JP4407962B2 - 鋳物製造用抄造部品 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳物製造用抄造部品及びこれを用いた鋳物の製造方法に関する。
鋳物の製造では、一般に、鋳物砂で内部にキャビティ(必要に応じて中子)を有する鋳型を形成するとともに、該キャビティに溶湯を供給する受け口、湯口、湯道及び堰(以下、これらを注湯系ともいう。)を該キャビティに通じるように形成し、さらに、外部に通じるガス抜き、押湯、揚がりを形成する。このような注湯系、ガス抜き、押湯、揚がりは、通常、鋳物砂で鋳型とともに一体的に形成したり、注湯系を陶器、レンガ等の耐火材からなる注湯系構成部材を用いて形成している。
鋳物砂で鋳型と前記注湯系等とを一体的に形成する場合には、注湯系を立体的に複雑に配置することは困難であり、溶湯への砂の混入等も防ぐ必要がある。一方、前記耐火材からなる注湯系構成部材を用いる場合には、溶湯の熱損失による温度低下を防ぐ必要があり、耐火材同士をテープで巻いて継ぎ足す等設定作業が面倒であった。また、鋳込み後は、サーマルショック等によって耐火材が破損して多量の産業廃棄物(ガラ)が発生し、その廃棄処理に手間がかかる問題がある。耐火材を所定長さに調整する場合には、ダイヤモンドカッター等の高速カッターで切断しなければならず、総じて耐火材の取り扱いは面倒である。
このような課題を解決する技術として、例えば、下記特許文献1に記載の技術が知られている。この技術では、有機質又は無機質繊維と、有機質又は無機質バインダとを混合したスラリーを金型内で成形して得られた断熱材が注湯系等に用いられる。
しかしながら、前記断熱材は、有機質又は無機質繊維と、有機質又は無機質バインダーとを混合して成形されているため、有機質繊維と有機質バインダーを組み合わせた場合には溶湯が供給されたときに生じる該断熱材の熱分解に伴って注湯系等が大きく収縮し、注湯系等から溶湯が漏れる問題があった。また、無機質繊維と無機質バインダーとを組み合わせた場合には中空等の立体的な形態や嵌合構造等を有する形態に該断熱材を成形することが困難であり、種々のキャビティ形状に対応した注湯系等を形成することができなかった。
さらに、セルロース繊維に無機粉末及び/又は無機繊維を加えて製造された中子を用いた技術も知られている(例えば、下記特許文献2参照)。この中子には前記無機粉末又は無機繊維が含まれているので、中子の製造に際し、該中子の乾燥時の収縮が抑制される。また、該中子を用いることで、鋳造時にセルロース繊維から発生するガスやタール状高分子化合物の量が抑制され、鋳造欠陥が低下し、鋳造時の作業性が改善される。
しかし、この技術で得られる中子は、前記の利点は有するが、バインダーを含んでいない。よって、中空形状のランナー等を含み、種々のキャビティ形状に対応した注湯系等の形成には、この中子は適用できない。
実開平1−60742号公報 特開平9−253792号公報
従って、本発明の目的は、熱分解に伴う熱収縮を抑えることができ、且つ種々のキャビティ形状に対応した注湯系等を形成することができて取り扱い性に優れる鋳物製造用抄造部品及びこれを用いた鋳物の製造方法を提供することにある。
本発明は、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含有する鋳物製造用抄造部品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含有する鋳物製造用抄造部品を用いた鋳物の製造方法であって、前記鋳物製造用抄造部品を鋳物砂内に配した鋳物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記本発明の鋳物製造用抄造部品の製造方法であって、前記有機繊維及び前記無機繊維を含む原料スラリーから成形体を抄造する工程と、抄造された前記成形体に前記バインダーを含ませる工程とを具備する鋳物製造用抄造部品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、熱分解に伴う熱収縮が抑えられ、且つ種々の鋳型のキャビティ形状に対応した注湯系等を形成することができて取り扱い性にも優れる鋳物製造用抄造部品及びこれを用いた鋳物の製造方法が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の鋳物製造用抄造部品は、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含有する。
前記有機繊維は、鋳物製造用抄造部品において鋳造に用いられる前の状態ではその骨格をなし、鋳造時には溶融金属の熱によってその一部若しくは全部が燃焼し、鋳物製造後の抄造部品内部に空隙を形成する。
