以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」等:図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
告知ランプ121は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。スタートランプ122は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ123は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ125は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン132、133は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン132が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン133が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口160は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン132又は133により電子的に投入することもできるし、メダル投入口160から実際のメダルを投入することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器126は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器127は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器128は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー130は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口160に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン132、133を操作して、スタートレバー130を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転を開始し、遊技が開始される。ストップボタンユニット131には、ストップボタン131a〜131cが設けられている。ストップボタン131a〜131cは、スタートレバー130の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン131a〜131cの内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン131a〜131cの操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン134は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン135は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口161よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。ドアキー136は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。操作ボタン137は、遊技者が各種の選択操作を行う際に用いるボタンである。メダル払出口161は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口161から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプ156と呼ぶこともある。
灰皿部170は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、メダル受皿156の内側にネジ止めされている。音孔171はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ151、サイドランプ152、中央ランプ153、腰部ランプ154、下部ランプ155、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。タイトルパネル140はそのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルであり、リールパネル141は図柄表示窓113を有するパネルである。スロットマシン100の上部には演出ユニットAが設けられている。演出ユニットAの正面には演出ユニットAを保護するパネル180が設けられている。以下、演出ユニットAの構成について説明する。
<演出ユニット>
次に、演出ユニットAの構成について説明する。図2は演出ユニットAの外観図、図3は演出ユニットAの分解斜視図である。演出ユニットAは画像表示ユニット1と、画像表示ユニット1の正面に着脱自在に装着されるシャッタユニット50とを備え、一種の情報表示ユニットを構成している。演出ユニットAは前面扉102に固定されるパネル180に係合することで前面扉102の裏側に着脱自在に装着される。図2に示すようにパネル180は枠体180aに透明板180bを固定してなり、枠体180aの上部にはシャッタユニット50に形成されたフック状の係合部52が係合する係合片が左右方向に略一様に形成されている。係合部52をこの係合片に係合することで演出ユニットAはパネル180にぶら下がり状態で取付けられ前面扉102の裏側に装着されることになる。
その後、シャッタユニット50の四隅に設けた穴にネジを通して枠体180aの四隅に設けられたネジ穴付きのボス部に螺合することで演出ユニットAがパネル180に固定され、よって前面扉102の裏側に固定されることになる。また、図3に示すように画像表示ユニット1はフック状の係合部1b”及び1c”を有しており、これがシャッタユニット50の裏側に係合することでシャッタユニット50が画像表示ユニット1に対して装着される。その後、画像表示ユニット1の四隅に設けた穴(各曲折部1b’及び1c’にそれぞれ2つ)にネジを通してシャッタユニット50のフレーム53に設けられた4箇所のネジ穴にそれぞれ螺合することでシャッタユニット50と画像表示ユニット1とが固定されることになる。
<画像表示ユニット>
次に、画像表示ユニット1の構成について説明する。画像表示ユニット1は画像表示装置である液晶表示装置(以下、LCDという)10と、ハーフミラー20と、を備える。後述するようにLCD10とハーフミラー20とは連動して移動可能になっており、図3では画像表示ユニット1の正面にLCD10の表示画面11が露出する場合の状態を示しており、図2では画像表示ユニット1の正面にハーフミラー20の一部が露出する場合の状態を示している。
LCD10は表示画面11に電子画像を表示可能な画像表示装置である。本実施形態ではLCDを採用するが他の種類の画像表示装置でもよい。LCD10の制御回路等は天板1aの上方に配置され、カバー部材1a’で覆われて保護される。ハーフミラー20は例えば光の透過率が50%程度のミラーである。
画像表示ユニット1は、天板1aと、一対の側板1b及び1cと、背部カバー1dと、底板1eと、からなる正面が開放した中空の略直方体形状の収容部を有しており、その内部にLCD10やハーフミラー20等が収納されている。シャッタユニット50は収容部の正面から見えるLCD10及びハーフミラー20による表示画像を視認者から遮蔽可能な遮蔽手段として機能する。図3に示すように各側板1b、1cはその正面側の端部が90度曲折されて曲折部1b’及び1c’を構成しており、その一部分を曲折させずに突出状態とすることでフック状の係合部1b”及び1c”が形成されている。
<駆動機構>
次にLCD10とハーフミラー20とを連動して移動させる駆動機構について説明する。図4(a)は画像表示ユニット1の右側面図である。側板1bには駆動源ユニット31が取付けられている。駆動源ユニット31は駆動源ユニット31を側板1bに固定するための固定用プレート31aを有しており、この固定用プレート31aには、LCD10とハーフミラー20とを連動して移動させる駆動機構の駆動源となるモータ32が支持されている。モータ32は例えばDCモータであり、本実施形態ではこのモータ32を単一の駆動源として駆動機構を駆動する。LCD10とハーフミラー20という2つの構成を移動させるにも関わらず、駆動源を単一とすることにより、低コスト化が図れると共にLCD10とハーフミラー20との制御が容易化する。
モータ32の出力軸には固定用プレート31aに支持されたウォームギヤ33が接続されており、モータ32の回転に伴って回転する。側板1bには軸34a回りに回転可能にウォームホイール34が取付けられており、ウォームホイール34はウォームギヤ33と噛み合うことで、ウォームギヤ33の回転に伴って軸34a回りに回転する。ウォームホイール34の内側側面には小径の平歯車34bが一体に設けられており、平歯車34bは軸34a回りにウォームホイール34と共に回転する。
側板1bの略中央部分には平歯車である回転板30が配設されており、この回転板30は側板1bに支持された軸30a回りに回転可能に取付けられている。回転板30は平歯車34bと噛み合うことで平歯車34bの回転に伴って回転する。つまり、回転板30は平歯車34b、ウォームホイール34及びウォームギヤ33を介してモータ32の駆動力によって回転することになる。この回転板30はLCD10及びハーフミラー20を移動させる駆動機構の主たる構成であり、モータ32の回転力を回転板30に伝達するために上述のウォームギア機構を用いたことにより、コンパクトな構成でギヤ比を大きくとれると共に低出力のモータであってもより大きなトルクを得られる。また、モータ32がウォームホイール34の接線方向に配置され、モータ32とウォームギア機構との幅が小さくできるので、平歯車によるギア機構を採用した場合と比べて、本実施形態のように側板1bに沿って余り出っ張らずに配設することができる。
回転板30の外側側面にはカム溝30bが刻設されている。このカム溝30bは回転板30の回転位置を検出するためのカム溝である。詳細には駆動源ユニット31の固定用プレート31aには一対のセンサ41a、41bが配設されている。本実施形態の場合、このセンサ41a、41bは光センサであり、センサアーム40の一端部に設けられた被検知片40bの存在の有無を検出する。センサアーム40は軸34aに回動自在に支持された板状の部材であり、その他方の端部にはピン状の摺動部40aが設けられている。回転板30が回転すると摺動部40aがカム溝30bを摺動し、カム溝30bに案内されてセンサアーム40が軸34a回りに回動する。センサ41a、41bはそれぞれLCD10の2つの位置(後述する第1及び第2の位置)に対応するように配設されており、センサアーム40の回動により被検知片40bの位置が移動してセンサ41aに検知されるとLCD10が第2の位置に存在していることが、センサ41bに検知されるとLCD10が第1の位置に存在していることが、検知されることになる。つまり、センサ41a、41bはLCD10の位置を検知するセンサとして機能する。
次に、側板1b上には回転板30と噛み合う平歯車35が設けられている。この平歯車35は側板1b−1c間を貫通する軸35aに固定されている。軸35aは側板1b及び1cに回転自在に支持され略水平に配設されている。この平歯車35と軸35aとはモータ32の駆動力を側板1c側の駆動機構に伝達するためのものである。図4(b)は画像表示ユニット1の左側面図である。側板1c側には駆動源ユニット31を除いて側板1b側と同じ機構が設けられており、軸35aの回転力は側板1c側の平歯車35を介して側板1c側の回転板30に伝達されることになる。図4(b)では図4(a)の構成に対応する構成に同じ符号を付している。本実施形態ではこのように駆動源ユニット31を除いて両側板側で同じ構成を採用することで設計負担軽減及び部品の種類の減少を図っている。なお、両側板側では同じ構成であるので、以下、側板1b側の構成で駆動機構を説明する。
図4(a)に戻り、側板1bにはアーム部材22が回動自在に取付けられている。このアーム部材22はハーフミラー20を移動させる機構の一部を構成するものである。また、側板1bにはアーム部材14が回動自在に取付けられている。このアーム部材14はLCD10を移動させる機構の一部を構成するものである。アーム部材14はスプリング15の一端が係止される係止部14bを有し、スプリング15の他端は天板1aに形成された係止部1a”に係止される。このスプリング15はアーム部材14が一方の方向に回動する場合には当該回動を補助し、他方の方向に回動する場合には当該回動に抵抗する弾性部材として機能する。後述するように本実施形態ではLCD10が第1の位置と第2の位置との間で移動(回動)するが、その際、LCD10の自重によりモータ32の負荷が高くなる、第1の位置から第2の位置への移動の場合にはスプリング15はアーム部材14の回動を補助し、LCD10の第2の位置から第1の位置への移動の場合にはスプリング15はアーム部材14の回動に抵抗することになる。これによりモータ32の負荷を調整することが可能となる。
次に、図4(a)に加えて図5(a)を参照して駆動機構について説明する。図5(a)は側板1bから駆動ユニット31を取り去った態様を示す図である。また、同図では回転板30を破線で示すと共にその内側側面に刻設されたカム溝30c及び30dを示す。つまり、回転板30の外側側面にはカム溝30bが、内側側面にはカム溝30c及び30dがそれぞれ刻設されていることになる。カム溝30cはLCD10の移動を案内するためのカム溝であり、カム溝30dはハーフミラー20の移動を案内するためのカム溝である。
