JP2008163953A - エンジンのegr制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGRバルブの制御限界を超えた運転状態になった場合においても、指示開度を維持できなくなることによる不具合を防止し、EGR量不適による燃焼悪化を未然に回避する。
【解決手段】EGRバルブ停止判定部32で、吸気管圧力Pm、EGRバルブ6の上流側と下流側との差圧Pd、バッテリ電圧VB、EGRバルブ6のモータ部温度Tmから、EGRバルブ6の実開度を指示開度Seに制御可能か否かを判断し、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しないと判断される運転状態になったときには、運転方法制御部30及びEGRバルブ制御部31にEGR停止を指示し、EGR量不適による燃焼悪化を未然に回避して運転フィーリングの悪化、燃費悪化、排気ガスエミッションの悪化を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、EGRバルブの制御限界を超えて指示開度を維持できなくなることによる不具合を防止するエンジンのEGR制御装置に関する。
従来からエンジンには、排気ガス中に含まれているNOxを低減するために、排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気還流(EGR)装置を装備するものがある。このような、EGR装置では、エンジンの吸気系と排気系とをバイパスする排気還流通路にEGRバルブを介装し、このEGRバルブの開度をエンジン運転状態に応じて制御することで、排気ガス還流量を定めている。
この場合、上記EGRバルブには、ステップモータ等によって弁開度を可変する電気駆動式のものを採用することが多く、この形式のEGRバルブでは指示開度に実開度が一致することを前提としてオープンループで制御しており、バルブを確実に動作させる駆動力を確保する必要がある。
このため、特許文献1(特開平8−14114号公報)には、バルブハウジングとモータハウジングとの間に介装した冷却ハウジングの環状溝に沿ってモータハウジングと密接状態で冷却水管を挿入配置し、排気ガスから伝達される高温によってステッピングモータ部のトルク機能が弱められることを防止する技術が開示されており、また、特許文献2(特開平8−114157号公報)には、排気ガス還流弁の目標開度が全閉となったとき、ステップモータを排気ガス還流弁の弁体が弁座に突き当たるまで閉め込むことにより初期化し、ステップモータの脱調による位置ずれを修正して完全に閉弁しない等の不具合を防止する技術が開示されている。
特開平8−14114号公報 特開平8−114157号公報
近年、省エネルギーや環境への影響を配慮し、エンジンの燃焼方式に広域リーンバーン燃焼を採用するようになっており、この広域リーンバーン燃焼でNOxを充分低減させるためにはEGR量を増加させる必要があり、EGR通路やEGRバルブを大きくすることで大量EGRを可能とする反面、EGRガスがEGRバルブを通過するときにバルブに掛かる反力も増大する。
このため、運転状態によってはバルブに掛かる反力の増加や駆動力の低下等によってEGRバルブの制御限界を超えてしまい、そのままEGRを実施すると、指示開度を維持できなくなってEGR量不適による燃焼悪化が発生し、運転フィーリングが悪化するばかりでなく燃費や排気ガスエミッションが悪化する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、EGRバルブの制御限界を超えた運転状態になった場合においても、指示開度を維持できなくなることによる不具合を防止し、EGR量不適による燃焼悪化を未然に回避することのできるエンジンのEGR制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるエンジンのEGR制御装置は、エンジンの排気管とスロットルバルブ下流の吸気管とを接続する通路に介装した電気駆動式EGRバルブの開度を指示開度に制御して排気ガス還流制御を実施するエンジンのEGR制御装置であって、上記EGRバルブの実開度を上記指示開度に制御可能な運転領域であるか否かを判断し、上記排気ガス還流制御を実施する運転領域であっても上記指示開度に制御できない運転領域と判断したとき、上記排気ガス還流制御を実施する運転領域であるか否かに拘わらず上記EGRバルブの駆動部を停止させて上記EGRバルブを全閉とする手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、EGRバルブの実開度を指示開度に制御できない運転領域と判断したときには、排気ガス環流制御を実施する運転領域であるか否かに拘わらずEGRバルブの駆動部を停止させてEGRバルブを全閉とするので、EGR量不適による燃焼悪化を未然に回避することができ、運転フィーリングの悪化、燃費悪化、排気ガスエミッションの悪化を防止することができる等優れた効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の第1形態に係わり、図1はEGR制御に係わる機能ブロック図、図2は定期処理ルーチンのフローチャート、図3はクランク角割込みルーチンのフローチャート、図4はエンジン制御系の要部構成図である。
