JP2008168962A - 作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置 - Google Patents

作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置 Download PDF

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昌幸 高村
Hideyuki Hiraiwa
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Abstract

【課題】ステアリング機構および作業機の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機が単独で動作している場合の流量に比べて、不足したり、過剰に供給されたりすることのないようにする。
【解決手段】ステアリング操作検出手段と作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、作業機操作のみが行なわれたことが検出された場合には、作業機用制御弁側に必要な第2の流量Qcの圧油が油圧ポンプから吐出されるように、駆動手段が制御される。ステアリング操作検出手段と作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、ステアリング操作と作業機操作の両方が同時に行なわれたことが検出された場合には、現在のステアリング操作手段の操作速度若しくは操舵輪の転舵角速度に対応する第1の流量QA(あるいはQB)に対して、第2の流量Qcを加算した流量の圧油が油圧ポンプから吐出されるように、駆動手段が制御される。
【選択図】図9

Description

本発明は、フォークリフト等の作業車両に関し、特に作業車両のステアリングおよび作業機を制御する装置に関するものである。
作業車両としてのフォークリフトには、操舵輪を動作させるステアリング機構が設けられている。ステアリングハンドルの操作に応じてステアリング機構が駆動され、これにより操舵輪が動いて操舵輪の転舵角が変化し、作業車両の走行方向が変化される。
また、フォークリフトには、作業機としてのマストおよびフォークが設けられている。作業機操作レバーの操作に応じて作業機が駆動されマストがチルトされたりフォークがリフトされたりして、フォークに載せられた積荷の位置、姿勢が変化される。
ステアリング機構および作業機は、ともにフォークリフトに搭載された油圧ポンプによって駆動される。すなわち、油圧ポンプから吐出された圧油がステアリング用制御弁を介してステアリング用油圧シリンダに供給され、これによりステアリング用油圧シリンダが作動され、これによりステアリング用油圧シリンダに連結されたステアリング機構が駆動され、これに応じて操舵輪の転舵角が変化されて作業車両の走行方向が変化される。また、油圧ポンプから吐出された圧油が作業機用制御弁を介して作業機用油圧シリンダに供給され、これにより作業機用油圧シリンダが作動され、これにより作業機用油圧シリンダに連結されたマストがチルト作動されたり、フォークがリフト作動されることにより、フォークに載せられた積荷の位置、姿勢が変化される。
こうした2種類の異なるステアリング機構および作業機を駆動制御しようとするときに、油圧ポンプを各機構それぞれに設け各機構を独立して駆動制御するという考え方と、両機構で共通の油圧ポンプを設け必要に応じて油圧ポンプの吐出流量を配分するという考え方とがある。
また、油圧ポンプを駆動する駆動手段に、エンジン(内燃機関)を使用する考え方と、蓄電器(バッテリ)と電動モータを使用する考え方とがある。
(特許文献にみられる従来技術1)
特許文献1には、フォークリフトに、作業機専用の油圧ポンプを設け、油圧ポンプを電動モータによって駆動することにより、作業機を独立して動作させるという技術思想が開示されている。
特許文献1に記載されたものでは、作業機を操作する操作レバーの操作量がポテンショメータにて検出され、検出された操作量に対応する回転数となるように電動モータが制御され、これにより操作レバーの操作量に対応する流量の圧油を作業機用油圧シリンダに供給するようにしている。
(実施技術としての従来技術2)
図1は、フォークリフトに搭載された油圧回路を例示している。すなわち、マスト71とフォーク72とからなる作業機70と、作業機専用の油圧ポンプ2と、油圧ポンプ2を駆動するエンジン1と、作業機70に連結され作業機70を作動させる作業機用油圧シリンダ21と、作業機用操作レバー13の操作に応じた流量の圧油が作業機用油圧シリンダ21に供給されるように動作する作業機用制御弁20とが設けられている。作業機用制御弁20には、チルトロック弁90が内臓されている。
図2は、フォークリフトに搭載された他の油圧回路を例示している。すなわち、マスト71とフォーク72とからなる作業機70と、作業機専用の油圧ポンプ2と、油圧ポンプ2を駆動する電動モータ1Mと、作業機70に連結され作業機70を作動させる作業機用油圧シリンダ21と、作業機用操作レバー13の操作に応じた流量の圧油が作業機用油圧シリンダ21に供給されるように動作する作業機用制御弁20とが設けられている。図1の油圧回路と異なり、作業機用制御弁20には、チルトロック弁90は内臓されていない。
チルトロック弁90は、「積荷前傾時の真空現象」をなくすために設けられている。
すなわち、作業機70のマスト71が前傾となるようにチルト動作させると、積荷の自重により作業機用油圧シリンダ21のロッドを引っ張る方向に力が作用する。このとき油圧シリンダ21の圧油供給側への供給流量が不足していると、供給流路が負圧となり、油圧ホースが縮む。この状態で作業機70の操作を終え、作業機用制御弁20を中立位置に戻すと、油圧ホースが縮んだ状態から膨れた状態までの体積変化が可能となり、車両が走行状態から停止状態に移行するときにマスト71の慣性で、マスト71が前後に揺れ動くという現象が発生する。特に、図1のようにエンジン1を駆動源とする場合であって、エンジン1を低回転(たとえばローアイドル回転)で稼動させているときに、こうした「積荷前傾時の真空現象」が発生しやすい。しかも、エンジン1を駆動源とする場合には、応答性よくエンジン回転数が上昇しないため、流量不足に対してエンジン回転数を上昇させる制御で迅速に対処することは難しい。このためエンジン1を駆動源とする油圧回路にはチルトロック弁90が備えられている。チルトロック弁90は、作業機用制御弁20の入口側の油圧が大きくならないと開口しないように動作する弁であり、作業機用制御弁20に供給される流量が不足している場合に、マスト71が前後に揺れ動くことを回避することができる。
