JPWO2016121040A1 - ターゲット供給装置、その処理装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

本開示の一態様によるターゲット供給装置は、プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置であって、前記金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制する脱水処理されたフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えていてもよい。

Description

本開示は、ターゲット供給装置、その処理装置および処理方法に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflective optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が提案されている。
米国特許出願公開第2013/0221587号明細書 米国特許出願公開第2006/0192155号明細書 米国特許第7449703号明細書 米国特許第8343429号明細書 米国特許出願公開第2012/0292527号明細書
概要
本開示の一態様によるターゲット供給装置は、プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置であって、前記金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制する、脱水処理されたフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えてもよい。
また、本開示の他の態様による処理装置は、プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理装置であって、チャンバと、前記チャンバ内を排気する排気装置と、前記チャンバに設けられたターゲット供給装置と、前記ターゲット供給装置を加熱するヒータと、前記ターゲット供給装置に不活性ガスを供給する圧力調節器と、前記ヒータと前記排気装置と前記圧力調節器とを制御する制御部と、を備え、前記ターゲット供給装置が、前記金属ターゲット材料と、前記金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を含み、前記制御部が、前記ターゲット供給装置が第1温度となるように前記ヒータを制御するとともに、前記タンク内のガス圧が前記チャンバ内のガス圧よりも高いガス圧となるように前記圧力調節器および前記排気装置を制御してもよい。
また、本開示のさらに他の態様による処理装置は、プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理装置であって、チャンバと、前記チャンバ内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記チャンバに設けられ、前記金属ターゲットを収容するタンクを含むターゲット供給装置と、前記ターゲット供給装置を加熱するヒータと、前記タンク内を排気する排気装置と、前記ヒータと前記排気装置と前記不活性ガス供給部とを制御する制御部と、を備え、前記ターゲット供給装置が、前記金属ターゲット材料と、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、をさらに含み、前記制御部が、前記ターゲット供給装置が第1温度となるように前記ヒータを制御するとともに、前記タンク内のガス圧が前記チャンバ内のガス圧よりも低いガス圧となるように前記不活性ガス供給部および前記排気装置を制御してもよい。
また、本開示のさらに他の態様による処理方法は、プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理方法であって、前記金属ターゲットの表面に生成した酸化物をエッチングし、前記金属ターゲットを収容するタンクを脱水し、前記タンク内に収容されて前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタを脱水し、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルを脱水することを含んでもよい。
また、本開示のさらに他の態様による処理方法は、金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えたターゲット供給装置の処理方法であって、前記金属ターゲットを前記タンク内に収容した状態で前記タンク内に不活性ガスを流すとともに、前記ターゲット供給装置内に吸着した水分が離脱する温度以上の温度であって前記金属ターゲットの融点未満の温度である第1温度となるように前記ターゲット供給装置を加熱することを含んでもよい。
また、本開示のさらに他の態様による処理方法は、金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えたターゲット供給装置の処理方法であって、前記金属ターゲットを前記タンク内に収容した状態で、前記ターゲット供給装置内に吸着した水分が離脱する温度以上の温度であって前記金属ターゲットの融点未満の温度である第1温度となるように前記ターゲット供給装置を加熱し、前記ターゲット供給装置を前記第1温度に加熱した状態で、前記タンク内に対する不活性ガスの充填および排気を1回以上実行することを含んでもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP方式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、図1に示すEUV光生成装置に搭載されたターゲット供給部の一例をより具体的に示す模式図である。 図3は、図2におけるフィルタ部周辺の概略構成例を示す断面図である。 図4は、実施形態にかかるターゲット供給部におけるタンク部およびノズル部周辺の構造例を示す断面図である。 図5は、実施形態にかかるインゴットの概略形状を示す図である。 図6は、実施形態にかかる他のインゴットの概略形状を示す図である。 図7は、実施形態にかかるさらに他のインゴットの概略形状を示す図である。 図8は、実施形態にかかるターゲット供給部およびその部品のベーキング処理工程を示すフローチャートである。 図9は、実施形態にかかるターゲット供給部の各部品のベーキング前後における単位面積あたりの吸着水分量の計測結果を示す図である。 図10は、実施形態にかかるターゲット供給部のベーキング前後における総吸着水分量の計測結果を示す図である。 図11は、実施形態にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。 図12は、実施形態にかかるベーキング処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施形態にかかるベーキング処理を含む工程における圧力変化の例を示すタイミングチャートである。 図14は、実施形態にかかるベーキング処理を含む工程における温度変化の例を示すタイミングチャートである。 図15は、実施形態にかかるベーキング条件の例を示す図である。 図16は、実施形態の変形例1にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。 図17は、実施形態の変形例2にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。 図18は、実施形態の変形例2にかかるベーキング処理の一部を抜粋して例示するフォローチャートである。 図19は、実施形態の変形例2にかかるベーキング処理を含む工程における圧力変化の例を示すタイミングチャートである。 図20は、図11に示すベーキング処理装置をEUV光生成装置のチャンバに組み込んだ場合の概略構成例を示す模式図である。 図21は、実施形態にかかるEUV光生成装置の変形例を示す模式図である。 図22は、実施形態にかかる脱水処理装置の他の例を示す模式図である。 図23は、開示される主題の様々な側面が実行され得る例示的なハードウエア環境を示すブロック図である。
実施形態
内容
1.概要
2.用語の説明
3.極端紫外光生成装置の全体説明
3.1 構成
3.2 動作
4.極端紫外光生成装置に搭載されたターゲット供給部
4.1 構成
4.2 動作
4.3 課題
5.ターゲット供給部の構造とベーキング処理工程
5.1 ターゲット供給部の構造
5.2 インゴットの形状
5.3 ターゲット供給部およびその部品のベーキング処理工程
5.4 作用
6.ターゲット供給部のベーキング処理装置
6.1 構成
6.2 動作
6.3 作用
6.4 ベーキング処理装置のバリエーション
6.4.1 変形例1
6.4.1.1 構成
6.4.1.2 動作
6.4.1.3 作用
6.4.2 変形例2
6.4.2.1 構成
6.4.2.2 動作
6.4.2.3 作用
7.ターゲット供給部のベーキング処理装置を含むEUV光生成装置
7.1 構成
7.2 動作
7.3 作用
7.4 ベーキング処理装置が組み込まれたEUV光生成装置のバリエーション
7.4.1 構成
7.4.2 動作
7.4.3 作用
8.その他
8.1 脱水処理の他の例
8.2 制御部
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.概要
本開示の実施形態は、EUV光生成装置におけるターゲット供給装置(ターゲット供給部ともいう)、およびそれを処理する処理装置およびその処理方法に関するものであってよい。より具体的には、ターゲット供給装置を脱水処理する装置およびその方法、ならびにそれにより脱水処理されたターゲット供給装置に関するものであってもよい。ただし、本開示はこれらの事項に限定されず、ターゲット材料をドロップレットの形態で供給するためのあらゆる事項に関連するものであってよい。さらに、以下では、脱水処理の一例としてベーキング処理を説明するが、これはその他の脱水処理が用いられることを妨げるものではない。
2.用語の説明
