JPH11324817A - エンジンのegr制御装置 - Google Patents

エンジンのegr制御装置

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Publication number
JPH11324817A
JPH11324817A JP10132270A JP13227098A JPH11324817A JP H11324817 A JPH11324817 A JP H11324817A JP 10132270 A JP10132270 A JP 10132270A JP 13227098 A JP13227098 A JP 13227098A JP H11324817 A JPH11324817 A JP H11324817A
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JP
Japan
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egr valve
egr
valve
engine
exhaust gas
Prior art date
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Pending
Application number
JP10132270A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Matsuura
崇 松浦
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP10132270A priority Critical patent/JPH11324817A/ja
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 EGRバルブの制御限界を超えた運転状態に
なった場合においても、指示開度を維持できなくなるこ
とによる不具合を防止し、EGR量不適による燃焼悪化
を未然に回避する。 【解決手段】 EGRバルブ停止判定部32で、吸気管
圧力Pm、EGRバルブ6の上流側と下流側との差圧P
d、バッテリ電圧VB、EGRバルブ6のモータ部温度
Tmから、EGRバルブ6の実開度を指示開度Seに制
御可能か否かを判断し、EGRバルブ6の実開度が指示
開度Seに一致しないと判断される運転状態になったと
きには、運転方法制御部30及びEGRバルブ制御部3
1にEGR停止を指示し、EGR量不適による燃焼悪化
を未然に回避して運転フィーリングの悪化、燃費悪化、
排気ガスエミッションの悪化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EGRバルブの制
御限界を超えて指示開度を維持できなくなることによる
不具合を防止するエンジンのEGR制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエンジンには、排気ガス中に含
まれているNOxを低減するために、排気ガスの一部を
吸気系に還流させる排気還流(EGR)装置を装備する
ものがある。このような、EGR装置では、エンジンの
吸気系と排気系とをバイパスする排気還流通路にEGR
バルブを介装し、このEGRバルブの開度をエンジン運
転状態に応じて制御することで、排気ガス還流量を定め
ている。
【0003】この場合、上記EGRバルブには、ステッ
プモータ等によって弁開度を可変する電気駆動式のもの
を採用することが多く、この形式のEGRバルブでは指
示開度に実開度が一致することを前提としてオープンル
ープで制御しており、バルブを確実に動作させる駆動力
を確保する必要がある。
【0004】このため、特開平8−14114号公報に
は、バルブハウジングとモータハウジングとの間に介装
した冷却ハウジングの環状溝に沿ってモータハウジング
と密接状態で冷却水管を挿入配置し、排気ガスから伝達
される高温によってステッピングモータ部のトルク機能
が弱められることを防止する技術が開示されており、ま
た、特開平8−114157号公報には、排気ガス還流
弁の目標開度が全閉となったとき、ステップモータを排
気ガス還流弁の弁体が弁座に突き当たるまで閉め込むこ
とにより初期化し、ステップモータの脱調による位置ず
れを修正して完全に閉弁しない等の不具合を防止する技
術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、省エネルギーや
環境への影響を配慮し、エンジンの燃焼方式に広域リー
ンバーン燃焼を採用するようになっており、この広域リ
