JP2008168592A - 液体吐出方法、及び、液体吐出装置、プログラム - Google Patents

液体吐出方法、及び、液体吐出装置、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】不良ノズルが発生した場合にも濃度むらを生じさせず、印刷時間を出来る限り短くすること。
【解決手段】液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、を有する液体吐出方法。
【選択図】図18

Description

本発明は、液体吐出方法、及び、液体吐出装置、プログラムに関する。
ヘッドが移動方向に移動し、その移動中にノズルからインクを吐出させることで印刷画像を完成させるインクジェットプリンタが知られている。
このようなプリンタでは、ノズルの加工精度等の問題により、媒体上の正しい位置にインク滴が着弾しないことがある。そうすると、インク滴が着弾するはずであった領域付近に濃淡が生じ、印刷した画像に縞状の濃度むらが発生する。
そこで、CCDセンサにより画像をサンプリングし、インクジェットプリンタで出力するデータをCCDセンサの利得むらの特性をもとに補正し、濃度むらを改善する方法が提案されている。(特許文献1参照)
他に、濃度むらテストパターンを印刷し、濃度むらテストパターンの濃度データに基づいて、濃度むらの補正を行う方法も提案されている。(特許文献2参照)
特開平2−54676号公報 特開平6−166247号公報
もし、インク滴が吐出されるべき時に吐出されない不良ノズルが印刷中に発生していたら、本来ドットが形成されるべき位置にドットが形成されない。この場合、ノズルの加工精度等の問題による濃度むらの補正を行ったとしても、印刷した画像に濃度むらが発生してしまう。
また、不良ノズルはノズル面のクリーニングにより回復するが、クリーニングの時間分だけ印刷時間が長くなってしまう。
そこで、本発明では、不良ノズルが発生した場合にも濃度むらを生じさせず、印刷時間を出来る限り短くすることを目的とする。
前記目的を達成するための発明は、液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、を有する液体吐出方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
すなわち、液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、を有する液体吐出方法が実現できること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。その結果、完成した画像に白い(濃度の淡い)スジが生じてしまうことを防ぐことができる。また、クリーニングを行わなくとも、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を改善することができるため、クリーニング時間を短縮でき、クリーニングに使用されるインクの消費を抑えることができる。
かかる液体吐出方法であって、前記補正階調値は、前記隣接する画素の示す階調値よりも濃い階調値であること。
このような液体吐出方法によれば、隣接する画素の濃度を濃くすることで、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を補うことができる。
かかる液体吐出方法であって、前記液体吐出装置が、所定方向に並んだ複数の画素であり同一の指令階調値を示す画素列が前記所定方向と交差する方向に並ぶことにより構成されるテストパターンを、形成し、前記テストパターンをスキャナに読取らせ、前記画素列ごとに読取階調値を取得し、前記読取階調値と前記指令階調値から、前記画素列ごとの第1補正値を算出し、前記画素列が示す階調値を前記第1補正値により補正し、補正された階調値に基づいて、前記画素列に対して液体を吐出し、前記不良ノズルが検出された場合には、前記隣接する画素の示す階調値は、前記第1補正値に前記補正量が加えられた第2補正値により補正され、前記補正階調値が算出されること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルにより発生する濃度むらだけでなく、ノズルの加工精度等の問題により発生する濃度むらも改善することが出来る。
かかる液体吐出方法であって、前記画素列に液体を吐出するノズルが1個の場合には、前記隣接する画素とは、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と前記交差する方向に隣接する画素であること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。たとえ、不良ノズルが割り当てられたある画素と所定方向に隣接する画素の階調値を補正したとしても、所定方向に隣接する画素に割り当てられたノズルも不良ノズルであるため、ある画素の濃度を補うことはできない。
かかる液体吐出方法であって、前記画素列に液体を吐出するノズルが2個以上の場合には、前記隣接する画素とは、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と前記所定方向及び前記交差する方向に隣接する画素であること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。
かかる液体吐出方法であって、前記補正量は、前記テストパターンを形成するために液体を吐出すべき複数のノズルの全ノズルから液体が吐出された第1テストパターンと、前記複数のノズルのうちのあるノズル以外のノズルから液体が吐出された第2テストパターンにより、算出されること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を補正するための補正量を算出することができる。
かかる液体吐出方法であって、前記第2テストパターンを構成する前記画素列のうちの液体が吐出されない画素列である不吐出画素列が複数ある場合に、複数の前記不吐出画素列に対応付けられたノズルはそれぞれ異なるノズルであること。
このような液体吐出方法によれば、あるノズルの特性の影響を受けずに補正量を算出することが出来る。
かかる液体吐出方法であって、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素の示す階調値が濃い階調値であるほど、前記補正階調値も濃い階調値となるように、前記補正量が設定されること。
このような液体吐出方法によれば、補正量を大きくして、隣接する画素の濃度を濃くすることで、不良ノズルから液体が吐出されるべき画素の濃度をより補正することができる。
かかる液体吐出方法であって、前記隣接する画素に割り当てられた各ノズルが前記不良ノズルである場合には、前記不良ノズルから正常に液体が吐出されるようにする回復処理が行われること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルから正常に液体が吐出され、完成した画像に白い(濃度の淡い)スジが生じてしまうことを防ぐことができる。このように不良ノズルが割り当てられた画素が隣り合い、隣接する画素の階調値を補正しても、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を補正することができない場合、クリーニングを行うことで、画像劣化を防ぐ。
かかる液体吐出方法であって、前記補正階調値は、前記隣接する画素の示す階調値に前記補正量が加えられることで算出されること。
このような液体吐出方法によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。
また、液体を吐出するノズルと、液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出する検出機構と、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正して補正階調値を算出し、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出させるコントローラと、を有する液体吐出装置を実現すること。
このような液体吐出装置によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。また、クリーニング時間を短縮でき、クリーニングに使用されるインクの消費を抑えることができる。
また、液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、を前記液体吐出装置に実現させるためのプログラムを実現すること。
このような液体吐出装置によれば、不良ノズルが割り当てられた画素の濃度を、隣接する画素により補うことができる。また、クリーニング時間を短縮でき、クリーニングに使用されるインクの消費を抑えることができる。
===本実施形態のシステム構成===
図1は、本実施形態のシステム構成図である。プリンタ1とスキャナ70がコンピュータ60に接続されたシステムである。
〈インクジェットプリンタの構成〉
図2は、プリンタ1の全体構成ブロック図である。図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ50により、各ユニット(搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、媒体(以下、紙Sとする)に画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ50は各ユニットを制御する。
コントローラ50は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットであり、インターフェース部51と、CPU52と、メモリ53と、ユニット制御回路54とを有する。インターフェース部51は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU52は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ53は、CPU52のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU52は、メモリ53に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路54により各ユニットを制御する。
搬送ユニット10は、紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時、搬送方向(交差する方向)に所定の搬送量で紙Sを搬送させるためのものであり、給紙ローラ11と、搬送モータ12と、搬送ローラ13と、プラテン14と、排紙ローラ15とを有する。
