JP2008170520A - シート状表示体 - Google Patents
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Abstract
【課題】明るい状態と暗い状態とで人に見える図柄が異なる表示体を提供する。
【解決手段】表示体は、前面(表面)に主図柄3が施されたメインシート1と、メインシート1の裏面に重ねて配置されたサブシート2とを備えている。メインシート1には透光手段として多数の小穴4が整列して空けられている。サブシート2には、蓄光層からなる副図柄が施されている。明るい状態では副図柄6は潜在化して主図柄3のみが見える。他方、暗くなると主図柄3は見えなくなって副図柄6が顕在化し、副図柄6が小穴4の群から成る集合体として表れる。
【選択図】図1
【解決手段】表示体は、前面(表面)に主図柄3が施されたメインシート1と、メインシート1の裏面に重ねて配置されたサブシート2とを備えている。メインシート1には透光手段として多数の小穴4が整列して空けられている。サブシート2には、蓄光層からなる副図柄が施されている。明るい状態では副図柄6は潜在化して主図柄3のみが見える。他方、暗くなると主図柄3は見えなくなって副図柄6が顕在化し、副図柄6が小穴4の群から成る集合体として表れる。
【選択図】図1
Description
本願発明は、明るい環境下と暗い環境下とで人が視認できる図柄が異なるシート状等の表示体に関するものである。
ここに図柄とは、例えば、各種風景、各種の絵、人物像、動物像、標語や案内や商標等の文字、標識、図形、模様、記号、等の単一物や複合物が挙げられる。極論すると、本願発明の図柄は、人に何らかの形として視認せしめるもの全て(つまり、無地を除いたもの全て)を含んでいる。また、表示体の例としては、広告・宣伝用や案内用や啓蒙用等の各種ポスター類、店舗等の看板、ステッカー類、ラベル類、などが挙げられる。
多種多様のポスター類が様々な場所で広告用や案内用、或いは啓蒙用等の様々な用途に使用されている。また、屋外・屋内を問わず多種多様な看板類が使用されている。これらのポスター類や看板類は、人に視認せしめんとする図柄が印刷等によって施されている。また、人の注意を惹くために、ライトで表面側又は裏面側から照らすことも行われている。
他方、装飾の一種として、例えば特許文献1に記載されているように、小穴群で図柄を形成することも行われている。また、特許文献2には、模様類を表す小穴群が空けられた表面板と模様類が描かれた平紙とを重ね合わせて、小穴群と群を介して印刷等の図柄を視認させることで立体感を持たせた装飾品が開示されている。
更に特許文献3には、例えばパンチングボードのように多数の小穴が縦横に整列して空けられた穴空き板をサインボードに利用する方法として、小穴群に自発光体を嵌め込むことで図柄を構成することが開示されている。すなわち、特許文献3のものは、一つの小穴を単位としたドット表示によって図柄を形成するものであり、図柄の表示原理は多数のLEDランプで構成された電光掲示板と同じであると言える。また、蓄光剤や自発光剤を使用した表示体も公知であり、これは暗くなっても人が視認できる点で特許文献3と共通している。
実開平7−4771号公報
実用新案登録第3086969号公報
特開2004−150159号公報
ポスターにしても看板にしても、従来の表示体は一般に一つの図柄が施されているに過ぎない。また、特許文献3を除いて、通常の表示体は日没や消灯によって周囲が暗くなると人には見えなくなっている。すなわち、通常の表示体は、暗くなるとその表示機能は無くなっている。特許文献3のものは暗くても図柄を人が視認できるが、その図柄は明るい環境下で見えるものと同じである。
他方、特に暗い環境下で人に見られることに意義を持つ図柄がある。例えば、屋外・屋内における避難誘導路の表示、地震や津波のような災害に際しての緊急避難所への道順を示す表示、屋外設備(例えば駐車場)における停電時の連絡先、商店や飲食店において閉店して看板の照明を消した後に表示したい案内や広告、等である。これらは周囲環境が明るい状態から暗い状態に移行することによって特に必要性が高くなるものであり、明るい環境下ではさほどの必要性はないものであると言える。