ーンバーン燃焼でNOxを充分低減させるためにはEG
R量を増加させる必要があり、EGR通路やEGRバル
ブを大きくすることで大量EGRを可能とする反面、E
GRガスがEGRバルブを通過するときにバルブに掛か
る反力も増大する。
【0006】このため、運転状態によってはバルブに掛
かる反力の増加や駆動力の低下等によってEGRバルブ
の制御限界を超えてしまい、そのままEGRを実施する
と、指示開度を維持できなくなってEGR量不適による
燃焼悪化が発生し、運転フィーリングが悪化するばかり
でなく燃費や排気ガスエミッションが悪化する虞があ
る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、EGRバルブの制御限界を超えた運転状態になった
場合においても、指示開度を維持できなくなることによ
る不具合を防止し、EGR量不適による燃焼悪化を未然
に回避することのできるエンジンのEGR制御装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
エンジンの排気管とスロットルバルブ下流の吸気管とを
接続する通路に介装した電気駆動式EGRバルブの開度
を制御して排気ガスの一部を吸気側に還流させるエンジ
ンのEGR制御装置であって、運転状態が予め設定した
条件を満足するか否かによって上記EGRバルブの実開
度を指示開度に制御可能か否かを判断し、運転状態が上
記条件を満足しないとき、排気ガス還流制御を実施する
運転領域であるか否かに拘わらず上記EGRバルブの駆
動部を停止させて上記EGRバルブを全閉とする手段を
備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、エンジンの排気管
とスロットルバルブ下流の吸気管とを接続する通路に介
装した電気駆動式EGRバルブの開度を制御して排気ガ
スの一部を吸気側に還流させるエンジンのEGR制御装
置であって、運転状態が予め設定した条件を満足するか
否かによって上記EGRバルブの実開度を指示開度に制
御可能か否かを判断し、排気ガス還流制御を実施する運
転領域で運転状態が上記条件を満足しないとき、上記E
GRバルブの駆動部に供給する電圧を設定電圧まで昇圧
する手段を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の発明において、上記条件が、吸気管圧力が設
定圧力以上である条件、バッテリ電圧が設定電圧以上で
ある条件、上記EGRバルブの駆動部の温度が設定温度
以下である条件、及び、上記EGRバルブの上流側と下
流側との差圧が設定値以下である条件のうち、少なくと
も一つ以上の条件であることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、上記EGRバルブの駆動部の温度を、排気
ガス温度によって推定することを特徴とする。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明では、運転
状態が予め設定した条件を満足しないときには、EGR
バルブの実開度を指示開度に制御できないと判断し、排
気ガス還流制御を実施する運転領域であるか否かに拘わ
らずEGRバルブの駆動部を停止させてEGRバルブを
全閉とする。
【0013】請求項2記載の発明では、運転状態が予め
設定した条件を満足しないとき、そのままではEGRバ
ルブの実開度を指示開度に制御できないと判断し、排気
ガス還流制御を実施する運転領域でEGRバルブの駆動
部に供給する電圧を設定電圧まで昇圧する。
【0014】この場合、EGRバルブの実開度を指示開
度に制御可能か否かは、請求項3に記載したように、吸
気管圧力が設定圧力以上である条件、バッテリ電圧が設
定電圧以上である条件、EGRバルブの駆動部の温度が
設定温度以下である条件、及び、EGRバルブの上流側
と下流側との差圧が設定値以下である条件のうち、少な
くとも一つ以上の条件によって判断することが望まし
く、EGRバルブの駆動部の温度は、請求項4に記載し
たように、排気ガス温度によって推定することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の第1
形態に係わり、図1はEGR制御に係わる機能ブロック
図、図2は定期処理ルーチンのフローチャート、図3は
クランク角割込みルーチンのフローチャート、図4はエ
ンジン制御系の要部構成図である。
【0016】図4において、符号1はエンジンであり、
吸気管2の中途に介装されたスロットルバルブ3下流側
と排気管4とを連通する排気還流管5にEGRバルブ6
が介装され、EGR実施時、EGRバルブ6のバルブ開
