JP2008168789A - 操舵操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステアリングシャフト12に回転トルクを付与する電動モータ20を兼用して簡易な構成でテレスコピック機能を追加する。
【解決手段】 ステアリングシャフト12先端の中空円筒部12a内に電動モータ20のロータ23を螺合する。ロータ23の外周面およびステアリングシャフト12の外周面にまたがってスプライン嵌合するスリーブ55を設ける。スリーブ55が第1位置に位置するときには、ロータ23とステアリングシャフト12とが相対回転不能となり両者一体的に回転する。ソレノイド51に通電するとスリーブ55が第2位置に移動し、ロータ23はスリーブ55との嵌合が解除され、ステアリングシャフト12はストッパ55bにより回転規制される。従って、螺子送りによりロータ23の回転がステアリングシャフト12の軸方向変位に変換される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両等の操舵操作装置に関し、特に、ハンドル操作により回転するステアリングシャフトに対して電動モータにより回転トルクを付与する操舵操作装置に関する。
従来から、ハンドル操作により回転するステアリングシャフトに電動モータを連結し、この電動モータによりステアリングシャフトに回転トルクを付与するようにした操舵操作装置が知られている。例えば、特許文献1に提案されたものでは、1つの電動モータで、パワーアシスト、テレスコピック、チルトの3つの動作を切り替えて行うようにしている。このものでは、ロアシャフト、中間シャフト、アッパシャフトとからなるステアリングシャフトと、遊星ギヤと、チルト駆動用シャフトと、コラムサポートハウジングと、3組の電磁クラッチとを備える。そして、パワーアシスト時には、第1電磁クラッチを作動させてモータ出力軸とロアシャフトとを接続し、テレスコピック操作時には、第3電磁クラッチを作動させてコラムサポートハウジングを軸方向に移動させ、チルト操作時には、第2電磁クラッチを作動させるとともに第3電磁クラッチを半通電状態にしてアッパシャフトを回転させる。
特開平5−39043号
しかしながら、上述の特許文献1に提案されたものでは、3つの動作を1つの電動モータにて行ってはいるものの、電動モータの駆動力伝達経路を切り替えるための電磁クラッチが各動作ごとに必要となる。つまり、各動作それぞれに対応したパワーアシスト用電磁クラッチ、テレスコピック用電磁クラッチ、チルト用電磁クラッチが必要となる。
電動モータによりステアリングシャフトに回転トルクを付与する操舵操作装置としては、パワーステアリング装置だけでなく、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置にも適用される。ステアリングバイワイヤ方式においては、運転者の行う操舵操作に対して適切な操舵手ごたえ感覚を与える必要があり、ハンドル操作とは反対方向に回転トルクを付与する反力発生用モータが設けられる。
こうしたステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、反力発生用モータを兼用してテレスコピック動作を行う技術は知られていないが、例えば、上記特許文献1に提案された技術を参考に実施しようとしても、複数の電磁クラッチや遊星ギヤ等が必要となる。従って、操舵操作装置の構成が複雑になるとともに、コストアップ、大型化を招くことになる。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、ステアリングシャフトに回転トルクを付与する電動モータを兼用して簡易な構成でテレスコピック機能を追加することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルに連結されるステアリングシャフトと、車体に固定され上記ステアリングシャフトに対して回転トルクを付与する電動モータとを備えた操舵操作装置において、上記電動モータにより回転駆動される駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの何れか一方に雄螺子を他方に雌螺子を形成し、上記雄螺子と上記雌螺子とを螺合して上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとを相対回転可能で、かつ、上記ステアリングシャフトを軸方向にスライド可能に支持するとともに、第1位置と第2位置とに切り替え可能で、上記第1位置においては上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの相対回転を規制し、上記第2位置においては上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの相対回転を許容するとともに上記ステアリングシャフトの車体に対する回転を規制する相対回転規制部材を備えたことにある。
上記のように構成した本発明においては、電動モータにより回転駆動される駆動シャフトとステアリングシャフトとが相対回転可能に螺合し、かつ、ステアリングシャフトが軸方向にスライド可能に支持される。そして、相対回転規制部材が第1位置と第2位置とに切替可能に設けられる。相対回転規制部材は、第1位置に位置するときに駆動シャフトとステアリングシャフトとの相対回転を規制する。従って、この第1位置においては、電動モータの作動により駆動シャフトが回転すると、それに合わせてステアリングシャフトが駆動シャフトと一体的に軸回りに回転する。この結果、電動モータの回転トルクがステアリングシャフトを回転させるように働く。