これに対して、電動モータ1Mを駆動源とする場合には、応答性よく電動モータ1Mの回転数を変化させることができる。このため、流量不足に対して電動モータ1Mの回転数を上昇させる制御で迅速に対処することが可能であり、チルトロック弁90は備えられていない。
特開平6−115898号公報
フォークリフトにおいて、2種類の異なるステアリング機構および作業機を駆動制御しようとするときに、両機構で共通の油圧ポンプを設け必要に応じて油圧ポンプの吐出流量を配分するように油圧回路を構成するとともに、油圧ポンプを駆動する駆動手段に、蓄電器(バッテリ)と電動モータを使用したいとの要請がある。
また、チルトロック弁90を備えることを不要とし、コスト低減を図りたいとの要請がある。
これに対して、上述の特許文献1には、油圧ポンプを駆動する駆動手段に、蓄電器(バッテリ)と電動モータを使用する点は記載されているものの、ステアリング機構および作業機に共通の油圧ポンプを設けた場合に、電動モータをどのように制御するかについては何ら記載されていない。
ステアリング機構および作業機に共通の油圧ポンプを設けた場合に予測される問題点は、
ステアリング機構および作業機の両方が同時に動作する場合に作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機が単独で動作している場合の流量に比べて、不足したり、過剰に供給されたりするという点である。
仮に、ステアリング機構および作業機の同時動作時に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される流量が過剰となると、オペレータの意に反して作業機が急作動する挙動を示し、積荷がバランスを崩したりオペレータにショックを与えたりするという問題が起きるおそれがある。
逆に、ステアリング機構および作業機の同時動作時に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される流量が不足すると、作業機が緩慢にしか動作しなくなり、作業効率が損なわれるという問題が起きるおそれがある。しかも、流量不足によって上述した「積荷前傾時の真空現象」が発生するおそれがある。このためチルトロック弁90を設けることで、対処せざるを得なくなり、コスト上昇を招くおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、ステアリング機構および作業機の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機が単独で動作している場合の流量に比べて、不足したり、過剰に供給されたりすることのないようにすることを解決課題とするものである。また、流量不足をなくすことで、チルトロック弁90の配設を不要とし、コスト低減を図ることを解決課題とするものである。
第1発明は、
操舵輪を作動させるためのステアリング操作に応じて操舵輪を駆動制御するとともに、作業機を作動させるための作業機操作に応じて作業機を駆動制御する油圧回路が備えられた作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置であって、
圧油を吐出する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプを駆動する駆動手段と、
操舵輪を作動させるステアリング用油圧アクチュエータと、
作業機を作動させる作業機用油圧アクチュエータと、
ステアリング操作に応じた流量の圧油が前記ステアリング用油圧アクチュエータに供給されるように動作するステアリング用制御弁と、
作業機操作に応じた流量の圧油が前記作業機用油圧アクチュエータに供給されるように動作する作業機用制御弁と、
ステアリング操作を行なうステアリング操作手段と、
作業機操作を行なう作業機操作手段と、
ステアリング操作が行なわれたことを検出するステアリング操作検出手段と、
作業機操作が行なわれたことを検出する作業機操作検出手段と、
前記油圧ポンプと前記ステアリング用制御弁との間に設けられ、前記油圧ポンプの吐出圧油を前記ステアリング用制御弁に供給するとともに、前記作業機用制御弁側に分流する分流弁と、
前記ステアリング操作手段の操作速度若しくは前記操舵輪の転舵角速度の増加に応じて、前記油圧ポンプから前記ステアリング用制御弁に供給すべき第1の流量が増加する対応関係が予め設定された設定手段と、
前記ステアリング操作検出手段と前記作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、作業機操作のみが行なわれたことが検出された場合には、前記作業機用制御弁側に必要な第2の流量の圧油が前記油圧ポンプから吐出されるように、前記駆動手段を制御するとともに、
前記ステアリング操作検出手段と前記作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、ステアリング操作と作業機操作の両方が同時に行なわれたことが検出された場合には、現在のステアリング操作手段の操作速度若しくは前記操舵輪の転舵角速度に対応する第1の流量に対して、前記第2の流量を加算した流量の圧油が前記油圧ポンプから吐出されるように、前記駆動手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前記駆動手段は、蓄電器と、この蓄電器から供給された電力によって駆動される電動モータとからなること
を特徴とする。
第3発明は、第1発明において、
前記分流弁は、
前記油圧ポンプと前記ステアリング用制御弁との間に設けられ、前記ステアリング用制御弁の前後差圧が設定値になるように前記油圧ポンプの吐出圧油を前記ステアリング用制御弁に供給するとともに、前記作業機用制御弁側に分流するプライオリティ弁であること
