JP2008163902A - 圧電ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ室に溜まった空気を確実に排出でき、吐出圧力を高めることができる圧電ポンプを提供する。
【解決手段】圧電素子21の中央部と対面するポンプ室12の内底面に台部16を形成し、台部16の外周に流入口14及び排出口15へ通じる流路部17を形成する。圧電素子21を屈曲変形させると、圧電素子21の中央部と台部16との隙間が狭いので、台部16の上に存在する液体が外周側の流路部17へ押し出され、空気は流路部17でトラップされる。さらに、ポンプ室12の容積変化に伴い、流路部17の液体は排出口15へと排出され、空気も一緒に排出される。
【選択図】 図2

Description

本発明は圧電ポンプ、詳しくは圧電素子によって屈曲変形するダイヤフラムを用いた容積変化型の圧電ポンプに関するものである。
特許文献1に示すように、ポンプ本体に圧電素子を有するダイヤフラムを固定し、その間にポンプ室を形成するとともに、ポンプ本体に流入口及び排出口を設け、圧電素子を駆動することによりダイヤフラムを屈曲変位させ、流入口から液体を吸い込み、排出口から液体を吐出する圧電ポンプが知られている。圧電ポンプは小型・薄型に構成できるとともに、低消費電力であることから、ノートパソコンの冷却水循環ポンプなどとして利用可能である。
このような圧電ポンプの特性として、圧力や流量のほかに、ポンプ室に入った空気を外部に排出する能力が求められている。しかしながら、上記構造の圧電ポンプでは、ポンプ室内に一旦空気が入ると、空気がポンプ室のコーナー部などに溜まってしまい、排出口から排出されない。その結果、空気が何時までもポンプ室内に残留し、大きな吐出圧力が得られないだけでなく、空気溜まりによって流路が狭くなるので、流体抵抗が増加するなどの不具合が発生する。液体輸送システムによっては、初期状態においてポンプ室に殆ど液体が入っておらず、空気でほぼ満たされている場合がある。このような初期状態からポンプを始動したとき、速やかに液体を吸い上げて正常なポンピング動作を開始する必要があるが、従来の圧電ポンプでは、ポンプ室が完全には液体で満たされず、空気がポンプ室内に残留してしまう。
特許文献2には、ポンプ室内に突起体を設け、吸込弁から吐出弁に向かう液体の直線的な流れを乱すことによって、ポンプ室の周縁に生じる淀みをなくし、空気を吐出弁から流出させる圧電ポンプが開示されている。しかしながら、上記の突起体は、ポンプ室の中央部付近に細い筋状の突起体を複数本設けたに過ぎないので、ポンプ室内を流れる液体の方向が少し変化するだけで、空気を積極的に押し出す機能は殆ど期待できない。また、ポンプ室が空気で満たされた初期状態から、ダイヤフラムをいくら駆動しても、ポンプ室を完全に液体で満たすのは困難である。
特開2002−202061号公報 特開2003−120541号公報
そこで、本発明の目的は、ポンプ室に溜まった空気を確実に排出でき、吐出圧力を高めることができる圧電ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ポンプ本体と、圧電素子を有し、ポンプ本体との間でポンプ室を形成するダイヤフラムと、ポンプ室に連通する流入口及び排出口とを備え、上記圧電素子を駆動することによりダイヤフラムを屈曲変位させ、上記流入口から液体を吸い込み、上記排出口から液体を吐出する圧電ポンプにおいて、上記ダイヤフラムの中央部と対面するポンプ室の内底面に、主面の面積がポンプ室の主面の面積より小さく、かつ高さがポンプ室の高さより低い台部が設けられ、上記台部の外周とポンプ室の内周との間に、上記流入口及び排出口へ通じる液体の流路部が形成されていることを特徴とする圧電ポンプを提供する。
