JP2008172949A - 電力変換装置及びその電動機保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 交流電動機の保護方法において、過励磁状態で運転した場合に増加する鉄損を考慮して、確実に交流電動機を過熱保護する。
【解決手段】 電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、磁束比を用いて電動機が過励磁であるかを判断し、過励磁状態に応じて検出電流値を補正し、過励磁状態に応じて補正された電流を用いて電動機の過熱保護を行うという手順で処理する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、磁束比を用いて電動機が過励磁であるかを判断し、過励磁状態に応じて検出電流値を補正し、過励磁状態に応じて補正された電流を用いて電動機の過熱保護を行うという手順で処理する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力変換装置及びその電動機保護方法に関する。
従来の電力変換装置は、速度設定手段で設定した速度に応じて定まる電動機の冷却効果を考慮した連続運転可能時間を示す記憶手段と、前記電動機が加速中又は減速中であるか定速運転中であるかを判定する判定手段と、該判定手段が前記電動機の加速中時は前記記憶手段から加速時の熱時限特性を読み出し、定速運転中であるときには定速運転時の熱時限特性を読み出す読出手段と、電流検出手段の検出値を取り込んで積算処理を行い、この積算値が前記読出手段で読み出した記憶値を越えたとき異常信号を発生する異常検出手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
また、負荷装置への供給電流に基づいて前記負荷装置に発生する熱を推定する熱推定部と、前記熱推定部により推定される熱と、予め定められる前記負荷装置の熱回路モデルとに基づいて、前記負荷装置の温度の推移をシミュレーションする温度推移模擬部と、前記温度推移模擬部により推定される温度に応じて、前記負荷装置への供給電流を制限して保護する保護部を備えているものもある(例えば、特許文献2参照)。
図7において、300は電力変換装置全体であり、1は電力変換部、2は交流電動機、3は電流検出部、4は出力周波数・電圧演算部、6はPWM演算部、700は電子サーマル部であり、電力変換部1は、交流電動機2に電力を供給する。電流検出部3は、交流電動機2に流れる電流を検出する。出力周波数・電圧演算部4は、図示していない周波数指令器から与えられた周波数指令frefと図示していない電圧指令器から与えられた電圧指令Vrefと電流検出部3で検出された電流から出力電圧指令の大きさV1*、位相θVと出力周波数foutを例えば、次の(1)〜(6)式のように演算して出力する。
fout=fref+fs=fref+k・fs0・Iq/Φref ・・・(1)
Vq=Vref+r・Iq+2π・fout・l・Id ・・・(2)
Vd=r・Id−2π・fout・l・Iq ・・・(3)
V1*=√(Vq^2+Vd^2) ・・・(4)
θ=∫(2π・fout)dt ・・・(5)
θV=θ+tan-1(Vq/Vd) ・・・(6)
Vq=Vref+r・Iq+2π・fout・l・Id ・・・(2)
Vd=r・Id−2π・fout・l・Iq ・・・(3)
V1*=√(Vq^2+Vd^2) ・・・(4)
θ=∫(2π・fout)dt ・・・(5)
θV=θ+tan-1(Vq/Vd) ・・・(6)
但し、fs:スリップ周波数、fs0:定格磁束、定格負荷時のスリップ周波数、
Iq:交流電動機に流れるトルク成分電流、
Id: 交流電動機に流れる励磁成分電流、
Vq:トルク成分電圧、Vd:励磁成分電圧、
r:交流電動機の抵抗、l:交流電動機のインダクタンス、
θ:交流電動機の磁束の位相、
k:比例係数
Iq:交流電動機に流れるトルク成分電流、
Id: 交流電動機に流れる励磁成分電流、
Vq:トルク成分電圧、Vd:励磁成分電圧、
r:交流電動機の抵抗、l:交流電動機のインダクタンス、
θ:交流電動機の磁束の位相、
k:比例係数
PWM演算部6は、出力電圧指令の大きさV1*と位相θVから電力変換部1のスイッチングを決定する。電子サーマル部700は電流検出部3で検出された電流から交流電動機2の保護判定をし、保護レベルに達した場合には、PWM演算部6に運転停止指令を出力する。
このように、従来の電力変換装置300では、交流電動機2に流れる電流を検出し、検出された電流から交流電動機2の保護判定をし、保護レベルに達した場合には、PWM演算部6に運転停止指令を出力するのである。
特開平3−027718号
特開2005−295738号
このように、従来の電力変換装置300では、交流電動機2に流れる電流を検出し、検出された電流から交流電動機2の保護判定をし、保護レベルに達した場合には、PWM演算部6に運転停止指令を出力するのである。
従来の電力変換装置の電動機保護方法では、電動機に流れる電流の大きさのみに着目して求めた演算値により異常信号を発生させたり、電動機への供給電流を制限したりしている。このように、電動機の過励磁による鉄損増加の影響について考慮がなされておらず、従来の保護方法では、電動機を保護することができないという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、過励磁状態で運転した場合に増加する鉄損を考慮して、確実に交流電動機の過熱保護をする電力変換装置及びその電動機保護方法を提案することを目的としている。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、過励磁状態で運転した場合に増加する鉄損を考慮して、確実に交流電動機の過熱保護をする電力変換装置及びその電動機保護方法を提案することを目的としている。
上記問題を解決するため、本発明は、次のようにしたのである。
