JP2008168342A - 溶湯異物除去用部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用後の廃棄処理の問題が低減され、大型・重量の鋳物の製造に適用可能で、強度特定にも優れ、良質な鋳物を製造できる溶湯異物除去用部品を提供する。
【解決手段】有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する構造体からなるフィルター保持具、並びに耐熱性フィルターを含んで構成される、溶湯異物除去用部品を、鋳型の湯道に設置する。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋳物の製造において、溶湯中に混入するスラグ、その他の異物を除去するための部品、該部品を用いた鋳型、該鋳型を用いた鋳物の製造方法に関する。
鋳物の製造において、溶湯中にスラグなどの異物が混入し、最終的に製品まで到達してしまうと鋳造欠陥を引き起こす。異物の混入原因は、溶解原料や溶湯の酸化、鋳型材料の脱落・混入など様々であり、混入自体を避けることは事実上極めて困難である。そこで実作業では、混入を極力減少させることに加えて、鋳造方案等で製品部への混入を避ける工夫をすることが一般的である。その一つとして、セラミック等の耐火材料で作られたフィルターを、湯口・湯道・堰などのいわゆる湯道系に配置し、溶湯に混入した異物を除去する方法は、確実性が高いため良く用いられている。
ただし、フィルターは通湯抵抗の制約からあまり目開きを小さくすることができない。
よってスラグ等の比較的大きな異物除去には有効であるが、鋳型砂など小さな異物の除去は困難である。そこで、特に異物混入による欠陥を嫌う製品を製造する際には、湯道系に耐火性材料で作った湯道管を用いて鋳型由来の砂の混入を避け、更に溶湯由来で混入するスラグ等はフィルターで除去する鋳造方案が用いられている。しかしながら、鋳型造型時に湯道管とフィルターを配置することは、未硬化状態で不安定な砂の上で行うため位置決め等が難しく、フィルターを破損させたり湯道管内に砂が混入するなど、新たな欠陥原因を発生させる可能性すらある。
これらの改善策として、フィルター配置部を予め一体成形で用意する鋳型湯通路によるもの(下記特許文献1)、耐火性スリーブを用いて湯口とフィルターを一体化した鋳型(下記特許文献2)、湯道接続とフィルター保持の構造を有する焼成耐火材料を用いた溶湯フィルター保持具(下記特許文献3)など、が提案されている。また、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用の鋳型又は構造体(下記特許文献4)が提案されているが、フィルター保持具に関する記載や課題の開示はない。
実公平2−30117号公報 特開平1−224139号公報 実開平5−9736号公報 特開2004−181472号公報
これら従来技術には、以下のような課題がある。特許文献1では、湯通路に設けた拡張室内にフィルターを一体に設けるとの構造に関する記載があるものの、鋳型造形における作業性など実施時における具体的な方法・効果については記載が無い。また湯路(道)管に耐浸蝕及び耐火性のアルミナ質、ムライト質の材料を用いることから、解枠後は湯道管自体が再利用不可能な廃棄物になるため、処理の手間やコストがかさむ。
特許文献2は、湯道を排除しフィルター一体の湯口のみで鋳造する技術であり、湯道を用いないことによる溶湯歩留まりの向上を目的としている。しかしながら、湯口のみで鋳造できる製品は一般に小型・軽量のものに限定され、特許文献2の実施例でもダクタイル鋳鉄で鋳込重量23.15kgが最大であった。すなわち適用範囲は限定的であり、自由度が低い。
また特許文献3は、シリカ・アルミナ質シャモットのような焼成耐火材料を用いて、湯道接続と溶湯フィルター保持の構造を与えたものであるが、鋳型造形の作業性向上には効果があるものの、やはり解枠後に保持具自体が再利用不可能な廃棄物になるため、処理の手間やコストがかさむ。さらに、該保持具と該フィルターともに、原料を成形後に焼成したものであるため変形を生じ易く、また可とう性も乏しいため、双方を組み立てた際にフィルターに対して想定外の歪が加わる恐れがある。そのため鋳型造形時の外力や注湯時の熱歪によって、フィルターが破損する場合があり、かえって鋳造欠陥を生じる恐れが生じる。
本発明の課題は、使用後の廃棄処理の問題が低減され、フィルターの破損を防止し、大型・重量の鋳物の製造に適用可能で、強度特性にも優れ、良質な鋳物を製造できる溶湯異物除去用部品を提供することである。
本発明者らは、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有するフィルター保持具と耐熱性フィルターとからなる溶湯異物除去用部品を、湯道系に配置することで、係る課題を解決することを見出した。
