JP2003220653A - Frp板及びその製造方法 - Google Patents

Frp板及びその製造方法

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JP2003220653A
JP2003220653A JP2002020890A JP2002020890A JP2003220653A JP 2003220653 A JP2003220653 A JP 2003220653A JP 2002020890 A JP2002020890 A JP 2002020890A JP 2002020890 A JP2002020890 A JP 2002020890A JP 2003220653 A JP2003220653 A JP 2003220653A
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resin
frp plate
sheet
impregnated
carrier film
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So Doi
創 土井
Shoji Yanada
昭二 簗田
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚い布帛類を用いることなく、また表面に樹
脂のエンボスを設けることなくガラス目を見えなくした
FRP板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 FRP板10の表面層14に、表面に高
さが20〜500μmの多数の盛上部16を有するシー
ト15を配し、その盛上部16によってガラス目を隠す
構成とする。この構成のFRP板は、所定の経路を走行
する下部キャリアフィルムの上に流動状態の樹脂と補強
繊維を供給し、更にその上に、表面に多数の盛上部を有
するシートと上部キャリアフィルムを重ね、全体を硬化
炉に通して樹脂を加熱硬化させることによって連続的に
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維強化不
飽和ポリエステル樹脂板等の繊維強化樹脂板すなわちF
RP板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より種々なFRP板が使用されてお
り、また、その製造方法にも種々な方法がある。FRP
板の製造方法のうち、低コストで大量に製造する方法と
して、連続成形方法が知られている。この連続成形方法
は、所定の経路を走行する下部キャリアフィルムの上に
流動状態の樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂)と
補強繊維(例えば、ガラス繊維)を供給して樹脂含浸補
強繊維層を形成し、更にその上に上部キャリアフィルム
を配し、上下のキャリアフィルムによって前記樹脂と補
強繊維をはさみ付けて補強繊維に対する樹脂含浸を一層
確実とし、その状態で樹脂を加熱硬化させ、その後、上
下のキャリアフィルムを剥がし、成形されたFRP板を
所望長さに切断することによって連続的にFRP板を製
造する方法である。また、この連続成形方法において、
下部キャリアフィルムの上或いは上部キャリアフィルム
の下に、印刷模様シートを重ね合わせて成形すること
で、印刷模様を形成した意匠性の高いガラス繊維強化不
飽和ポリエステル樹脂板を製造する方法も知られている
(例えば、特開昭60−13532号公報参照)。
【0003】近年、FRPの平板が浴室の壁等の使用さ
れることが増えてきた。この用途に使用するFRP板で
は表面の美観がきわめて重要である。ところが、上記し
た連続成形方法で製造したFRP板は、図6に示すよう
に、FRP板1の表面への光の当たり具合などによっ
て、表面に無数の細線2が現れ(以下、これをガラス目
という)、美観を損なうという問題があった。このガラ
ス目の原因は次のように考えられる。すなわち、連続成
形方法では、樹脂の加熱硬化時に樹脂含浸補強繊維層は