前記有機繊維には、紙繊維のほか、フィブリル化した合成繊維、再生繊維(例えば、レーヨン繊維)等が挙げられ、それらが単独で又は二種以上混合されて用いられる。これらの中でも、紙繊維が好ましい。その理由は、紙繊維は入手が容易且つ安定的であり、成形体の製造費用が低減され、抄造により多様な形態に成形でき、脱水、乾燥された成形体が十分な強度を有するからである。
前記紙繊維には、木材パルプのほか、コットンパルプ、リンターパルプ、竹やわらその他の非木材パルプを用いることができる。バージンパルプ若しくは古紙パルプ(回収品)を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。入手の容易性、安定性、環境保護、製造費用の低減等の点から、特に古紙パルプが好ましい。
前記有機繊維の平均繊維長は0.8〜2.0mmが好ましく、0.9〜1.8mmがより好ましい。有機繊維の平均繊維長が短すぎると成形体の表面にひびが生じたり、衝撃強度等の機械物性に劣る場合があり、長すぎると肉厚むらが発生し易くなったり、表面の平滑性が悪くなる場合がある。
前記有機繊維の含有量は10〜70重量部が好ましく、20〜60重量部がより好ましい。なお、本明細書において、重量部は、有機繊維、無機繊維及びバインダーの合計100重量部に対する値を意味する。有機繊維の含有量が少なすぎると抄造部品の骨格をなす有機繊維不足のため、抄造部品の成形性が悪くなり、脱水後や乾燥後の抄造部品の強度が不十分な場合があり、多すぎると注湯時に燃焼ガスが大量に発生して、湯口から吹き戻しが発生したり、揚がり(鋳型の上部に設けた細い棒状の空げきで、溶湯が鋳型を満たしたのち鋳型上面に上昇する部分)から激しく炎が出ることもあり、用いる繊維によっては製造費用が高くなる場合がある。
前記無機繊維は、主として鋳物製造用抄造部品において鋳造に用いられる前の状態ではその骨格をなし、鋳造時に溶融金属の熱によっても燃焼せずにその形状を維持する。特に、前記バインダーとして後述する有機バインダーが用いられた場合には、該無機繊維は溶融金属の熱による当該有機バインダーの熱分解に起因する熱収縮を抑えることができる。
前記無機繊維には、炭素繊維、ロックウール等の人造鉱物繊維、セラミック繊維、天然鉱物繊維が挙げられ、それらが単独で又は二以上混合されて用いられる。これらの中でも、前記の熱収縮を抑える点から高温でも高強度を有する炭素繊維を用いることが好ましい。また、製造費用を抑える点からはロックウールを用いることが好ましい。
前記無機繊維の平均繊維長は0.2〜10mmが好ましく、0.5〜8mmがより好ましい。無機繊維の平均繊維長が短すぎると、濾水が低下して抄造部品製造時に脱水不良が発生するおそれがある。また、肉厚の抄造部品(特に、ボトルのような中空立体形状物)の製造時に抄造性が低下する場合がある。一方、無機繊維の平均繊維長が長すぎると、均等な肉厚の抄造部品が得られないおそれがあり、中空の抄造部品の製造が難しくなることもある。
前記無機繊維の含有量は1〜80重量部が好ましく、4〜40重量部がより好ましい。無機繊維の含有量が少なすぎると、特に有機バインダーを用いて製造された抄造部品の鋳造時の強度が低下し、当該バインダーの炭化に起因して抄造部品の収縮、割れ、壁面の剥離(抄造部品の壁面が内層と外層とに分離する現象)等が発生するおそれがある。さらに、抄造部品の一部あるいは鋳物砂が製品(鋳物)に混入して欠陥製品が製造される場合もある。無機繊維の含有量が多すぎると、特に抄造工程や脱水工程での抄造部品の成形性が低下し、用いられる繊維によっては部品費用が高くなる場合もある。
前記有機繊維に対する前記無機繊維の割合(無機繊維含有量/有機繊維含有量)は、重量比で、例えば無機繊維が炭素繊維の場合には0.15〜50が好ましく0.25〜30がより好ましい。無機繊維がロックウールの場合には10〜90が好ましく20〜80がより好ましい。無機繊維が多すぎると、抄造部品の抄造、脱水成形における成形性が低下し、脱水後の抄造部品の強度が不十分になって抄造型から取り出すときに抄造部品が割れる場合がある。無機繊維が少なすぎると有機繊維や後述の有機バインダーの熱分解に起因して抄造部品が収縮する場合がある。
前記バインダーとしては、後述するように、有機バインダー及び無機バインダーが挙げられる。有機バインダー及び無機バインダーは、それぞれ単独で又は混合して用いることができる。
前記有機バインダーは、抄造部品の原料スラリー中に添加されても、製造された抄造部品に含浸せられてもよい。原料スラリー中に添加された場合は、抄造部品の乾燥時に、バインダーが前記有機繊維と前記無機繊維とを結合させ、高強度の抄造部品が得られる。抄造部品に含浸せられた場合は、該抄造部品を乾燥させてバインダーを硬化せしめると、鋳込み時の溶融金属の熱でバインダーが炭化して鋳込み時に抄造部品の強度が維持される。