請求項1に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置の電動機保護方法において、前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、過励磁状態に応じて補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うという手順をとったのである。
請求項1に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置の電動機保護方法において、前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、過励磁状態に応じて補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うという手順をとったのである。
また、請求項2に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、電力変換部の直流中間電圧を検出する直流電圧検出部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置の電動機保護方法において、前記直流中間電圧に第1のフィルタ処理を施して第1の直流中間電圧検出値を演算し、前記直流中間電圧に第2のフィルタ処理を施して第2の直流中間電圧検出値を演算し、前記第1の直流中間電圧検出値と前記第2の直流中間電圧検出値から電圧比を演算し、前記電圧比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、過励磁状態に応じて補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うという手順をとったのである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは2に記載の電力変換装置の電動機保護方法において、前記電子サーマル部では、前記電動機で発生する熱を推定演算するという手順をとったのである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1あるいは2に記載の電力変換装置の電動機保護方法において、前記過励磁状態に応じて行われる前記検出電流値の補正は、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて行われるという手順をとったのである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1あるいは2に記載の電力変換装置の電動機保護方法において、前記過励磁状態に応じて行われる前記検出電流値の補正は、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて行われるという手順をとったのである。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項5に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置において、
磁束比演算部と過励磁判断部とを備え、前記磁束演算部では、前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、前記過励磁判断部では、前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、前記電子サーマル部では、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うものである。
請求項5に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置において、
磁束比演算部と過励磁判断部とを備え、前記磁束演算部では、前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、前記過励磁判断部では、前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、前記電子サーマル部では、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うものである。
また、請求項6に記載の発明は、負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、電力変換部の直流中間電圧を検出する直流電圧検出部と、前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置において、第1のフィルタと第2のフィルタと電圧比演算部と過励磁判断部とを備え、前記第1のフィルタでは、前記直流中間電圧に第1のフィルタ処理を施して第1の直流中間電圧検出値を演算し、前記第2のフィルタでは、前記直流中間電圧に第2のフィルタ処理を施して第2の直流中間電圧検出値を演算し、前記電圧比演算部では、前記第1の直流中間電圧検出値と前記第2の直流中間電圧検出値から電圧比を演算し、前記過励磁判断部では、前記電圧比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、前記電子サーマル部では、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5あるいは6に記載の電力変換装置において、前記電子サーマル部では、前記電動機の発生する熱を推定演算するものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5あるいは6に記載の電力変換装置において、前記電子サーマル部では、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて前記検出電流値を補正するものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5あるいは6に記載の電力変換装置において、前記電子サーマル部では、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて前記検出電流値を補正するものである。