単に上下のキャリアフィルムではさまれているのみであ
って、強く加圧された状態ではないので、図5(b)に
示すように、硬化前の樹脂含浸補強繊維層3では樹脂4
が補強繊維5を確実に含浸していても、樹脂が硬化する
際に収縮し、図5(a)に示すように、成形されたFR
P板1では補強繊維5が、ごく一部ではあるがFRP板
表面にわずかに突出した状態となり、これがFRP表面
への光の当たり具合などによって見え、ガラス目となっ
ていた。このガラス目は、印刷模様シートを配したFR
P板にも生じていた。すなわち、表面に印刷模様シート
を配していても、樹脂の硬化収縮時に印刷模様シートが
その内側の補強繊維5に倣うように変形してしまい、や
はりガラス目を生じていた。
【0004】そこで、このようなガラス目を防止する方
法として、補強繊維であるガラス繊維の上に厚手の布帛
類を配し、全体に不飽和ポリエステル樹脂を含浸させ、
硬化させることでFRP板を製造する方法が提案されて
いる(例えば、特開平7−68704号公報参照)。し
かしながら、この方法では、表面に配した布帛類によっ
てガラス目を防止できるが、そのためにはかなりの厚さ
の布帛類を使用しなければならず、コスト高となるとい
う問題があった。また、ガラス目を防止する方法とし
て、FRP板の連続成形時に表面にエンボスフィルムを
重ねておき、FRP板表面に樹脂によるエンボスを形成
する方法も知られている。ところが、表面に形成した樹
脂のエンボスでガラス目を隠すには、そのエンボスの高
さを1mm程度と大きくする必要があり、そのため使用
樹脂量が増えると共に表面の凹凸が深く、汚れがとれに
くいといった問題があった。また、印刷模様シート等を
配して模様を付けた時には、その模様とエンボスとが同
調しないので意匠的にも良くないといった問題もあっ
た。
【0005】本発明は係る問題点に鑑みてなされたもの
で、厚手の布帛類を用いることなく、また表面に樹脂の
エンボスを設けることなく、ガラス目を見えなくしたF
RP板を提供すること並びにそのFRP板を連続成形方
法によって製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はガラス目を
防止すべく鋭意検討の結果、FRP板の成形時に、樹脂
を含浸した補強繊維の上又は下に、表面に高さが20〜
500μmの多数の盛上部を有するシートを重ね、その
状態で樹脂の加熱、硬化を行うことにより、ガラス目を
隠すことができることを見出し、本発明を完成した。す
なわち、本発明のFRP板は、表面に高さが20〜50
0μmの多数の盛上部を有するシートを表面層に備えた
ことを特徴とする。また、本発明のFRP板の製造方法
は、所定の経路を走行する下部キャリアフィルムの上に
流動状態の樹脂と補強繊維を供給して樹脂含浸補強繊維
層を形成し、更にその上に上部キャリアフィルムを重
ね、上下のキャリアフィルムによって前記樹脂含浸補強
繊維層をはさみ付けた状態とし、その状態で樹脂を加熱
硬化させ、その後、上下のキャリアフィルムを剥がすこ
とによって連続的にFRP板を製造する方法において、
前記樹脂含浸補強繊維層の上下のいずれか一方若しくは
双方に、表面に高さが20〜500μmの多数の盛上部
を有するシートを積層し、その状態で樹脂の加熱硬化を
行うことを特徴とする。本発明によりガラス目が見えな
くなる理由は次のように考えられる。すなわち、図1の
実施の形態に示すように、補強繊維12と樹脂13を有
するFRP板10の表面層14に、表面に多数の盛上部
16を備えたシート15を配置したことで、FRP板1
0の表面には、多数の盛上部16が存在することとな
り、FRP板の成形工程における樹脂の硬化収縮によ
り、表面部分に位置する補強繊維12の一部がシート1
5を突き上げるように突出した状態となっても、それが
目立たず、これによってガラス目を隠すことができると
考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記したように、本発明に係るF
RP板は、表面に高さが20〜500μmの多数の盛上
部を有するシートを表面層に備えたことを特徴とする。
すなわち、本発明のFRP板は、図1に示す実施の形態