度に応じて排ガスの一部が吸気系へ還流され、新気と排
気ガスと燃料との混合ガスがエンジン1の燃焼室に吸入
されて再燃される。尚、本形態では、上記EGRバルブ
6は、バルブ部と駆動部とを一体的に形成した形式のも
のとし、バルブ駆動をモータによって行うものとする。
【0017】上記エンジン1は、マイクロコンピュータ
を中心として構成される電子制御ユニット(ECU)2
0によって制御され、このECU20には、各種センサ
・スイッチ類が接続されて運転状態を検出するとともに
バッテリ17が接続されて各部に供給する電源電圧をモ
ニタするようになっており、さらに、各種アクチュエー
タ類が接続されて燃料噴射制御、点火時期制御、EGR
制御等が行われる。
【0018】上記ECU20に接続されるセンサ類とし
ては、所定のクランク角毎にパルス信号を出力するクラ
ンク角センサ10、このクランク角センサ10から出力
されるパルス信号間で気筒判別のためのパルス信号を出
力する気筒判別センサ11、上記スロットルバルブ3に
連設され、スロットル開度に応じた電圧信号を出力する
スロットル開度センサ12、吸気管内圧力(絶対圧)を
計測するための吸気管圧力センサ13、EGRバルブ6
のバルブ上下流の差圧を計測するための差圧センサ1
4、EGRバルブ6の駆動モータ部の温度を計測するた
めのモータ部温度センサ15、図示しない触媒の加熱防
止等で排気ガス温度を計測するための排気温度センサ1
6等があり、また、上記ECU20に接続されるアクチ
ュエータ類としては、上述のEGRバルブ6の他、燃料
を噴射する各気筒のインジェクタ7、気筒毎の点火プラ
グに連設される点火コイルの一次電流を断続するための
イグナイタ8等がある。
【0019】上記ECU20では、各種センサ類によっ
て検出した運転状態及びバッテリ電圧に基づいて燃料噴
射量や点火時期等の各種制御量を演算し、運転状態に応
じた燃焼形態での空燃比が常に適正な空燃比となるよう
制御しており、EGR実施領域では、目標EGR率に対
応する目標開度にEGRバルブ6のバルブ開度を制御し
てEGR量を制御する。
【0020】このECU20のEGR制御に係わる機能
は、図1に示され、各センサ類からの信号を処理してエ
ンジン運転状態を表す各種パラメータを算出するための
機能として、気筒判別部21、クランク角度判定部2
2、クランク角度パルス発生間隔時間算出部23、エン
ジン回転数算出部24、スロットル開度算出部25、吸
気管圧力算出部26、差圧算出部27、EGRモータ部
温度算出部28、バッテリ電圧算出部29を備え、さら
に、運転状態に基づいてエンジンの燃焼形態を決定する
運転方法制御部30、EGRバルブ6の開度を制御する
EGRバルブ制御部31、EGRバルブ6の実開度が指
示開度に一致しないと判断される運転状態になったと
き、EGRバルブ6の駆動を停止させてEGRバルブ6
を全閉とするEGRバルブ停止判定部32を備えてい
る。
【0021】すなわち、気筒判別部21で、クランク角
センサ10からの出力パルス信号(クランクパルス)と
気筒判別センサ11からの出力パルス信号(気筒判別パ
ルス)との入力パターンによって気筒判別を行い、気筒
判別した特定気筒の所定クランク角度位置を基準クラン
ク位置として、順次入力されるクランクパルスに対応す
るクランク角度位置をクランク角度判定部22で判定す
る。また、クランク角度パルス発生間隔時間算出部23
では、クランクパルスの入力間隔時間を計時して所定ク
ランク角度間の経過時間を算出し、エンジン回転数算出
部24で180°CA(エンジン半回転)の経過時間か
らエンジン回転数Neを算出する。
【0022】また、スロットル開度算出部25でスロッ
トル開度センサ12の出力電圧値に基づいてスロットル
バルブ3の開度Sを算出し、吸気管圧力算出部26で吸
気管圧力センサ13の出力電圧値に基づいて吸気管圧力
Pmを算出するとともに、差圧算出部27で、差圧セン
サ14の出力電圧値に基づいてEGRバルブ6の上流側
と下流側との差圧Pdを算出する。
【0023】さらに、EGRモータ部温度算出部28で
モータ部温度センサ15の出力電圧に基づいてEGRバ
ルブ6を駆動するモータ部の温度Tmを算出し、バッテ
リ電圧算出部29でバッテリ17の電圧VBを算出す
る。
【0024】一方、運転方法制御部30では、エンジン
回転数やエンジン負荷等の運転状態に応じ、ストイキオ
燃焼とするかリーン燃焼とするか、さらには、EGRを
付加するか否かを決定し、燃焼形態の切り換え制御を行
う。そして、この運転方法制御部30によって切り換え
られた燃焼形態に応じ、その燃焼形態に適した燃料噴射
量を与える燃料噴射パルス幅信号Tiがインジェクタ7