電動機制御が異常状態の結果として過励磁になったり、あるいは電力変換装置に制動抵抗を接続せずに減速時間を短くするために電動機を過励磁状態で運転したりする際において、鉄損の増加を考慮し電動機を確実に過熱保護するという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の方法を実施する電力変換装置30の構成を示すブロック図である。図1において、本実施の形態では、図7に示した従来の電力変換装置300から、電子サーマル700を削除し、電子サーマル7と磁束比演算部8を追加している。図7に示した従来図と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
磁束比演算部8は、負荷機械に適用する交流電動機2の基底(ベース)周波数fbaseと基底(ベース)電圧Vbaseの比を基準として、磁束の100%レベルを予め設定しておき、図示していない周波数指令器から与えられた周波数指令frefと図示していない電圧指令器から与えられた電圧指令Vrefの比を基準として磁束指令レベルを演算し、磁束の100%レベルに対する磁束指令レベルの比をKΦとして演算する。磁束比KΦは磁束比演算部8の出力として、電子サーマル部7に入力される。
図2は、第1の方法を実施する電力変換装置30の電子サーマル部7のブロック図である。図2を用いて、電子サーマル部7での磁束比KΦを用いた電流検出値の補正方法及び交流電動機2の保護判定について説明する。電子サーマル部7は乗算部14、16、19、周波数係数演算部15、鉄損係数演算部17、加算部18、積分部20、保護判定部21からなる。
周波数係数演算部15は、一般に鉄損は、周波数の2乗と磁束の2乗に比例する渦電流損と、周波数と磁束の2乗に比例するヒステリシス損とからなるので、これを模擬した構成であり、出力周波数が入力されると、周波数に比例して定格周波数のときに1となるゲインを出力する。
鉄損係数演算部17は、適用電動機の定格時での銅損と鉄損の比、つまり、定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさから、電動機の全損失の鉄損依存分を銅損に換算するための演算をする。
周波数係数演算部15は、一般に鉄損は、周波数の2乗と磁束の2乗に比例する渦電流損と、周波数と磁束の2乗に比例するヒステリシス損とからなるので、これを模擬した構成であり、出力周波数が入力されると、周波数に比例して定格周波数のときに1となるゲインを出力する。
鉄損係数演算部17は、適用電動機の定格時での銅損と鉄損の比、つまり、定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさから、電動機の全損失の鉄損依存分を銅損に換算するための演算をする。
電子サーマル部7には、上述した磁束比KΦの他、電流検出部3からの電流検出値Iac、
出力周波数・電圧演算部4からの出力周波数foutが入力され、磁束比KΦと電流検出値Iacとの積を乗算部14で演算する。また、出力周波数foutは周波数係数演算部15に入力され、周波数係数演算部15は出力周波数foutに応じたゲインを出力し、前記乗算部14の出力と周波数係数演算部15の出力は、乗算部16で乗算されて鉄損係数演算部17に入力される。鉄損係数演算部17では、電動機の鉄損の増加分を銅損に換算して鉄損分補正電流Iaciを出力し、前述の電流検出値Iacとの和を加算部18で演算し、補正された電流検出値Iac’として出力する。乗算部19は補正された電流検出値Iac’の平方値を積分部20で積算し、保護判定部21に入力する。保護判定部21では、積分部20の出力値が交流電動機2の保護レベルに達しているかを判断し、達していればPWM演算部6に運転停止指令を出力する。
このようにして、過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
出力周波数・電圧演算部4からの出力周波数foutが入力され、磁束比KΦと電流検出値Iacとの積を乗算部14で演算する。また、出力周波数foutは周波数係数演算部15に入力され、周波数係数演算部15は出力周波数foutに応じたゲインを出力し、前記乗算部14の出力と周波数係数演算部15の出力は、乗算部16で乗算されて鉄損係数演算部17に入力される。鉄損係数演算部17では、電動機の鉄損の増加分を銅損に換算して鉄損分補正電流Iaciを出力し、前述の電流検出値Iacとの和を加算部18で演算し、補正された電流検出値Iac’として出力する。乗算部19は補正された電流検出値Iac’の平方値を積分部20で積算し、保護判定部21に入力する。保護判定部21では、積分部20の出力値が交流電動機2の保護レベルに達しているかを判断し、達していればPWM演算部6に運転停止指令を出力する。
このようにして、過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
図3は、本発明における第2実施例を実施する電力変換装置30’の構成を示すブロック図である。図3において、図1に示した電力変換装置30から、電子サーマル7を削除し、電子サーマル7’を追加している。図1と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図4は、本発明における第2実施例の電子サーマル7’のブロック図である。図4を用いて、電子サーマル部7’での熱推定部22を用いた交流電動機2の保護判定について説明する。図4において、第1実施例で示した電子サーマル7のブロック図(図2)から、熱推定部22を追加し、乗算部19、積分部20を削除している。図2と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
