JP2008166413A - フレキシブル基板とその製造方法 - Google Patents

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進 松岡
Masayoshi Koyama
雅義 小山
Mitsuo Fujiwara
三男 藤原
Hiroshi Taniguchi
泰士 谷口
Seiichi Nakatani
誠一 中谷
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Abstract

【課題】簡単な工程で製造でき、かつ、信頼性の高いフレキシブル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】フレキシブルフィルム(10)に形成された複数の貫通孔(20)を覆うように配線パターン(13)を形成し、配線パターン(13)上に配置された加圧シート(14)を押圧することによって、配線パターン(13)は貫通孔(20)内で予め少なくとも一方の配線パターン(13)に形成された導電性ペースト(16)を介して相互接続される。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキシブル基板およびその製造方法に関し、さらに詳述すれば、極めて薄厚で屈曲自在なフレキシブルフィルム層の両主面に形成された配線パターンを互いに接続する層間接続の方法、およびその層間接続されたフレキシブル基板に関する。
従来より、携帯電話に代表されるような電子機器においては、薄型軽量化の要求およびデザインの高自由化の要求に応えて、薄厚で柔軟なフレキシブル基板が用いられている。このようなフレキシブル基板は、通常、厚さが90μm程度のフィルム状の絶縁体の上に、厚さが20μmから50μm程度の導体箔が形成されて構成されおり、厚さが0.3mmから1.6mm程度の一般的なリジッド基板に比べて、遙かに薄くかつ、形状の自由度も高い。
図9を参照して、一般的なフレキシブル基板の製造方法について説明する。先ず、図9(a)に示すように、ポリイミド等の熱可塑性フレキシブルフィルム101に、ドリルを用いた穿孔またはレーザ加工により、貫通孔102が形成される。次に、図9(b)に示すように、スクリーン印刷法またはメッキ法により、貫通孔102に銅ペーストなどの導電性材料103が充填される。
そして、図9(c)に示すように、フレキシブルフィルム101の両主面上にプレス処理により銅箔等の導電性金属箔104を貼り合せる。その後、図9(d)に示すように、フレキシブルフィルム101の両主面に貼り合わされた導電性金属箔104にフォトエッチングを施されて、所定の配線パターン105が形成される。結果、領主面のそれぞれに形成された配線パターン105がフレキシブルフィルム101の層を跨って接続(以降、「層間接続」と称す)されたフレキシブル基板100が得られる。
しかしながら、上述のフレキシブル基板製造方法では、配線パターンの層間接続の準備として、貫通孔102の形成工程、および貫通孔102への導電性材料103の充填工程が必要である。貫通孔102の形成工程にはドリルまたはレーザ加工装置が必要とされ、導電性材料の充填工程ではスクリーン印刷やメッキ処理を行う設備が必要とされ、コストや生産効率が損なわれる。
また、フレキシブルフィルム101のように肉厚が90μm前後程度と非常に薄いフィルム基材に設けられた貫通孔102にスクリーン印刷法などにより導電性ペーストを充填する場合に、スキージ(不図示)自身やフィルム基材のたわみに起因する導電性材料103の充填不良が生じる。そのような充填不良としては、例えば、導電性材料103の貫通孔102への充填量の過不足や不均一な充填がある。また、導電性材料103が充填されたフレキシブルフィルム101を充填テーブル(不図示)から取り外される時に、導電性材料103の一部或いは全部がテーブルに残って、貫通孔102側では導電性材料103の欠損が発生する。このような充填不良が、配線パターン105と導電性材料103との間の初期の接続抵抗の不安定を招く。
上述の問題を解消するべく、貫通孔に導電性材料を充填しないで層間接続する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。そのような方法の1つとしては、少なくとも1つ以上の穿孔穴を有する高分子絶縁基板の両主面に銅箔を熱圧着する工程と、エッチングにより回路パターンを形成する工程と、穿孔穴を通じて絶縁基板の両主面上の銅箔を溶接する工程を有するスルーホール導通形成法(特許文献3)が知られている。
さらなる方法としては、絶縁性基板の両主面をつなぐように貫通孔が形成され、両主面のそれぞれには貫通孔を覆うように回路パターンが設けられている。そして、貫通孔上の回路パターンが互いに押しつけられて接合される方法(特許文献4)がある。以下に、図11を参照してこの方法について具体的に説明する。
図11(a)に示すように、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなるフレキシブルフィルム301に貫通孔302を設け、フレキシブルフィルム301の両主面のそれぞれに接着層303を形成する。次に、図11(b)に示すように、接着層303が形成されたフレキシブルフィルム301の両主面のそれぞれに、銅箔304を熱圧着する。
そして、図11(c)に示すように、フレキシブルフィルム301の両主面上の銅箔304をフォトエッチングして、所要の配線パターン305を形成する。その後、図11(d)に示すように、一対の溶接端子306を配線パターン305に押し当てて変形させ、貫通孔302を通じて接触点307を溶接することにより、フレキシブル基板300の両主面上の配線パターン305の層間接続がなされる。
さらに、上述の技術とは異なり、配線パターンの接合処理のための貫通孔を事前形成処理を必要としないで層間接続する方法(特許文献1、特許文献2)も提案されている。そのような方法の1つとしては、熱可塑性樹脂系基材の両主面上に回路パターンを形成する工程と熱可塑性樹脂系基材の両主面上の回路パターンを接続される工程を有するプリント配線板の製造方法(特許文献2)が知られている。
