JP2008166514A - 温度制御方法、調整装置、温度調節器、プログラム、記録媒体および加熱処理装置 - Google Patents

温度制御方法、調整装置、温度調節器、プログラム、記録媒体および加熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハ等の基板を、所望の温度状態に制御すること。
【解決手段】熱板の温度の温度を制御する方法は、各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、目標温度と基板の複数の計測点における温度との関係情報としての行列を求める第1の工程と、基板を前記熱板に載置し、目標温度の調整前の基板の温度を複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を求め、第1の工程で求めた関係情報および温度分布情報に基づいて調整情報を決定する第2の工程と、第2の工程で求めた調整情報に基づいて目標温度を調整する第3の工程とを含む。
【選択図】図28

Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する温度制御方法、この温度制御方法に好適な調整装置、温度調節器、プログラム、記録媒体および加熱処理装置に関し、特に、過渡時における温度のばらつきを抑制するのに好適な技術に関する。
半導体デバイスのフォトリソグラフィー工程においては、半導体ウエハにレジストを塗布し、これにより形成されたレジスト膜を所定の回路パターンに応じて露光し、この露光パターンを現像処理することによりレジスト膜に回路パターンが形成されている。そして、レジスト液の塗布後の加熱処理(プリベーク)、露光後の加熱処理(ポストエクスポージャーベーク)、現像後の加熱処理(ポストベーク)等、種々の加熱処理が行われている。
これらレジスト塗布、露光後の現像、および加熱処理等は、これらの処理を行う処理ユニットが複数搭載され、搬送装置により順次搬送して一連の処理を行うレジスト塗布・現像システムにより行われる。
このような塗布現像システムの中で、加熱処理を行う加熱処理ユニットとしては、内部にヒータおよび温度センサが配設されて目標温度に温度制御された熱板上に、被処理基板である半導体ウエハを載置して加熱処理を行うようにしたものが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−067619号公報
従来、このような加熱処理ユニットにおいては、円盤状の半導体ウエハの熱板による熱処理をバラツキなく均―に行うために、熱板の温度を均―になるように制御しているが、半導体ウエハを熱板に搭載して熱処理を開始した過渡時などにおいては、熱板の温度を均―に制御していても、半導体ウエハの温度と熱板の温度とは同一ではなく、また、半導体ウエハは、その面内の位置、例えば、中央位置より外周位置が放熱し易いために、半導体ウエハの面内で温度のバラツキが生じてしまう。また、レジスト塗布・現像システムには多数の加熱処理ユニットが搭載されているが、これらの加熱処理ユニット間のバラツキも存在し、加熱処理ユニットによっても基板の加熱温度のバラツキが生じてしまう。
このように従来では、熱板の温度を所望の状態に制御しても、半導体ウエハの温度を所望の温度状態にするのが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、半導体ウエハ等の基板を、所望の温度状態に制御することができる温度制御方法、この温度制御方法に好適な調整装置、温度調節器、プログラム、記録媒体および加熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の加熱処理を行う加熱処理ユニットにおいて、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する制御方法であって、前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を求める第1の工程と、基板を前記熱板に載置し、前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を求め、前記第1の工程で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出し、調整情報を決定する第2の工程と、前記第2の工程で求めた前記調整情報に基づいて前記目標温度を調整する第3の工程とを含むことを特徴とする温度制御方法を提供する。
ここで、関係情報とは、目標温度と基板の温度との関係を示す情報をいい、この関係情報は、基板の温度および目標温度のうち一方から他方を予測できるものであるのが好ましい。この関係情報は、目標温度から基板の温度への過渡的な入出力関係を示す情報であるのが好ましく、例えば、干渉具合を表す行列、伝達関数、あるいは、状態空間表現などであるのが好ましい。
なお、目標温度の調整は、過渡状態、定常状態のいずれの状態でも適用できるものであり、必要なときにのみ、例えば、目標温度の設定を変更した時や過渡時にのみ行うようにすることができる。
調整前とは、関係情報を用いた目標温度の調整を行う前、すなわち、本発明による調整を行う前、したがって、従来と同様の制御状態をいう。
温度分布情報とは、基板の温度の分布を示す情報をいい、基板の各位置における温度あるいは各位置における基準温度からの温度差などの情報をいう。この温度分布情報から調整前の基板の温度分布、例えば、基板の温度のバラツキを把握することができる。目標温度の調整前の基板の温度分布情報は、予め計測した過去の処理における基板の温度として求めることができる。
調整情報とは、目標温度の調整に用いる情報をいい、例えば、調整後の目標温度の値そのものであってもよいし、調整前の目標温度を基準として、それに加算あるいは減算すべき温度の値であってもよく、この調整情報は、目標温度の調整が必要な期間における複数の時点における温度の値、あるいは、前記期間における時系列の温度データであってもよく、さらに、時系列の温度データに対応する伝達関数などであってもよい。
複数の計測点は、基板において温度を所望の温度に制御しようとする位置(箇所)、例えば、温度のバラツキを抑制しようとする位置であるのが好ましい。 バラツキとは、例えば、複数の計測点で計測される平均温度からのバラツキや基準となる計測点で検出される基準温度からのバラツキなどをいう。
また、パルス応答波形を合成するとは、実際に計測したステップ応答波形に基づき、重ね合わせの理などを利用して、パルス応答波形を演算することをいう。この合成によって、種々の目標温度の入力波形に対する応答波形を求めることができる。
上記第1の観点によれば、第1の工程において、試験用基板を用いて計測したステップ応答波形を用いてパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、前記目標温度と前記試験基板の前記複数の計測点における温度との関係を示す関係情報を求め、第2の工程において、前記試験用基板を用いて調整前の前記試験用基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて求めた温度分布情報と、前記第1の工程で求めた前記関係情報とに基づいて調整情報を決定し、第3工程において、前記第2の工程で求めた前記調整情報に基づいて前記目標温度を調整するので、基板の複数の計測点における温度を所望の温度にすることができ、例えば、複数の計測点の温度のバラツキを抑制した状態にすることができる。
上記第1の観点において、前記第1の工程は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成するようにすることができる。
ここで、時間的に異なる複数の応答波形とは、時間差のある複数の目標温度の変化に個別的に対応する基板の複数の計測点の複数の応答波形をいう。また、行列は、複数の各目標温度の変化に対する基板の複数の計測点の温度変化を示すものであるのが好ましい。
このような構成によれば、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形から三角波応答波形を合成し、関係情報としての行列を求めるので、時間的な影響を考慮した行列となり、かかる行列を用いることにより、基板の温度を、所望の温度状態に高い精度で制御できる。所望の温度状態とは、例えば、基板の位置による温度バラツキが抑制された均一な状態、あるいは、望ましい温度分布となっている状態等をいう。
また、上記第1の観点において、前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記第2の工程では、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出するようにすることができる。
ここで、予め設定された時点は、基板を所望の温度に制御したい時点であるのが好ましく、複数の時点であるのが好ましい。各時点は、基準となる時点、例えば、基板の処理が開始された時点を基準として設定されるのが好ましい。また、逆行列は、擬似逆行列であってもよい。なお、逆行列を用いることなく、連立方程式を解いて調整値を算出するようにしてもよい。
このような構成によれば、所望の温度状態からの温度のずれに対応する温度分布情報から逆行列を用いて前記温度のずれを解消するのに必要な調整値を、予め設定された時点に対応して算出することができ、この調整値に応じて目標温度を調整することにより、予め設定された時点における基板の温度のずれが解消されて所望の温度状態に制御される。
さらに、上記第1の観点において、前記第2の工程では、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索することができる。
探索手法としては、例えば、遺伝的アルゴリズム、シミュレーテッド・アニーリング(SA)法などがある。なお、最適値の検索は、算出された調整値を初期値とし、行列を含む評価式を用いた遺伝的アルゴリズムによって調整値の最適値を探索するようにしてもよい。
このような構成によれば、遺伝的アルゴリズムなどの探索手法によって調整値の最適値を探索するので、探索された調整値を用いて目標温度を調整することにより、基板の温度をより高い精度で所望の温度状態に制御することができる。
さらにまた、上記第1の観点において、前記温度分布情報を求める処理と、前記第1の工程で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出する処理とを複数回繰り返して調整情報を決定するようにすることができる。
このように、これら処理を複数回繰り返して調整情報を決定することにより、高精度の調整情報を得ることができる。この場合に、複数の調整情報の算出処理のそれぞれを異なる時間について行うようにすることができる。
さらにまた、前記第2の工程では、前記調整情報の算出処理に先立って、基板を前記熱板に載置して温度を安定化する温度安定化処理を1回または複数回行うようにすることができる。
これにより、調整情報の算出処理の際に温度安定性を高めることができ、高精度で調整情報を求めることができる。
前記第2の工程では、温度安定化処理の際に基板面内の温度と目標温度との温度差を合わせこむオフセット調整を行うようにすることができ、これにより、調整時間を短縮することができる。
本発明の第2の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて、前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求める調整装置であって、前記目標温度と基板の温度との関係を示す関係情報と、前記目標温度の調整前の基板の温度分布情報とに基づいて、前記基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、前記演算手段は、前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、前記目標温度の調整前の前記基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする調整装置を提供する。