アーム部材14は側板1bに支持された軸14a回りに回動自在に配設されており、軸14aから見て一方の端部にはカム溝30cを摺動する摺動部14dが、他方の端部には摺動部14cが設けられている。摺動部14dは軸体でありアーム部材14から回転板30側に突出している。アーム部材14は回転板30が回転するとカム溝30cを摺動部14dが摺動することで、カム溝30cに案内されて軸14a回りに回動することになる。摺動部14cは側板1b側に突出しており、側板1bに設けられた円弧状の案内孔16を摺動する。
アーム部材22は側板1bに支持された軸22a回りに回動自在に配設されており、軸22aから見て一方の端部にはカム溝30dを摺動する摺動部22cが、他方の端部には係合部22bが設けられている。摺動部22cは軸体でありアーム部材22から回転板30側に突出している。アーム部材22は回転板30が回転するとカム溝30dを摺動部22cが摺動することで、カム溝30dに案内されて軸22a回りに回動することになる。係合部22bは補助板23の一方端部に支持された軸体23aと係合する。係合部22bはアーム部材22を軸体23a回りに回転可能とすると共に係合部22b内での軸体23aの平行移動を許容するように端部が開放した長孔状に形成されている。
補助板23の他方の端部には軸体23bが支持されており、補助板23はその両端部にて軸体23a、23bをそれぞれ支持する板状の部材である。各軸体23a及び23bは側板1bに設けられた案内孔24a、24bを摺動する。また、各軸体23a及び23bの先端は小径に形成され、その先端部分は後述するハーフミラー20の支持枠21の穴に差し込まれる。
図5(b)は側板1b上の機構を取り外した態様を示す図である。同図ではアーム部材14及び22、補助板23を破線で示しており、各案内孔16、24a、24bの形状、アーム部材14及び22、補助板23との位置関係を示す。孔14a’、22a’、30a’、35a’はそれぞれ軸14a、22a、30a、35aのための孔を示す。図6(a)は側板1bを取り外した態様を示す図(詳しくは、さらに他の側板1a、1d、1eを省略し、アーム部材14、22、補助板23を付加している)であり、画像表示ユニット1の内部の右側面図となる。
図6(a)に示すように、LCD10はブラケット13により支持されている。ブラケット13はLCD10の背面が装着される背板部13bと、背板部13bと一体に形成され、LCD10の側面から離間した側板部13aとを備えた枠部材である。側板部13aの上方にはLCD10の回動中心となる軸12が取付けられている。この軸12は側板1bに支持されており、側板1bを通過して側板1bの外部に設けられた止め具12a(図4、図5参照)にその端部が接続されている。軸12はその軸方向が水平方向に設定されており、LCD10は軸12により規定される水平軸回りに回動自在に支持されていることになる。
側板部13aには上下に延びる長孔状の案内部13cが設けられている。案内部13cはLCD10の移動を案内するためのもので、アーム部材14の摺動部14cは、側板1bの案内部16に加えてこの案内部13cも摺動する。つまり、摺動部14cは案内部16及13cを通過し、側板1bと側板部13aとを貫通していることになる。
次に、LCD10の背後にはハーフミラー20が配設されている。ハーフミラー20の両側部にはそれぞれハーフミラー20を支持する支持枠21が取付けられている。支持枠21は4つの穴が設けられている。この4つの穴のいずれか2つに補助板23の各軸体23a及び23bの先端が差し込まれ、側板1bを挟んで支持枠21と補助板23とが一体的に装着されることになる。
<移動動作>
次に、上記の駆動機構によるLCD10とハーフミラー20との移動態様について説明する。図6及び図7はLCD10とハーフミラー20との移動態様の説明図であり、LCD10、ハーフミラー20並びに上記の駆動機構の主要な構成を右側面から見た図である。まず、図6(a)はLCD10がその表示画面11が略垂直な状態にあり、画像表示ユニット1の正面に露出した状態にある。これを第1の位置という。この第1の位置は画像表示ユニット1を正面視するとハーフミラー20がLCD10の背後に隠れる位置であり、画像表示ユニット1の表示面はLCD10の表示画面11となる。換言すれば、LCD10が直接的な表示主体となる。LCD10はこれから説明するように背後方向に軸12回りに約90度回動する。このため、図6(a)の状態ではLCD10との干渉を避けるべく、ハーフミラー20は画像表示ユニット1のより奥手側の位置(退避位置)に位置している。
図6(b)は回転板30を略90度反時計回りに回転させた状態を示す図である。回転板30の回転によりカム溝30cを摺動部14dが摺動し、カム溝30cの案内によりアーム部材14が軸14aを回動中心として時計回りに回動している。アーム部材14の回動により摺動部14cの位置が移動し、側板1bの案内部16及びブラケット13の案内部13cを摺動部14cが摺動する。摺動部14cは軸14a回りに弧状に移動するのでブラケット13の案内部13cへの摺動によりブラケット13は軸12を回動中心として反時計回りに回動する。ブラケット13に支持されたLCD10も反時計回りに回動する。なお、図示していないが、スプリング15はLCD10が第1の位置にある時、自然長よりも伸長した状態にあり、その収縮力によりLCD10の反時計回りの回動を付勢することになる。
図6(b)の状態ではハーフミラー20はほとんど移動していない。カム溝30dの形状を見ればわかるように摺動部22cの摺動軌跡と回転板30の回転中心(軸30a)との距離が略一定となるようにカム溝30dの形状が設定されているためである。
図7(a)は回転板30を更に略90度反時計回りに回転させた状態を示す図である。アーム部材14の時計回りの回動が更に進んでLCD10の向きがかなり水平に近いところまでLCD10が回動している。この状態では、図示していないがスプリング15は自然長に近くなっており、その収縮力によるLCD10の反時計回りの回動の付勢力も小さくなっている。図7(a)の状態ではハーフミラー20の移動も進んでいる。回転板30の回転によりカム溝30dを摺動部22cが摺動し、カム溝30dの案内によりアーム部材22が軸22aを回動中心として時計回りに回動している。アーム部材22の回動により係止部22bの位置が移動し、軸体23aを押圧する。
軸体23aの押圧に付勢されて補助板23が支持枠21と一体となって移動し、この結果ハーフミラー20が移動する。軸体23a及び23bが側板1bの案内部24a及び24bに案内されてハーフミラー20を画像表示ユニットAの正面側に移動することになる。この際、本実施形態では2つの案内部24a及び24bを設け、それぞれ軸体23a及び23bを摺動するようにしているため、ハーフミラー20の単なる移動ではなく、その姿勢も変化させることができる。つまり、案内部24a及び24bによりハーフミラー20の移動時の姿勢を規定している。図7(a)の状態では図6(a)の状態よりもハーフミラー20の姿勢が寝ていることが分かる。
図7(b)は回転板30を更に略90度反時計回りに回転させた状態を示す図であり、LCD10とハーフミラー20との移動を完了した態様を示す図である。アーム部材14は略垂直方向を向いており、LCD10の姿勢は図6(a)に示す姿勢と比べると、その表示画面の下端部が後方上方へ略90度移動して、略水平である。LCD10のこの位置を第2の位置という。LCD10の表示画面は略水平であり、真下を向くことになる。この状態では、アーム部材14の回動中心(軸14a)と摺動部14cの軸心とを結ぶ線が略垂直方向を向いている。このため、LCD10の自重によりアーム部材14が受ける回転モーメントは略0となり、アーム部材14によりLCD10の静止状態をより維持し易くしている。また、図示していないがスプリング15は略自然長にあり、スプリング15によりアーム部材14が受ける回転モーメントも略0となる。
図7(a)から図7(b)の間ではLCD10の移動量は小さい。カム溝30cの形状を見ればわかるように摺動部14dの摺動軌跡と回転板30の回転中心(軸30a)との距離が略一定となるようにカム溝30cの形状が設定されているためである。つまり、LCD10を第1の位置から第2の位置へ移動させるにあたり、前半ではLCD10の移動量を大きくとって、後半ではハーフミラー20の移動量を大きくとることで両者の干渉を防止しているのである。
図7(b)の状態ではハーフミラー20が退避位置よりも大きく画像表示ユニット1の正面側に移動し、LCD10の略真下に位置している。また、退避位置の場合よりも姿勢が寝ており、水平面に対して略45度の傾斜を有している。このハーフミラー20の位置を表示位置という。この表示位置にある場合、ハーフミラー20は画像表示ユニット1の正面に露出した状態にある。また、第2の位置にあるLCD10はハーフミラー20に画像を投影し、ハーフミラー20が画像表示ユニット1の表示面となる。換言すれば、LCD10は間接的な表示主体となり、ハーフミラー20が直接的な表示主体となる。
このようにして、LCD10が第1の位置にある時はハーフミラー20が退避位置に、LCD10が第2の位置にある時はハーフミラー20が表示位置に、両者が連動して移動することになる。図7(b)から図6(a)の状態へ戻す場合にはモータ32を逆転させて回転板30を逆方向(時計回り)に回転させることになり、LCD10が第2の位置から第1の位置へ、ハーフミラー20が表示位置から退避位置へ、それぞれ連動して移動することになる。その際、スプリング15は徐々に伸長するのでアーム部材15の反時計回りの回動に抵抗することになる。この結果、LCD10が第1の位置から第2の位置へ上がる場合と、第2の位置から第1の位置へ下る場合とで、モータ32の負荷をより一定に近づけることができる。
つまり、LCD10は比較的重量が嵩むので、これを第1の位置から第2の位置へ移動する時にはモータ32の負荷が大きくなり、逆に第2の位置から第1の位置へ移動する時にはこれが小さくなる。一方、スプリング15はLCD10が第1の位置から第2の位置へ移動する時にはこれを付勢する方向に働き、第2の位置から第1の位置へ移動する時にはこれに抵抗する方向に働くことになる。よって、スプリング15によりモータ32の負荷が調整でき、第1の位置から第2の位置への移動の際と第2の位置から第1の位置への移動の際とでモータ32の負荷をより一定に近づけることができる。このことは移動速度の制御を容易化できるといったメリットがある。
また、本実施形態ではハーフミラー20は、表示位置から退避位置へ移動するにつれて、その姿勢が立つように(傾斜角度が大きくなるように)移動されることになる(逆に表示位置から退避位置へ移動するにつれて、その姿勢が寝るように(傾斜角度が小さくなるように)移動されることになる)。ハーフミラー20は平行移動としてもよいが退避位置でその傾斜が立つようにすることで、画像表示ユニット1の奥行き方向の長さをより短くできると共に、LCD10とハーフミラー20との干渉防止にも効果があり、ハーフミラー20の奥行き方向の移動量を小さくすることができる。
<画像表示態様>
次に、画像表示ユニット1の画像表示態様について図8を参照して説明する。図8は画像表示ユニット1による3次元画像の表示原理の説明図であり、同図の右側の図は画像表示ユニット1の要部を側方から見た図であり、同図の左側の図はLCD10が第2の位置にあるときに遊技者から見える表示画像を示している。なお、同図の例ではハーフミラー20の背後に立体物Xが配設されている。立体物Xは山を模した模型である。
LCD10が同図の破線の位置(第1の位置)にある場合、上述した通り、LCD10の表示画面11が画像表示ユニット1の正面に露出した状態にあり、遊技者からは表示画面11は見えるが、ハーフミラー20は退避位置(破線で示す。)にあり、LCD10の背後に隠れて見えない。画像表示ユニット1からはLCD10による2次元画像が遊技者に提示されることになる。
一方、LCD10が同図の実線の位置(第2の位置)にある場合、LCD10は略水平となるので遊技者からは表示画面11が直接見えない。そして、ハーフミラー20が実線で示す表示位置にあり、LCD10からハーフミラー20に投影された画像(虚像)が遊技者に提示されることになる。この虚像は同図に示すように遊技者から見ると、ハーフミラー20の背後に浮かんでいるように見え、立体的感のある、3次元的な画像となる。虚像の位置はLCD10とハーフミラー20との間の距離(L1、L2)とLCD10とハーフミラー20との間の角度(本例では略45度)とによって定まり、本実施形態の場合、ハーフミラー20から奥行き方向にL1、L2だけ離れた位置に虚像が見えることになる。
また、図8の例ではハーフミラー20の背後であって、虚像の位置よりも遊技者の視認方向に後に立体物Xが配置されている。立体物Xは実像としてハーフミラー20を透過して遊技者から見えることになる。このため、同図の左に示す表示画像では虚像(UFO)と立体物Xが合成された合成画像となり、遊技者から見ると、虚像(UFO)→立体物Xの順にこれらが位置しているように見える。立体物Xの存在により奥行き感が高まり、より一層3次元的な画像となる。
このように本実施形態の画像表示ユニット1によれば、演出態様として2次元画像を表示する演出態様と、3次元画像を表示する演出態様とが選択でき、視認者を驚嘆させる画像表示を実現することができる。特に、第1の位置におけるLCD10の背後にハーフミラー20を配設したので、画像表示ユニット1を正面視すると、第1の位置におけるLCD10の画像表示領域と、ハーフミラー20による画像表示領域とは略一致しており、LCD10の移動により2次元画像と3次元画像とがまさにすりかわったような感覚を与えられる。しかも、LCD10を第1及び第2の位置で移動させることにより、一つのLCD10で2次元画像と3次元画像との双方が表示可能となり、複数個の画像表示装置を用いる必要がなく、コストの低減が図れる。