しかして、従来の表示体は、明るい環境でしか人が視認できないものと、明るい環境でも暗い環境でも視認できるもの、の2つに分類できると言えるが、従来の表示体はその種類を問わず一つの図柄を表示するに過ぎず、従って、明るい環境下で人に見せたい図柄と、暗くなることによって人に見せたい図柄とが相違する場合は、別々の表示体を容易せねばならなかった。このため、表示のためのスペースが嵩む問題や、屋外用避難誘導表示のように社会的な必要性は高いにも拘わらず設置場所確保が困難であるとして設置が遅れてしまうといった問題があった。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明者たちは、先ず、一つの表示体に明るい環境下と暗い環境とで異なる図柄を表示できれば上記の問題を解消できると着想し、次いで、前記着想を実現するための原理として、ポスター等の表示体に小穴群が空いていても人間の目は小穴群を捨象した状態で図柄を把握する性質を持っている点、及び、蓄光剤は明るい環境下では目立たずに一種の地色としての性質を有する点、の2点に想い至り、更に具体化のための研究と試作・実験を重ね、そして本願発明を完成させるに至った。
すなわち本願発明は、小穴群と蓄光層とを利用して一つの表示体に明るい環境下と暗い環境下とで異なる図柄類を現わすものであり、主たる構成は請求項1の構成と請求項3の構成とに分けられる。
このうち請求項1の発明は、表面に主図柄が施されたメインシートを備えており、前記メインシートの裏面側に、蓄光層を使用して形成された副図柄を有する副表示部が重ねて又は密接して配置されており、更に、前記メインシートのうち少なくとも前記蓄光層と重なる部分に小穴群を設けており、このため、明るい環境下では副図柄は人に視認されずにメインシートの主図柄のみが人に視認され、暗くなると主図柄は人に視認されずに小穴群を介して副図柄が視認されるようになっている。なお、ここにいう「重ねて配置」には、単に重ね合わせた状態と粘着又は接着によって一体化した状態との両方を含んでいる。
請求項1の発明は様々に展開できる。その一例として請求項2の発明では、前記メインシートの表面には前記主図柄が印刷されており、このメインシートの全体又は大部分に整列した状態で多数の小穴群が形成されている一方、前記副表示部は、メインシートと略同じ大きさのサブシートを備えており、このサブシートの前面に蓄光層によって副図柄が施されている。
請求項3の発明は、表面に主図柄を施したメインシートに小穴群からなる副図柄が形成されており、前記メインシートの裏面側に、少なくとも前記小穴群を裏側から覆う状態で蓄光層が設けられており、このため、明るい環境下では副図柄は人に視認されずにメインシートの主図柄のみが人に視認され、暗くなると主図柄は人に視認されずに小穴群を介して副図柄が視認されるようになっている。この請求項2においても、蓄光層はメインシートと分離した状態と接着剤や粘着剤によって一体化した状態との両方を含んでいる。また、請求項3も、請求項2と同様のサブシートを含んでいるものと含んでないものとの両方を含でいる。
また、本願各発明における「小穴」は人が見て殆ど気付かないか又は違和感を感じないほどの大きさを意味しており、実際の寸法によって規定されるものではない。すなわち、小穴の「小」とは表示体と人との距離によって相違する相対的な概念であり、例えば人が1m以内から見るというような表示体の場合は径は一般に1mm程度かそれ以下、若しくは大きくても2〜3数mm程度であろうし、逆に人が数mや数十mの遠くから見る大型の表示体の場合は径は数cmかそれ以上になることも有り得る(但し、人が遠くから見るからといって常に小穴の径が大きいという訳ではない。)。敢えて言えば、小穴とは、表示体の全体の大きさ(面積)に対して面積が極めて小さい穴と定義できる。
本願発明において小穴は多数存在していることが条件になるだけであり、小穴の形状や配列、ピッチ(密度)などには限定はなくて任意に設定できる。また、請求項1,2の場合、蓄光層によって副図柄を表す方法には特に限定はなく、結果として副図柄が表現されておれば良い。例えば、図柄の形状を蓄光層で形成する方法(例えると、蓄光層で図柄を描いた状態)や、表示したい形状を囲うような状態で蓄光層を設ける方法(蓄光層を一種の白抜き状態に設ける方法)など、様々な方法がある。これらの例の幾つかは実施形態で説明されている。
本願各発明では、蓄光層は小穴群を介してメインシートの表面側に露出しているが、小穴群はその名のとおり小径であるため、明るい環境下で人の目が蓄光層を把握することはない。また、明るい環境下において人の目は多数の小穴群は捨象してしまう性質があるため、明るい環境下ではメインシートの主図柄のみが表示体の図柄として認識される。また、蓄光層は裏面に光が当たらなくても小穴群からの透過した光を吸収するため蓄光機能には支障は無い。
そして、表示体の周囲が暗くなると、メインシートの主図柄は殆ど見えなくなる一方、蓄光層の発光による光が小穴群からメインシートの外側に照射されることになり、小穴群によって副図柄が表現される。すなわち、一つの小穴が一つの表示素子を構成する状態で小穴群からなる副図柄が現わされ、これが人に視認される。
