JP2008170269A - 針入度またはちょう度試験器およびその試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスファルトの針入度、ワックスのちょう度などの試験において、試験者を問わず、簡単に、精度、再現性よく測定できる試験器および試験方法を提供すること。
【解決手段】試験容器7を入れるガラス容器6、ガラス容器6を載置する昇降可能な試験台3及び針の落下、針入距離測定部5を有するJIS規定の針入度またはちょう度試験器において、試料表面を照らす光源8と、光源8の光を反射させる反射板9と、試験容器7中の試料表面と針51の先端との接触部分を拡大する拡大装置10(CCDカメラと映像モニター)とを備え、針51の先端と試料表面に映った針の像の先端とが接触する様子を鮮明かつ拡大して映像モニターに映し出す。
【選択図】 図1
Description
この本発明によれば、ガラス容器を挟んで光源とは対向する位置に反射板が配置されているので、光源からの光によって試料表面に形成される針の影を、反射板による反射光により薄くすることができる。さらに、光源と反射板からの光によって、試料表面をより明るく照らすことができる。
また、拡大装置が設置されているので、針の先端と試料表面に映った針の像の先端との接触部を拡大表示できる。
したがって、試料表面に映し出される針の像がより鮮明となり、針の先端と試料表面に映し出される針の像の先端とが接触する状態を、どの位置から見ても同じように観察することができ、誰がやっても針の位置合わせを簡単に、高い精度で、再現性よく行うことができる。
また、光源は、試料表面全体を明るく照らすことができ、試料表面に針の先端がより鮮明に映し出されるものであればよく、蛍光管、白熱球、赤外線ランプなどを用いることができる。前記光源は、ガラス容器内の水温を試験温度の25±1℃の範囲で維持できるものが好ましく、発熱が少ない蛍光管がより好ましい。
この発明によれば、反射板としてアクリル板を使用するので、効率よく光を反射させることができる。また、アクリル板は、効率よく光を反射させるという点で、平滑で白いものが好ましい。さらに、アクリル板は安価に入手できるため、コストを低減させることができる。
前述のように、本発明の試験方法では、針入用の針を試験容器中の試料表面に近づけ、この針の先端と試料表面に映った針の像の先端とが接触するように、試験容器を上昇させる。この針の先端と試料表面に映った針の像の先端部分を、拡大装置により鮮明な像として拡大し、精度を高めようとするものであるが、試料には、たとえば、
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4の(B)、(C)に示すように、さまざまな表面形状を示すものがある。針の先端部を観察するためには、光学系の角度を矢印のように変更することが必要になる場合がある。
この発明によれば、拡大装置は、試料表面を撮影するCCDカメラと、CCDカメラで撮影されたデータを映像として表示する映像モニターとを備えているので、針の先端と試料表面に映った針の像の先端の拡大像が映像モニターに表示される。
したがって、針の先端と試料表面に映った針の像の先端との接触の様子を拡大像で目視でき、針の位置合わせを確実に行うことができる。
したがって、個人差による誤差の発生も減少するので再現性も向上し、誰にでも試験を行うことができ、試験者の負担も軽減される。
試験台3には、水の入った円筒形のガラス容器6が載置され、ガラス容器6の中には、アスファルト試料が充填された試験容器7と、試験容器7を載せるための図示しない三脚形金属台が入れられ、25℃の水で満たされている。
また、ガラス容器6中の試料表面を斜め上方から照らす光源8が設置され、ガラス容器6を挟んで光源8とは反対側に、光源8の光を反射するための反射板9が設置される。なお、反射板9には、アクリル板を用いた。
すなわち、本実施形態の試験器は、試験台3に載置される試験容器7、試験容器7を入れて載置する水槽となるガラス容器6、光源8および反射板9は、試験器本体とは、一体化していないが、針入度試験、ちょう度試験には必須のものであり、これを含めて試験器と定義するものである。