前記有機バインダーとしては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に、可燃ガスの発生が少なく、燃焼抑制効果があり、熱分解(炭化)後における残炭率が高い等の点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。該フェノール樹脂には、後述のような硬化剤を必要とするノボラックフェノール樹脂、硬化剤の必要ないレゾールタイプ等のフェノール樹脂が用いられる。前記有機バインダーは、単独で又は二種以上混合して用いられる。
前記無機バインダーは、鋳込み前において抄造した部品を乾燥成形したときに前記有機繊維及び前記無機繊維を結合させるもの、鋳込み時に残存して燃焼ガスや火炎の発生を抑制する効果を有するもの、鋳込み時に熱により溶融してバインダーとしての能力を発現するもの、鋳込み時にいわゆる浸炭を防止する効果を有するもの等がある。
前記無機バインダーとしては、コロイダルシリカ、黒曜石、真珠岩、エチルシリケート、水ガラス等のSiO2を主成分とする化合物が挙げられる。これらの中でも、特に、単独で使用できることや塗布のし易さ等の点からコロイダルシリカを用いることが好ましい。また、原料スラリー中に添加できる点や浸炭防止の点を考慮すると、黒曜石を用いることが好ましい。前記無機バインダーは単独で又は二種以上混合して用いられる。
前記バインダー(固形分)の含有量は10〜85重量部が好ましく、20〜80重量部がより好ましい。バインダーの含有量が少なすぎると抄造部品にピンホールの発生や、抄造部品の圧縮強度低下のおそれがある。前記有機バインダーを使用した場合には注湯する際に抄造部品の強度が不足して製品中に鋳物砂が混入する場合がある。バインダーの含有量が多すぎると、抄造後の乾燥成形時に、抄造部品が金型に貼り付いて抄造部品を金型から分離するのに支障をきたす場合がある。
黒曜石以外のバインダーを用いる場合には、当該バインダーの含有量は、10〜70重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましい。
前記バインダーとして黒曜石を用いる場合には、黒曜石を全バインダー中に少なくとも20重量部を含ませることが好ましい。前記バインダーとして黒曜石のみを用いることもできる。
本発明の鋳物製造用抄造部品の製造では、ノボラックフェノール樹脂を使用した場合には、硬化剤を要する。該硬化剤は水に溶け易いため、抄造部品の脱水後にその表面に塗工されるのが好ましい。前記硬化剤には、ヘキサメチレンテトラミン等を用いることが好ましい。
また、前記バインダーとしては、融点又は熱分解温度の異なる二種類以上のものを併用することができる。特に、抄造部品が常温の鋳造前から鋳造中の高温に曝された場合に亘ってその形状を維持したり、鋳造時の浸炭を防止する等の観点から、低融点のバインダーと高融点のバインダーの併用が好ましい。この場合、低融点のバインダーとしては、粘土、水ガラス、黒曜石等が挙げられ、高融点のバインダーとしては、コロイダルシリカ、ウォラストナイト、ムライト、Al23等が挙げられる。融点又は熱分解温度の異なるバインダーの組み合わせとして、黒曜石とフェノール樹脂との組み合わせ等が挙げられる。黒曜石の融点は1200℃〜1300℃であり、フェノール樹脂の熱分解温度は約500℃である(窒素ガス中での重量減少測定(DTA)の結果ではフェノール樹脂は40wt%が分解し、その約50%が約500℃で分解する)。
本発明の鋳物製造用抄造部品には、前記有機繊維、前記無機繊維及び前記バインダーの他に、紙力強化材を添加してもよい。紙力強化材は、抄造部品の中間成形体にバインダーを含浸させたときに(後述)、該中間成形体の膨潤を防止する作用がある。
紙力強化材の使用量は、前記各繊維の総重量の1〜20%、特に2〜10%が好ましい。紙力強化材が少なすぎると前記の膨潤防止が不十分となったり、添加した粉体が繊維に定着しない場合があり、多く添加しても効果は上がらず抄造部品の成形体が金型に貼り付きやすくなる場合がある。
紙力強化材としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
本発明の鋳物製造用抄造部品には、さらに、凝集剤、着色剤等の成分を添加することもできる。
前記鋳物製造用抄造部品の厚みは使用目的等に応じて設定することができるが、少なくとも溶融金属と接する部分の厚みは、0.2〜5mmが好ましく、0.4〜3mmがより好ましい。薄すぎると抄造部品としての強度が不十分となり、鋳物砂の圧力に負けて抄造部品に望まれる形状や機能の維持が困難になることもある。厚すぎると通気性が損なわれ、原料費が高くなり、また成形時間が長くなり、製造費が高くなる場合がある。
前記鋳物製造用抄造部品は、鋳造に用いられる前の状態の圧縮強度は10N以上が好ましく、30N以上がより好ましい。圧縮強度が低すぎると鋳物砂で押されて変形し、抄造部品としての機能が損なわれる場合もある。
