JP3981145B2 - 繊維状鉱物簡易判定装置及び繊維状鉱物簡易判定方法 - Google Patents

繊維状鉱物簡易判定装置及び繊維状鉱物簡易判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビルや住宅等において用いられている吹付材等の種々の建材にアスベスト等の繊維状鉱物が含まれているか否かを簡易判定できるようにした繊維状鉱物簡易判定装置及び繊維状鉱物簡易判定方法に関する。
近年、繊維状鉱物の1つであるアスベスト(石綿)の健康被害がクローズアップされ、建築物に使用されているアスベスト含有建築材やその状況を把握することが要求されている。
例えば、労働局労働基準局の指針では、建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法としてX線回折法による方法が規定されている(非特許文献1参照)。
また、吹付け石綿使用可能性建築物の把握方法については、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法や電子顕微鏡法を用いることが規定されている。
労働局労働基準局、平成8年3月29日付け基発第188号(建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法) 厚生労働省労働基準局、平成17年6月付け基安化発第0622001(吹付け石綿使用可能性建築物の把握方法)
しかしながら、上記X線回折装置、位相差顕微鏡、電子顕微鏡は室内で使用する装置であるため、現場でアスベストが含まれているか否かの判定ができず、試料を採取して持帰らなければならない不便さがあった。
また、X線回折装置、位相差顕微鏡、電子顕微鏡は高価、かつ、解析に専門技術を要するためこれらの装置を持たない場合が多く、分析会社や公共機関に分析依頼しなければならないことが多い。
ところが、アスベストは発がん性が確認されていないグラスウール等の繊維状物質と外観だけでは区別できないことが多いので、アスベストを含む疑いのある場合は全て分析して確認しなければならず、分析待ち案件が増大して分析結果が出るまで工事が中断して工期の長期化を招く問題がある。また、疑わしい部分を隠蔽処理して除去を行わない事例も報道されている。
このような事情から、少なくともアスベストが含まれない場合と、含まれる場合(又は含まれる疑いがある場合を含む)とを現場で判定可能にするならば、分析待ち案件の増大を押えることができるとともに、工期の長期化や隠蔽処理を未然に防止できるようになる。
そこで本発明は、現場で簡便かつ短時間にアスベスト等の繊維状鉱物が試料に含まれるか否かを判定できるようにした繊維状鉱物簡易判定装置及び繊維状鉱物簡易判定方法の提供を目的としている。
請求項1に記載した繊維状鉱物簡易判定装置は、試料を挟む両側位置の一方に配設されて、試料に光を照射する第一の照明部と、上記両側位置の他方に配設されて、試料に光を照射する第二の照明部と、第一の照明部と試料との光路に配された偏光子と、試料からの光路に前記偏光子とクロスニコルをなすようにして配された検光子とを有しており、前記第一の照明部と前記第二の照明部との点灯状態に応じた視野像の変化から前記試料に繊維状鉱物が含まれるか否かを判定できるようにしたことを特徴としている。
請求項2に記載した繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項1に記載した試料を試料台に載置しており、当該試料台の上方に第二の照明部を配設し、かつ、その試料台の下方に第一の照明部を配設していることを特徴としている。
請求項3に記載の繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項1又は2に記載した第二の照明部から試料にいたる光路と、その試料から検光子にいたる光路とを分離変更する光路変更部を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項2又は3に記載した試料台を挿脱する試料台挿脱口を鏡筒の側部に形成しているとともに、試料台挿脱口から挿入された前記試料台を回転可能に載置する試料台載置部を鏡筒内に設けていることを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項に記載した鏡筒の支持部分に、この鏡筒を前記試料台載置部に対して回動可能にする鏡筒回転部を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項4に記載した鏡筒の支持部分に、前記試料台載置部に対する鏡筒の回動角を示す角度測定リングを設けたことを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定装置は、請求項1〜のいずれかに記載した構成において、視野像を撮像する撮像部と、撮像部からの信号に対して所定の画像処理を行って視野像を表示する画像処理表示部と、撮像された視野像を電子データ又は画像データとして記録する記録部とを有していることを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定方法は、試料を挟んで偏光子と検光子とがクロスニコルで配置され、その検光子側から光を試料に照射した際の視野像を観察すると共に、前記偏光子を介して試料に光を照射した際の視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴としている。
請求項に記載の繊維状鉱物簡易判定方法は、請求項に記載した検光子側から試料に照射する光と偏光子を介して試料に照射する光とを交互に点滅させ、それぞれの点滅時における視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には、上記試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴としている。
請求項10に記載の繊維状鉱物簡易判定方法は、請求項に記載した偏光子を介して試料に照射する光を常灯し、前記検光子側から試料に照射する光を点滅させた際の視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴としている。
請求項1,2に記載した発明によれば、第一の照明部と前記第二の照明部との点灯状態に応じた視野像の変化から前記試料に繊維状鉱物が含まれるか否かを判定できるようにしたので、現場で簡便かつ短時間にアスベスト等の繊維状鉱物が試料に含まれるか否かを判定できるようになる。
請求項3に記載した発明によれば、第二の照明部から試料にいたる光路と、その試料から検光子にいたる光路とを分離変更する光路変更部を、前記試料の上方に設けているので、観察を楽な姿勢で行うことができる。
請求項に記載した発明によれば、試料台を挿脱する試料台挿脱口を、鏡筒の側部に形成しているとともに、試料台挿脱口から挿入された前記試料台を回転可能に載置する試料台載置部を鏡筒内に設けているので、試料の交換や観察を容易に行うことができる。
請求項に記載した発明によれば、鏡筒の支持部分に、この鏡筒を前記試料台載置部に対して回動可能にする鏡筒回転部を設けているので、試料の観察を容易に行うことができる。
請求項に記載した発明によれば、鏡筒の支持部分に、前記試料台載置部に対する鏡筒の回動角を示す角度測定リングを設けているので、繊維状鉱物の判定を正確に行うことができる。
請求項に記載した発明によれば、視野像を撮像する撮像部と、撮像部からの信号に対して所定の画像処理を行って視野像を表示する画像処理表示部と、撮像された視野像を電子データ又は画像データとして記録する記録部とを有しているので、観察結果が画像情報として残せるようになるとともに、観察者が複数でも一度に観察することができるようになって利便性を向上させることができる。
請求項に記載した発明によれば、試料を挟んで偏光子と検光子とがクロスニコルで
配置されている場合に、該試料に円偏光の光を検光子側から照射した際の視野像と、試料の下方から偏光子を介して円偏光の光を当該試料に照射した際の視野像の相違から当該試料に繊維状鉱物が含まれるか否かを判定するので、現場で簡便かつ短時間にアスベスト等の繊維状鉱物が試料に含まれるか否かを判定できる。
請求項に記載した発明によれば、検光子側から試料に照射する光と偏光子を介して試料に照射する光とを交互に点滅させ、それぞれの点滅時における視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定しているので、現場で簡便かつ短時間にアスベスト等の繊維状鉱物が試料に含まれるか否かを判定することができる。
請求項10に記載した発明によれば、偏光子を介して試料に照射する光を常灯し、前記検光子側から試料に照射する光を点滅させた際の視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定しているので、現場で簡便かつ短時間にアスベスト等の繊維状鉱物が試料に含まれるか否かを判定することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図であり、図2はその要部を示す斜視図、図3は、第一の照明部と試料との間に、コンデンサーレンズを設けた場合の同上の繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。
なお、繊維状鉱物としてクリソタイル、クロシドライト、アモサイト等のアスベストが含まれるので、以下の説明では繊維状鉱物をアスベストと適宜記載して説明する。
第一の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置2Aは、試料Sを挟む両側位置の一方に配設されて、試料Sに光を照射する第一の照明部14と、上記両側位置の他方に配設されて、試料Sに光を照射する第二の照明部17と、第一の照明部14と試料Sとの光路に配された偏光子15と、試料Sからの光路に前記偏光子15とクロスニコルをなすようにして配された検光子18とを有することを特徴としたものであり、それらの詳細は次のとおりである。
すなわち、繊維状鉱物簡易判定装置2Aは、底板11に立設された脚筒12、該脚筒12に設けられた下部鏡筒13a、該下部鏡筒13aに対して回転可能に設けられた上部鏡筒13bとを備えている。
そして、脚筒12には第一の照明部14が内設され、下部鏡筒13aの下端部には偏光子15が取り付けられ、また下部鏡筒13aの側部には試料台挿脱口16が開口して形成されている。さらに、上部鏡筒13bには第二の照明部17が内設され、その上端部には検光子18が取り付けられている。下部鏡筒13aは、鏡筒回転部60により脚筒12に対して回転可能になっている。また、その回転角を計測する角度測定リング53が脚筒12の上端に設けられるとともに下部鏡筒13aの下端に回転角を指し示すための指針54が設けられている。
上部鏡筒13bと下部鏡筒13aとは鏡筒13をなし、偏光子15と検光子18とを平行ニコルやクロスニコルに設定するために鏡筒摺動部32を介して相対回転できるようになっている。
なお、「平行ニコル」とは偏光子15と検光子18との偏光方向が平行な状態をいい、「クロスニコル」とは偏光子15と検光子18との偏光方向が直交した状態をいう。
判定は現場又はその近くで行なわれるため、作業に伴う振動等で容易に上部鏡筒13bと下部鏡筒13aとが相対回転しないように、かつ、手で相対回転させることができるように、鏡筒摺動部32には適度の摩擦が発生するように設けられている。例えば、上部鏡筒13bと下部鏡筒13aとは鏡筒摺動部32で係合しているが、その係合面にOリング等を間挿したような構成が可能である。