を特徴とする。
本発明によれば、ステアリング操作検出手段14a、81aと作業機操作検出手段13a、113aの検出結果に基づいて、作業機操作のみが行なわれたことが検出された場合には、作業機用制御弁20、120側に必要な第2の流量Qcの圧油が油圧ポンプ2から吐出されるように、駆動手段1Mが制御される(図7のL2参照)。
ステアリング操作検出手段14a、81aと作業機操作検出手段13a、113aの検出結果に基づいて、ステアリング操作と作業機操作の両方が同時に行なわれたことが検出された場合には、現在のステアリング操作手段14aの操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γA(γB)に対応する第1の流量QA(あるいはQB)に対して、第2の流量Qcを加算した流量の圧油が油圧ポンプ2から吐出されるように、駆動手段1Mが制御される(図7のL2参照)。
本発明によれば、ステアリング機構80および作業機70の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機70が単独で動作している場合の流量Qcに比べて、不足することがない(図8参照)。よって、作業効率が損なわれたり、「積荷前傾時の真空現象」が発生することを回避できる。またチルトロック弁90の配設が不要となり、コストが低減する。
また、本発明によれば、ステアリング機構80および作業機70の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機70が単独で動作している場合の流量Qcに比べて、過剰となることがない(図8参照)。よって、オペレータの意に反して作業機70が急作動する挙動を示したり、積荷がバランスを崩したりオペレータにショックを与えたりすることを回避できる。
以下、図面を参照して本発明に係る車両のステアリングおよび作業機の制御装置の実施の形態について説明する。
図3は、実施例のステアリングおよび作業機の駆動制御用油圧回路を示している。図3の油圧回路は、たとえばフォークリフトなどの作業車両に搭載される。
フォークリフトには、ステアリング機構80が搭載されている。ステアリングハンドル14の操作に応じて車両のステアリング機構80が駆動制御され、操舵輪81の転舵角αが変化され、車両の走行方向が変化される。ステアリング機構80は、ステアリング用油圧シリンダ5の作動によって駆動される。
フォークリフトには、作業機70が搭載されている。作業機70は、マスト71と、積荷が載せられるフォーク72とからなる。作業機用操作レバー13、113の操作に応じて作業機70がチルト動作、リフト動作され、フォーク72に載せられた積荷の位置、姿勢が変化される。作業機70は、作業機用油圧シリンダ21、121の作動によって駆動される。
ステアリング機構80および作業機70は、ともにフォークリフトに搭載された油圧ポンプ2によって駆動制御される。すなわち、油圧ポンプ2から吐出された圧油がステアリング用制御弁4を介してステアリング用油圧シリンダ5に供給され、これによりステアリング用油圧シリンダ5が作動され、これによりステアリング用油圧シリンダ5に連結されたステアリング機構80が駆動されることにより、操舵輪81の転舵角αが変化され、車両の走行方向が変化される。また、油圧ポンプ2から吐出された圧油が作業機用制御弁20、120を介して作業機用油圧シリンダ21、121に供給され、これにより作業機用油圧シリンダ21、121が作動され、これにより作業機用油圧シリンダ21、121に連結された作業機70が駆動されることにより、作業機70がチルト動作、リフト動作する。
このように本実施例では、ステアリング機構80と作業機70で共通の油圧ポンプ2を設け必要に応じて油圧ポンプ2の吐出流量を配分するようにしている。以下、更に詳細に説明する。
油圧ポンプ2は、定容量型の油圧ポンプであり、蓄電器、たとえばバッテリ1Bと、電動モータ1Mを駆動源として駆動される。バッテリ1Bは、電動モータ1Mに電力を供給する。電動モータ1Mは、供給された電力によって駆動される。定容量型油圧ポンプ2の吐出口には、油路3aが接続している。この油路3aは、分流弁として機能するプライオリティ弁6の油圧ポンプ2側からみて上流側の入力ポートに連通している。プライオリティ弁6の油圧ポンプ2側からみて下流側の第1の出口ポート6gは、油路3bに連通し、第2の出口ポート6hは、分流回路30の分流油路31に連通している。油路3bは、ステアリング用制御弁4の油圧ポンプ2側からみて上流側の入力ポート4Pに連通している。
プライオリティ弁6は、作業機用制御弁20、120に優先してステアリング用制御弁4に圧油を供給するとともに、ステアリング用制御弁4に供給される圧油の流量が、負荷によらずに開口面積に応じた大きさになるように制御するために設けられている。プライオリティ弁6は、弁位置6a、6bを有している。弁位置6aは、出口ポート6g、油路3bを介してステアリング用制御弁4に圧油を供給させるとともに出口ポート6h、分流油路31を介して作業機用制御弁20、120に圧油を供給させる弁位置である。弁位置6bは、出口ポート6g、油路3bを介してステアリング用制御弁4のみに圧油を供給させる弁位置である。
プライオリティ弁6には、設定圧を与えるばね6fが付与されている。
ステアリング用制御弁4の下流側の圧つまりステアリング用油圧シリンダ5の負荷圧PLは、ステアリング用制御弁4内の絞りの下流側の検出ポート4fの圧として検出することができる。ステアリング用制御弁4の検出ポート4fは、パイロット油路12を介して、プライオリティ弁6のばね6fと同じ側のパイロットポート6eに連通している。
ステアリング用制御弁4の上流側の圧つまりプライオリティ弁6の下流側の圧Pp′は油路3b内の圧として検出することができる。油路3bはパイロット油路11を介して、プライオリティ弁6のばね6fとは反対側のパイロットポート6dに連通している。
プライオリティ弁6では、パイロット油路11を介して作用するステアリング用流量制御弁4の上流側圧Pp′とパイロット油路12を介して作用するステアリング用流量制御弁4の下流側圧PL(ステアリング用油圧シリンダ5の負荷圧PL)との差圧(Pp′−PL)がばね6fのばね力に応じた設定圧に一致するように、弁位置が調整される。これによりステアリング用油圧シリンダ5の負荷にかかわりなく、ステアリング用流量制御弁4の開口面積に応じた必要流量がステアリング用油圧シリンダ5に供給される。