図10を参照して、プリント配線板の製造方法について用いて具体的に説明する。先ず、図10(a)に示すように、熱可塑性樹脂フィルム201の両主面に、銅箔202を熱圧着する。次に、図10(b)に示すように、一対の加圧板203の凸部204を加熱ヒータ205で、熱可塑性樹脂フィルム201の融点以上に加熱する。そして、加熱された凸部204を銅箔202の表面に押し付ける。
結果、図10(c)に示すように、熱可塑性フィルム201上の凸部204が押し付けられた部分が局部的に溶融するとともに、凸部204により加圧されて銅箔202の部分が局部的に変形して互いに押しつけられて圧接される。そして、図10(d)に示すように、銅箔202をフォトエッチングして、所要の配線パターン207を形成することにより、熱可塑性樹脂フィルム201の両主面上の配線パターン207が層間接続されたフレキシブル基板200が得られる。
上述のプリント配線板の製造方法に類似した方法で、熱可塑性樹脂を含む絶縁シートの両主面に導電路層を配し、前記絶縁シートの少なくとも1方の主面に局所的に加熱と加圧する事により基板の両主面上の回路が層間接続された機構(特許文献1)も知られている。
上述のプリント配線板の製造方法においては、層間接続処理のための貫通孔を事前に形成する工程を必要としない。つまり、加熱された凸部204を銅箔202に押し当てることによって、熱可塑性樹脂フィルム201を溶断して銅箔202を圧接して層間接続している。言い換えれば、凸部204による銅箔202の押しつけ動作と同時に貫通孔を形成している。このように、貫通孔に導電性材料を充填する工程を省き、簡単な工程で配線パターンの層間接続を行なうことができ、フレキシブル基板の製造コストを低減できる。
上述の方法は、それぞれ上述のごとく厚さが90μm程度のフィルム状基板に回路パターンが設けられたフレキシブル基板の層間接続に実用化されている。
特開平9−283881号公報 特開平6−188560号公報 特開平3−241787号公報 特開平2−122589号公報
従来の方法は、上述のごとく厚さが90μm程度のフィルム状基板に回路パターンが設けられたフレキシブル基板の層間接続技術として実用化されている。しかし、本発明が対象とするフレキシブル基板ではフィルム基材の厚さが2〜16μm程度と、従来の厚さ90μ程度のフィルム基材と比べて非常に薄く柔軟で屈曲性が富む一方、機械的強度が不足している。そのために、従来の方法を本発明が対象とする薄型のフレキシブル基板に適応すると以下に述べるような問題が生じる。
貫通孔に導電性材料を充填する方法においては、本発明で対象とされるフィルム基材の薄さゆえに、貫通孔が導電性材料を保留するに十分な高さを確保することが難しい。また、スキージで導電性材料を貫通孔に充填する際に、フィルム基材が容易に変形してしまい導電材料を正しい形状に充填できない。さらに、フィルム基材が薄く柔軟なために、層間接続処理時にフィルム基材を正しい姿勢で保持することが非常に困難である。
また、熱可塑性樹脂フィルムを溶断させる方法においては、製造されるフレキシブル基板の耐熱性が著しく低い。それゆえに、使用されるフィルム素材の薄さと相まって、製造されたフレキシブル基板は電子部品等のデバイスを搭載する際のリフローなどの熱処理に耐えることができない。仮に、熱処理に耐えてフレキシブル基板として製造できたとしても、耐熱性が要求される用途に適さない。
上述したような、本発明で対象とされる薄型のフレキシブル基板の製造に適用された場合に予期される問題に加えて、従来のフレキシブル基板の製造に適用されて場合にも以下に述べるような困難さがある。導電性材料を充填する方法では、貫通孔に対して一対の溶接端子を位置合わせをする工程があり、フレキシブル基板回路の微細化に伴い精確な位置合わせ精度が要求されるので作業が大変である。さらに、貫通孔位置はフレキシブル基板の種類毎に設けられる配線パターンに応じて多様である。
そのために、一対の溶接端子も全ての貫通孔に対応して多様な位置に移動させる必要があり、作業工数が大きくなるなお、全ての貫通孔で一度に溶接するためには、一対の溶接端子を全ての貫通孔に対応する位置に配置しなくてはならず、装置がフレキシブル基板の種類毎に専用となりコストを押し上げる。熱可塑性樹脂フィルムを溶断させる方法においても、銅箔の圧接部に対して一対の凸部を位置に関しては、溶接端子に関するのと同様の問題がある。
よって本発明は、上述の問題に鑑みて、簡単な工程で製造でき、かつ、信頼性の高いフレキシブル基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フレキシブル基板の製造方法であって、
フィルム基材の両主面のそれぞれに接着層を有するフレキシブルフィルムに複数の貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔を覆うように、前記フレキシブルフィルムの両主面のそれぞれに配線パターンを形成する工程と、
前記配線パターンの少なくとも一方で、前記貫通孔を覆う部分に導電性材料からなる突起状導電体を設ける工程と、
前記両主面のそれぞれに形成された前記配線パターンの少なくとも1つの上に加圧シートを配置する工程と、
前記加圧シートを前記主面に対して押圧することによって、前記主面のそれぞれに形成された配線パターンを前記貫通孔内で相互接続させる工程とを含み、
前記加圧シートは押圧により変形して前記貫通孔の内部に入り込むと共に前記配線パターンの少なくとも一方を押圧して、当該配線パターンは前記突起状導電体を介して当該貫通孔内で接続されることを特徴とする。
前記加圧シートの押圧は、前記複数の貫通孔が位置する領域を含む範囲において押圧することにより、前記それぞれの配線パターンは前記突起状導電体を介して当該複数の貫通孔内で一括して相互接続されることが望ましい。
前記突起状導電体は、導電性ペーストで形成されることが望ましい。
前記導電性ペーストは、導電性粉末と有機バインダ成分を含有すること特徴とするが望ましい。
前記導電性粉末は、金、銀、銅、ニッケル、錫、および鉛から含むグループから選ばれる少なくとも1種以上を含有することが望ましい。
前記有機バインダは熱硬化性樹脂を含み、当該熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂、シアネート樹脂およびフェノール樹脂を含むグループから選ばれる少なくとも1種以上であることが望ましい。