本開示において使用される用語について、以下のように定義する。
「ドロップレット」とは、融解したターゲット材料の液滴であってもよい。その形状は、略球形であってもよい。
「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間であってもよい。
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
図1に、例示的なLPP方式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット供給部26を含んでもよい。チャンバ2は、密閉可能であってもよい。ターゲット供給部26は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられてもよい。ターゲット供給部26から供給されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられていてもよい。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられてもよく、ウインドウ21をレーザ装置3から出力されるパルスレーザ光32が透過してもよい。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有し得る。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF)292に位置するように配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられていてもよく、貫通孔24をパルスレーザ光33が通過してもよい。
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御装置5、ターゲットセンサ4等を含んでもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよく、ターゲット27の存在、軌跡、位置、速度等を検出するよう構成されてもよい。
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含んでもよい。接続部29内部には、アパーチャ293が形成された壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャ293がEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されてもよい。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含んでもよい。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えてもよい。
3.2 動作
図1を参照に、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射されてもよい。
ターゲット供給部26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射されてもよい。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射され得る。放射光251に含まれるEUV光252は、EUV集光ミラー23によって選択的に反射されてもよい。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力されてもよい。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
EUV光生成制御装置5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括するよう構成されてもよい。EUV光生成制御装置5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理するよう構成されてもよい。また、EUV光生成制御装置5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御するよう構成されてもよい。さらに、EUV光生成制御装置5は、例えば、レーザ装置3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御するよう構成されてもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
4.極端紫外光生成装置に搭載されたターゲット供給部
つづいて、EUV光生成装置に搭載されたターゲット供給部(ターゲット供給装置ともいう)について、より具体的に説明する。
4.1 構成
図2は、EUV光生成装置に搭載されたターゲット供給部の一例をより具体的に示す模式図である。図3は、図2におけるフィルタ部周辺の概略構成例を示す断面図である。なお、図2において、ターゲット供給部以外の構成の一部は、図1を用いて説明した構成と異なっているが、これは、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、ターゲット供給部以外の構成には、図1を用いて説明した構成以外にも、種々の構成を適用することができる。また、図3は、ターゲット流路FLを流れるターゲット材料271の移動方向に沿った面での断面構造の一例を示している。
図2に示すように、ターゲット供給部26は、圧力調節器120と、温度可変装置140と、制御部51と、ピエゾ電源112と、を含んでもよい。
また、ターゲット供給部26は、タンク部260と、フィルタ部261と、ノズル部264と、ピエゾ素子111とを含んでもよい。
タンク部260は、内部に空間が設けられたタンクと、空間を封止する蓋とを含んでもよい。タンク部260内の空間には、ターゲット材料271が貯蔵されてもよい。ターゲット材料271は、錫(Sn)等の金属材料であってもよい。タンク部260のターゲット材料271の移動方向下流側には、ノズル部264をチャンバ2(図1参照)へ突出させるための凸部266が設けられていてもよい。この凸部266は、タンク260と一体形成されてもよいし、別体であってもよい。
図2および図3に示すように、凸部266の内部には、融解したターゲット材料271がタンク261内からノズル部264まで通過するためのターゲット流路FLが形成されていてもよい。したがって、このターゲット流路FLは、タンク261内の空間と連通し、且つ、後述するノズル孔265と連通していてもよい。
凸部266を含むタンク部260の材質は、ターゲット材料271との反応性が低い材料であってもよい。ターゲット材料271との反応性が低い材料は、たとえばモリブデン(Mo)であってもよい。
ノズル部264は、凸部266下面の開口を覆うように凸部266に設けられてもよい。ノズル部264には、ノズル孔265が形成されていてもよい。ノズル孔265の孔径は、たとえば2〜6μmであってもよい。ノズル部264の材質は、モリブデン(Mo)であってもよい。
フィルタ部261は、タンク部260とノズル部264との間のターゲット流路FLに配置されてもよい。タンク部260とノズル部264との間のターゲット流路FLには、フィルタ部261を収容するための拡径部が形成されていてもよい。フィルタ部261は、この拡径部に隙間なく収容されてもよい。
フィルタ部261は、フィルタ262とフィルタホルダ263とを含んでもよい。フィルタ262は、酸化錫や不純物等のパーティクル272を濾し取ってよい。このようなフィルタ262は、多孔質の部材で構成されてもよい。この多孔質の部材は、多孔質ガラスであってもよい。多孔質ガラスは、酸化アルミニウム・二酸化ケイ素系ガラスを骨格とするガラス多孔体であってもよい。多孔質の孔径は、3〜10μmであってもよい。また、フィルタ262は、複数の多孔質の板状部材が積層された構造を有してもよい。
多孔質の部材の一部または全部は、キャピラリ管を束ねたアレー状の開口を持つ部材に置き換えられてもよい。キャピラリ管の孔径は、約0.1〜2μmであってもよい。また、キャピラリ管は、ガラス製であってもよい。
また、図2に示すように、圧力調節器120は、ガス配管を介して不活性ガスのボンベ130に接続されてもよい。不活性ガスは、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、窒素ガス等であってもよい。また、ボンベ130には、供給する不活性ガスの供給圧を調節するバルブが設けられていてもよい。ボンベ130から供給された不活性ガスは、圧力調節器120から導入管131を介してタンク部260内の空間に導入されてもよい。また、圧力調節器120は、タンク部260内のガスを排気する機能を有してもよい。
温度可変装置140は、ヒータ141と、温度センサ142と、ヒータ電源143と、温度制御部144とを含んでもよい。
温度制御部144は、温度センサ142とヒータ電源143とに接続されてもよい。温度センサ142は、タンク部260またはタンク部260内のターゲット材料271の温度を計測するように配置されていてもよい。ヒータ電源143は、ヒータ141に電気的に接続されていてもよい。ヒータ電源143は、温度制御部144からの制御に従って、ヒータ141に電流を供給してもよい。ヒータ141は、タンク部260内のターゲット材料271を加熱するように配置されていてもよい。たとえば、ヒータ141は、タンク部260の外側面に配置されていてもよい。
ピエゾ電源112は、制御部51と、ピエゾ素子111とに接続されていてもよい。ピエゾ素子111は、凸部266の側面に設けられてもよい。
制御部51は、ピエゾ電源112、温度制御部144、圧力調節器120、EUV光生成制御装置5およびレーザ装置3に各種信号を送受信可能に接続されてもよい。
その他の構成は、図1に示す構成と同様であってよいため、詳細な説明を省略する。
4.2 動作
つづいて、図2および図3に示すターゲット供給部26およびそれを搭載するEUV光生成装置1の概略動作について説明する。
