JP2008173249A - 活動量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な活動量を算出することができる活動量計を提供することにある。
【解決手段】活動量計は、人体に装着され3軸の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度の周期よりも短い第1時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を抽出する第1抽出手段2と、加速度検出手段1から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度の周期以上の第2時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出する第2抽出手段3と、第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして活動量の演算を行う活動量演算手段4と、算出された活動量を表示する表示手段5とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】活動量計は、人体に装着され3軸の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度の周期よりも短い第1時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を抽出する第1抽出手段2と、加速度検出手段1から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度の周期以上の第2時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出する第2抽出手段3と、第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして活動量の演算を行う活動量演算手段4と、算出された活動量を表示する表示手段5とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、人の活動量を算出する活動量計に関するものである。
従来から、人の行動によって消費された運動エネルギからなる活動量を算出する活動量計が提供されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1には、人体に装着された加速度センサから出力された電圧を4段階に区分し、この区分と所定時間における歩数とによって運動強度を決定し、運動強度毎に設定された値を用いて活動量(運動量)を算出するものについて開示されている。一方、特許文献2には、異なる方向の加速度を検出する複数の加速度センサ(体動センサ)のなかから、活動量の算出に最も適した加速度センサを選択して、その加速度センサから得られた加速度を用いて活動量を算出するものについて開示されている。
特許第3027346号公報
特開2002−191580号公報
ところで、特許文献1では、所定の一方向だけの加速度から得られた歩数を元にして活動量の算出を行うように構成されているため、前記一方向が人体の進行方向からずれた場合などには、正確な活動量が得られないという問題があった。また、活動量の算出自体も歩数のカウントを主体として行っているから、歩行時(または走行時)にしか活動量の算出が行えないという問題もあった。
これに対して、特許文献2では、異なる方向の加速度を検出する複数の加速度センサから活動量の算出に適した加速度センサを選択するようにしているから、上述の問題をある程度解決することができていた。
しかしながら、このような特許文献1,2では、一方向、すなわち1軸の加速度センサにより得られた値のみを用いて活動量の算出を行っているため、三次元空間で複雑に動く人体の活動量を正確に評価するという点で不十分であった。
かかる点に鑑みて、互いに直交する3軸の加速度センサから得られた各軸の加速度を用いて活動量の算出を行う活動量計が提案されている。
ところで、このような活動量計において正確な活動量を算出するためには、各軸の加速度から人の行動に起因する加速度成分以外の加速度成分、例えば、重力加速度に起因する加速度成分(重力加速度成分)を除去することが望ましい。
ここで、重力加速度成分は、重力加速度が加速度センサに対して常に一定方向に作用するのであれば、各軸の加速度から容易に除去することができる。しかしながら、加速度センサは人体に装着されるので、人の行動や、人の姿勢変化などによって加速度センサに作用する重力加速度の方向が変動してしまうから、各軸の加速度から重力加速度成分を除去することが非常に困難であり、結果として、算出された活動量には、重力加速度成分に起因する誤差が生じてしまっていた。