相対回転規制部材は、第2位置に位置するときに駆動シャフトとステアリングシャフトとの相対回転を許容するとともにステアリングシャフトの車体に対する回転を規制する。従って、この第2位置においては、電動モータの作動により駆動シャフトが回転すると、ステアリングシャフトは軸回りに回転しないが、駆動シャフトとステアリングシャフトにおける雄螺子と雌螺子との螺合により、駆動シャフトの回転力がステアリングシャフトの軸方向の変位力に変換される。つまり、雄螺子と雌螺子との螺合、および、ステアリングシャフトの回転規制により、ステアリングシャフトを軸方向に変位させる螺子送り機構が構成される。従って、ステアリングシャフトに連結した操舵ハンドルの位置が軸方向に変化してテレスコピック動作する。
この結果、相対回転規制部材の位置を切り替えるといった簡単な構成により、1つの電動モータを兼用してステアリングシャフトへの回転トルクの付与とテレスコピック動作とを行うことができる。従って、操舵操作装置のコストアップと大型化を抑えてテレスコピック機能を追加することができる。
本発明の他の特徴は、上記駆動シャフトは、その外周面に軸方向に沿って形成される溝または凸体からなる第1被嵌合部を備え、上記ステアリングシャフトは、その外周面に軸方向に沿って形成される溝または凸体からなる第2被嵌合部を備え、上記相対回転規制部材は、上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの両方にまたがってそれらの外周面に軸方向にスライド可能に設けられ、上記第1位置において上記第1被嵌合部と上記第2被嵌合部との両方に嵌合し上記第2位置にまでスライド移動したときに上記第2被嵌合部との嵌合状態を維持しつつ上記第1被嵌合部との嵌合を解除するスライド嵌合部と、上記第2位置にまでスライド移動したときに車体に固定された固定部に当接する当接部とを備えることにある。
この発明においては、駆動シャフトに第1被嵌合部を備え、ステアリングシャフトに第2被嵌合部を備える。これらの被嵌合部は、どちらも軸方向に形成される溝または凸体から構成される。相対回転規制部材は、駆動シャフトとステアリングシャフトとの両方にまたがってそれらの外周面に軸方向にスライド可能に設けられる。相対回転規制部材は、スライド嵌合部を備える。このスライド嵌合部は、相対回転規制部材が第1位置に位置するとき、第1被嵌合部と第2被嵌合部との両方に嵌合する。つまり、スライド嵌合部は、第1被嵌合部と第2被嵌合部に形成される溝または凸体とスライド可能に嵌合する凸体または溝を備え、第1位置においては、この溝と凸体とにより第1被嵌合部と第2被嵌合部との両方に嵌合する。従って、電動モータの作動により駆動シャフトが回転すると、それに合わせてステアリングシャフトが駆動シャフトと一体的に軸回りに回転する。
相対回転規制部材を第2位置にまでスライド移動させると、スライド嵌合部は、第2被嵌合部との嵌合状態を維持しつつ第1被嵌合部との嵌合を解除する。相対回転規制部材は、当接部を備え、この第2位置において当接部が車体に固定された固定部に当接する。この当接部の固定部への当接により相対回転規制部材自身の回転が規制される。当接部の固定部への当接は、相対回転規制部材の回転を規制できるものであればどのようなものでもよい。例えば、凹凸の嵌め合わせによる嵌合、モータ回転方向の面接触による係合、モータ軸方向の面押圧接触による回転止めなど、色々な構成を採用することができる。
この第2位置においては、相対回転規制部材自身の回転が当接部により規制されるため、相対回転規制部材に嵌合するステアリングシャフトも回転規制されることになる。従って、電動モータの作動により駆動シャフトが回転すると、操舵シャフトとステアリングシャフトにおける雄螺子と雌螺子との螺合により、駆動シャフトの回転力がステアリングシャフトの軸方向の変位力に変換される。こうして、ステアリングシャフトを軸方向に変位させる螺子送り機構が構成される。従って、ステアリングシャフトに連結した操舵ハンドルの位置が軸方向に変化してテレスコピック動作する。
このように、本発明によれば、相対回転規制部材をスライド移動させることにより駆動シャフトとステアリングシャフトとの間の力伝達状態を切り替えることができる。このため、非常に簡単な構成でステアリングシャフトへの回転トルクの付与とテレスコピック動作との切り替えを行うことができ、操舵操作装置のコストアップと大型化を抑えることができる。
本発明の他の特徴は、上記相対回転規制部材を上記第1位置と第2位置とに切替可能にスライド移動させる電動アクチュエータを備えたことにある。
この発明によれば、動作モードを電動にて切り替えることができるため使い勝手がよくなる。
本発明の他の特徴は、上記駆動シャフトは、上記電動モータのロータであり、上記相対回転規制部材は、上記電動モータのハウジング内に設けられることにある。
また、この場合、上記電動アクチュエータは、上記電動モータのハウジング内に設けられることにある。
この発明によれば、電動モータのロータとステアリングシャフトとを連結するため、相対回転規制部材、更には電動アクチュエータを電動モータのハウジング内に収めることができ、装置全体をシンプルにまとめることができる。また、装置の小型化を図ることができる。
本発明の他の特徴は、所定の操作により上記電動アクチュエータへの通電を指示するテレスコピック操作スイッチを備え、上記相対回転規制部材は、通常時においては上記第1位置に位置し、上記テレスコピック操作スイッチによる所定操作が行われたときにのみ上記電動アクチュエータの作動により上記第2位置にまでスライドすることにある。
この発明によれば、テレスコピック操作スイッチが操作されていない通常時においては、相対回転規制部材が第1位置に位置しモータ回転トルクがステアリングシャフトに働く状態となる。そして、テレスコピック操作スイッチが操作されると、電動アクチュエータに通電され相対回転規制部材が第2位置にまでスライド移動する。この状態において電動モータが駆動されると、その回転トルクはステアリングシャフトの軸方向の変位力に変換される。これにより、所定のスイッチ操作がなされたときのみテレスコピック動作が行われる。