つまり、本願発明の表示体においては、明るさに関係なく主図柄と副図柄とが併存しているのであるが、周囲の明るさの違いによって人に視認せしめる図柄が切り替わり、明るい状態では主図柄が顕在化して暗い状態では副図柄が顕在化するのであり、このため、1種類の表示体でありながら周囲の明るさの違いに応じて2つの図柄を表示できるのである。従って、例えば、主図柄は広告性や装飾性の高いをものを採用して、副図柄には緊急性・公共性の高い図柄を採用する、というように機能が異なる図柄を一つの表示体に施すことができるのであり、このため、表示体の価値を格段に向上できる。また、表示体は1種類で足りるため当然のことながらスペースを有効利用できる。
請求項1,2の発明と請求項3の発明とにさほどの優劣はないと言えるが、メインシートに設けた多数の小穴群を人の目が捨象するのは小穴群を一種の地模様として処理するためと解され、従って、メインシートの全体又は大部分に小穴群が設けられている請求項2のものが違和感はなくと好適であると言える。
副表示部を形成する手段としては、例えばメインシートの裏面に蓄光塗料や蓄光インキ(以下、両者を総称して「蓄光塗料類」という)で副図柄を描くと言ったことも可能であるが、この場合は、蓄光塗料類は紙類に浸透する性質があるためメインシートの素材が限定される問題や、塗布に際して蓄光塗料類が小穴群からメインシートの表面側に漏れ出る虞があるといった問題、或いは、メインシートを交換・廃棄すると蓄光層も一緒に廃棄されるため無駄が生じるといった問題が懸念される。
これに対して請求項2のように副表示部をサブシートが備えられた構成にすると、副表示部はメインシートとは別体のものに製造されるためメインシートがどのような素材であっても適用できる利点、蓄光塗料類の漏洩の問題は全くない利点、メインシートとサブシートとは重ねておくか剥離可能な粘着剤(透明なものが好ましい)で粘着しておくことで容易に剥離できるためメインシートのみを交換・廃棄できて経済的であるといった利点がある。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4では第1実施形態を示し、図5では用途の一例を示し、図6では第2実施形態を示し、図7では第3実施形態を示し、図8では第4実施形態を示し、図9では第5実施形態を示している。以下、順次説明する。
(1).第1実施形態の概要及びメインシート
第1実施形態は請求項1,2の具体例であり、図1のうち(A)は表示体の正面図、(B)は分離正面図である。この図1から理解できるように、表示体はその表面側を構成するメインシート1と、メインシート1の裏側に重ねて配置されたサブシート2とを備えている。
第1実施形態は請求項1,2の具体例であり、図1のうち(A)は表示体の正面図、(B)は分離正面図である。この図1から理解できるように、表示体はその表面側を構成するメインシート1と、メインシート1の裏側に重ねて配置されたサブシート2とを備えている。
本実施形態のメインシート1は基本的には通常の四角形のポスター(或いは印刷物)と同じであり、紙又はその類似物からなっていて表面には主図柄3が印刷されている。そして、メインシート1には、その全体にわたって小穴4の群が縦横に整列して細かいピッチで空けられている。
図1(A)ではメインシート1の一つのコーナー部を少しめくり返した状態に表示しており、このめくり返した部分に描かれているように、メインシート1の裏面1aには黒のような濃い暗色が全面にわたって塗られている(メインシート1を主図柄3が描かれた表シートと黒等の濃い暗色のシートからなる積層体として、これに小穴4の群を形成することも可能である。)。なお、小穴4が空けられた用紙に主図柄3を印刷することも可能であるが、通常は、印刷されたメインシート1にパッチングマシンで空けられる。
図2では小穴4の態様を拡大して表示している。(A)に示す例では、小穴4は縦横に同じピッチで整列して空けられており、(B)に示す例では、小穴4の群は斜め方向に直交した斜め格子の交点箇所に空けられている。但し、縦横の整列と斜め方向の整列とは見方の相違に過ぎず、両者とも、縦横に整列していると共に斜め方向にも整列している。相違点は、縦横のピッチと斜め方向のピッチが違いだけである。また、(A)では周囲に小穴4が空けられていない余白部1bが存在しており、(B)では余白部は存在していない。これらは任意に設定できる。