に係るFRP板10に見られるように、補強繊維12に
樹脂13を含浸させ、硬化させて構成したFRP板の表
面層14に、表面に多数の盛上部16を有するシート1
5を配し、樹脂13と一体化させていることを特徴と
し、FRP板10の表面に多数の盛上部16を存在させ
たことにより、従来発生していたガラス目を隠すもので
ある。
【0008】本発明に使用するシート15は、その表面
に多数の盛上部16を担持することができると共に樹脂
13或いは樹脂13に対して相溶性のある樹脂(モノマ
ーを含む)を含浸させることができるものであればよ
く、具体的には織布、不織布、編布、紙等を挙げること
ができ、なかでも樹脂の浸透が良く且つ強度の大きい不
織布が好ましい。また、不織布を構成する材料も特に限
定されず、ポリエステル、ナイロン、ビニロン等の合成
繊維、ガラス繊維等の無機繊維等を挙げることができ、
特にガラス繊維が強度が大きいので好ましい。不織布を
構成する繊維の長さも短繊維、長繊維のいずれでもよ
い。シート15は、補強繊維12を平坦に押さえ込んで
ガラス目の発生を防止しようとするものではなく、単に
多数の盛上部16を担持することができるものであれば
よいので、その厚さは、比較的薄くてよく、例えば、ガ
ラス繊維不織布を用いた場合、0.1〜0.5mm(目
付量:20g/m2 〜100g/m2 )程度でよい。
【0009】シート15の表面に形成する盛上部16
は、高さが20〜500μmの範囲内とする。この高さ
が20μm未満では、ガラス目を隠す効果が小さくな
る。一般にFRP板表面に生じるガラス目は、FRP板
表面の平坦面からの突出高さが3〜20μm程度の突起
によって生じているので、盛上部16を20μm以上と
することでガラス目を良好に隠すことができる。一方、
この盛上部16の高さが、500μmを越えると、ガラ
ス目を隠すことには何ら問題ないが、盛上部16が高く
なることで、盛上部16やその上の樹脂の剥離につなが
ったり、盛上部16と盛上部16の間の低い部分に付着
した汚れが落ちにくくなるといった欠点を生じてくる。
これらの点を考慮して、盛上部16の高さは上記したよ
うに20〜500μmの範囲内とする。
【0010】盛上部16の平面形状は、特に限定されず
任意であり、後述するように、盛上部16を形成する材
料に着色材料を用い意匠効果を狙う場合には、所望の意
匠効果が得られるような形状を採用すればよい。また、
盛上部16の平面形状のサイズ(円形のものの場合には
直径、細長いものの場合には長さ、その他の非円形のも
のの場合には最大寸法等)は、あまり小さいとガラス目
を隠す効果が低くなり、また、逆にあまり大きくなって
もガラス目を隠す効果が低くなる。そこで、好ましいサ
イズとしては、0.1〜3mm程度を挙げることができ
る。また、盛上部16の間隔(中心間距離)としては、
0.5〜10mm程度の範囲内とすることが好ましく、
更には、1〜4mm程度の範囲内とすることが一層好ま
しい。更に、シート15表面に対する盛上部16の面積
率は20〜80%程度とすることが好ましく、更には3
0〜60%程度とすることが一層好ましい。これらの間
隔及び面積率は、小さすぎても、大きすぎてもガラス目
を隠す効果が低下するので、上記の範囲とすることが推
奨される。更に、盛上部16を形成する材料によって
は、樹脂に対する濡れ特性が悪い場合があり、その場合
には、盛上部16の間隔を短くするとか、面積率を大き
くすると、盛上部16を備えたシート15に対する樹脂
の含浸性が悪くなり、得られたFRP板10の耐水性が
落ちる。これを避ける上からも上記した範囲が好まし
い。なお、上記した盛上部16の平面形状のサイズは、
盛上部16が独立した形状とした場合のものであるが、
本発明に使用する盛上部16の形状は、必ずしも独立し
た形状に限らず、上記したサイズの盛上部が細い線でつ
ながったような形状や盛上部が重なり合った形状であっ
てもよい。
【0011】シート15の表面に形成する盛上部16の
材料は、特に限定するものではないが、インク(本明細
書では、厳密な意味のインクに限らず、塗料をも含むも
のとする)を用いることが、種々な意匠効果を発揮させ