ステアリング用制御弁4は、入力回動軸16の入力回動量に応じて、つまりステアリングハンドル14の操舵角βに応じて、開口量が変化し開口量に応じた流量の圧油を入出力ポート4g、4hを介してステアリング用油圧シリンダ5に供給するように構成されている。ステアリング用制御弁4は、たとえばスリーブに対してスプールが相対的に回転移動することで開口量が変化するロータリバルブで構成されている。
ステアリング用油圧シリンダ5のロッドは、ステアリング機構80に連結されている。ステアリング機構80は、図3の図中、ステアリング用油圧シリンダ5のロッドが左方向、右方向に移動するにしたがって、操舵輪81の向きがそれぞれ同じ左方向、右方向に変化して、それにより操舵輪81の転舵角αが変化して、作業車両(フォークリフト)が同じ左方向、右方向に旋回するように構成されている。
ステアリング用制御弁4の入力回動軸16は、ステアリングハンドル14の回転操作に応じて回動される。ステアリング用制御弁4は、ステアリングハンドル14が左方向、右方向にも回転操作されていないときに、中立位置に保持される。このときプライオリティ弁6から油路3bを介して供給された圧油は、ステアリング用制御弁4の入口ポート4Pにてブロックされる。
ステアリングハンドル14が左方向に回転操作されると、ステアリング用制御弁4の入力回動軸16が同じ左方向に回動されて、それに応じて、油圧ポンプ2の吐出圧油は、油路3a、プライオリティ弁6、油路3b、ステアリング用制御弁4の入出力ポート4gを介してステアリング用油圧シリンダ5の一方のシリンダ室5Lに供給される。一方、ステアリング用油圧シリンダ5の他方のシリンダ室5Rの圧油は、ステアリング用制御弁4の入出力ポート4hを介してタンク9に排出される。このためステアリング用油圧シリンダ5のロッドは図中左方向に移動して、操舵輪81の向きが同左方向に変化し作業車両は左旋回する。
ステアリングハンドル14が右方向に回転操作されると、ステアリング用制御弁4の入力回動軸16が同じ右方向に回動されて、それに応じて、油圧ポンプ2の吐出圧油は、油路3a、プライオリティ弁6、油路3b、ステアリング用制御弁4の入出力ポート4hを介してステアリング用油圧シリンダ5の他方のシリンダ室5Rに供給される。一方、ステアリング用油圧シリンダ5の一方のシリンダ室5Lの圧油は、ステアリング用制御弁4の入出力ポート4gを介してタンク9に排出される。このためステアリング用油圧シリンダ5のロッドは図中右方向に移動して、操舵輪81の向きが同右方向に変化し作業車両は右旋回する。
定容量型油圧ポンプ2の回転数は、電動モータ1Mの回転数に比例して変化される。このため電動モータ1Mの回転数の増加に伴って、定容量型油圧ポンプ2から吐出される圧油の流量が増加される。
つぎに、分流回路30の構成について説明する。
分流回路30は、プライオリティ弁6より分流された圧油がオープンセンタ方式の作業機用制御弁20、120を介してタンク9に導かれるように構成されている。
作業機用制御弁20は、前傾チルト位置20a、中立位置20c、後傾チルト位置20bを備え、作業機用操作レバー13の操作に応じて、各弁位置に移動するように動作する制御弁である。
作業機用制御弁120は、リフト位置120a、中立位置120c、ダウン位置120bを備え、作業機用操作レバー113の操作に応じて、各弁位置に移動するように動作する制御弁である。
分流油路31は、作業機用制御弁20、120、センタバイパス油路33を介してタンク9に連通している。また分流油路31は、リリーフ弁32を介してタンク9に連通している。
作業機用制御弁20は、油路34、35を介して、作業機用油圧シリンダ21のシリンダ室21B、21Hに連通している。
作業機用油圧シリンダ21のロッドは、作業機70のマスト71のアウタレールに連結されている。作業機用油圧シリンダ21のロッドが伸張方向、縮退方向に移動するにしたがって、作業機70のマスト71が前傾方向、後傾方向それぞれにチルト動作する。
作業機用制御弁120は、油路36を介して、作業機用油圧シリンダ121のシリンダ室121Bに連通している。
作業機用油圧シリンダ121のロッドは、作業機70のマスト71のインナレールを介してフォーク72に連結されている。作業機用油圧シリンダ121のロッドが伸張方向、縮退方向に移動するにしたがって、フォーク72がリフト方向(上方向)、ダウン方向(下方向)それぞれに昇降動作する。
作業機用制御弁20、120が中立位置20c、120cに位置されると、プライオリティ弁6より分流された圧油が分流油路31、作業機用制御弁20、120、センタバイパス油路33を経由してタンク9に排出される。
作業機用制御弁20が前傾チルト位置20aに位置されると、プライオリティ弁6より分流された圧油が分流油路31、作業機用制御弁20、油路34を経由して作業機用油圧シリンダ21のシリンダ室21Bに供給されるとともに、作業機用油圧シリンダ21のシリンダ室21Hの圧油が油路35、作業機用制御弁20を経由してタンク9に排出される。このため、作業機用油圧シリンダ21のロッドが伸張方向に移動し、作業機70のマスト71が前傾方向にチルト動作する。
作業機用制御弁20が後傾チルト位置20bに位置されると、プライオリティ弁6より分流された圧油が分流油路31、作業機用制御弁20、油路35を経由して作業機用油圧シリンダ21のシリンダ室21Hに供給されるとともに、作業機用油圧シリンダ21のシリンダ室21Bの圧油が油路34、作業機用制御弁20を経由してタンク9に排出される。このため、作業機用油圧シリンダ21のロッドが縮退方向に移動し、作業機70のマスト71が後傾方向にチルト動作する。
作業機用制御弁120がリフト位置120aに位置されると、プライオリティ弁6より分流された圧油が分流油路31、作業機用制御弁120、油路36を経由して作業機用油圧シリンダ121のシリンダ室21Bに供給される。このため、作業機用油圧シリンダ121のロッドが伸張方向に移動し、作業機70のフォーク72がリフト方向に上昇動作する。