ここで、前記関係情報は、当該調整装置の記憶部に格納していてもよいし、外部の記憶装置に格納されている関係情報を読み出して用いてもよいし、あるいは、計測データに基づいて、関係情報を演算算出するようにしてもよい。当該調整装置と温度制御装置とを、無線あるいは有線で接続し、演算手段で演算した調整情報を、温度制御装置に通信で送信するのが好ましい。
前記目標温度を変化させたときの前記基板の複数の計測点における計測温度あるいは前記目標温度の調整前の前記基板の温度を複数の計測点で計測した計測温度のデータは、予め計測されてファイル等に格納されたデータを用いてもよいし、温度ロガー等の計測装置を当該調整装置に接続し、計測して得られる計測温度のデータそのものを用いるようにしてもよい。
上記第2の観点によれば、第1の算出部において、各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測するだけで、目標温度をパルス状に変化させたときの複数の計測点におけるパルス応答波形を合成するので、かかる応答波形を利用して、目標温度と基板の複数の計測点の温度との間の詳細な関係を示す関係情報を得ることができ、第2の算出部において、前記調整の前の基板の温度を複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、調整情報を演算することができる。
上記第2の観点において、上記前記第1の算出部は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成するようにすることができる。また、前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記演算手段は、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出するようにすることができる。さらに、前記演算手段は、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索するようにすることができる。
本発明の第3の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて、前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求める調整装置であって、前記目標温度を変化させたときの基板の複数の計測点における計測温度および前記目標温度の調整前の基板の前記複数の計測点における計測温度に基づいて、基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、前記演算手段は、前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする調整装置を提供する。
上記第3の観点によれば、目標温度を変化させたときの基板の複数の計測点における計測温度および目標温度の調整前の基板の前記複数の計測点における計測温度に基づいて、基板を所望の温度状態にするための目標温度の調整情報を演算するので、この調整情報を温度制御装置に与え、温度制御装置が、調整情報に応じて、目標温度を調整して処理手段の温度を制御することにより、基板が所望の温度状態に制御されて処理される。
上記第2および第3の観点において、前記所望の温度状態が、前記基板の複数の計測点における計測温度のバラツキが抑制された状態であることが好ましい。ここで、バラツキが抑制された状態とは、目標温度の調整を行う前、すなわち、従来よりもバラツキが抑制された状態をいう。また、前記温度制御装置が、前記各目標温度と前記各検出温度との偏差に基づいて温度制御を行なうものであって、前記調整情報に応じて、前記各目標温度および前記各検出温度の少なくともいずれか一方を調整するように構成することができる。
このように、温度制御装置は、目標温度と検出温度との偏差を小さくするように制御することにより、目標温度に代えて検出温度を調整して目標温度を調整した場合と同じ作用効果を奏することができ、あるいは、目標温度および検出温度の両者を調整して同じ作用効果を奏することができる。
本発明の第4の観点では、基板を処理する処理手段の温度を複数の検出点で検出した各検出温度が、複数の各目標温度に一致するように前記処理手段の温度を制御する温度調節器であって、本発明に係る調整装置によって求められた調整情報に応じて、前記各目標温度を調整するものである。
この温度調節器において、調整装置からの調整情報を通信によって受信し、その中に設けられた記憶部に格納することが好ましい。
上記第4の観点によれば、調整情報に応じて、目標温度を調整することにより、基板を所望の温度状態に制御して処理することができる。
本発明の第5の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する温度調節器であって、前記目標温度と基板の温度との関係を示す関係情報を用いて、基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、前記演算手段は、前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、前記目標温度の調整前の前記基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする温度調節器を提供する。
上記第5の観点では、関係情報を用いて、基板を所望の温度状態にするための目標温度の調整情報を演算し、この調整情報に応じて、目標温度を調整して処理手段の温度を制御するので、基板が所望の温度状態に制御されることになる。
本発明の第6の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求めるプログラムであって、前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を演算する第1の手順と、前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を演算し、前記第1の手順で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて、基板を所望の温度状態に調整するための調整情報を演算する第2の手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供する。
上記第6の観点によれば、当該プログラムを、コンピュータに実行させることにより、第1の手順で、目標温度と基板の温度との関係を示す関係情報を演算し、第2の手順で、前記関係情報と調整の前の前記基板の温度分布情報とに基づいて、前記基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算するので、この調整情報を温度制御装置に与え、温度制御装置が、調整情報に応じて、目標温度を調整して熱板の温度を制御することにより、基板が所望の温度状態に制御されて処理されることになる。
上記第6の観点において、前記第1の手順は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成するようにすることができる。また、前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記第2の手順では、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出するようにすることができる。さらに、前記第2の手順では、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索するようにすることができる。
また、上記第6の観点において、前記第2の手順では、前記温度分布情報を演算する処理と、前記第1の手順で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出する処理とを複数回繰り返して調整情報を決定するようにすることができる。この場合に、複数の調整情報の算出処理のそれぞれを異なる時間について行うようにすることができる。
また、上記第6の観点において、前記第2の手順では、前記調整情報の演算処理に先立って、試験用基板を前記熱板に載置して温度を安定化する温度安定化処理を1回または複数回実行させるようにすることができる。この場合に、温度安定化処理の際に、前記目標温度が定常温度の際におけるオフセット調整を行うようにすることができる。
本発明の第7の観点では、上記プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体を提供する。
ここで、記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
本発明の第8の観点では、基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、基板の熱処理を行う熱処理装置であって、基板を載置し、基板を加熱する熱板と、上記温度調節器と、前記温度調節器の出力によって、前記熱板を加熱する操作手段と、前記熱板の温度を複数の検出点で検出する温度検出手段とを備えることを特徴とする加熱処理装置を提供する。
以上のように本発明によれば、各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係を示す関係情報を求め、前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を求め、前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出し、調整情報を決定し、この調整情報に基づいて前記目標温度を調整するので、調整された目標情報となるように熱板の温度状態が制御される結果、熱板で処理される基板の温度を所望の状態とすることができる。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の温度制御方法が適用される加熱処理ユニットが搭載されたレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
このレジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション11と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション12と、処理ステーション12に隣接して設けられる露光装置14と処理ステーション12との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション13とを有している。
レジスト塗布・現像処理システム1において処理を行う複数枚のウエハWが水平に収容されたウエハカセット(CR)が他のシステムからカセットステーション11へ搬入される。また逆にレジスト塗布・現像処理システム1における処理が終了したウエハWが収容されたウエハカセット(CR)がカセットステーション11から他のシステムへ搬出される。さらにカセットステーション11はウエハカセット(CR)と処理ステーション12との間でのウエハWの搬送を行う。
カセットステーション11においては、図1に示すように、カセット載置台20上にX方向に沿って1列に複数(図1では5個)の位置決め突起20aが形成されており、ウエハカセット(CR)はウエハ搬入出口を処理ステーション12側に向けてこの突起20aの位置に載置可能となっている。