ることができるので好ましい。すなわち、単色或いは多
色のインクによって、シート15の表面に、所望の模様
を盛り上げ印刷し、シート15表面に固着したインクに
よって、独立した盛上部や積層される部分を持った多数
の盛上部16を形成する。これにより、ガラス目を隠す
ことができると共にFRP板表面に所望の模様を付与
し、意匠性を高めることができる。しかも、インクによ
る盛り上げ印刷によって模様を付与すると、盛上部16
が同調エンボスとなり、きわめて意匠性の高いFRP板
を得ることができる。印刷方式としては、スクリーン印
刷を用いることが、高さが20〜500μmの範囲内の
盛上部16を容易に形成できるので好ましい。
【0012】盛上部16の形成に用いるインクは、FR
P板10を構成する樹脂に対して濡れ易いものでも、濡
れにくいものでもよいが、意匠上の観点からは、濡れに
くい特性のものを用い、且つ前記樹脂として着色樹脂を
用いることが好ましい。例えば、インクとして、アクリ
ル系樹脂を主成分とするものを用い、樹脂を不飽和ポリ
エステル樹脂とすることが好ましい。この構成とする
と、インクによって形成された盛上部16が樹脂に濡れ
にくいため、盛上部16の上には樹脂が極く少量しか乗
らず、着色樹脂は盛上部16の周囲を満たすこととな
り、得られたFRP板10の表面は、樹脂の色を背景と
しインクの模様が浮き出すような意匠となり、きわめて
優れた美観を与えることができる。更に、着色樹脂の色
を変えることにより、同じ模様の盛上部16を備えたシ
ート15を用いて製造したFRP板であっても、表面の
意匠がきわめて異なった印象を与えることとなり、意匠
の異なる他種類のFRP板を容易に製造できる。
【0013】盛上部16を構成する材料としては、イン
ク(塗料を含む)の他に、適当な樹脂に、ガラスバルー
ン等の固体粒子を混合したものを挙げることができ、こ
れらも印刷等によってシート15の表面に塗布すること
で、所望高さの盛上部16を形成できる。
【0014】図1に示す実施の形態のFRP板10で
は、表面層14を、盛上部16を備えたシート15並び
にそのシート15に含浸させた樹脂13で構成している
が、本発明はこの構成に限らず、必要に応じ、その上に
更に保護コート層を設けることも可能である。すなわ
ち、図2の実施の形態にかかるFRP板10Aは、盛上
部16を有するシート15の表面に保護コート層18を
設け、シート15及び保護コート層18で表面層14A
を構成したものである。ここで用いる保護コート層18
は、シート15及び盛上部16を保護するためのもので
あり、例えば、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂等を挙げることができる。また、この保護コート
層18には、紫外線吸収剤を入れておくとか、抗菌剤を
入れることも推奨される。保護コート層18を設けるこ
とで、FRP板10Aの耐久性を増すことができると共
にピンホールを無くすことができ、優れた耐水性を発揮
させることができる。
【0015】本発明のFRP板に使用する補強繊維12
及び樹脂13の材質、形態、混合割合等は、特に限定さ
れず、通常のFRP板と同様に選択すればよい。例え
ば、補強繊維12には、ガラス繊維、水酸化アルミニウ
ム繊維、カーボン繊維等の無機繊維、ビニロン繊維、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維等の有機繊維等を用いる
ことができ、また、ガラス繊維を用いる場合、ガラス繊
維の太さ3〜20μm、長さ2.5〜5cmのものを用
いる。これらの短繊維はガラス目を生じやすいが、本発
明によりガラス目を隠すことができるので、本発明適用
の効果が大きい。補強繊維の含有率は通常、25〜40
重量%に選定される。また、樹脂13には、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂
等を挙げることができる。不飽和ポリエステル樹脂を用
いる場合、そのタイプはオルソ系、イソ系、軟質系等、
いずれでもよく、FRP板の用途に応じて適宜定めれば