下部鏡筒13aの底部(底板11の上面)には黒紙19が配置されて、不要な光をこの黒紙19で吸収して暗視野を得るために設けられる。
なお、図3に示すように、第一の照明部14と試料Sとの間に、コンデンサーレンズ21やリレーレンズを設けて、より明確な暗視野が得られるようにしてもよい。
上部鏡筒13bには、試料台24の出入れを行う試料台挿脱口16が設けられている。この試料台24は、ガラス等の光学的等方体からなる試料ガラス25と、これを支持する試料ガラスリング26、該試料ガラスリング26に取り付けられた取手27からなっている。
試料台挿脱口16は、挿入された試料台24を周方向に略300度の角度範囲で回転させることができるように大きく形成されている。これは試料台24を回転させることにより、試料に含まれる繊維状鉱物の消光を180度対称位置でも確認できるようにするためである。
そして、試料Sを試料ガラス25に載置して試料台挿脱口16から挿入し、下部鏡筒13aの内周に形成された段差部分の試料台載置部28に載置する。
上部鏡筒13bが下部鏡筒13aに対して回転することにより、検光子18と偏光子15とは、円周方向に相対的に回転して90度異なる位置に調整することが可能となっており、これによりクロスニコルと平行ニコルとが設定可能になる。
第一の照明部14及び第二の照明部17は、複数のLED29を環状に配列して形成され、電源30からの電力に応じて点灯すると共に輝度が変えられるようになっている。環状に配置したLED29がなす内接包絡円は、偏光子15や試料ガラスリング26より適宜大きな寸法に設定されて、視野像を妨げないようになっている。
なお、光源としてLED29に限定されるものではなく、種々の光源が利用可能であるが、好ましくは種々の波長の集合体である白色光がよい。
電源30は、調光機能を備えた第二の照明部用電源30a、調光機能を備えた第一の照明部用電源30b、これらの電源を制御して各照明部14,17が独自に点灯消灯でき、またその輝度が変えられるようにする電源制御部30cを主要構成としている。
次に、このような構成の繊維状鉱物簡易判定装置2Aを用いて、試料にアスベストが含まれているか否かの判定方法を説明する。
先ず、判定に用いる試料を以下のようにして準備する。現場で採取した試料を乳鉢に入れ粉砕する。このとき試料が飛散するのを防止するために少量の無じん水を加えて粉砕を行う。
そして、スポイトで粉砕物と無じん水の混合液を吸い取り、試料ガラス25に1,2滴滴下し、均等に広げてからプレパラート等のカバーガラスを掛けて、試料台載置部28にセットする。このような判定に必要な試料は、耳かき程度の量でよい。
なお、無じん水に代え無水アルコールを用いてもよい。無水アルコールは、無じん水に比べ蒸発が速く、蒸発後は試料Sが試料ガラス25に貼付くので屈折率測定浸液などを滴下してガラスカバーを掛けアスベストの境界面での変化を観察することができる利点がある。
このようにして作成された試料Sを用いてアスベストの有無を判定する方法を図4〜図6を参照して説明する。図4は、アスベストの有無の判定方法を示すフローチャート、図5(a)〜(d)は、観察視野像を示す図、図6(a),(b)は、照明部の点灯方法を示す図である。なお、図5において暗視野領域を斜線で示している。
先ず、第一の照明部14を点灯させて検光子18と偏光子15とがクロスニコルになるようにセットし(透過光が観測されない位置に調整固定する)、第一の照明部14を消灯し第二の照明部17を点灯させて試料Sを観察する(ステップS1)。
このとき目視だけではよく分らないときには、ルーペ等の拡大鏡31を用いることが好ましい。
この状態では、図5(a)に示すように試料Sに含まれる物質は全て見えるので、その中に繊維状物質が有るか否かを観察する。アスベストは、繊維が極めて細くなり(0.1〜0.01μm)、アスペクト比(視野像内での縦横比)が1:3以上の形状的な特徴を持っている。
従って、このような繊維状物質が存在するか否かにより試料Sにアスベストが含まれているか否かの第1判定が可能となる(ステップS2)。
このとき繊維状物質が存在しなければ、試料にはアスベストは含まれていないことになる(ステップS3)。一方、繊維状物質にはアスベストの他にガラス繊維やロックウールのように害が確認されていない物質も含まれるので、繊維状物質が観測された場合は、これらの切り分けを行う必要がある。
そこで、繊維状物質が含まれる場合には、第二の照明部17を消灯し第一の照明部14を点灯させる(ステップS4)。偏光子15を透過してきた光は直線偏光となっており、そのままでは検光子18を通過できないがアスベストのように光学的等異方性を持つ物質では複屈折を起して透過光の偏光状態が変化するため、アスベストを透過した光の一部は検光子18を通過する。
一方、ガラス繊維等のように光学的等方性の物質では、透過光の偏光状態が変らないため、当該光学的等方性の物質を透過した光は検光子18を通過できない。
従って、この状態で見えている物質は、アスベストのような光学的異方性の物質のみとなり、第二の照明部17における場合と比べてガラス繊維等のように光学的等方性を持つ物質が見えなくなっている。図5(b)はこのように見えなくなる物質がある場合の視野像(透過光での視野像)を示している。
原理的には、第二の照明部17から第一の照明部14に変えても常に輝いている物質が存在するか否かにより繊維状物質の中にアスベストが含まれるか否かを区別することができるが、第二の照明部17及び第一の照明部14を点灯したときの視野像を記憶しながら比較する必要があるため面倒である。
そこで、本発明では、電源制御部30cにより第二の照明部用電源30aと第一の照明部電源30bとを制御して、図6(a)に示すように、第二の照明部17と第一の照明部14とを交互に点滅させて観察する。