ヘッドユニット30は、紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド31を有する。ヘッド31は、インク吐出部であるノズルを複数有する。そして、各ノズルには、各ノズルを駆動してインクを吐出させるための駆動素子であるピエゾ素子とインクが入ったインク室(不図示)が設けられている。
キャリッジユニット20は、ヘッド31を移動方向(所定方向)に移動させるためのものであり、キャリッジ21と、キャリッジモータ22とを有する。
検出器群40には、リニア式エンコーダ41、ロータリー式エンコーダ42、紙検出センサ43、および光学センサ44等が含まれる。
図4は、ヘッド31の下面(ノズル面)におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド31の下面には、イエローインクノズル列Yと、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを180個備えている。180個のノズルのうち、下流側のノズルほど若い番号が付されている(#i=#1〜#180)。また、各ノズル列のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔k・Dでそれぞれ整列している。
〈印刷手順〉
コントローラ50は、コンピュータ60から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
まず、コントローラ50は、給紙ローラ11を回転させ、印刷すべき紙Sを搬送ローラ13まで送る(給紙処理)。紙検出センサ43が、給紙ローラ11から送られてきた紙Sの先端の位置を検出すると、コントローラ50は搬送ローラ13を回転させ紙Sを印刷開始位置(頭出し位置)に位置決めする。紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド31の少なくとも一部のノズルは、紙Sと対向している。
次に、コントローラ50は、キャリッジモータ22を駆動し、キャリッジ21を移動方向に移動させる。ヘッド31は、キャリッジ21に設けられているため、ヘッド31もキャリッジ21と共に移動方向に移動する。また、キャリッジ21の移動方向への1回の移動をパスという。そして、コントローラ50は、キャリッジ21の移動中に、印刷データに基づいてノズルからインクを吐出させる。ノズルから吐出されたインク滴が紙S上に着弾することで、紙S上にドットが形成される(ドット形成処理)。移動するヘッド31からインクが断続的に吐出されるので、紙S上には移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が形成される。
その後、コントローラ50は、搬送モータ12を駆動し、搬送ローラ13を回転させて、紙Sを搬送方向に所定の搬送量分だけ搬送する(搬送処理)。これにより、ヘッド31は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
最後に、コントローラ50は、印刷中の紙Sの排紙の判断を行う(排紙処理)。印刷中の紙Sに印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われず、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、画像を完成させる。そして、印刷中の紙Sに印刷すべきデータがなくなったところで、排紙ローラ15の回転により紙Sは排紙される。
〈印刷データについて〉
図5は、印刷データ作成処理のフロー図である。コンピュータ60からプリンタ1に送信される印刷データは、コンピュータ60のメモリに記憶されているプリンタドライバに従って作成される。つまり、プリンタドライバは、コンピュータ60に印刷データを作成させて、印刷データをプリンタ1へ送信させるためのプログラムである。
解像度変換処理(S001)は、アプリケーションプログラムから出力された画像データを、紙Sに印刷する際の解像度に変換する処理である。紙Sに印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(RGBデータ)である。
ここで、「画像データ」とは、画素が示すデータ(画素データ)の集まりである。そして、「画素」とは、紙S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、画像を構成する単位要素である。この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。本実施形態では画像データを256階調のデータとしているので、1つの画素が256階調で表現されている。即ち、1つの画素は8ビットのデータで表される(2の8乗=256)。
色変換処理(S002)は、RGBデータを、プリンタ1のインクに対応したCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(不図示)をプリンタドライバが参照することによって行われる。
濃度補正処理(S003)は、各画素が示す階調値を補正する処理であるが、詳細については後述する。
ハーフトーン処理(S004)は、高階調数のデータ(256階調)を、プリンタ1が形成可能な階調数のデータに変換する処理である。本実施形態ではプリンタ1が形成可能なドットの種類を3種類(大ドット、中ドット、小ドット)とする。そのため、プリンタ1は、1つの画素を、「大ドットを形成する」、「中ドットを形成する」、「小ドットを形成する」、「ドットを形成しない」の4パターンで表現することができる。即ち、ハーフトーン処理では、256階調のデータが4階調のデータに変換される。
ラスタライズ処理(S005)は、マトリクス状の画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に、画素データ毎に並べ替えられる処理である。これらの処理を経て生成された印刷データは、印刷方式に応じたコマンドデータ(搬送量など)と共に、プリンタドライバによりプリンタ1に送信される。
〈スキャナの構成〉
図6Aは、スキャナ70の縦断面図である。図6Bは、上蓋71を外した状態のスキャナ70の上面図である。スキャナ70は、上蓋71と、原稿72が置かれる原稿台ガラス73と、この原稿台ガラス73を介して原稿72と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ74と、読取キャリッジ74を副走査方向に案内する案内部75と、読取キャリッジ74を移動させるための移動機構76と、スキャナ70内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ74には、原稿72に光を照射する露光ランプ77と、副走査方向と垂直な方向である主走査方向のラインの像を検出するラインセンサ78と、原稿72からの反射光をラインセンサ78へ導くための光学系79とが設けられている。図中の読取キャリッジ74の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿72の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋71を開いて原稿72を原稿台ガラス73に置き、上蓋71を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ77を発光させた状態で読取キャリッジ74を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ78により原稿72の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ60のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ60は、原稿72の画像データを取得する。
===インターレース印刷方式について===
本実施形態のプリンタ1は、インターレース印刷方式を行う。インターレース印刷とは、1回のパスで記録されるラスタラインの間に、他のパスで記録されるラスタラインが挟まれるような印刷方法である。インターレース印刷では、印刷の始めと終わりの印刷方法が中間の印刷と異なるため、通常印刷(中間の印刷)と先端・後端印刷に分けて説明する。
図7A及び図7Bは、通常印刷の説明図である。図7Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッド31の位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッド31の位置とドットの形成の様子を示している。説明の便宜上、一つのノズル列のみを示し、ノズル列のノズル数も少なくしている。また、ヘッド31(ノズル列)が紙Sに対して移動しているように描かれているが、同図はヘッド31と紙Sとの相対的な位置を示すものであって、実際には紙Sが搬送方向に移動する。同図において、黒丸で示されたノズルがインク吐出可能で、白丸で示されたノズルがインク吐出不可である。また、同図おいて、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されたドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
インターレース印刷では、紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インク吐出可能なノズル数N(整数)はk(ノズル間隔k・Dのk)と互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである。
図8は、先端印刷及び後端印刷の説明図である。最初の5回のパスが先端印刷であり、最後の5回のパスが後端印刷である。先端印刷では、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて紙Sが搬送され、インクを吐出するノズルが一定しない。後端印刷も先端印刷と同様に印刷される。そして、先端印刷と後端印刷ではそれぞれ30本ずつのラスタラインが形成される。これに対し、通常印刷では、紙Sの大きさにもよるが、およそ数千本のラスタラインが形成される。
なお、通常印刷により印刷される領域(以下、通常印刷領域とする)のラスタラインの並び方には、インク吐出可能なノズル数(ここではN=7個)と同じ数のラスタライン毎に、規則性がある。図8の通常印刷で最初に形成されたラスタラインから7番目までのラスタラインは、それぞれ、ノズル♯3、♯5、♯7、♯2、♯4、♯6、♯8、により形成され、次の8番目以降の7本のラスタラインも、これと同じ順序の各ノズルで形成されている。一方、先端印刷により印刷される領域(以下、先端印刷領域とする)及び後端印刷により印刷される領域(以下、後端印刷領域とする)のラスタラインの並びには、通常印刷領域のラスタラインと比べると、規則性を見出し難い。