本発明は、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する構造体からなるフィルター保持具、並びに耐熱性フィルターを含んで構成される、溶湯異物除去用部品に関する。
また、本発明は、上記本発明の溶湯異物除去用部品を含んで構成される、鋳物製造用鋳型、該鋳物製造用鋳型を用いる鋳物の製造方法に関する。
また、本発明は、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する鋳物製造用フィルター保持具に関する。
本発明によれば、以下の効果が奏される。
1.本発明に用いるフィルター保持具は、セラミック製に比べて軽量でありながら、造形時における常温強度、鋳込時における熱間強度及び形状保持性を必要十分に有する。よって、それを用いた溶湯異物除去用部品も、耐熱性フィルターと一体構造であることに加えて軽量であるため、造形時の作業性が良く、所定の位置に湯道を配置することができ、また本発明に用いるフィルター保持具は耐熱性フィルターの破損を防止でき、造形時に湯道系へ鋳物砂が混入することも起こりにくい。その結果、フィルター本来の目的であるスラグ等の除去性能を如何なく発揮できる。
2.本発明に用いるフィルター保持具は、鋳込時の熱により有機繊維が燃焼するため、該構造体の重量が減少すると共に、密度も低下する。そのため、解枠時に残存する該構造体重量は鋳込前に比較して減少し、また密度が低下することで容易に除去できるため、後処理が簡便で廃棄物量が低減できる。
3.本発明で用いるフィルター保持具に、更に湯道管と嵌合接続できる構造を加えることで、前記1の効果を更に向上することができる。
4.前記1〜3の効果により、スラグや鋳物砂に起因した鋳造欠陥が少なく、砂噛みによる加工トラブル(先端工具の欠け、など)等が少ない鋳物を、低コストで効率良く製造できる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本実施形態に用いられるフィルター保持具となる構造体は、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有するものである。
有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂の配合比は、フィルター保持具とのしての機能と、本発明の効果を発現する観点から、これら三者の合計100重量部中、有機繊維が1〜50重量部、無機繊維が1〜40重量部、熱硬化性樹脂が2〜50重量部であることが好ましく、有機繊維が20〜50重量部、無機繊維が10〜40重量部、熱硬化性樹脂が20〜50重量部であることがより好ましく、有機繊維が30〜50重量部、無機繊維が10〜30重量部、熱硬化性樹脂が20〜40重量部であることがさらに好ましい。
該構造体は、耐熱性及び経済性の観点から、無機粒子を含有することが好ましく、その場合における有機繊維、無機繊維、無機粒子及び熱硬化性樹脂の配合比は、これら四者の合計100重量部中、有機繊維が1〜50重量部、更に2〜40重量部、特に4〜30重量部が好ましく、無機繊維が1〜40重量部、更に2〜30重量部、特に4〜20重量部が好ましく、無機粒子が10〜95重量部、更に20〜90重量部、特に30〜85重量部が好ましく、熱硬化性樹脂が2〜50重量部、更に4〜40重量部、特に6〜30重量部が好ましい。
前記有機繊維の配合比は、下限は該構造体の成形性や常温強度の観点から、上限は鋳込時における該構造体からのガス発生量増加に伴う鋳物表面欠陥の観点から、好ましい範囲が決定される。
また、前記無機繊維の配合比は、下限は該構造体の鋳込時における形状保持性の観点から、上限は該構造体の成形性や鋳込後における構造体除去性の観点から、好ましい範囲が決定される。
さらに、前記無機粒子の配合比は、該構造体の鋳込時における耐熱性の観点から、上限は構造体の成形性や鋳込時における形状保持性の観点から、好ましい範囲が決定される。
またさらに、前記熱硬化性樹脂の配合比は、下限は該構造体の常温強度及び鋳込時における形状保持性や表面平滑性などの観点から、上限は鋳込時における該構造体からのガス発生量増加に伴う鋳物表面欠陥の観点から、好ましい範囲が決定される。
前記有機繊維は、主として該構造体において鋳造に用いられる前の状態ではその骨格をなし常温時の強度保持に寄与するとともに、該構造体の成形性を向上させる成分である。
前記有機繊維としては、紙繊維、フィブリル化した合成繊維、再生繊維(例えば、レーヨン繊維)等の繊維が挙げられる。有機繊維は、これらを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。そして、これらの中でも、特に、抄造により多様な形態に成形できるほか、脱水後と乾燥後に十分な強度が得られる点から紙繊維を用いることが好ましい。