本発明の他の特徴は、ステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に設けられる操舵操作装置であって、上記電動モータは、通常時においては、操舵ハンドルの操作方向とは反対方向に回転トルクを付与する反力発生用のモータとして使用され、上記テレスコピック操作スイッチによる所定操作が行われたときにのみテレスコピック作動用のモータとして使用されることにある。
この発明によれば、テレスコピック操作スイッチが操作されていない通常時においては、相対回転規制部材が第1位置に位置しモータ回転トルクがステアリングシャフトに働く状態となる。これにより、運転者の行う操作方向とは反対方向の反力トルクが操舵ハンドルに付与され、運転者に対して適切な操舵手ごたえ感覚を与える。テレスコピック操作スイッチによる所定操作が行われると、相対回転規制部材が第2位置にまでスライド移動し、モータ回転トルクがステアリングシャフトの軸方向の変位力に変換される。電動モータは、テレスコピック操作スイッチの操作に応じた方向に回転して操舵ハンドル位置をシャフト軸方向に調整する。この結果、操舵反力発生機能とテレスコピック機能とを1つの電動モータで実現することができ、しかも、簡単な構成にて実施することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る操舵操作装置について図面を用いて説明する。本実施形態に係る車両の操舵操作装置は、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に分離し、操舵ハンドルの操舵操作時に転舵輪側に設けた転舵アクチュエータを電気的に制御して、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵するステアリングバイワイヤ方式を採用した操舵装置に適用したもので、そのうちの運転者により操作される操舵ハンドル側の構成(後述する操舵操作装置10)にかかるものである。
図6は、一実施形態に係る操舵装置の概略構成を表す。
この操舵装置は、運転者によって操作される操舵操作装置10と、左右前輪FW1,FW2を運転者の操作により転舵する転舵装置100とを機械的に分離したステアリングバイワイヤ方式を採用している。操舵操作装置10は、運転者によって回転操作される操作部としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、ステアリングシャフト12の上端に固定され、ステアリングシャフト12はその下端に反力発生用の電動モータ20が連結される。また、電動モータ20のハウジング内には、後述する動作モードを切り替えるソレノイド51が設けられる。
また、転舵装置100は、転舵用アクチュエータとしての電動モータ101を備えている。この電動モータ101は、減速機構を内蔵しており、その出力軸102にはラックバー103に噛み合うピニオンギヤ104が固定される。ラックバー103の両端には、左右前輪FW1,FW2が転舵可能に連結されている。従って、電動モータ101を回転駆動することにより、ラックバー103がその軸線方向に変位し、このラックバー103の変位により左右前輪FW1,FW2が左右に転舵される。
操舵装置は、操舵操作装置10の電動モータ20、転舵装置100の電動モータ101とソレノイド51を駆動制御する電気制御装置120を備える。電気制御装置120は、操舵角センサ121、転舵角センサ122、車速センサ123、電流センサ124,125を備えている。操舵角センサ121は、ステアリングシャフト12に組み付けられ操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θを表す検出信号を出力する。転舵角センサ122は、ラックバー103のハウジング(図示略)に組み付けられて、ラックバー103の基準位置からの軸線方向の変位量を検出して転舵角δを表す検出信号を出力する。車速センサ123は、車両の走行速度を検出して車速vを表す検出信号を出力する。電流センサ124,125は、電動モータ20,101を駆動する駆動回路126,127内にそれぞれ組み込まれて、電動モータ20,101の駆動電流をそれぞれ検出する。
これらセンサ121〜125の検出信号は、マイクロコンピュータを主要部として構成される電子制御ユニット127に出力される。電子制御ユニット127は、操舵角θと目標転舵角δ*とを対応付けた目標転舵角マップ、および、操舵角θと目標操舵反力T*とを対応付けた目標反力マップをそれぞれ記憶している。これら2つのマップは、図7、図8に示すように、ともに操舵角θの大きさ(|θ|)の増加にしたがって目標転舵角δ*、目標操舵反力T*の大きさが増加するように設定されている。尚、操舵反力は、運転者の操舵操作方向とは反対方向に回転トルクを付与して運転者に対して手ごたえを与えるものである。
電子制御ユニット127は、イグニッションスイッチ(図示略)がオンされている期間において、制御プログラムにしたがって転舵角および操舵反力を制御する。転舵角の制御は、例えば、操舵角センサ121により検出された操舵角θに対応する目標転舵角δ*を目標転舵角マップから算出し、転舵角センサ122により検出された実際の転舵角δと目標転舵角δ*との偏差(δ*−δ)に応じたモータ制御信号(例えばPWM制御信号)を駆動回路127に出力することにより、転舵角δを目標転舵角δ*に一致させる。
また、操舵反力の制御は、操舵角センサ121により検出された操舵角θに対応する目標操舵反力T*を目標反力マップから算出し、目標操舵反力T*に対応する目標電流が電動モータ20に流れるように、電流センサ124の検出電流値をフィードバックさせて駆動回路126にモータ制御信号(例えばPWM制御信号)を出力することにより行う。このようにして、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、運転者の行ったハンドル操作に応じて、転舵輪F1W,FW2を転舵するとともに、操舵ハンドル11に適切な反力トルクを付与する。