作業機用制御弁120がダウン位置120bに位置されると、作業機用油圧シリンダ121のシリンダ室121Bの圧油が油路36、作業機用制御弁120を経由してタンク9に排出される。このため、作業機用油圧シリンダ121のロッドが縮退方向に移動し、作業機70のフォーク72がダウン方向に下降動作する。
なお、分流油路32内の圧油の圧力がリリーフ弁32の設定圧を超えると、分流油路32内の圧油がリリーフ弁32を経由してタンク9にリリーフされる。
作業機用操作レバー13、113には、作業機用操作レバー13、113の操作量S1、S2を検出する操作検出センサ13a、113aが設けられている。これら操作検出センサ13a、113aの検出操作量S1、S2を示す信号は、コントローラ60に入力される。
ステアリングハンドル14には、ステアリングハンドル14の操作量としての操舵角βを検出する操作検出センサ14aが設けられている。操作検出センサ14aの検出操舵角βを示す信号は、コントローラ60に入力される。
操舵輪81には、操舵輪81の転舵角αを検出する転舵角検出センサ81aが設けられている。転舵角検出センサ81aの検出転舵角αを示す信号は、コントローラ60に入力される。
コントローラ60は、入力されたセンサ13a、113a、14a、81aの検出信号S1、S2、β、αに基づいて、速度指令信号を生成し、生成した速度指令信号を電動モータ1Mに出力して、電動モータ1Mの回転数を制御する。
以下、図4以下の図面を併せ参照してコントローラ60で行なわれる処理について説明する。
まず、コントローラ60に記憶、設定されておかれるデータテーブルの内容について説明する。データテーブルには、油圧ポンプ2から吐出されるべき流量がステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γ、あるいは作業機用操作レバー13、113の操作量Sに対応づけられて記憶、設定されている。なお、コントローラ60では、入力された操作検出センサ14aの検出信号β若しくは転舵角検出センサ81aの検出信号αに基づき、これらを微分処理するなどしてステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γが求められる。
また、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γを、直接センサにて検出する実施も可能である。
作業機用操作レバー13、113の操作量Sは、それぞれのレバー操作量S1、S2のうち高いほうの値を選択してもよく、操作量S1、S2の合計値であってもよく、操作量S1、S2の平均値であってもよい。
図4は、ステアリング機構80単独操作時においてステアリング用制御弁4に供給すべき流量Qのデータテーブルの内容を示している。図4は、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γと、油圧ポンプ2からステアリング用制御弁4に供給すべき流量Qとの対応関係L0を示している。対応関係L0は、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γの大きさにかかわりなく、一定の流量Q0の圧油が油圧ポンプ2からステアリング用制御弁4側に供給されるような関係に設定されている。たとえばステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γが小さい値γAを示すときの流量と大きい値γBを示すときの流量は同じ値Q0である。
図5(a)は、ステアリング機構80と作業機70の同時操作時においてステアリング用制御弁4に供給すべき第1の流量Q1のデータテーブルの内容を示している。図5(a)は、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γと、油圧ポンプ2からステアリング用制御弁4に供給すべき第1の流量Q1との対応関係L1を示している。この第1の流量Q1は、ステアリング機構80と作業機70の同時操作時に後述の第2の流量Q2に加算すべき流量のことである。対応関係L1は、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γが増加するに伴って、油圧ポンプ2から吐出される流量が増加するような関係に設定されている。たとえば、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γが小さい値γAのときに油圧ポンプ2から吐出される流量をQAとし、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γが大きい値γBのときに油圧ポンプ2から吐出される流量をQBとすると、QA<QBなる関係が成立する。図5(a)に示す対応関係L1は、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γの増加に比例して、油圧ポンプ2からステアリング用制御弁4に供給すべき第1の流量Q1が増加するという対応関係である。しかし、図5(b)に示すように、ステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γの増加に対応して、油圧ポンプ2からステアリング用制御弁4に供給すべき第1の流量Q1が階段状に増加するような対応関係L1であってもよい。
図6は、作業機用制御弁20、120に供給すべき第2の流量Q2のデータテーブルの内容を示している。図6は、作業機用操作レバー13、113の操作量Sと、油圧ポンプ2から作業機用制御弁20、120に供給すべき第2の流量Q2との対応関係L2を示している。対応関係L2は、作業機用操作レバー13、113の操作量Sが増加するに伴って、油圧ポンプ2から吐出される流量Q2が増加するような関係に設定されている。たとえば、作業機用操作レバー13、113の操作量Sが所定値Scのときに油圧ポンプ2から吐出される流量はQCとなる。
図7は、実施例の処理手順を示すフローチャートである。