===固有濃度むらについて===
以下の説明のため、「列領域」を設定する。「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の画素によって構成される領域である。なお、画素の大きさは印刷解像度に応じて大きさや形が定められている。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、画素は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。
図9Aは、理想的にドットが形成された様子を示す図である。理想的にドットが形成されるとは、画素の中心位置にインクが着弾し、そのインクが紙S上に広がって、画素にドットが形成されることである。各ドットが各画素に正確に形成されるということは、ラスタラインが列領域に正確に形成されることである。
図9Bは、固有濃度むらが発生した様子を示す図である。「固有濃度むら」とは、ノズルの加工精度等の問題により、インクが垂直方向に着弾しなかったり、インクの吐出量が正確でなかったりすることにより生じる濃度むらである。即ち、固有濃度むらは、各プリンタによって発生場所や濃度むらの度合いが異なる。
例えば、2番目の列領域に形成されたラスタラインは、ノズルから吐出されたインクの飛行方向のばらつきにより、3番目の列領域側に寄って形成されている。その結果、2番目の列領域は淡くなり、3列目の列領域は濃くなる。また、5番目の列領域に吐出されたインクのインク量は規定のインク量よりも少なく、5番目の列領域に形成されたドットは小さくなっている。その結果、5列目の列領域は淡くなる。
このように濃淡の違うラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、移動方向に沿った縞状の濃度むらが視認される。この固有濃度むらにより印刷画像の画質が低下してしまう。
〈固有濃度むらの改善方法〉
図9Cは、固有濃度むらを改善する様子を示す図である。本実施形態では、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の階調値を補正する。
例えば、図中では、淡く視認される2番目と5番目の列領域のドットの生成率が高くなり、濃く視認される3番目の列領域のドットの生成率が低くなるように、各列領域に対応する画素の階調値が補正される。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度むらが抑制される。
ところで、図9Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルが別の列領域にラスタラインを形成する場合、その列領域の濃度が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度むらを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域毎に設定される補正値Hに基づいて、画素の階調値を補正する。なお、本実施形態では、画素が示す階調値が高いほど濃い階調値となり、画素の示す階調値が低いほど淡い階調値となる。
===固有濃度むらに対する補正値Hについて===
図10は、プリンタ製造後の検査工程で行われる補正値取得処理のフローである。固有濃度むらに対する補正値Hは、ノズルの加工精度等の問題に関わるため、各プリンタ特有の値となる。そのため、プリンタ製造工場の検査工程にて、プリンタ毎に補正値Hが算出される。
そして、検査のため、図1に示したように、固有濃度むらの検査対象となるプリンタ1とスキャナ70はコンピュータ60に接続される。コンピュータ60には、予め、テストパターンをプリンタ1に印刷させるためのプリンタドライバと、スキャナ70を制御するためのスキャナドライバと、スキャナ70から読み取ったテストパターンの画像データに対して画像処理や解析等を行うための補正値取得プログラムがインストールされている。
〈S101:テストパターンの作成〉
まず、コンピュータ60のプリンタドライバは、プリンタ1にテストパターンを印刷させる。図11Aは、テストパターンの説明図である。図11Bは、補正用パターンの説明図である。テストパターンとして、色別(ノズル別)に4つの補正用パターンが形成される。各補正用パターンは、3種類の濃度の帯状パターンと、上罫線と、下罫線と、左罫線と、右罫線とにより構成されている。帯状パターンは、それぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものであり、左の帯状パターンから順に階調値76(濃度30%)、128(濃度50%)、179(濃度70%)となり、順に濃い濃度の帯状パターンとなっている。例えば、濃度30%の帯状パターンは、階調値76の画素から構成されている。なお、これらの3種類の階調値を「指令階調値」とし、記号でSa(=76)、Sb(=128)、Sc(=179)と表す。
そして、各帯状パターンは、先端印刷、通常印刷及び後端印刷により形成される。そのため、先端印刷領域の30個のラスタラインと、通常印刷領域の56個のラスタラインと、後端印刷領域の30個のラスタラインとから構成されている。通常の印刷では、通常印刷領域に数千個のラスタラインが形成されるが、補正用パターンの印刷では、通常印刷領域には8周期分(7個×8周期)のラスタラインが形成される。上罫線は、帯状パターンを構成する先端側から1番目のラスタラインにより形成され、下罫線は、先端側から116番目のラスタラインにより形成される。
〈S102:補正用パターンの読み取り〉
次に、印刷されたテストパターンをスキャナ70で読み取る。読み取ったテストパターンの画像の左上のスキャン原点を基準とし、読み取り範囲を特定する。図11Aに示すように、イエローインクノズル列が形成した補正用パターンを囲む一点鎖線の範囲を、イエローインクノズル列が形成した補正用パターンの読み取り範囲とする。なお、パラメータSX1、SY1、SW1及びSH1は、補正値取得プログラムによって予めスキャナドライバに設定されている。原稿が多少ずれてスキャナ70にセットされても大丈夫なように、補正用パターンよりも大きい範囲を読み取り範囲としている。同様に、他のノズル列が形成した補正用パターンの読取範囲を特定する。
〈S103:列領域の濃度を測定〉
次に、補正値取得プログラムは、3種類の帯状パターンの各列領域の測定値を算出する。即ち、各列領域と対応する各画素列(x方向に並ぶ複数の画素)の階調値(読取階調値)を算出する。
図12Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図である。補正値取得プログラムは、解像度変換された画像データの中から、上からH2の画素であって、左からKX個の画素の画素データを取り出す。このとき取り出される画素の中に左罫線が含まれるように、パラメータKXが予め定められている。そして、補正値取得プログラムは、取り出されたKX個の画素の画素データから左罫線の重心位置を求める。
図12Bは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。左罫線の重心位置からX2だけ右側に、幅W3の濃度30%の帯状パターンが存在していることは、補正用パターンの形状から既知である。そこで、補正値取得プログラムは濃度30%の帯状パターンのうちの左右W4の範囲を除いた点線の範囲の画素データを列領域毎に抽出する。抽出した画素データの階調値の平均値が各列領域の濃度30%の測定値となる。このようにして、補正値取得プログラムは、3種類の帯状パターンの濃度を列領域毎にそれぞれ測定する。
図13は、イエローインクノズル列が形成した3種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。このように、補正値取得プログラムは、列領域毎に、3種類の帯状パターンの濃度の測定値を対応付けて、測定値テーブルを作成する。なお、イエローインクノズル列の指令階調値Sa(=76)に対するn番目の測定値を測定値Ya_nとし、指令階調値Sb(=128)に対するn番目の測定値を測定値Yb_nとし、指令階調値Sc(=179)に対するn番目の測定値を測定値Yc_nとして、図13に示す。また、測定値テーブルはノズル列ごと(YMCK)に作成される。
図14は、イエローインクノズル列の指令階調値Sa、Sb、Scの帯状パターンの測定値のグラフである。横軸が列領域番号であり、縦軸が測定値である。各指令階調値で一様に形成されたにもかかわらず、列領域によって、測定値にばらつきが生じている。このばらつきが列領域毎の濃淡差であり、印刷画像の固有濃度むらの原因である。
さて、固有濃度むらを改善するためには、同一の階調値における列領域ごとの測定値のばらつきをなくすことが必要となる。即ち、各列領域の測定値を一定の値に近づけることで、固有濃度むらが改善される。そこで、本実施形態では、同一の階調値において、全ての列領域の測定値を平均化した値を目標値とし、各列領域の測定値を目標値に近づけるように指令階調値を補正する。
例えば、濃度50%の帯状パターンの全列領域の測定値(Yb_1〜Yb_116)の平均値をイエローインクノズル列の目標値をYbtとする。そして、目標値Ybtよりも測定値が低い列領域iでは、指令階調値Sbの設定よりも濃く印刷されるように階調値を補正する。一方、目標値Ybtよりも測定値が高い列領域jでは、指令階調値Sbの設定よりも淡く印刷されるように階調値を補正する。また、補正した階調値を目標指令階調値Sbtとする。
〈S104:補正値の算出〉
補正値の算出方法を説明するために、イエローインクノズル列が形成した濃度50%(Sb=128)の帯状パターンの列領域iと列領域jを例に挙げて説明する。列領域iの測定値は目標値Ybtよりも低く、列領域jの測定値は目標値Ybtよりも高いとする。
図15Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。列領域iの濃度が目標値Ybtとなるように、プリンタドライバは目標指令階調値Sbtに基づいて印刷するように指令すればよい。目標階調値Sbtは次式により算出される(直線BCに基づく直線補間)。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Ybt−Yb)/(Yc−Yb)}
図15Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。列領域jの濃度が目標値Ybtとなるように、プリンタドライバは目標指令階調値Sbtに基づいて印刷するように指令すればよい。目標階調値Sbtは次式により算出される(直線ABに基づく直線補間)。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Ybt−Yb)/(Ya−Yb)}