<シャッタユニット>
次に、図2及び図3を参照して、シャッタユニット50の構成について説明する。シャッタユニット50は左扉51aと右扉51bとを有する(以下、両者を総称するときは扉51という。)。左扉51aと右扉51bとは画像表示ユニット1の正面に開閉自在に設けられており、その閉鎖時にLCD10及びハーフミラー20による表示画像を遊技者から遮蔽して、視認困難とする一対の遮蔽部材を構成している。
図2及び図3においては左扉51aと右扉51bとが開放して、LCD10及びハーフミラー20による表示画像が遊技者から見える位置(非遮蔽位置)に位置している場合を示しており、これらが内側に移動して閉鎖時の位置(遮蔽位置;図1参照)にあると、LCD10及びハーフミラー20による表示画像を遊技者から遮蔽する。なお、表示画像の遮蔽は、左扉51aと右扉51bとを不透明な部材から構成してこれらの背後が全く見えなくするようにしてもよいし、スリガラスのように僅かに透けて見える部材から構成して左扉51aと右扉51bとの背後が全く見えないわけではないが、表示画像の表示内容を視認困難なようにしてもよい。
シャッタユニット50は中央に開口部53aが設けられたフレーム53を有する。このフレーム53の上端部の一部がコの字状に曲折されて枠体180aの上部の係合片に係合する、上述したフック状の係合部52が形成されている。また、フレーム53の背面には中空状の突出部53b(図示せず)が形成されており、この突出部53bにはスリット53b’(図示せず)が形成される。このスリット53b’は画像表示ユニット1の係合部1b”、1c”に対応してそれぞれ形成され、係合部1b”、1c”が挿入されて係合する。係合を解除するときは係合部1b”、1c”を少し上方に移動させてスリット53b’から抜き取ればよい。これにより画像表示ユニット1とシャッタユニット50とが相互に着脱自在に装着される。両者を着脱自在とすることにより、画像表示ユニット1とシャッタユニット50とを個別にユニット化して設計・製造して後で組み立てることができるので生産性に優れ、また、メンテナンスも容易化する。
フレーム53には上下一対のガイドレール部材が2組設けられている(58a、58b)。各ガイドレール部材58a、58bは断面コの字型をなし、扉51の下端部、上端部がそれぞれこれに嵌って扉51の左右方向の平行移動を案内する部材である。なお、ガイドレール部材58aは扉51aを案内し、ガイドレール部材58bは扉51bを案内する。
次に、扉51を移動させる駆動手段について説明する。本実施形態ではベルト伝動機構を採用する。ベルト伝動機構の採用により静寂で滑らかな扉51の移動が可能となる。左扉51a、右扉51bはそれぞれ独立して駆動されるが、その駆動手段等は同じ構成であるため、ここでは右扉51bの駆動手段等の構成のみについて説明する。
シャッタユニット50は一対のプーリ55b間に巻き回された無端ベルト56bと、無端ベルト56bを走行させるモータ54bと、を備える。プーリ55bは回転自在にフレーム53に軸支された回転体であり、一方のプーリ55bは駆動プーリとしてモータ54bの出力軸に接続されている。モータ54bは例えばステッピングモータであり、フレーム53の背面側に固定されている。右扉51bは無端ベルト56bに取り付けられ、無端ベルト56bの走行により移動する。フレーム53には右扉51bの位置を検出するための一対のセンサユニット57bが右扉51bの移動方向に離間して取付けられている。各センサユニット57bにより右扉51bを検知すると、モータ54bにより所定量無端ベルト56bを走行させて、その後、停止することにより、右扉51bを予め予定していた位置に停止させることができる。
このようなシャッタユニット50を設けたことにより、本実施形態ではLCD10及びハーフミラー20を扉51が遮蔽位置にある間に移動させることができる。こうすることで、LCD10等の移動を遊技者に見えないようにすることができ、扉51の開閉により2次元画像と3次元画像との切替えが突如として行われたような感覚を遊技者に与えることができ、2次元画像と3次元画像とがまさにすりかわったような感覚を与えられる。なお、本実施形態では障子のように左扉51aと右扉51bとを相互に相反するように左右方向に平行移動するように構成しているが、これらがそれぞれ回動して開閉する構成を採用してもよく、更に、LCD10及びハーフミラー20の表示画像を遊技者に視認困難とするものであれば他の構成でもよい。
<制御部>
次に、図9〜図11を参照してスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100は、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400から送信された信号に応じて演出ユニットAを制御する演出ユニット制御部500と、から構成されている。副制御部400と演出ユニット制御部500とは、演出に関する処理を実行する。
なお、本実施形態では、副制御部400から主制御部300へ、制御コマンド等を送信する構成は存在せず、主制御部300と副制御部400とのデータ通信は、主制御部300から副制御部400へのみデータが送信される一方向通信である。同様に演出ユニット制御部500から副制御部400へ、制御コマンド等を送信する構成は存在せず、副制御部400と演出ユニット制御部500とのデータ通信は、副制御部400から演出ユニット制御部500へのみデータが送信される一方向通信である。
<主制御部>
まず、図9を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400、演出ユニット制御部500においても同様である。なお、RAM313は不図示のバッテリバックアップ回路によりスロットマシン100の電源断時においても、記憶内容が消失しないようにされている。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチ324、リセットスイッチ326、及び電源電圧監視回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口160の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321はスタートレバー130に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン131a〜131cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン132、133のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。
精算スイッチ324は、精算ボタン135に対する操作を検出し、精算ボタン135が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。本実施形態では、精算可能なメダルとは貯留されているメダルとベットされているメダルの双方であるが、貯留されているメダルのみとしてもよい。
リセットスイッチ326は、RAM313の記憶されている各種の情報を初期化するためのものである。電源電圧監視回路327は、スロットマシン100の電源電圧を監視し、一定の電圧以下に下がると信号を出力する。電源電圧監視回路327はスロットマシン100の電源を落とした時に、電圧が完全に落ちきる前にRAM313等の情報をバックアップするための処理を行なうためのものである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口161から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ121、スタートランプ122、再遊技ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(貯留枚数表示器126、表示器127、払出枚数表示器128等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400に制御コマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
<副制御部>
次に、図10を参照してスロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。なお、RAM413は不図示のバッテリバックアップ回路によりスロットマシン100の電源断時においても、記憶内容が消失しないようにされている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413に記憶されている情報を初期化するためのリセットスイッチ422、電源電圧監視回路423が接続されている。電源電圧監視回路423は上述した電源電圧監視回路327と同様のものであり、スロットマシン100の電源電圧を監視し、一定の電圧以下に下がると信号を出力する。電源電圧監視回路423はスロットマシン100の電源を落とした時に、電圧が完全に落ちきる前にRAM413等の情報をバックアップするための処理を行なうためのものである。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信した制御コマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの制御コマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、例えば、副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ151、サイドランプ152、中央ランプ153、腰部ランプ154、下部ランプ155、リールパネルランプ125、メダル払出口161を内側から閃光にて照明する払出口ストロボ159、受皿ランプ156を制御する。なお、CPU410は、演出ユニット制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。
<演出ユニット制御部>
次に、図11を参照してスロットマシン100の演出ユニット制御部500について説明する。演出ユニット制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。CPU510は、副制御部400の出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたCPU410からの信号を、入力インタフェース520およびバスを介して受信し、演出ユニット制御部500全体を制御する。
ROM512には、演出ユニット制御部500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。また、CPU510には、バスを介して、CPU530、モータ32を駆動するためのモータドライバ562、モータ54aを駆動するためのモータドライバ542、モータ54bを駆動するためのモータドライバ552、センサ57a’、57b’、41a及び41bが接続されている。なお、図示省略しているが、センサ57a’及び57b’はそれぞれ2つずつ設けられている。更に、CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
一方、ROM531には、CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発振器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、LCD10の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、LCD10の表示画面に画像を表示する。
<図柄配列>
図12は、各リール110〜112に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。コマとは1つの図柄が配設される領域の単位である。図柄表示窓113には、21コマの内の3コマ分が表示される。
図12の左端に示した番号0〜20は、リール上のどの位置のコマに各図柄が配置されているか、すなわち、配置番号(各コマを識別するための識別子であり、リールの回転位置はこの配置番号で管理される)である。この配置番号と図柄とは1対1で対応しており、例えば、左リール110の番号0のコマにはブランク図柄、中リール111の番号1のコマにはリプレイ図柄、右リール112の番号2のコマには白7図柄が、それぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図13を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、及び各入賞役の作動または払出を示す図である。
本実施形態の入賞役には、ビッグボーナス(BB1〜BB4)と、レギュラーボーナス(RB1、RB2)と、シフトレギュラーボーナス(SRB)と、小役(ベル1、ベル2、スイカ、チェリー)と、再遊技(リプレイ)1〜4がある。
尚、本実施形態において、「入賞役」とは、メダルの配当がある役(スイカ、ベル、チャンス、チェリー)の他、メダルの配当がない作動役(BB1〜4、RB1、RB1、SRB、リプレイ1〜4)を含む意味である。従って、本実施形態における「入賞」には、作動役の図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示された場合も含み、例えば、再遊技(リプレイ)入賞、BB入賞とした場合には、リプレイの図柄組合せ、BBの図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に表示されることを意味する。