図4において、符号1はエンジンであり、吸気管2の中途に介装されたスロットルバルブ3下流側と排気管4とを連通する排気還流管5にEGRバルブ6が介装され、EGR実施時、EGRバルブ6のバルブ開度に応じて排ガスの一部が吸気系へ還流され、新気と排気ガスと燃料との混合ガスがエンジン1の燃焼室に吸入されて再燃される。尚、本形態では、上記EGRバルブ6は、バルブ部と駆動部とを一体的に形成した形式のものとし、バルブ駆動をモータによって行うものとする。
上記エンジン1は、マイクロコンピュータを中心として構成される電子制御ユニット(ECU)20によって制御され、このECU20には、各種センサ・スイッチ類が接続されて運転状態を検出するとともにバッテリ17が接続されて各部に供給する電源電圧をモニタするようになっており、さらに、各種アクチュエータ類が接続されて燃料噴射制御、点火時期制御、EGR制御等が行われる。
上記ECU20に接続されるセンサ類としては、所定のクランク角毎にパルス信号を出力するクランク角センサ10、このクランク角センサ10から出力されるパルス信号間で気筒判別のためのパルス信号を出力する気筒判別センサ11、上記スロットルバルブ3に連設され、スロットル開度に応じた電圧信号を出力するスロットル開度センサ12、吸気管内圧力(絶対圧)を計測するための吸気管圧力センサ13、EGRバルブ6のバルブ上下流の差圧を計測するための差圧センサ14、EGRバルブ6の駆動モータ部の温度を計測するためのモータ部温度センサ15、図示しない触媒の加熱防止等で排気ガス温度を計測するための排気温度センサ16等があり、また、上記ECU20に接続されるアクチュエータ類としては、上述のEGRバルブ6の他、燃料を噴射する各気筒のインジェクタ7、気筒毎の点火プラグに連設される点火コイルの一次電流を断続するためのイグナイタ8等がある。
上記ECU20では、各種センサ類によって検出した運転状態及びバッテリ電圧に基づいて燃料噴射量や点火時期等の各種制御量を演算し、運転状態に応じた燃焼形態での空燃比が常に適正な空燃比となるよう制御しており、EGR実施領域では、目標EGR率に対応する目標開度にEGRバルブ6のバルブ開度を制御してEGR量を制御する。
このECU20のEGR制御に係わる機能は、図1に示され、各センサ類からの信号を処理してエンジン運転状態を表す各種パラメータを算出するための機能として、気筒判別部21、クランク角度判定部22、クランク角度パルス発生間隔時間算出部23、エンジン回転数算出部24、スロットル開度算出部25、吸気管圧力算出部26、差圧算出部27、EGRモータ部温度算出部28、バッテリ電圧算出部29を備え、さらに、運転状態に基づいてエンジンの燃焼形態を決定する運転方法制御部30、EGRバルブ6の開度を制御するEGRバルブ制御部31、EGRバルブ6の実開度が指示開度に一致しないと判断される運転状態になったとき、EGRバルブ6の駆動を停止させてEGRバルブ6を全閉とするEGRバルブ停止判定部32を備えている。
すなわち、気筒判別部21で、クランク角センサ10からの出力パルス信号(クランクパルス)と気筒判別センサ11からの出力パルス信号(気筒判別パルス)との入力パターンによって気筒判別を行い、気筒判別した特定気筒の所定クランク角度位置を基準クランク位置として、順次入力されるクランクパルスに対応するクランク角度位置をクランク角度判定部22で判定する。また、クランク角度パルス発生間隔時間算出部23では、クランクパルスの入力間隔時間を計時して所定クランク角度間の経過時間を算出し、エンジン回転数算出部24で180°CA(エンジン半回転)の経過時間からエンジン回転数Neを算出する。
また、スロットル開度算出部25でスロットル開度センサ12の出力電圧値に基づいてスロットルバルブ3の開度Sを算出し、吸気管圧力算出部26で吸気管圧力センサ13の出力電圧値に基づいて吸気管圧力Pmを算出するとともに、差圧算出部27で、差圧センサ14の出力電圧値に基づいてEGRバルブ6の上流側と下流側との差圧Pdを算出する。