次に、補正値取得プログラムは、目標指令階調値Sbtにより、その列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。なお、補正値Hbは列領域ごとに算出される。
Hb=(Sbt−Sb)/Sb
また、補正値取得プログラムは、最低階調値(=0)に対する測定値を0(点D)、最高階調値255に対する測定値を255(点E)として、他の指令階調値(Sa及びSc)に対する補正値(Ha及びHc)を算出する。点D(0,0)と点Aと点Bに基づいて(直線DAまたは直線ABに基づく直線補間)、指令階調値Saに対する補正値Haを列領域毎に算出する。そして、点Bと点Cと点E(255,255)に基づいて(直線BCまたは直線CEに基づく直線補間)、指令階調値Scに対する補正値Hcを算出する。そして、全インクノズル列について、列領域毎に、3つの補正値(Ha、Hb、Hc/第1補正値)が算出される。
ところで、補正用パターンの通常領域には56個のラスタラインが印刷された。しかし、56個の列領域毎の補正値は算出せず、7個おきの8個の列領域の各濃度の測定値の平均に基づいて、7個の補正値を算出する。通常領域では7個のラスタライン毎に規則性があるため、7個の補正値を規則性に基づいて使用する。例えば、イエローの濃度50%の帯状パターンにおける、通常印刷領域の1番目の列領域の測定値Ybは、通常印刷領域の1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域の測定値の平均値が用いられる。同様に、その他の濃度の測定値(Ya、Yc)も8個の列領域の平均値が用いられる。そして、平均値化された測定値に基づいて、通常領域の1番目の列領域の補正値(Ha、Hb、Hc)が算出される。
〈S105:補正値の記憶〉
図16は、イエローインクノズル列の補正値テーブルの説明図である。次に、補正値取得プログラムは、補正値をプリンタ1のメモリ53に記憶する。補正値テーブルには、先端印刷用、通常印刷用、後端印刷用の3種類ある。各ノズル列の補正値テーブルには、3つの補正値(Ha、Hb、Hc)が、列領域毎に対応付けられている。例えば、各列領域のn番目のラスタラインには、3つの補正値(Ha_n、Hb_n、Hc_n)が対応付けられている。そして、メモリ53には、各ノズル列の補正値テーブルが記憶される。
プリンタ1のメモリ53に補正値を記憶させた後、補正値取得処理は終了する。そして、プリンタドライバを記憶したCD−ROMがプリンタ1に同梱され、プリンタ1が工場から出荷される。
〈ユーザーの下での固有濃度むらに対する補正処理について〉
プリンタ1を購入したユーザーは、所有するコンピュータに、プリンタ1を接続する。そして、ユーザーは、同梱されているCD−ROMを記録再生装置90にセットし、プリンタドライバをインストールする。
コンピュータ60にインストールされたプリンタドライバは、プリンタ1に対して、メモリ53に記憶されている固有濃度むらに対する補正値Hをコンピュータ60に送信するように要求する。プリンタ1は、要求に応じて、固有濃度むらの補正値テーブルをコンピュータ60へ送信する。プリンタドライバは、プリンタ1から送られてくる補正値Hをコンピュータ60内のメモリに記憶する。これにより、このコンピュータ60で作成された画像データをプリンタ1で印刷することが可能となる。
そして、プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令を受けると、印刷データを生成し、印刷データをプリンタ1に送信する。プリンタ1は、印刷データに従って、印刷処理を行う。なお、印刷データの作成方法は前述の通りである(図5)。
以下、固有濃度むらに対する濃度補正処理について詳しく説明する。この濃度補正処理では、各画素が示す階調値を、その画素が属する列領域に対応する補正値Hに基づいて補正される。
ある画素が示す補正前の階調値S_inが指令階調値のいずれか(Sa、Sb、Sc)と同じとする。この場合、補正前の階調値S_inに対して、コンピュータ60のメモリに記憶されている補正値Ha、Hb、Hcをそのまま用いることができる。例えば、補正前の階調値S_in=Scであれば、補正後の階調値S_outは次式により求められる。
S_out=Sc×(1+Hc)
図17は、補正前の階調値が指令階調値と異なる場合の濃度補正処理を示す図である。横軸を補正前の階調値S_inとし、縦軸を階調値S_inに対応させた補正値H_outとする。ある画素が示す補正前の階調値S_inに対する補正値H_outを、指令階調値Saの補正値Ha_nと指令階調値Sbの補正値Hb_nを基に線形補間によって次式により算出する。
H_out=Ha_n+(Hb_n−Ha_n)×{(S_in−Sa)/(Sb−Sa)}
そして算出された補正値H_outに基づいて補正前の階調値S_inを補正する。
S_out=S_in×(1+H_out)
先端印刷の1番目〜30番目の各列領域に属する画素の階調値に対して、プリンタドライバは、先端印刷用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値Hに基づいて、濃度補正処理を行う。同様に、後端印刷では、後端印刷の1番目〜30番目の各列領域に属する画素の階調値に対して、プリンタドライバは、後端印刷用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値Hに基づいて、濃度補正処理を行う。
通常印刷では7個の列領域毎に規則性があるため、プリンタドライバは、およそ数千ある列領域を7個の列領域毎に、7個の補正値Hを順に繰り返し用いて濃度補正処理を行う。これにより、記憶すべき補正値Hのデータ量を削減することができる。そして、プリンタドライバは、イエローインクノズル列だけでなく他のノズル列の画素データの階調値に対しても、同様に濃度補正処理を行う。
濃度補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データの階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データの階調値が高くなるように補正される。言い換えると、図9Cに示したように、濃く視認されやすい列領域では、その列領域の画素データの階調値が低くなるように補正されているので、その列領域のラスタラインを構成するドットのドット生成率が低くなる。逆に、淡く視認されやすい列領域では、ドット生成率が高くなる。そして、印刷画像全体の固有濃度むらが改善される。
さて、ノズルの加工精度等の問題により発生する固有濃度むらは上記の方法で改善される。しかし、ユーザーの下でプリンタを使用している際に不良ノズルが発生した場合、固有濃度むらとは異なる濃度むら(不吐出濃度むら)が生じてしまう。以下、不良ノズルによる不吐出濃度むらについて詳しく説明する。
===不吐出濃度むらについて===
「不吐出濃度むら」とは、インクが吐出されるべき時にインクが吐出されない不良ノズルにより生じる濃度むらである。不良ノズルは、インクの増粘やノズルに紙粉等の異物が付着してノズルが目詰まりしたり、気泡がヘッドのインク室(キャビティ)内などに入ったりすることで発生する。不良ノズルが発生すると、ドットが形成されるべき画素にドットが形成されないため、正しくドットが形成される画素と不良ノズルによりドットが形成されない画素とによる濃淡の違いが濃度むらとなり、画質を低下させてしまう。
図18Aは、インターレース印刷方式により理想的にドットが形成される様子を示す図である。図18Bは、不良ノズルにより3番目の列領域にドットが形成されない様子を示す図である。なお、図中の全ての画素にドットが形成されるとする。インターレース印刷では、1つのラスタラインが1つのノズルによって形成される。そのため、3番目の列領域にドットを形成するように割り当てられたノズルが不良ノズルであった場合、3番目の列領域には全くドットが形成されなくなってしまう。その結果、3番目の列領域が画像上にスジとなって現れてしまう。即ち、不良ノズルが割り当てられた列領域と他の列領域との濃淡差が濃度むら(不吐出濃度むら)となり、印刷画像の画質が低下してしまう。
===不良ノズル検査について===
ところで、不良ノズルが発生していなければ、不吐出濃度むらは生じない。そこで、次に、不良ノズルが発生しているかを確認する不良ノズル検査について説明する。図19Aは、ヘッド31と検査部を下面側から見た図である。検査部は、レーザー光源80と、レーザー受光器81と、レーザー光源80及びレーザー受光器81を移動方向に移動させる機構(不図示)から成る。
レーザー光源80はレーザー光Lをノズル列と平行に射出する。そして、各ノズルから正常に吐出されたインクの軌跡とレーザー光Lとが交わるように、レーザー光源80とレーザー受光器81が配置される。そして、ノズルから所定量のインクが紙Sに対して垂直方向に吐出されると、レーザー光Lがインクにより遮られる。逆に、ノズルからインクが吐出されなかった場合には、レーザー光Lは遮られない。
図19Bは、ノズルから正常にインクが吐出される様子を示している。図中では、ノズル#2から紙Sに対して垂直方向に所定量のインクが吐出されている。そうすると、吐出されたインクは、途中でレーザー光Lを横切る。その結果、レーザー受光器81が閾値以下の光量を受光し(または、受光が一時的に中断され)、ノズル#2は正常なノズルであると判断される。なお、この閾値は、所定量のインクがレーザー光Lを遮る光量により、予め決められた値である。
一方、図19Cは、ノズル#2からインクが吐出されない様子を示している。ノズル#2からインクを吐出させようとしても、ノズル#2からインクが吐出されなかった場合、レーザー光Lはインクに遮られることはない。その結果、レーザー受光器81はレーザー光Lを常に受光し、ノズル#2は不良ノズルであると判断される。
図20は、不良ノズル検査を行う際のヘッドの位置を示す図である。不良ノズル検査中にはノズルからインクが吐出されるため、ポンプ吸引装置が必要となる。ポンプ吸引装置は、インク吸収体82と、キャップ83と、ポンプ84と、チューブ85と、ポンプ吸引装置を上下に移動させる機構(不図示)から成る。ポンプ吸引装置は非印刷エリアに配置されており、移動方向には移動出来ない。そのため、クリーニング時には、ヘッド31が非印刷エリアのポンプ吸引装置の真上に移動する。非印刷エリアとは、紙Sの印刷のためにノズルからインクが吐出される印刷エリア外のことである。即ち、不良ノズル検査では、非印刷エリアにおいて、キャップに向けてノズルからインクが吐出されるため、紙Sや搬送ローラ13が汚れることはない。
このように、不良ノズル検査を行うことで、不良ノズルが発生しているかを確認することができる。不良ノズルが発生していなければ、不吐出濃度むらは発生しない。しかし、不良ノズルが発生しているのに、改善策を講じないで印刷を実行すると、不吐出濃度むらが発生してしまう。次に、不良ノズルが発生したときの不吐出濃度むらに対する改善方法について説明する。