本発明では、ダイヤフラムの中央部と対面するポンプ室の内底面に台部が設けられているので、ダイヤフラムの中央部と台部との隙間は狭く、ダイヤフラムを屈曲変位させた時に台部の上に存在する液体が速やかに台部の外周側へ押し出される。台部の外周部には流路部が形成されており、この流路部の高さは台部とダイヤフラムとの隙間より大きいので、流路部に集められた液体はこの流路部の中を円滑に流れ、排出口へと押し出される。そのため、ポンプ室内に空気溜まりがあっても、この空気を流路部へ押し出し、さらに液体の高速流れによって液体と同時に外部へ押し流すことができるので、空気溜まりを速やかに解消することができる。その結果、空気溜まりがポンプ室に残留することに伴う圧力低下や流体抵抗の増加などの不具合を解消できる。
ポンプ室が空気でほぼ満たされた初期状態からポンプを始動したとき、空気は圧縮性流体であるため、ポンプ室内の圧力変化が小さく、ポンプ室内に液体を吸い上げることが難しい。特に、液体の液面がポンプ室より下方にある場合に吸い上げが一層困難である。しかし、本発明ではポンプ室の内底面に台部が設けられているため、ポンプ室の容積が小さくなり、ダイヤフラムの変位に伴うポンプ室の容積変化率が大きくなる。そのため、ポンプ室内に大きな圧力変化を発生させることができ、速やかに液体を吸い上げて正常なポンピング動作を開始することが可能になる。さらに、容積変化率が大きいので、逆止弁が固着している場合であっても、固着状態を破って弁を開閉しやすくなり、始動することができる。また、吸込み圧力が高いので、流入口側の液体の液面が低い位置にある場合であっても、液体を引き込んで始動することができる。
好ましい実施の形態によれば、台部をポンプ室とほぼ相似形に形成し、流路部を台部の全外周に形成した構成としてもよい。台部の形状はポンプ室と非相似形であってもよく、例えば台部の一部がポンプ室の内側壁と連続していてもよい。しかし、相似形とした場合つまり台部がポンプ室の略中央に独立して島状に形成されている場合には、台部の全外周に流路部が形成されるので、ダイヤフラムが変位した時に台部上の液体が全外周に向かって均等に流れることができ、流体抵抗を少なくすることができる。
好ましい実施の形態によれば、台部の天面はポンプ室の底面と略平行に形成されているものがよい。台部の断面形状は任意であり、その頂面が平坦状である必要はなく、例えば中央部が山高な形状であってもよいが、台部の天面をポンプ室の底面と略平行に形成した場合には、頂面がほぼ平坦であるため、ダイヤフラムが変位した時に台部上の液体は台部の外周に向かって高速で一気に流れ、流路部へ押し出すことができる。そのため、空気の排出効果が高くなる。
本発明におけるダイヤフラムとしては、金属板や樹脂板などの弾性板の片面に平面方向に伸縮する圧電素子を貼り付けたユニモルフ型を用いてもよいし、弾性板の片面にそれ自体で屈曲変形する積層型圧電素子を貼り付けたものでもよく、さらに積層型の圧電素子のみでダイヤフラムを構成してもよい。積層型圧電素子のみでダイヤフラムを構成した場合には、圧電素子の周囲を保護膜で被覆してもよい。
好ましい実施の形態によれば、ダイヤフラムは、周辺側の第1領域と、中心側の第2領域とを有し、印加される電圧により、第1領域と第2領域とが逆方向に屈曲変位する積層型圧電素子で構成してもよい。ダイヤフラムとしては、上述のように金属板などの弾性板の片面に圧電素子を貼り付けたユニモルフ構造や、複数の圧電素子を積層した積層型構造等が知られているが、いずれの構造も電圧印加時のダイヤフラムの変位量が小さく、ポンプ室の容積変化も小さいため、印加電圧を高くする必要がある。これに対し、ダイヤフラムとして周辺側の第1領域と中心側の第2領域とが逆方向に屈曲変位する圧電素子を用いれば、印加電圧が低くてもダイヤフラムの変位量を大きくでき、ポンプ室の容積変化率を高めることができる。