前記鋳物製造用抄造部品が水を含む原料スラリーを用いて製造された場合は、該鋳物製造用抄造部品の使用前(鋳造に供せられる前)の重量含水率は10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。その理由は、含水率が低いほど、鋳造時の有機バインダーの熱分解(炭化)に起因するガス発生量が低下するからである。
前記鋳物製造用抄造部品の使用前の比重は1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。その理由は、比重が小さいと軽量になり、抄造部品の取り扱い作業や加工が容易になるからである。
次に、内部が中空の鋳物製造用抄造部品の製造方法の例に基づいて、本発明の鋳物製造用抄造部品の製造方法を説明する。
先ず、前記有機繊維、前記無機繊維及び前記バインダーを前記所定割合で含む原料スラリーを調製する。原料スラリーは、前記繊維及びバインダーを所定の分散媒に分散させて調整する。なお、バインダーは、添加せず、成形体に含浸させてもよい。
前記分散媒としては、水、白水の他、エタノール、メタノール等の溶剤等が挙げられる。抄造・脱水成形の安定性、成形体の品質の安定性、費用、取り扱い易さ等の点から特に水が好ましい。
前記原料スラリーにおける前記分散媒に対する前記各繊維の合計の割合は、0.1〜3重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。原料スラリー中の前記繊維の合計割合が多すぎると成形体に肉厚むらが生じやすくなったり、中空製品の場合には内面の表面性が悪くなる場合がある。少なすぎると成形体に局所的な薄肉部が発生する場合がある。
前記原料スラリーには、必要に応じて、前記紙力強化材、凝集剤、防腐剤等の添加剤を添加することができる。
次に、前記原料スラリーを用い、鋳物製造用抄造部品の中間成形体を抄造する。
前記中間成形体の抄造工程では、例えば、2個で一組をなす割型を突き合わせることにより、当該中間成形体の外形に対応した形状のキャビティが内部に形成される抄造・脱水成形用の金型を用いる。そして、該金型の上部開口部から該キャビティ内に所定量の原料スラリーを加圧注入する。これにより、該キャビティ内を所定圧力に加圧する。各割型には、その外部とキャビティとを連通する複数の連通孔をそれぞれ設けておき、また、各割型の内面は、所定の大きさの網目を有するネットによってそれぞれ被覆しておく。原料スラリーの加圧注入には例えば圧送ポンプを用いる。前記原料スラリーの加圧注入の圧力は、0.01〜5MPaが好ましく、0.01〜3MPaがより好ましい。
上述の通り、前記キャビティ内は所定圧力に加圧されているので、該原料スラリー中の分散媒は前記連通孔から金型の外へ排出される。その一方、前記原料スラリー中の固形分が前記キャビティを被覆する前記ネットに堆積されて、該ネットに繊維積層体が均一に形成される。このようにして得られた繊維積層体は、有機繊維と無機繊維が複雑に絡み合い、且つこれらの間にバインダーが介在したものであるため、複雑な形状であっても乾燥成形後においても高い保形性が得られる。また、前記キャビティ内が所定圧力に加圧されるので、中空の中間成形体を成形する場合でも、原料スラリーがキャビティ内で流動して原料スラリーが撹拌される。そのため、キャビティー内のスラリー濃度は均一化され、前記ネットに繊維積層体が均一に堆積する。
所定厚みの繊維積層体が形成された後、前記原料スラリーの加圧注入を停止し、前記キャビティ内に空気を圧入して該繊維積層体を加圧・脱水する。その後、空気の圧入を停止し、前記キャビティ内は前記連通孔を通して吸引し、弾性を有し伸縮自在で且つ中空状をなす中子(弾性中子)を該キャビティ内に挿入する。
中子は、引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等によって形成されている。
次に、前記キャビティ内に挿入された前記中子内に、加圧流体を供給して中子を膨張させ、膨張した中子により前記繊維積層体を該キャビティの内面に押圧する。これにより、前記繊維積層体は、前記キャビティの内面に押し付けられ、当該繊維積層体の外表面に当該キャビティの内面形状が転写されると共に該繊維積層体の脱水が進行する。
前記中子を膨張させるために用いられる前記加圧流体には、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱油)、その他各種の液が使用される。また、加圧流体の供給圧力は、成形体の製造効率を考慮すると0.01〜5MPa、特に効率良く製造できる点で0.1〜3MPaが好ましい。0.01MPa未満であると繊維積層体の乾燥効率も低下し、表面性及び転写性も不十分となる場合が有り、5MPaを超えても効果が大きく向上することはなく、装置が大型化する。