また、電気制御装置120は、テレスコピック操作スイッチを60備えている。このテレスコピック操作スイッチ60(以下、テレスコスイッチ60と呼ぶ)は、例えば、ハンドルコラム位置に設けられる。テレスコスイッチ60は、3つの端子T0,T1,T2を有するセレクタースイッチで、何も操作しない状態においてはバネ等により操作子61が中央位置に付勢され、3つの端子T0,T1,T2が全て開放されるオープン位置となる。また、操作子61を所定方向(例えば、手前側)に倒したときにのみ端子T0と端子T1とが導通するテレスコ前進位置となり、操作子61を逆方向に倒したときにのみ端子T0と端子T2とが導通するテレスコ後退位置となる。
このテレスコスイッチ60の状態信号は、電子制御ユニット127に出力される。電子制御ユニット127は、テレスコスイッチ60の状態信号を読み取り、イグニッションスイッチ(図示略)がオン状態で車速vが所定速度以下(例えば、0km/h)のときに、テレスコスイッチ60の操作を有効な操作として判断する。電子制御ユニット127は、テレスコスイッチ60がテレスコ前進位置への操作であれば、電動モータ20とソレノイド51との協調制御により操舵ハンドル11を運転者側に前進させ、テレスコスイッチ60がテレスコ後退位置への操作であれば、電動モータ20とソレノイド51との協調制御により操舵ハンドル11を運転者側から離れる方向(車両前方側)に後退させる。このテレスコ作動時においては、上述した操舵反力制御は中断される。この電動モータ20とソレノイド51との動作については後述する。
次に、操舵操作装置10について説明する。図1は、操舵操作装置10の概略構成を表す断面図(車両側面から視た断面図)であり、操舵角センサ121については図示省略している。
操舵操作装置10は、操舵ハンドル11と、操舵ハンドル11により回転するステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12に対して回転トルクを付与する電動モータ20と、電動モータ20のハウジング21内に設けられ回転トルクの伝達経路を切り替える切替装置50とを備える。切替装置50は、ソレノイド51と後述する相対回転規制部材としてのスリーブ55とからなる。
電動モータ20のハウジング21(以下、モータハウジング21と呼ぶ)は、ブラケット(図示略)を介して車体に固定される。モータハウジング21は、ロータ23を回転可能に支持するロータ支持ハウジング部21aと、ロータ23に回転トルクを発生させるモータ機能部および切替装置50が内蔵される主ハウジング部21bとからなる。主ハウジング部21bは、その一部が径方向に拡がってソレノイド51の設置室21cとなっている。
主ハウジング部21bの開口部は、シャフトハウジング22にて塞がれる。このシャフトハウジング22は、ステアリングシャフト12を回転可能でかつ軸方向に移動可能に支持するシャフト支持円筒部22aと、シャフト支持円筒部22aの一端から曲折して鍔状に外径方向に拡がった蓋部22bとからなり、この蓋部22bが主ハウジング部21bに対してその開口を塞ぐように固着される。従って、鍔部22bも電動モータ20のハウジングの一部を形成している。
ステアリングシャフト12は、その車両後方側先端に操舵ハンドル11が固定され、車両前方側先端に電動モータ20のロータ23との連結部となる中空円筒部12aが形成される。ステアリングシャフト12の中間部分は、シャフトハウジング22にて支持される部分となる。尚、操舵操作装置10は、ステアリングシャフト12における操舵ハンドル11側が上方となるように斜めに設置される。
シャフト支持円筒部22aの内周面には、軸方向に長く延びたスプライン嵌合用の溝22cが周方向に所定の間隔で形成される。このシャフト支持円筒部22a内には、円筒状のチューブ13がスプライン嵌合して設けられる。チューブ13の外周面には、シャフト支持円筒部22a内周面に形成した溝22c内にスライド可能に嵌合し軸方向に長く延びた凸条13aが形成される。この凸条13aは、シャフト支持円筒部22aの溝22cに対応する数だけ形成される。溝22cおよび凸条13aは、その断面形状(軸方向に直交する平面で切断した断面形状)が例えば四角形に形成される。こうしてチューブ13は、シャフト支持円筒部22a内に軸方向にスライド可能で、かつ、軸回りに回転不能に設けられる。
ステアリングシャフト12は、このチューブ13に対して2つのベアリング14,15を介して回転可能に支持される。チューブ13の内周面には、その内径寸法に差を設けた2つの異径段部13b,13cが軸方向に所定間隔をあけて形成される。一方の異径段部13bは、ベアリング14の図面右方向への移動を規制し、他方の異径段部13cは、ベアリング15の図面左方向への移動を規制する。また、ステアリングシャフト12には、その外周面に外径寸法に差を設けた異径段部12dが形成され、この異径段部12dによりベアリング14の図面左方向への移動を規制する。そして、ベアリング14をチューブ13の異径段部13bとステアリングシャフト12の異径段部12dとで軸方向に挟むとともに、他方のベアリング15をチューブ13の異径段部13cに当接させた状態でその反対側からステアリングシャフト12にCリング等の止め輪16を嵌めることにより、ステアリングシャフト12がチューブ13に対して軸方向移動不能で回転自在に支持される。従って、ステアリングシャフト12は、シャフトハウジング22に対して軸方向に移動可能、かつ、軸回りに回転可能に支持されることになる。
ステアリングシャフト12の車両前方側となる中空円筒部12aには、その内周面に雌螺子12bが形成される。この中空円筒部12a内には、ロータ23の一端が螺合挿入される。また、中空円筒部12aの外周面には、軸方向に延びたスプライン嵌合用の溝12cが周方向に所定の間隔で形成される。
モータハウジング21の主ハウジング部21bの内周面には、その周方向に沿って電磁コイル24が固定される。この電磁コイル24は、鉄心を形成する複数のティースにコイルを巻回したもので駆動回路126(図6参照)から出力された駆動電流が供給される。本実施形態においては、駆動回路126としてバッテリの直流電源を3相交流電源に変換するインバータを採用し、このインバータから供給される駆動電流により電磁コイル24に回転磁界を発生させる。従って、この主ハウジング部21bと電磁コイル24とにより電動モータ20のステータを構成する。