良い。また、必要に応じ、樹脂中に適当なフィラーや着
色剤を混入してもよい。
【0016】図1、図2に示す実施の形態に係るFRP
板10、10Aはいずれも、板の片面のみにシート15
を配置して、ガラス目を隠しているが、必要に応じ、両
面にそれぞれ、盛上部16を有するシート15を配して
ガラス目を隠す構成としてもよい。
【0017】次に、図1に示す形態のFRP板10Aの
製造方法を説明する。図3はFRP板の連続成形ライン
の1例を概略的に示すものである。図3において、下部
キャリアフィルム21がキャリアフィルムロール22か
ら引き出され、所定の水平な経路を走行している。この
下部キャリアフィルム21上に、まず、樹脂タンク23
から流動状態の樹脂13、例えば不飽和ポリエステル樹
脂が供給され、ドクターナイフ25で所定の厚さに規制
され、塗布される。次に、その上に補強繊維12、例え
ばガラス繊維マットがコンベア27によって供給され、
その後、含浸ローラ28の下を通過する際に補強繊維1
2に樹脂13が含浸され、樹脂含浸補強繊維層29が形
成される。一方、表面に盛上部16(図1参照)を形成
したシート15が、シートロール30から引き出され、
樹脂浴31に通されて樹脂13aを含浸させられ、下部
キャリアフィルム21上の樹脂含浸補強繊維層29の上
に重ねられ、積層体33を形成する。ここで、樹脂浴3
1に入れられている樹脂13aは、FRP板を形成する
ための樹脂13に対して相溶性を有するもの、例えば、
樹脂13と同一樹脂、或いはその樹脂13に対して相溶
性を有するモノマー、又はモノマー混合液、或いはこれ
らのモノマーと樹脂13との混合液等である。これらの
樹脂13aをシート15に含浸させておくことで、樹脂
含浸補強繊維層29とシート15の一体化を確実とでき
る。なお、シート15に樹脂13aを含浸させずに、シ
ート15のみを樹脂含浸補強繊維層29の上に供給し、
その上に更に樹脂13を供給して含浸させてもよい。
【0018】その後、シート15の上に、キャリアフィ
ルムロール35から引き出された上部キャリアフィルム
36が重ねられる。そして上下キャリアフィルム21、
36で挟まれた積層体33がスクイズロール38を通過
し、そのスクイズロール38で脱泡されると共に厚さが
所定の値に規制される。これにより、上下キャリアフィ
ルム21、36で挟まれた積層体33は、図1(b)に
示すように、補強繊維12及びシート15が樹脂13等
で含浸された状態となる。その後、積層体33が硬化炉
40を通過し、そこで加熱硬化され、FRP板10が形
成される。その後、形成されたFRP板10の上下両面
から下部キャリアフィルム21及び上部キャリアフィル
ム36が剥がされ、剥がされたキャリアフィルム21、
36はそれぞれロール42、43に巻き取られる。上下
のキャリアフィルム21、36を剥がした後のFRP板
10は、その後、カッター45で所望長さに切断され、
搬出される。以上のようにして、FRP板10が連続成
形される。この成形工程において、図1(b)に示すよ
うに、加熱硬化前の積層体33は補強繊維12が樹脂1
3で確実に含浸され、積層体33の上下面が確実に樹脂
で覆われる状態であっても、樹脂が加熱硬化時に収縮し
て、図1(a)に示すように、補強繊維の一部がFRP
板の表面に突出する状態となるが、表面層14には多数
の盛上部16を有するシート15を配置しているので、
得られたFRP板10のシート15を配した側の表面に
は多数の盛上部16が存在し、それが補強繊維12によ
る突起を目立たなくし、このため、ガラス目が見えなく
なる。かくして、ガラス目のないFRP板10を連続的
に製造することができる。
【0019】以上に説明した製造方法では、図1(a)
に示すように、FRP板の表面のシート15の上に、保
護コート層18(図2参照)を形成していないが、図2
に示す保護コート層18を備えたFRP板10Aを製造
するには、図3に示す連続成形ラインにおいて、キャリ
アフィルムロール35から引き出した上部キャリアフィ
ルム36上に、保護コート層18を形成するための樹脂
18aを所望厚さに塗布し、それを硬化炉47で適度に