小穴4は、人が見て違和感を感じない(小穴4の存在を不自然に思わない)程度の内径に設定する。既述のとおり、内径の実寸は表示体とこれを見る人との距離によって規定されする。小穴4のピッチも任意に設定できるが、通常は、隣り合った小穴4の間隔(縦横、斜め方向)は小穴4の内径とほぼ同じかそれよりもやや大きい程度が好適であると言える。メインシート1の素材は、紙、樹脂フィルム、不織布等の単体又は積層体など、用途に応じて任意に選択できる。
(2).副表示部
図3のうち(A)はサブシート2の正面図、(B)はサブシート2をメインシート1に密着させた状態での(A)のB−B視断面図である。サブシート2は透明のように透光性のある樹脂シート(或いは樹脂フィルム)であり、メインシート1と同じ大きさに設定している(勿論、メインシート1と大きさを異ならせることも可能である。)。
図3のうち(A)はサブシート2の正面図、(B)はサブシート2をメインシート1に密着させた状態での(A)のB−B視断面図である。サブシート2は透明のように透光性のある樹脂シート(或いは樹脂フィルム)であり、メインシート1と同じ大きさに設定している(勿論、メインシート1と大きさを異ならせることも可能である。)。
そしてサブシート2の裏面に、蓄光塗料類によって副図柄6が施されている。サブシート2と蓄光層5とによって請求項に記載した副表示部が構成されている。蓄光層5の部分は斜め格子状の網かけ表示で表している。サブシート2の前面又は裏面には、蓄光層5と同じ色(明るい環境下で見える色)色の地色が全体に又は蓄光層5の箇所を除いて塗られている。図3(B)に矢印で示すように、蓄光層5には小穴4を介してメインシート1の表側に光がで出入りする。
本実施形態では、副図柄6は緊急時や災害発生時等において人の避難路を示す誘導用表示になっており、人の姿態7を蓄光層5で囲った一種の白抜き表示と成している。蓄光層5の材料である蓄光塗料類は蓄光剤を溶剤(メジューム)に混練してなるものであり、スクリーン印刷等の印刷や型紙を使用した吹き付けなど、任意の方法で施される。インクジェット方式の印刷方法を採用することも可能である。なお、蓄光剤には自発光性のもの(いわゆる夜光塗料)も含まれる。
また、蓄光剤が含まれた蓄光シートを打ち抜いたり切り抜いたりしたものを貼り付けるといったことも可能である。蓄光層5をサブシート2の裏面に設けているのは、蓄光層5はかなりの厚さ(例えば0.2〜1.0mm)があることから、メインシート1に段差が生じることを防止するためである(見栄えにおいて問題がなければ、蓄光層5をサブシート2の前面に設けても良い。)。メインシート1とサブシート2とは単に重ね合わせておくだけでも良いし、粘着剤又は接着剤で貼り合わせておくことも可能である。
本実施形態では、透明な感圧性粘着剤8で貼り合わせており、従って、小穴4を介しての光の透過性には支障はなく、また、メインシート1とサブシート2とは簡単に剥がすことができる。例えばメインシート1とサブシート2とをコーナー部のみにおいて両面テープで接合すると言ったことも可能である。
(3).まとめ
以上の構成において、メインシート1の小穴4の群のうち一部はサブシート2の蓄光層5と重なっており、このため、表示体には、潜在的には、メインシート1に印刷された主図柄3と、蓄光層5と重なった小穴4の群によって表示された副図柄6とが併存している。
以上の構成において、メインシート1の小穴4の群のうち一部はサブシート2の蓄光層5と重なっており、このため、表示体には、潜在的には、メインシート1に印刷された主図柄3と、蓄光層5と重なった小穴4の群によって表示された副図柄6とが併存している。
そして、昼間の戸外や照明がついている屋内のように明るい環境下では、蓄光層5が光ることはないため副図柄6が人に認識されることはなく、主図柄3のみが顕在化して人の目には主図柄3しか見えない。
他方、表示体の周囲が暗くなると、メインシート1の主図柄3は見えなくなって、図4に示すように、蓄光層5と重なった部分の小穴4の群から光が出ることにより、多数の光の点によって表示された副図柄6が表れる。すなわち、明るい環境下では主図柄3のみが顕在化し、暗くなると副図柄6のみが潜在化するのであり、これにより、一つの表示体に明るい状態と暗い状態とで異なる図柄が表れる。
本実施形態のようにメインシート1の裏面に黒い色をベタ塗りすると、暗い環境下で蓄光層5の光がメインシート1を僅かながら透過することを阻止できるため、副図柄6は周囲との明暗差を際立たせてクッキリと表示される利点がある。理論的には、メインシート1の裏面を黒塗りするような透光性遮断手段は副図柄6と重なる部分のみに行えば足りるが、メインシート1の裏面全体を黒等にベタ塗りするのが経済的である。