まず、制御部51は、EUV光生成制御装置5からターゲット出力準備命令を受信してもよい。ターゲット出力準備命令とは、ターゲット材料271をチャンバ2内へ供給する準備を開始させるための命令であってもよい。ターゲット出力準備命令を受信すると、制御部51は、温度制御部144へ温度制御の命令を出力してもよい。
温度制御部144は、受信した命令に従い、タンク部260またはその内部のターゲット材料271の温度が所定の温度範囲内に含まれるように、ヒータ電源143を駆動してヒータ141に電流を供給してもよい。所定の温度範囲とは、たとえばターゲット材料271の融点(たとえば錫の融点である231.9℃)以上の温度範囲であってもよい。具体的には、250℃以上300℃以下の温度範囲であってもよい。
また、温度制御部144は、タンク部260またはその内部のターゲット材料271の温度が所定の温度範囲内を維持するよう、温度センサ142で検出された温度に基づいてヒータ電源143を制御してもよい。
その後、制御部51には、EUV光生成制御装置5からターゲット出力命令が入力されてもよい。ターゲット出力命令とは、ターゲット材料271をチャンバ2内へ供給するための命令であってもよい。ターゲット出力命令を受信すると、制御部51は、圧力調節器120へ圧力制御の命令を出力してもよい。
圧力調節器120は、受信した命令に従い、タンク部260内を昇圧してターゲット材料271を加圧してもよい。昇圧後のタンク部260内のガス圧は、たとえば溶融したターゲット材料271がノズル孔265からジェット状に噴出する圧力であってもよい。また、圧力調節器120は、ターゲット材料271がノズル孔265からジェット状に噴出する圧力を維持するように、タンク部260内のガス圧を制御してもよい。
加圧された液体状のターゲット材料271は、ターゲット流路FLを通過する際にフィルタ部261によって濾過されてもよい。これにより、ターゲット材料271に含まれる酸化錫や不純物等のパーティクル272がフィルタ262によって濾し取られてもよい。その結果、ノズル部264には、詰まり等の原因となるパーティクル272が除去されたターゲット材料271が供給され得る。
さらに、ターゲット出力命令を受信した制御部51は、所定波形および所定周波数の振動がノズル孔265に伝達するように、ピエゾ電源112を駆動してピエゾ素子111を振動させてもよい。それにより、ノズル孔265から吐出するターゲット材料271のジェットが所定サイズおよび所定周期のドロップレット状のターゲット27に分断され得る。
ドロップレット状のターゲット27は、プラズマ生成領域25に到達した際に、パルスレーザ光33によって照射されてもよい。パルスレーザ光33の照射によりプラズマ化したターゲット27からは、EUV光252が放射し得る。放射したEUV光252は、EUV光集光ミラー23によって中間集光点292に集光され、その後、露光装置6(図1参照)に入力されてもよい。
4.3 課題
以上で例示した構成では、フィルタ部261を通過する前からターゲット材料271内に存在する酸化錫や不純物等のパーティクル272を除去することは可能である。しかしながら、酸化錫等のパーティクル272は、フィルタ部265の通過時や通過後にも発生する可能性が存在する。この原因の一つとして、フィルタ262の孔の表面やフィルタ部261からノズル孔265までの間の部材表面に吸着している水等が、ターゲット材料と反応して酸化錫が発生することが考えられる。
フィルタ部261通過後のターゲット材料271に発生したパーティクル272は、ノズル孔265まで到達し得る。ノズル孔265に到達したパーティクル272は、ノズル孔265を詰まらせ得る。また、ノズル孔265の穴径を縮小して、ターゲット軌道を変化させる要因ともなり得る。このように、ノズル孔265に到達したパーティクル272は、ターゲット27の安定供給の妨げとなり得る。
そこで以下の実施形態では、ノズル孔265に到達し得るパーティクル272を低減することが可能なターゲット供給装置、その処理装置および処理方法を例示する。
5.ターゲット供給部の構造とベーキング処理工程
まず、実施形態にかかるターゲット供給部の構造とそのベーキング処理工程について、図面を用いて詳細に説明する。
5.1 ターゲット供給部の構造
実施形態にかかるターゲット供給部の構造は、上述したターゲット供給部26と同様であってもよい。そこで図4には、ターゲット供給部26の一部の構造を、実施形態にかかるターゲット供給部の一部の概略構造例として示す。なお、図4には、ターゲット供給部26におけるタンク部260およびノズル部264周辺の構造が示されている。
図4に示すように、ターゲット供給部26のタンク部260は、内部に空間が設けられたタンク301と、空間を密閉する蓋302とを含んでもよい。タンク301および蓋302の材質は、上述したように、ターゲット材料271との反応性が低い材料、たとえばモリブデン(Mo)であってもよい。
タンク301と蓋302とは、たとえばボルト311を用いて固定されてもよい。蓋302とタンク301とを固定した状態では、タンク301内の空間が、タンク301と蓋302とが形成する面シールによって封止されてもよい。ただし、蓋302には、圧力調節器120に連通する導入管131が設けられていてもよい。
タンク301底部の凸部266には、ボルト312を用いてノズル部264が固定されてもよい。凸部266の内部には、タンク301内の空間からノズル孔265までを連通するターゲット流路FLが設けられてもよい。ターゲット流路FLの拡径部には、フィルタ部261が収容されてもよい。
フィルタ部261において、フィルタ262は、第1フィルタ2621と、第2フィルタ2622と、第3フィルタ2623と、フィルタ支持体2624とを含んでもよい。
第1フィルタ2621は、たとえば、孔径が約10μmの多孔質フィルタであってもよい。このような多孔質フィルタは、酸化アルミニウム・二酸化ケイ素系ガラスを骨格とするガラス多孔体であってもよい。
第2フィルタ2622は、たとえば、孔径が約3μmの多孔質フィルタであってもよい。このような多孔質フィルタは、酸化アルミニウム・二酸化ケイ素系ガラスを骨格とするガラス多孔体であってもよい。
第3フィルタ2623は、たとえば、孔径が約0.1〜2μmのガラス製のキャピラリ管を複数束ねた構造であってもよい。第3フィルタ2623の寸法は、たとえば直径20mm、厚さ約0.5mmであってもよい。各キャピラリ管の材料は、鉛を含む低融点ガラスであってもよい。また、キャピラリ管におけるターゲット材料271と接触する部分は、酸化アルミニウムでコーティングされていてもよい。
フィルタ支持プレート2624の材質は、ターゲット材料271との反応性が低い材料、たとえばモリブデン(Mo)であってもよい。このフィルタ支持プレート2624には、第1〜第3フィルタ2621〜2623を通過したターゲット材料271がさらに通過する複数の貫通孔が設けられていてもよい。貫通孔の数は、10〜40個程度であってもよい。また、貫通孔の孔径は、約1〜2mmであってもよい。
このようなフィルタ262は、ターゲット流路FLにおける拡径部に、フィルタホルダ263およびシム313を用いて隙間なく収容されてもよい。フィルタホルダ263の材質は、ターゲット材料271との反応性が低い材料、たとえばモリブデン(Mo)であってもよい。フィルタホルダ263には、フィルタ261の脱落を防止する返し(Barb)が設けられていてもよい。
シム313は、フィルタホルダ262をターゲット流路FLの拡径部にセットした状態でフィルタ261と凸部266内壁との間に形成される隙間を埋める部材であってもよい。シム313の材質は、ターゲット材料271との反応性が低い材料、たとえばモリブデン(Mo)であってもよい。
ノズル部264を凸部266底部にボルト312を用いて固定した状態では、フィルタホルダ263とノズル部264との接触部分に面シールが形成されてもよい。また、この状態では、フィルタホルダ263と凸部266内壁との接触部分にも面シールが形成されてもよい。
なお、上記において、同じ金属材料(たとえばMo)が用いられた部材間に形成される面シールは、金属面シールであってもよい。
第1フィルタ2621および第2フィルタ2622は、液体状のターゲット材料271(たとえば液体錫)と反応し難い多孔質のセラミックスであってもよい。多孔質のセラミックスとしては、上述以外では、酸化アルミニウム、炭化珪素、炭化タングステン、窒化アルミニウム、炭化ホウ素等を例示することができる。
また、図4では、フィルタ261が複数のフィルタ(第1〜第3フィルタ2621〜2623)を含む場合を例示したが、フィルタ261が1つのフィルタを含む構成であってもよい。その場合、フィルタ261を構成する1つのフィルタには、たとえばアルミナセラミックスのフィルタが用いられてもよい。
ノズル部264の材質は、モリブデン(Mo)に限られず、パイレックス(登録商標)ガラスや合成石英ガラス材料等であってもよい。
5.2 インゴットの形状
図4において、タンク301内の空間には、ターゲット材料271のインゴット270が収容され得る。インゴット270には、タンク部260内の空間に収容された状態でノズル孔265から導入管131までのガスの通り道を遮らないように、貫通孔や溝等が形成されていてもよい。
図5は、実施形態にかかるインゴットの概略形状を示す図である。図5に示すように、インゴット270は、円筒状の形状に、1つ以上の貫通孔401と、1つ以上の溝402とが形成された形状を有してもよい。貫通孔401は、インゴット270の上面から底面まで貫通していてもよい。溝402は、インゴット270の側面を縦断し、且つ、底面の中央付近まで形成されていてもよい。
また、図6および図7は、実施形態にかかる他のインゴットの概略形状を示す図である。図6および図7に例示するインゴット270Aおよび270Bの直径は、タンク部260内の空間の直径よりもある程度小さいものとする。その場合、図6および図7に示すように、円筒状の形状における角部に1つ以上の切欠き部404または406を形成することでも、ノズル孔265から導入管131までのガスの通り道を確保することが可能である。
5.3 ターゲット供給部およびその部品のベーキング処理工程
つづいて、実施形態にかかるターゲット供給部およびその部品のベーキング処理工程について、図面を用いて詳細に説明する。