前記配線パターンは、前記接着層の表面にキャリアシート上に形成された配線パターンを転写すると供に、当該接着層内に埋め込まれることによって形成されることが望ましい。
前記フィルム基材は、前記接着層より薄いことを特徴とするが望ましい。
前記フィルム基材は、少なくともアラミドおよびポリイミドの何れかで形成されていることが望ましい。
前記接着層は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびアクリル樹脂と、当該エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびアクリル樹脂を変成させた樹脂とを含むグループから選択される少なくとも1種類の樹脂から形成されていることが望ましい。
前記接着層の厚さは、前記フィルム基材の厚さの1.1倍から8倍の範囲内であることが望ましい。
前記接着層の厚さは、前記フィルム基材の厚さの1.2倍から6倍の範囲内であることが望ましい。
前記接着層の厚さは3μmから80μmの範囲内であり、前記フィルム基材の厚さは2μmから16μmの範囲内であることが望ましい。
前記配線パターンの厚さは、前記接着層の厚さの40%から100%の範囲内にあることが望ましい。
前記配線パターンの厚さは、前記接着層の厚さの80%から90%の範囲内にあることが望ましい。
前記貫通孔の直径は、30μmから200μmの範囲内にあることが望ましい。
前記貫通孔の直径は、50μmから100μmの範囲内にあることが望ましい。
本発明は、フレキシブル基板であって、
フィルム基材と、
前記フィルム基材の両主面のそれぞれに形成された接着層と、
前記フィルム基材および前記接着層に形成された貫通孔と、
前記接着材層のそれぞれの表面に埋め込まれた配線パターンと、
前記配線パターンの少なくとも一方に形成された導電ペーストを備え、
前記配線パターンの少なくとも一方は前記貫通口の内面側に押し込まれて前記導電性ペーストを介して前記配線パターンの一部分が相互に接合している。
本発明に係るフレキシブル基板の製造方法においては、接合部の位置合わせすることなく、貫通孔内での配線パターンの層間接続が実現でき、簡単な工程で、信頼性の高い薄型のフレキシブル基板を得ることができる。
(第1の実施の形態)
以下に、図1、図2、図3、図4、図5、および図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフレキシブル基板の製造方法およびその方法について説明する。本発明は上述のように、厚さが16μm以下の極めて薄いフィルム基材の両主面上に形成された回路パターン同士が層間接続された構成されるフレキシブル基板の製造方法に関するものである。
図1に示す断面図を参照して、本実施の形態に掛かる方法で製造されたフレキシブル基板について説明する。フレキシブル基板1は、フィルム基材11、接着層12、配線パターン13、および導電性ペースト16を含む。フィルム基材11の両主面上に形成された接着層12に、配線パターン13が埋入するように設けられる。同図において、接着層12もフィルム基材11の上部に位置する接着層12を第1の接着層12aと呼び、フィルム基材11の下部に位置する接着層12を第2の接着層12bと呼んで、必要に応じてそれぞれを識別する。同様に、フィルム基材11の上部に位置する配線パターン13を第1の配線パターン13aと呼び、フィルム基材11の下部に位置する配線パターン13を第2の配線パターン13bと呼んで、必要に応じてそれぞれを識別する。
フィルム基材11と接着層12には、それぞれの厚さ方向、つまりフィルム基材11の主面に対して概ね垂直方向に延在して、貫通孔20が設けられている。第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bは貫通孔20を通じて対向して埋入するように設けられ、導電性ペースト16を介して層間接続されている。
フレキシブル基材11の厚さT11は、接着層12(第1の接着層12aおよび第2の接着層12bのそれぞれ)の厚さT12よりも小さいことが望ましい。例えば、厚さ比(T12/T11)は1.1〜8、より好ましくは1.2〜6である。また、フィルム基材11の厚さT11は2〜16μm、接着層12の厚さT12は3〜80μmである。
このような構成は、フレキシブル基板1の屈曲性または摺動屈曲性を良好にする。例えばフレキシブル基板1が折り曲げられるような場合では、フィルム基材11および埋設された配線パターン13に加えられる応力が低弾性率の接着層12で緩和されるからである。
また、フィルム基材11としては、アラミドフィルムまたはポリイミドフィルム等を用いることが好ましい。特に、アラミドフィルムは、表面平滑性、低吸水性および寸法安定性に優れている上、更に厚さが薄い場合であっても、高い弾性強度を有していることから、フィルム基材11の薄膜化に適している。
さらに、接着層12としては、多層化に際してフレキシブルフィルム間の密着性を高めるために接着性および配線パターン13を埋設する機能を有していることが好ましい。そのような材質としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂およびそれらを変成した樹脂からなる群から選択される少なくとも1種類の樹脂が好適である。
配線パターン13の材質は、導電性材料であればよいが、金、銀、銅およびニッケルから選択される少なくとも1種以上を含有する金属材料から形成されることが好ましい。特に、圧延銅箔は屈曲性に優れ、薄膜化に適しており、後ほど詳述する本発明に係る方法によるフレキシブル基板1の製造中処理中ばかりでなく、フレキシブル基板1の完成後の使用中においても、配線パターン13が破断することなく、安定した配線パターン13の相互接続を得ることができる。
配線パターン13の厚さT13は、フレキシブル基板1の用途に応じて適宜決定されるものの、3〜18μm程度であることが好ましい。配線パターン13は膜状に形成されていることが好ましい。また、貫通孔20の口径D20は30〜200μmが好ましい。より薄型で高密度配線を有するフレキシブル基板1を実現するために、厚さT13は3〜12μmであること、口径D20は50〜100μmであることがより好ましい。