以上のように、本発明によれば、ダイヤフラムの中央部と対面するポンプ室の内底面に台部を設け、台部の外周部に流路部を形成したので、ダイヤフラムを屈曲変位させた時に台部の上に存在する液体を外周側へ押し出し、流路部を通って排出口へと液体を効率よく押し出すことができる。また、ポンプ室の内底面に台部が設けられているために、ポンプ室の容積が小さくなり、ダイヤフラムの変位に伴うポンプ室の容積変化率が大きくなるので、ポンプ室内に大きな圧力変化を発生させることができる。そのため、ポンプ室内に空気溜まりがあっても、この空気を流路部から排出口へと効率よく排出することができ、空気溜まりを速やかに解消することができる。その結果、空気溜まりがポンプ室に残留することに伴う圧力低下や流体抵抗の増加などの不具合を解消できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
図1〜図4は圧電ポンプの第1実施例を示す。ここで、図1は本発明に係る圧電ポンプの第1実施例の全体平面図、図2は図1に示す圧電ポンプのII−II断面図、図3は図1に示す圧電ポンプのIII −III 断面図、図4は分解斜視図である。
この圧電ポンプPは、ポンプ本体10と、弾性膜20と、ダイヤフラムの一例である圧電素子21と、押え板30とを備えている。ポンプ本体10は、金属材料または樹脂材料のような高剛性材料で平板状に形成されている。ポンプ本体10には、流入側弁室の一部を構成する凹部11と、ポンプ室12となる凹部と、排出側弁室を構成する凹部13とが形成されている。流入側凹部11とポンプ室12との間には接続通路(流入口)14が形成され、排出側凹部13とポンプ室12との間には接続通路(排出口)15が形成されている。この実施例の接続通路14,15は、ポンプ室12の対角位置近傍に設けられている。
ポンプ室12は扁平な略直方体形状の空間であり、一方の開口面が弾性膜20によって閉じられ、他の壁面は剛体よりなるポンプ本体10によって囲まれている。ここではポンプ室12を平面視略方形状としたが、円形状でもよい。ポンプ室12の中央部、つまり圧電素子21の中央部と対向する部分には、ポンプ室12と相似形の台部16が形成されており、台部16の外周部には流路部17が形成されている。すなわち、台部16の外側面とポンプ室12の内側面とポンプ本体10の底面とによって流路部17が構成される。台部16の面積はポンプ室12の面積より小さく、かつ高さがポンプ室12の高さより低い。この実施例では、台部16は一定高さに形成され、流路部17は台部16の全外周に形成されている。流路部17は、接続通路14を介して流入側凹部11と連通し、接続通路15を介して排出側凹部13とも連通している。
台部16の面積は特に制約はないが、外周部に形成される流路部17の流体抵抗を所定以上に増加させない範囲でできるだけ大きな面積とするのが望ましく、例えばポンプ室12の面積の少なくとも1/4以上、好ましくは1/2以上とするのがよい。また、台部16の高さは、後述するように圧電素子21が屈曲変位したときに、圧電素子21が台部16の上面に接触しない範囲でできるだけ高くするのがよく、例えばポンプ室12の高さ(流路部17の高さ)の少なくとも1/4以上、好ましくは1/2以上とするのがよい。このような構成にすると、流路部17の流速が早くなり、より空気溜りを排出しやすくなる。
また、ポンプ室12は、その最長辺または直径に対して、厚みが1/50以下、1/1000以上である偏平な空間であることが好ましい。このような偏平なポンプ室の場合、ダイヤフラムの変位に伴うポンプ室の容積変化率が大きくなるので、ポンプ室内に大きな圧力変化を発生させることができ、ポンプ室が空気でほぼ満たされた初期状態からポンプを始動したときでも、速やかに液体を吸い上げて正常なポンピング動作を開始するという優れた効果が得られる。