前記紙繊維としては、木材パルプ、コットンパルプ、リンターパルプ、竹やわらその他の非木材パルプが挙げられる。紙繊維は、これらのバージンパルプ若しくは古紙パルプを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。紙繊維は、入手の容易性、環境保護、製造費用の低減等の点から、特に古紙パルプが好ましい。
前記有機繊維は、該構造体の成形性、表面平滑性、耐衝撃性を考慮すると、平均繊維長が0.3〜2.0mm、特に0.5〜1.5mmであるものが好ましい。
前記無機繊維は、主として鋳造に用いられたときには溶融金属の熱によっても燃焼せずにその形状を維持する成分である。
前記無機繊維としては、炭素繊維、ロックウール等の人造鉱物繊維、セラミック繊維、天然鉱物繊維が挙げられる。無機繊維は、これらを単独で又は二以上を選択して用いることができる。そして、これらの中でも炭素繊維が好ましく、更には熱硬化性樹脂の炭化に伴う収縮を効果的に抑える点から高温でも高強度を有するピッチ系やポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を用いることが好ましく、特にPAN系の炭素繊維が好ましい。
前記無機繊維は、該構造体を抄造して脱水する場合の脱水性、該構造体の成形性、均一性の観点から平均繊維長が0.2〜10mm、特に0.5〜8mmであるものが好ましい。
前記無機粒子は、該構造体の耐熱性を向上させる成分である。
前記無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ムライト、マグネシア、ジルコニア、雲母、黒鉛、黒曜石等の耐火度800℃以上、好ましくは1000〜1700℃の無機粒子が挙げられる。軟化時の粘度が高く、溶融金属の熱により軟化して緻密な耐火膜を形成する観点から黒曜石、ムライト粉が好ましい。なお、これらの無機粒子は単独で又は二種以上を併用しても良い。前記無機粒子は、粒子径が200μm以下のものを用いることが好ましい。特に、鋳造する溶融金属の鋳込温度に対し±300℃、特に±200℃の耐火度を有する無機粒子が好ましい。ここで、無機粒子の耐火度は、ゼーゲルコーンを用いた測定方法(JIS R2204)で測定される。
前記熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、フラン系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂は、該構造体の常温時における強度、及び熱間時における強度すなわち鋳込時の形状保持性を向上させる成分である。
前記熱硬化性樹脂には、特に、可燃ガスの発生が少なく、燃焼抑制効果があり、熱分解(炭化)後における残炭率が25%以上と高く、鋳造時に炭素皮膜を形成するために良好な鋳肌を得ることができる点からフェノール系樹脂を用いることが好ましい。なお、残炭率は、示査熱分析により還元雰囲気下(窒素雰囲気下)にて1000℃に加熱後の残留重量により求めることができる。
前記フェノール系樹脂としては、レゾールフェノール樹脂、ノボラックフェノール樹脂、尿素、メラミン、エポキシ等で変性した変性フェノール樹脂等が挙げられるが、好ましくはレゾールフェノール樹脂又はその変性樹脂である。
前記熱硬化性樹脂は、単独で又は二以上を選択して用いることもでき、さらにはアクリル系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂等と併用することもできる。
前記熱硬化性樹脂の添加形態としては、前記有機繊維、前記無機繊維又は前記無機粒子にコーティングしたり、粉末化又は乳化して原料スラリー中に添加したりし、抄造後乾燥成形したときに前記有機繊維、前記無機繊維及び前記無機粒子を結合させるもの、成形体の抄造後に含浸させ、乾燥又は硬化させることで構造体等の強度を高め、鋳込み時に溶融金属の熱によって炭化させて強度を維持するものなどが挙げられる。いずれにしても、鋳込時の溶融金属から加わる熱により炭化して炭素皮膜を形成し、該構造体の強度の維持に寄与し得るものであれば添加する形態はいずれでもよい。
前記ノボラックフェノール樹脂を使用した場合に必要となる硬化剤は、水に溶け易いため、湿式抄造による場合には特に成形体の脱水後に塗工することが好ましい。前記硬化剤には、ヘキサメチレンテトラミン等を用いることが好ましい。
本実施形態の該構造体には、前記有機繊維、前記無機繊維、前記無機粒子及び前記熱硬化性樹脂に加えて、必要に応じ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂等の紙力強化剤、ポリアクリルアミド系等の凝集剤、着色剤等の他の成分を適宜の割合で添加することができる。