「ビッグボーナス(BB1〜BB4)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「ボーナス−ボーナス−ボーナス」、BB3が「白7−白7−ボーナス」、BB4が「ボーナス−ボーナス−白7」である。また、本実施形態ではBB1〜BB4についてフラグ持越しを行う。すなわち、BB1〜BB4に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1〜BB4に入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1〜BB4に内部当選中とする。
「レギュラーボーナス(RB1、RB2)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、RB1が「青7−青7−スイカ」、RB2が「青7−スイカ−スイカ」である。なお、本実施形態ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「シフトレギュラーボーナス(SRB)」は、ビッグボーナス遊技における入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が行われる特殊役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、「リプレイ−ベル−リプレイ」である。なお、SRBは、RB遊技を作動させる点でRB1、RB2と同じであるが、BB中に内部当選する確率がRB1、RB2よりも高く、且つ、対応する入賞図柄(本実施形態では、リプレイとベル)が各リール110〜112に分散して配置されているので(図12参照)、遊技者による目押し操作が容易となっている。
「小役(ベル1、ベル2、スイカ、チェリー)」(以下、単に、ベル、スイカ、チェリーともいう)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、ベル1が「ベル−ベル−ベル」、ベル2が「スイカ−ベル−ベル」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、チェリーが「チェリー−any−any」である。また、対応する払出枚数は、同図に示す通り、ベルが15枚、スイカが15枚、チェリーが4枚である。なお、「チェリー−any−any」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)1〜4」は、入賞により、次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する入賞図柄組合せは、本実施形態の場合、再遊技1が「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技2が「リプレイ−リプレイ−ベル」、再遊技3が「リプレイ−ベル−ベル」、再遊技4が「リプレイ−チェリー−リプレイ」である。
なお、入賞役の種類は、図13に示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技(BB内部当選時)と、ボーナス遊技(BB遊技、RB遊技、RB内部当選時を含む)に大別され、さらに細かくは、図14、図16〜図20に示すような遊技状態が設定されている。スロットマシン100では、遊技状態毎に、上述の入賞役が採用されており、また、再遊技役の当選確率が異なる複数のRT状態が採用されている。
<通常遊技>
図14は、通常遊技における内部当選種別、内部当選確率、対応する入賞役、入賞役の図柄組合せ、及び入賞時のメダルの払出枚数を示す図であり、図15は、再遊技1〜4に対応する内部当選確率とその合成確率をRT状態ごとに示す図である。
入賞役の内部抽選について概説すると、内部抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜65535)はあらかじめいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に当選やはずれが対応付けられている(例えば、0〜35はBB1、36〜71はBB2、…、17180〜63535ははずれなど)。これらの情報は、入賞役抽選テーブルとしてROM312に格納されており、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。図14〜図20に示す内部当選確率は、各入賞役に割り当てられた乱数値の範囲を全乱数値で除した数値である。なお、内部抽選以外の各種の抽選処理についても同様な方式を採用することができる。
内部当選種別には単独と同時があり、単独は1回の内部抽選で1つの入賞役が内部当選となるもの、同時は1回の内部抽選で複数(ここでは2つ)の入賞役が内部当選となるものである。なお、内部当選の状態はRAM313に記憶領域が設定されている内部当選フラグのON、OFFにより管理される。内部当選フラグは、フラグ持ち越しの対象となる場合を除き、1回の遊技に限って有効となり、その遊技が終了するとOFFとなる。
内部当選確率の設定は、一般に所定の出玉率の範囲内になるように設定されており、遊技店の営業に合わせて設定1から設定6までの6段階に設定できるようになっている。図14〜図20では、任意の1段階(設定N)を例示し、他の設定に関しては省略している。そして、内部抽選処理の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合に、内部当選した入賞役に対応する図柄組合せが有効化された入賞ライン114上に停止する可能性がある。
なお、図15の合成確率は、再遊技1〜4に対応する内部当選確率を合算した数値を示している。
通常遊技の入賞役には、上述の単独役である、ビッグボーナス(BB1〜BB4)、小役(スイカ、ベル(ベル1、ベル2)、チェリー)、再遊技1〜4に加え、同時当選役がある。
本実施形態では、同時当選役(BB1&再遊技1、BB1&再遊技2、BB2&再遊技2、BB3&再遊技2、BB4&再遊技2、BB1&スイカ、BB2&スイカ、BB3&スイカ、BB4&スイカ、BB1&チェリー、BB2&チェリー、BB3&チェリー、BB4&チェリー)がある。例えば、同時当選役(BB1&再遊技1)は、BB1と再遊技1に同時に内部当選することが可能な入賞役であり、BB1に対応する入賞図柄組合せ「白7−白7−白7」が揃った場合には、BB遊技に移行し、再遊技1に対応する入賞図柄組合せ「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃った場合には、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる。
また、通常遊技には、再遊技1〜4の内部当選確率が異なるRT0、RT1、RT4〜RT8の7種類のRTモードが設定されている。図15に示されるように、本実施形態では、7種類のRTモードのうち、RT0モードの再遊技1〜4の内部当選確率が1/7.3で一番低く、RT5モードおよびRT7モードの再遊技1〜4の内部当選確率が1/1.2で一番高く設定されている。
<BB内部当選時>
図16はBB内部当選時における入賞役の種類と、単独役/同時当選役の種別と、内部当選確率と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)を示す図である。
BB内部当選時とは、BB1〜BB4のいずれかの入賞役に内部当選し(同時当選役による内部当選も含む)、BB1〜BB4に入賞していない(BB1〜BB4に対応する入賞図柄組合せが揃っていない)遊技状態をいう。
このBB内部当選時の入賞役には、上述の単独役である、小役(スイカ、ベル(ベル1、ベル2)、チェリー)、再遊技1〜4がある。また、BB内部当選時には、再遊技1〜4の内部当選確率が異なるRT2、RT3の2種類のRTモードが設定されている。図16に示されるように、本実施形態では、RT3モードの再遊技1〜4の内部当選確率は1/2.1で、RT2モードの再遊技1〜4の内部当選確率である1/3.3よりも高く設定されている。
<BB遊技>
図17(a)は、BB1入賞によるBB遊技(SuperBB)時における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率と、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
SuperBB中の入賞役には、上述の単独役である、小役(スイカ、ベル(ベル1、ベル2)、チェリー)、再遊技1〜4と、RB(RB1、RB2)と、SRBがある。
図17(b)は、BB2〜4入賞によるBB遊技(NormalBB)時における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
NormalBB中の入賞役は、BB1入賞によるBB遊技中の入賞役と同じであるが、RB1、RB2、SRBの内部当選確率が異なっている。すなわち、RB1、RB2の内部当選確率は、NormalBB中よりも、SuperBB中の方が高くなっているのに対して、SRBの内部当選確率は、NormalBB中よりも、SuperBB中の方が低くなっている。
なお、本実施形態では、メダルの払出枚数が465枚を超えた場合にBB遊技が終了する。
また、SuperBBでは、SuperBB一般遊技RT0モードに移行し、NormalBBでは、NormalBB一般遊技RT0に移行する。
<RB内部当選時>
図19(a)はRB1内部当選時における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図であり、同図(b)はRB2内部当選時における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
RB1(またはRB2)内部当選時とは、BB遊技中にRB1(またはRB2)に内部当選し、RB1(またはRB2)に入賞していない(RB1(またはRB2)に対応する入賞図柄組合せが揃っていない)遊技状態をいう。
RB内部当選時の入賞役には、上述の単独役である、小役(スイカ、ベル(ベル1、ベル2)、チェリー)と、再遊技1〜4がある。また、RB1内部当選時にはRTモードの移行はないが、RB2内部当選時には、BB一般遊技RT6モードに移行する。
<RB遊技、SRB遊技>
図18(a)は、RB1入賞によるRB遊技(RB1遊技)及びSRB遊技における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
RB1遊技、SRB遊技の入賞役には、上述の単独役である、小役(スイカ、ベル(ベル1、ベル2)、チェリー)がある。また、RB1遊技およびSRB遊技では、RTモードの移行はない。
図18(b)は、RB2入賞によるRB遊技(RB2遊技)における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
RB2遊技の入賞役は、RB1遊技中の入賞役と同じであるが、小役(ベル)の内部当選確率が異なっている。すなわち、小役(ベル)の内部当選確率は、RB2遊技よりも、RB1遊技の方が高くなっている。また、RB2遊技では、RB遊技RT6モードに移行する。
本実施形態では、RB1遊技またはRB2遊技は、12回の遊技が行われた場合、または、入賞役に8回入賞した場合に終了する。そして、SuperBB中にRB1遊技に入賞した場合には、RB1終了後にBB一般遊技RT4モード(SuperBB中)に移行する。図20(a)は、BB一般遊技RT4モード(SuperBB中)における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
また、NormalBB中にRB1遊技に入賞した場合には、RB1終了後にBB一般遊技RT4モード(NormalBB中)に移行する。図20(b)は、BB一般遊技RT4モード(NormalBB中)における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
また、SuperBB中にRB2遊技に入賞した場合には、RB2終了後にBB一般遊技RT8モード(SuperBB中)に移行する。図20(c)は、BB一般遊技RT8モード(SuperBB中)における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
また、NormalBB中にRB2遊技に入賞した場合には、RB2終了後にBB一般遊技RT8モード(NormalBB中)に移行する。図20(d)は、BB一般遊技RT8モード(NormalBB中)における入賞役の種類、単独役/同時当選役の種別、内部当選確率、対応する入賞図柄組合せ、及びメダルの払出枚数(配当)を示す図である。
次に、図21及び図22を用いて、遊技状態の種類について詳細に説明する。ここで、図21はRT状態の種類と、各RT状態への移行契機と、対応する遊技状態と、を示す図であり、図22は、遊技状態の遷移の様子を示す状態遷移図である。
通常遊技には、通常遊技RT0モード、通常遊技RT1モード、通常遊技RT4〜RT8モードの7種類のRTモードが存在する。
通常遊技RT0モードは、通常遊技の開始時に最初に設定される遊技状態である。通常遊技RT1モードは、再遊技2に対応する図柄組合せ「リプレイ−リプレイ−ベル」が有効ライン上に表示された場合に移行し、移行後7ゲーム間は、通常遊技RT1モードが継続される。図16に示されるように、この通常遊技RT1モードの再遊技合成確率は1/2.1であり、通常遊技RT0モードの再遊技合成確率1/7.3よりも高くなっている。