===不吐出濃度むらの改善方法1:クリーニング===
本実施形態の不吐出濃度むらの改善方法の1つとして、ヘッド31のノズル面のクリーニング(回復処理)が挙げられる。ノズル面をクリーニングすることで、不良ノズルは回復し、正常にインクが吐出されるようになる。クリーニングとして、フラッシングとポンプ吸引が行われる。なお、クリーニングを行う際には、ヘッド31を非印刷エリアまで移動させる。そして、キャップ83がヘッド31の下面と接するように上方向にポンプ吸引装置を移動させる。
クリーニング方法の1つであるフラッシングとは、強制的にノズルからインクを吐出させようとするクリーニング動作である。ノズルが目詰まりしていて、インクが吐出されなくても、インク室が膨張したり、収縮したりすることで、ノズルのメニスカス(ノズルで露出しているインクの自由表面)が駆動する。この結果、インク室内のインクの増粘が進んでない場合等では、ノズルの目詰まりが解消し、正常にインクが吐出される。
また、ポンプ吸引とは、ポンプを駆動して、インク室内のインクを強制的に吸引するクリーニング動作である。インクの排出路であるチューブ85の一端はキャップ83内部の底面に接続され、他端はチューブポンプを介して排インクカートリッジ(不図示)に接続されている。キャップ83内部の底面には、インク吸収体82が配置され、ポンプ84により吸引された排インクだけでなく、不良ノズル検査やフラッシングによる排インクも吸収し、チューブ85を介して、排インクカートリッジに排インクが排出される。
これらのクリーニング動作により、ノズル表面の異物をインクと一緒に吐き出したり、増粘により乾燥したノズルのメニスカスを正常の状態に戻したり、ヘッド31のインク室(キャビティ)内の気泡を解消したりすることができる。こうして、不良ノズルから正常にインクが吐出されるようになる。
つまり、ヘッド31のクリーニングを行うことで、不良ノズルから正常にインクが吐出されるようになり、確実に不吐出濃度むらが改善される。但し、クリーニングを行うと、その分だけ時間がかかり、印刷時間が長くなってしまう。また、クリーニングのためにインクが消費されてしまう。
===不吐出濃度むらの改善方法2:隣接する画素の階調値の補正===
次に、クリーニングを行わずに不吐出濃度むらを改善する方法について説明する。即ち、不良ノズルからインクが吐出されない状態のままで印刷を行うが、不吐出濃度むらを改善する方法である。
不良ノズルが発生しているがクリーニングを行わない場合に、本実施形態では、不良ノズルがドットを形成するように割り当てられた画素と隣接する画素(以下、隣接画素とする)の階調値を補正する。また、隣接画素の階調値が高くなるように補正する。隣接画素の階調値を高くすることで、不吐出ノズルが割り当てられた画素を補正する。但し、隣接画素に割り当てられたノズルは正常でなければならない。もし、隣接画素に割り当てられたノズルも不良ノズルであるならば、隣接画素の階調値を高くしても、不吐出濃度むらは改善されないからである(具体的な補正方法については後述する)。
図18Cは、インターレース印刷方式において、隣接画素の階調値を補正した様子を示す図である。インターレース印刷では、1つのラスタラインが1つのノズルによって形成される。即ち、図中では、3番目の列領域に属する各画素にドットを形成するように割り当てられたノズルは同一の不良ノズルとなる。そのため、3番目の列領域中のある画素と移動方向に隣接する画素(3番目の列領域中の他の画素)の階調値を補正しても、不吐出濃度むらは改善されない。
また、インターレース印刷方式では、あるラスタラインと搬送方向に隣り合うラスタラインはそれぞれ別のノズルによって形成される。例えば、不良ノズル検査において、不良ノズルが1つ検出されたとする。図18Cの3番目の列領域にドットを形成するように割り当てられたノズルが不良ノズルであるとすると、2番目と4番目の列領域にドットを形成するように割り当てられたノズルは正常なノズルとなる。即ち、2番目と4番目の列領域に属する画素が、「不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素」となる。そこで、2番目と4番目の列領域に属する画素の階調値を補正することで、不吐出濃度むらが改善される。
改善前の図18Bでは、2番目と4番目の列領域には中ドットと小ドットが形成されている。これに対して、改善後の図18Cでは、2番目と4番目の列領域の階調値が高くなるように補正され、2番目と4番目の列領域に大ドットが形成されるようになっている。このように、2番目と4番目の列領域に属する画素の階調値を高くすることで、ドットが形成されない3番目の列領域の濃度(階調値)が補われる。
即ち、インターレース印刷のように1つのラスタラインが1のノズルにより形成される場合には、不良ノズルがドットを形成するように割り当てられた列領域と搬送方向に隣接する2つの列領域に属する各画素(隣接画素)の階調値を補正することで、不吐出濃度むらが改善される。
〈不吐出濃度むらに対する補正量Rについて〉
次に、不良ノズルが割り当てられた画素と隣接する画素(隣接画素)の階調値を補正する補正量Rについて説明する。ノズルの加工精度等の問題により発生する固有濃度むらは各プリンタ特有の濃度むらである。これに対して、不吐出濃度むらはドットが形成されないことにより発生するため、プリンタによる差がほとんどない。そのため、固有濃度むらに対する補正値Hがプリンタ製造工場の検査工程において個々に算出されるのに対して、不吐出濃度むらに対する補正量Rはプリンタの機種ごとに設計段階で算出される。そして、算出された補正量Rは、同じ機種のプリンタに対して共通に使用される。
次に、補正量Rの算出方法について説明する。補正量Rを算出するため、図1に示すように、不吐出濃度むらの検査対象となるプリンタ1とスキャナ70はコンピュータ60に接続される。
図21Aは、補正量Rを算出するためのテストパターンを示す図である。補正量Rを算出するために、「正常なテストパターン(第1テストパターン)」と「ノズル抜けテストパターン(第2テストパターン)」の両方がプリンタ1により印刷される。正常なテストパターンとノズル抜けテストパターンのどちらもが、3種類の濃度の帯状パターンと上罫線と下罫線と左罫線と右罫線により構成され、固有濃度むらに対する補正値Hを算出するための補正用パターン(図11B)と同様の構成となっている。また、インターレース印刷方式により、先端印刷と後端印刷において各30個のラスタラインが形成され、通常印刷において56個のラスタラインが形成される。但し、図11Bの補正用パターンと図21Aのテストパターンでは、帯状パターンの濃度を異ならせている。図21Aのテストパターンの指令階調値Sd=102(40%)、Se=179(70%)、Sf=255(100%)とする。指令階調値以外の階調値に対応する補正量Rは、指令階調値に対応する補正量Rを基に線形補間により算出される(後述)。そのため、最高階調値255に対応する補正量Rを算出し、各指令階調値の間隔を均等にすることで、より正確な補正量Rを算出することができる。なお、正常なテストパターンとノズル抜けテストパターンはインク毎(YMCK)に形成される。
正常なテストパターンは全てのノズルが正常であるとして形成されるのに対して、ノズル抜けテストパターンは一部のノズルが不良ノズルであるとして形成される。即ち、ノズル抜けテストパターンを構成する列領域の一部の列領域に、意図的にドットを形成しない。ノズル抜けテストパターンの8個の列領域にドットを全く形成せず、ノズル抜け状態とする。ノズル抜け状態とする列領域は、搬送方向の下流側からn1番目、n2番目、…、n8番目の列領域とする。また、ノズル抜け状態とする各列領域に割り当てられるノズルは全て異なるノズルとする。なぜなら、ノズル抜け状態とする各列領域に割り当てられるノズルが同一のノズルであったら、算出する補正量Rに、そのノズルの特性が影響してしまうからである。そして、図21Aに示すように、ノズル抜け状態となった列領域がノズル抜けテストパターン上に白いスジとなって現れる。
テストパターンの印刷後、テストパターンをスキャナ70に読み取らせる。図21Bは、正常なテストパターンとノズル抜けテストパターンのn1番目からn8番目の各列領域の(平均)階調値示す図である。スキャナ70で読み取った後、正常なテストパターンのn1番目からn8番目の8個の列領域に対応する画素列(スキャナ座標系においてx方向に並ぶ複数の画素)の階調値と、ノズル抜けテストパターンのn1番目からn8番目の8個の列領域に対応する画素列の階調値を算出する。正常なテストパターンのn1番目の列領域に対応する画素列の階調値をN1(A)とし、ノズル抜けテストパターンのn1番目の列領域に対応する画素列の階調値をN1(B)とする。
ところで、ノズル抜けテストパターンのn1番目の列領域に割り当てられたノズルが不良ノズルであるとし、n1番目の列領域にはドットが形成されていない。そのため、正常なテストパターンのn1番目の列領域に対応する画素列の階調値N1(A)に比べて、ノズル抜けテストパターンのn1番目の列領域に対応する画素列の階調値N1(B)は低い値となっている。同様に、n2番目からn8番目の列領域も、正常なテストパターンの階調値(N2(A)からN8(A))に比べて、ノズル抜けテストパターンの階調値(N2(B)からN8(B))の方が低い値となっている。
次に、正常なテストパターンのn1番目からn8番目の列領域に対応する画素列の階調値の平均値R’(A)と、ノズル抜けテストパターンのn1番目からn8番目の列領域に対応する画素列の階調値の平均値R’(B)を、インクごと(YMCK)、濃度ごと(40、70、100%)に算出する。
R’(A)=(N1(A)+N2(A)+…+N8(A))/8
R’(B)=(N1(B)+N2(B)+…+N8(B))/8
そして、ノズルが正常であった場合に印刷された列領域に対応する画素列の階調値(R’(A))とノズルが不良ノズルであった場合に印刷された列領域に対応する画素列の階調値(R’(B))の比率を補正量Rtとする。補正量Rtは次式で表される。
Rt=R’(A)/R’(B)
例えば、指令階調値Sd=102(濃度40%)でイエローインクにより印刷された列領域をスキャナで読み取った場合、ノズルが正常であるならば、その列領域に対応する画素列の階調値はR’(A)となる。しかし、もし、その列領域に割り当てられたノズルが不良ノズルであるならば、その列領域に対応する画素列の階調値はR’(B)となる。即ち、正常なノズルにより印刷された画像片の濃度は、不良ノズルにより印刷された画像片の濃度のRt倍となる。
そして、本実施形態では、不良ノズルが割り当てられた画素に隣接する画素の階調値をRt倍して、不吐出濃度むらを改善する。
また、本実施形態のプリンタ1は、インターレース方式により印刷を行う。インターレース印刷では、不良ノズルが割り当てられた画素と搬送方向に隣接する2つの画素の階調値を補正することにより、不吐出濃度むらを改善する。即ち、ドットが形成されない1つの画素を隣接する2つの画素により補正するため、隣接する1つの画素に対する補正量Rは前述の補正量Rtの半分の値となる。