本実施形態の該構造体の厚みは、その用いられる部分に応じて適宜設定することができるが、少なくとも溶融金属と接する部分における厚みが、0.2〜5mm、特に0.4〜2mmであることが好ましい。薄すぎると耐熱性骨材を充填して鋳型を造型するときに要する強度が不十分となり、厚すぎると鋳込時にガス発生量が増加して鋳物の表面欠陥が発生しやすくなるほか、成形時間が長くなり、製造費が高くなる場合がある。ただし該構造体の厚さとは、専ら該構造体に機械的強度を付与するための補強リブや耐熱性骨材との結合強度を付与するための構造(凹凸、突起など)などを除いた部位を指す。
本実施形態の該構造体は、水を分散媒とした原料スラリーを用いた抄造工程を経て製造したときには、鋳込時のガス発生量を極力抑える点から、鋳込に用いられる前の状態において、含水率(重量含水率)が10%以下、特には8%以下であることが好ましい。
本実施形態の該構造体は、軽量性による造形作業のし易さの観点から、造形に用いられる前の状態において、その比重が1.0以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましい。
本実施形態の該構造体の製造方法として、一例として湿式抄造法による成形法が挙げられる。該湿式抄造法は、前記有機繊維、前記無機繊維、前記無機粒子及び前記熱硬化性樹脂を前記所定配合比で含む原料スラリーを調製し、該原料スラリーを用いた湿式抄造法によって所定形状の繊維積層体を抄造し、脱水、乾燥して該構造体を製造する。
前記原料スラリーの分散媒としては、水、白水の他、エタノール、メタノール等の溶剤等が挙げられ、これらの中でも抄造・脱水の安定性、品質の安定性、費用、取り扱い易さ等の点から特に水が好ましい。
前記原料スラリーにおける前記分散媒に対する前記各繊維及び無機粒子の合計の割合は、0.1〜10重量%、特に0.5〜6重量%であることが好ましい。原料スラリー中の前記繊維及び粒子の合計割合が多すぎると肉厚むらが生じやすくなる。逆に、少なすぎると局所的な薄肉部が発生する場合がある。
前記原料スラリーには、必要に応じて、前記紙力強化剤、前記凝集剤、防腐剤等の添加剤を適宜の割合で添加することができる。
前記繊維積層体の抄造工程では、例えば、該構造体の形状に略対応した形状を有する抄造型に、型背面に連通する多数の連通孔を設けておくとともに、型の抄造面に網目を有するネットで被覆しておく。そして、抄造に際しては、抄造面を上に向け、前記原料スラリーを流し込み堆積させる方法でもよいし、抄造型を前記原料スラリーに浸漬し、抄造型背面から吸引して堆積させてもよい。
前記抄造型のネットに所定厚みの繊維積層体が形成されたら、必要に応じて繊維積層体に空気を通過させるなどして、繊維積層体を所定の含水率に脱水する。
次に、前記繊維積層体を乾燥成形する。この乾燥成形工程では、目的とする該構造体形状が得られるのであれば、どのような方法を用いても構わない。例えば、目的とする該構造体形状に合わせて製作された内外一組の加熱した乾燥型に前記繊維積層体を挟み込んで乾燥成型を行う。前記乾燥型の加熱温度(金型温度)は、下限は乾燥時間、上限は焦げ付きによる表面性低下の観点から、180〜250℃が好ましく、特に200〜240℃が好ましい。
また、前記繊維積層体の状態で、目的とする該構造体形状が得られれば、そのまま熱風乾燥機等で乾燥させても良い。この場合の雰囲気温度は、下限は乾燥時間、上限は有機繊維の熱分解の観点から、160〜240℃が好ましく、特に180〜220℃が好ましい。
得られた該構造体には、必要に応じて、バインダーを部分的又は全体に含浸させ、加熱して熱硬化させることができる。該バインダーとしては、コロイダルシリカ、エチルシリケート、水ガラス等が挙げられる。
また、該構造体には熱処理を行い、熱硬化性樹脂の硬化を進めることが好ましい。このような熱処理を行うことで、より優れた形状保持性を有する構造体が得られる。斯かる熱処理は、前記乾燥成型工程と兼用で行っても、別途熱風乾燥機等で行っても良い。
前記説明は、湿式抄造時に目的とする該構造体の形状に乾燥成型する方法を説明したが、湿式抄造時に繊維積層体をシート状に抄造し、湿潤状態のシート状繊維積層体を目的とする該構造体形状に合わせて製作された内外一組の加熱した乾燥型に挟み込んで乾燥成型を行っても良い。また更には、前記のシート状に抄造された繊維積層体を、シート状のまま乾燥させ、乾燥させた繊維積層体を、適宜切断・折り曲げ・接着を行い、目的とする該構造体の形状を得ても良い。前記接着は、接着剤、粘着テープ、ピン・鋲などの金具などが使用できるが、好ましくは接着剤による方法であり、より好ましくは熱硬化性樹脂からなる接着剤である。