カセットステーション11には、ウエハ搬送機構21がカセット載置台20と処理ステーション12との間に位置するように設けられている。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびウエハカセット(CR)中のウエハWの配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用ピック21aを有しており、このウエハ搬送用ピック21aは、図1中に示されるθ方向に回転可能である。これにより、ウエハ搬送用ピック21aはいずれかのウエハカセット(CR)に対してアクセスでき、かつ、後述する処理ステーション12の第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニット(TRS−G)にアクセスできるようになっている。
処理ステーション12には、システム前面側に、カセットステーション11側から順に、第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gが設けられている。また、システム背面側に、カセットステーション11側から順に、第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gが配置されている。また、第3処理ユニット群Gと第4処理ユニット群Gとの間に第1主搬送部Aが設けられ、第4処理ユニット群Gと第5処理ユニット群Gとの間に第2主搬送部Aが設けられている。さらに、第1主搬送部Aの背面側には第6処理ユニット群Gが設けられ、第2主搬送部Aの背面側には第7処理ユニット群Gが設けられている。
図1および図2に示すように、第1処理ユニット群Gは、カップ(CP)内でウエハWをスピンチャックSPに載せて所定の処理を行う液供給ユニットとしての5台のスピンナ型処理ユニット、例えば、3つのレジスト塗布ユニット(COT)と、露光時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティングユニット(BARC)が計5段に重ねられている。また第2処理ユニット群Gでは、5台のスピンナ型処理ユニット、例えば、現像ユニット(DEV)が5段に重ねられている。
第3処理ユニット群Gは、図3に示すように、下から、温調ユニット(TCP)、カセットステーション11と第1主搬送部Aとの間でのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニット(TRS−G)、ウエハWを載置台に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット、所望のオーブン型処理ユニット等を設けることができるスペア空間V、ウエハWに精度のよい温度管理下で加熱処理を施す3つの高精度温調ユニット(CPL−G)、ウエハWに所定の加熱処理を施す4つの高温度熱処理ユニット(BAKE)が10段に重ねられて構成されている。
第4処理ユニット群Gは、図3に示すように、下から、高精度温調ユニット(CPL−G)、レジスト塗布後のウエハWに加熱処理を施す4つのプリベークユニット(PAB)、現像処理後のウエハWに加熱処理を施す5つのポストベークユニット(POST)が10段に重ねられて構成されている。
第5処理ユニット群Gは、図3に示すように、下から、4つの高精度温調ユニット(CPL−G)、6つの露光後現像前のウエハWに加熱処理を施すポストエクスポージャーベークユニット(PEB)が10段に重ねられている。
第3〜5処理ユニット群G〜Gに設けられている高温度熱処理ユニット(BAKE)、プリベークユニット(PAB)、ポストベークユニット(POST)、ポストエクスポージャーベークユニット(PEB)は、後述するように全て同じ構造を有しており、本実施形態の加熱処理ユニットを構成する。なお、第3〜5処理ユニット群G〜Gの積み重ね段数およびユニットの配置は、図示するものに限らず、任意に設定することが可能である。
第6処理ユニット群Gは、下から、2つのアドヒージョンユニット(AD)と、2つのウエハWを加熱する加熱ユニット(HP)とが4段に重ねられて構成されている。アドヒージョンユニット(AD)にはウエハWを温調する機構を持たせてもよい。また、第7処理ユニット群Gは、下から、レジスト膜厚を測定する膜厚測定装置(FTI)と、ウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)とが2段に重ねられて構成されている。ここで、周辺露光装置(WEE)は多段に配置しても構わない。また、第2主搬送部Aの背面側には、第1主搬送部Aの背面側と同様に加熱ユニット(HP)等の熱処理ユニットを配置することもできる。
第1主搬送部Aには第1主ウエハ搬送装置16が設けられ、この第1主ウエハ搬送装置16は、第1処理ユニット群G、第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gと第6処理ユニット群Gに備えられた各ユニットに選択的にアクセス可能となっている。また、第2主搬送部Aには第2主ウエハ搬送装置17が設けられ、この第2主ウエハ搬送装置17は、第2処理ユニット群G、第4処理ユニット群G、第5処理ユニット群G、第7処理ユニット群Gに備えられた各ユニットに選択的にアクセス可能となっている。
第1主ウエハ搬送装置16は、図4に示すように、ウエハWを保持する3本のアーム7a,7b,7cを有している。これら、アーム7a〜7cは、基台52に沿って前後移動可能になっている。基台52は支持部53に回転可能に支持されて、支持部53に内蔵されたモータにより回転されるようになっている。支持部53は鉛直方向に延びる支持柱55に沿って昇降可能となっている。支持柱55には、鉛直方向に沿ってスリーブ55aが形成されており、支持部53から側方に突出するフランジ部56がスリーブ55aにスライド可能となっており、支持部53は図示しない昇降機構によりフランジ部56を介して昇降されるようになっている。このような構成によって、第1主ウエハ搬送装置16のアーム7a〜7cは、X方向、Y方向、Z方向の各方向に移動可能で、かつXY面内で回転可能であり、これにより先に述べたように、第1処理ユニット群G、第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第6処理ユニット群Gの各ユニットにそれぞれアクセス可能となっている。
なお、アーム7aとアーム7bとの間に両アームからの放射熱を遮る遮蔽板8が取り付けられている。また、最上段のアーム7aの先端部上方には発光素子(図示せず)が取り付けられたセンサ部材59が設けられており、基台52の先端には受光素子(図示せず)が設けられていて、これら発光素子および受光素子からなる光学センサによりアーム7a〜7cにおけるウエハWの有無とウエハWのはみ出し等が確認されるようになっている。さらに、図4に示す壁部57は第1処理ユニット群G側にある第1主搬送部Aのハウジングの一部であり、壁部57には、第1処理ユニット群Gの各ユニットとの間でウエハWの受け渡しを行う窓部57aが形成されている。第2主ウエハ搬送装置17は第1主ウエハ搬送装置16と同様の構造を有している。
第1処理ユニット群Gとカセットステーション11との間には液温調ポンプ24およびダクト28が設けられ、第2処理ユニット群Gとインターフェイスステーション13との間には液温調ポンプ25およびダクト29が設けられている。液温調ポンプ24、25は、それぞれ第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gに所定の処理液を供給するものである。また、ダクト28、29は、レジスト塗布・現像処理システム1外に設けられた図示しない空調器からの清浄な空気を各処理ユニット群G〜Gの内部に供給するためのものである。
第1処理ユニット群G〜第7処理ユニット群Gは、メンテナンスのために取り外しが可能となっており、処理ステーション12の背面側のパネルも取り外しまたは開閉可能となっている。また、第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gの下方には、第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gに所定の処理液を供給するケミカルユニット(CHM)26、27が設けられている。
インターフェイスステーション13は、処理ステーション12側の第1インターフェイスステーション13aと、露光装置14側の第2インターフェイスステーション13bとから構成されており、第1インターフェイスステーション13aには第5処理ユニット群Gの開口部と対面するように第1ウエハ搬送体62が配置され、第2インターフェイスステーション13bにはX方向に移動可能な第2ウエハ搬送体63が配置されている。
第1ウエハ搬送体62の背面側には、図3に示すように、下から順に、露光装置14から搬出されたウエハWを一時収容するアウト用バッファカセット(OUTBR)、露光装置14に搬送されるウエハWを一時収容するイン用バッファカセット(INBR)、周辺露光装置(WEE)が積み重ねられて構成された第8処理ユニット群Gが配置されている。イン用バッファカセット(INBR)とアウト用バッファカセット(OUTBR)は、複数枚、例えば25枚のウエハWを収容できるようになっている。また、第1ウエハ搬送体62の正面側には、図2に示すように、下から順に、2段の高精度温調ユニット(CPL−G)と、トランジションユニット(TRS−G)とが積み重ねられて構成された第9処理ユニット群Gが配置されている。
第1ウエハ搬送体62は、Z方向に移動可能かつθ方向に回転可能で、さらにX−Y面内において進退自在なウエハ受け渡し用のフォーク62aを有している。このフォーク62aは、第5処理ユニット群G、第8処理ユニット群G、第9処理ユニット群Gの各ユニットに対して選択的にアクセス可能であり、これによりこれらユニット間でのウエハWの搬送を行うことが可能となっている。
第2ウエハ搬送体63も同様に、X方向およびZ方向に移動可能、かつ、θ方向に回転可能であり、さらにX−Y面内において進退自在なウエハ受け渡し用のフォーク63aを有している。このフォーク63aは、第9処理ユニット群Gの各ユニットと、露光装置14のインステージ14aおよびアウトステージ14bに対して選択的にアクセス可能であり、これら各部の間でウエハWの搬送を行うことができるようになっている。
図2に示すように、カセットステーション11の下部にはこのレジスト塗布・現像処理システム1全体を制御する集中制御部19が設けられている。この集中制御部19は、図5に示すように、レジスト塗布・現像処理システム1の各ユニットおよび各搬送機構等の各構成部を制御する、CPUを備えたプロセスコントローラ101を有し、このプロセスコントローラ101には、工程管理者がレジスト塗布・現像処理システム1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、レジスト塗布・現像処理システム1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス102と、レジスト塗布・現像処理システム1で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じてレジスト塗布・現像処理システム1の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピや、各種データベース等が格納された記憶部103とが接続されている。レシピは記憶部103の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスク等の固定的に設けられているものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェイス102からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させることで、プロセスコントローラ101の制御下で、レジスト塗布・現像処理システム1において所望の各種処理が行われる。