熱推定部22は、電動機に流れる電流の大きさとその電流の大きさの印加時間との関係から前記交流電動機の温度上昇シミュレーションを演算する構成となっている。
第1実施例と同様に、電流検出値Iacは加算部18の出力で補正されて電流検出値Iac’となり熱推定部22に入力される。熱推定部22は、補正された電流検出値Iac’を基に温度上昇シミュレーションし、その結果を用いて交流電動機2の発生する熱を推定演算し、保護判定部21に入力する。保護判定部21では、熱推定部22の出力値が交流電動機2の保護レベルに達しているかを判断し、達していればPWM演算部6に運転停止指令を出力する。
このようにして、熱推定部22を用いて、過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
第1実施例と同様に、電流検出値Iacは加算部18の出力で補正されて電流検出値Iac’となり熱推定部22に入力される。熱推定部22は、補正された電流検出値Iac’を基に温度上昇シミュレーションし、その結果を用いて交流電動機2の発生する熱を推定演算し、保護判定部21に入力する。保護判定部21では、熱推定部22の出力値が交流電動機2の保護レベルに達しているかを判断し、達していればPWM演算部6に運転停止指令を出力する。
このようにして、熱推定部22を用いて、過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
次に、電力変換装置に制動抵抗を接続せずに、電動機のロスを増加させて減速時間を短くするために、電動機を過励磁にして運転する方法へ適用した場合の実施例を説明する。
図5は、本発明における第3実施例を実施する電力変換装置30”の構成を示すブロック図である。図1に示した電力変換装置30から、電圧補正部5、電力変換部の直流部9、第1フィルタ10、第2フィルタ11、電圧比演算部12を追加し、磁束比演算部8を削除している。図1に示した電力変換装置30と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、本発明における第3実施例を実施する電力変換装置30”の構成を示すブロック図である。図1に示した電力変換装置30から、電圧補正部5、電力変換部の直流部9、第1フィルタ10、第2フィルタ11、電圧比演算部12を追加し、磁束比演算部8を削除している。図1に示した電力変換装置30と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
電圧補正部5は、電力変換部1の直流部9の直流中間電圧値Vpnを用い、入力された出力電圧指令の大きさV1*を補正する。これは、PWM制御方式により電圧指令を出力する場合に行われる補正の1例であり、これにより直流中間電圧の大きさに影響されないで電圧を出力することができるようになる。直流中間電圧値Vpnの検出の際、通常、ノイズ除去の時定数の極めて小さい第1フィルタ10を付加して検出するが、ここでは第1フィルタ10より時定数の大きい第2フィルタ11を付加して検出する。これにより、直流中間電圧値Vpnが急激に上昇する程、交流電動機2は過励磁状態になる。
電圧比演算部12は、第1フィルタ10の出力と第2フィルタ11の出力の比を電圧比KVとして出力する。
電圧比演算部12は、第1フィルタ10の出力と第2フィルタ11の出力の比を電圧比KVとして出力する。
交流電動機2が減速され始めると、回生エネルギーが電力変換部1の直流部9に回生され、直流中間電圧Vpnは上昇し始める。第2フィルタ11の時定数は第1フィルタ10の時定数より大きく設定しているので、電圧補正部5では、実際よりも低い直流中間電圧Vpnを用いて補正した電圧指令を出力することになり、この結果、第1フィルタ出力に対する第2フィルタ出力の比、つまり電圧比KVだけ大きな出力電圧で電動機は減速する。このようにして電動機を過励磁状態で減速させる。
図6は、第3実施例の方法を実施する電力変換装置30’の電子サーマル部7”のブロック図である。図6で示す電子サーマル部7”では、電圧比KVを用いて電流検出値Iacを補正し電流検出値Iac’を演算し、電圧比KVと出力周波数foutに基づいて電流検出値交流電動機2の保護判定をするようにしている。電子サーマル部7との違いは、磁束比KΦに代えて電圧比KVを用いるようにしただけで、その他の部分は同一であるので、動作説明は省略する。
このようにして、電動機のロスを増加させて減速時間を短くする方法に適用した場合にでも過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
このようにして、電動機のロスを増加させて減速時間を短くする方法に適用した場合にでも過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行う。
上記においては、過励磁状態であることを磁束比演算部8出力の磁束比KΦ、あるいは電圧比演算部12出力の電圧比KVの一方で判断し、電子サーマル部で補正するようにしたが、磁束比演算部8と電圧比演算部12の両方を動作させ、電流検出部3からの電流検出値Iacに対し、KΦとKVの両方で補正するようにしても、同様に過励磁状態であることを考慮した電動機保護を行うことができる。
また、第2の実施例として示した熱推定部22を内蔵する図4の電子サーマル7’は、図5に示した本発明の第3の実施例における電力変換装置30”や、KΦとKVの両方で電流検出値Iacを補正するようにした電力変換装置に組み合わせても、本発明は実施できる。
また、第2の実施例として示した熱推定部22を内蔵する図4の電子サーマル7’は、図5に示した本発明の第3の実施例における電力変換装置30”や、KΦとKVの両方で電流検出値Iacを補正するようにした電力変換装置に組み合わせても、本発明は実施できる。
1 電力変換部