に出力され、また、その燃焼形態に適した点火時期を与
える点火信号ADVがイグナイタ8に出力されて、空燃
比が最適な状態に制御される。
【0025】EGRバルブ制御部31では、例えばエン
ジン回転数とエンジン負荷とに基づいて目標EGR率を
設定し、この目標EGR率に対応した指示開度Se(E
GRバルブ6に対する操作量)をEGRバルブ6に出力
し、目標EGR率となるよう制御する。
【0026】EGRバルブ停止判定部32では、吸気管
圧力Pm、EGRバルブ6の上流側と下流側との差圧P
d、バッテリ電圧VB、EGRバルブ6のモータ部温度
Tmから、EGRバルブ6の実開度を指示開度Seに制
御可能か否かを判断し、EGRバルブ6の実開度が指示
開度Seに一致しないと判断される運転状態になったと
きには、運転方法制御部30及びEGRバルブ制御部3
1にEGR停止を指示する。尚、EGRバルブ6は、モ
ータに供給する定格電圧をバッテリ電圧VBとして動作
するものとする。
【0027】このEGR停止指示が運転方法制御部30
及びEGRバルブ制御部31に入力された場合、EGR
バルブ制御部31では、EGR実施中であればEGRバ
ルブ6の駆動を停止してEGRバルブ6を全閉とし、一
方、現在、EGRを実施しない運転領域であるときに
は、新たにEGRを実施する運転領域に入ったときにE
GRバルブ6を駆動せず、全閉状態を維持する。同時
に、運転方法制御部30では、運転状態から決定した燃
焼形態がEGR付加の燃焼形態のときにはEGR無しの
燃焼形態に強制的に切り換え、EGRを付加する燃焼形
態の運転領域に入っても、EGRを付加しない燃焼形態
とする。
【0028】以下、ECU20におけるEGR制御に係
わる処理について、図2及び図3のフローチャートを用
いて説明する。
【0029】図2のフローチャートに示すプログラム
は、一定時間毎(例えば、10ms毎)に実行される定
期処理ルーチンであり、このルーチンでは、まず、ステ
ップS50でスロットル開度センサ12の出力をA/D変
換してスロットル開度Sを算出し、ステップS60で吸気
管圧力センサ13の出力をA/D変換して吸気管圧力P
mを算出する。さらに、ステップS70でバッテリ17の
電圧をA/D変換してバッテリ電圧VBを算出する。
【0030】次に、ステップS80へ進み、モータ部温度
センサ15の出力をA/D変換し、EGRバルブ6のモ
ータ部温度Tmを算出すると、ステップS90で差圧セン
サ14の出力をA/D変換してEGRバルブ6の上流側
と下流側との差圧Pdを算出し、ステップS100で、図3
のクランク角割込みルーチンで算出された180°CA
の経過時間からエンジン回転数Neを算出してステップ
S110へ進む。
【0031】ここで、図3のクランク角割込みルーチン
について説明する。このクランク角割込みルーチンは、
クランクパルス入力毎に割込み実行されるルーチンであ
り、ステップS300で前回のクランク割込み発生から今回
のクランクパルス割込み発生までの経過時間、すなわ
ち、前回のクランクパルスと今回のクランクパルスとの
時間間隔を演算し、所定のクランク角度分の時間間隔と
してメモリにストアする。例えば、クランク角度93°
分の経過時間をMT93、クランク角度32°分の経過
時間をMT32、クランク角度55°分の経過時間をM
T55としてメモリにストアする。
【0032】続くステップS310では、クランク角センサ
10から出力されるクランクパルス間で発生する気筒判
別センサ11の気筒判別パルスの数に従って現在の気筒
を判別するとともに、クランク角度位置を判別する。例
えば、各気筒のBTDC97°,65°,10°CA毎
にクランク角センサ10からクランクパルスが出力さ
れ、気筒判別センサ11からは、#3気筒のBTDC9
7°と前の点火気筒である#1気筒のBTDC10°と
の間で3個の気筒判別パルス、#4気筒のBTDC97
°と前の点火気筒である#2気筒のBTDC10°との
間で2個の気筒判別パルス、#1,#2気筒のBTDC
97°と前の点火気筒のBTDC10°との間で1個の
気筒判別パルスが出力されるものとすると、以下のよう
に気筒判別及びクランク位置判別を行う。
【0033】すなわち、気筒判別パルスが入力される毎
に、そのパルス数をカウントし、3個の気筒判別パルス
が入力された後のクランクパルスは、#3気筒のBTD
C97°のクランクパルス、2個の気筒判別パルスが入
力された後のクランクパルスは#4気筒のBTDC97
°のクランクパルス、1個の気筒判別パルスが入力され
た後のクランクパルスは#1気筒あるいは#2気筒のB
TDC97°クランクパルスであり、前の気筒判別が#
4気筒であれば#1気筒、前の気筒判別が#3気筒であ