このように、前記繊維積層体をその内部からキャビティの内面に押し付けるため、キャビティの内面の形状が複雑であっても、その内面形状が精度良く前記繊維積層体の外表面に転写される。また、製造される成形体が複雑な形状であっても、各部分の貼り合わせ工程が不要なので、最終的に得られる部品には貼り合わせによるつなぎ目及び肉厚部は存在しない。
前記繊維積層体の外表面に前記キャビティの内面形状が十分に転写され且つ該繊維積層体を所定の含水率まで脱水できたら、前記中子内の加圧流体を抜き、中子を元の大きさまで自動的に収縮させる。そして、縮んだ中子をキャビティ内より取出し、更に前記金型を開いて所定の含水率を有する湿潤した状態の繊維積層体を取り出す。上述の中子を用いた繊維積層体の押圧・脱水は、必要に応じて省略し、キャビティ内への空気の圧入による加圧・脱水のみによって繊維積層体を脱水成形することもできる。
脱水成形された前記繊維積層体は、次に加熱・乾燥工程に移される。
加熱・乾燥工程では、前記中間成形体の外形に対応した形状のキャビティが形成される乾燥成形用の金型を用いる。そして、該金型を所定温度に加熱し、該金型内に脱水成形された湿潤状態の前記繊維積層体を装填する。
次に、前記抄造工程で用いた前記中子と同様の中子を前記繊維積層体内に挿入し、該中子内に加圧流体を供給して該中子を膨張させ、膨張した該中子で前記繊維積層体を前記キャビティの内面に押圧する。フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等によって表面改質された中子を用いるのが好ましい。加圧流体の供給圧力は、前記脱水工程と同様の圧力とすることが好ましい。この状態下に、繊維積層体を加熱・乾燥し、前記中間成形体を乾燥成形する。
乾燥成形用の前記金型の加熱温度(金型温度)は、表面性や乾燥時間の点から180〜250℃が好ましく、200〜240℃がより好ましい。加熱温度が高すぎると中間成形体が焦げてその表面性が悪くなる場合があり、低すぎると中間成形体の乾燥に時間がかかる。
前記繊維積層体が、十分に乾燥したら、前記中子内の前記加圧流体を抜き、該中子を縮ませて当該繊維積層体から取り出す。そして、前記金型を開いて、前記中間成形体を取り出す。
得られた中間成形体には、必要に応じて、さらにバインダーを部分的又は全体に含浸させることができる。
中間成形体に含浸させるバインダーとしては、レゾールタイプフェノール樹脂、コロイダルシリカ、エチルシリケート、水ガラス等が挙げられる。
中間成形体にバインダーを含浸させ、原料スラリー中に含ませない場合には原料スラリーや白水の処理が簡便になる。
バインダーを含浸させた後、中間成形体を所定温度で加熱乾燥し、バインダーを熱硬化させて製造を完了する。
このようにして得られる抄造部品は、弾性中子によって押圧されているため、内表面及び外表面の平滑性が高い。このため、成形精度も高く、嵌合部やネジ部を有する場合にも精度の高い抄造部品が得られる。したがって、これらの嵌合部やネジ部で連結された抄造部品は湯漏れを確実に抑えることができ、その中を湯がスムーズに流れる。また、鋳造時の該抄造部品の熱収縮率も5%未満となるため、抄造部品のひび割れや変形等による湯漏れを確実に防ぐことができる。
本発明の鋳物製造用抄造部品は、例えば、図1に示す実施形態のような、湯口用ランナーに適用することができる。図1において、符号1はランナーを示している。
図1に示すように、ランナー1は、二つの筒状部材11、12が嵌合によって連結されている。筒状部材12の上方の開口部12aは、所定長さ拡径されているとともに、その先端部12bの内面は、上方に向けて漸次拡径するテーパー(逆テーパー)部が設けられている。よってその連結相手となる部材(図1では、筒状部材11)の下端開口部の嵌合が容易となり、且つ所定深さまで確実に嵌合できる。
筒状部材12の開口部12aの拡径の割合は、筒状部材11、12の内面が互いに面一となるように設定されている。筒状部材12は、下方において水平に屈曲しており、その水平開口部12cに湯道用ランナー(図3参照)3が連結される。
前記ランナー1を製造する際には、図2(a)に示すような、筒状部材11が反転した状態で筒状部材12の上端部において一体的に成形され、且つ前記水平開口部12cが未開口状態の中間成形体10を、前記製造方法によって製造することが好ましい。
得られた中間成形体10は、図2(b)に示すように、所定の切断箇所(図2(a)のA,B)で切断され、これらが図1に示すように嵌合されて連結され、折曲部を有する湯口のランナー(鋳物製造用抄造部品)となる(図3参照)。
次に、本発明の鋳物の製造方法を前記湯口用ランナー1を用いた鋳物の製造方法に基づいて説明する。