図8は、実施形態にかかるターゲット供給部およびその部品のベーキング処理工程を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、ターゲット供給部26を構成する部品の納入からスタートし、組み立てられたターゲット供給部26が使用可能な状態となるまでを示している。
また、図8では、ターゲット供給部26を構成する部品として、多孔質フィルタと、ガラス・金属部品と、インゴットとが例示されているが、これらに限定されるものではない。なお、多孔質フィルタには、たとえば多孔質ガラス(たとえば酸化アルミニウム・二酸化ケイ素系ガラスを骨格とするガラス多孔体)、セラミックスフィルタ(アルミナの多孔質フィルタ)等、フィルタ部261の構成部品等が含まれてもよい。ガラス部品には、孔径が約0.1〜2μmのガラス製のキャピラリ管アレイ等、フィルタ部261の構成部品等が含まれてもよい。また、ガラス部品には、たとえばノズル部264がガラス製の場合にはそのノズル部264が含まれてもよい。金属部品には、たとえばタンク部260、フィルタホルダ263、シム313等が含まれてもよい。また、金属部品には、ノズル部261が金属製の場合にはそのノズル部261が含まれてもよい。
図8に示すように、多孔質フィルタについては、その部品が納入されると(ステップS11)、受入れ検査を経て(ステップS12)、所定の保管場所に保管されてもよい(ステップS13)。所定の保管場所は、比較的低湿度で一定温度範囲に管理された空間でもよい。その後、多孔質フィルタは、単体でのベーキング処理(以下、単体ベーキングという)が施されて表面の水分が除去された後(ステップS14)、窒素雰囲気のデシケータ等に保管されてもよい(ステップS15)。
また、ガラス・金属部品についても、その部品が納入されると(ステップS21)、受入れ検査を経て(ステップS22)、所定の保管場所に保管されてもよい(ステップS23)。その後、ガラス・金属部品は、洗浄処理が施され(ステップS24)、エアブローにて表面の水滴が除去され(ステップS25)、単体ベーキングにて表面の水分が除去された後(ステップS26)、窒素雰囲気のデシケータ等に保管されてもよい(ステップS27)。
また、インゴットについても、納入されると(ステップS31)、受入れ検査を経て(ステップS32)、所定の保管場所に保管されてもよい(ステップS33)。その後、インゴットは、表面に形成された酸化物(たとえば酸化錫)を取り除くエッチング(ピーリング)処理が施され(ステップS34)、エアブローにて表面の水滴が除去され(ステップS35)、単体ベーキングにて表面の水分が除去された後(ステップS36)、窒素雰囲気のデシケータ等に保管されてもよい(ステップS37)。
ここで、各部品に単体ベーキングを施す工程では、熱処理する空間内にパーティクルが少ないクリーンオーブンが使用されてもよい。オーブン内雰囲気は、窒素やアルゴン等の不活性ガスであってもよいし、真空であってもよい。さらに、ベーキング対象の部品が多孔質フィルタ、ガラス部品または金属部品の場合、クリーンオーブンの雰囲気はクリーンドライエアや大気であってもよい。ベーキング温度は、たとえば110℃以上であって部品が損傷しない程度までの温度であってもよい。その温度は、たとえば200℃であってもよい。ベーキング時間は、たとえば6時間程度であってもよい。
インゴット表面の酸化物を取り除くエッチング(ピーリング)処理では、インゴットは、たとえば硫酸と硝酸の混酸に浸漬された後、塩酸でその表面がエッチング(ピーリング)されてもよい。
以上の処理を経てデシケータ等に保管された各部品は、その後、ターゲット供給部26として組み立てられてもよい(ステップS41)。この組立て作業は、水分の付着やインゴット表面の酸化を鑑み、迅速に行われることが好ましい。また、組立て作業では、ヒータ141や温度センサ142やピエゾ素子111等の部品(図2参照)も組み付けられてもよい。
組み立てられたターゲット供給部26は、チャンバに取り付けられ(ステップS42)、その状態でターゲット供給部26内部のベーキング処理が行われてもよい(ステップS43)。取付け先のチャンバは、EUV光生成装置1のチャンバ2(図2参照)であってもよいし、ベーキング処理専用のチャンバであってもよい。
以上のような工程を経ることで、ターゲット供給部26が使用可能な状態となってもよい(ステップS44)。
5.4 作用
以上のように、ターゲット供給部26の各部品をベーキング処理することによって、部品に吸着していた水を離脱させ得る。特に、比較的表面積が大きい多孔質フィルタをベーキング処理することによって、多孔質中に吸着していた多量の水を離脱させ得る。
また、ターゲット供給部26の組立て後にもその内部をベーキング処理することで、ターゲット材料271と接触する可能性のある水分量をより低減し得る。
ここで、図9に、ターゲット供給部26の各部品のベーキング前後における単位面積あたりの吸着水分量の計測結果を示す。図9に示すように、実施形態にかかるベーキング処理を行うことで、ターゲット供給部26の全ての部品に関し、その単位面積あたりの吸着水分量が、ベーキング処理前のそれの半分以下となり得た。たとえば、ベーキング後の多孔質フィルタ表面の単位面積あたりの吸着水分量は2mg/m以下となっている。
また、図10に、ターゲット供給部26の各部品のベーキング前後における吸着水分量の計測結果を示す。図10に示すように、総吸着水分量の大部分を、多孔質フィルタが占めている。実施形態にかかるベーキング処理を行うことで、多孔質フィルタの吸着水分量の半分以上を除去し得る。このことから、特に多孔質フィルタのベーキング処理(脱水処理)が有効であることが分かる。
6.ターゲット供給部のベーキング処理装置
つぎに、組立て後のターゲット供給部のベーキング処理装置について、図面を用いて詳細に説明する。
6.1 構成
図11は、実施形態にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。図11において、図2に示す構成と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、ベーキング処理装置500は、図2に示すターゲット供給部26が、ベーキング処理用のチャンバ502に取り付けられた構成を備えてもよい。ただし、ベーキング処理装置500では、圧力調節器120の代わりに、圧力調節器510が用いられてもよい。
圧力調節器510は、ガス配管132と、2つのバルブ123および124と、圧力センサ122と、圧力制御部121とを含んでもよい。ガス配管132は、ガスボンベ130に接続されてもよい。2つのバルブ123および124は、ガス配管132に設けられてもよい。タンク部260に連通する導入管131は、ガス配管132における2つのバルブ123および124の間から分岐してもよい。また、ガス配管132における一方の端は、排気口125として使用されてもよい。
圧力センサ122は、導入管131に対して設けられてもよい。圧力センサ122で検出された圧力値は、圧力制御部121に入力されてもよい。圧力制御部121は、2つのバルブ123および124の開閉を制御してもよい。
チャンバ502には、カメラ508と、排気装置504と、圧力センサ506とが取り付けられていてもよい。また、チャンバ502内には、ターゲット回収部28が設けられてもよい。
カメラ508は、チャンバ502内のノズル部264から出力されたドロップレット状のターゲット27を撮像できる位置に配置されてもよい。圧力センサ506は、チャンバ502内部の圧力を計測できる位置に配置されてもよい。圧力センサ506で検出された圧力値は、制御部51に入力されてもよい。排気装置504は、チャンバ502内部のガスを排気できるように配置されてもよい。
6.2 動作
つづいて、図11に示すベーキング処理装置500を用いたベーキング処理について、図面を用いて詳細に説明する。
図12は、実施形態にかかるベーキング処理の一例を示すフローチャートである。図13および図14は、実施形態にかかるベーキング処理の処理条件(以下、ベーキング条件という)を説明するための図である。なお、図13は、実施形態にかかるベーキング処理を含む工程における圧力変化の例を示すタイミングチャートである。図14は、実施形態にかかるベーキング処理を含む工程における温度変化の例を示すタイミングチャートである。
図13において、実線P1は、導入管131に取り付けられた圧力センサ122で検出された圧力値、すなわちタンク部260内のガス圧(以下、タンク内圧力という)P1の変化を示している。また、破線P2は、チャンバ502に取り付けられた圧力センサ506で検出された圧力値、すなわちチャンバ502内のガス圧(以下、チャンバ内圧力という)P2の変化を示している。また、図14は、タンク部260に取り付けられた温度センサ142で検出された温度値、すなわちターゲット供給部26の温度(以下、供給部温度という)Tの変化を示している。
図12に示すように、実施形態にかかるベーキング処理では、まず、制御部51は、温度調節器144に、供給部温度Tの目標温度TtをTbとして設定してもよい(ステップS101)。ここで、目標温度Tbは、吸着している水分を除去するために、110℃以上であってもよい。より好ましくは、150℃以上であってもよい。また、目標温度Tbは、タンク部260内にセットされたインゴット270が融解しない程度の温度、すなわち錫の融点(231.9℃)未満であってもよい。これに対し、温度制御部144は、温度センサ142から入力された温度値に基づいてヒータ電源143からヒータ141へ供給する電流を制御することで、供給部温度Tを目標温度Tbに調節してもよい。
また、制御部51は、圧力制御部121に、タンク内圧力P1の目標圧力PtをP1bとして設定してもよい(ステップS102)。これに対し、圧力制御部121は、バルブ123を開き、バルブ124を閉じることで、ボンベ130から供給された不活性ガス(たとえばArガス)をタンク部260内へ送り込んでもよい。その際、圧力制御部121は、導入管131に取り付けられた圧力センサ122からの圧力値に基づいてバルブ123および124の開閉を制御することで、タンク内圧力P1を目標圧力P1bに調節してもよい。