例えば、図18Bでは、3番目の列領域に割り当てられたノズルが不良ノズルとされている。もし、図18Aのように3番目の列領域に割り当てられたノズルが正常であったら、図18Bの3番目の列領域の濃度はRt倍の濃さであった。そこで本実施形態では、3番目の列領域と搬送方向に隣接する2番目と4番目の列領域の階調値をそれぞれRt/2倍することで、3番目の列領域の濃度を補う。
図22Aは、不吐出濃度むらに対する補正量Rテーブルの説明図である。補正量Rは、インクごと(YMCK)、指令階調値ごと(Sd、Se、Sf)に算出される。また、補正量Rは、印刷方式によって異なり、隣接する画素数に合わせた値となっている(インターレース印刷方式では、補正量R=Rt/2)。
こうして作成された補正量Rテーブルはプリンタ1のメモリ53に記憶される。そして、固有濃度むらに対する補正値Hと同様に、ユーザーがコンピュータ60にプリンタドライバをインストールした際に、補正値Hと共に不吐出濃度むらに対する補正量Rもコンピュータ60に送信される。そして、コンピュータ60のメモリに記憶され、ユーザーが印刷を指示した場合には、プリンタドライバによる不吐出濃度むらの補正処理が行われる(後述)。
図22Bは、補正量Rテーブルをグラフ化した図である。横軸が、不良ノズルが割り当てられた画素の階調値を示し、縦軸が、補正量Rを示す。不良ノズルが割り当てられた画素の階調値が0であった場合には、隣接画素の階調値を高くする必要はなく、補正量Rは0となる。また、不良ノズルが割り当てられた画素の階調値が高くなるほど、補正量Rの値も大きくなる。これは、不良ノズルが割り当てられた画素の階調値が高い場合、隣接画素の階調値の補正量Rを大きくし、隣接画素の階調値を高くすることで、本来、不良ノズルにより印刷される領域の濃度を補えるからである。
===本実施形態の濃度むら補正の流れについて===
以上により、固有濃度むらと不吐出濃度むらの個々の改善方法について説明した。本実施形態では固有濃度むらの改善を行い、更に、不良ノズルが発生した場合には不吐出濃度むらの改善も行う。以下、本実施形態の2つの濃度むらに対する補正処理の流れについて説明する。濃度むらに対する補正処理は、前述の固有濃度むらに対する補正処理と同様に、プリンタドライバによって行われる。なお、前述の固有濃度むらに対する補正処理は、説明の簡略のため、不吐出濃度むらが生じずに固有濃度むらのみを改善する場合(ヘッドのクリーニングを行う場合も含まれる)の補正処理の説明となっている。
図23は、ユーザーが印刷方式を設定する画面を示す図である。本実施形態のプリンタ1は、「高速印刷モード」と「高画質モード」と「標準モード」を設定できるとする。そして、これらはユーザーによって選択される。
高速印刷モードでは、印刷前に不良ノズル検査を行わない。そのため、不良ノズル検査時間とクリーニング時間を短縮することができ、早く印刷することができる。但し、不良ノズルが有った場合には、画像劣化が生じてしまう。
高画質モードでは、印刷前に不良ノズル検査を行い、不良ノズルが有った場合には、必ずクリーニングを行う。不良ノズルを正常な状態にしてから印刷を行うため、不吐出濃度むらが生じない。但し、不良ノズル検査とクリーニングに時間がかかり、印刷時間が長くなってしまう。
標準モードでは、印刷前に不良ノズル検査を行い、不良ノズルが有った場合には、状況に応じてクリーニングを行う(後述)。また、不良ノズルが有ってもクリーニングを行わない場合には、不良ノズルが割り当てられた画素に隣接する画素の階調値を補正する。
図24は、濃度むらに対する補正処理のフローである。まず、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから画像データを受信すると、印刷モードが高速印刷モードであるか否かを確認する(S201)。もし、高速印刷モードであれば(YES)、印刷データの作成処理に入る。この場合、ヘッドのクリーニングは行われず、プリンタドライバは図5の印刷データの作成処理フローに従って処理する。また、高速印刷モードの場合には、図5の濃度補正処理(S003)において固有濃度むらに対する補正は行われるが、不良ノズルが有ったとしても不吐出濃度むらに対する補正は行われない。即ち、前述の固有濃度むらのみに対する補正処理が行われる。一方、高速印刷モードでなければ(NO)、不良ノズル検査を行う(S202)。
そして、不良ノズルが無ければ(S203→NO)、プリンタドライバは図5のフローに従って、印刷データを作成する。もし、不良ノズルが有れば(S203→YES)、プリンタドライバは印刷モードが高画質モードであるか否かを確認する(S204)。
印刷モードが高画質モードであれば(YES)、ヘッドのクリーニングが行われる。印刷モードが高画質モードでなければ(NO)、プリンタドライバは不良ノズル数を確認する(S205)。不良ノズル数が1つであれば(NO)、クリーニングを行わずに不吐出濃度むらの改善を行う。ここで、クリーニングを行わずに不吐出濃度むらの改善と固有濃度むらの改善を行う場合の印刷データの作成処理を第2印刷データ作成処理とする。一方、クリーニングを行った場合や不良ノズルが無かった場合、不良ノズル検査を行わなかった場合には、固有濃度むらの改善のみが行われる。この場合の印刷データの作成処理が、図5のフローであり、第1印刷データ作成処理とする。即ち、不良ノズルが1つであれば、第2印刷データ作成処理(後述)が行われる。
そして、不良ノズル数が2つ以上であれば(YES)、不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接しないかを確認する(S206)。そして、不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接する場合には(YES)、ヘッドのクリーニングが行われる(S207)。
図18Dは、不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接する状況を示す図である。例えば、3番目と4番目の列領域に割り当てられたノズルが不良ノズルであった場合、ドットが形成されない列領域が2つ並んでしまい、濃度が淡い領域が大きくなる。そのため、2番目と5番目の列領域の階調値を補正しても、3番目と4番目の列領域の濃度を補うことは難しい。そこで、本実施形態では、標準モードにおいて、もし、不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接してしまう場合には、ヘッドのクリーニングを行うとする(S207)。その後、プリンタドライバは図5のフローに従って印刷データの作成処理を行う。
一方、標準モードにおいて、不良ノズルが1つである場合(S205→NO)、又は、不良ノズルが割り当てられた列領域が隣接しない場合(S206→YES)、に第2印刷データ作成処理が行われる。次に、第2印刷データ作成処理について説明する。
図25は、第2印刷データ作成処理フローである。まず、プリンタドライバは、アプリケーションソフトから受信した画像データを印刷時の解像度に解像度変換処理(S301)し、RGBデータをYMCKデータに色変換処理する(S302)。
そして、固有濃度むらと不吐出濃度むらに対する補正を行う(S303)。前述の固有濃度むらに対する補正処理(図5、S003)では、補正後の階調値S_outを、補正前の階調値S_inと固有濃度むらに対する補正値Hをもとに次式により算出している。
S_out=S_in×(1+H)
つまり、第1印刷データ作成処理では(図5)、固有濃度むらの改善のために画素の階調値を補正するが、不吐出濃度むらの改善のために画素の階調値は補正しない。
これに対して、第2印刷データ作成処理では(図25)、固有濃度むらと不吐出濃度むらの改善のために画素の階調値を補正する。そして、不良ノズルが割り当てられた画素と隣接する画素の補正後の階調値S_out(補正階調値)は、固有濃度むらに対する補正値Hと不吐出濃度むらに対する補正量Rを加えた補正値(第2補正値=H+R)により算出される。なお、補正後の階調値S_out(補正階調値)は、隣接する画素の補正前の階調値S_inよりも濃い階調値となる。
S_out=S_in×(1+H+R)
但し、不良ノズルが割り当てられた画素の階調値が、図21Aのテストパターンを形成した際の指令階調値のいずれか(Sd、Se、Sf)と同じ場合、隣接画素に対して図22の補正量Rをそのまま用いることができる。例えば、図18Bの3番目の列領域に割り当てられたイエローノズルが不良ノズルであり、3番目の列領域が示す階調値がSd(=102、濃度40%)であったとする。そうすると、2番目と4番目の列領域の階調値は次式のように補正される。
S_out=S_in×(1+H+Ryd)
一方、図22Bに示すように、不良ノズルが割り当てられた画素の階調値S’_inが指令階調値とは異なる場合、まず、階調値S’_inに対応した補正量R_outを算出する必要がある。補正量R_outは、線形補間により次式により算出される。
R_out=Ryd+(Rye−Ryd)×{(S_in−Sd)/(Se−Sd)}
例えば、図18Bの3番目の列領域に割り当てられた画素の階調値がS’_inであった場合、2番目と4番目の列領域の階調値は次式のように補正される。
S_out=S_in×(1+H+R_out)
さて、このとき、補正後の階調値S_outが最高階調値255よりも大きくなったとする。階調値が255よりも大きい画像データを基に画像を印刷することはできない。そのため、補正後の階調値S_outが最高階調値255よりも大きくなった場合に、不吐出濃度むらを改善することはできない。そこで、補正後の階調値S_outが255よりも大きいか否かを確認し(S304)、255よりも大きい場合には(NO)、ヘッド31のクリーニングを行う(S307)。そうすることで、不良ノズルは正常となり、隣接する画素の階調値に対して、不吐出濃度むらの補正を行わなくともよくなる。その結果、最高階調値が255よりも大きくなってしまうことが避けられる。そして、クリーニング後、プリンタドライバは第1印刷データ作成処理を行う。但し、この場合、アプリケーションソフトからの画像データに対して、解像度変換処理と色変換処理が既に施されているため、濃度補正処理(S003)から行えばよい。
一方、補正後の階調値S_outが255以下であれば(YES)、プリンタドライバは画像データに対してハーフトーン処理を施して、プリンタ1が形成可能な4階調のデータに変換する(S305)。そして、プリンタドライバは、マトリクス状の画像データをプリンタ1に転送すべきデータ順に、画素データ毎に並べ替えるラスタライズ処理を行う(S306)。
こうして、第1印刷データ作成処理または第2印刷データ作成処理において作成された印刷データは印刷命令と共にプリンタ1に送信される。そして、プリンタ1により、固有濃度むらも不吐出濃度むらも発生していない画像が印刷される。