本実施形態に用いられる耐熱性フィルターは、網状、丸穴状(いわゆるレンコンタイプ)、ハニカム状、フォーム状など任意の形状を用いることができる。それらの中でも、消失模型鋳造法に用いる場合は耐熱性フィルターを通過する溶湯量や溶湯流量が大きいことから、強度を付与しやすい丸穴状、ハニカム状などが好ましい。また木型鋳造法に用いる場合は、濾過効率の観点からフォーム状が好ましい。また、耐熱性フィルターはセラミックス製であることが好ましい。材質については、シリカ、マグネシア、アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素、コージエライトなどの単一あるいは複合の各種セラミックスを鋳物製品材質や鋳込温度に適宜合わせて使用することができる。それらの中でも、耐熱性の観点から、シリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素の単一あるいは複合からなるものが好ましく、更に鋳鋼など鋳込温度が高い材質にはジルコニア、炭化ケイ素を主成分にしたものが特に好ましい。さらに形状については、正方形・長方形を含めた角形、楕円・長円を含めた円形など、いずれのものも使用することができる。
本発明の溶湯異物除去用部品は、通常は、溶湯の供給経路である湯道系に配置される。一般に、湯道系は陶器等の耐火性部材により形成され、溶湯異物除去用部品は、こうした湯道系に嵌合して接続できる溶湯流入部及び溶湯流出部を有することが好ましい。すなわち、溶湯流入部・流出部5(図2)が設けられることが好ましく、通過する溶湯が全量濾過される構造であれば、任意の形状で構わない。フィルター保持具用構造体の一例を図1に、図1の形状の該構造体を用いた溶湯異物除去用部品の一例を図2(組み立て前)、図3(組み立て後)に示す。溶湯流入部・流出部5の断面形状は角形、円形など任意で構わないが、鋳型造形の作業性や、砂の混入を避けるために、湯道管4との嵌合構造を設けることが好ましい。また、耐熱性フィルター3においては通湯抵抗が上昇する為、それを避ける観点から、図4に示す溶湯流入部・流出部の断面積6に対して、耐熱性フィルター接触部の有効断面積7が上回るようにすることが好ましい。
また、フィルター保持具用構造体は、内部に耐熱性フィルターを挿入する必要があり、溶湯異物除去用部品は2個以上の該構造体からなる分割構造であると、該構造体の成形が容易になり、また溶湯異物除去用部品への組み立ても容易になるので好ましい。さらに、該構造体の成形部品種類が少なくなり経済性の観点から2個からなる分割構造であることがより好ましく、2個が同一形状であることが一層好ましい。
フィルター保持具用構造体に耐熱性フィルターをセットした後、該構造体を接合する構造は任意であるが、例えば図3のように溶湯流れ方向に対して直交する面で接合しても良いし、図5のように並行する面で接合しても良い。さらには、図6のように嵌合構造としても良い。
前記接合部分については、取り扱い上に支障が無ければ接着等の手段で固定することは必須ではないが、何らかの方法で固定することが、変形や耐熱性フィルターの脱落を防ぐ上で好ましい。固定方法については図3の接合構造を例にすれば、図7のように接着剤・粘着剤・両面テープ8などにより接合面自体を結合させるもの、図8のようにステープラ・鋲・ねじ・糸・金属ワイヤー9などにより接合面を貫通し締結するもの、図9のように外周をクリップ・粘着テープ10などで保持して固定するもの、などがある。さらに耐熱性フィルターが丸穴状やハニカムフィルター等(例えば、NGK−FILTER「ハニセラム」)11のように外周面に溶湯濾過部との連通孔が無いものであれば、溶湯が漏れないため、図10のように耐熱性フィルター外周面を該構造体で覆わずに、クリップ・粘着テープ12で保持して固定することもできる。
本発明の溶湯異物除去用部品は、使用後の廃棄処理の問題が低減され、強度特性に優れ、軽量で、造型時の作業性が良く、耐熱性フィルターの破損を防止できる等の非常に優れた効果を有する。その結果、スラグや鋳物砂に起因した鋳造欠陥が少ない良質な鋳物を製造できるという効果が奏される。
本発明の効果として、特に耐熱性フィルターの破損が特段に防止できる理由は明らかでないが、本発明に用いるフィルター保持具は、有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂で構成されていることから適度な弾性や柔軟性を有していると考えられる。その結果、本発明に用いるフィルター保持具が、耐熱性フィルターに加わる鋳型造型時の外力や注型時の熱歪等を十分緩和できる為、このような耐熱性フィルターの破損防止という顕著な効果を奏するものと考えられる。
本発明の鋳物製造用鋳型は、溶湯の供給経路である湯道系が埋設された鋳物砂内に、前記記載の通り、本発明の溶湯異物除去用部品を湯道系の途中に設置することによって得られる。
鋳物砂には、従来からこの種の鋳物の製造に用いられている通常のものを用いることができる。なお、鋳物砂はバインダーで硬化させなくてもよいが、必要に応じて硬化させてもよい。
湯道系に使用される湯道管は耐火性部材により形成させる陶製を使用することができる。