2 交流電動機
3 電流検出部
4 出力周波数・電圧演算部
5 電圧補正部
6 PWM演算部
7、7’、7”、700 電子サーマル部
8 磁束比演算部
9 電力変換部1の直流部
10 第1フィルタ
11 第2フィルタ
12 電圧比演算部
13、14、16,19 乗算部
15 周波数係数演算部
17 鉄損係数演算部
18 加算部
20 積分部
21 保護判定部
22 熱推定部
30、30’、30”、300 電力変換装置
2 交流電動機
3 電流検出部
4 出力周波数・電圧演算部
5 電圧補正部
6 PWM演算部
7、7’、7”、700 電子サーマル部
8 磁束比演算部
9 電力変換部1の直流部
10 第1フィルタ
11 第2フィルタ
12 電圧比演算部
13、14、16,19 乗算部
15 周波数係数演算部
17 鉄損係数演算部
18 加算部
20 積分部
21 保護判定部
22 熱推定部
30、30’、30”、300 電力変換装置
Claims (8)
- 負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、
前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置の電動機保護方法において、
前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、
前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、
過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、
過励磁状態に応じて補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うことを特徴とする電力変換装置の電動機保護方法。 - 負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、
電力変換部の直流中間電圧を検出する直流電圧検出部と、
前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置の電動機保護方法において、
前記直流中間電圧に第1のフィルタ処理を施して第1の直流中間電圧検出値を演算し、
前記直流中間電圧に第2のフィルタ処理を施して第2の直流中間電圧検出値を演算し、
前記第1の直流中間電圧検出値と前記第2の直流中間電圧検出値から電圧比を演算し、
前記電圧比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、
過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、
過励磁状態に応じて補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うことを特徴とする電力変換装置の電動機保護方法。 - 前記電子サーマル部では、前記電動機で発生する熱を推定演算することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電力変換装置の電動機保護方法。
- 前記過励磁状態に応じて行われる前記検出電流値の補正は、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて行われることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電力変換装置の電動機保護方法。
- 負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、
前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置において、
磁束比演算部と過励磁判断部とを備え、
前記磁束演算部では、前記電動機の基準となる定格電圧/定格周波数と前記周波数電圧演算部で補正された後の出力電圧指令/周波数指令の比を磁束比として演算し、
前記過励磁判断部では、前記磁束比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、
前記電子サーマル部では、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うことを特徴とする電力変換装置。 - 負荷として接続された電動機に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記検出電流に基づいて、周波数指令または出力電圧指令を補正する周波数電圧演算部と、
電力変換部の直流中間電圧を検出する直流電圧検出部と、
前記電動機の過熱保護を行う電子サーマル部とを備えた電力変換装置において、
第1のフィルタと第2のフィルタと電圧比演算部と過励磁判断部とを備え、
前記第1のフィルタでは、前記直流中間電圧に第1のフィルタ処理を施して第1の直流中間電圧検出値を演算し、
前記第2のフィルタでは、前記直流中間電圧に第2のフィルタ処理を施して第2の直流中間電圧検出値を演算し、
前記電圧比演算部では、前記第1の直流中間電圧検出値と前記第2の直流中間電圧検出値から電圧比を演算し、
前記過励磁判断部では、前記電圧比を用いて前記電動機が過励磁であるかを判断し、
前記電子サーマル部では、過励磁状態に応じて前記検出電流値を補正し、補正された電流を用いて前記電動機の過熱保護を行うことを特徴とする電力変換装置。 - 前記電子サーマル部では、前記電動機の発生する熱を推定演算することを特徴とする請求項5あるいは6に記載の電力変換装置力変換装置。
- 前記電子サーマル部では、前記電動機の定格周波数、定格磁束時の鉄損と定格電流時の銅損の大きさに基づいて前記検出電流値を補正することを特徴とする請求項5あるいは6に記載の電力変換装置。
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