このように構成されるレジスト塗布・現像処理システム1においては、ウエハカセット(CR)から処理前のウエハWを1枚ずつウエハ搬送機構21により取り出し、このウエハWを処理ステーション12の処理ユニット群Gに配置されたトランジションユニット(TRS−G)に搬送する。次いで、ウエハWに対し、温調ユニット(TCP)で温調処理を行った後、第1処理ユニット群Gに属するボトムコーティングユニット(BARC)で反射防止膜の形成、加熱ユニット(HP)における加熱処理、高温度熱処理ユニット(BAKE)におけるベーク処理を行う。ボトムコーティングユニット(BARC)によるウエハWへの反射防止膜の形成前にアドヒージョンユニット(AD)によりアドヒージョン処理を行ってもよい。次いで、高精度温調ユニット(CPL−G)でウエハWの温調を行った後、ウエハWを第1処理ユニット群Gに属するレジスト塗布ユニット(COT)へ搬送後、レジスト液の塗布処理を行う。その後、第4処理ユニット群Gに設けられたプリベークユニット(PAB)でウエハWにプリベーク処理を施し、周辺露光装置(WEE)で周辺露光処理を施した後、高精度温調ユニット(CPL−G)等で温調する。その後、ウエハWを第2ウエハ搬送体63により露光装置14内に搬送する。露光装置14により露光処理がなされたウエハWを第2ウエハ搬送体63によってトランジションユニット(TRS−G)に搬入し、第1ウエハ搬送体62によって、第5処理ユニット群Gに属するポストエクスポージャーベークユニット(PEB)にてポストエクスポージャーベーク処理を施し、さらに第2処理ユニット群Gに属する現像ユニット(DEV)へ搬送して現像処理を施した後、ポストベークユニット(POST)でポストベーク処理を行い、高精度温調ユニット(CPL−G)で温調処理を行った後、トランジションユニット(TRS−G)を介してカセットステーション11のウエハカセット(CR)の所定位置へ搬送する。
次に、本発明の制御方法が実施される加熱処理ユニットについて詳細に説明する。前述したように、高温度熱処理ユニット(BAKE)、プリベークユニット(PAB)、ポストベークユニット(POST)、ポストエクスポージャーベークユニット(PEB)は全て同じ構造を有し、本実施形態の加熱処理ユニットを構成しており、冷却機能付き加熱処理ユニット(CHP)として構成されている。図6は加熱処理ユニット(CHP)を示す断面図、図7はその内部の概略平面図である。
この加熱処理ユニット(CHP)は、ケーシング110と、その内部の一方側に設けられた加熱部(熱処理部)120と、他方側に設けられた冷却部140とを有している。
加熱部(熱処理部)120は、ウエハWを加熱して露光後ベーク処理を行うものであり、ウエハWを加熱する円板状の熱板121と、上部が開放された扁平円筒状をなし、その内部空間に熱板121を支持する支持部材122と、外部から中心部に向かって次第に高くなるような円錐状をなし、支持部材122の上方を覆うカバー123とを有している。カバー123は、中央の頂上部には排気管に接続される排気口125を有している。このカバー123は、図示しない昇降機構により昇降するようになっており、上昇した状態でウエハWの熱板121に対する搬入出が可能となっている。そして、下降した状態でその下端が支持部材122の上端と密着して加熱処理空間Sを形成する。また、支持部材122は、ケーシング110の底面に配置されたスペーサー124の上に固定されている。
熱板121は例えばアルミニウムで構成されており、その表面にはプロキシミティピン126が設けられている。そして、このプロキシミティピン126上に熱板121に近接した状態でウエハWが載置されるようになっている。加熱プレート121には後述するように複数のチャンネルに分割されたヒータ127が埋設されており、ヒータ127の各チャンネルに通電することにより、熱板121の各チャンネルが所定温度に加熱される。
熱板121にはその中央部に3つの貫通孔129が形成されており(図6では2つのみ図示)、これら貫通孔129にはウエハWを昇降させるための昇降ピン130が昇降自在に設けられている。これら昇降ピン130は支持板131に支持されており、この支持板131を介してケーシング110の下方に設けられたシリンダ機構132により昇降されるようになっている。
冷却部140は、加熱部120で加熱されたウエハWを冷却して所定温度に保持するためのものであり、冷媒流路(図示せず)が設けられた冷却板141と、冷却板141を水平方向に沿って移動させてウエハWを加熱部120との間で搬送する駆動機構142とを有している。冷却板141上にはプロキシミティピン143が設けられており、ウエハWはこのプロキシミティピン143の上に保持プレート141に近接した状態で載置され、冷却処理される。駆動機構142は、ベルト機構やボールネジ機構等の適宜の機構により冷却板141をガイド144に沿って移動させる。冷却板141はウエハWの熱板121に対する受け取り受け渡しの際には加熱部(熱処理部)120に移動し、冷却する際には、図示の基準位置に位置される。冷却板141には、このように移動する際に冷却板141と昇降ピン130との干渉を避けるために、図7に示すように、保持プレート141に搬送方向に沿った溝145が形成されている。
次に、この加熱処理ユニット(CHP)における熱板121の温度制御機構について図8のブロック図を参照して説明する。図8に示すように、被処理体であるウエハWを熱処理する熱板121の温度を調節する温度調節器150が設けられている。温度調節器150は、設定された目標温度と、熱板121の表面近傍に設けられた温度センサ(図示せず)からの検出温度との偏差に基づいて、PID演算等を行って操作量を図示しないSSR(ソリッドステートリレー)や電磁開閉器等に出力して熱板121に配設されたヒータ(図示せず)の通電を制御して熱板121の温度を目標温度になるように制御する。この例では、図9に示すように、熱板121は、チャンネル121a〜121iに9分割されており、各チャンネルに対応して温度センサおよびヒータが配置されており、各チャンネル毎に温度制御される。温度調節器150は集中制御部19に接続されている。
熱板121におけるウエハWの熱処理工程においては、順番に熱処理される多数のウエハW自体の温度は計測されず、熱板121の温度が、温度調節器150によって制御される。
このようなウエハWの熱処理では、目標温度に整定した熱板121に、ウエハWが搭載されて熱処理が開始されると、ウエハWの面内の位置による放熱のし易さの違い等に起因して円盤状のウエハWの面内における温度のバラツキが生じる。
図10は、目標温度に整定した熱板121に、温度センサを取り付けた試験用のウエハCWを搭載して熱処理を行なった場合の試験用のウエハCWの複数の計測点の計測温度の変化を示すものである。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は複数の計測点の各計測温度を、複数の計側温度の平均値に対する温度差として示している。なお、この図10では、3点の計測温度を代表的に示している。
この図10に示すように、試験用のウエハCWを、熱板121に搭載して熱処理を開始した時点t=t0の直後から各点の計測温度にバラツキが生じ、最大のバラツキに達した後、徐々にバラツキが小さくなって均一となっている。
ウエハWを、均―に熱処理するためには、ウエハWの面内における温度のバラツキを抑制し、各計測点の計測温度を平均値に近づける必要があり、ウエハWの温度のバラツキが抑制された所望の状態で熱処理することが望まれる。
本実施の形態では、加熱対象であるウエハWの面内における温度のバラツキを抑制するために、熱板121の温度を制御するものであり、具体的には、ウエハWが熱板121に搭載されて目標温度に到達した際の温度制御のみならず、熱処理温度に到達する前の過渡時において、熱板121の温度を制御する温度調節器150の目標温度を調整するものである。この目標温度の調整によって、ウエハWの温度のバラツキを抑制するような温度の分布を熱板121に形成し、この熱板121に形成された温度の分布によって、ウエハWの温度のバラツキを抑制するものである。つまり、目標温度を調整して、加熱対象であるウエハWの温度のバラツキを抑制するように、熱板121に温度のバラツキを生じさせるものである。
このため、目標温度を調整するための調整情報が、後述のようにして、温度調節器150に与えられ、温度調節器150は、この調整情報に基づいて、目標温度を調整すればよい。
温度調節器150の目標温度を調整して加熱対象であるウエハWの温度のバラツキを抑制するためには、温度調節器150の目標温度とウエハWの温度との間の関係を把握する必要がある。
例えば、目標温度をどのように変化させるとウエハWの温度がどのように変化するかを予測できれば、逆に、ウエハWの温度を、そのバラツキを抑制するように変化させるには、目標温度を、どのように調整すればよいかを予測することができる。
そこで、目標温度とウエハWの温度との関係を示す関係情報を、次のようにして求めるようにしている。
具体的には、各チャンネルの目標温度の変化に対するウエハWの温度変化の影響を計測し、目標温度の変化がウエハWの温度に与える影響を行列として求める。
ここで、各チャンネルの目標温度を変化させてヒータによる熱板121の加熱を制御すると、各チャンネルのヒータによる熱の干渉が生じ、前記行列は、この干渉の影響を示しており、以下の説明では、この行列を干渉行列という。
図11は、目標温度の変化に対するウエハWの温度変化の影響を計測するための構成の一例を示す図であり、図8に対応する部分には、同一の参照符号を付す。この図11に示すように、複数の計測点に温度センサ(図示せず)が取り付けられた試験用ウエハCWが熱板121の上に載置される。一方、試験用ウエハCWの温度センサからの検出信号を受けて温度を計測する温度ロガー153が設けられている。そして、調整装置としてのパーソナルコンピュータ154が温度ロガー153および温度調節器150に接続されている。パーソナルコンピュータ154は、温度調整動作の際のみに用いられ、集中制御部19の機能の一部または全部を有している。パーソナルコンピュータ154は、温度ロガー153からの情報に基づいて、目標温度を調整するための調整情報を温度調節器150に出力するようになっている。このパーソナルコンピュータ154は、温度ロガー153および温度調節器150との通信によって、温度調節器150の目標温度を変更できるとともに、この目標温度と試験用ウエハWの各計測点の計測温度とを同期して計測することができる。試験用ウエハCWの複数の計測点としては、温度のバラツキを抑制しようとする複数の位置(箇所)が選択される。なお、パーソナルコンピュータ154の代わりに、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などを用いてもよく、集中制御部19により直接制御するようにしてもよい。
試験用ウエハCWの複数の温度センサから取り出された信号線は送信器151に接続されている。これら試験用ウエハCWと送信器151は、レジスト塗布現像システム1のカセットステーション11の専用ポート(図示せず)に収容されており、温度計測の際に、ウエハ搬送機構21と第1主搬送装置16または第2主搬送装置とにより、温度制御対象の加熱処理ユニットに搬送される。このとき、試験用ウエハCWのみが熱板121の上に載置され、送信器151は搬送装置の上に載置されたままの状態にしておくか、または加熱処理ユニットのケーシングの外側に設けられた専用ポートに置くようにする。
一方、温度ロガー153には受信器152が接続されており、この受信器152が送信器151から無線で送信された試験用ウエハCWの温度センサの検出信号を受信し、その信号を温度ロガー153に送るようになっている。