このように第二の照明部17と第一の照明部14とを交互に点滅させるならば、視野像を記憶してその相違を判断する面倒さが無くなり、信頼性及び利便性が向上する。
図5(c)はこのように常に輝いている物質が存在する場合の視野像を示している。
もし、常に輝いている物質が観測されると、アスベストが含まれている又は含まれている疑いがあると判断でき(ステップS5,S6)、その割合が試料Sに含まれるアスベストの割合となる。
なお、アスベストは極めて細いため、常に輝いていてもそれを認識することが困難な場合がある。このため、肉眼では常に輝いている物質が分らない場合でも拡大鏡31を用いて確認することが好ましい(ステップS7,S8)。
但し、ガラス繊維等のような光学的等方性を持つ物質でも、応力等が加わっていると異方性を示し常に輝いていることもあるので、常に輝いている物質は全てアスベストと判断することはできないが、拡大してみても常に輝いている物質が観察されない場合には、アスベストは含まないと判断できる(ステップS9)。
このように常に輝いている物質がアスベストか否かの簡易判断として、図5(d)に示すように、試料Sに対してクロスニコルの状態を維持しながら鏡筒13を回転させ、注目している物質が消光するか否かより判断できる。
また、光源の点灯方法として、図6(b)に示すように第一の照明部14は常時点灯状態とし、第二の照明部17を点滅させてもよい。この場合にも第一の照明部14ではアスベストは常に輝き、第二の照明部17でガラス繊維等が点滅するようになる。
以上により、簡便な装置で容易に試料S中にアスベスト等の光学的異方性物質が含まれているか否かの判断が可能になるので、アスベストが含まれている場合や含まれている可能性のある場合のみ正式な検査を行えばよく、検査依頼の件数が少なくなるとともに、無用な場合まで検査しなくてもよくなる。
次に、本発明に係る第二の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、第二の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。
本実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置2Bは、試料Sを挟む両側位置の一方に配設されて、試料Sに光を照射する第一の照明部14と、上記両側位置の他方に配設されて、試料Sに光を照射する第二の照明部17と、第一の照明部14と試料Sとの光路に配された偏光子15と、試料Sからの光路に前記偏光子15とクロスニコルをなすように配された検光子18とを有することを特徴としている点では、前述した第一の実施形態と同様の構成になっているが、次の特徴を有する点で相違している。
すなわち、繊維状鉱物簡易判定装置2Bは、第一の照明部14、試料位置調整機構42、試料回転ステージ36、対物レンズ37、鏡筒38、接眼レンズ39を備えた従来用いられている光学顕微鏡等を改良することにより構成したものである。
ただし、試料回転ステージ36の下部には偏光子15が設けられ、また接眼レンズ39の試料側の鏡筒38内には検光子18が取り付けられて、偏光子15及び検光子18は互いに偏光方向が直交するクロスニコルを構成している。
また、第二の照明部17の光は、対物レンズ37を通過して試料Sに照明され、試料Sからの反射光は検光子18を介して接眼レンズ39から出光するように光路変更部であるハーフミラー43が設けられている。
そして、第二の照明部17を点灯させた場合には、この第二の照明部17からの光は、ハーフミラー43を通過して試料Sに照射され、その反射光はハーフミラー43で反射されて検光子18を介して接眼レンズ39に達する。従って、この場合は試料Sに含まれる物質の全部が観察される。
一方、この状態から第二の照明部17を消灯し、第一の照明部14を点灯すると、偏光子15と検光子18はクロスニコルをなすので、第一の照明部14からの光は偏光子15で偏光されアスベストを透過する際にも複屈折することにより検光子18を通過して観察されるが、ガラス繊維等を透過した光は複屈折しないので検光子18を通過することができない。従って、アスベストのみが観察される。
このように第二の照明部17と第一の照明部14との点灯、消灯の状態の視野像の違いから試料中にアスベストが含まれるか否かを判断することが可能となる。
よって、従来一般に用いられている光学顕微鏡或は偏光顕微鏡を小改良し、照明部を備えるだけで試料にアスベストが含まれるか否かを簡易判断することが可能になり利便性が向上する。
なお、上記構成においては、第二の照明部と試料とは幾何学的に直線配置され、これに直交した方向に検光子及び接眼レンズを設けて、ハーフミラーで試料からの光を反射して検光子及び接眼レンズに向うように光路の分離変更を行ったが、接眼レンズ、検光子、試料を幾何学的に直線をなすように配置し、これに直交した方向に第二の照明部を配置して、ハーフミラーで落射光を反射して試料に照射するようにしても同様の効果が得られる。
次に、本発明に係る第三の実施形態について図8を参照して説明する。図8は、第三の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図であり、(a)は本体部34をスライドさせて試料台支柱45から離したときを示し、図8(b)は本体部34と試料台支柱45とを一体にして観察可能にしたときを示しており、上段の図は断面図を、また、下段の図は上面図を示している。
本実施形態は第一、第二の実施形態における判定精度を更に向上させるものである。なお、以下の説明では、第一の実施形態を例として説明するが、第二の実施形態においても同様に行うことが可能である。
第一の実施形態では、照明を点滅させても常に輝いている繊維状物質が観測されると、アスベストが含まれている又はその疑いがあると判断した。しかし、ガラス繊維等でも応力等が加わっていたり、多数が絡まっているような場合には常に輝いていることもあり、常に輝いている物質はアスベストである可能性が高くても断言することはできない。