次に、図2を参照して、フレキシブル基板1の製造方法を主な行程毎に具体的に説明する。先ず、図2(a)に示すように、フィルム基材11と、フィルム基材11の両主面上に形成された接着層12(第1の接着層12aおよび第2の接着層12b)で構成されたフレキシブルフィルム10に、炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ、およびエキシマレーザ等の加工装置を用いて所定数(図2では2個)の貫通孔20が形成される。なお、レーザ加工による貫通孔20の形成に用いるは、貫通孔20の直径D20の大きさに応じて最適な加工法が選択される。
本実施の形態においては、フィルム基材11に4μmのアラミドフィルムを使用し、接着層12には厚さ10μmの熱硬化型エポキシ樹脂を塗布した後に乾燥させて半硬化状態にあるエポキシ樹脂付きアラミドシートを用いる。また、フレキシブルフィルム10には、UV−YAGレーザ加工により、D20=100μmの貫通穴20を形成する。
次に、図2(b)に示すようにキャリアシート15に接着された導電性薄膜材料をフォトマスクした後に、エッチングして2枚の配線パターン13(第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13b)を形成する。なお、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bはそれぞれフレキシブル基板1(フレキシブルフィルム10)の表面(図2において、フィルム基材11の上部)および裏面(図2において、フィルム基材11の下部)に配置されるものであることは上述のとおりである。
本実施の形態においては、厚さT15が50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)上に、厚さ(T13)が9μmの銅の導電性薄膜を形成した後、表面に表面粗さRa0.7μm程度の粗化処理を施した転写形成材によりフォトマスクし、エッチングにより配線パターン13が形成される。
次に、図2(c)に示すように、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bの少なくとも一方(図2においては、第1の配線パターン13aが例示)の層間接続部位(以下、「ビア」)に対応した部分(以下、「ランド」)の上にスクリーン印刷法、バンプ形成法、およびインクジェツト法等のリソグラフ工程を用いて、適正量な導電性ペースト16が適正な形状に塗布される。そして、塗布された導電性ペースト16が硬化しない温度で乾燥されて、半硬化状態にされる。
導電性ペースト16の塗布面積は、貫通孔20に対応した配置を考慮して決定されるが、貫通孔20の口径D20の1/2〜1/4程度が好ましい。導電性ペースト16の厚さT16は、貫通孔20の大きさ、配線パターン13の厚さT13や押圧による配線パターン13の押し込み量に応じて適正に定められる。なお、貫通孔20の大きさとは、貫通孔20の口径D20と、貫通孔20の高さH20(T12a+T11+T12b)で決まる。
導電性ペースト16は、導電性粉末と有機バインダ成分を含有すると共に、導電性粉末は金、銀、銅、ニッケル、錫、および鉛から選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。また、有機バインダは、熱硬化性樹脂を含んでなり、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂、シアネート樹脂およびフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
本実施の形態では層間接続部に対応して選択的に開口部を設けたメタルマスク(不図示)を用いてスクリーン印刷機により導電性ペースト16を形成した後、80℃で30分間乾燥した。なお、導電性ペースト16は、具体的には、小径孔(貫通孔20)に対応することを考慮して、平均粒径1μmの銅粉70重量%、樹脂成分としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂10重量%、およびエポキシ樹脂の硬化剤としてのアミンアダクト硬化剤3重量%とブチルカルビトールアセテート17重量%とを3本ロールで混練したものを用いている。
次に、図2の(d)に示すように、フレキシブルフィルム10の両主面に、キャリアシート15上に形成した第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bがフレキシブルフィルム10に対向して接する様に配置される。なお、第1の配線パターン13a上に設けられた導電性ペースト16は、予めフレキシブルフィルム10の貫通孔20に対応した所定の位置に適合するように位置合わせをして積層されていることは図2(c)を参照して述べたとおりである。具体的には、パターン認識が付加されたアライメント積層機(不図示)を用いて順次、積層を行い仮止め固定する。
次に、図2(e)に示すように、貫通孔20を覆うように、フレキシブルフィルム10の両主面上に配線パターン13を設ける。ここで、配線パターン13は、接着層12内に埋め込まれていることが好ましい。これにより、両主面に設けられる第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bにできる中空部21を小さくすることができる。配線パターン13の接着層12内への埋め込みは、例えば、配線パターン13を予め形成したキャリアシート15を、接着層12の表面に圧着させ、配線パターン13を接着層12に転写し、キャリアシート15を剥離することによって行なう。具体的には、真空ラミネート装置(不図示)を用いて80℃/0.8MPa/5minの条件で配線パターン13を接着層12に埋め込みをした後、キャリアシートを剥離すればよい。
埋め込まれる配線パターン13の厚さT13は接着層12の厚さT12の40〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜95%である。フレキシブルフィルム10が薄いことや、配線パターン13を接着層12に埋め込むことにより表裏の配線パターンの間隔が狭くなり、接続部位の配線パターン同士の接合がしやすくなる。