さらに、EGRモータ部温度算出部28でモータ部温度センサ15の出力電圧に基づいてEGRバルブ6を駆動するモータ部の温度Tmを算出し、バッテリ電圧算出部29でバッテリ17の電圧VBを算出する。
一方、運転方法制御部30では、エンジン回転数やエンジン負荷等の運転状態に応じ、ストイキオ燃焼とするかリーン燃焼とするか、さらには、EGRを付加するか否かを決定し、燃焼形態の切り換え制御を行う。そして、この運転方法制御部30によって切り換えられた燃焼形態に応じ、その燃焼形態に適した燃料噴射量を与える燃料噴射パルス幅信号Tiがインジェクタ7に出力され、また、その燃焼形態に適した点火時期を与える点火信号ADVがイグナイタ8に出力されて、空燃比が最適な状態に制御される。
EGRバルブ制御部31では、例えばエンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて目標EGR率を設定し、この目標EGR率に対応した指示開度Se(EGRバルブ6に対する操作量)をEGRバルブ6に出力し、目標EGR率となるよう制御する。
EGRバルブ停止判定部32では、吸気管圧力Pm、EGRバルブ6の上流側と下流側との差圧Pd、バッテリ電圧VB、EGRバルブ6のモータ部温度Tmから、EGRバルブ6の実開度を指示開度Seに制御可能か否かを判断し、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しないと判断される運転状態になったときには、運転方法制御部30及びEGRバルブ制御部31にEGR停止を指示する。尚、EGRバルブ6は、モータに供給する定格電圧をバッテリ電圧VBとして動作するものとする。
このEGR停止指示が運転方法制御部30及びEGRバルブ制御部31に入力された場合、EGRバルブ制御部31では、EGR実施中であればEGRバルブ6の駆動を停止してEGRバルブ6を全閉とし、一方、現在、EGRを実施しない運転領域であるときには、新たにEGRを実施する運転領域に入ったときにEGRバルブ6を駆動せず、全閉状態を維持する。同時に、運転方法制御部30では、運転状態から決定した燃焼形態がEGR付加の燃焼形態のときにはEGR無しの燃焼形態に強制的に切り換え、EGRを付加する燃焼形態の運転領域に入っても、EGRを付加しない燃焼形態とする。
以下、ECU20におけるEGR制御に係わる処理について、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。
図2のフローチャートに示すプログラムは、一定時間毎(例えば、10ms毎)に実行される定期処理ルーチンであり、このルーチンでは、まず、ステップS50でスロットル開度センサ12の出力をA/D変換してスロットル開度Sを算出し、ステップS60で吸気管圧力センサ13の出力をA/D変換して吸気管圧力Pmを算出する。さらに、ステップS70でバッテリ17の電圧をA/D変換してバッテリ電圧VBを算出する。
次に、ステップS80へ進み、モータ部温度センサ15の出力をA/D変換し、EGRバルブ6のモータ部温度Tmを算出すると、ステップS90で差圧センサ14の出力をA/D変換してEGRバルブ6の上流側と下流側との差圧Pdを算出し、ステップS100で、図3のクランク角割込みルーチンで算出された180°CAの経過時間からエンジン回転数Neを算出してステップS110へ進む。
ここで、図3のクランク角割込みルーチンについて説明する。このクランク角割込みルーチンは、クランクパルス入力毎に割込み実行されるルーチンであり、ステップS300で前回のクランク割込み発生から今回のクランクパルス割込み発生までの経過時間、すなわち、前回のクランクパルスと今回のクランクパルスとの時間間隔を演算し、所定のクランク角度分の時間間隔としてメモリにストアする。例えば、クランク角度93°分の経過時間をMT93、クランク角度32°分の経過時間をMT32、クランク角度55°分の経過時間をMT55としてメモリにストアする。
続くステップS310では、クランク角センサ10から出力されるクランクパルス間で発生する気筒判別センサ11の気筒判別パルスの数に従って現在の気筒を判別するとともに、クランク角度位置を判別する。例えば、各気筒のBTDC97°,65°,10°CA毎にクランク角センサ10からクランクパルスが出力され、気筒判別センサ11からは、#3気筒のBTDC97°と前の点火気筒である#1気筒のBTDC10°との間で3個の気筒判別パルス、#4気筒のBTDC97°と前の点火気筒である#2気筒のBTDC10°との間で2個の気筒判別パルス、#1,#2気筒のBTDC97°と前の点火気筒のBTDC10°との間で1個の気筒判別パルスが出力されるものとすると、以下のように気筒判別及びクランク位置判別を行う。