無論、このような応力や繊維の固まりを無くすために乳鉢で粉砕しているので、かかる場合は少ないが皆無とはいえない。
そこで、本実施形態では、この常に輝いている繊維状物質が確かにアスベストであることを確認することにより判定の信頼性を向上させるものであり、そのためにクロスニコルを試料Sに対して回転させて常に輝いている物質が消光するか否かを観察し、消光する場合にはその角度(消光角)を測定する。
この消光角の測定のために、図8に示すように、脚筒12の下端には脚筒板33が固着され、この脚筒板33は底板11に載置されて、鏡筒13等の本体部34が底板11上をスライド(移動)できるようになっている。
また、脚筒12に隣接して底板11に試料台支柱45が立設され、この試料台支柱45に試料台24がボルト締めして固定されている。
さらに、下部鏡筒13aはベアリング(鏡筒回転部)55を介して脚筒12に連結されて、脚筒12に対して回転できるようになっている。
このように形成することで、試料台24は本体部34から独立した構成になり、クロスニコルを回転させるべく上部鏡筒13bと下部鏡筒13aとを同時に回転させても試料Sは回転しないようにすることができる。
そしてクロスニコルの間に試料Sを挿入し、透過照明で観察し、さらにクロスニコルを左右に回転させると、光学的異方性を有する繊維状物質は消光と輝いた状態とを繰り返すので、消光現象を有さず常に暗く見える(見えなくなる)ガラス繊維等と容易に識別できる。
なお、前述した各実施形態においては、本体部34をスライドさせて試料台24を露出させる構成であったが、その構成に限る趣旨ではなく、図9に示すように、本体部34を回転させて試料台24を露出させる構成にしてもよい。図9は、図8に代る消光角の測定機能を備えた繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図であり、(a)は本体部34を回転させて使用状態にしたときの断面図、(b)は上面図である。
図9に示す構成は、脚筒12を挟んで本体部支柱49と試料台支柱45との2本の支柱が底板11に立設されると共に左右に腕50a,50bを持つ環状の鏡筒支持板51が設けられている。試料台支柱45は、上部の径が下部の径より細く形成され、径の変化位置Kが腕50aの裏面高さに対応している。
そして、鏡筒支持板51の中央穴には、下部鏡筒13aと上部鏡筒13bとが係合して固着され、ベアリング55等により鏡筒支持板51に対して回転可能に取り付けられている。また、腕50bは本体部支柱49に回転可能に取付けられ、他方の腕50aには切欠52が設けられて試料台支柱45と係合できるようになっている。
これにより、試料Sをセットする際には、鏡筒支持板51を回転させて試料台24を露出させ、試料Sをセットし、その後切欠52が試料台支柱45に係合するまで鏡筒支持板51を回転させる。切欠52が試料台支柱45に係合すると、試料台4の中心と鏡筒38の軸心とが一致するようになっているので、これらを係合させた後は上述した手順がそのまま適用可能となる。
また、試料台24と鏡筒38とは、直接連結されていないので、鏡筒38を回転させても着目している物質は同一位置で観察され視野から外れてしまう不都合が生じない利点がある。
次に、本発明に係る第四の実施形態を図10を参照して説明する。図10は、消光角の測定機能を備えた第四の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。
これまでの説明では、試料Sの観測は目視により行っていた。その際、要部を拡大して観察するためにルーペ等の拡大鏡31を用いていた。また、視野像を複数人により観察するためには交代して見なければならない煩わしさがあるとともに、観察した像を写真等で残すことができなかった。
そこで、本実施形態では、図10に示すように、視野像をビデオマイクロスコープやマクロレンズ付きカメラ等の撮影部57により撮影し、ノートパソコン等の画像処理表示部59で撮影部57からの信号に対して所定の画像処理を行って視野像を表示できるようにしたものである。
このとき撮影部57を3軸ステージ60に取り付けて鏡筒38との微妙な軸合せや高さ調整が行えるようにしてもよい。また、撮像された視野像を電子データとして保存したり又はプリンタのように画像データとして記録する記録部58を設けることが好ましい。
そして、撮影部57で撮像された視野像は、画像処理表示部59に取り込まれ、その1機能である拡大縮小機能を用いて視野像の拡大縮小を行いながら常に輝いている物質の有無を観察する。無論、撮影部57に撮影倍率を変えられる機能があれば、その機能を利用してもよい。
そして、観察像を記録部58から印刷出力し、あるいは電子データとして保存したりする。これにより、観察結果が画像情報として残せるようになるとともに、観察者が複数でも一度に観察することができるようになって利便性が向上する。
なお、画像処理表示部59における機能として、視野像の拡大及び縮小表示を行う機能(拡縮表示手段)の他に、常に輝いている物質が観察された場合に、クロスニコルの状態を維持しながら鏡筒を回転させてこの物質が消光する際の回転角を算出する機能(回転角算出手段)を有するものとしてもよい。
なお、図10では図9に示す本体部34を適用した例について示しているが、図8に示す本体部34を適用してもよい。
ところで、物質の消光角を求める機能としては、例えば図8に示す第三の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置及び図10に示す第四の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置を用いた、図11(a)〜(c)に示す方法が可能である。なお、この際に以下の条件が成立していることを前提としている。図11(a)〜(c)は、物質の消光角を求める方法の説明図である。