パーソナルコンピュータ154は、後述する制御を行う制御プログラムが格納されているCD−ROM等の記録媒体がセットされており、この記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより、後述のようにして干渉行列および調整情報を演算する演算手段として機能する。パーソナルコンピュータ154の代わりに集中制御部19を用いる場合には、記憶部103にこのような記憶媒体がセットされる。
このように構成される装置により温度制御を行う場合には、まず、試験用ウエハCWを熱板121に搭載しておき、温度調節器150に対して、全チャンネルの目標温度SPを、図12(a)に示すように、熱処理を行う所定温度Tに設定して温度制御を開始する。
熱板121の温度が所定温度Tに達して整定した状態において、図12(a)に示すように、第1のチャンネルch1の目標温度SPを、ステップ状に、例えば、1℃変化させてT+1とし、そのときの試験用ウエハCWの温度を複数の計測点で、図12(b)に示すように、それぞれ計測する。この図12(b)では、3つの計測点の計測温度の温度変化の波形を代表的に示しており、変化前を0℃として示している。
同様に、試験用ウエハCWを搭載した熱板121が、所定温度Tに整定した状態において、第2のチャンネルch2の目標温度を、ステップ状に1℃変化させ、そのときの試験用のウエハWの温度を前記複数の計測点で、それぞれ計測する。
以下、同様にして、各チャンネル毎に順番に目標温度SPを、ステップ状に1℃変化させ、そのときの試験用のウエハWの温度を前記複数の計測点で、それぞれ計測する。
これによって、各チャンネルの目標温度を、個別に1℃ステップ状に変化させたときに、ウエハWの複数の計測点の計測温度がどのように変化するかのステップ応答波形が得られることになる。
このようにして計測されたステップ応答波形を利用して、種々の目標温度の変化、例えば、パルス状や三角波状の目標温度の変化に対する試験用ウエハCWの複数の計測点の応答波形を演算して合成する。
例えば、目標温度SPを、図13(a)に示すように、所定温度Tから1℃パルス状に変化させた場合、すなわち、パルス状の目標温度の入力に対して出力としての試験用ウエハCWの各計測点における図13(b)に示されるパルス応答波形を、次のようにして合成することができる。
図14および図15は、パルス応答波形の合成を説明するための図であり、図14は、目標温度の入力(変化)を示し、図15は、目標温度の入力に対応する出力としての試験用ウエハCWの各計測点の応答波形を示している。
図14(a),図15(a)にそれぞれ示すステップ状の1℃の入力およびその出力であるステップ応答波形を、図14(b),図15(b)にそれぞれ示すようにΔt、例えば、1秒それぞれ遅延させ、この遅延させたステップ状の入力およびステップ応答波形を、図14(a),図15(a)にそれぞれ示す遅延前のステップ状の入力およびステップ応答波形からそれぞれ減算することにより、図14(c)に示す1℃、1秒のパルス状の入力およびこの入力に対する出力であるパルス応答波形を図15(c)に示すように算出することができる。この図14(c)、図15(c)は、図13(a)、(b)と同じ波形である。
このように図12(a)に示す目標温度のステップ入力に対する図12(b)に示すステップ応答波形を計測することにより、図13(a)に示す目標温度のパルス入力に対する図13(b)に示すパルス応答波形を演算によって合成することができる。
なお、上述の遅延時間Δtは、ステップ応答波形の必要な温度変化が得られるように適宜選択される。
このパルス応答波形の合成を、各チャンネルについて行うことにより、各チャンネル毎に、パルス状の目標温度の変化に対する試験用ウエハCWの複数の計測点におけるパルス応答波形を求めることができる。
このパルス応答渡形から目標温度の変化に対する試験用ウエハCWの複数の計測点における温度の影響を示す干渉行列を得ることができる。
図16は、干渉行列の一例を示すものであり、各行が、試験用ウエハCWの複数の計測点1〜k(kは2以上の整数)に対応し、各列が、1〜p(pは2以上の整数)の各チャンネルch1〜chpに対応している。
この図16は、図13(a)に示すように目標温度を1℃、1秒間パルス状に変化させた時点を基準時点t=t0としたときの予め定めた経過時点t=t1におけるウエハWの複数の計測点における図13(b)に示すパルス応答波形から求められる干渉行列の一例である。この予め定めた経過時点t=t1は、目標温度を変化させた基準時点t=t0を、例えば、ウエハWが熱板121に搭載されて熱処理が開始された時点としたときに、ウエハWの温度のバラツキを抑制したい時点に対応するように選ばれる。
図13において、例えば、第1のチャンネルch1の目標温度を、同図(a)に示すようにパルス状に変化させたとした場合に、同図(b)に示すように経過時点t=t1における第1〜第3の各計測点1〜3の温度変化a11,a21,a31とすると、この温度変化a11,a21,a31が、図16の干渉行列の一部を構成することになる。
このように図16の干渉行列は、各チャンネルch1〜chpの目標温度をパルス状に変化させたとした場合の経過時点t=t1における各計測点1〜kの応答波形から算出することができる。
この図16の干渉行列から、試験用ウエハCWの各計測点の温度変化を予測することができる。図16に示すように、例えば、第1のチャンネルch1の目標温度を、1℃、1秒間パルス状に変化させたとすると、経過時点t=t1において、例えば、ウエハWの計測点1では、0.12℃(a11)変化し、計測点2では、0.21℃(a21)変化し、また、例えば、第2のチャンネルch2の目標温度を、1℃、1秒間パルス状に変化させたとすると、経過時点t=t1において、例えば、ウエハWの計測点1では、0.03℃(a12)変化し、計測点2では、0.08℃(a22)変化する。
この図16と同様に、目標温度を1℃、1秒間パルス状に変化させた基準時点t=t0から任意の経過時点における干渉行列を、図13(b)に示すパルス応答波形から同様に求めることができる。すなわち、ウエハW(試験用ウエハCW)の温度のバラツキを抑制しようとする複数の時点を予め設定し、各時点に対応した干渉行列を求めることができる。
次に、本実施の形態の干渉行列について具体的に説明する。
干渉行列は、上述のように目標温度の変化に対するワークの計測点の応答波形から求めるのであるが、目標温度の急激な変化は、操作量の飽和を招き、制御を困難にする場合がある。
そこで、本実施形態では、ウエハWの温度のバラツキを効果的に抑制することができるようにするために、目標温度をパルス状に変化させるのではなく、図17に示すように、目標温度を略三角波状に変化させた場合の応答波形から干渉行列を求めるようにしている。
図18は、この三角波状の波形の合成を説明するための図であり、同図(a)は、上述の図13のパルス状の波形を利用したものであり、同図(b)は上述の図12のステップ状の波形を利用したものである。
図17に示す略三角波状の波形は、図18(a)に示すように、高さ(温度変化)が異なる微小な時間幅の複数のパルス状の入力を積算して得ることができる。この微小なパルス状の入力およびそのパルス応答波形は、図13のパルス状の入力およびその応答波形について、その高さ(温度変化)は、比例関係により、その時間幅は、上述の図14と同様に遅延時間Δtを時間幅に対応させて減算することにより、合成することができる。
微小なパルス状の入力、例えば、高さが、0.1℃で、時間幅が0.1秒の微小なパルス状の入力およびそのパルス応答波形は、上述の図13の高さが、1℃で、時間幅が1秒のパルス状の入力およびそのパルス応答波形の高さをそれぞれ0.1倍し、さらに、それを0.1秒それぞれ遅延させたパルス状の入力およびそのパルス応答波形を、遅延前のパルス状の入力およびそのパルス応答波形からそれぞれ減算することにより合成することができる。
また、図17に示す略三角波状の波形は、図18(b)に示すように、高さ(温度変化)が小さく時間幅が徐々に小さくなる複数の矩形を積層したものとして合成することができる。積層する各矩形は、図12のステップ状の入力およびその応答波形の高さを比例関係で算出し、さらに、それを前記時間幅に相当する分遅延させ、この遅延させた波形を、遅延前のステップ状の入力およびその応答波形から滅算することにより算出することができる。
この略三角波状の波形は、より微小なパルス入力あるいはステップ入力を利用することにより、滑らかな三角波状に合成することができ、以下の説明および図においては、三角波状として説明する。この三角波の高さは、上述と同様に、例えば、1℃であり、その時間幅は、上述の図10のウエハWの温度のバラツキを抑制しようとする期間を、複数に分割した時間幅に選定される。この複数は、演算処理の負担およびバラツキ抑制の効果などを考慮して定められる。
このように目標温度の三角波状の入力およびその応答波形から干渉行列を演算することにより、操作量の飽和が生じるのを回避した干渉行列を得ることができる。
図19は、この実施の形態の干渉行列Aの詳細を示すものであり、この実施の形態では、ウエハW(試験用ウエハCW)の温度のバラツキを精度高く抑制するために、時間的および空間的な干渉を考慮した行列となっている。なお、図19においては、各行列A11〜Amnを構成する各要素である温度変化を、共通にa11〜akpで統一して示しているが、計測点1〜kとチャンネルch1〜chpとの対応を示すものであり、具体的な温度変化の数値が同一であることを示すものではない。
すなわち、図19の干渉行列Aは、図20に示す時間的な干渉の関係を考慮した行列で構成され、さらに、図20の各行列は、例えば、図21に示す空間的(位置的)な関係を考慮した行列で構成されており、行列の中に行列を含む二重構造となっている。
まず、図20に示す時間的な関係を考慮した行列について説明する。
図22は、図20の干渉行列を説明するための波形図であり、同図(a)は、目標温度の三角波状の変化を入力として、同図(b)は、その応答波形を出力としてその一例を示したものである。
上述の図16の干渉行列では、各チャンネルch1〜chpの目標温度のパルス状の入力は、同一のタイミングのみであったが、この実施の形態では、一定の時間差を持たせた第1〜第n(nは2以上の整数)の複数のタイミングの目標温度の入力に対応したものとなっている。
すなわち、第1のタイミングで各チャンネルch1〜chpに、三角波状の入力をそれぞれ与えたとしたときの各応答波形から対応する行列を算出し、次に、一定時間遅延させた第2のタイミングで各チャンネルch1〜chpに、三角波状の入力をそれぞれ与えたとしたときの各応答波形から対応する行列を算出し、以下、同様にして第nのタイミングで各チャンネルch1〜chpに、三角波状の入力をそれぞれ与えたとしたときの各応答波形から対応する行列を算出するものである。
このとき、目標温度の入力の第1〜第nのタイミングに拘わらず、図22に示す応答波形の各経過時点t=t1〜tm(mは2以上の整数)は、第1のタイミングの目標温度の入力、すなわち、第1のタイミングの目標温度を三角波状に変化させた時点t=t0を基準とし、この基準時点t=t0から各経過時点t=t1〜tmが規定されることになる。つまり、目標温度の入力のタイミングが遅れることによって、応答波形のタイミングも遅れるのであるが、基準時点t=t0および各経過時点t=t1〜tmは、遅らせることなく、第1のタイミングのときに固定し、この固定した各経過時点t=t1〜tmに対して遅れた応答波形から干渉行列を算出することになる。
図20の干渉行列Aの各行は、図22(b)の応答波形の第1のタイミングの目標温度の入力の基準時点t=t0からの各経過時点t=t1、t2、t3…tmにそれぞれ対応するものであり、例えば、最上段の第1の行の行列A11〜A1nは、経過時点t=t1における関係を示す行列であり、次の行の行列A21〜A2nは、経過時点t=t2における関係を示す行列であり、同様に、最下段の行の行列Am1〜Amnは、経過時点t=tmの時点における関係を示す行列である。