ところで、バックシート2の地色が透明であったり白色であったりというように蓄光層5と異なる色であると、小穴4の群から見えるバックシート2の色と蓄光層5とのコントラストが際立つことにより、明るい環境下でも僅かながら副図柄6が外側から見えることが有り、ユーザーによっては、このように副図柄6が明るい環境下で見えることを好まない場合がある。この点、本実施形態のようにバックシート2の少なくとも前面を蓄光層5と同じ色にすると、バックシート2の全体が同一色になる(すなわち、蓄光層5がバックシート2の色に同化する)ため、明るい環境下で副図柄6がボンヤリと浮き上がる現象を防止できる利点がある。
蓄光塗料類と同じ色の紙又はフィルムに蓄光層5を形成したり、バックシート2を透明フィルム製としてその裏面に蓄光層5と同じ色の紙を張ったりしても同じ効果を得ることができる。
逆に、バックシート2の色を蓄光層5とは異なる色にして、明るい環境下で副図柄6を一種の透かしのような状態に積極的に浮かび上がらせることにより、主図柄3と副図柄6とが融合した重層図柄を実現することも可能であり、これにより、人へのアピール効果や装飾性の高い表示体となすことも可能である。要は、バックシート2の色はユーザーの要望に応じて選択したら良い。なお、バックシート2の裏側にバックライトを配置することも可能である。
(4).用途例
本願発明に係る表示体はどこにでも使用できるが、図5で使用先の一例としての自動販売機9を示している。すなわちこの自動販売機9は飲み物や煙草用のものであり、その前面部に、商品展示部10とコイン(紙幣)投入部11と広告窓部12と商品取り出し部13とを設けている。そして、広告用窓部12の前面は透明なアクリル樹脂板で構成されており、その内部に広告用ポスターが配置されているが、本実施形態の表示体を広告用ポスターに代替することができる。
本願発明に係る表示体はどこにでも使用できるが、図5で使用先の一例としての自動販売機9を示している。すなわちこの自動販売機9は飲み物や煙草用のものであり、その前面部に、商品展示部10とコイン(紙幣)投入部11と広告窓部12と商品取り出し部13とを設けている。そして、広告用窓部12の前面は透明なアクリル樹脂板で構成されており、その内部に広告用ポスターが配置されているが、本実施形態の表示体を広告用ポスターに代替することができる。
自動販売機9は各種のものが道路沿いに多数設置されているが、商品を販売するという性質からして人目に触れる場所に設置されているため、自動販売機9の広告用ポスターを本実施形態の構成として避難誘導のような公共的な副図柄6を表示することにより、例えば停電をもたらす程の地震が発生した後、自動販売機9の群によって人々を緊急避難場所に誘導するといったことが可能になる。
また、省エネルギーや景観保護等のために自動販売機9の深夜に照明を消すこともあるが、この場合も広告用窓部12に避難経路を表示することが可能になるため、通りがかった人が消灯後の自動販売機9に接することにより、緊急時の避難経路を予め人に教え込む教育効果が発揮されるため(暗い中で光って表示されるため人に与えるインパクトが強い)、災害発生時の避難をスムース化することにも貢献できると言える。
副図柄6を避難誘導用のものとする場合、その内容は必要に応じて任意に選択できる。例えば、「緊急避難先○○小学校」のような文字を採用することも可能である。避難誘導用表示以外の公共的表示としては、例えば、地名・番地の表示や公共施設への道順表示などが挙げられる。
もとより、本願発明に係る表示体の表示はユーザーが自由に選択できるのであり、従って、主図柄3及び副図柄6とも私的なものも採用できる。例えば、飲食店等の看板に適用して、主図柄3として店舗名や表示、副図柄6として図形商標を表示するといったこと、或いは、主図柄3として商標や店舗名を表示し、副図柄6には「本日は閉店しました。明日は10時から開店します。」といったアナウンス的な表示を施すといったことも可能である。更に、副図柄6に私的なものと公共的なものとをエリア分けてして併設することも可能である。
(5).第2〜第3実施形態
図6に示す第2実施形態では、請求項1,2の具体例として、副図柄6の形成手段として元々表示したい図柄を蓄光層5で構成している(すなわち、一種の黒抜き表示と成している。)。
図6に示す第2実施形態では、請求項1,2の具体例として、副図柄6の形成手段として元々表示したい図柄を蓄光層5で構成している(すなわち、一種の黒抜き表示と成している。)。
また、図7に示す第3実施形態では、請求項1,2の具体例として、サブシート2の前面又は裏面の全体又は略全体に蓄光層5をベタ塗りして、不透光性のマスクシート15で不必要な部分を覆うことで副図柄6としての矢印を表示している。