先ず、図3に示すように、前記湯口用ランナー1、受け口、湯道、堰等の注湯系用ランナー2、3、4、ガス抜き用ランナー5、押湯(トップ及びサイド)用ランナー6、7、揚がり用ランナー8及びキャビティ(図示せず)を有する鋳型9からなる鋳物製造用抄造部品を所定の位置に配置する。
そして、これらの鋳物製造用抄造部品を鋳物砂内に埋設し、前記注湯系を通して所定の組成の溶融金属を鋳型9の前記キャビティ内に導く。このとき、前記バインダーに前記有機バインダーを用いている場合には、本発明の抄造部品は溶融金属の熱によって、当該バインダー(及び前記有機繊維)が熱分解して炭化するが、十分な強度を継持することができる。また、前記無機繊維によってその熱分解に伴う熱収縮が抑えられるため、各ランナーにひび割れが生じたり、抄造部品自体が流されたりすることがほとんどなく、溶融金属に鋳物砂等が混じることがない。また、有機繊維が熱分解する為、型を解体して鋳物製品を取出した後の抄造部品の除去は容易である。
鋳物砂には、従来からこの種の鋳物の製造に用いられている砂を特に制限なく用いることができる。
鋳込みを終えた後、所定の温度まで冷却して鋳物砂を取り除き、さらにブラスト処理によって鋳造品を露呈させる。また、注湯系等の炭化した前記鋳物製造用抄造部品等の不要部分を取り除く。そして、必要に応じてトリミング処理等の後処理を施して鋳物の製造を完了する。
以上のように、本発明の鋳物製造用抄造部品は、有機繊維が溶融金属の熱で燃焼してその内部に空隙が形成され、無機繊維とバインダーによってその強度が維持され、鋳型を解体した後に、ブラスト処理等によって容易に鋳物砂からの分離や除去がなされる。すなわち、本発明の鋳物製造用抄造部品は、有機繊維、無機繊維及びバインダーが使用されているために、鋳型の造形時や注湯時にはその強度を保持し、鋳型の解体後にはその強度が低下する。よって本発明の鋳物製造用抄造部品を用いた鋳物の製造方法は、従来の方法よりも廃棄物の処理を簡便にして処理費用を削減し、廃棄物の発生量も低減させることができる。
また、弾性中子で押圧した表面性の良好な鋳物製造用抄造部品を用いるならば、鋳込み時の溶融金属の流れに乱れが生じない3次元の流路(注湯系)が形成されるので、溶融金属の流れの乱れによる、空気、ゴミなどの巻込みに起因する鋳物の欠陥を防止できる。
更に、有機繊維、無機繊維及びバインダーを混合したスラリーで本発明の鋳物製造用抄造部品を抄造成形することで、有機繊維のみを用いて製造された抄造部品よりも鋳込み時の火炎の発生を抑えることができるとともに、有機繊維の燃焼消失による強度低下、有機バインダーの熱分解(炭化)に伴う熱収縮に伴うひび割れ等を防ぐことができ、その結果溶融金属への鋳物砂の混入による製品不良の発生を防ぐことができる。
また本発明の鋳物製造用抄造部品は、通気性を有しているため、注湯時に発生するガスを鋳砂側に逃がす。よって鋳物にいわゆる巣に起因する不良品の発生を防ぐことができる。
本発明の鋳物製造用抄造部品は、軽量であり、簡便な装置で容易に切断加工等ができるため、取り扱い性にも優れている。
本発明は上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
例えば、ランナーに長さ調整手段を具備させてもよい。これにより、さらに取り扱い性に優れたものとなる。この長さ調整手段としては、連結する二つの部品において一方の内面及び他方の外面に対応するねじ山(雄ねじ、雌ねじ)を設けておき、螺着の度合いに応じてその長さを調整する方法、或いは、筒状の部品の場合には、その長さ方向中間部に蛇腹部を設け、当該蛇腹部分の伸縮によって長さを調整する方法などが挙げられる。
また、本発明の鋳物製造用抄造部品は、前記ランナー1のような分岐していない形態のほか、図4に示すようなT字状のランナー1'とすることもできる。これにより、同図に示すように、注湯経路を多様な形態とすることができる。
本発明の鋳物製造用抄造部品は、前記実施形態の湯口用ランナー1の他、図3に示すような、湯道、堰、ガス抜き、押湯、揚がり用のランナー2〜8、中子(図示せず)、鋳型自身又は鋳型の内面のランナー材にも適用できる。
本発明の鋳物製造用抄造部品は、湯だまりを有する筒状のランナーとすることもできる。該湯だまりは、フィルター効果を発揮し、より純度の高い鋳造品の製造を可能にする。
上記実施形態ではノボラックタイプのフェノール樹脂を使用したが、レゾールタイプのフェノール樹脂の使用も可能である。その際にはレゾールタイプのフェノール樹脂を配合しないスラリーで抄紙してランナーを成型し、該ランナーを脱水させた後に樹脂を含浸させることも可能である。また該ランナーを乾燥した後にフェノール樹脂を含浸させて熱処理することも可能である。
本発明の鋳物の製造方法は、溶湯(鋳鉄)の他、アルミニウム及びその合金、銅及びその合金、ニッケル、鉛等の非鉄金属の鋳造にも適用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