そして、図2(f)に示すように、フレキシブルフィルム10の第1の配線パターン13aの上に第1の加圧シート14aが配され、第2の配線パターン13bの下に第2の加圧シート14bが配される。なお、加圧シート14(第1の加圧シート14aおよび第2の加圧シート14b)は、厚さ方向に押圧されると弾性変形する特性を備えている。加圧シート14の厚さT14は、貫通孔20の直径D20よりも大きいことが好ましい。加圧シート14は、厚さ方向に圧力が加えられると弾性変形する特性を備えた材料であればよく、例えば、ポリフッ化エチレンやポリエチレン等の柔軟に弾性変形する軟質シートが好ましい。
次に、図2(g)に示すように、対向する2つの平行な金型17aおよび17bで加圧シート14を矢印で示す厚さ方向に押圧することによって、フレキシブルフィルム10の両主面に形成された第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bを貫通孔20の内部に押し込むように、加圧シート14が弾性変形する。この加圧シート14の弾性変形した部分によって、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bを互いに変形して、導電性ペースト16を介して圧接する。つまり、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bは、貫通孔20において、導電性ペースト16によって電気的に層間接続される。
つまり、フレキシブルフィルム10(フレキシブル基板1)の主面に対して概ね垂直な方向に、加圧シート14を均等に押圧することにより、フレキシブルフィルム10の両主面全体で複数の貫通孔20が位置する領域を含む範囲において、均一な圧力がかかり、配線パターン13が導電性ペースト16を介して複数の貫通孔20内で同時かつ均質に接合される。このように、加圧シート14を貫通孔20に対応する部分を押圧しなくても、加圧シート14を均等に加圧することによって、加圧シート14は自然に貫通孔20の内部に向かって自己整合的に緩やかに弾性変形する。
なお、加圧シート14の弾性変形量は、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bを導電性ペースト16を介して圧接させるに十分、例えば配線パターン13をフィルム基材11の厚さT11の半分(T11/2)程であればよい。本発明では層間接続の対象のなるフィルム基材11の厚さT11は16μm以下と非常に小さいので、配線パターン13の変形量も非常に小さい。それ故に、配線パターン13は破断の恐れもなく、小さな加圧力で容易に安定的に変形させることができる。
なお、加圧シート14を加圧する手段としては、均等に押圧できれば特に制限はなく、上述の金型17aおよび17b以外の適当な手段を用いることができる。例えば、真空プレス法、真空ラミネート法、および円筒ローラ加圧法等の加圧方法が採用できる。特に、積層時に空気(気泡)が噛み混んだ状態で押圧されると、フレキシブルフィルム10の表面の平坦性が損なわれるので真空引き機能を有した真空プレス法や真空ラミネート法が好ましい。なお、本例においては、複数の貫通孔20内で同時に接合される場合について述べているが、例えば円筒ローラ加圧法で押圧される場合には円筒ローラの移動に従って、順番に接合されても問題ないことは言うまでもない。この場合、加圧シート14の複数の貫通孔20が位置する領域を含む範囲にかかる圧力はローラの移動と供に変化するが、ここの貫通孔20にかかる圧力は実質的に均一であり、当然配線パターン13は導電性ペースト16を介して複数の貫通孔20内で同時かつ均質に接合される。
また、加圧シート14の貫通孔20での変形量は、貫通孔20の直径D20の大きさ、加圧シート14の厚さT14、加圧シート14の材質や配線パターン13である銅箔の厚さ(T13)等の条件によって異なる。よって、第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bとの隙間に介在する導電性ペースト16の厚さT16は接続抵抗の観点からできるだけ薄くなるように、加圧シート14の加圧条件を設定することが好ましい。例えば真空ラミネート装置を用いて、加圧シート14を15MPaの圧力で押圧する。加圧シート14は、弾性材料で構成されているので繰り返して配線パターン13の層間接続工程に使用することができるので、精密な位置合わせ作業を必要しないと共にコスト的にも好都合である。なお、繰り返し使用の観点からは問題が生じるが、加圧シート14は弾性に劣る材料で構成することもできることは言うまでもない。
次に、図2(h)に示すように、加圧シート14を取り除いた後に、加熱処理により接着層12および導電性ペースト16が硬化される。結果、相対向する第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bが導電性ペースト16によって完全固着されて、電気的に良好な層間接続がなされたフレキシブル基板1が得られる。具体的には、加熱オーブンで200℃/2hrの熱処理を行い、接着層12および導電性ペースト16を硬化させる。
上述のように、本発明によれば、複数の貫通孔20が形成されたフレキシブルフィルム10の両主面上に施された配線パターン13を、加圧シート14を介して押圧する。加圧シート14は貫通孔20内に自己整合的に緩やかに弾性変形して、第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bを塑性変形させて。導電性ペースト16を介して第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13を貫通孔20内で層間接続させる。これにより、配線パターン13を押圧する部材である加圧シート14と貫通孔20、加圧シート14と配線パターン13との精密な位置合わせ作業を必要とせずに、貫通孔20内での配線パターン13の層間接続が実現できる。つまり、簡単な工程で、信頼性の高いフレキシブル基板を得ることができる。
弾性変形する加圧シート14を用いて接合部を均一に押圧するため、配線パターン13が損傷や破断することなく、均一な圧力で自己整合的に押し込まれて層間接続が可能である。接合時の損傷がないので、得られるフレキシブル基板1の両主面の平坦性が優れており、半導体チップを実装する際に、高精度な実装が可能である。