このように、本実施形態では不良ノズルが発生した場合に、クリーニングを行わなくとも、不良ノズルが割り当てられた画素に隣接する画素の階調値を補正することで、画質が低下してしまうことを防ぐことができる。そして、クリーニングを行わないため、印刷時間を短縮し、クリーニングによるインクの消費を抑えることができる。
もし、プリンタ1が固有濃度むらに対する補正値Hしか保持していなかったら、ユーザーの下において不良ノズルが発生した場合に画像上にスジが生じてしまい、固有濃度むらに対する補正の効果が減ってしまう。そのため、本実施形態のように、固有濃度むらに対する補正値Hと不吐出濃度むらに対する補正量Rの両方を保持することで、クリーニングを行わなくとも、画質の劣化を防げる。
また、本実施形態では、不良ノズルが有った場合に、固有濃度むらに対する補正値Hに不吐出濃度むらに対する補正量Rを加えるだけで(S_out=S_in×(1+H+R))、2つの濃度むらに対する補正を行うことができる。即ち、2つの濃度むらに対する補正を行うにも関わらず、補正処理が複雑にならない。
そして、本実施形態では、ユーザーの状況に応じて不吐出濃度むらに対する補正方法を選択することができる。例えば、ユーザーが、画質が悪化したとしても、急いで印刷したい場合には、不良ノズル検査を行わずに印刷することができる。逆に、ユーザーが、時間がかかっても高画質な画像を印刷したい場合には、不良ノズルがあったら、必ずヘッドのクリーニングを行うことができる。
===第2実施形態:オーバーラップ印刷方式===
前述の実施形態では、プリンタ1がインターレース印刷方式により印刷を行うとして、インターレース印刷方式における不吐出濃度むらの改善方法について説明している。この第2実施形態では、プリンタ1がオーバーラップ印刷方式により印刷を行うとして、オーバーラップ印刷における不吐出濃度むらの改善方法について説明する。
<オーバーラップ印刷について>
図26A及び図26Bは、オーバーラップ印刷の説明図である。図26Aは、パス1〜パス8におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図26Bは、パス1〜パス11におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。「オーバーラップ印刷」とは、ラスタラインを複数のノズルで形成する印刷方法である。
オーバーラップ印刷では、紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルにより数ドットおきに間欠的にドットが形成される。そして、他のパスにおいて、既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)、他のノズルによりドットが形成される。これにより、1つラスタラインが複数のノズルにより形成される。
このようにM回のパスにて1つのラスタラインが形成される場合、「オーバーラップ数M」と定義する。図26A及び図26Bでは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されるので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、図中では、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。また、オーバーラップ印刷において、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
例えば、図26A及び図26Bでは、ノズル列は搬送方向に沿って配列された8つのノズルを有する。しかし、ノズルピッチk=4なので、「N/Mとkが互いに素の関係」の条件に当てはまらない。そこで、8つのノズルのうち、6つのノズルを用いてオーバーラップ印刷が行われる。即ち、N=6であり、紙Sは搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
〈オーバーラップ印刷における不吐出濃度むらについて〉
図27Aは、オーバーラップ印刷方式により理想的にドットが形成される様子を示す図である。図27Bは、不良ノズルにより3番目の列領域の奇数番目の画素にドットが形成されない様子を示す図である。オーバーラップ印刷はインターレース印刷と異なり、1つのラスタラインが2つ以上のノズルにより形成される。そのため、ある列領域にドットを形成するように割り当てられた複数のノズルのうちの1つのノズルが不良ノズルであったとしても、他のノズルから正常にインクが吐出されれば、ある列領域に全くドットが形成されないとういうことは防ぐことができる。ただし、画像上にスジが生じることは防げたとしても、不良ノズルが割り当てられた列領域の濃度は淡くなり、他の列領域との濃淡差が濃度むらとなって生じてしまう。
〈オーバーラップ印刷における不吐出濃度むらの改善について〉
前述の実施形態において、不吐出濃度むらに対する改善方法として、ヘッドのノズル面をクリーニングする方法と隣接する画素の階調値を補正する方法の2つが挙げられている。印刷方式が異なっても、クリーニングにより不吐出濃度むらを改善する方法は同じである。しかし、インターレース印刷方式とオーバーラップ印刷方式では、不良ノズルが割り当てられた画素に隣接する画素(隣接画素)が異なる。そこで、オーバーラップ印刷における隣接画素の階調値の補正方法について、以下に説明する。
図27Cは、オーバーラップ印刷における隣接画素の階調値の補正方法を示す図である。インターレース印刷方式では1つのラスタラインが1つのノズルにより形成されるため、不良ノズルが割り当てられた画素と移動方向に隣接する画素の階調値を補正しても、不吐出濃度むらを改善することはできない。これに対して、オーバーラップ印刷では1つのラスタラインが2つ以上のノズルにより形成される。そのため、もし、不良ノズルが1つであったとしたら、不良ノズルが割り当てられた画素と移動方向に隣接する画素のノズルは正常なノズルとなる。また、オーバーラップ印刷では、ある列領域に割り当てられたノズルと、ある列領域と搬送方向に隣接する列領域に割り当てられたノズルは異なる。即ち、オーバーラップ印刷では、不良ノズルが割り当てられた画素と搬送方向及び移動方向に隣接する画素の階調値を補正することで、不吐出濃度むらが改善される。
図27Bに示すように、3番目の列領域であり左から3番目の画素(以下、3番目の画素とする)に割り当てられたノズルが不良ノズルであったとする。3番目の画素と移動方向に隣接する画素は、3番目の列領域であり左から2番目と4番目の画素となる。そして、3番目の画素と搬送方向に隣接する画素は、2番目の列領域であり左から3番目の画素と4番目の列領域であり左から3番目の画素となる。例えば、図27Cに示すように、3番目の画素と搬送方向及び移動方向に隣接する4つの画素の階調値を高くして、隣接する4つの画素に形成されるドットを中ドットから大ドットにすることで、不吐出濃度むらを改善する。
即ち、オーバーラップ印刷のように1つのラスタラインが2つ以上のノズルにより形成される場合には、不良ノズルがドットを形成するように割り当てられた画素と搬送方向及び移動方向に隣接する画素の階調値を補正することで、不吐出濃度むらが改善される。また、隣接する4つの画素により、ドットが形成されない1つの画素を補正すればよいため、隣接する1つの画素に対する補正量Rは前述の補正量Rtの1/4の値となる。
===その他の実施形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェット方式のプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、濃度むらに対する改善方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈プリンタ1について〉
前述の実施形態では、ヘッド31が移動方向に移動しながらラスタラインを形成するプリンタ(シリアル式プリンタ)を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、搬送方向に停まることなく搬送される紙に、搬送方向と交差する方向(紙幅方向)に並んだノズルからインクが吐出されることによって画像を完成させるラインヘッドプリンタにおいても本件発明が適用される。この場合、ラスタラインは搬送方向に沿って形成され、列領域は搬送方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される領域をさす。
ラインヘッドプリンタのノズルは紙幅方向に並んでいるため、シリアル式プリンタのノズルに比べて数が多くなる。そのため、ラインヘッドプリンタのノズルをクリーニングのために非印刷エリアに移動させるには時間がかかる。また、ノズル数が多いので、目詰まりしていないノズル数の割合が高くなり、クリーニングを行うとインクが無駄に消費されてしまう可能性が高い。即ち、クリーニング時間がかかり、クリーニングによるインク消費量の多いラインヘッドプリンタにとって、クリーニングを行わずに不吐出ノズルを改善する本件発明は有効な発明となる。
また、前述の実施形態のプリンタは、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出しているが、これに限らない。例えば、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって液体を吐出させるプリンタ(サーマルジェット方式)でもよい。
〈液体吐出装置について〉
前述の実施形態では、液体吐出方法を実施する液体吐出装置の一部としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。また、前述の実施形態ではコンピュータ60内のプリンタドライバが濃度補正処理を行っているため、プリンタドライバがインストールされたコンピュータ60と、コンピュータ60に接続されたプリンタ1が液体吐出装置となる。但し、プリンタ側のCPU52がプリンタドライバの役割を担った場合には、プリンタ単体が液体吐出装置となる。
〈クリーニングについて〉
前述の実施形態では、不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接するか否か(図26、S206)が、クリーニングを実施する判断基準となっていたが、これに限らない。例えば、不吐出ノズルがX個以上検出された場合に、クリーニングを行うとしてもよい。
〈固有濃度むらの改善について〉
前述の実施形態では、ノズルの加工精度等の問題により発生する固有濃度むらに対する改善方法を行っていた。しかし、クリーニングを行わずに、不吐出濃度むらの改善を行うのであれば、固有濃度むらに対する改善方法を行わなくともよいとする。