また、各軸の加速度には、歩行中、走行中、あるいは昇降中における足の着地時に発生する衝撃などによって生じる比較的大きい加速度成分が含まれてしまうおそれがあり、算出された活動量には、このような衝撃などによる加速度成分に起因する誤差が生じてしまうという問題も生じていた。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、正確な活動量を算出することができる活動量計を提供することにある。
上述の問題を解決するために、請求項1の発明では、人体に装着され3軸の加速度を検出する加速度検出手段と、加速度検出手段から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度成分の周期よりも短い第1時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を抽出する第1抽出手段と、加速度検出手段から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度成分の周期以上の第2時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出する第2抽出手段と、第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして活動量の演算を行う活動量演算手段とを備えていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1抽出手段によって各軸の加速度から人の行動に起因する加速度の周期より短い第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を抽出するとともに、第2抽出手段によって各軸の加速度から人の行動に起因する加速度の周期以上の第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出し、これら第1加速度成分と第2加速度成分との差分を算出するので、各軸の加速度から人の行動に起因する加速度以外の加速度成分を除去することができて、人の行動に起因する加速度成分を元にして活動量の演算が行えるから、正確な活動量を算出することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、活動量演算手段は、加速度検出手段より得られた各軸の加速度の周期を元にして前記第1時間を変更するように構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、人の行動に合わせて第1時間が変更されるから、歩行や、走行など、人のどの様な行動にも対応した正確な活動量を算出することができる。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、活動量演算手段は、各軸の第2加速度成分を元にして人体の昇降動作を検出し、昇降動作に応じて活動量の値を補正するように構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、人体が昇降動作を行ったことを検出して、その昇降動作に応じて活動量を補正するから、さらに正確な活動量を算出することができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、活動量演算手段は、各軸について算出した第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして人体の昇降動作を検出し、昇降動作に応じて活動量の値を補正するように構成されていることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、人体が昇降動作を行ったことを検出して、その昇降動作に応じて活動量を補正するから、さらに正確な活動量を算出することができる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のうちいずれか1項の発明において、活動量演算手段は、各軸における第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元に算出した主活動量と、各軸における加速度と第1加速度成分との差分を元に算出した副活動量との合計値を活動量として算出するように構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、激しいスポーツやダンスなどの人体のブレ(人の行動によって付随的に生じる体動)などが非常に多く、人の行動よりも人体のブレによるエネルギ消費が多い場合に、正確な活動量を算出することができる。
請求項6の発明では、請求項1〜5のうちいずれか1項の発明において、活動量演算手段は、各軸の第2加速度成分を元にして重力方向を検出し、加速度検出手段の3軸の方向と当該重力方向とのずれに基づいて活動量を補正するように構成されていることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、加速度の方向を正しく評価することができるから、さらに正確な活動量を算出することができる。