つぎに、制御部51は、排気装置504を駆動してチャンバ502内を排気してもよい(ステップS103)。その結果、図13のタイミングt1以前に示すように、チャンバ内圧力P2がP2bとなってもよい。タンク内圧力P1=P1bがチャンバ内圧力P2=P2bよりも大きければ(P1b>P2b)、ターゲット供給部26内のガスがチャンバ502内へ流れ得る。チャンバ502内へ流れ込んだガスは、排気装置504によって排気され得る。
つぎに、制御部51は、タンク内圧力P1とチャンバ内圧力P2との圧力差および供給部温度Tがベーキング条件を満たしているか否かを判定してもよい。具体的には、制御部51は、圧力センサ122で検出されたタンク内圧力P1と、圧力センサ506で検出されたチャンバ内圧力P2と、温度センサ142で検出された供給部温度Tとを読み込んでもよい(ステップS104)。つづいて、制御部51は、チャンバ内圧力P2がP2b以下であり(P2≦P2b)、タンク内圧力P1が圧力P2bより大きく且つ目標圧力P1b以下であり(P2b<P1≦P1b)、且つ、供給部温度Tと目標温度Tbとの温度差の絶対値が所定の許容値ΔTr1以下であるか否か(|T−Tb|≦ΔTr1)を判定してもよい(ステップS105)。そして、制御部51は、ステップS105のベーキング条件が満たされるまで、ステップS104〜S105を繰り返してもよい(ステップS105;NO)。
ステップS105のベーキング条件が満たされると(ステップS105;YES)、制御部51は、図13および図14のタイミングt1〜t2に示すように、ステップS105のベーキング条件をベーキング時間Hbの間維持する制御を実行してもよい。具体的には、制御部51は、不図示のタイマのカウント値TC1をリセットして計時を開始し(ステップS106)、タイマのカウント値TC1に基づいてベーキング時間Hbが経過したか否かを判定してもよい(ステップS107)。
以上のように、供給部温度Tを目標温度Tbに上昇させ、その状態を所定時間維持することで、ターゲット供給部26内の表面に吸着している水分を離脱させ得る。その際、タンク部260内からチャンバ502内へのガスの流れを形成することで、離脱した水分がチャンバ502へ排出され、さらに排気装置504によってチャンバ502から排出され得る。
その後、制御部51は、温度制御部144に、供給部温度Tの目標温度TtをToutとして設定してもよい(ステップS108)。目標温度Toutは、ターゲット材料271(すなわち、インゴット270)を融解するための温度であってもよい。その温度Toutは、たとえばターゲット材料271の融点Tm(錫の場合は231.9℃)以上の温度であってもよい。ターゲット材料271に錫を用いた場合には、目標温度Toutは、たとえば240℃以上300℃以下の温度であってもよい。
温度制御部144による目標温度Tt=Toutまでの加熱が開始されると、図14のタイミングt2〜t3に示すように、供給部温度Tはターゲット材料271の融点Tmまで上昇し得る。そして、ターゲット材料271全体が融解すると、図14のタイミングt3〜t4に示すように、供給部温度Tは再び上昇を開始し、目標温度Toutに到達し得る。
そこで制御部51は、温度センサ142で検出された温度値を読み込み(ステップS109)、読み込まれた温度値(供給部温度T)と目標温度Toutとの温度差の絶対値が所定の許容値ΔTr以下であるか否か(|T−Tout|≦ΔTr)を判定してもよい(ステップS110)。そして制御部51は、供給部温度Tが目標温度Tout付近(±ΔTr)で安定するまで、ステップS109〜S110を繰り返してもよい(ステップS110;NO)。
供給部温度Tが目標温度Tout付近で安定する(ステップS110;YES)と、制御部51は、圧力制御部121に、タンク内圧力P1の目標圧力PtをP1inとして設定してもよい(ステップS111)。目標圧力P1inは、融解したターゲット材料271がフィルタ部261を通過するのに必要なタンク内圧力であってもよい。この目標圧力P1inは、たとえば約2MPaであってもよい。これにより、図13のタイミングt3〜t4に示すように、タンク内圧力P1がP1inに上昇し、ターゲット材料271がノズル孔265から流出してもよい。ただし、この段階でのターゲット材料271の出力形態は、ジェット状でなくてもよい。
つづいて、制御部51は、圧力センサ122で検出された圧力値を読み込み(ステップS112)、読み込まれた圧力値(タンク内圧力P1)と目標圧力P1inとの圧力差の絶対値が所定の許容値ΔPr以下であるか否か(|P1−P1in|≦ΔPr)を判定してもよい(ステップS113)。そして制御部51は、タンク内圧力P1が目標圧力P1in付近(P1in±ΔPr)で安定するまで、ステップS112〜S113を繰り返してもよい(ステップS113;NO)。
タンク内圧力P1が目標圧力P1in付近で安定すると(ステップS113;YES)、制御部51は、たとえばカメラ508で撮像された画像を解析することで、ノズル孔265からターゲット材料271が流出しているか否かを判定してもよい(ステップS114)。
ノズル孔265からターゲット材料271が流出していると判定した場合(ステップS114;YES)、制御部51は、圧力制御部121に、タンク内圧力P1の目標圧力PtをP1outとして設定してもよい(ステップS115)。目標圧力P1outは、目標圧力P1inよりも高い圧力であってもよい。目標圧力P1outは、たとえば10MPa〜40MPaの範囲内の圧力であってもよい。
以上のように、供給部温度TをToutに維持した状態でタンク内圧力P1をP1outまで上昇させると、ターゲット材料271がノズル孔265からジェット状に出力され得る。そこで制御部51は、たとえばカメラ508で撮像された画像を解析することで、ノズル孔265からターゲット材料271のジェットが噴出しているか否かを判定してもよい(ステップS116)。なお、図13のタイミングt4以降に示すように、タンク内圧力P1は、P1outに維持されてもよい。ターゲット材料271のジェットが出力されている状態では、チャンバ内圧力P2がP2outまで上昇するが、その際に、ターゲット材料271をジェット状に出力するための圧力差が確保されればよい。
ノズル孔265からターゲット材料271のジェットが噴出していると判定されると(ステップS116;YES)、制御部51は、ピエゾ電源112を駆動することで、ピエゾ素子111に所定波形および所定周期の電圧信号を入力してもよい(ステップS117)。これにより、ピエゾ素子111が所定振幅および所定周期で振動し、その結果、ターゲット材料271のジェットが所定サイズおよび所定周期のドロップレットに分断されてもよい。
つぎに、制御部51は、たとえばカメラ508で撮像された画像を解析することで、所定サイズおよび所定周期のドロップレット(ターゲット27)が生成されているか否かを判定してもよい(ステップS118)。所定サイズおよび所定周期のドロップレットが生成されていないと判定された場合(ステップS118;NO)、制御部51は、圧力制御部121の目標圧力Ptおよび/または温度制御部144の目標温度Ttを調整しつつ、ステップS118を繰り返してもよい。
ドロップレットが生成されていると判定された場合(ステップS118;YES)、制御部51は、ターゲット27の出力を停止する処理を実行してもよい。ターゲット27の出力を停止する場合、制御部51は、圧力制御部121の目標圧力Ptを大気圧Patmに設定するとともに(ステップS119)、温度制御部144の目標温度Ttを室温Trmに設定し(ステップS120)、排気装置504を停止して(ステップS121)、本動作を終了してもよい。
ここで、実施形態にかかるベーキング条件について説明する。ベーキング時のチャンバ内圧力P2の目標圧力P2bを0.001Pa以下とする場合、ベーキング時間Hbは2時間〜52時間の範囲内で設定されてもよく、かつ、ベーキング時のタンク内圧力p1の目標圧力Pb1はPb2<Pb1≦0.01Pa〜2MPaの範囲内で設定されてもよい。また、ベーキング時のチャンバ内圧力P2の目標圧力P2bを1Pa以下とする場合、ベーキング時間Hbは2時間〜52時間の範囲内で設定されてもよく、かつ、ベーキング時のタンク内圧力P1の目標圧力Pb1はPb2<Pb1≦10Pa〜2MPaの範囲内で設定されてもよい。
図15に、実施形態にかかるベーキング条件の例を示す。図15では、11パターンの処理条件が例示されている。図15に示すパターンにおいて、パターン8〜11では、ベーキング時のタンク内圧力P1が大気圧よりも高く設定されてもよい。また、パターン1〜11の中で最も好ましいパターンはパターン10であり得る。
6.3 作用
以上のように、タンク部260内からチャンバ502内の方向にガスを流した状態で供給部温度Tを110℃以上且つターゲット材料271の融点(たとえば231.9℃)未満の温度に上昇させてもよい。また、この状態は、所定時間維持されてもよい。これにより、ターゲット供給部26の内部に吸着した水分を離脱させ得る。また、離脱した水分は、不活性ガスとともにノズル孔265からチャンバ502内へ排気され得る。つまり、タンク部260内を不活性ガスでパージした状態で供給部温度Tをターゲット材料271の融点未満の高温に維持することで、フィルタ部261の表面に付着した比較的大量の水分も除去または低減され得る。
以上のようにしてターゲット供給部26内の水分を低減または除去することで、ターゲット供給部26内の水分とターゲット材料271とが反応して固体の酸化物(たとえば酸化錫)が生成されるのを抑制し得る。その結果、酸化物がノズル孔265に到達することが抑制され、ターゲット27の出力を安定化し得る。
また、タンク部260内からチャンバ502内に不活性ガスを流す構成とすることで、圧力調節器510側に排気装置を設ける必要がないため、ベーキング装置500の構成が簡略化され得る。
6.4 ベーキング処理装置のバリエーション
ここで、実施形態にかかるベーキング処理装置の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。
6.4.1 変形例1
まず、変形例1にかかるベーキング処理装置について、図面を用いて詳細に説明する。