配線パターン13を押圧する部材である加圧シート14と貫通孔20、加圧シート14と配線パターン13との精密な位置合わせ作業を必要としない。さらに、接合工程中も16μm以下の薄くかつ極めて柔軟なフレキシブルフィルム10(フレキシブル基板1)を安定して保持することができる。
また、フレキシブル基板1の種類(配線パターン13或いは貫通孔20の位置の多様性)に関わらず、同一の加圧手段を用いることができ、さらに加圧手段と基板の精密な位置決め工程も不要である。本発明においては、フレキシブル基板の両主面上の配線パターンを貫通孔を通じて緩やかに塑性変形させて層間接続する簡易かつ安定した工程で、信頼性が高く極めて薄い屈曲自在なフレキシブル基板を製造できる。
次に、図3および図4を参照して、加圧シート14に係る圧力と、加圧シート14の貫通孔20への弾性変形量との関係について説明する。本発明においては、加圧シート14に印加される圧力と、配線パターン13の貫通孔20内への変形量(以下、「凹み量」)との関係を把握しておくことが、フレキシブル基板1の安定した生産を行なう上で重要である。
図3には、フレキシブルフィルム10に設けられたそれぞれ異なる大きさの直径D20a、D20b、およびD20cを有する貫通孔20a、20b、および20cに対して、加圧シート14に均一な圧力を印加したときの配線パターン(不図示)の凹み量を模式的に示している。フレキシブルフィルム10(10mm×10mm)には貫通孔20a(D20a=50μm)、20b(D20b=100μm)、および20c(D20c=150μm)が形成されている。フレキシブルフィルム10の上に、厚さ9μmの銅箔(不図示)が形成された後に、厚さ100μmのポリフッ化エチレン系樹脂からなる加圧シート14が配置されている。
図4に、加圧シート14(図3)に印加する圧力と加圧シート14の凹み量(L)の関係(測定値)を示す。同図には、異なる口径D20a(50μm)、D20b(100μm)、およびD20c(150μm)の貫通孔20a、20b、および20cでの、横軸の加圧力の変化量に対する銅箔の凹み量(L)の変化量がプロットされている。横軸の加圧力は、貫通孔20に印加される圧力の大きさを示している。この印加圧力は、加圧シート14の全体に印加された圧力に加圧シート14の面積に対する貫通孔20の面積の比率を掛けて算出されている。例えば、貫通孔20bの口径D20b(100μm)では、10[g・f/貫通孔]は、圧力10MPaに相当する。
図4からは、貫通孔20の口径D20によって、加圧力に対する加圧シート14の凹み量(L)の変化に差が読み取れる。これは、加圧シート14の厚さT14や加圧シート14の材質、あるいは銅箔の厚さ(T13)等によって、同一の加圧力でも、凹み量(L)が異なると考えられる。よって、実際にフレキシブル基板1の製造に適用する場合には、同一の実用条件下での凹み量を実測する必要がある。
図5に、厚さT11が4μmのアラミドフィルムからなるフィルム基材11と、厚さT12が10μmの接着層12とで構成されたフレキシブルフィルム10に、口径D20bが100μmの貫通孔20bを穿孔し、厚さ(T13)が9μmの銅箔で形成される配線パターン13を接着層12に埋め込んだ例を示す。図4より、貫通孔20b内での第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bとの隙間Gは6μmであることが分かる。おおよそ10[g・f/貫通孔]程度の圧力をフレキシブル基板10の両主面に印加すれば、口径D20bが100μmの貫通孔20bを通じて第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bを層間接続できることが分かる。
本発明は、加圧シート14の弾性変形による配線パターンの押圧変形に関して、従来の溶接端子による加圧変形に比べて、配線パターンの破断が生じにくいと言う優れた特徴を有していることは上述の通りである。この特徴に関して、図6を参照して以下に説明する。図6(a)は、貫通孔20における従来の溶接端子による配線パターンの塑性変形の様子を示している。そして、図6(b)は、本発明の加圧シートによる配線パターンの塑性変形の様子を示している。
図6(a)に示すように、従来の方法では、溶接端子306は配線パターン305の貫通孔302に対応する全域ではなく一部分のみを押圧する。溶接端子306は好ましくは貫通孔302のほぼ中心に位置決めされて、配線パターン305を先端で押圧する。その結果、配線パターン305は、溶接端子306の先端部(一部)の形状に沿って過激に塑性変形して大きく曲げられる。また、溶接端子306は金属で構成されるので、配線パターン305に比べて遙かに硬く、配線パターン305を容易に損傷させてしまう。
一方、本発明に係る方法では、貫通孔20に対応する配線パターン13のほぼ全域に均一な圧力が加わる。よって、図6(b)に示すように、配線パターン13は、貫通孔20のエッジ部から貫通孔20の内部に押込まれるようになだらかに塑性変形する。また、加圧シート14は配線パターン13を構成する銅箔のような金属材料に比べると柔らかい。そのために、加圧シート14は配線パターン13と全面で接して、配線パターン13を優しくなだらかに変形させる。
すなわち、図6(a)に示すような、従来の方法による配線パターン305の曲げ角θ1は、図6(b)に示すような、本発明の方法による配線パターン13の曲げ角度θ2およびθ3よりも小さい。その結果、従来の方法は、配線パターン305の破断が生じやすい一方、本発明の方法は、配線パターン13の破断が生じにくい。
また、従来の方法では、溶接端子306を貫通孔302に位置合わせする必要があり、さらに溶接端子306の幅は位置合わせ誤差を考慮して決められる。それゆえに、貫通孔302の口径を大きくしたり溶接端子306の幅を大きくしたりして、配線パターン305の貫通孔302に相当する全域を押圧するようにできない。結果、配線パターン13をなだらかに変形させるように対策することは実質的に無理である。
これに反して、本発明においては、押圧時の位置合わせが不要である。よって、貫通孔20が微細化したり、フレキシブルフィルムが薄化したりしても、加圧シート14を貫通孔20に対して自己整合的に弾性変形させて、配線パターン13を緩やかに加圧して層間接続させることができる。また。位置合わせ精度により加圧シート14の加圧が制約されることはない。また、貫通孔20の口径全体で緩やかに変形するので、塑性変形時の破断はほとんど見られない。