硬化させた状態で、シート15の上に積層すればよい。
この方法によって、表面に保護コート層18を備えたF
RP板10Aを連続成形することができる。
【0020】図4はFRP板10を製造する連続製造ラ
インの他の例を示すものである。この例では、所定の水
平な経路を走行している下部キャリアフィルム21の上
に、まず、シートロール30から引き出され、樹脂浴3
1に通されて樹脂を含浸させられたシート15が重ねら
れ、その上に樹脂タンク23から流動状態の樹脂13が
供給され、ドクターナイフ25で所定の厚さに規制さ
れ、塗布される。次に、その上に補強繊維12がコンベ
ア27によって供給され、その後、含浸ローラ28によ
って補強繊維12に樹脂13が含浸され、シート15と
樹脂含浸補強繊維層との積層体33Aが形成される。次
に、その積層体33Aの上に、キャリアフィルムロール
35から引き出された上部キャリアフィルム36が重ね
られる。そして上下キャリアフィルム21、36で挟ま
れた積層体33Aがスクイズロール38を通過し、その
スクイズロール38で脱泡されると共に厚さが所定の値
に規制され、その後、硬化炉40を通過して加熱硬化さ
れ、FRP板10が形成され、上下のキャリアフィルム
21、36が剥がされ、カッター45で所望長さに切断
され、搬出される。以上のようにして、このラインによ
ってもFRP板10を連続成形することができる。な
お、このラインによって、表面コート層18を備えたF
RP板10Aを製造するには、下部キャリアフィルム2
1の上に、表面コート層を形成する樹脂を塗布してお
き、その上にシート15を重ねるようにすればよい。
【0021】
【実施例】図1に示す連続製造ラインで、次の材料を用
いてFRP板10を製造した。 補強繊維12; ガラス繊維(線径 0.02mm、長さ50mm) 樹脂13; 不飽和ポリエステル樹脂 シート15; ガラス繊維不織布(目付 35g/m2、 厚み0.1〜0.15mm) シート15表面の盛上部16; スクリーン印刷により形成 使用インク:アクリル塗料 組成:アクリル系樹脂44% 無機質充填材 31% 酸化チタン 6% その他 19% インク塗工量:50g/m2 (盛上部16高さ 約300μm、 平面寸法 約1mm、 間隔 約3mm) 得られたFRP板10のシート15を配した側の表面を
目視検査したところ、ガラス目は見られなかった。な
お、FRP板10の裏面側にはガラス目が顕著に現れて
いた。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明のFRP板は、表
面に高さが20〜500μmの多数の盛上部を有するシ
ートを表面層に備えた構成としたことにより、FRP板
の表面には、多数の盛上部が見えることとなり、FRP
板の成形工程における樹脂の硬化収縮により、表面部分
に位置する補強繊維の一部がシートを突き上げるように
突出した状態となっても、それが目立たず、これによっ
てガラス目を隠すことができると言う効果を有してい
る。
【0023】また、本発明のFRP板の製造方法は、F
RP板を連続成形する際に、樹脂含浸補強繊維層の上下
のいずれか一方若しくは双方に、表面に高さが20〜5
00μmの多数の盛上部を有するシートを重ねておき、
その状態で樹脂の加熱硬化を行う構成としたことによ
り、連続成形方法を採用しながら表面のガラス目の目立
たないFRP板を製造することができ、低コストでガラ
ス目のほとんどないFRP板を製造できるという効果を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態に係るFRP板
の概略断面図 (b)は(a)に示すFRP板を製造する工程において
樹脂の加熱硬化を行う前の積層体の状態を示す概略断面
【図2】本発明の他の実施の形態に係るFRP板の概略
断面図
【図3】図1に示すFRP板を製造するための連続成形
ラインの概略側面図
【図4】図1に示すFRP板を製造するための連続成形
ラインの他の例の概略側面図
【図5】(a)は従来のFRP板の概略断面図 (b)は(a)に示すFRP板を製造する工程において
樹脂の加熱硬化を行う前の積層体の状態を示す概略断面