本発明は、各軸の加速度から人の行動に起因する加速度以外の加速度成分を除去することができて、人の行動に起因する加速度成分を元にして活動量の演算が行えるから、正確な活動量を算出することができる。
本発明の一実施形態の活動量計は、図1に示すように、人体に装着され3軸の加速度を検出する加速度検出手段1と、加速度検出手段1より得られた加速度を元に活動量を算出するための第1抽出手段2と第2抽出手段3と活動量演算手段4とからなる演算処理手段と、算出された活動量を表示する表示手段5と、活動量計のオンオフ操作などを行うための操作手段(図示せず)と、これらを収納する筐体(図示せず)とを備えている。なお、筐体は、例えば、樹脂成形品などからなり、人が携行可能な大きさに形成されている。
加速度検出手段1は、例えば、互いに垂直な3軸(x軸、y軸、z軸)の各加速度をアナログ形式で出力する3軸の加速度センサと、当該3軸の加速度センサの出力を所定周期でサンプリングしデジタル形式に変換して出力する加速度検出回路(図示せず)とを備えている。なお、3軸の加速度センサとしては、例えば、小型で低消費電力なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を利用した加速度センサを用いている。なお、加速度センサとしては、ピエゾ抵抗型の加速度センサや、静電容量型の加速度センサなどを採用することができる。また、3軸の加速度センサとしては、2軸の加速度センサと1軸の加速度センサとを組み合わせて3軸の加速度値を出力可能としたものを用いてもよいし、1軸の加速度センサを3つ用いて3軸の加速度値を出力可能としたものを用いてもよい。
加速度検出手段1から出力された各軸の加速度(図3(a)参照)は、図1に示すように、第1抽出手段2と、第2抽出手段3と、活動量演算手段4とにそれぞれ入力される。なお、第1抽出手段2、第2抽出手段3、および活動量演算手段4は、例えば、前記筐体に収納されたマイクロコンピュータなどのハードウェア資源と、ハードウェア資源に情報の演算、加工などを行わせるソフトウェアとにより実現されている。なお、図3(a)は、加速度検出手段1より得られた3軸の加速度を示すグラフである。また、図3(a)〜(d)は、3軸の加速度センサのx軸を人体の進行方向に、y軸を重力方向に、z軸を人体の幅方向にそれぞれ一致させた状態で活動量計を人体に装着した場合のグラフであり、Xは人体のx軸方向における加速度、Yはy軸方向における加速度、Zはz軸方向における加速度を示している。なお、図3(a)における左側の振幅群は降り動作時の振幅を示し、中央部の振幅群は昇り動作時の振幅を示し、右側の振幅群は平地歩行時の振幅を示している。
各抽出手段2,3は、いずれも加速度検出手段1から出力された各軸の加速度について所定時間の移動平均を算出することによって、各軸の加速度から前記所定時間以下の周期の加速度成分を除去して前記所定時間より長い周期の加速度成分を抽出するように構成されている。つまり、各抽出手段2,3は、各軸の加速度から、前記所定時間以下の周期の加速度成分を除去し、前記所定時間超過の周期の加速度成分を通過するフィルタとして作用するのである。
加速度検出手段1より得られる加速度には、主として、歩行や走行などの人の行動に起因する加速度成分(以下、「人体加速度成分」と称する)と、重力加速度に起因する加速度成分(すなわち重力加速度成分)と、歩行時や走行時などにおける人体のブレ(人体の行動によって付随的に生じる体動)や足の着地時に発生する衝撃などに起因する加速度成分(以下、「付随加速度成分」と称する)との3つが含まれ、このような3つの加速度成分の周期(周波数)には、重力加速度成分の周期が人体加速度成分に比べて長く、付随加速度成分の周期が人体加速度成分に比べて短いという関係がある。
そこで、第1抽出手段2においては、通過させる加速度成分を選択するための前記所定時間として、人体加速度成分の周期よりも短い第1時間を用いている。人体加速度成分の周期は、激しい運動をしない日常の生活においては、0.5秒以下(周波数が2Hz以上)または2秒以上(周波数が0.5Hz以下)となることが殆どないので、第1時間は、0.5秒〜2秒の範囲の値に設定すればよい。このような第1抽出手段2によれば、図3(b)に示すように、各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分である付随加速度成分を除去できて、人体加速度成分と重力加速度成分とを含む加速度成分からなる第1加速度成分を抽出することができる。なお、図3(b)は第1時間を1秒としたときの各軸における第1加速度成分を示している。