通常遊技RT4モードは、BB一般遊技RT4モード(SuperBB中またはNormalBB中)時にBB遊技が終了した場合に移行し、通常遊技RT6モードは、BB一般遊技RT6モード時またはRB遊技RT6モード時にBB遊技が終了し、通常遊技となった場合に移行する。これら通常遊技RT4モードおよび通常遊技RT6モードは、図15に示されるように、再遊技3に対応する図柄組合せ「リプレイーベルーベル」が入賞ライン上に表示可能となる割合が、それまでに設定される割合よりも高い割合となる特殊役高確率遊技である(この例では、再遊技3の内部当選確率が1/65536から6855/65536(または6555/65536)になる)。
また、通常遊技RT5モードは、これら通常遊技RT4モードまたは通常遊技RT6モードにおいて、再遊技3に対応する図柄組合せ「リプレイ−ベル−ベル」が有効ライン上に表示された場合に移行し、移行後100ゲーム間は、通常遊技RT5モードが継続される。図15に示されるように、この通常遊技RT5モードの再遊技合成確率は1/1.2であり、通常遊技RT4モードおよびRT6モードの再遊技合成確率1/7.2よりも高くなっている。
通常遊技RT8モードは、BB一般遊技RT8モード(SuperBB中またはNormalBB中)時にBB遊技が終了し、通常遊技となった場合に移行する。この通常遊技RT8モードは、図15に示されるように、再遊技4に対応する図柄組合せ「リプレイ−チェリー−リプレイ」が入賞ライン上に表示可能となる割合が、それまでに設定される割合よりも高い割合となる特殊役高確率遊技である(この例では、再遊技4の内部当選確率が1/65536から6855/65536になる)。
また、通常遊技RT7モードは、この通常遊技RT8モードにおいて、再遊技4に対応する図柄組合せ「リプレイ−チェリー−リプレイ」が有効ライン上に表示された場合に移行し、移行後1000ゲーム間は、通常遊技RT7モードが継続される。図15に示されるように、この通常遊技RT7モードの再遊技合成確率は1/1.2であり、通常遊技RT8モードの再遊技合成確率1/7.2よりも高くなっている。
BB内部当選時には、BB内部当選時RT2モードとBB内部当選時RT3モードが存在する。
BB内部当選時RT2モードは、ボーナス内部当選時(BB1内部当選時)に図柄表示窓113上にリーチ目が表示された場合に移行し、BB内部当選時RT3モードは、ボーナス内部当選時(BB2〜BB4内部当選時)に図柄表示窓113上に通常ハズレ目が表示された場合に移行する。なお、「リーチ目」とは、特別役に内部当選した場合にのみ表示される表示結果をいい、本実施形態では、BB1に内部当選した場合にのみ表示される表示結果である。また、「通常ハズレ目」とは、いずれの入賞役にも対応しない図柄組合せが表示される表示結果である。
このように、停止されたリール110〜112によって図柄表示窓113に表示される表示結果が、特別役(BB1)に内部当選したと判定されていないときの表示結果と同じ表示結果(通常ハズレ目)の場合と、特別役に内部当選したと判定されたときだけ表示可能な表示結果(リーチ目)の場合とで、遊技者にとって有利度の異なる特殊役高確率遊技を設定すれば、遊技者は表示窓の表示結果によって特殊役高確率遊技の有利度を容易に把握することができる。
BB遊技には、NormalBB一般遊技RT0モード、SuperBB一般遊技RT0モード、BB一般遊技RT4モード(SuperBB中またはNormalBB中)、BB一般遊技RT6モード、BB一般遊技RT8モード(SuperBB中またはNormalBB中)、RB遊技RT6モードが存在する。
NormalBB一般遊技RT0モードは、BB2に対応する図柄組合せ「ボーナス−ボーナス−ボーナス」、BB3に対応する図柄組合せ「白7−白7−ボーナス」、またはBB4に対応する図柄組合せ「ボーナス−ボーナス−白7」が有効ライン上に表示された場合(BB2〜BB4のいずれかに入賞した場合)に移行する。SuperBB一般遊技RT0モードは、BB1に対応する図柄組合せ「白7−白7−白7」が有効ライン上に表示された場合(BB1に入賞した場合)に移行する。
図18(a)および(b)に示されるように、このSuperBB一般遊技RT0モードにおけるRB1の内部当選確率は1310/65536(=約1/50)、RB2の内部当選確率は655/65536(=約1/100)であり、NormalBB一般遊技RT0モードのRB1の内部当選確率819/65536(=約1/80)、RB2の内部当選確率164/65536(=約1/400)よりも高くなっている。一方、SuperBB一般遊技RT0モードにおけるSRBの内部当選確率は6553/65536(=約1/10)であり、NormalBB一般遊技RT0モードのSRBの内部当選確率18724/65536(=約1/3.5)よりも低く設定されている。すなわち、SuperBB一般遊技RT0モードは、NormalBB一般遊技RT0モードよりも、RB1遊技およびRB2遊技に入賞する確率が高く、NormalBB一般遊技RT0モードは、SuperBB一般遊技RT0モードよりも、SRB遊技に入賞する確率が高い。
NormalBB一般遊技RT0モードやSuperBB一般遊技RT0モードにおいてRB1に内部当選し、且つ、RB1に対応する図柄組合せ「青7−青7−スイカ」が有効ライン114上に揃った場合(RB1に入賞した場合)には、RB1遊技に移行する(この場合、RTモードの移行はないため、RT0モードのままである)。そして、このRB1遊技が終了すると、BB一般遊技RT4モード(SuperBB中またはNormalBB中)に移行する。
また、NormalBB一般遊技RT0モードやSuperBB一般遊技RT0モードにおいてRB2に内部当選した場合には、BB一般遊技RT6モードに移行し、このBB一般遊技RT6モード中に、RB2に対応する図柄組合せ「青7−スイカ−スイカ」が有効ライン上に揃った場合(RB2に入賞した場合)には、RB2遊技RT6モードに移行する。そして、このRB2遊技が終了すると、100ゲーム間、BB一般遊技RT8モード(SuperBB中またはNormalBB中)に移行する。なお、BB一般遊技RT8モードが終了すると、SuperBB一般遊技RT0モードに移行する。
さらに、NormalBB一般遊技RT0モードやSuperBB一般遊技RT0モードにおいてSRBに内部当選し、且つ、SRBに対応する図柄組合せ「リプレイ−ベル−リプレイ」が有効ライン114上に揃った場合(SRBに入賞した場合)には、SRB遊技に移行する(この場合、RTモードの移行はないため、RT0モードのままである)。
また、BB遊技中に465枚を超えるメダルの払出しがあった場合には、通常遊技に移行する。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。同じ条件について複数種類のリール停止制御データが設定されている場合には抽選によりいずれかを選択することになる。選択の条件には、少なくともその遊技における内部抽選結果が含まれる。その他、ボーナスのフラグ持ち越しの有無も選択の条件に含まれる。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン131a〜131cの操作があってから一定のコマ数の範囲(ここでは最大5コマ)でリール110乃至112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止制御データは主制御部300のROM312に格納されている。各リール停止制御データは、所定の入賞役の絵柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の絵柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン131a〜131cを操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の絵柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン13a〜131cを操作するタイミング次第で絵柄組合せが揃わない場合もある。
禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン131a〜131cを操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の絵柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<演出モード選択演出>
次に、スロットマシン100における演出モード選択演出について説明する。演出モード選択演出とは、所定の契機により、予め用意された複数の演出モードのいずれかを選択するための選択画面を所定の時間経過ごとにLCD10上に順次表示する演出であり、遊技者は所定の遊技操作を行うことによりいずれかの演出モードの選択を行うことができる。本実施形態では、通常遊技及びボーナス遊技(BB遊技、RB遊技)の双方の遊技状態において、演出モードの選択が可能となっている。ここで、演出モードは、例えば、演出の中心となるキャラクタ等に合わせて複数用意されており、遊技者の操作による選択又は自動的な選択により決定される。すなわち、キャラクタの相違により、遊技者はそれぞれの演出モードを認識できるようになっている。勿論、キャラクタ以外のものによって、各演出モードを認識可能としてもよい。本実施形態では、演出モード A(殿モード)、演出モード B(爺モード)、演出モードC (姫モード)の3種類が存在するが、これに限定されるものではなく、演出モード は2種類でもよく、また、4種類以上であってもよい。
図23は、通常遊技における演出モード選択演出の表示態様を示している。演出モード A(殿モード)→演出モード B(爺モード)→演出モード C(姫モード)→演出モード A(殿モード)→・・・の順序で、2秒ごとに画像が切り替わる。例えば、演出モード A(殿モード)を示す画像が表示されているときに、遊技者が所定の遊技操作を行うと、演出モード A(殿モード)が選択されることとなる。本実施形態では、通常遊技において、ストップボタン131aと131cを同時に操作することによって(後述する演出用停止ボタン受付処理)、図23に示すような演出モード選択演出がLCD10上で実行され、各演出モードの選択画面が順次表示される。そして、所望の演出モードを示す選択画面が表示されているときにメダル投入ボタン133を操作することにより(後述する演出用投入ボタン受付処理)、所望の演出モードが選択されることとなる。すなわち、遊技者は、通常遊技の最中に演出モードの変更をしたいと思うときは、ストップボタン131aと131cを同時に操作することによって、演出モード選択演出を実行させ、メダル投入ボタン133を操作することにより、所望の演出モードを選択することが可能となっている。
図24は、ボーナス(BB、RB)入賞時における演出モード選択演出の表示態様を示している。図23と同様に、演出モード A(殿モード)、演出モード B(爺モード)、及び演出モード C(姫モード)を示す画像が2秒ごとに順次切り替わるようになっている。図23と同様に、例えば、演出モード A(殿モード)を示す画像が表示されているときに、遊技者が所定の遊技操作を行うと、演出モード A(殿モード)が選択されることとなる。本実施形態では、ボーナス入賞時に、図24に示すような演出モード選択演出がLCD10上で実行され、各演出モードの選択画面が順次表示される。そして、所望の演出モードを示す選択画面が表示されているときにメダル投入ボタン133を操作することにより、所望の演出モードが選択されることとなる。すなわち、ボーナスに入賞すると、自動的に演出モード選択演出が実行されるので、メダル投入ボタン133を操作することにより、ボーナス中の所望の演出モードを選択することが可能となっている。
図25は、通常遊技における演出モード選択演出の初期表示画面を説明する図である。本実施形態では、現在、設定されている演出モードとは異なる演出モードを初期表示するようにしている。例えば、現在、設定されている演出モードが演出モードA(殿モード)であるときは、演出モードB(爺モード)、現在、設定されている演出モードが演出モードB(爺モード)であるときは、演出モードC(姫モード)、現在、設定されている演出モードが演出モードC(姫モード)であるときは、演出モードA(殿モード)をそれぞれ初期表示するようにしている。これは、遊技者が通常遊技中に演出モードの選択を行うというのは、遊技者は現在設定されている演出モードとは異なる演出モードを選択したいという意思の表れなので、遊技者の意思を反映した初期画面表示を行うようにしたものである。これにより、遊技者は、通常遊技中に演出モードを選択する際に、簡単かつ迅速に所望の演出モードを選択することが可能である。
図26は、ボーナス入賞時における演出モード選択演出の初期表示画面を説明する図である。本実施形態では、現在、設定されている演出モード、すなわち、通常遊技において設定されていた演出モードと同一の演出モードを初期表示するようにしている。例えば、通常遊技において設定されていた演出モードが演出モードA(殿モード)であるときは、演出モードA(殿モード)、通常遊技において設定されていた演出モードが演出モードB(爺モード)であるときは、演出モードB(爺モード)、通常遊技において設定されていた演出モードが演出モードC(姫モード)であるときは、演出モードC(姫モード)をそれぞれ初期表示するようにしている。これは、通常遊技からボーナス遊技に移行したときに、ボーナス遊技中の演出モードを自動的に選択するよう選択演出が実施されるため、通常遊技中に遊技者の意思によって選択された演出モードを引き継いでボーナス遊技中の選択演出の初期画面とすることで、遊技者の選択操作、意思を反映することができるものである。これにより、遊技者は、ボーナス遊技中の演出モードを選択する際に、簡単かつ迅速に所望の演出モードを選択することが可能である。