下記原料スラリーを用いて所定の繊維積層体を抄造した後、該繊維積層体を脱水、乾燥し、図2(a)に示す形状を有し、下記物性を有する湯口用のランナー(鋳物製造用抄造部品、重量約16g)を得た。
<原料スラリーの調整>
下記配合の有機繊維と無機繊維を水に分散させて約1%(水に対し、有機繊維及び無機繊維の合計重量が1重量%)のスラリーを調整した後、該スラリーに下記バインダーと下記凝集剤を添加し、有機繊維、無機繊維、及びバインダーの混合比(重量比)が下記の値の原料スラリーを調整した。
〔原料スラリーの配合〕
有機繊維:新聞古紙、平均繊維長が1mm、フリーネス(以下CSFともいう。)が150cc
無機繊維:炭素繊維(東レ(株)社製、商品名「トレカチョップ」)、繊維長3mm)をビータにかけ、有機繊維、無機繊維及びフェノール樹脂が重量混合比で2:3:5のスラリーを得た。該スラリーから作られる繊維積層体のフリーネスは300ccであった。
バインダー:フェノール樹脂(旭有機材工業(株)社製、SP1006LS)
凝集剤:ポリアクリルアミド系凝集剤(三井サイテック社製、A110)
分散媒:水
有機繊維、無機繊維、バインダーの重量混合比=2:3:5
<抄造・脱水工程>
抄造型として、前記図2(a)に対応するキャビティ形成面を有する金型を用いた。該金型のキャビティ形成面には所定の目開きのネットが配され、キャビティ形成面と外部とを連通する多数の連通孔が形成されている。なお、該金型は、一対の割型からなる。
前記原料スラリーをポンプで循環させ、前記抄紙型内に所定量のスラリーを加圧注入する一方で、前記連通孔を通してスラリー中の水を除去し、所定の繊維積層体を前記ネットの表面に堆積させた。所定量の原料スラリーの注入が完了したら、加圧エアーを抄造型内に注入し、該繊維積層体を脱水した。加圧エアーの圧力は、0.2MPa、脱水に要した時間は約30秒であった。
<硬化剤塗布工程>
前記バインダーの15%(重量比)に相当する量の硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン)を水に分散させ、これを得られた繊維積層体の全面に、均一に塗布した。
<乾燥工程>
乾燥型として、前記図2(a)に対応するキャビティ形成面を有する金型を用いた。当該金型にはキャビティ形成面と外部とを連通する多数の連通孔が形成されている。なお、該金型は一対の割型からなる。
前記硬化剤を塗布した前記繊維積層体を抄造型から取り出し、それを220℃に加熱された乾燥型に移載した。そして、乾燥型の上方開口部から袋状の弾性中子を挿入し、密閉された乾燥型内で当該弾性中子内に加圧流体(加圧空気、0.2MPa)を該中子に注入して該中子を膨らませ、該中子で前記繊維積層体を乾燥型の内面に押しつけて、当該乾燥型の内面形状を該繊維積層体表面に転写させつつ乾燥させた。所定時間(180秒)の加圧乾燥を行った後、弾性中子内の加圧流体を抜いて当該弾性中子を収縮させて乾燥型内から取り出し、成形体を乾燥型内から取り出して冷却した。
<切断・組立工程>
得られた成形体を図2(b)のようにカットし、図1のように嵌合させて湯口用のランナーを得た。
<ランナーの物性>
厚み:0.8〜1.0mm
〔実施例2〕
下記原料スラリーを用いて所定の繊維積層体を抄造した後、該繊維積層体を脱水、乾燥し、図2(a)に示す形状を有する中間成形体を得た。そして、この中間成形体に下記のようにバインダーを含浸させて乾燥と熱硬化させ、下記物性を有する湯口用のランナー(鋳物製造用抄造部品、重量約28g)を得た。
<原料スラリーの調整>
下記配合の有機繊維と無機繊維を水に分散させて約1%(水に対し、有機繊維及び無機繊維の合計重量が1重量%)のスラリーを調整した後、該スラリーに下記バインダーと下記凝集剤を添加し、有機繊維、無機繊維、及びバインダーの混合比(重量比)が下記の値の原料スラリーを調整した。
〔原料スラリーの配合〕
有機繊維:新聞古紙、平均繊維長が1mm、CSFが150cc
無機繊維:炭素繊維(東レ(株)社製、商品名「トレカチョップ」、繊維長3mm)をビータにかけ、有機繊維と無機繊維が重量混合比で2:1のスラリーを調整した。該スラリーから得られる繊維積層体のフリーネスは300ccであった。
バインダー:黒曜石(キンセイマテック社製、商品名「ナイスキャッチ」)
紙力強化材:ポリビニルアルコール繊維(対有機繊維重量5%)
凝集剤:ポリアクリルアミド系凝集剤(三井サイテック社製、A110)
分散媒:水
有機繊維、無機繊維、バインダーの重量混合比=20:10:40
<抄造・脱水工程>
実施例1と同様にして抄造して繊維積層体を得、それを脱水した。
<乾燥工程>
乾燥型には、実施例1と同様の金型を用いた。
前記繊維積層体を抄造型から取り出し、それを220℃に加熱された乾燥型に移載した。乾燥型の上方開口部から袋状の弾性中子を挿入し、実施例1に準じて操作を行い、中間成形体を得た。