すなわち、気筒判別パルスが入力される毎に、そのパルス数をカウントし、3個の気筒判別パルスが入力された後のクランクパルスは、#3気筒のBTDC97°のクランクパルス、2個の気筒判別パルスが入力された後のクランクパルスは#4気筒のBTDC97°のクランクパルス、1個の気筒判別パルスが入力された後のクランクパルスは#1気筒あるいは#2気筒のBTDC97°クランクパルスであり、前の気筒判別が#4気筒であれば#1気筒、前の気筒判別が#3気筒であれば#2気筒と判別する。
また、BTDC65°,BTDC10°のクランク位置は、BTDC97°のクランクパルスからのパルス数で判定し、#1気筒のBTDC97°のクランクパルスを0(基準位置)としてクランクパルスが入力される毎に1,2,3,…と順次カウントアップすることで、基準位置からのカウント値に応じてクランク位置を判別する。
その後、ステップS320へ進み、所定のクランク角度分の時間間隔から、クランク180°CAの時間を演算してルーチンを抜ける。先の例では、クランク角度93°分の経過時間MT93、クランク角度32°分の経過時間MT32、クランク角度55°分の経過時間MT55がメモリにストされており、これらの時間を合計してクランク角180°CA分の時間を算出する。
以上のクランク角割込みルーチンで算出されたクランク角180°CAの時間を用いてエンジン回転数Neを算出すると、次に、定期処理ルーチンのステップS110では、運転状態に応じた燃焼形態を決定する。この燃焼形態の決定は、例えば、エンジン回転数Neとスロットル開度Sとに基づいて設定した目標エンジントルクTeとエンジン回転数Neとを格子とするマップを参照し、成層リーン燃焼、均一リーン燃焼、均一ストイキオ燃焼等の燃焼方式の領域、さらに、EGR許可領域、EGR禁止領域を判断し、EGRの付加の有無を含めた燃焼形態を決定する。
続くステップS120では、吸気管圧力Pm、EGRバルブ6のバルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧VB、EGRバルブ6のモータ部温度Tmを、それぞれ予め設定された値と比較し、EGRバルブ6が正常に動作する状態にあるか否かを判定し、ステップS130で、EGR許可領域にあり、且つ、EGRバルブ6が正常に動作する状態にあるとき、EGRバルブ6を指示開度Seとなるよう制御し、ルーチンを抜ける。
すなわち、EGRバルブ6のバルブにかかる負圧が大きくなると、EGRガスによる流れの反力が大きくなり、指示値Seと実開度が一致しなくなる原因となる。また、この反力はバルブ前後の差圧Pdに比例し、同様に、指示値Seと実開度が一致しなくなる原因となる。
さらに、バッテリ電圧VBが低下してEGRバルブ6のモータに供給される電圧が低下するとモータの駆動力が低下し、反力に抗して指示開度Seを維持できなくなる。このモータ駆動力は、モータ部温度Tmが上昇した場合にも低下し、必要な開度を維持できなくなる。
従って、EGRバルブ6における反力の増加やモータ駆動力の低下によってEGRバルブ6の正常動作が確保できなくなる限界条件を、吸気管圧力Pm、バルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧VB、モータ部温度Tmに対して予め実験等によって求めておき、この限界条件を満足しないとき、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しないと判断してEGRバルブ6の動作を停止させる。
具体的には、EGRバルブ6における反力を増加させる要因を考慮し、吸気管圧力PmがEGRバルブ6の正常動作が保証される吸気管圧力限界値より低くなった場合(吸気管負圧が大きくなったとき)や、EGRバルブ6のバルブ前後の差圧PdがEGRバルブ6の正常動作が保証される差圧限界値より大きくなった場合には、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しないと判断し、EGRバルブ6を停止させる状況であると判定する。この場合、上記吸気管圧力限界値は、EGRバルブ6の反力がバルブ前後の差圧とバルブ有効面積で決定され、反力の最大値は温度を除く他の運転条件によらないため、固定値とすることができる。
また、EGRバルブ6のモータ駆動力を低下させる要因を考慮し、バッテリ電圧VBがEGRバルブの反力に抗して必要な駆動力を発生させる限界電圧より低くなった場合や、モータ部温度Tmが必要な駆動力を確保できる限界温度より高くなった場合には、同様に、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しないと判断し、EGRバルブ6を停止させる状況であると判定する。