モータハウジング21内には、電磁コイル24に囲まれてロータ23が設けられる。ロータ23は、その一端がステアリングシャフト12に螺合され、他端がロータ支持ハウジング部21aにベアリング17を介して回転自在に支持される。ロータ23は、電磁コイル24と向かい合う部分が大径部23aとなり、大径部23aの外周面に永久磁石26が周方向に所定間隔で貼付されている。各磁石26は、ロータ23の軸方向に平行に延設される。
この磁石26は、ロータ23の半径方向に磁化されており、その磁性は隣り合う磁石同士が互いに異なる磁極となっている。例えば、1つの磁石26の外周面がN極である場合には、その隣の磁石26は外周面がS極となるように配列される。電動モータ20は、こうしたステータとロータ23とを備えることにより、例えば、3相同期式永久磁石モータ(ブラシレスモータ)を構成する。
ロータ23の一端は、ステアリングシャフト12の中空円筒部12a内に挿入される小径部23bとなり、その外周面に、中空円筒部12aの内周面に形成した雌螺子12bと螺合する雄螺子23cが形成されている。この雌螺子12bと雄螺子23cとは、ステアリングシャフト12とロータ23との相対回転運動を妨げないように緩く螺合されるものであって、相対回転不能にきつく嵌められるものではない。こうしてロータ23とステアリングシャフト12とは、同一軸線上に相対回転可能な螺合状態で連結される。
ロータ23は、永久磁石26が設けられる大径部23aと、雄螺子23cが形成される小径部23bとの間に中径部23dを備える。この中径部23dの外径は、小径部23bの外径よりも大きく、ステアリングシャフト12の中空円筒部12aの外径と略等しい。中径部23dの外周面には、軸方向に延びたスプライン嵌合用の溝23eが周方向に所定の間隔で形成される。この中径部23d外周面に形成される各溝23eは、ステアリングシャフト12の中空円筒部12aの外周面に形成される各溝12cとその断面形状(軸方向に対して直交する平面により切断される溝断面形状)が同一であり、しかも、ロータ23とステアリングシャフト12とを軸回り方向に所定の相対回転位置に配置したとき、両者の全ての溝23e,12cの開口端が互いに向かい合い、その向かい合う溝23e,12cが一直線上に配置されるように形成される。以下、ロータ23の中径部23d外周面に形成される溝23eをロータ側溝23eと呼び、ステアリングシャフト12の中空円筒部12a外周面に形成される溝12cをシャフト側溝12cと呼ぶ。
このロータ23の中径部23dとステアリングシャフト12の中空円筒部12aとにまたがって、それらの外周面に軸方向にスライド可能なスリーブ55が設けられる。このスリーブ55は、本発明における相対回転規制部材に相当するものである。スリーブ55は、スライド嵌合部55aと、スライド嵌合部55aの一端から外径方向に延びて形成されるストッパ55bとを備える。
スライド嵌合部55aは、ロータ23の中径部23dとステアリングシャフト12の中空円筒部12aとが挿通可能な大きさの挿通孔を形成した中空円筒状をなす。スライド嵌合部55aの内周面には、ロータ側溝23eとシャフト側溝12cとの両方にまたがってスプライン嵌合可能な凸条55cが軸方向に延びて形成される。この凸条55cは、ロータ側溝23eおよびシャフト側溝12cと同じ周方向間隔で複数形成される。ロータ側溝23e、シャフト側溝12c、凸条55cは、その断面形状が例えば四角形に形成される。
スリーブ55は、例えば、ステアリングシャフト12とロータ23とを分離した状態で、スライド嵌合部55aをステアリングシャフト12に同軸上に向かい合わせ、スライド嵌合部55aの凸条55cをシャフト側溝12c内に軸方向に挿入することで中空円筒部12a外周面にスライド可能に嵌められる。そして、この状態でステアリングシャフト12の雌螺子12bにロータ23の雄螺子23cを螺合するとともに、シャフト側溝12cとロータ側溝23eとが一直線上になるように両方の相対回転角度をあわせて、スリーブ55をロータ23側にスライド移動させることで、スライド嵌合部55aがステアリングシャフト12とロータ23との両方にまたがってスプライン嵌合する。
スリーブ55は、その軸方向のスライド位置に応じて、ロータ側溝23eに嵌合する状態と嵌合しない状態とに切り替わる。つまり、スリーブ55を図面左側にスライドさせると、スライド嵌合部55aの凸条55cは、ロータ側溝23eとシャフト側溝12cとの両方に嵌合し、スリーブ55を図面右側にスライドさせると、スライド嵌合部55aの凸条55cは、ロータ側溝23eから脱出してシャフト側溝12cのみと嵌合した状態となる。
スリーブ55の端部に設けられるストッパ55bは、スリーブ55が図面右方向にスライド移動したときに、シャフトハウジング22の蓋部22bに当接してスリーブ55の回転を規制するもので本発明の当接部に相当する。本実施形態においては、このストッパ55bは、スライド嵌合部55aの一端から外径方向に延びた1本の棒状体で、シャフトハウジング22の蓋部22bに形成した溝22d内に嵌合可能な形に形成される。
この蓋部22bに形成される溝22dは、本実施形態においては所定角度間隔で放射方向に複数形成するが、必ずしも複数形成する必要はなく1本でもよい。また、ストッパ55bを放射方向に向けて複数本設けてもよい。更に、ストッパ55bを円盤状に形成して円盤面を蓋部22bに押し当てて、その当接面の摩擦によりスリーブ55の回転を規制するようにしてもよい。尚、このストッパ55bの嵌る溝22dを形成したシャフトハウジング22が、本発明の車体に固定された固定部に相当するものである。
ステアリングシャフト12は、スリーブ55のスライド位置に応じて、ロータ23の回転に対する動作が異なる。スリーブ55が図面左側に位置するときには、スライド嵌合部55aの凸条55cがロータ側溝23eとシャフト側溝12cの両方に嵌合する。従って、この状態において電動モータ20に通電されると、ロータ23とステアリングシャフト12とは一体的に軸回りに回転する。
