロース等の織布、又は、不織布等の補強材に含浸、硬化させて得られるものである。前記樹脂浸透シートは、中空気泡体の直径未満の開口径を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ガラス、ポリエステル、セルロース等の織布、又は、不織布を用いることができる。
以下に本発明に使用される材料について具体的に記載する。
本発明に用いられる樹脂組成物は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に、硬化剤、中空気泡体を混練して得られるものである。また、断熱シートは、硬化剤を単独、もしくは、異なる2種類以上の硬化剤を組合せて使用することができ、添加量、硬化条件を任意に調整することで、重合を抑制し、任意の硬化度で重合を停止した半硬化の状態としたものが好ましい。これにより、基材となる成形材料と断熱シートを加熱・加圧成形しFRP成形品を得る工程においても十分な接着強度が得られる。また、表面の微細な凹凸形状、目地形状にも追随したFRP成形品が得られる。
本発明に用いられる樹脂組成物は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に、硬化剤、中空気泡体を混練して得られるものである。また、断熱シートは、硬化剤を単独、もしくは、異なる2種類以上の硬化剤を組合せて使用することができ、添加量、硬化条件を任意に調整することで、重合を抑制し、任意の硬化度で重合を停止した半硬化の状態としたものが好ましい。これにより、基材となる成形材料と断熱シートを加熱・加圧成形しFRP成形品を得る工程においても十分な接着強度が得られる。また、表面の微細な凹凸形状、目地形状にも追随したFRP成形品が得られる。
本発明に用いられる中空気泡体含有樹脂層に使用する補強材は、樹脂の含浸性の良好なガラス繊維、ポリエステル、セルロース等の織布、又は、不織布を用いることができる。
また、補強材の厚みは、所望する断熱性能を発揮させるに必要な厚みを確保できれば良く、樹脂組成物の含浸、硬化後に、3mm以下の厚みとなるものが好ましい。これは、中空気泡体含有樹脂層の厚みが3mmを超えると、中空体含有樹脂組成物をローラ等で含浸させる際に、脱泡性や基材への樹脂含浸性に難があり、硬化不良や含浸不良により徐々に脆い断熱シートとなる。更に、得られた断熱シートで基材用成形材料と加熱、加圧成形を行った場合、断熱シートの破れにより外観の良好な成形品が得られない。
また、補強材の厚みは、所望する断熱性能を発揮させるに必要な厚みを確保できれば良く、樹脂組成物の含浸、硬化後に、3mm以下の厚みとなるものが好ましい。これは、中空気泡体含有樹脂層の厚みが3mmを超えると、中空体含有樹脂組成物をローラ等で含浸させる際に、脱泡性や基材への樹脂含浸性に難があり、硬化不良や含浸不良により徐々に脆い断熱シートとなる。更に、得られた断熱シートで基材用成形材料と加熱、加圧成形を行った場合、断熱シートの破れにより外観の良好な成形品が得られない。
本発明に用いられる樹脂浸透シートは、使用する中空気泡体の直径未満の開口を有するもの(中空気泡体の通過を阻止するもの)であればよく、材質は特に制限されず、具体的にはガラス、ポリエステル、セルロース等の、織布又は不織布を使用することができる。
また、開口の形状は円、楕円、角形等を採用でき特に制限はない。開口の大きさは、例えば、前記中空気泡体の直径が50μmである場合、50μmより小さい範囲であればよく、一方で、前記中空気泡体に粒度分布がある場合、得られる断熱シートの表面外観に影響を及ぼさない粒径サイズのみを透過させるよう開口径を選択することもできる。
中空気泡体含有樹脂組成物を、中空気泡体含有樹脂層側に載置し、ローラ等で押し付け、含浸させた際、開口径以上の中空気泡体は開口を通過できずに残存し、樹脂のみが浸透していく。その結果、樹脂浸透シートの一面側には、表面保護樹脂層が形成され、もう一面側には浸透しきれなかった樹脂と中空気泡体が残り、中空気泡体含有樹脂層が形成される。
更に、表面保護樹脂層側に模様を設けることができ、グラビヤ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等により、木目、石目、抽象柄等を任意に模様付けすることができる。
また、開口の形状は円、楕円、角形等を採用でき特に制限はない。開口の大きさは、例えば、前記中空気泡体の直径が50μmである場合、50μmより小さい範囲であればよく、一方で、前記中空気泡体に粒度分布がある場合、得られる断熱シートの表面外観に影響を及ぼさない粒径サイズのみを透過させるよう開口径を選択することもできる。