れば#2気筒と判別する。
【0034】また、BTDC65°,BTDC10°の
クランク位置は、BTDC97°のクランクパルスから
のパルス数で判定し、#1気筒のBTDC97°のクラ
ンクパルスを0(基準位置)としてクランクパルスが入
力される毎に1,2,3,…と順次カウントアップする
ことで、基準位置からのカウント値に応じてクランク位
置を判別する。
【0035】その後、ステップS320へ進み、所定のクラ
ンク角度分の時間間隔から、クランク180°CAの時
間を演算してルーチンを抜ける。先の例では、クランク
角度93°分の経過時間MT93、クランク角度32°
分の経過時間MT32、クランク角度55°分の経過時
間MT55がメモリにストされており、これらの時間を
合計してクランク角180°CA分の時間を算出する。
【0036】以上のクランク角割込みルーチンで算出さ
れたクランク角180°CAの時間を用いてエンジン回
転数Neを算出すると、次に、定期処理ルーチンのステ
ップS110では、運転状態に応じた燃焼形態を決定する。
この燃焼形態の決定は、例えば、エンジン回転数Neと
スロットル開度Sとに基づいて設定した目標エンジント
ルクTeとエンジン回転数Neとを格子とするマップを
参照し、成層リーン燃焼、均一リーン燃焼、均一ストイ
キオ燃焼等の燃焼方式の領域、さらに、EGR許可領
域、EGR禁止領域を判断し、EGRの付加の有無を含
めた燃焼形態を決定する。
【0037】続くステップS120では、吸気管圧力Pm、
EGRバルブ6のバルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧
VB、EGRバルブ6のモータ部温度Tmを、それぞれ
予め設定された値と比較し、EGRバルブ6が正常に動
作する状態にあるか否かを判定し、ステップS130で、E
GR許可領域にあり、且つ、EGRバルブ6が正常に動
作する状態にあるとき、EGRバルブ6を指示開度Se
となるよう制御し、ルーチンを抜ける。
【0038】すなわち、EGRバルブ6のバルブにかか
る負圧が大きくなると、EGRガスによる流れの反力が
大きくなり、指示値Seと実開度が一致しなくなる原因
となる。また、この反力はバルブ前後の差圧Pdに比例
し、同様に、指示値Seと実開度が一致しなくなる原因
となる。
【0039】さらに、バッテリ電圧VBが低下してEG
Rバルブ6のモータに供給される電圧が低下するとモー
タの駆動力が低下し、反力に抗して指示開度Seを維持
できなくなる。このモータ駆動力は、モータ部温度Tm
が上昇した場合にも低下し、必要な開度を維持できなく
なる。
【0040】従って、EGRバルブ6における反力の増
加やモータ駆動力の低下によってEGRバルブ6の正常
動作が確保できなくなる限界条件を、吸気管圧力Pm、
バルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧VB、モータ部温
度Tmに対して予め実験等によって求めておき、この限
界条件を満足しないとき、EGRバルブ6の実開度が指
示開度Seに一致しないと判断してEGRバルブ6の動
作を停止させる。
【0041】具体的には、EGRバルブ6における反力
を増加させる要因を考慮し、吸気管圧力PmがEGRバ
ルブ6の正常動作が保証される吸気管圧力限界値より低
くなった場合(吸気管負圧が大きくなったとき)や、E
GRバルブ6のバルブ前後の差圧PdがEGRバルブ6
の正常動作が保証される差圧限界値より大きくなった場
合には、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致
しないと判断し、EGRバルブ6を停止させる状況であ
ると判定する。この場合、上記吸気管圧力限界値は、E
GRバルブ6の反力がバルブ前後の差圧とバルブ有効面
積で決定され、反力の最大値は温度を除く他の運転条件
によらないため、固定値とすることができる。
【0042】また、EGRバルブ6のモータ駆動力を低
下させる要因を考慮し、バッテリ電圧VBがEGRバル
ブの反力に抗して必要な駆動力を発生させる限界電圧よ
り低くなった場合や、モータ部温度Tmが必要な駆動力
を確保できる限界温度より高くなった場合には、同様
に、EGRバルブ6の実開度が指示開度Seに一致しな
いと判断し、EGRバルブ6を停止させる状況であると
判定する。
【0043】以上の要因によるEGRバルブ6の停止判
定は、吸気管圧力Pm、バルブ前後の差圧Pd、バッテ
リ電圧VB、モータ部温度Tmの各条件のうち、いずれ
か一つの条件を満足しない場合に停止と判定しても良
く、2つ乃至全ての条件を満足しない場合に停止と判定
するようにしても良い。