実線の網かけ表示及び点線の網かけ表示とも蓄光層5を示しているが、この場合の副図柄6の表示方法としては、矢印の部分がくり抜かれた不透明シートをサブシート2の前面に張ることで矢印の部分を光らせる方法と、不透明シートで形成した矢印をサブシート2に貼って白抜き表示することとの2つの方法とのいずれば採用できる。この第3実施形態の場合は、サブシート2、蓄光層5、サブシート2、マスクシート15の三者で副表示部が構成されている。第3実施形態では、紙製等のマスクシートを変えるだけで副図柄6を変更できる利点がある。
(6).第4実施形態
図8に示す第4実施形態は請求項3を具体化したものである。この実施形態では、メインシート1に小穴4から成る副図柄6を形成しており、また、副表示部はサブシート2を備えている。サブシート2には蓄光層(図示せず)を設けているが、この場合の蓄光層は、サブシート2の前面又は裏面の全体に塗布しても良いし、副図柄6に相当する部分だけに部分的に設けても良い。
図8に示す第4実施形態は請求項3を具体化したものである。この実施形態では、メインシート1に小穴4から成る副図柄6を形成しており、また、副表示部はサブシート2を備えている。サブシート2には蓄光層(図示せず)を設けているが、この場合の蓄光層は、サブシート2の前面又は裏面の全体に塗布しても良いし、副図柄6に相当する部分だけに部分的に設けても良い。
(7).第5実施形態
図9に示す第5実施形態は、請求項1,2の具体例の一つである。この実施形態では、メインシート1は透明な樹脂フィルムから成る表面シート1′と、その裏面に重ねた非透光性の裏面シート1″との積層構造になっており、裏面シート1″の全体にわたって小穴4の群が空けられている。そして、図では表示していないが、サブシート2には第1実施形態と同様に蓄光層5によって副図柄を施している。
図9に示す第5実施形態は、請求項1,2の具体例の一つである。この実施形態では、メインシート1は透明な樹脂フィルムから成る表面シート1′と、その裏面に重ねた非透光性の裏面シート1″との積層構造になっており、裏面シート1″の全体にわたって小穴4の群が空けられている。そして、図では表示していないが、サブシート2には第1実施形態と同様に蓄光層5によって副図柄を施している。
本実施形態では、表面シート1′は透明であるため主図柄3が印刷等によって施されていても光は小穴4に透過することが可能であり、このため、暗くなると副図柄が表れる。この実施形態から容易に理解できるように、メインシート1の小穴4は光が表示体の前面側と蓄光層との間に透過し得る状態になっておれば足りる。
従って、物理的にメインシート1の表裏に貫通している必要はなく、例えば、裏面シート1″として透明なフィルムを使用し、この透明フィルムに、透光用小穴4の群を除いて黒インク等の不透光層を塗工するといったことも可能である。すなわち、本願発明の小穴(透光小穴)4は、表示体の全体に比べて面積が極めて小さい(例えば数百分の1以下の)光透過手段と定義できる。
(8).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば小穴の形状は円形には限らず、三角や四角等の角形、或い星型などを用途や見栄えに応じて任意に選択できる。表示体の形状にも限定はない。また、蓄光剤には緑色の系統と青色の系統とがあるが、両者を組み合わせることで副図柄に色使いの変化を持たせることも可能である。
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば小穴の形状は円形には限らず、三角や四角等の角形、或い星型などを用途や見栄えに応じて任意に選択できる。表示体の形状にも限定はない。また、蓄光剤には緑色の系統と青色の系統とがあるが、両者を組み合わせることで副図柄に色使いの変化を持たせることも可能である。
副表示部を蓄光層のみで構成することも可能である。すなわち、メインシートの裏面に蓄光層のみで副図柄を設けるのであり、例えば、メインシートの裏面に蓄光塗料類で副図柄を描くことや、蓄光性シートを打ち抜いたりくり抜いたりして作った副図柄用シートをメインシートの裏面に貼り付けるといったことである。いうまでもないが、表示体は建物等の壁や窓ガラス等に貼り付けることも可能である。
一つの表示体において、小穴群を異なる形状や異なる大きさのもので構成することも可能である。また、副図柄を表示するための小穴群は必ずしも主図柄に重ねる必要はないのであり、例えば、一つの表示体において主図柄と副図柄とのエリアを異ならせて、副図柄の箇所に小穴群を設けることも可能である。
1 メインシート
2 副表示部を構成するサブシート
3 主図柄
4 小穴
5 副表示部を構成する蓄光層
6 副図柄
15 マスクシート
2 副表示部を構成するサブシート