ここで、各経過時点t=t1、t2、t3…tmは、上述の図10に示される試験用ウエハCWの温度のバラツキが生じている期間において、バラツキを抑制したい各時点に対応するように予め決定される。その際、第1のタイミングの目標温度を三角波状に変化させる基準時点t=t0を、例えば、ウエハWが熱板121に搭載されて熱処理が開始される時点に対応させる。
図20の干渉行列Aの各列は、図22(a)に示すように、一定の時間差のある複数の三角波状の目標温度の入力にそれぞれ対応するものであり、例えば、左端の第1の列の行列A11〜Am1は、最も早い第1のタイミングの目標温度の三角波状の入力に対する関係を示す行列であり、図22に対応するものである。また、次の列の行列A12〜Am2は、第1のタイミングよリ一定時間遅れた第2のタイミングの目標温度の三角波状の入力に対する関係を示す行列であり、同様に、右端の列の行列A1n〜Amnは、最も遅い第nのタイミングの目標温度の三角波状の入力に対する関係を示す行列である。
ここで、図22(a)に示される複数の三角波状の目標温度の入力は、少なくとも目標温度の変化が連続的なものとなるように、タイミングの早い三角波に次のタイミングの三角波の一部が重なるように設定するのが好ましく、この実施の形態では、三角波の底辺の1/2に相当する一定時間遅延させたものとなっている。なお、遅延時間を一定とすることにより、演算処理が容易となるが、必ずしも遅延時間は一定でなくてもよい。
以上のように図20に示す干渉行列Aは、各行が、三角波応答波形の各経過時点t=t1、t2、…、tmに対応し、各列が、時間差のある複数の目標温度の各入力に対応するので、行と列とが交差する位置の行列、例えば、行列A21は、第1列であるから三角波状の目標温度の入力が第1のタイミングであって、第2行であるから三角波応答波形の経過時点t2に対応する行列であり、また、例えば、行列A12は、第2列であるから三角波状の目標温度の入力が第2のタイミングであって、第1行であるから三角波応答波形の経過時点t1に対応する行列である。
このように図20に示す干渉行列Aは、各行が、三角波応答波形の各経過時点t=t1、t2、…、tmに対応し、各列が、時間差のある複数の目標温度の各入力に対応するので、目標温度の入力および三角波応答波形の時間的な影響を示す干渉行列となっている。
なお、第1〜第nの各タイミング毎に、第1〜第pの各チャンネルch1〜chp毎の三角波状の目標温度の入力があり、各目標温度の入力に個別的に対応して複数の計測点1〜k毎の三角波応答波形があるが、図22(a)では、各タイミングにおける各チャンネルの目標温度の入力を、一つの三角波で代表的に示し、図22(b)では、各チャンネルおよび各計測点にそれぞれ対応する複数の応答波形を一つの応答波形で代表的に示している。
次に、図21に基づいて、干渉行列Aの空間的(位置的)な関係について説明する。この図21は、図20の干渉行列Aの内の行列A21を代表的に示すものである。
行列A21は、上述のように、干渉行列Aの第1列であるから三角波状の目標温度の入力が第1のタイミングであって、第2行であるから三角波応答波形の経過時点t2に対応する行列である。
この行列A21は、図21に示すように、各列が、第1〜第pの各チャンネルch1〜chpに対応しており、各行が、ウエハWの第1〜第kの各計測点s1〜skにそれぞれ対応している。
例えば、左端の第1列、最上段の第1行は、図23(a)に示すように、第1のタイミングの第1のチャンネルch1の三角波状の目標温度の入力に対する図23(b)に示す三角波応答波形の第1の計測点s1の経過時点t=t2における温度変化a11を示しており、第1列、第2行は、第1のチャンネルch1の三角波状の目標温度の入力に対する三角波応答波形の第2の計測点s2の経過時点t=t2における温度変化a21を示しており、同様に、第1列、最下段の行は、第1のチャンネルの三角波状の目標温度の入力に対する三角波応答波形の第kの計測点skの経過時点t=t2における温度変化ak1を示している。なお、図23(b)には、3つの計測点s1〜s3の三角波応答波形を代表的に示しており、また、図23(a)は、第1のタイミングの三角波状の入力を示しており、第1のチャンネルch1以外のチャンネルの三角波は、分かりやすいように高さを低くして示しているが、実際は、各チャンネルとも同じ高さの三角波となっている。
また、行列A21の例えば、第2列、第1行は、第2のチャンネルch2の三角波状の目標温度の入力に対する第1の計測点s1の三角波応答波形の経過時点t=t2における温度変化a12を示しており、第2列、第2行は、第2のチャンネルch2の三角波状の目標温度の入力に対する第2の計測点s2の三角波応答波形の経過時点t=t2における温度変化a22を示しており、同様に、第2列、最下段の行は、第2のチャンネルch2の三角波状の目標温度の入力に対する第kの計測点skの応答波形の経過時点t=t2における温度変化ak2を示している。
同様に、例えば、右端の第p列、第1行は、第pのチャンネルchpの三角波状の目標温度の入力に対する第1の計測点s1の三角波応答波形の経過時点t=t2における温度変化a1pを示しており、第p列、第2行は、第pのチャンネルchpの三角波状の目標温度の入力に対する第2の計測点s2の三角波応答波形の経過時点t=t2における温度変化a2pを示しており、同様に、第p列、最下段の行は、第pのチャンネルchpの三角波状の目標温度の入力に対する応答波形の第kの計測点skの経過時点t=t2における温度変化akpを示している。
このように行列A21は、各行が、応答波形の各計測,点s1〜skに対応し、各列が、各チャンネルch1〜chpに対応するので、ウエハWにおける位置、各チャンネルch1〜chpに個別的に対応するヒータや温度センサの配置などの空間的な位置の影響を示す干渉行列となっており、これは、行列A21に限らず、図20の干渉行列を構成する各行列も同様である。
したがって、図20、その詳細を示す図19の干渉行列Aは、時間的、空間的な影響を考慮した行列となっている。
以上が、本実施の形態に用いる干渉行列Aについての説明であり、図8のパーソナルコンピュータ154では、上述のようにして計測したステップ応答波形から演算処理によってかかる干渉行列Aを算出し、例えば、干渉行列用のファイルに格納する。
さらに、パーソナルコンピュータ154は、上述の図10に示す熱処理を行った場合のウエハWの複数の計測点1〜kの計測温度のデータも試練用のウエハWを用いて計測し、データファイルに格納する。すなわち、この実施の形態による目標温度の調整を行う前の状態で、ウエハWの熱処理を行った場合のウエハWの複数の計測点1〜kの温度を計測し、データファイルに格納する。
パーソナルコンピュータ154は、干渉行列Aと、試験用ウエハCWの複数の計測点1〜kの温度の計測データとに基づいて、バラツキを抑制するための目標温度の調整ための調整情報としての調整値を次のようにして算出する。
ここで、目標温度の第1〜第nの各タイミングにおける各チャンネルch1〜chpの三角波状の目標温度の温度変化(三角波の高さ)をc1〜cnとし、ウエハWの各経過時点t=t1〜tmにおける各計測点の温度変化をb1〜bmとすると、各経過時点t=t1〜tmにおけるウエハWの各計測点1〜kの温度変化b1〜bmは、干渉行列Aを用いて次式で表すことができる。
Figure 2008166514
この式(1)において、b1は、経過時点t=t1における各計測点1〜kの温度変化を示すベクトルであり、b2は、経過時点t=t2における各計測点1〜kの温度変化を示すベクトルであり、同様に、bmは、経過時点t=tmにおける各計測点1〜kの温度変化を示すベクトルである。
また、c1は、第1のタイミングにおける各チャンネルch1〜chpの三角波状の目標温度の温度変化(三角波の高さ)を示すベクトルであり、c2は、第2のタイミングにおける各チャンネルch1〜chpの三角波状の目標温度の温度変化(三角波の高さ)を示すベクトルであり、同様に、cnは、第nのタイミングにおける各チャンネルch1〜chpの三角波状の目標温度の温度変化(三角波の高さ)を示すベクトルである。
この式(1)は、第1〜第nの各タイミングにおける各チャンネルの目標温度の温度変化c1〜cnに対する、各経過時点t=t1〜tmにおけるウエハWの各計測点1〜kの温度変化b1〜bmを示している。
すなわち、式(1)より、第1〜第nの各タイミングの三角波状の目標温度の三角波の高さをc1〜cnとすれば、ウエハWの各経過時点t=t1〜tmにおける計測点の温度変化が、b1〜bmとなることを示している。
したがって、逆に、各経過時点t=t1〜tmにおけるウエハWの各計測点の温度変化b1〜bmを、バラツキを抑制するような温度変化に選べば、そのような温度変化を生じさせるのに必要な目標温度の温度変化(三角波の高さ)c1〜cn、すなわち、目標温度の調整値c1〜cnは、干渉行列Aの逆行列A−1を用いて次式で算出できることになる。
Figure 2008166514
干渉行列Aの逆行列A−1が求められる場合には、式(2)によって、目標温度の調整値c1〜cnを算出することができるが、一般に、制御できるチャンネル数ch1〜chpに比べて、ウエハWの計測点1〜kの数の方が多いので、逆行列A−1を求めるのは困難である。このため、この実施の形態では、逆行列A−1に代えて、擬似逆行列(A*A)−1*Aを用いるようにしている。なお、Aは、干渉行列Aの転置行列である。
パーソナルコンピュータ154は、上述の図10に示す熱処理を行った場合のウエハWの複数の計測点1〜kの計測温度のデータからバラツキを抑制するような温度変化を温度分布情報として算出する。
例えば、図10において、経過時点t=t1における計測点1の計測温度b11が、平均値よりも0.08℃高いときには、そのパラツキを抑制するように−0.08℃を、経過時点t=t1における計測点1の温度分布情報として算出し、また、経過時点t=t1における計測点2の計測温度b21が、平均値よりも0.04℃低いときには、そのバラツキを抑制するように+0.04℃を、経過時点t=t1における計測点2の温度分布情報として算出し、また、経過時点t=t1における計測点3の計測温度b31が、平均値よりも0.08℃低いときには、そのバラツキを抑制するように+0.08℃を、経過時点t=t1における計測点3の温度分布情報として算出し、以下同様にして、経過時点t=t1における計測点kまでの温度分布情報を算出する。更に、同様にして各経過時点t=t2〜tmにおける各計測点1〜kの温度分布情報を算出する。
この算出した温度のバラツキを抑制するための各経過時点t=t1〜tmの温度分布情報が、上述の式(2)におけるb〜bとして用いられる。
パーソナルコンピュータ4は、この抽出した温度分布情報b〜bと、干渉行列Aの逆行列A−1に代えて用いる擬似逆行列(A*A)−1*Aとから式(2)に従って目標温度の調整値c1〜cnを算出するものである。
この調整値c1〜cnは、熱板2によるウエハWの熱処理ための目標温度である所定温度Tに対して、プラスまたはマイナスの温度値のベクトルであり、この調整値c1〜cn(以下「c」と略記する)を、目標温度の加算値として、目標温度に加算すれば、目標温度が調整されることになる。
この調整値cは、上述のように干渉行列Aの逆行列A−1ではなく、干渉行列Aに基づく擬似逆行列(A*A)−1*Aを用いて算出されるので、誤差を生じることになるが、算出される調整値cによって、温度のバラツキの抑制効果が十分であると判断するときには、この算出された調整値cを用いればよい。
本実施の形態では、温度のバラツキの抑制効果を、一層高めるために、算出された調整値cを、初期値の一つにするとともに、ランダムに発生させた調整値の初期値とを初期集団とし、干渉行列Aを含む評価式を用いた遺伝的アルゴリズムによって調整値cの最適値を探索するようにしている。
ここで、評価式は、下記の式を用いている。
b’=b−Ac