まず、入力された操作検出センサ13a、113a、14aの検出信号S1、S2、βに基づいて、作業機70とステアリング機構80の両方が同時に操作されているか否かが判断される。ここで、「作業機70が操作されている場合」とは、作業機用操作レバー13、113のうち少なくとも一方が中立位置から操作された場合をいうものとする。「作業機70が操作されていない場合」とは、作業機用操作レバー13、113の両方が中立位置に保持されている場合をいうものとする。「ステアリング機構80が操作されている場合」とは、ステアリングハンドル14が中立位置に保持されている場合をいうものとする。なお、操作検出センサ14aの検出結果の代わりに、転舵角検出センサ81aの検出結果を用いてステアリングハンドル14が操作されたことを判断してもよい(ステップ201)。
作業機70とステアリング機構80の両方が同時に操作されていないと判断された場合には(ステップ201の判断N)、つぎに、ステアリング機構80が単独に操作されているか、あるいは作業機70が単独で操作されているかが判断される(ステップ202)。この結果、ステアリング機構80が単独で操作されていると判断された場合には、図4に示す対応関係L0に基づいて、現在のステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γに対応する流量Q、つまり一定流量Q0が読み出される。そして、電動モータ1Mに対して、油圧ポンプ2から一定流量Q0の圧油を吐出させるに必要な速度指令信号が出力される。これにより電動モータ1Mの回転速度が制御されて、油圧ポンプ2から一定流量Q0の圧油が吐出される(ステップ203)。
一方、ステップ202の判断の結果、作業機70が単独で操作されていると判断された場合には、図6に示す対応関係L2に基づいて、現在の作業機用操作レバー13、113の操作量Sに対応する第2の流量Q2が読み出される。そして、電動モータ1Mに対して、油圧ポンプ2から第2の流量Q2の圧油を吐出させるに必要な速度指令信号が出力される。これにより電動モータ1Mの回転速度が制御されて、油圧ポンプ2から第2の流量Q2の圧油が吐出される(ステップ204)。
ステップ201において、作業機70とステアリング機構80の両方が同時に操作されていると判断された場合には(ステップ201の判断Y)、つぎに、図6に示す対応関係L2に基づいて、現在の作業機用操作レバー13、113の操作量Sに対応する第2の流量Q2が読み出される(ステップ205)。
つぎに、図5(a)または図5(b)に示す対応関係L1に基づいて、現在のステアリングハンドル14の操作速度若しくは操舵輪81の転舵角速度γに対応する第1の流量Q1が読み出される(ステップ206)。
つぎに、ステップ205において読み出された第2の流量Q2に、ステップ206において読み出された第1の流量Q1を加算した合計流量QTを油圧ポンプ2から吐出させるに必要な速度指令が生成される。そして、電動モータ1Mに対して、油圧ポンプ2から第1の流量Q1が第2の流量Q2に加算された合計流量QTの圧油を吐出させるに必要な速度指令信号が出力される。これにより電動モータ1Mの回転速度が制御されて、油圧ポンプ2から、第1の流量Q1が第2の流量Q2に加算された合計流量QTの圧油が吐出される(ステップ207)。
図8は、ステアリング機構80単独操作時であって操作速度が遅い場合(速度γA)、スアリング機構80単独操作時であって操作速度が速い場合(速度γA)、作業機70単独操作時(操作量Sc)の場合、ステアリング機構80と作業機70の同時操作時であってステアリング操作速度が遅い場合(ステアリング操作速度あるいは転舵角速度がγA、作業機操作量がSc)、ステアリング機構80と作業機70の同時操作時であってステアリング操作速度が速い場合(ステアリング操作速度あるいは転舵角速度がγB、作業機操作量がSc)それぞれにおける油圧ポンプ吐出流量の大きさを対比して示している。
図9は、第1の流量Q1(QA、QB)が第2の流量Q2(Qc)に加算された合計流量QTを、作業機用操作レバー13、113の操作量Sに対応付けて示した図である。L2は、作業機用操作レバー13、113の操作量Sと作業機70単独操作時における油圧ポンプ吐出流量Q2(Qc)との対応関係であり、L3は、作業機用操作レバー13、113の操作量Sとステアリング操作が遅い場合(ステアリング操作速度あるいは転舵角速度γA)の合計流量QT(Qc+QA)との対応関係であり、L4は、作業機用操作レバー13、113の操作量Sとステアリング操作が速い場合(ステアリング操作速度あるいは転舵角速度γB)の合計流量QT(Qc+QB)との対応関係である。
(実施例のステアリング機構単独操作時)
図8に示すように、ステアリング機構80単独操作時であって、ステアリング操作が遅い場合(速度γA)には、油圧ポンプ2から一定流量Q0が吐出され、そのうち流量QA´がステアリング用油圧シリンダ5に供給される。流量Q0から流量QA´を差し引いた残りの流量の圧油は、タンク9に排出される。
ステアリング機構80単独操作時であって、ステアリング操作が速い場合(速度γB)には、油圧ポンプ2から一定流量Q0が吐出され、そのうち流量QB´がステアリング用油圧シリンダ5に供給される。流量Q0から流量QB´を差し引いた残りの流量の圧油は、タンク9に排出される。
流量QA´、QB´の間には、QA´<QB´なる関係がある。
(実施例の作業機単独操作時)
図8、図9に示すように、作業機用操作レバー13、113を操作量Scにて操作している作業機70単独操作時には、油圧ポンプ2から操作量Scに対応する所定流量Qcが吐出される。ステアリングハンドル14が中立位置に保持されているため、プライオリティ弁6から油路3bに流入した圧油は、ステアリング用制御弁4のポンプポート4Pでブロックされる。このため油圧ポンプ2から吐出された流量Qcの全量がプライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。
(実施例のステアリング機構および作業機の同時操作時)
図8、図9に示すように、ステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が遅い場合(速度γA)には、油圧ポンプ2から第1の流量QAが第2の流量Qcに加算された流量QA+Qcが吐出され、そのうち流量QAとほぼ同量のステアリング単独操作時の流量QA´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。合計流量Qc+QAから流量QA´を差し引いた残りの流量、つまり作業機単独操作時の流量Qcとほぼ同量の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。
ステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が速い場合(速度γB)には、油圧ポンプ2から、第1の流量QBが第2の流量Qcに加算された流量QB+Qcが吐出され、そのうち流量QBとほぼ同量のステアリング単独操作時の流量QB´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。合計流量Qc+QBから流量QB´を差し引いた残りの流量、つまり作業機単独操作時の流量Qcとほぼ同量の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。
つぎに、比較例1、比較例2を挙げて本実施例の効果について説明する。
(比較例1)
図10は、図8に対応させて比較例1を示した図である。図10に示すように、比較例1では、作業機単独操作時と、ステアリング機構および作業機の同時操作時とで、油圧ポンプ2から吐出される流量が同じ流量Qcとなるように制御される。
このためステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が遅い場合(速度γA)には、油圧ポンプ2から流量Qcが吐出され、そのうちステアリング単独操作時の流量QA´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。これにより流量Qcから流量QA´を差し引いた残りの流量Qc−QA´の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。また、ステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が速い場合(速度γB)には、油圧ポンプ2から流量Qcが吐出され、そのうちステアリング単独操作時の流量QB´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。これにより流量Qcから流量QB´を差し引いた残りの流量Qc−QB´の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。
(比較例2)
図11は、図8に対応させて比較例2を示した図である。図11に示すように、比較例2では、ステアリング機構および作業機の同時操作時には、作業機単独操作時の第2の流量Qcにステアリング機構単独操作時の一定流量Q0を加算した流量Qc+Q0が油圧ポンプ2から吐出されるように制御される。
このためステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が遅い場合(速度γA)には、油圧ポンプ2から流量Qc+Q0が吐出され、そのうちステアリング単独操作時の流量QA´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。これにより流量Qc+Q0から流量QA´を差し引いた残りの流量Qc+Q0−QA´の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。また、ステアリング機構80および作業機70の同時操作時であって、ステアリング操作が速い場合(速度γB)には、油圧ポンプ2から流量Qc+Q0が吐出され、そのうちステアリング単独操作時の流量QB´がステアリング操作に必要な流量として、ステアリング用油圧シリンダ5に供給される。これにより流量Qc+Q0から流量QB´を差し引いた残りの流量Qc+Q0−QB´の圧油が、プライオリティ弁6から分流油路31を経由して作業機用制御弁20、120に供給される。
比較例1では、ステアリング操作が速い場合(速度γB)に流量Qc−QB´の圧油が、作業機用制御弁20、120に供給される。これは、本実施例が、同じステアリング操作が速い場合(速度γB)に、作業機単独操作時の流量Qcとほぼ同量の圧油を作業機用制御弁20、120に供給できるのに比較して、明らかに流量が不足することになる。このように、ステアリング機構および作業機の同時動作時に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される流量が不足すると、作業機70が緩慢にしか動作しなくなり、作業効率が損なわれるという問題が起きるおそれがある。しかも、流量不足によって上述した「積荷前傾時の真空現象」が発生するおそれがある。このためチルトロック弁90を設けることで、対処せざるを得なくなり、コスト上昇を招くおそれがある。
これに対して本実施例では、ステアリング機構80および作業機70の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機70が単独で動作している場合の流量に比べて、不足することがない。よって、作業効率が損なわれたり、「積荷前傾時の真空現象」が発生することを回避できる。またチルトロック弁90の配設が不要となり、コストが低減する。
比較例2では、ステアリング操作が遅い場合(速度γA)に流量Qc+Q0−QA´の圧油が、作業機用制御弁20、120に供給される。これは、本実施例が、同じステアリング操作が遅い場合(速度γA)に、作業機単独操作時の流量Qcとほぼ同量の圧油を作業機用制御弁20、120に供給できるのに比較して、明らかに流量が過剰となる。このように、ステアリング機構および作業機の同時動作時に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される流量が過剰となると、オペレータの意に反して作業機70が急作動する挙動を示し、積荷がバランスを崩したりオペレータにショックを与えたりするという問題が起きるおそれがある。
これに対して本実施例では、ステアリング機構80および作業機70の両方が同時に動作する場合に、作業機用油圧アクチュエータ側に供給される圧油の流量が、作業機70が単独で動作している場合の流量に比べて、過剰となることがない。よって、オペレータの意に反して作業機70が急作動する挙動を示したり、積荷がバランスを崩したりオペレータにショックを与えたりすることを回避できる。