3 主図柄
4 小穴
5 副表示部を構成する蓄光層
6 副図柄
15 マスクシート
Claims (3)
- 表面に主図柄が施されたメインシートを備えており、前記メインシートの裏面側に、蓄光層を使用して形成された副図柄を有する副表示部が重ねて又は密接して配置されており、更に、前記メインシートのうち少なくとも前記蓄光層と重なる部分に小穴群を設けており、
明るい環境下では副図柄は人に視認されずにメインシートの主図柄のみが人に視認され、暗くなると主図柄は人に視認されずに小穴群を介して副図柄が視認されるようになっている、
シート状表示体。 - 前記メインシートの表面には前記主図柄が印刷されており、このメインシートの全体又は大部分に整列した状態で多数の小穴群が形成されている一方、前記副表示部は、メインシートと略同じ大きさのサブシートを備えており、このサブシートの前面に蓄光層によって副図柄が施されている、
請求項1に記載したシート状表示体。 - 表面に主図柄を施したメインシートに小穴群からなる副図柄が形成されており、前記メインシートの裏面側に、少なくとも前記小穴群を裏側から覆う状態で蓄光層が設けられており、
明るい環境下では副図柄は人に視認されずにメインシートの主図柄のみが人に視認され、暗くなると主図柄は人に視認されずに小穴群を介して副図柄が視認されるようになっている、
シート状表示体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007001219A JP2008170520A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | シート状表示体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007001219A JP2008170520A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | シート状表示体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008170520A true JP2008170520A (ja) | 2008-07-24 |
Family
ID=39698694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007001219A Pending JP2008170520A (ja) | 2007-01-09 | 2007-01-09 | シート状表示体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008170520A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013081130A1 (ja) * | 2011-11-30 | 2013-06-06 | 株式会社イーナ | 非常時用サインを備える壁面および壁の製造方法 |
JP2014016392A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Hiraoka & Co Ltd | 異種視覚表示構造体 |
JP2014132294A (ja) * | 2013-01-07 | 2014-07-17 | Hiraoka & Co Ltd | 透視性蓄光表示体 |
JP2018018063A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-02-01 | シチズン時計株式会社 | 夜光性装飾物 |
CN111511541A (zh) * | 2017-12-19 | 2020-08-07 | 鹤卷京彦 | 片材构件 |
-
2007
- 2007-01-09 JP JP2007001219A patent/JP2008170520A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013081130A1 (ja) * | 2011-11-30 | 2013-06-06 | 株式会社イーナ | 非常時用サインを備える壁面および壁の製造方法 |
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JP2014132294A (ja) * | 2013-01-07 | 2014-07-17 | Hiraoka & Co Ltd | 透視性蓄光表示体 |
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