中空気泡体含有樹脂組成物を、中空気泡体含有樹脂層側に載置し、ローラ等で押し付け、含浸させた際、開口径以上の中空気泡体は開口を通過できずに残存し、樹脂のみが浸透していく。その結果、樹脂浸透シートの一面側には、表面保護樹脂層が形成され、もう一面側には浸透しきれなかった樹脂と中空気泡体が残り、中空気泡体含有樹脂層が形成される。
更に、表面保護樹脂層側に模様を設けることができ、グラビヤ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等により、木目、石目、抽象柄等を任意に模様付けすることができる。
本発明における表面保護樹脂層に用いられる補強材は、特に制限されるものではないが、樹脂を含浸、硬化後に1mm以下の厚みとなる、目付量10〜50g/m2程度のガラス、ポリエステル、セルロース等の織布、又は、不織布を用いることができる。表面保護樹脂層の厚みが1mmを超えると、断熱層による断熱性能を効果的に発揮することが、徐々にできなくなる。
本発明で得られる断熱シートは、例えば、次に示す方法にて製造される。予め配置されたベースフィルムの上に、表面保護樹脂層の補強材であるガラス繊維不織布、樹脂浸透シート、中空気泡体含有樹脂層の補強材であるガラス繊維不織布を配置し、上部より中空体入りの樹脂組成物(中空気泡体含有樹脂)を散布し、ポリエステルフィルムを介してローラにて樹脂組成物を含浸させる。ここで、中空気泡体は、樹脂浸透シートを通過できず、熱硬化性樹脂のみが表面保護樹脂層側に浸透する。これにより、表面を保護するための表面保護層と断熱性を有する中空気泡体含有樹脂層とが一体の断熱シートとなって形成される。
ここで使用するベースフィルムは、耐熱性、剥離性を有し、更に、熱硬化性樹脂に対して不溶であれば特に制限はない。
より具体的に述べると、ベースフィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、フッソ樹脂等のプラスチックフィルム、或いはアルミニウム箔等の金属箔を単体または他のフィルムと貼り合わせたもの、又は、紙やプラスチックフィルムの表面に離型性のある樹脂を塗布したものを使用することができる。
ここで使用するベースフィルムは、耐熱性、剥離性を有し、更に、熱硬化性樹脂に対して不溶であれば特に制限はない。
より具体的に述べると、ベースフィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、フッソ樹脂等のプラスチックフィルム、或いはアルミニウム箔等の金属箔を単体または他のフィルムと貼り合わせたもの、又は、紙やプラスチックフィルムの表面に離型性のある樹脂を塗布したものを使用することができる。
本発明における基材用成形材料は、断熱シートとプレス加工にて加熱・加圧成形にて一体化が可能なものであれば特に制限はないが、断熱シートとの密着性が良好なSMC、BMC等が好ましい。
本発明の1実施例を、図2に基づき以下に説明する。図2で示すように、厚さ50μmのポリエステルフィルムからなるベースフィルム1の表面上に、ガラス繊維不織布2(オリベスト株式会社製、製品名SAS−30、目付け量30g/m2)を載置し、その上に模様柄を一面側に備えた樹脂浸透シート3(NBC株式会社製、ポリエステルメッシュクロス 品番T−NO420T、開口部27μm)を、模様柄がガラス繊維不織布2側になるように重ね、さらに中空気泡体含有樹脂層の基材となるガラスマット4(旭ファイバーグラス株式会社製、商品名CSM M8609、目付け量300g/m2)をのせ、さらに、この表面上の一端部に透明なイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂100質量部(ディーエイチマテリアル株式会社製、製品名サンドーマ3717)に、あらかじめ硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パーロイルTCP)0.2質量部と、硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パークミルD)1.0質量部と、中空気泡体としてガラスバルーン(東海工業株式会社製、製品名セルスター Z36、平均粒径52μm)20質量部とを添加した中空気泡体含有樹脂5を塊状に載置した。
次いで、前記したベースフルム1と同様のポリエステルフィルム6を、中空気泡体含有樹脂5に押し付け、ポリエステルフィルム6をローラ7により、ベースフィルム1上のガラスマット4の一端部から押圧して、塊状の中空気泡体含有樹脂5をガラスマット4に含浸させ、均一に延伸脱泡し、断熱層を形成すると同時に、模様付樹脂浸透シート3によって樹脂のみを浸透させ、さらにその樹脂をガラス繊維不織布2に樹脂を含浸させて表面層としながら、中空気泡体含有樹脂5に重ね合わせた。