光学系の光軸方向をZとしたとき、X又はYのいずれかを絶対方向と定める。絶対方向は、例えば装置の台座の長軸方向とする。このとき、以下の条件が成立するように調整をを行う。
(1)鏡筒に取り付けた指針54と絶対方向を一致させたとき、偏光子の偏光方向が絶対方向を指す。
(2)撮像用CCDの撮像表示画像の上方向と絶対方向が一致する。
まず、図11(a)に示すように、光学系全体の絶対方向指針に偏光子,検光子を取り付けた鏡筒13の指針54を一致させる。図11(a)に示す矢印70は、クロスニコル状態における上記した偏光子15(検光子18)の偏光方向を、また、51は視野像をそれぞれ表している。
表示された画像(図11(b))上でアスベスト繊維Nが画像上の上下方向となす角θを求める。θはアスベスト繊維Nの両端のグラフィック座標を読み取ることで算出できる。
図11(b)に示すように、角度測定リング53を回転させて、光学系全体の絶対方向指針の読みがθとなるように調整する。同図には、35(度)にした例を示している。図11には、絶対方向をO1、アスベスト繊維Nの方向をO2で示している。
図11(c)に示すように、鏡筒13を回転させてアスベスト繊維が消光する角度を見つけ出し、その消光位置での鏡筒13の指針54の角度を読む。この角度が当該アスベスト繊維の消光角である。同図には5(度)である例を示している。
第五の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置について、図12,13を参照して説明する。図12は、第五の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図、図13(a)は、図12に示すI‐I線における断面図、(b)は、II‐II線における断面図である。
第五の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置100は、試料Sを挟む両側位置の一方に配設され、その試料に光を照射する第一,第二の照明部130,140と、第一の照明部130から試料にいたる光路にのみ配された偏光子150と、偏光子150とクロスニコルをなすようにして、上記両側位置の他方であって試料Sからの光路に配された検光子170とを有する構成のものであり、それらの詳細は次のとおりである。
すなわち、繊維状鉱物簡易判定装置100は、試料Sを載置するための試料台120、第一,第二の照明部130,140、偏光子150、コンデンサーレンズ160を収容した装置本体110と、装置本体110上に配設した検光子170、装置本体110とは別に設けた照明調整装置180とを有している。
装置本体110は、底板111に略円筒形にした鏡筒112を立設した構成のものである。
鏡筒112の側壁112a上部には、試料台120を挿脱するための試料台挿脱口113が開設されているとともに、側壁112a内壁には、試料台挿脱口113から挿入された試料台120を載置する試料台載置部114が形成されている。
試料台120は、上記した試料台24と同等の構成にしたものであり、ガラス等の光学的等方体からなる試料ガラス121、これを支持する試料ガラスリング122、及び試料ガラスリング122に取り付けられた取手123からなる。
試料台挿脱口113は、これに挿入された試料台120を周方向に略300度回転させることができるように大きく形成されている。これは試料台120を回転させることにより試料に含まれる繊維状鉱物の消光を180度対称位置でも確認できるようにするためであることは上記と同様である。
鏡筒112内であって試料台載置部114の下方には、コンデンサレンズ160、偏光子である下部偏光板150、第一,第二の照明部130,140が、上方から下方に向けて順に配列されている。
コンデンサレンズ160は、鏡筒112の側壁112aであって試料台載置部114の下部に形成したレンズ固定用段差部115に固定されている。
下部偏光板150は、コンデンサレンズ160の下面に接続板151を介して固定されており、詳細を後述する第一の照明部130から試料Sにいたる光路にのみ配されている。
第一の照明部130と、第二の照明部140とは互いに同心円状に組み合わせられており、第一の照明部130は、図14に示すように、所定幅のリング形にした基板131上に、等角度間隔で複数のLED等からなる光源132…を配列したものであり、また、第二の照明部140は、第一の照明部130の基板131よりも大きな内径にし、かつ、所定幅のリング形にした基板141上に、等角度間隔で複数のLED等からなる光源132…を配列したものである。
検光子としての上部偏光子170は、鏡筒112の上部に回動自在に配設した偏光子支持部材171に支持されており、偏光子支持部材171を鏡筒112に対して回動させることにより、上記した偏光子150と検光子170とを上記した平行ニコルやクロスニコルに設定できるようになっている。
照明調整装置180は、電力を供給する電源部181、第一の照明部130の輝度等を調整するための透過照明調整部182、第二の照明部140の輝度等を調整するための透過照明調整部183、及び照明態様変更部184を有している。
照明態様選択部184は、第一,第二の照明部130,140双方を点灯させる態様、第一,第二の照明部130,140双方を消灯させる態様、第一の照明部130を消灯し、かつ、第二の照明部140を点灯させる態様、第二の照明部140を消灯し、かつ、第一の照明部130を点灯させる態様、第一の照明部130と第二の照明部140とを交互に点滅させる態様のいずれかを任意に選択する機能を有するものであり、例えば各態様毎に設けたスイッチを適宜オン/オフ操作することにより、又は図示しない1つのスイッチを押下する度に順次選択できるようになっている。