一方、第2抽出手段3においては、通過させる加速度成分を選択するための前記所定時間として、人体加速度成分の周期以上の時間からなる第2時間を用いている。ここで、第2時間は、人体加速度成分の周期以上であればよいが、人体加速度成分の周期に比べれば重力加速度成分の周期は非常に長くなると考えられるから、例えば、上述したように第1時間を0.5秒〜2秒の範囲の値に設定した際には、5〜30秒の範囲の値に設定すればよい。このような第2抽出手段3によれば、図3(c)に示すように、各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分である付随加速度成分および人体加速度成分を除去できて、重力加速度成分からなる第2加速度成分を抽出することができる。なお、図3(c)は第2時間を12秒としたときの各軸における第2加速度成分を示している。
活動量演算手段4は、図2に示すように、第1抽出手段2により抽出された第1加速度成分と、第2抽出手段3により抽出された第2加速度成分との差分を算出する第1差分演算手段40を備えている。すなわち、第1差分演算手段40では、人体加速度成分と重力加速度成分とを含む第1加速度成分と、重力加速度成分である第2加速度成分との差分を算出することによって、第1加速度成分から重力加速度成分を除去して、人体加速度成分のみを得るのである(図3(d)参照)。
また、活動量演算手段4は、活動量計の装着者の昇降動作を検出する第1昇降動作検出手段41および第2昇降動作検出手段42を備えている。
第1昇降動作検出手段41は、重力加速度成分を元にして人体の昇降動作を検出するものであって、例えば、人体が昇降動作に入る前の姿勢変化を検出することによって、人体の昇降動作の検出を行うように構成されている。具体的には、各軸の第2加速度成分(すなわち重力加速度成分)より算出した重力方向と各軸のうちのいずれか1つ軸との角度によって人の姿勢を評価し、その角度が所定値以上変化した場合には、昇降動作が行われたと判定する。なお、人の姿勢の評価に用いられる前記所定値は、活動量計の装着者毎に変更できるようにしてもよい。このようにすれば、個人毎に異なる前記所定値によって姿勢の評価が行えるから、昇降動作の検出精度を向上できる。
ところで、第1昇降動作検出手段41によって算出された重力方向(重力加速度成分に基づく重力方向)は、第2昇降動作検出手段42に出力されるとともに、軸ずれ補正手段43に出力される。
軸ずれ補正手段43は、加速度検出手段1の3軸の加速度における各軸の方向と重力方向とのずれを補正する軸補正データを出力するように構成されている。ここで、各軸の方向と重力方向とのずれは、重力加速度成分が最も大きい軸と重力方向との角度θで表すことができる。例えば、x軸の重力加速度成分をgx、y軸の重力加速度成分をgy、z軸の重力加速度成分をgzとし、y軸の重力加速度成分が最も大きいとすれば、角度θは、tan−1((gx2+gz2)1/2/gy)で表すことができる。そして、軸ずれ補正手段43は、このようにして求めた角度θを軸補正データとして出力する。なお、軸補正データは、上述したような角度θに限られるものではなく、例えば、回転ベクトルとしてもよく、好適なものを採用すればよい。
第2昇降動作検出手段42は、第1差分演算手段40により得られた人体加速度成分を元にして人体の昇降動作を検出するものであって、例えば、人体加速度成分により人体の移動方向を算出し、算出した人体の移動方向と第1昇降動作検出手段42により得られた重力方向との角度によって、人体が昇降動作を行っているか否かを判定するように構成されている。
第1差分演算手段40により得られた人体加速度成分と、各昇降動作検出手段41,42により得られた昇降動作に関する情報と、軸ずれ補正手段43により得られた軸補正データとは、主活動量演算手段44に入力される。
主活動量演算手段44は、人体加速度成分を元にして主活動量の算出を行うように構成されている。ところで、人体のエネルギ消費量を示す主活動量の算出は、例えば、アメリカスポーツ医学会で用いられている、運動時の消費エネルギが安静時の消費エネルギの何倍になっているか示す値である「METs」値からなる運動強度を求めることによって行うことができ、運動強度は、呼気ガス計測装置により運動強度を変化させて測定した酸素消費量と、加速度分散値との関係式により演算することができる。ここで、上述の酸素消費量は予めデータテーブルとして保持されているものであるから、加速度分散値を求めることによって運動強度を演算することができる。加速度分散値は、一定期間における人体加速度成分の変動平均(標準偏差値)により与えられるため、人体加速度成分を元に主活動量の算出が行える。なお、加速度を用いた活動量の算出方法は、上述した方法の他に、人体加速度成分を元にして、変動平均の積分値、あるいは所定時間以上の時間における時間積分値、あるいは2重積分値を用いて運動強度を演算することによって行うようにしてもよく、これら活動量の算出方法は従来周知の方法であるため、詳細な説明は省略する。