針入度の試験は、まず、試料の調整からはじまる。アスファルト試料は、内径55mmまたは70mm、深さ35mmまたは50mmの金属製又は耐熱ガラス製平底円筒形の試験容器7に採取、溶融される。ついで、内径110mm、深さ70〜90mmのガラス容器6とともに、25℃の恒温水槽に1〜2時間放置されて試験温度に調整される。
試験容器7中の試料表面全体を照らすように、光源8と反射板9の位置を調節し、試料表面に針51の像54を映し出す(図4(A))。試験容器7中の試料の表面状況より、映像モニター102の画面を見ながら、CCDカメラ101の角度を調整し最適位置に固定する。
(1)本実施形態では、針51の像が試料表面に映し出されるので、この試料表面に映った針の像54の先端と、針51の先端とを合わせることによって位置合わせを行うことができる。
さらに、試料表面を照らす光源8と、ガラス容器6を挟んで光源8とは反対側に反射板9を配置したので、光源8からの光と反射板9による反射光とによって試料表面を照らすことができる(図1の矢印参照)。これにより、光源8によって形成される針51の影が薄くなる(または、消える)とともに、試験容器7の試料表面全体をより明るく照らすことができる。したがって、針51の先端と、試料表面に映った針の像54の先端とがより鮮明になり、これらが接触する様子を目視でも簡単に観察できる。
また、拡大装置10を設けたので、針51の先端と試料表面との拡大画像を目視しながら位置合わせができる。しかも、前述した反射板9により試料表面がより明るく照らされるので、試料表面に映った針の像54の先端が鮮明に映され、より正確に位置合わせをすることができる。
さらに、拡大装置10のCCDカメラ101は回動自在とされているので、試料表面に凹凸があったとしても、観察しやすい位置にCCDカメラ101を回動することができ、針51の先端と試料表面に映った針の像54の先端とが接触する様子を確実に観察することができる。
したがって、試験者の技量、経験、視力、体調などに影響されることなく、正確に、迅速に、針51の位置調整を行うことができる。その結果、同一系試料での試験において、バラツキなく安定した結果が得られ、省力化、無駄を排除できる。
また、カメラの回動方式、固定方式としては、回動用溝に代えて、ラックとピニオンからなるものなど任意であり、また、この回動を手動でなく電動で行うこともできる。
2:支柱
3:試験台
4:昇降ハンドル
5:針の落下、針入距離測定部
51:針
52:留金具
53:ダイヤルゲージ
54:試料表面に映った針の像
6:ガラス容器
7:試験容器
8:光源
9:反射板
10:拡大装置
101:CCDカメラ
102:映像モニター
Claims (5)
- 試験容器を入れるガラス容器と、ガラス容器を載置する昇降可能な試験台と、針の落下、針入距離測定部とを有する針入度またはちょう度試験器であって、
前記試験容器中の試料表面と前記針先端との接触部分を拡大表示する拡大装置が、前記ガラス容器の外側に設置され、
前記試料表面を照らす光源が、前記ガラス容器の斜め上方に設けられ、
前記ガラス容器を挟んで前記光源とは反対側に反射板が配置されていることを特徴とする針入度またはちょう度試験器。 - 請求項1に記載された針入度またはちょう度試験器において、
前記反射板は、アクリル板であることを特徴とする針入度またはちょう度試験器。 - 請求項1または請求項2に記載された針入度またはちょう度試験器において、
前記拡大装置の光学系は、前記針の先端部分を固定軸として、水平面より円周方向に50度回動自在であることを特徴とする針入度またはちょう度試験器。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された針入度またはちょう度試験器において、
前記拡大装置は、CCDカメラと映像モニターからなることを特徴とする針入度またはちょう度試験器。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された針入度またはちょう度試験器を用いた試験方法であって、
前記試料表面に前記針の像を投じさせ、拡大像を目視しながら、前記針の先端と前記針の像の先端とが接触するように、前記試験台の高さを調節して、前記針の先端を前記試料表面に接触後、前記針を落下させることを特徴とする針入度またはちょう度の試験方法。
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