本発明の鋳物製造用鋳型における本発明の溶湯異物除去用部品の設置場所は、乱流が生成しやすい湯口からの異物混入を除去する観点から、湯道中に配置されていることが好ましい。
本発明の鋳物の製造方法としては、前記の鋳物製造用鋳型の注湯口から溶融金属を注ぎ入れ、鋳込みを行うことによってなされる。鋳込みを終えた後、所定の温度まで冷却し、鋳枠を解体して鋳物砂を取り除き、必要に応じて鋳物にトリミング処理等の後処理を施して鋳物の製造をすることができる。
本発明の鋳物の製造方法は、前記溶湯異物除去用部品を用いるのでスラグ等の除去や鋳物砂の混入が十分に抑制される結果、良質な鋳物を製造することができる。
本発明は、耐熱性フィルターの破損防止という特有の効果を有する。従来、耐熱性フィルターと陶製のフィルター保持具は、両者の隙間から溶湯が該保持具外部に漏れ出したり、又は該フィルターを迂回して異物が通過したりしないよう、隙間無く密着あるいは嵌合されている。ところが、そのように陶製のフィルター保持具に固定された耐熱性フィルターは、拘束されてしまうため、注湯時に生じる熱変形により内部応力が上昇する。結果的にこの内部応力に耐えられなくなった場合に、耐熱性フィルターの破損が発生するものと考えられる。
一般に鋳造では、作業性向上や湯廻り不良低減のため、注湯時における湯道の溶湯流量を可能な限り大きくして、鋳込み速度を大きくする必要がある。その一方で、耐熱性フィルター破損の課題は、注湯時の熱変形が大きくなる場合、つまり耐熱性フィルターを通過する溶湯量や溶湯流量が大きい場合、あるいは溶湯温度が高くなる場合などに顕著に発生するものと考えられる。
本発明は、耐熱性フィルターの破損防止効果に優れ、溶湯量や溶湯流量が大きい場合、あるいは溶湯温度が高い場合でもその効果が十分に発揮される。こうした観点から、溶湯量は、フィルター1個当たり300kg以上(鋳物重量換算)が好ましく、同400kg以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、同5000kg以下である。また、同様の観点から、溶湯流量は、フィルター1個当たり10kg/sec以上が好ましく、同15kg/sec以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、150kg/sec以下である。また、同様の観点から、溶湯温度は、1350℃以上が好ましく、1380℃以上がより好ましく、1400℃以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、1600℃以下である。尚、溶湯温度は、注湯開始直前において測定される温度である。
耐熱性フィルターを通過する溶湯量が多い場合は、通常、耐熱性フィルターのサイズが大きいものが使用される。従って、本発明に用いられる耐熱性フィルターの有効断面積は、本発明の耐熱性フィルターの破損防止効果をより発揮できる観点から、25cm2以上が好ましく、25〜400cm2が好ましく、50〜400cm2がより好ましく、80〜400cm2がさらにより好ましい。尚、耐熱性フィルターの有効断面積とは、フィルター保持具に保持された状態で、溶湯の進行方向に直交する断面において、溶湯が接触できる最大の断面の面積を意味する。
一般に、耐熱性フィルターを通過する溶湯量、溶湯流量を大きく、また溶湯温度を高く設定する鋳造法としては、消失模型鋳造法が挙げられる。消失模型鋳造法は、すすや残渣欠陥を発生させないために、溶湯流量を大きくし、鋳込み速度を大きくする必要がある。そして、消失模型の熱分解によって起こる溶湯温度低下起因の湯廻り不良を発生させないために、溶湯温度を高くする必要がある。従って、本発明の溶湯異物除去用部品は、本発明の耐熱性フィルターの破損防止効果をより発揮できる観点から、消失模型鋳造に使用することが好適である。
本発明は上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
〔実施例1〕
<原料スラリーの調製>
下記有機繊維、無機繊維及び無機粒子を水に分散させた約1重量%のスラリーを調製した後、該スラリーに下記熱硬化性樹脂粉末及び適量の下記凝集剤を添加し、原料スラリーを調製した。なお、有機繊維/無機繊維/無機粒子/熱硬化性樹脂粉末=25/10/45/20(重量部)の比率で調製した。
有機繊維:新聞古紙(平均繊維長1mm、フリーネス(CSF、以下同じ)150cc)
無機繊維:PAN系炭素繊維(東レ(株)製「トレカチョップ」、繊維長3mm、収縮率0.1%)
無機粒子:黒曜石(キンセイマテック社製「ナイスキャッチ」、平均粒子径30μm)
熱硬化性樹脂:フェノール樹脂(エア・ウォーター(株)製「ベルパールS−890」)
凝集剤:ポリアクリルアミド系凝集剤(三井サイテック社製「A110」)
<フィルター保持具用構造体の抄造成形>