また、図27は、ボーナス遊技が終了して、通常遊技が開始されるとき、通常遊技において設定される演出モードを説明する図である。本実施形態では、現在、設定されている演出モード、すなわち、ボーナス遊技中に設定されていた演出モードと同一の演出モードを設定するようになっている。例えば、ボーナス遊技において設定されていた演出モードが演出モードA(殿モード)であるときは、演出モードA(殿モード)、ボーナス遊技において設定されていた演出モードが演出モードB(爺モード)であるときは、演出モードB(爺モード)、ボーナス遊技において設定されていた演出モードが演出モードC(姫モード)であるときは、演出モードC(姫モード)をそれぞれ、通常遊技においても設定する。これは、ボーナス遊技から通常遊技に移行したときには、遊技者は、ボーナス遊技中の演出モードを引き継いで通常遊技中の演出モードとするのが一般的であるので、このような演出モード設定としたものである。なお、このようにして設定された通常遊技における演出モードを変更したいときには、遊技者は、ストップボタン131aと131cを同時に操作することによって、通常遊技における演出モード選択演出を実行させた後、所望の演出モードの選択画面が表示されたときにメダル投入ボタン133を操作することにより、所望の演出モードを選択すればよい。
<遊技の基本的制御>
次に、上述した特徴を有するスロットマシン100の動作について説明する。
図28は、遊技の基本的制御を示した主制御部メイン処理のフローチャートである。この処理は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS101〜S111)を繰り返し実行する。
ステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。このステップS101の投入処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー130が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。また、副制御部400に対して内部当選結果コマンドを送信する。副制御部400は、この内部当選結果コマンドを受信することによって内部抽選の結果を把握する。また、このステップS105では、内部抽選結果等に基づき、リール停止制御データを選択する。 ステップS106では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS107では、ストップボタン131a〜131cの受け付けが可能となり、リール制御処理により、押されたストップボタン131a〜131cに対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS105で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。また、このステップS107では、副制御部400に対して停止位置図柄コマンドを送信する。副制御部400は、この停止位置図柄コマンドを受信することによって、各リール110〜112が、どの図柄位置で停止しているかを把握する。
ステップS108では、ストップボタン131a〜131cが押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、ステップS108では、副制御部400に対して判定結果コマンドを送信する。副制御部400は、この判定結果コマンドを受信することによって入賞の結果を把握する。
ステップS109では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出し(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やRB入賞の場合に次回からBB遊技またはRB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、ステップS110では、副制御部400に対して現在の遊技状態を示す状態コマンドを送信する。副制御部400は、この状態コマンドを受信することによって遊技状態を把握する。
ステップS111では、RT遊技更新処理を行う。RT遊技更新処理では、再遊技の確率を変動させる条件が成立した際には、上述したRTモードの移行に関する処理を行う。
以上により1遊技が終了し、以降、これを繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<投入処理>
図29は、図28のステップS101の投入処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、演出用停止ボタン受付処理を行う。演出用停止ボタン受付処理とは、通常遊技中にストップボタン131を用いて、演出モードの選択を指示する処理であり、ストップボタン(具体的には、ストップボタン131a及び139c)をリール停止としての機能の他、演出モードの選択に用いるので、このように称する。
図30は、ステップS201の演出用停止ボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、メダル投入枚数が0であるか否かを判定する。メダル投入枚数が0であるとき、すなわち、前回の遊技で再遊技に入賞したときには(リプレイ作動中)、前回の遊技で設定されたベット数が自動的に設定されるので、前回の遊技に再遊技に入賞しなかったときは、ステップS302に進み、メダル投入枚数が0でないときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS302では、現在がボーナス遊技中であるか否かを判定する。現在がボーナス遊技中でないときは、ステップS303に進み、現在がボーナス遊技中であるときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS303では、ストップボタン131を受け付けたか否かを判定する。ストップボタン131を受け付けたときは、ステップS114に進み、ストップボタン131を受け付けなかったときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS304では、特定のストップボタン131を受け付けたか否かを判定する。本実施形態における特定のストップボタン131の受付とは、上述したようにストップボタン131aとストップボタン131cの同時操作を意味するが、勿論、ストップボタンのこれ以外の組合せによる同時操作であってもよい。特定のストップボタンを受け付けたときは、ステップS305に進み、特定のストップボタンを受け付けなかったときは、演出用停止ボタン受付処理を終了する。
ステップS305では、演出用停止ボタンの操作を受け付けたことを示す演出用停止ボタン受付情報を設定する。すなわち、メダル投入枚数が0であって、ボーナス遊技中でなく、ストップボタンの操作を受け付け、かつ、受け付けたストップボタンが特定のストップボタンである場合には、演出用停止ボタン受付情報を設定する。
ステップS306では、演出用停止ボタンの操作を受け付けたことを示す演出用停止ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、この演出用停止ボタン受付コマンドを受信することによって演出用停止ボタンの操作を受け付けたことを把握し、演出モード選択演出を実行する。
図29に戻って、ステップS202では、演出用投入ボタン受付処理を行う。演出用投入ボタン受付処理は、演出モード選択演出が実行中にメダル投入ボタン133を操作することにより、演出モードの選択を行う処理であり、メダル投入ボタン133をメダル投入の機能の他、演出用に用いるので、このように称する。
図31は、ステップS202の演出用投入ボタン受付処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップ401では、演出用停止ボタン受付情報の設定があるか否かを判定する。演出用停止ボタン受付情報の設定があるとき、すなわち、遊技者が通常遊技において演出モードの設定を指示したときには、ステップS402に進み、演出用停止ボタン受付情報の設定がないときは、ステップS405に進む。
ステップ402では、メダル投入ボタン133の受付があるか否かを判定する。これは、通常遊技における演出モード選択演出が実行されているので(図23、図25参照)、遊技者による演出モードの選択があるか否かを判別するものである。メダル投入ボタン133の受付があるときは、演出モードの設定がされたので、ステップS403に進み、メダル投入ボタン133の受付がないときは、メダル投入ボタン133の受付があるまで待機する。
ステップ403では、演出用投入ボタンの操作を受け付けたことを示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、この演出用投入ボタン受付コマンドを受信することによって演出用投入ボタンの操作を受け付けたことを把握し、選択された演出モードを設定する。
ステップ405では、ボーナス遊技の最初のゲームであるか否かを判定する。ボーナス遊技の最初のゲームであるとき、すなわち、ボーナス遊技における演出モード選択演出が実行されるときは、ステップS406に進み、ボーナス遊技の最初のゲームでないときは、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
ステップ406では、メダル投入ボタン133の受付があるか否かを判定する。これは、ボーナス遊技における演出モードを選択する演出モード選択演出が実行されているので(図24、図26参照)、遊技者による演出モードの選択があるか否かを判別するものである。メダル投入ボタン133の受付があるときは、演出モードの設定がされたので、ステップS407に進み、メダル投入ボタン133の受付がないときは、メダル投入ボタン133の受付があるまで待機する。
ステップ407では、演出用投入ボタンの操作を受け付けたことを示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。副制御部400は、この演出用投入ボタン受付コマンドを受信することによって演出用投入ボタンの操作を受け付けたことを把握し、選択された演出モードを設定する。
図29に戻って、ステップS203では、リプレイ作動中であるか否かを判定する。リプレイ作動中であるときは、前回の遊技で設定されたベット数が自動的に設定されるので、ステップ208に進み、リプレイ作動中でないときは、ステップS204に進む。
ステップS204では、メダルをメダル投入口に投入したか否かを判定するメダルセレクタ処理を行う。
ステップS205では、メダルをメダル投入口に投入し、メダルセレクタがメダルを受け付けたときは、ステップS208に進み、メダルセレクタがメダルを受け付けなかったときは、ステップS206に進む。
ステップS206では、精算ボタン135の受付があったか否かを判定する精算受付処理を行う。
ステップS208では、ベットボタン(メダル投入ボタン132、133)の受付があったか否かを判定するベットボタン処理を行う。
ステップS208では、当該遊技に対して投入されたメダルの枚数を設定する。
ステップS209では、精算ボタン135の受付があったか否かを判定する。ステップS206の精算受付処理において精算ボタン135の受付があったときには、ステップS210に進み、メダルの精算処理を行い、精算ボタン135の受付がなかったときには、ステップS211に進む。
ステップS211では、メダル投入受付情報があったか否かを判定する。メダル投入受付情報があった、すなわち、当該遊技に対してメダルが投入されているときは、ステップS212に進み、メダル投入コマンドを副制御部400に送信し、当該遊技に対してメダルが投入されなかったときには、投入処理を終了する。
<副制御部の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図32は、スロットマシン100の副制御部400の割り込み処理及びメイン処理を示すフローチャートである。
まず、図32(a)を参照して、割り込み処理について説明する。副制御部400のCPU410は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS501では、主制御部300からの制御コマンドを受信したか否かを判定する。主制御部300からの制御コマンドを受信した場合は、ステップS502に進み、 主制御部300からの制御コマンドを受信しなかった場合は、処理を終了する。
ステップS502では、主制御部300から受信した制御コマンドをRAM413の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図32(b)を参照して、メイン処理について説明する。副制御部400のCPU410は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理(ステップS602〜S604)を繰り返し実行する。
ステップS601では、初期化処理を行なう。ここでは主に電源投入時の処理を行なう。
ステップS602では、コマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。制御コマンドが格納されている場合は、ステップS603へ進み、制御コマンドが格納されていない場合は、ステップS604へ進む。
ステップS603では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、その内容を判定する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