【図6】従来のFRP板の概略斜視図
【符号の説明】
1 FRP板 2 細線(ガラス目) 10、10A FRP板 12 補強繊維 13 樹脂 14、14A 表面層 15 シート 16 盛上部 18 保護コート層 21 下部キャリアフィルム 22 キャリアフィルムロール 23 樹脂タンク 25 ドクターナイフ 27 コンベア 28 含浸ローラ 29 樹脂含浸補強繊維層 30 シートロール 31 樹脂浴 33 積層体 35 キャリアフィルムロール 36 上部キャリアフィルム 38 スクイズロール 40 硬化炉 45 カッター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/36 101 B32B 27/36 101 // B29K 105:06 B29K 105:06 Fターム(参考) 4F100 AG00B AK01A AK44B AT00A BA02 DD01A DG03B DG15 DH02B EA021 EA041 EA051 EJ182 EJ82B EJ882 EJ933 EJ943 EK06 GB07 HB31 HB31A JK14 JL10B JN26 4F204 AA41 AD04 AD16 AF16 AG01 AG03 AG05 EA03 EA04 EB02 EF01 EK04 EW24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に高さが20〜500μmの多数の
    盛上部を有するシートを表面層に備えたFRP板。
  2. 【請求項2】 前記シートの表面の盛上部を盛り上げ印
    刷したインクで構成した、請求項1記載のFRP板。
  3. 【請求項3】 補強繊維に含浸させる樹脂を着色樹脂と
    し、前記インクを前記着色樹脂に対して濡れ特性の悪い
    ものとしたことを特徴とする請求項2記載のFRP板。
  4. 【請求項4】 前記盛上部を有するシートの表面に保護
    コート層を形成した、請求項1から3のいずれか1項記
    載のFRP板。
  5. 【請求項5】 補強繊維をガラス繊維とし、それに含浸
    させる樹脂を不飽和ポリエステル樹脂とした、請求項1
    から4のいずれか1項記載のFRP板。
  6. 【請求項6】 所定の経路を走行する下部キャリアフィ
    ルムの上に流動状態の樹脂と補強繊維を供給して樹脂含
    浸補強繊維層を形成し、更にその上に上部キャリアフィ
    ルムを重ね、上下のキャリアフィルムによって前記樹脂
    含浸補強繊維層をはさみ付けた状態とし、その状態で樹
    脂を加熱硬化させ、その後、上下のキャリアフィルムを
    剥がすことによって連続的にFRP板を製造する方法に
    おいて、前記樹脂含浸補強繊維層の上下のいずれか一方
    若しくは双方に、表面に高さが20〜500μmの多数
    の盛上部を有するシートを積層し、その状態で樹脂の加
    熱硬化を行うことを特徴とするFRP板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シートを前記下部キャリアフィルム
    の上又は上部キャリアフィルムの下に供給する前に、該
    シートに、前記補強繊維に含浸させる樹脂に対して相溶
    性を有する樹脂を含浸させておくことを特徴とする請求
    項6記載のFRP板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記上部キャリアフィルム又は下部キャ
    リアフィルムに、前記シートの表面に配する保護コート
    層を形成するための材料を塗布しておくことを特徴とす
    る請求項6又は7記載のFRP板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102241174A (zh) * 2010-12-27 2011-11-16 任阁升 纤维增强塑料人造石薄板花纹的生产方法和采用该方法的薄板

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