【0044】これにより、EGRバルブ6における反力
の増加やモータ駆動力の低下によってEGRバルブ6の
正常動作が確保できなくなるような運転状態になったと
き、指示開度を維持できないままEGRを実施してEG
R量不適による燃焼悪化が発生することがなく、運転フ
ィーリングの悪化、燃費や排気ガスエミッションの悪化
を未然に回避することができる。
【0045】図5及び図6は本発明の実施の第2形態に
係わり、図5はEGR制御に係わる機能ブロック図、図
6は定期処理ルーチンのフローチャートである。
【0046】本形態は、前述の第1形態に対し、EGR
バルブ6のモータ部温度Tmをモータ部温度センサ15
によって直接検出することなく、排気ガス温度から推定
するものである。
【0047】このため、本形態では、図5に示すよう
に、EGRバルブ6のモータ部温度を検出するモータ部
温度センサ15を廃止するとともに、EGRモータ部温
度算出部28を、排気温度センサ16からの信号に基づ
いて排気温度Texを算出する排気温度算出部35に変
更し、排気温度TexからEGRバルブ6のモータ部温
度推定値Tm’を算出するEGRモータ部温度推定部3
6を追加する。
【0048】以下、図6に示す本形態による定期処理ル
ーチンについて説明する。このルーチンでは、第1形態
と同様、ステップS50〜ステップS70で、それぞれ、スロ
ットル開度S、吸気管圧力Pm、バッテリ電圧VBを算
出すると、ステップS75で、排気温度センサ16の出力
をA/D変換して排気温度Texを算出し、ステップS8
0'で、排気温度TexからEGRバルブ6のモータ部温
度推定値Tm’を算出する処理を行う。
【0049】すなわち、EGRバルブ6のモータ部温度
は、EGRバルブ6を通過する排気ガスの温度の影響を
受けるが、排気ガスが排気管4から排気還流管5を通っ
てEGRバルブ6に到達するまでには、輸送遅れが生じ
る。従って、この輸送遅れを考慮し、排気温度センサ1
6で計測した排気温度Texの一次遅れ値をEGRバル
ブ6を通過する排気ガスの温度すなわちモータ部温度と
して推定する。
【0050】そして、以上のステップS80'でのモータ温
度推定値算出処理の後、第1形態と同様、ステップS90,
S100で、それぞれ、差圧Pd、エンジン回転数Neを算
出し、ステップS110の運転方法制御処理、ステップS120
のEGRバルブ停止判定処理、ステップS130のEGRバ
ルブ制御処理を経てルーチンを抜ける。
【0051】本形態では、EGRバルブ6のモータ部温
度をシステムに備えられている排気温度センサ16を流
用して推定するため、新たにモータ部温度センサ15を
備えなくとも良く、システムコストの低減を図ることが
できる。
【0052】図7及び図8は本発明の実施の第3形態に
係わり、図7はEGR制御に係わる機能ブロック図、図
8は定期処理ルーチンのフローチャートである。
【0053】本形態は、EGRバルブ6が正常動作する
限界条件を満足しなくなったとき、EGRバルブ6のモ
ータ部に供給する電圧を昇圧して正常動作を確保するも
のである。
【0054】このため、本形態におけるECU20のE
GR制御に係わる機能構成は、前述の第1形態に対し、
図7に示すように、EGRバルブ停止判定部32をEG
R動作判定部40に変更し、ECU20にDC−DCコ
ンバータ等からなるEGRバルブ駆動電圧昇圧部41を
接続する。尚、このEGRバルブ駆動電圧昇圧部41
は、ECU20内に設けるようにしても良い。
【0055】EGRバルブ動作判定部40は、基本的
に、第1形態のEGRバルブ停止判定部32と同様の機
能であるが、吸気管圧力Pm、EGRバルブ6の上流側
と下流側との差圧Pd、バッテリ電圧VB、EGRバル
ブ6のモータ部温度TmからEGRバルブ6が正常に動
作する状態にあるか否かを判定し、EGRバルブ6が正
常動作する限界条件を満足しなくなったとき、EGR停
止を指示するのではなく、EGRバルブ駆動電圧昇圧部
41に、EGRバルブ6の駆動電圧を昇圧するよう指示
する。
【0056】EGRバルブ駆動電圧昇圧部41では、E
GRバルブ動作判定部40からの指示を受けて、EGR
バルブ6の定格駆動電圧(本形態では、バッテリ電圧V
B)を設定電圧まで昇圧する。この設定電圧は、吸気管
圧力Pmやバルブ前後の差圧Pdに起因するバルブ部に
おける反力の増加、バッテリ電圧VBやモータ部温度T
mに起因するモータ駆動力の低下に対し、EGRバルブ
6の正常動作を確保するための電圧であり、定格電圧を
超えてEGRバルブ6を駆動する場合の発熱等を考慮
し、予め実験等によって決定した固定値、あるいは、吸
気管圧力Pm、バルブ前後の差圧Pd、バッテリ電圧V