図11に示すベーキング処理装置500では、タンク部260内からチャンバ502内へ向かうガスの流れが形成されたが、変形例1にかかるベーキング処理装置では、チャンバ502内からタンク部260内へ向かうガスの流れが形成されてもよい。
6.4.1.1 構成
図16は、変形例1にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。図16において、上述したベーキング処理装置500と同様の構成については同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図16に示すように、ベーキング処理装置520は、図11に示すベーキング処理装置500と同様の構成に加え、排気装置522と、ボンベ524とをさらに備える。
排気装置522は、たとえばタンク部260に繋がる導入管131から分岐する配管133に接続されてもよい。この排気装置522は、タンク部260内を排気してもよい。
ボンベ524は、導入管528を介してチャンバ502に接続されてもよい。ボンベ524は、導入管528を介してチャンバ502内に不活性ガスを供給してもよい。不活性ガスは、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、窒素ガス等であってもよい。導入管528上には、ボンベ524から供給された不活性ガスの流れを制御するバルブ526が設けられてもよい。
6.4.1.2 動作
つづいて、図16に示すベーキング処理装置520の動作について説明する。
まず、制御部51は、チャンバ502に接続されるバルブ526と排気装置504とを制御することで、チャンバ内圧力P2を制御してもよい。
また、制御部51は、圧力調節器510内のバルブ123および124を閉じるとともに排気装置522を駆動することで、ターゲット供給部26内のガスを排気してもよい。
つづいて、制御部51は、圧力センサ506で検出されたチャンバ内圧力P2と、圧力センサ122で検出されたタンク内圧力P1とをそれぞれ読み込んでもよい。
そして制御部51は、圧力センサ506で検出されたチャンバ内圧力P2がベーキング時の目標圧力P2bとなるように、バルブ526と排気装置504とを制御してもよい。その結果、タンク内圧力P1がチャンバ内圧力P2よりも小さくなるため、チャンバ502内のガスがノズル孔265を介してタンク部260内へ流れ得る。タンク部260内へ流れ込んだガスは、排気装置522によって排気され得る。
つづいて、制御部51は、温度制御部144に、供給部温度Tの目標温度TtをTbとして設定してもよい。その結果、チャンバ502内からタンク部260内へ向けてガスが流れている状態で、タンク内温度Tがベーキング温度Tbとなり得る。
チャンバ502内からタンク部260内へのガスの流れと、供給部温度T=Tb(±ΔTr)とは、ベーキング時間Hbの間維持されてもよい。
その後、ベーキング時間Hbが経過すると、制御部51は、バルブ526を閉じるとともに排気装置522を停止し、そして、図12におけるステップS108以降の動作を実行してもよい。
6.4.1.3 作用
以上のように、タンク部260とチャンバ502との間のガスの流れは、タンク部260内からチャンバ502内に向かう方向に限られず、チャンバ502内からタンク部260内に向かう方向であってもよい。その場合でも、上述した実施形態と同様に、ターゲット供給部26内の水分が低減または除去されるため、ターゲット27の安定出力が可能となる。
なお、その他の構成、動作および作用は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
6.4.2 変形例2
つぎに、変形例2にかかるベーキング処理装置について、図面を用いて詳細に説明する。
図12〜図14を用いて説明したベーキング処理では、図12のステップS105におけるベーキング条件を満たした状態で、タイミングt1〜t2のベーキング期間の間、供給部温度Tが目標温度Tb(±ΔTr1)に維持された。これに対し、変形例2では、ベーキング期間中に供給部温度Tが上下されてもよい。
6.4.2.1 構成
図17は、変形例2にかかるベーキング処理装置の概略構成例を示す模式図である。図17において、上述したベーキング処理装置500または520と同様の構成については同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図17に示すように、ベーキング処理装置580は、図11に示すベーキング処理装置500と同様の構成に加え、図16に示すベーキング処理装置520と同様に、排気装置522をさらに備える。また、ベーキング処理装置580は、配管133上に設けられたバルブ584と、ガス配管132上に設けられたヒータ582とをさらに備えてもよい。
排気装置522は、図16と同様に、たとえばタンク部260に繋がる導入管131から分岐する配管133に接続されてもよい。この排気装置522は、タンク部260内を排気してもよい。
ヒータ582は、ガス配管132内を流れる不活性ガスを加熱してもよい。
6.4.2.2 動作
図17に示すベーキング処理装置580の動作について説明する。図18は、変形例2にかかるベーキング処理の一部を抜粋して例示するフォローチャートである。図19は、変形例2にかかるベーキング処理を含む工程における圧力変化の例を示すタイミングチャートである。
ベーキング処理装置580の動作は、図12〜図14を用いて説明した動作において、たとえば図12のステップS102の次に、ヒータ582を動作させてガス配管132内の不活性ガスを目標温度Tbまで上昇させるステップが追加されてもよい。
また、図12のステップS106の次に、すなわちステップS107を実行しているベーキング期間中、制御部51が、図18に示す動作を実行してもよい。
図18に示すように、制御部51は、タイマによる計時を基準にしてベーキング期間を開始すると(ステップS106)、つぎに、別のタイマのカウント値TC2をリセットして計時を開始し(ステップS1061)、タイマのカウント値TC2に基づいて所定時間H1が経過したか否かを判定してもよい(ステップS1062)。なお、所定時間H1は、ベーキング時間Hbよりも十分に短い時間であってもよい。
所定時間H1が経過すると(ステップS1062;YES)、制御部51は、圧力制御部121に、タンク内圧力P1の目標圧力PtをPatm(大気圧)として設定し(ステップS1063)、タンク内圧力P1が目標圧力Patmとなるまで待機してもよい(ステップS1064;NO)。これに対し、圧力制御部121は、バルブ124を閉じた状態でバルブ123を開けることで、タンク内圧力P1が大気圧Patmとなるまで、ボンベ130から不活性ガスをタンク部260内に供給してもよい。
その後、タンク内圧力P1と目標圧力Patmとの圧力差の絶対値が所定の許容値ΔPr1以下となると(ステップS1064;YES)、制御部51は、ステップS1061と同じタイマのカウント値TC2をリセットして計時を開始し(ステップS1065)、タイマのカウント値TC2に基づいて所定時間H2が経過したか否かを判定してもよい(ステップS1066)。H2はH1と同等か短い時間であってよい。
所定時間H2が経過すると(ステップS1066;YES)、制御部51は、圧力制御部121に、タンク内圧力P1の目標圧力PtをP1bとして設定し(ステップS1067)、タンク内圧力P1が圧力P2bより大きく且つ目標圧力P1b以下となるまで待機してもよい(ステップS1068;NO)。その際、制御部51は、バルブ584を開けるとともに排気装置522を駆動することで、タンク部260内のガスを排気してもよい。
その後、タンク内圧力P1が圧力P2bより大きく且つ目標圧力P1b以下となると(ステップS1068;YES)、制御部51は、バルブ584を閉じるとともに排気装置522を停止し(ステップS1069)、そして、ステップS107を実行して、ベーキング時間Hbが経過したか否かを判定してもよい。ベーキング時間Hbが経過していない場合(ステップS107;NO)、制御部51は、ステップS1061へリターンし、ステップS1061以降の動作を繰り返してもよい。一方、ベーキング時間Hbが経過している場合(ステップS107;YES)、制御部51は、図12のステップS108以降の動作を実行してもよい。
なお、ステップS1061〜S1069の動作は、ベーキング時間Hbが経過するまで、所定時間(たとえば3時間)ごとに繰り返し実行されてもよい。これにより、図19に示すように、ベーキング期間中に、目標圧力P1bと大気圧Patmとの間でタンク内圧力P1が変動し得る。
6.4.2.3 作用
以上のように、ベーキング期間中にタンク部260内に一旦不活性ガスを充填し、その不活性ガスを比較的コンダクタンスの小さいタンク側から排気することによって、ターゲット供給部26内に吸着した水分を効率的に排出し得る。また、この動作を繰り返し実行することで、ターゲット供給部26内の水分の排出効率がより向上し得る。
さらに、タンク部260内に充填する不活性ガスをヒータ582によって予熱しておくことで、新たな不活性ガス導入によるターゲット供給部26の内部温度の低下を抑制し得る。特に、不活性ガスが熱媒体として機能し得るため、フィルタ部261の温度低下を抑制し得る。それにより、フィルタ部261等のターゲット供給部26内の表面に付着した水分をより効率的に離脱させ得る。
なお、変形例2では、ベーキング期間中に、大気圧Patmよりも低い目標圧力P1bと大気圧Patmとの間でタンク内圧力P1を変動させたが、この条件に限られない。たとえば、目標圧力Ptを目標圧力P1bに代えて大気圧Patmとし、充填時の圧力を大気圧Patmに代えて大気圧Patmよりも高い圧力(たとえば2MPa)としてもよい。この場合、ベーキング期間中、タンク内圧力P1は、大気圧Patmと大気圧Patmよりも高い圧力との間で変動させ得る。
7.ターゲット供給部のベーキング処理装置を含むEUV光生成装置
図11または図16に示すベーキング処理装置は、EUV光生成装置におけるチャンバ2に対して組み込まれてもよい。
7.1 構成