(第2の実施の形態)
図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るフレキシブル基板の製造方法について説明する。本実施の形態に係る方法で製造されたフレキシブル基板1’は、図1に示した第1の実施の形態に係る方法で製造されたフレキシブル基板1と基本的に同じように、加圧シート14を均一に加圧して弾性変形させ、配線パターン13を塑性変形させて、導電性ペースト16を介して層間接続させる。ただし、フレキシブル基板1’においては、第1の配線パターン13aのみが塑性変形させられる点がフレキシブル基板1とは異なる。
図7(a)は、図2(a)〜図2(e)を参照して上述した方法で作成されたフレキシブルフィルム10と同じものである。つまり、貫通孔20を覆うように、フレキシブルフィルム10の両主面のそれぞれに第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bが埋設されている。第1の配線パターン13aには、部分的に導電性ペースト16が形成塗布されている。
次に図7(b)に示すように、第1の配線パターン13aの上にのみ、(第1の)加圧シート14aが配置される。そして、加圧シート14aはフレキシブルフィルム10の主面に対して概ね垂直な方向に均一加圧されて弾性変形する。結果、変形した加圧シート14aによって、第1の配線パターン13aは貫通孔20の中空部21の内部に押し込まれるように塑性変形させられて、導電性ペースト16を介して他方の配線パターン13bに層間接続させられる。この工程の間、フレキシブルフィルム10は、第2の配線パターン13b側には加圧シート14が配置されることなく、直接平坦なテーブルなどによって保持される。
次に、図7(c)に示すように、加圧シート14を取り除き、最後に加熱処理により、接着層12および導電性ペースト16が硬化することで導電性ペースト16により相対向する配線パターン13の完全固着を行い、良好な層間接続がなされたフレキシブル基板1’を得ることができる。第1の実施の形態ではフレキシブルフィルム10の両主面に配置された第1の加圧シート14aおよび第2の加圧シート14bを押圧することによって、第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bを貫通孔の中空部21のほぼ中央で導電性ペースト16を介して層間接続させている。しかし、図7に示すように、第1の加圧シート14aのみを一方側から押圧して配線パターン13を層間接続させてもよい。
本実施の形態においては、片側の配線パターン13aのみを塑性変形させることにより、弱い押圧力により層間接続ができるので、プレス装置の省力化ができ、製造コストが低減できる。また、第2の加圧シート14bも不要であるので、さらにコストが低減できる。
(第3の実施の形態)
図8を参照して、本実施の第3の実施の形態に係るフレキシブル基板の製造方法について説明する。
先ず、図8(a)に示すように、フレキシブルフィルム10に、複数の貫通孔20が形成される。次に図8(b)に示すように、貫通孔20を覆うように、フレキシブルフィルム10の両主面に、後ほどエッチングされて配線パターン13となるべく導電性薄膜13cが形成される。なお、後ほどの第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bの何れかに対応する配線パターン13の部分に、貫通孔20に対応する導電性ペースト16が形成塗布される。
次に、図8(c)に示すように、フレキシブルフィルム10の両主面上に形成された導電性薄膜13の上下に加圧シート14(第1の加圧シート14aおよび第2の加圧シート14b)が配置される。そして、図8(d)に示すように、第1の加圧シート14aおよび第2の加圧シート14bを矢印で示す厚さ方向に押圧することによって、フレキシブルフィルム10の両主面に形成された導電性薄膜13cが貫通孔20内で導電性ペースト16を介して層間接続させられる。加圧シート14の押圧は、複数の貫通孔20が位置する領域を含む範囲において、均一な圧力で行われる。これにより、導電性薄膜13は、複数の貫通孔20内で一括して層間接続される。
次に、図8(e)に示すように、加圧シート14を取り除いた後、導電性薄膜13cをパターニングして第1の配線パターン13aおよび第2の配線パターン13bを形成される。そして、加熱処理により導電性ペースト16を硬化さて、第1の配線パターン13aと第2の配線パターン13bを完全固着させる。結果、良好な層間接続がなされたフレキシブル基板1を得ることができる。このように、フレキシブル基板の両主面上の導電層をフォトリソグラフィなどの微細加工処理により配線パターンを形成する事によっても、本実施の第1および第2の実施の形態におけるのと同様なフレキシブル基板を得ることができる。
上述より明らかなように、本発明は、層間接続点に形成された貫通孔に導電材料を完全充填することなく、フレキシブルフィルムの両主面に形成された配線パターンを貫通孔に対して位置合わせをすることなく、自己整合的に複数の貫通孔内で一括して相互接続できる方法を実現している。
本発明によれば、薄型のフレキシブル基板の製造に利用できる。
本発明の第1の実施の形態に係る方法で製造されたフレキシブル基板の構成を示す断面図 図1に示したフレキシブル基板の製造方法における基本的な工程の説明図 異なる大きさの径を有する貫通孔に対して、加圧シートに均一な圧力を印加したときの配線パターンの凹み量を測定するために用意した試料の断面図 加圧シートの加圧力に対する配線パターンの凹み量の測定結果を示すグラフ フィルム基材と接着層で構成されたフレキシブルフィルムに配線パターンが埋め込まれた状態を示す断面図 本発明に係る方法で、押圧された加圧シートによって配線パターンを塑性変形させる効果の説明図 本発明の第2の実施の形態に係るフレキシブル基板の製造方法における基本的な工程の説明図 本発明の第3の実施の形態に係るフレキシブル基板の製造方法における基本的な工程の説明図 一般的なフレキシブル基板の製造方法の説明図 従来のプリント配線板の製造方法の説明図 従来のフレキシブル基板の製造方法の説明図
符号の説明
1 フレキシブル基板