Aは上述の干渉行列、cは調整値、bは温度のバラツキを抑制するように算出された上述の温度分布情報のベクトルであり、上述のb〜bに対応するものである。
上述の式(1)で示すように、逆行列A〜1を用いて調整値cを算出することができる場合には、bとAcとは、等しくなり、評価値b’は0となるが、本実施の形態では、逆行列A−1ではなく、擬似逆行列(A*A)−1*Aを用いて調整値cを算出しているので、評価値b’は、0とはならない。
そこで、本実施の形態では、バラツキ幅が小さい、すなわち、評価値b’の最大値と最小値の差が最小となる調整値cを探索し、最終的な調整値cとする。
すなわち、初期値として、擬似逆行列を用いて上述のようにして算出された調整値cおよびランダムに発生させた調整値からなる、例えば、100通りほど調整値の初期集団を準備し、各調整値について、上述の評価式によって評価値b’を算出し、さらに、その評価値b’の最大値と最小値との差である最大のバラツキ幅を算出する第1の処理を行い、このバラツキ幅が小さく良好なものを中心に、調整値を選択する第2の処理を行い、この選択した調整値の内で、交叉や突然変異を発生させて、調整値を100通りほどに増やす第3の処理を行い、この第1,第2,第3の処理を1世代として、以下同様に繰り返し、第1の処理で算出される評価値b’のバラツキ幅が、0に近づいたときに処理を停止し、その世代で最も差が小さいバラツキ幅の調整値cを、最終的な調整値cとするものである。
パーソナルコンピュータ154は、以上のようにして探索した目標温度の調整値cを、通信によって、温度調節器150に対して送信する。
図24は、温度調節器150の内部構成をブロック図であり、パーソナルコンピュータ154から与えられる調整値cを含む調整データに基づいて、設定されている所定温度Tの目標温度SPに加算する加算波形を生成するSP加算波形生成部155と、加算波形が加算された調整後の目標温度と熱板121からの検出温度PVとの偏差に応じて、PID演算を行って操作量を出力するPIDコントローラ156とを備えている。SP加算波形生成部155およびPIDコントローラ156は、マイクロコンピュータによって構成される。
図25は、一つのチャンネルの加算波形の一例を示すものであり、SP加算波形生成部155には、パーソナルコンピュータ154から第1〜第nの各タイミングの三角波の高さに対応する調整値c(c1〜cn)が、各チャンネルに個別的に対応して与えられる。SP加算波形生成部155は、図25に示すように、各三角波の頂点を結ぶ加算波形を生成する。このとき、SP加算波形の生成を開始する時点は、例えば、試験用ウエハCWが熱板121に搭載されて熱処理が開始される時点であり、上述の基準時点t=t0に対応するものである。この試験用ウエハCWの熱板121への搭載の時点は、例えば、試験用ウエハCWの熱板121への搭載を行う主搬送装置16または17を制御する集中制御部19からの図示しないタイミング信号により、あるいは、熱板121の検出温度の変化から検出することができる。
ウエハWの通常の熱処理工程において、温度調節器150では、所定温度Tに設定された目標温度SPに、この加算波形を加算して内部の目標温度とし、この内部の目標温度に、熱板121の検出温度PVが一致するように制御を行なうものである。
したがって、各チャンネルの目標温度に、例えば、図26に示されるような加算波形が加算されて目標温度が調整されることにより、例えば、図10のウエハWの温度のバラツキが、図27に示すように抑制されて均―な熱処理が行なわれることになる。
次に、以上のようなモデルによる熱板特性の生成、それを用いた温度の調整、調整された温度での実処理までの一連のフローについて説明する。
図28はパーソナルコンピュータ154を用いた上記フローを説明するためのフローチャートである。
まず、熱板121の各チャンネルch1〜chp毎に目標温度をステップ状に変化させて試験用ウエハCWの各計測点1〜kの応答波形を計測し、この応答波形から演算処理によって干渉行列Aを算出し(第1の手順)、ファイルに保存する(ステップn1)。このモデルは、設定温度を変化させた場合にウエハ応答を表す行列型モデルであり、熱板特性を示すものである。すなわち、ステップn1では熱板特性データを生成する。
次に、調整工程を実施する。
ここでは、まず、試験用ウエハCWを用いて、目標温度に整定した熱板121にウエハWを搭載して熱処理を行ったときのウエハWの各計測点1〜kの計測温度の時系列データを調整データとして取得し、ファイルに保存する(ステップn2)。
次いで、熱板の特性データである干渉行列データおよび調整データである時系列データから抽出した温度のバラツキを抑制するための温度分布情報から目標温度の調整値を算出し(第2の手順)、遺伝的アルゴリズム(GA)によって調整パラメータを計算する(ステップn3)。
この場合に、熱板の温度プロファイルは通常、図29に示すようなカーブを描き、1回の調整によって所望のプロファイルに調整することが必ずしも容易ではないため、高精度の調整値を得るために、この調整工程を複数回繰り返すことが好ましい。理想的には、この調整工程は、調整値が収束するまで繰り返すことであるが、これでは調整時間が定まらず、長くなることもあるので、決められた回数繰り返すようにすることが好ましい。
具体的には、例えば、最初に図29の温度プロファイルのa部分の調整を行い、次にb部分の調整を行い、最後にc部分の調整を行うというように3回の調整工程を行う。
また、この調整工程の際に、合わせてリカバリーの調整、すなわち目標温度であるウエハWの加熱温度までの到達時間の調整を行うことが好ましい。この際の調整は、図11の装置により、調整前の条件で熱処理を行って試験用ウエハCWの温度を計測し、調整前の昇温時間を算出し、その昇温時間と目標昇温時間との差Δtを算出し、予め求めた関係式b=f(Δt)を用いて調整値bを算出することにより行われる。さらに、この際に、電源電圧のばらつきを調整してもよい。
上記温度プロファイルの調整(過渡調整)を行う際には、試験用ウエハCWを加熱処理ユニット(CHP)に搬入して行うが、初期段階ではケーシング等が十分に加熱されていないため、取得データの信頼性が低いおそれがある。そこで、温度プロファイルの調整(過渡調整)の前に、試験用ウエハCWの搬入動作を1回または複数回行うシーケンスとすることが好ましい。これにより、温度安定性が高い状態で信頼性の高い調整を行うことができる。
この温度安定のための動作の際に、オフセット調整、すなわちウエハの加熱設定温度の調整を行うことが好ましい。このオフセット調整では、ウエハを熱板に載置した後の指定時間経過時点での平均温度の調整を行う。これにより、その後の温度プロファイル調整を短時間で円滑に行うことが可能となる。
実際の調整工程の例としては図30に示すようなものを挙げることができる。
すなわち、オフセット調整前の状態において、温度安定化のための動作を兼ねたオフセット調整を3回行い、その後、上記ステップn2、n3で示したウエハ面内の温度プロファイル調整(過渡調整)を3回繰り返して行う。
そして、上記調整工程により決定した調整値のデータを、温度調節器150に転送する(ステップn4)
この調整値に基づいて、温度調節器150の目標温度を調整し、実ウエハの加熱処理を行う(ステップn5)。実ウエハの加熱処理においては、各チャンネル毎に、図31に示すように、ウエハの載置を検知してから、時定数(熱板温度変化の時刻を規定する定数;Tn)とゲイン(時刻Tnの熱板温度変化量を規定する定数;Cn)により制御を行う。
本実施形態に示すような温度制御手法を採用することにより、設定温度に至る過渡期も含めてウエハ面内温度の均一性を各段に向上させることができる。また、試験用ウエハCWの温度に基づいて各加熱処理ユニットの熱板の温度を制御するので、加熱処理ユニットの固体間差を低減することができる。
次に、実際に本発明の制御方法を採用した場合の効果について説明する。
図32は、ウエハの温度プロファイル(平均値)と、その際の温度均一性(ばらつき)を、従来の方法と本発明とで比較して示す図である。この図に示すように、ウエハ温度が設定温度(定常温度)に至るまでの過渡期において、温度ばらつきが30%程度低減できることが確認された。
なお、ウエハの温度のバラツキを抑制しようとする時点t=t0〜tmを変更する場合には、パーソナルコンピュータ154に変更する時点t=t0〜tm設定入力することにより、その時点に対応する干渉行列Aが算出されるとともに、温度分布情報が算出され、これらに基づいて、調整値が算出される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々変更可能である。例えば上記実施の形態では、遺伝的アルゴリズムを用いて最適な調整値を探索したが、山登り法、シミュレーテンド・アニーリング(SA)法など、あるいは、可能性のある範囲を虱潰しに探索する全探索などの他の探索手法を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、ヒータにより熱板を加熱する加熱処理に適用した例について示したが、これに限らず、ペルチェ素子等の熱電素子を用いた場合や、加熱と冷却とを併用する温度制御に適用してもよい。
さらに、上記実施の形態では、温度調節器150には演算機能を持たせず、パーソナルコンピュータ154に演算機能を持たせた例を示したが、温度調節器150に演算機能を持たせてもよい。
さらにまた、上記実施の形態では、加熱対象の基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、これに限らず、例えばLCD用のガラス基板等の他の基板であっても適用可能であることは言うまでもない。
本発明は、半導体ウエハ等の基板にレジスト塗布・現像処理を施す装置に適用される加熱処理ユニットの温度制御に有効である。
本発明の温度制御方法が適用される加熱処理ユニットが搭載されたレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図。 図1に示すレジスト塗布・現像処理システムの正面図。 図1に示すレジスト塗布・現像処理システムの背面図。 図1のレジスト塗布・現像処理システムに備えられた主ウエハ搬送装置の概略構造を示す斜視図。 図1のレジスト塗布・現像処理システムの制御系を示すブロック図。 本発明の制御方法が実施される加熱処理ユニットを示す断面図。 本発明の制御方法が実施される加熱処理ユニットの内部を示す概略平面図。 加熱処理ユニットにおける熱板の温度制御機構を示すブロック図。 加熱処理ユニットにおける熱板の分割状態を説明するための図。 ウエハの各計測点の計測温度の平均値からのバラツキを示す図。 試験用ウエハの温度を計測し、それに基づいて熱板の温度制御を行うための装置の構成を示す図。 ステップ入力およびステップ応答波形を示す図。 パルス入力およびパルス応答波形を示す図。 パルス入力の合成を説明するための波形図。 パルス応答波形の合成を説明するための波形図。 干渉行列の一例を示す図。 三角波状の入力を示す図。 図17の三角状入力の合成を説明するための図。 干渉行列の詳細構成を示す図。 干渉行列の構成を示す図である。 図20の干渉行列の一部の行列を示す図である。 目標温度の入力とその応答波形である出力を示す図。 目標温度の入力とその応答波形である出力を示す図。 温度調節器を示すブロック図。 目標温度の加算波形の一例を示す図。 各チャンネルの目標温度の加算波形を示す図。 本発明により温度分布のバラツキが抑制されたウエハの各計測点の計測温度を示す図。 本発明に従って、熱板特性の生成、それを用いた温度の調整、調整された温度での実処理までの一連のフローを説明するためのフローチャート。 温度プロファイルを調整する調整工程を複数回行う場合における各回の調整部分の一例を示す模式図。 実際の調整工程の例を説明するための図。 実処理時の温度制御方法を説明するための図。 本発明の効果を説明するための図。
符号の説明
19;集中制御部
120;加熱部