以上の要因によるEGRバルブ6の停止判定は、吸気管圧力Pm、バルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧VB、モータ部温度Tmの各条件のうち、いずれか一つの条件を満足しない場合に停止と判定しても良く、2つ乃至全ての条件を満足しない場合に停止と判定するようにしても良い。
これにより、EGRバルブ6における反力の増加やモータ駆動力の低下によってEGRバルブ6の正常動作が確保できなくなるような運転状態になったとき、指示開度を維持できないままEGRを実施してEGR量不適による燃焼悪化が発生することがなく、運転フィーリングの悪化、燃費や排気ガスエミッションの悪化を未然に回避することができる。
図5及び図6は本発明の実施の第2形態に係わり、図5はEGR制御に係わる機能ブロック図、図6は定期処理ルーチンのフローチャートである。
本形態は、前述の第1形態に対し、EGRバルブ6のモータ部温度Tmをモータ部温度センサ15によって直接検出することなく、排気ガス温度から推定するものである。
このため、本形態では、図5に示すように、EGRバルブ6のモータ部温度を検出するモータ部温度センサ15を廃止するとともに、EGRモータ部温度算出部28を、排気温度センサ16からの信号に基づいて排気温度Texを算出する排気温度算出部35に変更し、排気温度TexからEGRバルブ6のモータ部温度推定値Tm’を算出するEGRモータ部温度推定部36を追加する。
以下、図6に示す本形態による定期処理ルーチンについて説明する。このルーチンでは、第1形態と同様、ステップS50〜ステップS70で、それぞれ、スロットル開度S、吸気管圧力Pm、バッテリ電圧VBを算出すると、ステップS75で、排気温度センサ16の出力をA/D変換して排気温度Texを算出し、ステップS80'で、排気温度TexからEGRバルブ6のモータ部温度推定値Tm’を算出する処理を行う。
すなわち、EGRバルブ6のモータ部温度は、EGRバルブ6を通過する排気ガスの温度の影響を受けるが、排気ガスが排気管4から排気還流管5を通ってEGRバルブ6に到達するまでには、輸送遅れが生じる。従って、この輸送遅れを考慮し、排気温度センサ16で計測した排気温度Texの一次遅れ値をEGRバルブ6を通過する排気ガスの温度すなわちモータ部温度として推定する。
そして、以上のステップS80'でのモータ温度推定値算出処理の後、第1形態と同様、ステップS90,S100で、それぞれ、差圧Pd、エンジン回転数Neを算出し、ステップS110の運転方法制御処理、ステップS120のEGRバルブ停止判定処理、ステップS130のEGRバルブ制御処理を経てルーチンを抜ける。
本形態では、EGRバルブ6のモータ部温度をシステムに備えられている排気温度センサ16を流用して推定するため、新たにモータ部温度センサ15を備えなくとも良く、システムコストの低減を図ることができる。
本発明の実施の第1形態に係わり、EGR制御に係わる機能ブロック図 同上、定期処理ルーチンのフローチャート 同上、クランク角割込みルーチンのフローチャート 同上、エンジン制御系の要部構成図 本発明の実施の第2形態に係わり、EGR制御に係わる機能ブロック図 同上、定期処理ルーチンのフローチャート
符号の説明
1 …エンジン
2 …吸気管
3 …スロットルバルブ
4 …排気管
5 …排気還流管
6 …EGRバルブ
20…ECU
31…EGRバルブ制御部
32…EGRバルブ停止判定部
Pm…吸気管圧力
Pd…差圧
Tm…モータ部温度
VB…バッテリ電圧

Claims (2)

  1. エンジンの排気管とスロットルバルブ下流の吸気管とを接続する通路に介装した電気駆動式EGRバルブの開度を指示開度に制御して排気ガス還流制御を実施するエンジンのEGR制御装置であって、
    上記EGRバルブの実開度を上記指示開度に制御可能な運転領域であるか否かを判断し、上記排気ガス還流制御を実施する運転領域であっても上記指示開度に制御できない運転領域と判断したとき、上記排気ガス還流制御を実施する運転領域であるか否かに拘わらず上記EGRバルブの駆動部を停止させて上記EGRバルブを全閉とする手段を備えたことを特徴とするエンジンのEGR制御装置。
  2. 吸気管負圧力が設定圧力以上であるとき、バッテリ電圧が設定電圧以上であるとき、上記EGRバルブの駆動部の温度が設定温度以下であるとき、又は、上記EGRバルブの上流側と下流側との差圧が設定値以下であるとき、上記指示開度に制御可能な運転領域でないと判断することを特徴とする請求項1記載のエンジンのEGR制御装置。
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