次に、上記した繊維状鉱物簡易判定装置100を用いて、試料にアスベストが含まれているか否かを判定する判定方法について説明する。図14(a)〜(d)は、観察視野像を示す図である。
先ず、判定に用いる試料Sを上記した実施形態における場合と同様にして準備する。
第二の照明部140を点灯させて検光子170と偏光子150とがクロスニコルになるようにセットし、試料Sを観察する。このとき目視だけではよく分らないときには、上記したルーペ等の拡大鏡31を用いることが好ましい。
この状態では、図14(a)に示すように試料Sに含まれる物質は全て見えるので、その中に繊維状物質が有るか否かを観察する。
このとき繊維状物質が存在しなければ、試料Sにはアスベストは含まれていないことになる。一方、繊維状物質にはアスベストの他にガラス繊維やロックウールのように害が確認されていない物質も含まれるので、繊維状物質が観測された場合は、これらの切り分けを行う必要がある。
そこで、繊維状物質が含まれる場合には、第二の照明部140を消灯し、かつ、第一の照明部130を点灯させる。
第一の照明部130を点灯させることにより、偏光子150を透過してきた光は直線偏光となっており、そのままでは検光子170を通過できないが、アスベストMのように光学的等異方性を持つ物質では複屈折を起して透過光の偏光状態が変化するため、アスベストMを透過した光の一部は検光子170を通過する。
一方、ガラス繊維N等のように光学的等方性の物質では、透過光の偏光状態が変らないため、光学的等方性の物質を透過した光は検光子170を通過できない。
従って、図14(b)に示すように、この状態で見えている物質は、アスベストMのような光学的異方性の物質のみとなり、第二の照明部140における場合と比べてガラス繊維N等のように光学的等方性を持つ物質が見えなくなっている。
原理的には、第二の照明部140から第二の照明部130に変えても常に輝いている物質が存在するか否かにより繊維状物質の中にアスベストが含まれるか否かを区別することができるが、第一,第二の照明部130,140を点灯したときの視野像を記憶しながら比較する必要があるため面倒であることは上記したとおりである。
そこで、本実施形態においても、照明態様変更部184により、第一の照明部130と第二の照明部140とを交互に点滅させて観察する。
このように第一,第二の照明部130,140を交互に点滅させることにより、視野像を記憶してその相違を判断する面倒さが無くなり、信頼性及び利便性が向上する。図14(c)は、このように常に輝いている物質が存在する場合の視野像を示している。
もし、常に輝いている物質が観測されると、アスベストが含まれている又は含まれている疑いがあると判断でき、その割合が試料Sに含まれるアスベストの割合となる。
このように常に輝いている物質がアスベストか否かの簡易判断として、図14(d)に示すように、試料Sに対してクロスニコルの状態を維持しながら試料台120を回動させ、注目している物質が消光するか否かにより判断できる。
また、試料台120を回動させることにより消光位置を確認することができるが、例えば図1に示すような回転角を計測する角度測定リングを鏡筒に設けるとともに、試料台120に回転角を指し示すための指針を設けることにより、消光角度を測定することができる。
次に、第六の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置について、図15,16を参照して説明する。図15は、第六の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図、図16は図15に示すIII‐III線における断面図である。
なお、第六の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置190は、上記した第五の実施形態において説明したものと、下部偏光板の構成のみが相違するので、第五の実施形態において説明したものと同等のものについては同一の符号を付して説明を省略し、以下には、下部偏光板についてのみ説明する。
偏光子である下部偏光板200は、第一の照明部130の上部に開口部201を形成し、かつ、第二の照明部140から試料Sにいたる光路βを覆う所定幅のリング形に形成されているものである。
ところで、上記した各実施形態においては、試料を載置する試料台の下方に、その試料に光を照射する第一の照明部を、また、前記試料台の上方に、試料に光を照射する第二の照明部を配設するとともに、第一の照明部の光路に偏光子を配し、試料からの光路に偏光子とクロスニコルをなすように配された検光子とを有する構成について説明したが、試料台の上方に、その試料に光を照射する第一の照明部を、また、前記試料台の下方に、試料に光を照射する第二の照明部を配設するとともに、第一の照明部の光路に偏光子を配し、試料からの光路に偏光子とクロスニコルをなすように配された検光子とを有する構成にしてもよい。
また、上記の実施形態においては、試料を載置する試料台の下方に配設され、その試料に光を照射する第一,第二の照明部と、それらのうちの第一の照明部から試料にいたる光路にのみ配された偏光子と、試料からの光路に偏光子とクロスニコルをなすように配された検光子とを有する構成について説明したが、これに限るものではなく、試料を挟む一方に、その試料に光を照射する第一,第二の照明部を配設するとともに、第一の照明部から試料にいたる光路にのみ偏光子を配し、試料を挟む他方に、その試料からの光路に偏光子とクロスニコルをなすようにした検光子を配した構成にすることができる。
具体的には、試料を載置する試料台の上方に配設され、その試料に光を照射する第一,第二の照明部と、それらのうちの第一の照明部から試料にいたる光路にのみ配された偏光子と、試料からの光路に偏光子とクロスニコルをなすように配された検光子とを有する構成にしてもよい。