一方、スリーブ55が図面右側に位置するときには、スライド嵌合部55aの凸条55cとロータ側溝23eとの嵌合が解除されるとともに、ストッパ55bがシャフトハウジング22の溝22d内に嵌合する。従って、この状態において電動モータ20に通電されると、ステアリングシャフト12の回転が規制されているため、ロータ23の雄螺子23cとステアリングシャフト12の雌螺子12bとの螺合により、ロータ23の回転トルクがステアリングシャフト12の軸方向の変位力に変換される。つまり、雄螺子23cと雌螺子12bとの螺合、および、ストッパ55bによるステアリングシャフト12の回転規制により、ステアリングシャフト12を軸方向に直進運動させる螺子送り機構が構成される。従って、ステアリングシャフト12に連結した操舵ハンドル11の位置が軸方向に変化してテレスコピック動作する。
ソレノイド51は、このスリーブ55のスライド移動を行う電動アクチュエータとしてモータハウジング21内に設けられる。このソレノイド51は、可動鉄心51aをロータ軸方向と平行に向けて備え、電子制御ユニット127からコイル51bに通電されることにより可動鉄心51aを吸引する。可動鉄心51aは、コイル51bに通電されないときには、バネ51cにより図面左方向に突出するように付勢されている。可動鉄心51aの先端には、ロータ23の中心軸方向に向けて延びた作動アーム51dが固着される。
スリーブ55のスライド嵌合部55aの外周面には、周方向に環状溝55dが形成される。そして、この環状溝55d内に作動アーム51dの先端が挿入される。従って、ソレノイド51を作動させることにより、スリーブ55を軸方向に進退移動させることができるように構成されている。この作動アーム51dは、スリーブ55の回転を邪魔しないように環状溝55d内に遊びを持って挿入される。
次に、操舵操作装置10に動作について説明する。
電子制御ユニット127は、テレスコスイッチ60が操作されてない時においては、電動モータ20を操舵反力発生用モータとして機能させる。つまり、上述したように操舵角センサ121により検出された操舵角θに基づいて目標操舵反力T*を設定し、その目標操舵反力T*に対応する目標電流が電動モータ20に流れるようにフィードバック制御する。以下、このときの電子制御ユニット127の行う制御モードを操舵反力制御モードと呼ぶ。
電子制御ユニット127は、この操舵反力制御モードにおいては、ソレノイド51に通電しない。そのため、スリーブ55は、ソレノイド51に連結した作動アーム51dに図面左方向に付勢されて、スライド嵌合部55aがステアリングシャフト12とロータ23との両方にまたがって嵌合した状態となる。以下、この状態におけるスリーブ55の位置を第1位置と呼ぶ。
スリーブ55が第1位置に位置する場合には、電動モータ20への通電(電磁コイル24への通電)によりロータ23に回転トルクが働くと、その回転トルクがスリーブ55を介してステアリングシャフト12に伝達される。ステアリングシャフト12は、回転可能にチューブ13に支持されているため、ロータ23と一体的に回転する。こうして、電動モータ20の作動により、運転者のハンドル操作に対して適切な手ごたえ感覚を与えることができる。
電子制御ユニット127は、イグニッションスイッチ(図示略)のオン状態において、車速センサ123により検出される車速vが所定速度以下か否かを判断し、車速vが所定速度以下であると判断したときのみテレスコスイッチ60の操作を有効な操作として受け付ける。そして、テレスコスイッチ60が操作されていないとき、つまり、3つの端子T0,T1,T2が全て開放されるオープン位置となっているときには、操舵反力制御モードを選択して、電動モータ20を操舵反力発生用として作動させる。
電子制御ユニット127は、車速vが所定速度以下である状態においては、テレスコスイッチ60の操作状態を繰り返し確認し、テレスコ前進位置あるいはテレスコ後退位置に操作されたと判断した場合に、操舵反力制御モードからテレスコ制御モードに切り替える。この場合、テレスコスイッチ60の端子T0と端子T1とが導通しているときにテレスコ前進位置に操作されていると判断し、端子T0と端子T2とが導通しているときにテレスコ後退位置に操作されていると判断する。
電子制御ユニット127は、テレスコ制御モードにおいては、まず、ソレノイド51に通電する。これによりソレノイド51は、可動鉄心51aを吸引して作動アーム51dを図面右方向に移動させる。スリーブ55は、この作動アーム51dに押されて、ストッパ55bがシャフトハウジング22の蓋部22bに当接する位置にまでスライド移動する。この位置においては、スリーブ55のスライド嵌合部55aとロータ23との嵌合が解除される。
電子制御ユニット127は、ソレノイド51によりスリーブ55がステアリングシャフト12側に移動すると、次に、電動モータ20を駆動する。電動モータ20は、テレスコスイッチ60の操作位置(テレスコ前進位置またはテレスコ後退位置)に応じた回転方向に駆動制御される。例えば、テレスコスイッチ60がテレスコ前進位置に操作された場合には正転方向に駆動制御され、テレスコ後退位置に操作された場合には逆転方向に駆動制御される。
この場合、ロータ23は、スリーブ55のスライド嵌合部55aと嵌合していないため、その回転トルクが雄螺子23cと雌螺子12bの螺合部を介してステアリングシャフト12に伝達される。このときステアリングシャフト12に軸回りの回転力が働いてスリーブ55が回転する。スリーブ55には作動アーム51dにより図面右方向に押力が働いているため、スリーブ55の先端に設けたストッパ55bがシャフトハウジング22に形成された溝22dに嵌りこむ。図2は、その状態を表す。この結果、スリーブ55と嵌合するステアリングシャフト12は、軸回りに回転不能状態となる。以下、この状態におけるスリーブ55の位置を第2位置と呼ぶ。