次に、延伸させた中空気泡体含有熱硬化性樹脂5及びガラス繊維不織布2に含浸させた熱硬化性樹脂を、70℃に保持した硬化炉内に20分間投入し、熱硬化性樹脂の重合を進めた。この後、ポリエステルフィルム6を剥がすと、半硬化状態の模様付断熱シート8が形成された。この模様付断熱樹脂シート8は、表面のべとつきがなく、ハンドリング性に優れていた。
上記模様付断熱性シート8を適宜大きさに切断した後、ベースフィルム1を剥がし、表面層を上にして図3に示すように表面用型9の上に載置し、続いて基材用成形材料10としてSMCを前記模様付断熱シート8の上に重ね、裏面用型11を締めて加圧(100kg/cm2)・加熱(表面用型:150℃、裏面用型:145℃)し、模様付断熱シートと基材成形材料との一体成形品12を得た。
本発明の第2の実施例を、図5に基づき以下に説明する。
図5に示すように、厚さ50μmのポリエステルフィルムからなるベースフィルム21の表面上に、ガラス繊維不織布22(オリベスト株式会社製、製品名SAS−30、目付け量30g/m2)を載置し、その上に樹脂浸透シート23(NBC株式会社製、ポリエステルメッシュクロス 品番T−NO420T、開口部27μm)を重ね、さらに中空気泡体含有樹脂層の基材となるガラスマット24(旭ファイバーグラス株式会社製、商品名CSM M8609、目付け量300g/m2)をのせ、この表面上の一端部に透明なイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂100質量部(ディーエイチマテリアル株式会社製、製品名サンドーマ3717)に、あらかじめ顔料(大日精化工業株式会社製、製品名ST HTK−654(B))7質量部と、硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パーロイルTCP)0.2質量部と、硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パークミルD)1.0質量部と、中空気泡体としてガラスバルーン(東海工業株式会社製、製品名セルスター Z36、平均粒径52μm)20質量部を添加した、顔料入り中空気泡体含有樹脂25を塊状に載置した。
図5に示すように、厚さ50μmのポリエステルフィルムからなるベースフィルム21の表面上に、ガラス繊維不織布22(オリベスト株式会社製、製品名SAS−30、目付け量30g/m2)を載置し、その上に樹脂浸透シート23(NBC株式会社製、ポリエステルメッシュクロス 品番T−NO420T、開口部27μm)を重ね、さらに中空気泡体含有樹脂層の基材となるガラスマット24(旭ファイバーグラス株式会社製、商品名CSM M8609、目付け量300g/m2)をのせ、この表面上の一端部に透明なイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂100質量部(ディーエイチマテリアル株式会社製、製品名サンドーマ3717)に、あらかじめ顔料(大日精化工業株式会社製、製品名ST HTK−654(B))7質量部と、硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パーロイルTCP)0.2質量部と、硬化剤(日本油脂株式会社製、製品名パークミルD)1.0質量部と、中空気泡体としてガラスバルーン(東海工業株式会社製、製品名セルスター Z36、平均粒径52μm)20質量部を添加した、顔料入り中空気泡体含有樹脂25を塊状に載置した。
次いで、前記したベースフィルム21と同様のポリエステルフィルム26を、顔料入りの中空気泡体含有樹脂25に押し付け、ポリエステルフィルム26をローラ27により、ベースフィルム26上のガラスマット24の一端部から押圧して、塊状の顔料入りの中空気泡体含有樹脂25をガラスマット24に含浸させ、均一に延伸脱泡し、断熱層を形成すると同時に、樹脂浸透シート23によって顔料と樹脂のみを浸透させ、さらにその顔料と樹脂をガラス繊維不織布22に含浸させて表面層としながら、顔料入りの中空気泡体含有樹脂25に重ね合わせた。
延伸させた顔料入りの中空気泡体含有樹脂25及びガラス繊維不織布22に含浸させた樹脂を70℃に保持した硬化炉内に20分間投入し、熱硬化性樹脂の重合を進めた。この後、ポリエステルフィルム26を剥がすと、半硬化状態の模様付断熱シート28が形成された。この模様付断熱樹脂シート28は、実施例1で得られた模様付断熱シートと同様に、表面のべとつきがなく、ハンドリング性に優れていた。