第一の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 同上の繊維状鉱物簡易判定装置の要部を示す斜視図である。 第一の照明部と試料との間に、コンデンサーレンズを設けた場合の同上の繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 アスベストの有無の判定方法を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、観察視野像を示す図である。 (a),(b)は、照明部の点灯方法を示す図である。 第二の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 第三の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図であり、(a)は本体部をスライドさせて試料台支柱から離したときを示し、(b)は本体部と試料台支柱とを一体にして観察可能にしたときを示している。 図8に代る消光角の測定機能を備えた繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図であり、(a)は本体部を回転させて使用状態にしたときの断面図、(b)は上面図である。 消光角の測定機能を備えた第四の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 (a)〜(c)は、物質の消光角を求める方法の説明図である。 第五の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 (a)は、図12に示すI‐I線における断面図、(b)は、II‐II線における断面図である。 (a)〜(d)は、観察視野像を示す図である。 第六の実施形態に係る繊維状鉱物簡易判定装置の構成を示す断面模式図である。 図15に示すIII‐III線における断面図である。
符号の説明
13 鏡筒
14 第一の照明部
15 偏光子
16 試料台挿脱口
17 第二の照明部
18 検光子
24 試料台
28 試料台載置部
43 光路変更部
55 鏡筒回転部
53 角度測定リング
57 撮影部
58 記録部
59 画像処理表示部
130 第一の照明部
140 第二の照明部
α,β 光路
S 試料

Claims (10)

  1. 試料を挟む両側位置の一方に配設されて、試料に光を照射する第一の照明部と、
    上記両側位置の他方に配設されて、試料に光を照射する第二の照明部と、
    第一の照明部と試料との光路に配された偏光子と、
    試料からの光路に前記偏光子とクロスニコルをなすようにして配された検光子とを有しており、
    前記第一の照明部と前記第二の照明部との点灯状態に応じた視野像の変化から前記試料に繊維状鉱物が含まれるか否かを判定できるようにしたことを特徴とする繊維状鉱物簡易判定装置。
  2. 試料台に試料を載置しており、試料台の上方に第二の照明部を配設し、かつ、試料台の下方に第二の照明部を配設していることを特徴とする請求項1に記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  3. 第二の照明部から試料にいたる光路と、その試料から検光子にいたる光路とを分離変更する光路変更部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  4. 試料台を挿脱する試料台挿脱口を鏡筒の側部に形成しているとともに、
    試料台挿脱口から挿入された前記試料台を回転可能に載置する試料台載置部を鏡筒内に設けていることを特徴とする請求項2又は3に記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  5. 鏡筒の支持部分に、この鏡筒を前記試料台載置部に対して回動可能にする鏡筒回転部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  6. 鏡筒の支持部分に、前記試料台載置部に対する鏡筒の回動角を示す角度測定リングを設けたことを特徴とする請求項4に記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  7. 視野像を撮像する撮像部と、
    撮像部からの信号に対して所定の画像処理を行って視野像を表示する画像処理表示部と、
    撮像された視野像を電子データ又は画像データとして記録する記録部とを有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維状鉱物簡易判定装置。
  8. 試料を挟んで偏光子と検光子とがクロスニコルで配置され、その検光子側から光を試料に照射した際の視野像を観察すると共に、前記偏光子を介して試料に光を照射した際の視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴とする繊維状鉱物簡易判定方法。
  9. 検光子側から試料に照射する光と偏光子を介して試料に照射する光とを交互に点滅させ、それぞれの点滅時における視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には、上記試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴とする請求項8に記載の繊維状鉱物簡易判定方法。
  10. 偏光子を介して試料に照射する光を常灯し、前記検光子側から試料に照射する光を点滅させた際の視野像を観察し、何れの視野像においても見える物質が存在する場合には当該試料に繊維状鉱物が含まれる又は含まれる疑いがあると判定することを特徴とする請求項8に記載の繊維状鉱物簡易判定方法。
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