弾性膜20は低ヤング率で厚さの薄い樹脂シートやゴムシート等からなり、ポンプ本体10の上面のほぼ全面に配置され、ポンプ本体10と押え板30との間で接着固定されている。弾性膜20の上面、特にポンプ室12と対応する部位に圧電素子21が接着されている。この実施例では、圧電素子21の面積はポンプ室12より大きく、圧電素子21の外周部は弾性膜20を介してポンプ本体10に固定されている。弾性膜20はポンプ室12および弁室11,13からの液漏れを防止するパッキングとしての役割と、ポンプ室12内の液体が圧電素子21に接触するのを防止する保護シートとしての役割とを有する。弾性膜20には、流入側凹部11と対応する位置に開口部20aが形成され、排出側凹部13と対応する位置には排出ポート20bと排出側逆止弁41とが設けられている。この排出側逆止弁41は、ポンプ室12から排出側弁室13への流体の流れは許容するが、逆方向への流れを阻止するものである。
押え板30には、圧電素子21と対応する箇所に開口穴31が形成されており、圧電素子21の背面側は開放されている。押え板30の下面、つまり弾性膜20と対向する面には、ポンプ本体10の流入側凹部11とで流入側弁室を構成する凹部32と、排出側ポートを構成する凹部33とが形成されている。流入側凹部32の天井面に流入ポート34が形成され、この流入ポート34を開閉する流入側逆止弁40が設けられている。この流入側逆止弁40は外部から流入側弁室11,32への流体の流れは許容するが、逆方向への流れを阻止するものである。排出側凹部33の天井面に排出穴35が形成されている。
図5は圧電素子21の具体的構造の一例を示す。圧電素子21は、両面に電極を形成し、全体を一様に同方向に分極した圧電セラミックスよりなる単板圧電体21a,21bを2枚貼り合せてバイモルフ型のアクチュエータとしたものである。貼り合せ後、図5の+記号の電極同士が導通し、−記号の電極同士が導通するように電極が引き出されている。層間の電極および表面の電極は、それぞれ中心電極22a〜22cと周辺電極23a〜23cとに分割されている。中心電極22a〜22cの領域が第1領域S1、周辺電極23a〜23cの領域が第2領域S2となっており、第1領域S1と第2領域S2とで分極方向(矢印で示す)は同一方向となっている。この実施例では、中心電極22a〜22cの面積と、周辺電極23a〜23cの面積とはほぼ等しく設定されているが、中心電極22a〜22cと周辺電極23a〜23cの面積比率は任意に変更できる。図5に正負記号で示すように電圧を印加すれば、第2領域S2は上に凸に変形し、第1領域S1は下に凸に変形する。電圧を反転すれば、第2領域S2は下に凸に変形し、第1領域S1は上に凸に変形する。このように圧電素子21に交番電圧を印加すると、第1領域S1と第2領域S2とが逆方向に変形するので、圧電素子21の中央部に両領域S1,S2の変位量の和に相当する大きな変位が得られる。
上記のように圧電素子21の外周部は、弾性膜20を挟んでポンプ本体10に対向した位置に接着されているため、圧電素子21の外周部は実質的に固定支持された構造になっている。上記のように、圧電素子21の周辺領域と中心領域とが逆方向に変形できる構造となっているので、外周部が固定支持された構造であっても、充分に大きな変形を行うことができる。したがって、ポンプ室12の体積を大きく増減させることができ、最大排除体積が大きくなる。