抄造型には、図2に示す該構造体2に対応する抄造面を有する型を用いた。当該抄造面には所定の目開きのネットが配され、抄造面から背面へ連通孔が形成され、さらに連通孔は吸引ポンプに接続されている。まず原料スラリーを入れたタンクに、抄造型の抄造面を下にして浸漬し、続いて吸引ポンプを作動させ、所定の繊維積層体を前記ネットの表面に堆積させた。さらに吸引ポンプを作動させた状態で、前記抄造型を原料スラリータンクの液面より引き上げることでエアを通気させ、該繊維積層体を脱水した。次いで、繊維積層体を抄造型から取り出し、220℃に加熱された乾燥型に移した。乾燥成形型には、図1に示す構造体に対応する内外一組のものを用いた。乾燥成形工程では、前記繊維積層体を内外一組の該乾燥成形型に挟み込み、目的とする構造体の形状を転写させつつ該繊維積層体を乾燥した。所定時間(60秒)の加圧乾燥を行った後、得られた成形体を前記乾燥型から取り出して冷却し、図2に該構造体2に示す形態で、肉厚1.4mmの構造体を得た。また溶湯流入部・流出部5は外径φ53(mm)であった。
<溶湯異物除去用部品の製造>
図1の前記構造体を2個用意し、図2に示す所定の位置に耐熱性フィルター(フォセコ・ジャパン・リミテッド製「SEDEX100×100×22−10P」、材質主成分:炭化ケイ素、有効断面積:64cm2)をセットし、図3に示すように組み立てた。なお、接合部分は図8に示すようにステープラを用いて固定した。
<鋳型の造形>
図11に示すような方案で鋳型を造形した。鋳型13はフラタリーサンド、フラン樹脂及び硬化剤を用いて作製した。湯道系は内径φ30(mm)の陶製湯道管18を用い、途中に前記溶湯異物除去用部品17を設置した。製品部14はW×D×H=400×400×200(mm)であり、鋳物重量換算で約220(kg)に相当する。
<鋳物の製造>
図11の鋳型に、鋳物材質FC−300、鋳込温度1380℃の溶融金属(溶湯)を注入し、凝固したのち、鋳型を壊して、鋳物を取り出した。
<結果>
製品の欠陥有無と、フィルター保持具用構造体の鋳込み前後の重量を測定し、表1に示す。
〔比較例1〕
溶湯異物除去用部品のフィルター保持具用構造体を、図12に示すような形状の陶製(平均肉厚8mm)で製作し、接合部分は布粘着テープで固定した。それ以外は、実施例1と同じとした。製品の欠陥有無とフィルター保持具用構造体の鋳込み前後の重量を測定した結果を表1に示す。
〔比較例2〕
鋳型方案を図13に示すように、湯道系に湯道管を使用せず、湯口19及び堰21の断面形状をφ30(mm)、湯道20の断面形状を27×27(mm)とし、さらに耐熱性フィルターを湯道20に直接設置した以外は、実施例1と同じとした。製品の欠陥有無を表1に示す。
本発明の溶湯異物除去用部品を使用することで、製品欠陥が発生しなくなることがわかった。また実施例1で用いた溶湯異物除去用部品は、鋳込み後の該構造体の重量が陶製構造体に比較して大幅に軽量であり、廃棄物低減が期待できる。
〔実施例2、比較例3〕
実施例1及び比較例1について、製品部をW×D×H=560×560×200(mm)(鋳物重量換算で約440(kg)に相当)、鋳込温度を1450℃にした以外は、それぞれ同じにしてテストを10回行い、各10点ずつの、製品欠陥及び鋳込み後のフィルター破損の割合を表2に示す。
尚、鋳込み後のフィルター破損は、目視により評価した。
実施例2から、本発明の溶湯異物除去用部品を使用することで、フィルター破損が全くなく製品欠陥が発生しなくなることがわかる。一方、陶製のフィルター保持具を用いる比較例3では、10分の2の割合でフィルター破損を起こし、製品欠陥が発生していることがわかる。
上記の差異は、特に鋳物の生産が大量になればなるほど、生産性、品質安定性に大きな差となって表れることから、本発明の溶湯異物除去用部品は非常に優れた効果を有していることがわかる。
〔実施例3、比較例4〕
<溶湯異物除去用部品の製造>
実施例1と同様にしてフィルター保持具用構造体(図10の形状のもの)を2個用意し、図10に示す所定の位置に耐熱性フィルター(丸穴状、外形:角型、材質:ムライト、有効断面積:121cm2)をセットし、図10に示すように組み立てた。なお、接合部分は紙製粘着テープを用いて固定した。これを実施例3とした。
また、比較例4は、溶湯異物除去用部品のフィルター保持具用構造体を、図12に示すような形状の陶製(平均肉厚8mm)で製作した以外は、実施例3と同じにした。
<鋳型の造形>
図11に示すような方案で鋳型を造型した。模型サイズとしてW×D×H=800×800×400(mm)である直方体形状の発泡倍率50倍の発泡ポリスチレン模型を作製し、下記組成の塗型剤を模型表面に乾燥膜厚で約1mm塗布した。その後、図11に示すように耐熱性骨材(フラタリーサンド+フラン樹脂/硬化剤)を充填して造型し、鋳型を製造した。湯道系は内径φ50(mm)の陶製湯道管18を用い、途中に前記溶湯異物除去用部品17を設置した。製品部は、鋳物重量換算で約1800(kg)に相当する。