図20は、図11に示すベーキング処理装置500を、EUV光生成装置1のチャンバ2に組み込んだ場合の概略構成例を示す模式図である。図20において、上述したEUV光生成装置またはベーキング処理装置と同様の構成については同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図20に示すように、EUV光生成装置は、図2に示す構成と同様の構成において、圧力調節器120が圧力調節器510に置き換えられるとともに、排気装置504、圧力センサ506およびカメラ508がチャンバ2に取り付けられた構成を備えてもよい。カメラ508は、プラズマ生成領域25付近のターゲット27を撮像するように配置されてもよい。その他の構成は、上述したEUV光生成装置またはベーキング処理装置と同様であってもよい。
7.2 動作
図20に示すEUV光生成装置におけるベーキング処理およびベーキング条件は、たとえば図12〜図15を用いて説明したベーキング処理およびベーキング条件と同様であってもよい。
また、そのようにしてターゲット供給部26がベーキング処理されたEUV光生成装置は、たとえば図2を用いて説明した動作と同様の動作を実行することで、EUV光252を生成してもよい。
7.3 作用
以上のように、実施形態にかかるベーキング処理装置500では、専用のチャンバ502の代わりにEUV光生成用のチャンバ2が用いられてもよい。このような構成とすることで、ベーキング処理後のターゲット供給部26をチャンバ502からチャンバ2へ移動させる必要性が省略され得る。また、ターゲット供給部26内のベーキング処理に連続して、EUV光の生成が可能となり得る。
なお、ベーキング処理装置としては、図11に示したベーキング処理500に限られず、たとえば図16に示したベーキング処理装置520が用いられてもよい。その場合、ベーキング処理装置520の構成が、EUV光生成装置(たとえばチャンバ2)に対して組み込まれ得る。
その他の構成、動作および作用は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
7.4 ベーキング処理装置が組み込まれたEUV光生成装置のバリエーション
ここで、実施形態にかかるEUV光生成装置の変形例について、図面を用いて詳細に説明する。
図20に示すEUV光生成装置では、チャンバ502の代わりにチャンバ2を用い、タンク部260内からチャンバ2内へ、または、チャンバ2内からタンク部260内へ向かうガスの流れが形成された。これに対し、本変形例では、タンク部260とチャンバ2との間にガス流形成用の空間が設けられてもよい。この空間は、チャンバ2から隔離可能な空間であってもよい。
7.4.1 構成
図21は、実施形態にかかるEUV光生成装置の変形例を示す模式図である。図21において、上述したEUV光生成装置またはベーキング処理装置と同様の構成については同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図21に示すように、EUV光生成装置は、図20に示すEUV光生成装置と同様の構成において、ターゲット供給部26とチャンバ2とが接続管562を介して接続された構成を備えてもよい。この接続管562には、ターゲット供給部26側の第1空間とチャンバ2側の第2空間とを隔離・連通可能なゲートバルブ564が設けられてもよい。
ゲートバルブ564によって区切られるターゲット供給部26側の第1空間には、排気装置572および圧力センサ570が配管568を介して接続されてもよい。排気装置572は、第1空間内のガスを排気してもよい。圧力センサ570は、第1空間内のガス圧(以下、空間内ガス圧という)を計測してもよい。
なお、チャンバ2に取り付けられた排気装置504および圧力センサ506は、制御部51に接続されていなくてもよい。
その他の構成は、上述したEUV光生成装置またはベーキング処理装置と同様であってもよい。
7.4.2 動作
図21に示すEUV光生成装置におけるベーキング処理およびベーキング条件は、たとえば図13〜図15を用いて説明したベーキング処理およびベーキング条件と同様であってもよい。本変形例では、排気装置504および圧力センサ506の代わりに排気装置572および圧力センサ570が使用されて、タンク部260内から第1空間内へ向かうガスの流れが形成されてもよい。また、制御部51は、ベーキング処理中はゲートバルブ564を閉じて第1空間と第2空間とを隔離し、ベーキング処理終了後はゲートバルブ564を開けて第1空間と第2空間とを連通するようにしてもよい。
そして、ターゲット供給部26がベーキング処理されたEUV光生成装置は、たとえば図2を用いて説明した動作と同様の動作を実行することで、EUV光252を生成してもよい。
7.4.3 作用
以上のように、変形例にかかるベーキング処理装置500では、接続管562およびゲートバルブ564によって区切られた第1空間が専用のチャンバ502の代わりに用いられてもよい。このような構成とすることでも、上記と同様に、ベーキング処理後のターゲット供給部26をチャンバ502からチャンバ2へ移動させる必要性が省略され得る。また、ターゲット供給部26内のベーキング処理に連続して、EUV光の生成が可能となり得る。
なお、ベーキング処理装置としては、上記と同様に、図11に示したベーキング処理500に限られず、たとえば図16に示したベーキング処理装置520が用いられてもよい。その場合、ベーキング処理装置520の構成が、EUV光生成装置(たとえば第1空間)に対して組み込まれ得る。
その他の構成、動作および作用は、上述した実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
8.その他
8.1 脱水処理の他の例
実施形態にかかる脱水処理は、上述したようなベーキング処理に限られない。たとえば図22に例示するような、脱水剤810を格納するデシケータ800が用いられてもよい。
図22に示すデシケータ800は、中空のデシケータ容器801と、デシケータ容器801を封止する蓋802とを備えてもよい。デシケータ容器801内には、部品台803と、脱水剤容器811とが設けられてもよい。脱水対象の部品899は、部品台803上に載置されてもよい。脱水剤容器811は、脱水剤810を貯留してもよい。この脱水剤810には、シリカゲル、硫酸、無水硫酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム等が用いられてもよい。デシケータ容器801内において、部品899が配置される空間と脱水剤810が貯留される空間とは連通していてもよい。
また、デシケータ容器801には、配管822を介して排気装置820が接続されてもよい。配管822上には、開閉バルブ824が設けられてもよい。排気装置820は、デシケータ容器801内のガスを、蒸発した水分とともに排気してもよい。
脱水対象の部品899は、デシケータ800内に数日間保管されることで、表面に吸着した水分が除去されてもよい。
以上のような構成によっても、ターゲット供給部26の各部品に吸着している水分を脱離させ得る。
なお、図22に示す例において、部品台803にヒータを配置する等して、部品台803に載置された部品899をベーキングしてもよい。その場合、各部品に吸着している水分をより効果的に脱離させ得る。
8.2 制御部
当業者は、汎用コンピュータまたはプログラマブルコントローラにプログラムモジュールまたはソフトウエアアプリケーションを組み合わせて、ここに述べられる主題が実行されることを理解するだろう。一般的に、プログラムモジュールは、本開示に記載されるプロセスを実行できるルーチン、プログラム、コンポーネント、データストラクチャー等を含む。
図23は、開示される主題の様々な側面が実行され得る例示的なハードウエア環境を示すブロック図である。図23の例示的なハードウエア環境100は、処理ユニット1000と、ストレージユニット1005と、ユーザインターフェイス1010と、パラレルI/Oコントローラ1020と、シリアルI/Oコントローラ1030と、A/D、D/Aコンバータ1040とを含んでもよいが、ハードウエア環境100の構成は、これに限定されない。
処理ユニット1000は、中央処理ユニット(CPU)1001と、メモリ1002と、タイマ1003と、画像処理ユニット(GPU)1004とを含んでもよい。メモリ1002は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とリードオンリーメモリ(ROM)とを含んでもよい。CPU1001は、市販のプロセッサのいずれでもよい。デュアルマイクロプロセッサや他のマルチプロセッサアーキテクチャが、CPU1001として使用されてもよい。
図23におけるこれらの構成物は、本開示において記載されるプロセスを実行するために、相互に接続されていてもよい。
動作において、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005に保存されたプログラムを読み込んで、実行してもよい、また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005からプログラムと一緒にデータを読み込んでもよい、また、処理ユニット1000は、ストレージユニット1005にデータを書き込んでもよい。CPU1001は、ストレージユニット1005から読み込んだプログラムを実行してもよい。メモリ1002は、CPU1001によって実行されるプログラムおよびCPU1001の動作に使用されるデータを、一時的に保管する作業領域であってもよい。タイマ1003は、時間間隔を計測して、プログラムの実行に従ってCPU1001に計測結果を出力してもよい。GPU1004は、ストレージユニット1005から読み込まれるプログラムに従って、画像データを処理し、処理結果をCPU1001に出力してもよい。