上記構造の圧電ポンプPにおいて、ポンプ室12に入った空気を外部に排出する動作を図6を用いて説明する。図6の(a)は、ポンプ室12の内部がほぼ液体で満たされており、一部に空気Aが入っている状態を示す。図6の(b)は圧電素子を駆動してポンプ室12に容積変化を起こさせた状態を示す。ポンプ室12の中央部に台部16が設けられ、圧電素子の中央部と台部16との隙間は狭いので、圧電素子を屈曲変位させた時に台部16の上に存在する液体が外周側へ押し出され、空気Aは小さな気泡A1に分断されて隙間の大きな流路部17でトラップされる。さらに、圧電素子の動作に伴ってポンプ室12が容積変化を起こすと、図6の(c)のように外周の流路部17に集められた液体は矢印方向に高速で流れるので、気泡A1も液体と一緒に排出口15より排出される。そのため、空気溜まりを速やかに解消することができる。なお、上記では、台部16上に空気Aが存在していた場合をもとに説明したが、通常、空気は隙間の大きいところに集まるので、図6の(a)のように台座上に空気が残留している場合よりも、最初からもともと図6の(b)のように流路部に空気トラップされて残留している場合が多い。が、このような場合であっても、本発明のような台部16を設けることによって、圧電素子が屈曲変位した場合には、台部16上の液体が流路部16に高速で流れ込み、流路部16の高速な液体の流れが生じるため、いずれの場合であっても、もともと図6(b)の隙間などに存在していた空気も効率よく空気を排出することができる。
図6に示すように、ポンプ室12の一部に空気Aが入っている場合だけでなく、ポンプ室12に殆ど液体が入っておらず、空気で満たされている初期状態からポンプPを始動する場合がある。この場合も、速やかに液体を吸い上げて正常なポンピング動作を開始する必要があるが、本発明の圧電ポンプPでは、ポンプ室12の内面に台部16が設けられているため、ポンプ室12の容積が小さくなり、圧電素子21の変位に伴うポンプ室12の容積変化率が大きくなる。そのため、ポンプ室12内に大きな圧力変化を発生させることができ、速やかに液体を吸い上げて正常なポンピング動作を開始することが可能になる。
本実施例では、次のような寸法の圧電ポンプPを製作し、圧電素子を±60Vとなるような矩形波(駆動周波数30Hz)で駆動したところ、ポンプ室内部に空気が入っても速やかに排出することができ、良好なポンピング動作が得られた。なお、印加電圧は矩形波に限らず、正弦波でも同様な結果が得られる。
ポンプ室:20mm×20mm×0.2mm
台部:16mm×16mm×0.1mm
流路部:幅4mm、高さ0.2mm
圧電素子:21mm×21mm×0.3mm,材料:PZT
弾性膜:厚さ12μmの樹脂フィルム
上記の場合には、台部16の面積はポンプ室12の64%であり、台部16の高さはポンプ12の50%である。台部16によってポンプ室12の容積は約32%減少している。
図7は圧電素子の第2実施例を示す。この圧電素子21Aも、第1実施例(図5参照)と同様に圧電セラミックスよりなる単板圧電体21a,21bを2枚貼り合せてバイモルフ型アクチュエータとしたものである。層間の電極および表面の電極は図5の例と同じであり、分極方向だけが異なる。つまり、同一圧電体層内における第1領域S1と第2領域S2との分極方向(矢印で示す)は逆方向で、かつ2つの圧電体層21a,21bは同一方向に分極されている。図7に正負記号で示すように、層間の電極と表面の電極との間に交番電圧を印加すれば、第1実施例と同様に第1領域S1と第2領域S2で逆方向に屈曲変位させることができる。この実施例では、駆動時に面内が同電位になるので、マイグレーションによるショートの危険が少ない。また、各電極間の導通が簡単である。駆動時に最外面をグランドにすることもできる。
図8は圧電素子の第3実施例を示す。この実施例の圧電素子21Bは、分極方向および表面の電極の構造は第2実施例と同様であるが、層間の電極24が連続したべた電極である点が異なる。つまり、層間の電極24は、第1領域S1と第2領域S2とにまたがるべた電極としても、表面の電極22a,23aおよび22c,23cが分割電極であれば、適切に分極処理を行うことができ、かつ駆動時に図8に正負記号で示すように電圧を印加することで、第1領域S1と第2領域S2を逆方向に屈曲変位させることができる。