10 フレキシブルフィルム
11 フィルム基材
12 接着層
13 配線パターン
13a 第1の配線パターン
13b 第2の配線パターン
13c 導電性薄膜
14 加圧シート
14a 第1の加圧シート
14b 第2の加圧シート
15 キャリアシート
16 導電性ペースト
20 貫通孔
21 中空部

Claims (18)

  1. フィルム基材の両主面のそれぞれに接着層を有するフレキシブルフィルムに複数の貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔を覆うように、前記フレキシブルフィルムの両主面のそれぞれに配線パターンを形成する工程と、
    前記配線パターンの少なくとも一方で、前記貫通孔を覆う部分に導電性材料からなる突起状導電体を設ける工程と、
    前記両主面のそれぞれに形成された前記配線パターンの少なくとも1つの上に加圧シートを配置する工程と、
    前記加圧シートを前記主面に対して押圧することによって、前記主面のそれぞれに形成された配線パターンを前記貫通孔内で相互接続させる工程とを含み、
    前記加圧シートは押圧により変形して前記貫通孔の内部に入り込むと共に前記配線パターンの少なくとも一方を局所的に押圧して、当該配線パターンは前記突起状導電体を介して当該貫通孔内で接続されることを特徴とするフレキシブル基板の製造方法。
  2. 前記加圧シートの押圧は、前記複数の貫通孔が位置する領域を含む範囲が均一に加圧されることにより、前記それぞれの配線パターンは前記突起状導電体を介して当該複数の貫通孔内で一括して相互接続されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  3. 前記突起状導電体は、導電性ペーストで形成されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  4. 前記導電性ペーストは、導電性粉末と有機バインダ成分を含有すること特徴とする請求項3に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  5. 前記導電性粉末は、金、銀、銅、ニッケル、錫、および鉛から含むグループから選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項4に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  6. 前記有機バインダは熱硬化性樹脂を含み、当該熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂、シアネート樹脂およびフェノール樹脂を含むグループから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項4項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  7. 前記配線パターンは、前記接着層の表面にキャリアシート上に形成された配線パターンを転写すると供に、当該接着層内に埋め込まれることによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  8. 前記フィルム基材は、前記接着層より薄いことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  9. 前記フィルム基材は、少なくともアラミドおよびポリイミドの何れかで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  10. 前記接着層は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびアクリル樹脂と、当該エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびアクリル樹脂を変成させた樹脂とを含むグループから選択される少なくとも1種類の樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  11. 前記接着層の厚さは、前記フィルム基材の厚さの1.1倍から8倍の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  12. 前記接着層の厚さは、前記フィルム基材の厚さの1.2倍から6倍の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  13. 前記接着層の厚さは3μmから80μmの範囲内であり、前記フィルム基材の厚さは2μmから16μmの範囲内であることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  14. 前記配線パターンの厚さは、前記接着層の厚さの40%から100%の範囲内にあることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  15. 前記配線パターンの厚さは、前記接着層の厚さの80%から90%の範囲内にあることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  16. 前記貫通孔の直径は、30μmから200μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  17. 前記貫通孔の直径は、50μmから100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  18. フィルム基材と、
    前記フィルム基材の両主面のそれぞれに形成された接着層と、
    前記フィルム基材および前記接着層に形成された貫通孔と、
    前記接着材層のそれぞれの表面に埋め込まれた配線パターンと、
    前記配線パターンの少なくとも一方に形成された導電ペーストを備え、
    前記配線パターンの少なくとも一方は前記貫通口の内面側に押し込まれて前記導電性ペーストを介して前記配線パターンの一部分が相互に接合していることを特徴とするフレキシブル基板。
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