<バインダー含浸工程>
得られた中間成形体を図2(b)のようにカットし、バインダー(レゾールタイプフェノール液)の槽に浸漬し、成形体全体にバインダーを含浸させた。
<乾燥硬化工程>
中間成形体を150℃の乾燥炉で約30分間乾燥させるとともにバインダーを熱硬化させた。
得られた中間成形体中の有機繊維、無機繊維、バインダー(黒曜石+フェノール樹脂)の重量比は、20:10:55(40+15)であった。
<切断・組立工程>
得られた中間成形体を図2(b)のようにカットし、図1のように嵌合させて湯口用のランナーを得た。
<ランナーの物性>
厚み:0.7〜1.1mm
<鋳物の製造>
実施例1、2で得られたランナーを用い、図3に示すような注湯系を部分的に構成し、鋳物型を形成して溶湯(1400℃)を受け口から注入した。
<鋳物製造後のランナーの評価>
受け口への吹き戻しや揚がりからの激しい火炎は、何れのランナーの場合にも観測されなかった。また、鋳込み後、鋳型を解体したときは、ランナーは中で凝固した金属のまわりを覆っており、ブラスト処理により該金属から容易に除去された。
以上のように、実施例1、2で得られたランナー(鋳物製造用部品)は、熱分解に伴う熱収縮が抑えられ、且つ種々の鋳型のキャビティ形状に対応した注湯系等を形成することができて取り扱い性にも優れていることが確認された。
本発明の鋳物製造用抄造部品を湯口用のランナーに適用した一実施形態を模式的に示す半断面図である。 前記実施形態の中間成形体の概略半断面図であり、(a)は切断前の状態を示す図、(b)は切断後の状態を示す図である。 本発明の鋳物製造用部品を配置した状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の鋳物製造用抄造部品における他の実施形態の連結状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 湯口用ランナー(鋳物製造用抄造部品)
2 受け口用ランナー
3 湯道用ランナー
4 堰用ランナー
5 ガス抜き用ランナー
6、7 押湯用ランナー
8 揚がり用ランナー
9 鋳型


Claims (13)

  1. 有機繊維、炭素繊維及びバインダーを含有し、
    前記有機繊維の平均繊維長が0.8〜2.0mmであり、
    前記炭素繊維の平均繊維長が0.2〜10mmである鋳物製造用抄造部品。
  2. 前記有機繊維の含有量が10〜70重量部であり、前記炭素繊維の含有量が1〜80重量部であり、前記バインダーの含有量が10〜85重量部であり、且つ、前記有機繊維、前記炭素繊維及び前記バインダーの合計が100重量部である請求項1記載の鋳物製造用抄造部品。
  3. 前記バインダーに融点又は熱分解温度の異なる二種類以上のバインダーを含んでいる請求項1又は2記載の鋳物製造用抄造部品。
  4. 前記バインダーが有機バインダー及び/又は無機バインダーである請求項1〜3の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  5. 前記無機バインダーがSiO2を主成分とする化合物である請求項1〜4の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  6. 前記有機繊維が紙繊維である請求項1〜5の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  7. 中空であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  8. 長さ調整手段を備えている請求項1〜7の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  9. 連結可能な複数の部品から組み立てられてなる請求項1〜8の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品を用いた鋳物の製造方法であって、前記鋳物製造用抄造部品を鋳物砂内に配した鋳物の製造方法。
  11. 請求項1〜8の何れかに記載の鋳物製造用抄造部品の製造方法であって、前記有機繊維及び前記炭素繊維を含む原料スラリーから成形体を抄造する工程と、抄造された前記成形体に前記バインダーを含ませる工程とを具備する鋳物製造用抄造部品の製造方法。
  12. 前記バインダーが有機バインダーであり、該有機バインダーを含浸により含ませる請求項11記載の鋳物製造用抄造部品の製造方法。
  13. 前記原料スラリーに前記無機バインダーを含ませる請求項11又は12記載の鋳物製造用抄造部品の製造方法。
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