パラレルI/Oコントローラ1020は、EUV光生成制御装置5、制御部51等の、処理ユニット1000と通信可能なパラレルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらパラレルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。シリアルI/Oコントローラ1030は、温度制御部144、圧力制御部121、ピエゾ電源112等の、処理ユニット1000と通信可能なシリアルI/Oデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらシリアルI/Oデバイスとの間の通信を制御してもよい。A/D、D/Aコンバータ1040は、アナログポートを介して、温度センサや圧力センサ、真空計各種センサ等のアナログデバイスに接続されてもよく、処理ユニット1000とそれらアナログデバイスとの間の通信を制御したり、通信内容のA/D、D/A変換を行ってもよい。
ユーザインターフェイス1010は、操作者が処理ユニット1000にプログラムの停止や、割込みルーチンの実行を指示できるように、処理ユニット1000によって実行されるプログラムの進捗を操作者に表示してもよい。
例示的なハードウエア環境100は、本開示におけるEUV光生成制御装置5、制御部51、温度制御部144、圧力制御部121等の構成に適用されてもよい。当業者は、それらのコントローラが分散コンピューティング環境、すなわち、通信ネットワークを介して繋がっている処理ユニットによってタスクが実行される環境において実現されてもよいことを理解するだろう。本開示において、EUV光生成制御装置5、制御部51、温度制御部144、圧力制御部121等は、イーサネット(登録商標)やインターネットといった通信ネットワークを介して互いに接続されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモート両方のメモリストレージデバイスに保存されてもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
2…チャンバ、26…ターゲット供給部、27…ターゲット、51…制御部、111…ピエゾ素子、112…ピエゾ電源、120,510…圧力調節器、121…圧力制御部、122…圧力センサ、123,124…バルブ、125…排気口、130…ボンベ、131…導入管、132…ガス配管、133…配管、140…温度可変装置、141…ヒータ、142…温度センサ、143…ヒータ電源、144…温度制御部、260…タンク部、261…フィルタ部、262…フィルタ、263…フィルタホルダ、264…ノズル部、265…ノズル孔、266…凸部、270,270A,270B…インゴット、271…ターゲット材料、272…パーティクル、401…貫通孔、402…溝、404,406…切欠き部、500,520…ベーキング処理装置、502…チャンバ、504,522,572…排気装置、506,570…圧力センサ、508…カメラ、524…ボンベ、526,584…バルブ、562…接続管、564…ゲートバルブ、568…配管、582…ヒータ、FL…ターゲット流路

Claims (20)

  1. プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置であって、
    前記金属ターゲットを収容するタンクと、
    前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制する、脱水処理されたフィルタと、
    前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、
    を備えるターゲット供給装置。
  2. 前記フィルタ表面の単位面積あたりの水分吸着量は、2mg/m以下である、請求項1に記載のターゲット供給装置。
  3. 前記脱水処理は、前記フィルタを加熱するベーキング処理である、請求項1に記載のターゲット供給装置。
  4. 前記フィルタは、前記ベーキング処理によって、110℃以上且つ前記フィルタが破損する温度未満の温度に加熱されている、請求項1に記載のターゲット供給装置。
  5. 前記タンクおよび前記ノズルのうち少なくとも1つは、脱水処理されている、請求項1に記載のターゲット供給装置。
  6. タンクを加熱するヒータをさらに備え、
    前記ヒータは前記タンクに収容したインゴットを加熱して溶融することで金属ターゲットとする、
    請求項1に記載のターゲット供給装置。
  7. 前記金属ターゲットは、錫である、請求項6に記載のターゲット供給装置。
  8. 前記インゴットは、インゴット表面に生成した酸化物が除去された後タンクに収容される、請求項6に記載のターゲット供給装置。
  9. 前記インゴットは、前記タンク内に収容された状態で該タンクの内壁との間のガスの通り道が形成される形状のインゴットである、請求項6に記載のターゲット供給装置。
  10. プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理装置であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内を排気する排気装置と、
    前記チャンバに設けられたターゲット供給装置と、
    前記ターゲット供給装置を加熱するヒータと、
    前記ターゲット供給装置に不活性ガスを供給する圧力調節器と、
    前記ヒータと前記排気装置と前記圧力調節器とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記ターゲット供給装置は、
    前記金属ターゲット材料と、
    前記金属ターゲットを収容するタンクと、
    前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、
    前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、
    を含み、
    前記制御部は、前記ターゲット供給装置が第1温度となるように前記ヒータを制御するとともに、前記タンク内のガス圧が前記チャンバ内のガス圧よりも高いガス圧となるように前記圧力調節器および前記排気装置を制御する
    ターゲット供給装置の処理装置。
  11. プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理装置であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    前記チャンバに設けられ、前記金属ターゲットを収容するタンクを含むターゲット供給装置と、
    前記ターゲット供給装置を加熱するヒータと、
    前記タンク内を排気する排気装置と、
    前記ヒータと前記排気装置と前記不活性ガス供給部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記ターゲット供給装置は、
    前記金属ターゲット材料と、
    前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、
    前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、
    をさらに含み、
    前記制御部は、前記ターゲット供給装置が第1温度となるように前記ヒータを制御するとともに、前記タンク内のガス圧が前記チャンバ内のガス圧よりも低いガス圧となるように前記不活性ガス供給部および前記排気装置を制御する
    ターゲット供給装置の処理装置。
  12. 前記第1温度は、前記ターゲット供給装置内に吸着した水分が離脱する温度以上の温度であって、前記金属ターゲットの融点未満の温度である、請求項10または11に記載の処理装置。
  13. 前記金属ターゲットは、錫であり、
    前記第1温度は、110℃以上、錫の融点未満の温度である、請求項10または11に記載の処理装置。
  14. 前記第1温度は、さらに150℃以上の温度である、請求項13に記載の処理装置。
  15. 前記チャンバは、内部に極端紫外光集光ミラーを備えた極端紫外光生成用チャンバである、請求項10または11に記載の処理装置。
  16. プラズマ生成領域に金属ターゲットを供給するターゲット供給装置の処理方法であって、
    前記金属ターゲットの表面に生成した酸化物をエッチングし、
    前記金属ターゲットを収容するタンクを脱水し、
    前記タンク内に収容されて前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタを脱水し、
    前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルを脱水する
    ことを含むターゲット供給装置の処理方法。
  17. 金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えたターゲット供給装置の処理方法であって、
    前記金属ターゲットを前記タンク内に収容した状態で前記タンク内に不活性ガスを流すとともに、
    前記ターゲット供給装置内に吸着した水分が離脱する温度以上の温度であって前記金属ターゲットの融点未満の温度である第1温度となるように前記ターゲット供給装置を加熱する
    ことを含むターゲット供給装置の処理方法。
  18. 金属ターゲットを収容するタンクと、前記タンク内に収容された前記金属ターゲット中のバーティクルの通過を抑制するフィルタと、前記フィルタを通過した金属ターゲットを吐出するノズル孔が形成されたノズルと、を備えたターゲット供給装置の処理方法であって、
    前記金属ターゲットを前記タンク内に収容した状態で、前記ターゲット供給装置内に吸着した水分が離脱する温度以上の温度であって前記金属ターゲットの融点未満の温度である第1温度となるように前記ターゲット供給装置を加熱し、
    前記ターゲット供給装置を前記第1温度に加熱した状態で、前記タンク内に対する不活性ガスの充填および排気を1回以上実行する
    ことを含むターゲット供給装置の処理方法。
  19. 前記金属ターゲットは、錫であり、
    前記第1温度は、110℃以上、錫の融点未満の温度である、請求項17または18に記載の処理方法。
  20. 前記不活性ガスは、前記タンク内から前記ノズルへ向かう方向に流される、請求項17に記載の処理方法。
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