121;熱板
127;電気ヒータ
150;温度調整器
153;ロガー
154;パーソナルコンピュータ
155;SP加算波形生成部
156;PIDコントローラ
CHP;加熱処理ユニット

Claims (28)

  1. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の加熱処理を行う加熱処理ユニットにおいて、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する制御方法であって、
    前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を求める第1の工程と、
    基板を前記熱板に載置し、前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を求め、前記第1の工程で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出し、調整情報を決定する第2の工程と、
    前記第2の工程で求めた前記調整情報に基づいて前記目標温度を調整する第3の工程とを含むことを特徴とする温度制御方法。
  2. 前記第1の工程は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成することを特徴とする請求項1に記載の温度制御方法。
  3. 前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記第2の工程では、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出することを特徴とする請求項2に記載の温度制御方法。
  4. 前記第2の工程では、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索することを特徴とする請求項3に記載の温度制御方法。
  5. 前記第2の工程では、前記温度分布情報を求める処理と、前記第1の工程で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出する処理とを複数回繰り返して調整情報を決定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の温度制御方法。
  6. 前記第2の工程では、複数の調整情報の算出処理のそれぞれを異なる時間について行うことを特徴とする請求項5に記載の温度制御方法。
  7. 前記第2の工程では、前記調整情報の算出処理に先立って、基板を前記熱板に載置して温度を安定化する温度安定化処理を1回または複数回行うことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の温度制御方法。
  8. 前記第2の工程では、温度安定化処理の際に、前記目標温度が定常温度の際におけるオフセット調整を行うことを特徴とする請求項7に記載の温度制御方法。
  9. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて、前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求める調整装置であって、
    前記目標温度と基板の温度との関係を示す関係情報と、前記目標温度の調整前の基板の温度分布情報とに基づいて、前記基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、
    前記演算手段は、
    前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、
    前記目標温度の調整前の前記基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする調整装置。
  10. 前記第1の算出部は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成することを特徴とする請求項9に記載の調整装置。
  11. 前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記演算手段は、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出することを特徴とする請求項10に記載の調整装置。
  12. 前記演算手段は、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索することを特徴とする請求項11に記載の調整装置。
  13. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて、前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求める調整装置であって、
    前記目標温度を変化させたときの基板の複数の計測点における計測温度および前記目標温度の調整前の基板の前記複数の計測点における計測温度に基づいて、基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、
    前記演算手段は、
    前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、
    前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする調整装置。
  14. 前記所望の温度状態が、基板の前記複数の計測点における計測温度のバラツキが抑制された状態であることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の調整装置。
  15. 前記温度制御装置が、前記各目標温度と前記各検出温度との偏差に基づいて温度制御を行なうものであって、前記調整情報に応じて、前記各目標温度および前記各検出温度の少なくともいずれか一方を調整する請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の調整装置。
  16. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する温度調節器であって、
    前記請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の調整装置によって求められた前記調整情報に応じて、前記各目標温度を調整することを特徴とする温度調節器。
  17. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御する温度調節器であって、
    前記目標温度と基板の温度との関係を示す関係情報を用いて、基板の温度を所望の温度状態に調整するための前記調整情報を演算する演算手段を備え、
    前記演算手段は、
    前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を計測し、計測した前記ステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を算出する第1の算出部と、
    前記目標温度の調整前の前記基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて、前記温度分布情報を算出する第2の算出部とを備えることを特徴とする温度調節器。
  18. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、熱板に載置した状態で基板の熱処理を行う熱処理装置において、前記熱板の温度を複数の計測点で計測した際の各計測温度が、複数の各目標温度に一致するように前記熱板の温度を制御するとともに、調整情報に応じて前記各目標温度を調整する温度制御装置の前記調整情報を求めるプログラムであって、
    前記各目標温度をステップ状に個別に変化させたときの基板の前記複数の計測点における計測温度のステップ応答波形を用いて、パルス状の目標温度の変化に対するパルス応答波形を合成し、このパルス応答波形に基づいて、目標温度を三角状に変化させた場合の三角波応答波形を合成し、合成した応答波形に基づいて、前記目標温度と基板の前記複数の計測点における温度との関係情報としての行列を演算する第1の手順と、
    前記目標温度の調整前の基板の温度を前記複数の計測点で計測した計測温度に基づいて温度分布情報を演算し、前記第1の手順で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて、基板を所望の温度状態に調整するための調整情報を演算する第2の手順とを、
    コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  19. 前記第1の手順は、時間的に異なる複数の前記パルス応答波形を合成することを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
  20. 前記調整情報が、前記複数の各目標温度についての予め設定された時点における調整値であり、前記第2の手順では、前記調整値を、前記行列の逆行列および前記温度分布情報に基づいて算出することを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
  21. 前記第2の手順では、少なくとも調整値をランダムに変化させるとともに、前記行列を含む評価式を用いた探索手法によって調整値の最適値を探索することを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
  22. 前記第2の手順では、前記温度分布情報を演算する処理と、前記第1の手順で求めた前記関係情報および前記温度分布情報に基づいて調整情報を算出する処理とを複数回繰り返して調整情報を決定することを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載のプログラム。
  23. 前記第2の手順では、複数の調整情報の算出処理のそれぞれを異なる時間について行うことを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
  24. 前記第2の手順では、前記調整情報の演算処理に先立って、試験用基板を前記熱板に載置して温度を安定化する温度安定化処理を1回または複数回実行させることを特徴とする請求項18から請求項23に記載のプログラム。
  25. 前記第2の手順では、温度安定化処理の際に、前記目標温度が定常温度の際におけるオフセット調整を行うことを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
  26. 前記所望の温度状態が、前記基板の複数の計測点における計測温度のバラツキが抑制された状態であることを特徴とする請求項18から請求項25のいずれか1項に記載のプログラム。
  27. 前記請求項18から請求項26のいずれか1項に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする記録媒体。
  28. 基板に対してレジストを塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後のレジスト膜の現像を行う塗布現像システムに搭載され、基板の熱処理を行う熱処理装置であって、
    基板を載置し、基板を加熱する熱板と、請求項16に記載の温度調節器と、前記温度調節器の出力によって、前記熱板を加熱する操作手段と、前記熱板の温度を複数の検出点で検出する温度検出手段とを備えることを特徴とする加熱処理装置。
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