B、モータ部温度Tmの現在の値に応じて可変設定され
る電圧である。
【0057】図8に示す本形態の定期処理ルーチンで
は、第1形態の定期処理ルーチンにおけるテップS120の
EGRバルブ停止判定処理を、EGRバルブ6が正常に
動作する状態にあるか否かを判定して駆動電圧を昇圧さ
せるか否かを決定するステップS120'に変更する。
【0058】本形態では、EGRバルブ6のバルブ部に
おける反力の増加やモータ駆動力の低下に対し、EGR
を停止せずにEGRバルブ6の安定動作を確保すること
ができるため、燃焼形態を変更する必要がなく、常に最
適な燃焼状態に制御することができる。
【0059】尚、EGRバルブ6のモータ部温度Tm
は、第2形態で説明したように排気温度から推定するよ
うにしても良い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、運
転状態が予め設定した条件を満足しないときには、EG
Rバルブの実開度を指示開度に制御できないと判断する
ため、EGRバルブの制御限界を超えた運転状態になっ
た場合においても、指示開度を維持できなくなることに
よる不具合を防止し、EGR量不適による燃焼悪化を未
然に回避することができ、運転フィーリングの悪化、燃
費悪化、排気ガスエミッションの悪化を防止することが
できる等優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、EGR制御
に係わる機能ブロック図
【図2】同上、定期処理ルーチンのフローチャート
【図3】同上、クランク角割込みルーチンのフローチャ
ート
【図4】同上、エンジン制御系の要部構成図
【図5】本発明の実施の第2形態に係わり、EGR制御
に係わる機能ブロック図
【図6】同上、定期処理ルーチンのフローチャート
【図7】本発明の実施の第3形態に係わり、EGR制御
に係わる機能ブロック図
【図8】同上、定期処理ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 …エンジン 2 …吸気管 3 …スロットルバルブ 4 …排気管 5 …排気還流管 6 …EGRバルブ 20…ECU 31…EGRバルブ制御部 32…EGRバルブ停止判定部 Pm…吸気管圧力 Pd…差圧 Tm…モータ部温度 VB…バッテリ電圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気管とスロットルバルブ下
    流の吸気管とを接続する通路に介装した電気駆動式EG
    Rバルブの開度を制御して排気ガスの一部を吸気側に還
    流させるエンジンのEGR制御装置であって、 運転状態が予め設定した条件を満足するか否かによって
    上記EGRバルブの実開度を指示開度に制御可能か否か
    を判断し、運転状態が上記条件を満足しないとき、排気
    ガス還流制御を実施する運転領域であるか否かに拘わら
    ず上記EGRバルブの駆動部を停止させて上記EGRバ
    ルブを全閉とする手段を備えたことを特徴とするエンジ
    ンのEGR制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの排気管とスロットルバルブ下
    流の吸気管とを接続する通路に介装した電気駆動式EG
    Rバルブの開度を制御して排気ガスの一部を吸気側に還
    流させるエンジンのEGR制御装置であって、 運転状態が予め設定した条件を満足するか否かによって
    上記EGRバルブの実開度を指示開度に制御可能か否か
    を判断し、排気ガス還流制御を実施する運転領域で運転
    状態が上記条件を満足しないとき、上記EGRバルブの
    駆動部に供給する電圧を設定電圧まで昇圧する手段を備
    えたことを特徴とするエンジンのEGR制御装置。
  3. 【請求項3】 上記条件が、吸気管圧力が設定圧力以上
    である条件、バッテリ電圧が設定電圧以上である条件、
    上記EGRバルブの駆動部の温度が設定温度以下である
    条件、及び、上記EGRバルブの上流側と下流側との差
    圧が設定値以下である条件のうち、少なくとも一つ以上
    の条件であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のエンジンのEGR制御装置。
  4. 【請求項4】 上記EGRバルブの駆動部の温度を、排
    気ガス温度によって推定することを特徴とする請求項3
    記載のエンジンのEGR制御装置。
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