また、主活動量演算手段44では、算出された主活動量に対して、昇降動作による補正が行われる。ここで、昇降動作による補正では、昇り、降り、平地における活動量の比を、例えば、昇り:平地:降り=6:4:3と定義することなどによって行うことができる。すなわち、昇り動作を検出した期間では、活動量を1.5倍とし、降り動作を検出した期間では、活動量を0.75倍とするのである。
さらに、主活動量演算手段44では、人体加速度成分を元にして主活動量を算出するにあたっては、軸補正データおよび3軸の人体加速度成分を元にして水平方向の人体加速度成分および重力方向(鉛直方向)の人体加速度成分の算出が行われ、算出された人体加速度成分を用いて活動量が算出される。例えば、軸補正データとして上述の角度θを用いる場合、x軸の人体加速度成分をhx、y軸の人体加速度成分をhy、z軸の人体加速度成分をhzとすると、第2抽出手段3で抽出したx軸の重力加速度成分gxとz軸の重力加速度成分gzとの合成ベクトルgaの方向(正方向)と、x軸の人体加速度成分hxとz軸の人体加速度成分hzとの合成ベクトルhaの方向(正方向)との間の角度が、±90度未満であれば、水平方向の人体加速度成分の大きさhpaは、|(hx2+hz2)1/2・cosθ−hy・sinθ|で、重力方向(鉛直方向)の人体加速度成分の大きさhpeは、|(hx2+hz2)1/2・sinθ+hy・cosθ|でそれぞれ表される。また、合成ベクトルgaの方向(正方向)と合成ベクトルhaの方向(正方向)との間の角度が、±90度超過であれば、hpaは、|(hx2+hz2)1/2・cosθ+hy・sinθ|で、hpeは、|(hx2+hz2)1/2・sinθ−hy・cosθ|でそれぞれ表すことができる。
ところで、人体加速度成分の周期は、人の行動(運動状態)によって大きく左右されるから、常に一定の周期の人体加速度成分が得られるとは限らない。例えば、歩行程度の軽い運動時であれば、人体加速度成分の周期は約0.5秒超過〜2秒未満であることが多いが、走行などの激しい運動時であれば、人体加速度成分の周期は約0.2秒超過〜0.5秒未満となることが多い。
このような場合に対応するため、活動量演算手段4は、加速度検出手段1より得られた各軸の加速度の振幅や周期を元にして人の運動状態を判定する運動状態判定手段45と、運動状態判定手段45の判定結果に基づいて第1抽出手段2における第1時間を変更する平均時間変更手段46とを備えている。
運動状態判定手段45では、加速度検出手段1より得られた加速度の振幅や周期を元にして人体の運動レベルの評価を行う。例えば、加速度の振幅が大きければ運動レベルが高く、振幅が小さければ運動レベルが低いと判定し、また、加速度の周期が長ければ運動レベルが低く、周期が短ければ運動レベルが高いと判定する。このような判定を組み合わせることで、人体の運動レベルの段階的な評価(例えば、4段階評価)を行う。なお、加速度を用いて運動レベルを評価する方法は、従来周知であるから詳細な説明は省略する。
平均時間変更手段46は、運動状態判定手段45により得られた運動レベルを元にして第1抽出手段2における第1時間の設定を行う。例えば、運動レベルによって人が歩行状態である判定した際には、第1時間を1秒に設定し、運動レベルによって人が走行状態であると判定した際には、第1時間を0.3秒に設定する。すなわち、運動レベルが高ければ、第1時間を相対的に短く設定し、運動レベルが低ければ、第1時間を相対的に長く設定する。
ところで、人が激しいスポーツやダンスなどを行った際には、激しいスポーツやダンスなどを行っているときの人体のブレ(人体の行動によって付随的に生じる体動)による活動量が増えて、人の行動による活動量に比べて多くなる場合があり、このような場合に、人体加速度成分のみから活動量を算出しても、正しい活動量の値が得られない。
そこで、活動量演算手段4は、運動状態判定手段45により得られた運動レベルが所定レベル(少なくとも走行状態以上の運動レベルを示す値)以上であれば、各軸の加速度と、第1抽出手段2より得られる第1加速度成分との差分を算出する第2差分演算手段47を備えている。すなわち、第2差分演算手段47では、全ての加速度成分を含む各軸の加速度と、人体加速度成分および重力加速度成分を含む第1加速度成分との差分を算出することによって、各軸の加速度から人体加速度成分と重力加速度成分とを除去して、付随加速度成分を得るのである。
第2差分演算手段47により得られた付随加速度成分は、副活動量演算手段48に出力され、副活動量演算手段48では、付随加速度成分を元にて副活動量の算出が行われる。なお、加速度を元にして活動量を算出する方法としては、主活動量演算手段44と同様の方法を用いることができる。なお、運動レベルが所定レベル未満であれば、第2差分演算手段47および副活動量演算手段48による演算は行われない。