*塗型剤組成
・シリカ 28.9(質量%)
・黒鉛 13.0(質量%)
・界面活性剤 2.0(質量%)
・ベントナイト 3.0(質量%)
・メチルセルロース 6.0(質量%)
・水 残余(合計100質量%)
<鋳物の製造>
図11の鋳型に、鋳物材質FC−300、鋳込温度1450℃の溶融金属(溶湯)を注入し、凝固したのち、鋳型を壊して、鋳物を取り出した。
<結果>
上記方法に従って鋳物の製造を10回行い、各10点ずつの、製品欠陥及び鋳込み後のフィルター破損の割合を評価した。尚、鋳込み後のフィルター破損は、目視により評価した。
実施例3から、本発明の溶湯異物除去用部品を使用することで、フィルター破損が全くなく製品欠陥が発生しなくなることがわかる。一方、陶製のフィルター保持具を用いる比較例4では、10分の4の割合でフィルター破損を起こし、製品欠陥が発生していることがわかる。
上記の差異は、特に鋳物の生産が大量になればなるほど、生産性、品質安定性に大きな差となって表れることから、本発明の溶湯異物除去用部品は非常に優れた効果を有していることがわかる。
なお、鋳込み前の耐熱性フィルターの状態を撮影した写真を図14に、また、比較例4で鋳込み後のフィルター保持具と耐熱性フィルターの状態を撮影した写真を図15に示す。比較例4では、図15のような耐熱性フィルターの著しい破損が高い割合生じている。実施例3ではこのようなフィルターの破損が全く生じない。
本発明のフィルター保持具用構造体の一例を示す概略図 図1の構造体を用いた溶湯異物除去用部品を、組み立て前の状態で示す概略図 図1の構造体を用いた溶湯異物除去用部品を、組み立て後の状態で示す概略図 溶湯流入部・流出部の断面積と耐熱性フィルター接触部の有効断面積との関係を示す概略図 分割構造の構造体の接合方法の一例を示す概略図 分割構造の構造体の接合方法の他の例を示す概略図 分割構造の構造体の固定方法の一例を示す概略図 分割構造の構造体の固定方法の他の例を示す概略図 分割構造の構造体の固定方法の他の例を示す概略図 分割構造の構造体の固定方法の他の例を示す概略図 実施例1の鋳型方案を示す概略図 比較例1で用いた溶湯異物除去用部品を示す概略図 比較例2の鋳型方案を示す概略図 鋳込み前の耐熱性フィルターの状態写真 比較例4における鋳込み後の耐熱性フィルターの状態写真
符号の説明
1 溶湯異物除去用部品
2 フィルター保持具用構造体
3 耐熱性フィルター
4 湯道管
5 溶湯流入部・流出部
6 溶湯流入部・流出部の断面積
7 耐熱性フィルター接触部の有効断面積
8 接着剤、粘着剤、又は両面テープ
9 ステープラ、鋲、ねじ、糸、又は金属ワイヤー
10 クリップ、又は粘着テープ
11 ハニカム耐熱性フィルター
12 クリップ、又は粘着テープ
13 鋳型
14 製品部
15 溶湯(溶融金属)
16 揚がり
17 溶湯異物除去用部品
18 陶製湯道管
19 湯口
20 湯道
21 堰
22 耐熱性フィルター

Claims (12)

  1. 有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する構造体からなるフィルター保持具、並びに耐熱性フィルターを含んで構成される、溶湯異物除去用部品。
  2. 前記耐熱性フィルターが、セラミックス製である、請求項1記載の溶湯異物除去用部品。
  3. 前記耐熱性フィルターの有効断面積が、25cm2以上である請求項1又は2記載の溶湯異物除去用部品。
  4. 消失模型鋳造用である請求項1〜3いずれかに記載の溶湯異物除去用部品。
  5. 無機繊維が炭素繊維である請求項1〜4いずれかに記載の溶湯異物除去用部品。
  6. 前記有機繊維、前記無機繊維及び前記熱硬化性樹脂の配合比が、これら三者の合計100重量部中、有機繊維が1〜50重量部、無機繊維が1〜40重量部、熱硬化性樹脂が2〜50重量部である、請求項1〜5いずれかに記載の溶湯異物除去用部品。
  7. 前記構造体が、更に無機粒子を含有する、請求項1〜6の何れかに記載の溶湯異物除去用部品。
  8. 前記フィルター保持具が、溶湯の供給経路に嵌合接続できる溶湯流入部及び溶湯流出部を有する、請求項1〜7の何れかに記載の溶湯異物除去用部品。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の溶湯異物除去用部品を含んで構成される、鋳物製造用鋳型。
  10. 前記溶湯異物除去用部品が湯道中に配置されている、請求項9記載の鋳物製造用鋳型。
  11. 請求項9又は10に記載の鋳物製造用鋳型を用いる鋳物の製造方法。
  12. 有機繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する構造体からなる鋳物製造用フィルター保持具。
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