ステップS604では、所定の条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、演出モード選択演出において選択画面の画像切替のための条件が成立したか否かを判定する。詳しくは、後述する演出モード表示コマンドを演出ユニット制御部500に送信後、所定時間(2秒)経過したか否かを判定する。所定の条件が成立、すなわち、演出モード選択演出において選択画面の画像切替のための所定時間(2秒)が経過したときは、ステップS605に進み、所定の条件が成立していないときは、ステップS602へ戻る。
ステップS605では、ステップS603の判定結果に応じて、又は、所定の条件成立に応じて、演出処理を行う。ステップS605の演出処理に関しては、詳しくは後述する。
まず、図33を参照して、スロットマシン100で実行される演出の内容の設定について説明する。図33は演出内容の基本的な設定を示す説明図である。演出内容の設定は主制御部300から送信される制御コマンドに従って副制御部400が行う。以下、基本的な設定の仕方について説明する。なお、以下に述べる以外にも、主制御部300からの制御コマンド(例えば、エラーを示すコマンド等)に応じて対応する演出内容が設定されている。
演出の内容は複数のグループ(図33に示す演出状態)に分かれており、主制御部300からの制御コマンドの種類に応じていずれかが選択される。本実施形態では、主制御部300からの演出状態を選択する演出選択コマンド(内部抽選結果、遊技状態、BB又はRBのフラグ持ち越しの有無などを加味して決定される情報)に応じて、いずれかの演出状態が選択されることとなる。各演出グループは、主制御部300からの制御コマンド毎(同図の例では、各ストップボタン131a〜131cに対する操作(第1〜第3停止操作、リールの停止(第1〜第3リール停止)、入賞判定結果(入賞判定))毎に決められており、当該個別の制御コマンドを受信すると対応する演出データを選択することになる。
演出データは、演出用のデバイス毎に設定されており、ROM412に格納されている。副制御部400は主制御部300から個別の制御コマンドを受信すると、対応する演出データを読み出して各デバイスにデータをセットする。また、演出ユニットAの制御に必要な制御コマンドを演出ユニット制御部500へ送信する。演出ユニット制御部500は、受信した制御コマンドに応じて演出ユニットAを制御することになる。なお、本実施形態では、上述したように3つの演出モード(演出モードA(殿モード)、演出モードB(爺モード)、演出モードC(姫モード))を備えており、このうち、いずれか1つの演出モードで演出が実行されるようになっている。そのため、ROM412に格納されている演出データは、演出モードごとに設定され、格納されている。
<演出処理>
次に、図34を参照して、本実施形態における演出処理について説明する。図34は、図32のステップS604の演出処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、受信した制御コマンドが内部抽選結果等を反映した演出選択コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが演出選択コマンドであるときは、ステップS702に進み、受信した制御コマンドが演出選択コマンドでないときは、ステップS704に進む。
ステップS702では、受信した演出選択コマンドに応じた演出(演出データ)を選択し、ステップS703では、選択された演出の演出ユニットAを制御する演出実行コマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、この演出実行コマンドを受信することにより、演出実行コマンドに応じた演出を実行する。すなわち、演出実行コマンドの内容に応じて、LCD10を第1の位置と第2の位置との間で可動させるLCD可動演出や、LCD10の画面表示上に画像データを表示する画像表示演出や、扉51a及び扉51bを移動させる扉移動演出を実行する。
ステップS704では、受信した制御コマンドが状態コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが状態コマンドであるときは、ステップS705に進み、受信した制御コマンドが状態コマンドでないときは、ステップS707に進む。
ステップS705では、受信した状態コマンドに基づいて、通常遊技からボーナス遊技に移行したか否かを判定する。ボーナス遊技に移行したときは、ステップS709に進み、ボーナス遊技に移行しなかったときは、ステップS706に進む。
ステップS706では、受信した状態コマンドに基づいて、ボーナス遊技から通常遊技に移行したか否かを判定する。ボーナス遊技から通常遊技に移行したときは、ステップS710に進み、ボーナス遊技から通常遊技に移行しなかったときは、ステップS707に進む。
ステップS707では、受信した制御コマンドが演出用停止ボタン受付コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが演出用停止ボタン受付コマンドであるとき、すなわち、遊技者が通常遊技において演出モードの設定を指示したときは、ステップS708に進み、受信した制御コマンドが演出用停止ボタン受付コマンドでないときは、ステップS711に進む。
ステップS708では、演出モード選択演出の開始処理1を行う。これは、通常遊技における演出モード選択演出の開始処理であり、遊技者の操作指示を契機に実行される処理である。演出モード選択演出開始処理1に関しては、詳しくは後述する。
ステップS709では、演出モード選択演出の開始処理2を行う。これは、ボーナス遊技における演出モード選択演出の開始処理であり、通常遊技からボーナス遊技に移行したときを契機に自動的に実行される処理である。演出モード選択演出開始処理2に関しては、詳しくは後述する。
ステップS710では、演出モード設定処理を行う。これは、ボーナス遊技における演出モード設定処理であり、ボーナス遊技から通常遊技に移行したときを契機に自動的に実行される処理である。演出モード設定処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS711では、後述する演出ユニット制御部500への演出モード表示コマンド送信後、所定の時間(2秒)が経過したか否かを判定する。演出モード表示コマンド送信後、所定の時間(2秒)が経過したときは、演出モード選択演出の選択画面の画像を切り替える必要があるため、ステップS712に進み、演出モード表示コマンド送信後、所定の時間(2秒)が経過していないときは、ステップS713に進む。
ステップS712では、演出モード選択演出画像切替処理を行う。演出モード選択演出画像切替処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS713では、受信した制御コマンドが演出用投入ボタン受付コマンドであるか否かを判定する。受信した制御コマンドが演出用投入ボタン受付コマンドであるとき、すなわち、遊技者が演出モードの選択操作を行ったときは、ステップS714に進み、受信した制御コマンドが演出用投入ボタン受付コマンドでないときは、ステップS715に進む。
ステップS714では、演出モード選択演出終了処理を行う。これは、通常遊技又はボーナス遊技における演出モード選択演出の終了処理であり、遊技者の操作指示を契機に実行される処理である。演出モード選択演出終了処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS715では、その他の制御コマンドに応じたその他の演出処理を実行する。
図35は、図34のステップS708の演出モード選択演出開始処理1を詳しく示すフローチャートである。
ステップS801では、通常遊技において、現在、設定されている演出モードに関する情報(演出モード情報)を取得する。本実施形態においては、具体的には、演出モードA(殿モード)、演出モードB(爺モード)、演出モードC(姫モード)のいずれかが取得される。
ステップS802では、ステップS801で取得した演出モードと異なる演出モードを初期表示させる演出モードとして表示設定する。具体的には、例えば、通常遊技において、現在、演出モードA(殿モード)が設定されているときは、これとは異なる演出モードB(爺モード)を初期表示させる演出モードとして表示設定する。
ステップS803では、ステップS802で初期表示させる演出モードとして表示設定された演出モードを含む演出モード表示コマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、演出モード表示コマンドを受信すると、演出モード表示コマンドに含まれる演出モードの選択画面をLCD10上に表示する演出モード選択演出を実行する。例えば、初期表示させる演出モードとして演出モードB(爺モード)が設定されていたときは、演出モードB(爺モード)を示す選択画面がLCD10上に表示される。
図36は、図34のステップS709の演出モード選択演出開始処理2を詳しく示すフローチャートである。
ステップS901では、通常遊技において、現在、設定されている演出モードに関する情報(演出モード情報)を取得する。本実施形態においては、具体的には、演出モードA(殿モード)、演出モードB(爺モード)、演出モードC(姫モード)のいずれかが取得される。
ステップS902では、ステップS901で取得した演出モードと同じ演出モードを初期表示させる演出モードとして表示設定する。具体的には、例えば、通常遊技において、現在、演出モードA(殿モード)が設定されているときは、これと同じ演出モードA(殿モード)を初期表示させる演出モードとして表示設定する。
ステップS903では、ステップS902で初期表示させる演出モードとして表示設定された演出モードを含む演出モード表示コマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、演出モード表示コマンドを受信すると、演出モード表示コマンドに含まれる演出モードの選択画面をLCD10上に表示する演出モード選択演出を実行する。例えば、初期表示させる演出モードとして演出モードA(殿モード)が表示設定されていたときは、演出モードA(殿モード)を示す選択画面がLCD10上に表示される。
図37は、図34のステップS710の演出モード設定処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1001では、ボーナス遊技において、現在、設定されている演出モードに関する情報(演出モード情報)を取得する。本実施形態においては、具体的には、演出モードA(殿モード)、演出モードB(爺モード)、演出モードC(姫モード)のいずれかが取得される。
ステップS1002では、ステップS1002で取得した演出モードと同じ演出モードを通常遊技における演出モードとして設定する。具体的には、例えば、ボーナス遊技において、現在、演出モードA(殿モード)が設定されているときは、これと同じ演出モードA(殿モード)を通常遊技における演出モードとして設定する。
ステップS1003では、ステップS1002で設定された演出モードを含む選択演出モードコマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、選択演出モードコマンドを受信すると、選択演出モードコマンドに含まれる演出モードが当該遊技状態において設定された演出モードであることを認識する。例えば、ボーナス遊技において演出モードA(殿モード)が設定されていたときは、通常遊技においても演出モードA(殿モード)が設定される。
図38は、図34のステップS712の演出モード選択演出画像切替処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1101では、現在、表示設定されている演出モード(LCD10上に表示されている演出モード)とは異なる演出モードを表示設定する。具体的には、例えば、現在、演出モードB(爺モード)が表示設定されているときは、これとは異なる演出モードC(姫モード)が表示設定される。
ステップS1102では、ステップS1101で表示設定された演出モードを含む演出モード表示コマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、演出モード表示コマンドを受信すると、演出モード表示コマンドに含まれる演出モードの選択画面をLCD10上に表示する演出モード選択演出を実行する。
図39は、図34のステップS714の演出モード選択演出終了処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS1201では、現在、表示設定されている演出モード(LCD10上に表示されている演出モード)を遊技者に選択された演出モードとして設定する。具体的には、例えば、現在、演出モードB(爺モード)が表示設定されているときは、演出モードB(爺モード)を設定し、以後の通常遊技、又はボーナス遊技においては、演出モードB(爺モード)で演出が実行される。
ステップS1202では、ステップS1202で設定された演出モードを含む選択演出モードコマンドを演出ユニット制御部500に送信する。演出ユニット制御部500は、選択演出モードコマンドを受信すると、選択演出モードコマンドに含まれる演出モードが当該遊技状態において設定された演出モードであることを認識する。
<演出ユニット制御部の処理>
次に、演出ユニット制御部500の処理について説明する。図40は、スロットマシン100の演出ユニット制御部500の割り込み処理及びメイン処理を示すフローチャートである。
まず、図40(a)を参照して、割り込み処理について説明する。演出ユニット制御部500のCPU510は同図の処理を所定周期で行う。
ステップS1301では、副制御部400からの制御コマンドを受信したか否かを判定する。副制御部400からの制御コマンドを受信した場合は、ステップS1302へ進み、副制御部400からの制御コマンドを受信しなかった場合は、処理を終了する。