活動量演算手段4は、主活動量算出手段44および副活動量算出手段48それぞれの出力に基づいて活動量(総活動量)の算出を行い、算出した活動量を表示手段5に出力する総活動量算出手段49を備えている。この総活動量算出手段49では、運動レベルが所定レベル以上であれば、主活動量算出手段44から得られた主活動量と、副活動量算出手段48から得られた副活動量とを加算した値を活動量として出力し、運動レベルが所定レベル未満であれば、主活動量算出手段44から得られた主活動量を活動量として出力するように構成されている。
表示手段5は、例えば、前記筐体の一面に露設される図示しない液晶ディスプレイ(LCD)およびその駆動回路で構成されており、活動量演算手段4から出力された活動量の表示を行うように構成されている。一方、操作手段は、活動量計のオンオフ操作用のスイッチや、活動量の演算を開始させるスイッチ、活動量の表示をリセットするスイッチなどを備えているものである。
次に本実施形態の活動量計の動作について図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、人体に装着された活動量計の動作が開始されて加速度検出手段1により各軸の加速度が検出されると(ステップS1)、活動量演算手段4の運動状態判定手段45によって運動レベルの算出が行われ(ステップS2)、運動レベルに応じて第1抽出手段1の第1時間の設定が行われる(ステップS3)。この後に、第1抽出手段2により第1時間の移動平均の演算が行われて第1加速度成分の抽出が行われる(ステップS4)。また、第2抽出手段3では、第2時間の移動平均の演算が行われて第2加速度成分の抽出が行われる(ステップS5)。第1加速度成分および第2加速度成分が抽出された後には、第1差分演算手段40によって人体加速度成分の算出が行われる(ステップS6)。なお、ステップS5は、必ずしもステップS4の後に行う必要はなく、ステップS6までに行われればよい。
人体加速度成分が算出された後には、主活動量算出手段44によって主活動量の算出が行われる(ステップS7)。
ここで、運動レベルが所定レベル以上であるか否かが判定され(ステップS8)、運動レベルが所定レベル以上であれば、第2差分演算手段47によって付随加速度成分の算出が行われ(ステップS9)、その後に、副活動量算出手段48によって付随加速度成分を元にして副活動量の算出が行われ(ステップS10)、さらにその後に、ステップS11に進む。一方、ステップS8において運動レベルが所定レベル未満であれば、ステップS9,S10を省略してステップS11に進む。
ステップS11では、総活動量の算出が行われるのであるが、副活動量の演算が行われていれば(運動レベルが所定レベル以上であれば)、主活動量と副活動量とを加算することによって総活動量が算出され、副活動量の演算が行われていなければ(運動レベルが所定レベル未満であれば)、主活動量が総活動量として用いられる。
最後のステップS12では、総活動量算出手段49によって算出された総活動量が、表示手段5に表示され、これにより一連の処理が終了する。
以上述べた本実施形態の活動量計によれば、第1抽出手段2によって各軸の加速度から人体加速度成分の周期より短い第1時間より短い周期の加速度成分を除去することにより各軸の加速度から第1時間以上の周期の第1加速度成分を抽出するとともに、第2抽出手段3によって各軸の加速度から人体加速度成分の周期以上の第2時間以下の周期の加速度成分を除去することにより各軸の加速度から第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出して、第1加速度成分と第2加速度成分との差分を算出するので、各軸の加速度から人体加速度成分以外の加速度成分(重力加速度成分および付随加速度成分)を除去することができて、人体加速度成分を元にして活動量の演算が行えるから、正確な活動量を算出することができる。
また、平均時間変更手段46によって第1抽出手段2の第1時間が、人の行動(運動レベル)に合わせて変更されるから、歩行、走行など、人のどの様な行動にも対応した正確な活動量を算出することができる。さらに、第1昇降動作検出手段41または第2昇降動作手段42によって、人体が昇降動作を行ったことを検出して、主活動量算出手段44により活動量を検出した昇降動作に応じて補正するから、さらに正確な活動量を算出することができる。
その上、運動レベルが所定レベル以上、すなわち、激しいスポーツやダンスなどの人体のブレなどが非常に多く、人の行動よりも人体のブレによるエネルギ消費が多い場合には、各軸における第1加速度成分と第2加速度成分との差分からなる人体加速度成分を元に算出した主活動量と、各軸における加速度と第1加速度成分との差分からなる付随加速度成分を元に算出した副活動量との合計値を活動量として算出するから、正確な活動量を算出することができる。なお、付随加速度成分には、歩行中、走行中、あるいは昇降中における足の着地時に発生する衝撃などによって生じる比較的大きい加速度成分からなるノイズが含まれてしまうおそれがあるが、人体のブレなどが非常に多い場合には、上述したノイズは、人体のブレに起因する加速度成分に比べて非常に小さくなるから、その影響を無視することができる。