以上の説明では、油圧ポンプ2を駆動する駆動手段は、バッテリ1Bなどの蓄電器と、この蓄電器から供給された電力によって駆動される電動モータ1Mとからなるものとして説明した。しかし、本発明としては、油圧ポンプ2から吐出される圧油の流量を制御することができるものであれば、駆動手段の構成は任意である。たとえばエンジンを使用する実施も可能であり、またエンジンと電動モータをハイブリッドで使用する実施も可能である。
また、以上の説明では、プライオリティ弁6は、ステアリング用制御弁4の前後差圧が設定値になるように油圧ポンプ2の吐出圧油をステアリング用制御弁4に供給する弁として説明したが、かかるロードセンシング制御の機能を省略した実施も可能である。すなわち、少なくとも、油圧ポンプ2の吐出圧油をステアリング用制御弁4に供給するとともに、作業機用制御弁20、120側に分流する分流弁として機能する弁であればよい。
また、以上の説明では、作業機単独操作時と、ステアリング機構および作業機の同時操作時とで、ステアリング用制御弁4に供給すべき流量の対応関係をL0からL1に変えるようにしているが、作業機単独操作時と、ステアリング機構および作業機の同時操作時とで、共通の対応関係L1を用いる実施も可能である。
図1は、従来技術を説明する図で、フォークリフトに搭載された油圧回路を例示した図である。 図1は、従来技術を説明する図で、フォークリフトに搭載された他の油圧回路を例示した図である。 図3は、実施例のステアリングおよび作業機の駆動制御用油圧回路を示した図である。 図4は、ステアリング機構単独操作時においてステアリング用制御弁側に供給すべき流量のデータテーブルの内容を示した図である。 図5(a)、(b)は、ステアリング機構と作業機の同時操作時においてステアリング用制御弁側に供給すべき第1の流量のデータテーブルの内容を示した図である。 図6は、作業機用制御弁側に供給すべき第2の流量のデータテーブルの内容を示した図である。 図7は、実施例の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、実施例の各場合におけるポンプ吐出流量を対比して示した図である。 図9は、第1の流量と第2の流量を加算した合計流量を、作業機用操作レバーの操作量に対応付けて示した図である。 図10は、比較例1の各場合におけるポンプ吐出流量を対比して示した図である。 図11は、比較例2の各場合におけるポンプ吐出流量を対比して示した図である。
符号の説明
2 油圧ポンプ、 4 ステアリング用制御弁、 5 ステアリング用油圧シリンダ、 6、プライオリティ弁、 20、120 作業機用制御弁、 21、121 作業機用油圧シリンダ

Claims (3)

  1. 操舵輪を作動させるためのステアリング操作に応じて操舵輪を駆動制御するとともに、作業機を作動させるための作業機操作に応じて作業機を駆動制御する油圧回路が備えられた作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置であって、
    圧油を吐出する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプを駆動する駆動手段と、
    操舵輪を作動させるステアリング用油圧アクチュエータと、
    作業機を作動させる作業機用油圧アクチュエータと、
    ステアリング操作に応じた流量の圧油が前記ステアリング用油圧アクチュエータに供給されるように動作するステアリング用制御弁と、
    作業機操作に応じた流量の圧油が前記作業機用油圧アクチュエータに供給されるように動作する作業機用制御弁と、
    ステアリング操作を行なうステアリング操作手段と、
    作業機操作を行なう作業機操作手段と、
    ステアリング操作が行なわれたことを検出するステアリング操作検出手段と、
    作業機操作が行なわれたことを検出する作業機操作検出手段と、
    前記油圧ポンプと前記ステアリング用制御弁との間に設けられ、前記油圧ポンプの吐出圧油を前記ステアリング用制御弁に供給するとともに、前記作業機用制御弁側に分流する分流弁と、
    前記ステアリング操作手段の操作速度若しくは前記操舵輪の転舵角速度の増加に応じて、前記油圧ポンプから前記ステアリング用制御弁に供給すべき第1の流量が増加する対応関係が予め設定された設定手段と、
    前記ステアリング操作検出手段と前記作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、作業機操作のみが行なわれたことが検出された場合には、前記作業機用制御弁側に必要な第2の流量の圧油が前記油圧ポンプから吐出されるように、前記駆動手段を制御するとともに、
    前記ステアリング操作検出手段と前記作業機操作検出手段の検出結果に基づいて、ステアリング操作と作業機操作の両方が同時に行なわれたことが検出された場合には、現在のステアリング操作手段の操作速度若しくは前記操舵輪の転舵角速度に対応する第1の流量に対して、前記第2の流量を加算した流量の圧油が前記油圧ポンプから吐出されるように、前記駆動手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置。
  2. 前記駆動手段は、蓄電器と、この蓄電器から供給された電力によって駆動される電動モータとからなること
    を特徴とする請求項1記載の作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置。
  3. 前記分流弁は、
    前記油圧ポンプと前記ステアリング用制御弁との間に設けられ、前記ステアリング用制御弁の前後差圧が設定値になるように前記油圧ポンプの吐出圧油を前記ステアリング用制御弁に供給するとともに、前記作業機用制御弁側に分流するプライオリティ弁であること
    を特徴とする請求項1記載の作業車両のステアリングおよび作業機の制御装置。
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