この場合、補正前の階調値S_inに補正量Rを乗算し、隣接画素の階調値を補正する(S_out=S_in×(1+R))。但し、不吐出濃度むらの改善の効果が固有濃度むらにより薄れてしまう。
〈補正量Rについて〉
前述の実施形態では、ノズル抜けした画素と正常に印刷された画素の階調値の比率により補正量Rを算出し、補正前の階調値S_inに補正量R乗算することで不吐出濃度むらを改善していたが、これに限らない。例えば、ノズル抜けした画素と正常に印刷された画素の階調値の差から補正量を算出し、補正前の階調値に補正量を加算してもよい。
また、前述の実施形態では、正常なテストパターンとノズル抜けテストパターンを形成して、補正量Rを算出しているがこれに限らない。例えば、幾つかの補正量Rの候補値R´を予め決定し、テストパターンを形成してもよい。図28は、ノズル抜け状態とした列領域(n1番目からn5番目の列領域)と隣接する列領域の階調値を補正量Rの候補値R´により補正した後、印刷されたテストパターンである。n1番目の列領域と隣接する列領域の階調値は比較的小さい候補値R´により補正され、n5番目の列領域と隣接する列領域の階調値は比較的大きい候補値R´により補正されている。そのため、n1番目の列領域の濃度は他の列領域に比べて淡く、n5番目の列領域の濃度は他の列領域に比べて濃くなっている。そして、n1番目からn5番目の列領域の階調値を測定し、正常なノズルにより印刷された列領域の階調値と近い列領域を決定する。例えば、図中ではn3番目の列領域の濃度が他の列領域の濃度と一番近いため、n3番目の列領域と隣接する列領域に用いた候補値R´を補正量Rとする。
本実施形態のシステム構成図である。 本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 図3Aはプリンタの全体構成の概略図であり、図3Bはプリンタの全体構成の断面図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 印刷データ作成処理のフロー図である。 図6Aはスキャナの縦断面図であり、図6Bは上蓋を外した状態のスキャナの上面図である。 図7A及び図7Bは通常印刷の説明図である。 先端印刷及び後端印刷の説明図である。 図9Aは理想的にドットが形成された様子を示す図であり、図9Bは固有濃度むらが発生した様子を示す図であり、図9Cは固有濃度むらを改善する様子を示す図である。 プリンタ製造後の検査工程で行われる補正値取得処理のフローである。 テストパターンの説明図である。 補正用パターンの説明図である。 図12Aは左罫線の検出の際の画像データの説明図であり、図12Bは1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。 イエローインクノズル列が形成した3種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。 イエローインクノズル列の指令階調値Sa、Sb、Scの帯状パターンの測定値のグラフである。 図15Aは列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図であり、図15Bは列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 イエローインクノズル列の補正値テーブルの説明図である。 補正前の階調値が指令階調値と異なる場合の濃度補正処理を示す図である。 図18Aはインターレース印刷方式により理想的にドットが形成される様子を示す図であり、図18Bは不良ノズルにより3番目の列領域にドットが形成されない様子を示す図であり、図18Cはインターレース印刷方式において隣接画素の階調値を補正した様子を示す図であり、図18Dは不良ノズルが割り当てられる列領域が隣接する状況を示す図である。 図19Aはヘッドと検査部を下面側から見た図であり、図19Bはノズルから正常にインクが吐出される様子を示し、図19Cはノズルからインクが吐出されない様子を示している。 不良ノズル検査を行う際のヘッドの位置を示す図である。 図21Aは補正量Rを算出するためのテストパターンを示す図であり、図21Bは正常なテストパターンとノズル抜けテストパターンのn1番目からn8番目の各列領域の階調値示す図である。 図22Aは不吐出濃度むらに対する補正量Rテーブルの説明図であり、図22Bは補正量Rテーブルをグラフ化した図である。 ユーザーが印刷方式を設定する画面を示す図である。 濃度むらに対する補正処理のフローである。 第2印刷データ作成処理フローである。 図26A及び図26Bはオーバーラップ印刷の説明図である。 図27Aはオーバーラップ印刷方式により理想的にドットが形成される様子を示す図であり、図27Bは不良ノズルにより3番目の列領域の奇数番目の画素にドットが形成されない様子を示す図であり、図27Cはオーバーラップ印刷における隣接画素の階調値の補正方法を示す図である。 ノズル抜け状態とした列領域と隣接する列領域の階調値を補正量Rの候補値R´により補正した後、印刷されたテストパターンである。
符号の説明
1 プリンタ、
10 搬送ユニット、11 給紙ローラ、12 搬送モータ、13 搬送ローラ、
14 プラテン、15 排紙ローラ、
20 キャリッジユニット、21 キャリッジ、22 キャリッジモータ、
30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 検出器群、41 リニア式エンコーダ、42 ロータリー式エンコーダ、
43 紙検出センサ、
50 コントローラ、51インターフェース部、52 CPU、53 メモリ、
54 ユニット制御回路、
60 コンピュータ、
70 スキャナ、71 上蓋、72 原稿、73 原稿台ガラス、74 読取キャリッジ、
75 案内部、76 移動機構、77 露光ランプ、78 ラインセンサ、
79 光学系、
80 レーザー光源、81 レーザー受光器、82 インク吸収体、83 キャップ、
84 ポンプ、85チューブ、L レーザー光
90 記録再生装置

Claims (12)

  1. 液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、
    前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、
    液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、
    を有する液体吐出方法。
  2. 請求項1に記載の液体吐出方法であって、
    前記補正階調値は、前記隣接する画素の示す階調値よりも濃い階調値である、
    液体吐出方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出方法であって、
    前記液体吐出装置が、所定方向に並んだ複数の画素であり同一の指令階調値を示す画素列が前記所定方向と交差する方向に並ぶことにより構成されるテストパターンを、形成し、
    前記テストパターンをスキャナに読取らせ、前記画素列ごとに読取階調値を取得し、
    前記読取階調値と前記指令階調値から、前記画素列ごとの第1補正値を算出し、
    前記画素列が示す階調値を前記第1補正値により補正し、
    補正された階調値に基づいて、前記画素列に対して液体を吐出し、
    前記不良ノズルが検出された場合には、
    前記隣接する画素の示す階調値は、前記第1補正値に前記補正量が加えられた第2補正値により補正され、前記補正階調値が算出される、
    液体吐出方法。
  4. 請求項3に記載の液体吐出方法であって、
    前記画素列に液体を吐出するノズルが1個の場合には、
    前記隣接する画素とは、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と前記交差する方向に隣接する画素である、
    液体吐出方法。
  5. 請求項3に記載の液体吐出方法であって、
    前記画素列に液体を吐出するノズルが2個以上の場合には、
    前記隣接する画素とは、前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と前記所定方向及び前記交差する方向に隣接する画素である、
    液体吐出方法。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記補正量は、前記テストパターンを形成するために液体を吐出すべき複数のノズルの全ノズルから液体が吐出された第1テストパターンと、前記複数のノズルのうちのあるノズル以外のノズルから液体が吐出された第2テストパターンにより、算出される、
    液体吐出方法。
  7. 請求項6に記載の液体吐出方法であって、
    前記第2テストパターンを構成する前記画素列のうちの液体が吐出されない画素列である不吐出画素列が複数ある場合に、
    複数の前記不吐出画素列に対応付けられたノズルはそれぞれ異なるノズルである、
    液体吐出方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素の示す階調値が濃い階調値であるほど、前記補正階調値も濃い階調値となるように、前記補正量が設定される、
    液体吐出方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記隣接する画素に割り当てられた各ノズルが前記不良ノズルである場合には、
    前記不良ノズルから正常に液体が吐出されるようにする回復処理が行われる、
    液体吐出方法。
  10. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出方法であって、
    前記補正階調値は、前記隣接する画素の示す階調値に前記補正量が加えられることで算出される、
    液体吐出方法。
  11. 液体を吐出するノズルと、
    液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出する検出機構と、
    前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正して補正階調値を算出し、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出させるコントローラと、
    を有する液体吐出装置。
  12. 液体が吐出されるべき時に吐出不良が発生する不良ノズルを検出するステップと、
    前記不良ノズルから液体が吐出されるべき画素と隣接する画素の示す階調値を補正量に基づいて補正し、補正階調値を算出するステップと、
    液体吐出装置が、前記補正階調値に基づいて、前記隣接する画素に対して液体を吐出するステップと、
    を前記液体吐出装置に実現させるためのプログラム。
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