また、活動量演算手段4は、軸ずれ補正手段43により各軸の第2加速度成分を元にして重力方向を検出し、主活動量算出手段44によって加速度検出手段の3軸の方向と当該重力方向とのずれに基づいて活動量を補正するので、加速度の方向を正しく評価することができるから、さらに正確な活動量を算出することができる。
ところで、本実施形態の活動量計は、図1に示すように、第1抽出手段2および第2抽出手段3を備えているが、これら第1抽出手段2および第2抽出手段3を備える代わりに、図5に示すように、第1フィルタ6および第2フィルタ7を備えるものを用いてもよい。
ここで、第1フィルタ6としては、例えば、加速度検出手段1より得られた各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を通過させるローパスフィルタを用いることができ、第2フィルタ7としては、例えば、加速度検出手段1より得られた各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を通過させるローパスフィルタを用いることができる。なお、ローパスフィルタとしては、RC回路を用いたものや、オペアンプを用いたものなど、従来周知の様々なものを採用することができる。
このような場合においても、各抽出手段2,3において移動平均を算出することによって第1加速度成分および第2加速度成分を得る場合と同様の効果が得られる。なお、各抽出手段2,3の代わりに各フィルタ6,7を用いる場合には、加速度検出手段1のアナログ出力をそのまま各フィルタ6,7に入力し、活動量演算手段4において、加速度検出手段1および各フィルタ6,7の出力をデジタル形式に変換するようにすればよい。
1 加速度検出手段
2 第1抽出手段
3 第2抽出手段
4 活動量演算手段
5 表示手段
2 第1抽出手段
3 第2抽出手段
4 活動量演算手段
5 表示手段
Claims (6)
- 人体に装着され3軸の加速度を検出する加速度検出手段と、加速度検出手段から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度成分の周期よりも短い第1時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第1時間以下の周期の加速度成分を除去して第1時間より長い周期の第1加速度成分を抽出する第1抽出手段と、加速度検出手段から出力された各軸の加速度について人の行動に起因する加速度成分の周期以上の第2時間の移動平均を算出することにより各軸の加速度から第2時間以下の周期の加速度成分を除去して第2時間より長い周期の第2加速度成分を抽出する第2抽出手段と、第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして活動量の演算を行う活動量演算手段とを備えていることを特徴とする活動量計。
- 活動量演算手段は、加速度検出手段より得られた各軸の加速度の周期を元にして前記第1時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の活動量計。
- 活動量演算手段は、各軸の第2加速度成分を元にして人体の昇降動作を検出し、昇降動作に応じて活動量の値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の活動量計。
- 活動量演算手段は、各軸について算出した第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元にして人体の昇降動作を検出し、昇降動作に応じて活動量の値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の活動量計。
- 活動量演算手段は、各軸における第1加速度成分と第2加速度成分との差分を元に算出した主活動量と、各軸における加速度と第1加速度成分との差分を元に算出した副活動量との合計値を活動量として算出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の活動量計。
- 活動量演算手段は、各軸の第2加速度成分を元にして重力方向を検出し、加速度検出手段の3軸の方向と当該重力方向とのずれに基づいて活動量を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の活動量計。
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2007
- 2007-01-17 JP JP2007008506A patent/JP2008173249A/ja not_active Withdrawn
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