上記第2の実施例に記載の模様付断熱性シート28を適宜大きさに切断した後、ベースフィルム21を剥がし表面層を上にして、図3に示すように表面用型9の上に載置し、続いて基材用成形材料10としてSMCを前記模様付断熱シート28の上に重ね、裏面用型11を締めて加圧(100kg/cm2)・加熱(表面用型:150℃、裏面用型:145℃)し、顔料入り断熱シートと基材成形材料との一体成形品を得た。
上記第1及び2の実施例における模様付断熱シートは、表面に鮮明な色柄を有しながら、べとつきがなく、ハンドリング性に優れ且つ断熱性能を備えたFRP成形品を得られる利点がある。
また、上記第1及び2の実施例における模様付断熱シートは、表面層と断熱層を同時に形成させることで、断熱性を有したFRP成形品を容易に製造できる利点がある。
また、上記第1及び2の実施例における模様付断熱シートは、表面層と断熱層を同時に形成させることで、断熱性を有したFRP成形品を容易に製造できる利点がある。
第1及び2の実施例における模様付断熱シート(厚み2.3mm)の成形品(縦200×横200×厚み4.5mm)と、成形材料(SMC)のみで製造した比較品(縦200×横200×厚み4.5mm)との熱伝送率を比較した。
熱伝導率の測定は、迅速熱伝導率計(京都電子製 QTM−500)によって、細線加熱法によって行った。測定時間は60秒とし、室温20℃、湿度50%の一定環境下において行った。
その結果、第1及び2の実施例におけるものの熱伝導率はそれぞれ、0.17W/m・Kであったのに対し、比較品は、0.37W/m・Kであったことから、断熱性に優れることが分かった。
熱伝導率の測定は、迅速熱伝導率計(京都電子製 QTM−500)によって、細線加熱法によって行った。測定時間は60秒とし、室温20℃、湿度50%の一定環境下において行った。
その結果、第1及び2の実施例におけるものの熱伝導率はそれぞれ、0.17W/m・Kであったのに対し、比較品は、0.37W/m・Kであったことから、断熱性に優れることが分かった。
1…ベースフィルム、2…ガラス繊維不織布、3…樹脂浸透シート、4…ガラスマット、5…中空気泡体含有樹脂、6…ポリエステルフィルム、7…ローラ、8…模様付断熱シート、9…表面用型、10…基材用成形材料、11…裏面用型、12…一体成形品、21…ベースフィルム、22…ガラス繊維不織布、23…樹脂浸透シート、24…ガラスマット、25…中空気泡体含有樹脂、26…ポリエステルフィルム、27…ローラ、28…模様付断熱シート、29…一体成形品。
Claims (5)
- 中空気泡体含有樹脂層と、この中空気泡体含有樹脂層の上に配置される表面保護樹脂層とを備え、上記中空気泡体含有樹脂層と表面保護樹脂層との境界部に、上記中空気泡体の直径未満の開口を有する樹脂浸透シートを配した断熱シート。
- 請求項1において、樹脂浸透シートが、表面保護樹脂層側に模様を有した断熱シート。
- 請求項1又は2において、中空気泡体含有樹脂層及び表面保護樹脂層が、同一顔料を有する断熱シート。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、表面保護樹脂層が、織布、又は、不織布を配してなる断熱シート。
- 請求項1乃至4の何れかに記載した断熱シートが、基材用成形材料と重ねて加熱・加圧し、断熱シートと基材用成形材料とを一体化した成形品。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007006920A Pending JP2008173781A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 断熱シート及びこの断熱シートを用いた成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008173781A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017133319A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 株式会社ハウステック | 浴室床用成形品及びその製造方法 |
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2007
- 2007-01-16 JP JP2007006920A patent/JP2008173781A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017133319A (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 株式会社ハウステック | 浴室床用成形品及びその製造方法 |
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