スリーブ55が第2位置に位置する場合には、ステアリングシャフト12が軸回りに回転不能となるため、ロータ23の回転トルクは、雄螺子23cと雌螺子12bとの螺合によりステアリングシャフト12の軸方向への変位力に変換される。この場合、ステアリングシャフト12は、チューブ13がシャフトハウジング22に対して軸方向へスライド可能に設けられるため、このチューブ13と一体的に軸方向に移動する。従って、テレスコスイッチ60の操作に応じた方向にステアリングシャフト12が軸方向に移動して、操舵ハンドル11の位置が調整される。図3は、ステアリングシャフト12が車両後方側に移動して操舵ハンドル11が運転者側に接近した状態を表している。
そして、操舵ハンドル11が希望する位置に達して、運転者がテレスコスイッチ60の操作子61から手を離すと、端子T1,T2,T3間の導通が断たれる。これにより電子制御ユニット127は、ソレノイド51への通電および電動モータ20への通電を停止してテレスコ制御モードから操舵反力制御モードに切り替える。ソレノイド51は、電子制御ユニット127からの通電が断たれると、可動鉄心51aの吸着力が消失して可動鉄心51aをバネ51cの付勢力により図面左方向に押し出す。これにより、スリーブ55は、作動アーム51dに押されて図面左方向に移動する。このとき、スリーブ55のスライド嵌合部55aに形成した凸条55cは、ロータ23の中径部23dの段部(小径部23bとの境界となる中径部23dの端面)に当接する。また、ストッパ55bは、シャフトハウジング22の溝22dから脱出する。
その後、操舵ハンドル11が操作されてステアリングシャフト12が回転すると、スリーブ55も一体となって回転する。このときスリーブ55は、作動アーム51dにより図面左方向に付勢されているため、スライド嵌合部55aの凸条55cとロータ側溝23eとが向かい合う位置にまで回転すると、ロータ側溝23e内にスライド嵌合部55aの凸条55cが入り込む。こうして、スリーブ55は、スライド嵌合部55aがロータ23とステアリングシャフト12との両方に嵌合する位置にまでスライド移動する。つまり、第1位置にまで戻る。従って、ロータ23とステアリングシャフト12とが相対回転不能状態となり、以降、電動モータ20により発生する回転トルクを操舵ハンドル11に付与できる状態となる。
以上説明した本実施形態の操舵操作装置10によれば、操舵反力発生用の電動モータ20を兼用してテレスコピック動作を行うことができるため、専用の電動モータを増設することなくテレスコピック機能を追加することができる。しかも、操舵反力発生動作とテレスコピック動作との切り替えをスリーブ55のスライド移動により行うことができるため、極めて簡単な構成にて実施することができる。この結果、操舵操作装置10のコストアップ、大型化、重量増加を抑えることができる。
また、ソレノイド51によりスリーブ55のスライド移動を行うため、テレスコスイッチ60の操作だけで簡単にモード切替を行うことができる。しかも、テレスコスイッチ60を操作していない状態では、必ず操舵反力制御モードに設定されるため、いちいちテレスコ制御モードから操舵反力制御モードに切り替え操作を行う必要がなく使い勝手がよい。更に、ソレノイド51とスリーブ55とからなる切替装置50をモータハウジング21内に収めているため、操舵操作装置10全体をシンプルにまとめることができ、小型、軽量化を図ることができる。
また、操舵反力制御モード中においてはソレノイド51に通電する必要がないため、ソレノイド51による電力消費が少なく、また、ソレノイド51への電気配線が断線しても操舵反力制御モードを維持することができるため安全である。
以上、本実施形態の操舵操作装置10について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、スプライン嵌合を構成するに当たっては、溝と凸条との関係を逆にしてもよい。つまり、本実施形態においては、スリーブ55のスライド嵌合部55aに凸条55cを、ロータ23およびステアリングシャフト12に溝23e,12cをそれぞれ形成してそれらをスプライン嵌合しているが、図4の変形例に示すように、スリーブ55’のスライド嵌合部55a’の内周面に溝55eを、ロータ23’の中径部23d’の外周面およびステアリングシャフト12’の中空円筒部12a’の外周面に凸条23f,12eを形成して、スライド嵌合部55a’の溝55eにロータ23’の凸条23fとステアリングシャフト12’の凸条12eとをスプライン嵌合する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、シャフト支持円筒部22aに溝22cを、チューブ13に凸条13aをそれぞれ形成しスプライン嵌合しているが、図4の変形例に示すように、シャフト支持円筒部22a’の内周面に凸条22eを、チューブ13’の外周面に溝13dをそれぞれ形成して、チューブ13’の溝13dにシャフト支持円筒部22a’の凸条22eをスプライン嵌合する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、ステアリングシャフト12の一端に中空円筒部12aを形成し、この中空円筒部12a内でロータ23の小径部23bと螺合しているが、図5の変形例に示すように、ロータ23”の先端に中空円筒部23gを形成し、この中空円筒部23gでステアリングシャフト12”の先端と螺合する構成であってもよい。この場合、ロータ23”の中空円筒部23gの内周面に雌螺子23hを形成し、ステアリングシャフト12”の先端外周面に雄螺子12fを形成して両者を螺合する。
また、各スプライン嵌合においては、溝と凸条との数は任意に設定できるものであって1本でもよい。また、本実施形態においては、溝と嵌合する嵌合体として、軸方向に長く延びた凸条を設けているが、必ずしも軸方向に長く延びる必要はなく、外周面に対して径方向外側に突出した凸体であればよい。