ステップS1302では、副制御部400から受信した制御コマンドをRAM513の所定のエリア(コマンド格納エリアという)に上書きせずに順次格納する。
次に、図40(b)を参照して、メイン処理について説明する。演出ユニット制御部500のCPU510は、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS1401では、RAM513のコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。制御コマンドが格納されている場合は、ステップS1402へ進み、制御コマンドが格納されていない場合は、ステップS1401へ戻る。
ステップS1402では、RAM513のコマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、その内容を判定する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
ステップS1403では、取得した制御コマンドが演出モード表示コマンドであるか否かを判定する。取得した制御コマンドが演出モード表示コマンドであるときは、ステップS1404に進み、取得した演出モード表示コマンドが示す演出モードの選択画面をLCD10上に表示する。一方、取得した制御コマンドが演出モード表示コマンドでないときは、ステップS1405に進む。
図41に各演出モードの画面表示態様(通常遊技時)の一例を示す。例えば、演出モードA(殿モード)の選択画面が表示されるときは、手を広げる殿の画像(図23参照)が表示され、また、演出モードBの選択画面が表示されるときは、杯を持つ爺の画像(図23参照)が表示される。なお、このような演出データ(表示制御データ)は、ROM531に格納されている。図41に示す例では、各演出モードの画面表示態様は一つであったが、複数の画面表示態様を備えるようにしてもよい。図42は、各演出モードが複数の画面表示態様を備える場合の画面表示態様(ボーナス遊技時)の一例を示している。図42の例では、ボーナス移行前の告知態様に応じて、各演出モードの画面表示態様が決定されるようになっており、例えば、演出モード選択演出において演出モードA(殿モード)の選択画面が表示されるときは、告知態様が通常告知Aであれば、俵を抱える殿の画像が表示され、告知態様がレア告知1であれば、乗り物(バイク)に乗る殿の画像が表示される。このように、選択画面の種類は、各演出モードに1つであってもよいし、複数であってもよい。
ステップS1405では、取得した制御コマンドが選択演出モードコマンドであるか否かを判定する。取得した制御コマンドが選択演出モードコマンドであるときは、ステップS1406に進み、選択演出モードコマンドが示す演出モードを設定する。これにより、演出ユニットAでは、設定された演出モードで演出が実行される(設定された演出モードの演出データ(表示制御データ)が選択され、演出ユニットA上で実行される)。一方、取得した制御コマンドが選択演出モードコマンドでないときは、ステップS1407に進み、取得した制御コマンドに応じて、その他の演出処理を行う。なお、上述したステップS1404、ステップS1406、及びステップS1407の演出処理においては、いずれも取得した制御コマンドに応じた演出データを取得し、演出ユニットAの各デバイスドライバに順次演出データをセットする。そして、データのセットにより演出ユニットAがそのデータに応じた演出を実行する。
ここで、図43を参照して、演出ユニットAの制御内容の設定について説明する。図43(a)はROM512に格納される演出ユニットAの制御データを示す図であり、図43(b)はROM531に記憶されるLCD10の表示制御データを示す図である。演出ユニット制御部500は、副制御部400から上述した制御コマンドを受信すると、その制御コマンドにより示される番号(図43(a)の「No.」)に対応した処理を実行する。
図43(a)に示す制御データには制御コマンドにより示される番号に応じて、「処理順」と、左扉51aの制御内容(「左扉」)と、右扉51bの制御内容(「右扉」)と、LCD10の制御内容(「液晶表示装置」)とが設定されている。例えば、副制御部400からNo.1の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において、LCD10に表示制御データ1の内容を表示させる。詳細には図43(b)に示すようにNo.1の表示制御データを取得して対応する画像をLCD10に表示させる。続いて「処理順」2において扉51を全開にする。
また、例えば、副制御部400からNo.5の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を下(第1の位置)へ移動させる。また、例えば、副制御部400からNo.10の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を上(第2の位置)へ移動させる。また、例えば、副制御部400からNo.21の制御コマンドを受信した場合、演出ユニット制御部500は、まず、「処理順」1において扉51を全閉にする。続いて「処理順」2においてLCD10を上(第2の位置)へ移動させる。そして、「処理順」3においてLCD10に表示制御データ2の内容を表示させる。これは3次元画像となる。そして「処理順」4において扉51を全開にして3次元画像を遊技者に提示する。このようにして演出ユニットAの動作が制御されることになる。
以上、本実施形態のスロットマシン100によれば、通常遊技において遊技者が特定の遊技操作をすることにより、演出モード選択演出が実行されて、現在設定されている演出モードとは異なる演出モードの選択画面を初期表示し、また、ボーナス役に入賞すると、演出モード選択演出が実行されて、現在設定されている演出モードと同じ演出モードの選択画面を初期表示するので、演出モード選択の際に、遊技者が選択操作の煩わしさを感じることがない。この結果、遊技者は、簡単かつ迅速に所望の演出モードを選択することができる。
また、ボーナス遊技から通常遊技に移行する際には、ボーナス遊技で設定されていた演出モードを自動的に設定して、演出が実行されるので、遊技者が演出モードの選択操作の煩わしさを感じることがない。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態では、ボーナス遊技が終了して通常遊技が開始されるときの演出モードを、ボーナス遊技で設定された演出モードに設定したが(図27参照)、ボーナス遊技を開始する前の通常遊技で設定された演出モードを設定するようにしてもよい。この場合には、通常遊技の演出モードをそのまま引き継ぎたい遊技者の意向を反映したものである。例えば、図44に示すように、ボーナス遊技に移行する前の通常遊技の演出モードが演出モードA(殿モード)であって、ボーナス遊技の演出モードが演出モードB(爺モード)であるときは、ボーナス遊技終了後の通常遊技の演出モードは、演出モードA(殿モード)が設定される。
また、上記実施形態では、通常遊技及びボーナス遊技においてそれぞれ演出モードの設定が可能であるが、一度、設定した演出モードをそのまま固定するような機能を備えていてもよい。これにより、演出モードを固定して遊技を行う遊技者にとっては、一度、演出モードの設定を行えば、ボーナス遊技が開始されても、選択操作をする必要がないので、演出モードの変更操作をより簡素化することができる。図45は、演出モードをホールドする方法の一例を示す図である。例えば、常に演出モードA(殿モード)で遊技する遊技者は、演出モードA(殿モード)を選択後、ホールドするための遊技操作(ストップボタン131a、131cを同時に操作)を行うと、ボーナス時も演出モードA(殿モード)が設定される旨の表示がされて、以後、演出モードA(殿モード)で固定されて、演出が実行される。なお、演出モードのホールドを解除するには、解除するための遊技操作(ストップボタン131a、131cを2回、同時に操作)を行えばよい。また、解除するための条件はこれに限定されず、デモ画面が開始されたのを契機にホールドが解除されるようにしてもよいし、予め定めた時間の経過により、ホールドが解除されるようにしてもよい。
また、履歴情報を加味して、演出モード選択演出の初期画面を決定するようにしてもよい。例えば、終日の遊技履歴情報から、最も滞在時間の長い演出モードや最も滞在回数(選択回数)が多かった演出モードの選択画面を初期表示するようにしてもよい。
<パチンコ>
さらには、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いるパチンコ遊技機や遊技球を用いたスロットマシンにも適用できるものである。すなわち、演出モードの設定操作を遊技者の意思により行う場合には、現在、設定されている演出モードと異なる演出モードを設定し、また、所定の条件が成立してパチンコ遊技機が自動的に演出モードの設定を行う場合には、現在、設定されている演出モードと同一の演出モードを設定するようなパチンコ遊技機であってもよい。
図46は本発明を適用したパチンコ遊技機100Aの外観斜視図である。パチンコ遊技機100AはLCD10を備えた演出ユニットA1を備えている。詳しくは、パチンコ遊技機100Aは、液晶ディスプレイなどで構成され、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置(LCD10)を備えており、始動入賞口(図示せず)に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置は、図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようになっている。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口(図示せず)が、例えば、所定の時間又は所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。
図47は、遊技の基本的制御を行う主制御部1100を中心としたパチンコ遊技機100Aの回路構成を示す図である。
主制御部1100は、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する基本回路1110と、各種スイッチ1102(例えば、図示しないゲートに入った入賞球を検出するゲートスイッチ、始動入賞口に入った入賞球を検出する始動口スイッチ、入賞球をカウントするカウントスイッチ、各入賞口に設けられ、入賞球を検出する入賞口スイッチおよびRAMに記憶されたデータをクリアするクリアスイッチなど)からの信号を基本回路1110に与えるスイッチ回路1103と、ソレノイド1104(例えば、図示しない始動入賞口を開閉するソレノイド、大当たり状態において開状態とされる大入賞口を開閉するソレノイドなど)を基本回路1110からの指令に従って駆動するソレノイド回路1105とを備えている。
また、主制御部1100は、基本回路1110から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路1107を備えている。
基本回路1110は、詳しくは、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM1111、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM1112、プログラムに従って制御動作を行うCPU1113、およびI/Oポート1114とを含む。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御部1500上の回路によって制御される駆動モータ901で駆動される。そして、駆動モータ901の駆動力は、操作ノブ(打球ハンドル)902の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御部1500上の回路によって、打球ハンドル902の操作量に応じた速度で遊技球が発射されるように制御される。
なお、演出制御部1300は、遊技盤に設けられている各種ランプ1301(例えば、各種装飾ランプなど)の表示制御や、各種表示器1302(例えば、図柄を可変表示する可変表示装置など)の表示制御を行うとともに、スピーカ1303を介した音出力制御を行うようになっている。
払出制御部12000は、各種センサ(例えば、図示しない満タンスイッチ、検出する球切れスイッチ、単発発射スイッチおよび払出カウントスイッチなど)からの検出信号を入力する。払出制御部1200は、球切れスイッチからの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチからの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。入賞があると、主制御部1100から、払出指令信号(払出制御コマンド)として、賞球の払出要求を行うためのREQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す払出個数信号が出力される。払出制御部1200は、REQ信号および払出個数信号を入力すると、払出個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置1230を駆動する制御を行う。
以上、本発明を適用したパチンコ遊技機100Aによれば、演出モードの設定操作を遊技者の意思により行う場合には、現在、設定されている演出モードと異なる演出モードを設定し、また、所定の条件が成立してパチンコ遊技機が自動的に演出モードの設定を行う場合には、現在、設定されている演出モードと同一の演出モードを設定するようになっているので、演出モードを選択する際に、遊技者が選択操作の煩わしさを感じることがなく、簡単かつ迅速に所望の演出モードを選択することができる。