また、本実施形態においては、ソレノイドといった電動アクチュエータにより回転規制部材(スリーブ)をスライド移動させるようにしているが、運転者の操作力により回転規制部材をスライド移動させるようにしてもよい。例えば、バネにより回転規制部材を第1位置に付勢した状態に維持し、テレスコピック時には、運転者が操作レバーを操作して、操作レバーに連結されたワイヤにより回転規制部材を第2位置に引っ張るようにしてもよい。
尚、本実施形態におけるロータ23に形成されるロータ側溝23eまたは変形例の凸条23fが本発明の第1被嵌合部に相当し、本実施形態におけるステアリングシャフト12に形成されるシャフト側溝12cまたは変形例の凸条12eが本発明の第2被嵌合部に相当する。
本発明の実施形態に係る操舵操作装置の側面断面図であり操舵反力制御モード時の状態を表す。 本発明の実施形態に係る操舵操作装置の側面断面図でありテレスコ制御モード時の状態を表す。 本発明の実施形態に係る操舵操作装置の側面断面図でありテレスコ動作により操舵ハンドルが運転者側に移動した時の状態を表す。 変形例に係る操舵操作装置の側面断面図であり操舵反力制御モード時の状態を表す。 変形例に係る操舵操作装置の側面断面図であり操舵反力制御モード時の状態を表す。 ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置の概略構成図である。 目標転舵角マップを表す特性図である。 目標反力マップを表す特性図である。
符号の説明
10…操舵操作装置、11…操舵ハンドル、12,12’、12”…ステアリングシャフト、12a,12a’…中空円筒部、12b…雌螺子、12c…シャフト側溝、12e…凸条、12f…雄螺子、13,13’…チューブ、13a…凸条、13d…溝、20…電動モータ、21…モータハウジング、22…シャフトハウジング、22c…溝、22d…溝、22e…凸条、23,23,23”…ロータ、23e…ロータ側溝、23c…雄螺子、23f…凸条、23g…中空円筒部、23h…雌螺子、50…切替装置、51…ソレノイド、51a…可動鉄心、51b…コイル、51c…バネ、51d…作動アーム、55,55’…スリーブ、55a,55a’…スライド嵌合部、55b…ストッパ、55c…凸条、55e…溝、60…テレスコピック操作スイッチ、61…操作子、100…転舵装置、101…電動モータ、120…電気制御装置、127…電子制御ユニット、F1W,FW2…転舵輪。

Claims (7)

  1. 操舵ハンドルに連結されるステアリングシャフトと、車体に固定され上記ステアリングシャフトに対して回転トルクを付与する電動モータとを備えた操舵操作装置において、
    上記電動モータにより回転駆動される駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの何れか一方に雄螺子を他方に雌螺子を形成し、上記雄螺子と上記雌螺子とを螺合して上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとを相対回転可能で、かつ、上記ステアリングシャフトを軸方向にスライド可能に支持するとともに、
    第1位置と第2位置とに切り替え可能で、上記第1位置においては上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの相対回転を規制し、上記第2位置においては上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの相対回転を許容するとともに上記ステアリングシャフトの車体に対する回転を規制する相対回転規制部材を備えたことを特徴とする操舵操作装置。
  2. 上記駆動シャフトは、その外周面に軸方向に沿って形成される溝または凸体からなる第1被嵌合部を備え、
    上記ステアリングシャフトは、その外周面に軸方向に沿って形成される溝または凸体からなる第2被嵌合部を備え、
    上記相対回転規制部材は、上記駆動シャフトと上記ステアリングシャフトとの両方にまたがってそれらの外周面に軸方向にスライド可能に設けられ、上記第1位置において上記第1被嵌合部と上記第2被嵌合部との両方に嵌合し上記第2位置にまでスライド移動したときに上記第2被嵌合部との嵌合状態を維持しつつ上記第1被嵌合部との嵌合を解除するスライド嵌合部と、上記第2位置にまでスライド移動したときに車体に固定された固定部に当接する当接部とを備えることを特徴とする請求項1記載の操舵操作装置。
  3. 上記相対回転規制部材を上記第1位置と第2位置とに切替可能にスライド移動させる電動アクチュエータを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の操舵操作装置。
  4. 上記駆動シャフトは、上記電動モータのロータであり、上記相対回転規制部材は、上記電動モータのハウジング内に設けられることを特徴とする請求項3記載の操舵操作装置。
  5. 上記電動アクチュエータは、上記電動モータのハウジング内に設けられることを特徴とする請求項4記載の操舵操作装置。
  6. 所定の操作により上記電動アクチュエータへの通電を指示するテレスコピック操作スイッチを備え、
    上記相対回転規制部材は、通常時においては上記第1位置に位置し、上記テレスコピック操作スイッチによる所定操作が行われたときにのみ上記電動アクチュエータの作動により上記第2位置にまでスライドすることを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れか一項記載の操舵操作装置。
  7. ステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に設けられる操舵操作装置であって、
    上記電動モータは、通常時においては、操舵ハンドルの操作方向とは反対方向に回転トルクを付与する反力発生用のモータとして使用され、上記テレスコピック操作スイッチによる所定操作が行われたときにのみテレスコピック作動用のモータとして使用されることを特徴とする請求項6記載の操舵操作装置。
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