図9は圧電素子の第4実施例を示す。この実施例の圧電素子21Cは、第3実施例のさらに変形例であり、分極方向および表面の電極の構造は第2実施例と同様であるが、表面の電極25,26が連続したべた電極である点が異なる。この場合も、層間の電極22b,23bが分割電極であるため、表面の電極25,26が連続したべた電極であっても、適切に分極処理を行うことができ、かつ駆動時に図9に正負記号で示すように電圧を印加することで、第1領域S1と第2領域S2を逆方向に屈曲変位させることができる。
図5,図7〜図9に示す圧電素子では、その外周端部まで第2領域S2が延びている例を示したが、外周端部でかつ第2領域S2より外側に、電圧印加しても変位しない中性領域を形成し、この中性領域をポンプ本体に固定してもよい。さらに、圧電素子は2枚の単板圧電体を貼り合わせたものに限らず、2層の圧電体を積層した後、焼成した積層構造体でもよい。さらに、積層数は2層に限らず、3層以上でもよい。
図10は本発明にかかる台部の変形例を示す。第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図10の(a)は台部16の中央部上面が山高な凸曲面状としたもの、図10の(b)は台部16全体をなだらかな山状としたもの、図10の(c)は台部16の外周がポンプ室12の内周面まで拡がった山状としたものである。このように台部16の上面は平坦である必要はない。
図11は本発明にかかるポンプ室の変形例を示す。なお、第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。ポンプ室12は平面視円形状とされ、その流入口14および排出口15が同一方向に隣接して設けられている。台部16の一部(流入口14と流出口15との間にある部分)16aがポンプ室12の内側壁に繋がっており、流路部17は台部16の部分16aによって遮断されている。この場合には、流入口14から入った液体がC字状の流路部17を通って排出口15から排出される。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々変更が可能である。上記実施例では、台部をポンプ本体に一体に形成した例を示したが、台部をポンプ本体と別部品で形成し、これをポンプ室の底面上に固定してもよい。また、ポンプ室の流入口および排出口の位置は、実施例のような対角位置や隣接位置に限らず、任意の位置に設定できる。また、台部および流路部の形状も任意である。
本発明のダイヤフラムは、圧電素子のみで構成したものに限らず、金属板や樹脂板などの弾性板に圧電素子を貼り付けた構造であってもよい。要するに、電圧印加によって屈曲変形し、ポンプ室の容積変化をもたらすものであればよい。本発明の圧電ポンプは小型・低背であるため、携帯機器等の冷却水循環ポンプや燃料電池の燃料供給用ポンプ等として有効であるが、これらの用途に限るものではない。
本発明に係る圧電ポンプの第1実施例の平面図である。 図1に示す圧電ポンプのII−II線断面図である。 図1に示す圧電ポンプのIII −III 線断面図である。 図1に示す圧電ポンプの分解斜視図である。 図1に示す圧電ポンプに用いられる圧電素子の概略断面図である。 本発明に係る圧電ポンプの空気を排出する原理を示す断面図である。 圧電素子の第2実施例の概略断面図である。 圧電素子の第3実施例の概略断面図である。 圧電素子の第4実施例の概略断面図である。 本発明にかかる圧電ポンプの台部の変形例を示す断面図である。 本発明にかかる圧電ポンプのポンプ室の変形例を示す断面図である。
符号の説明
P 圧電ポンプ
10 ポンプ本体
11 流入側凹部
12 ポンプ室
13 排出側凹部
14 接続通路(流入口)
15 接続通路(排出口)
20 弾性膜
21 圧電素子(ダイヤフラム)
30 押え板
40 流入側逆止弁
41 排出側逆止弁

Claims (4)

  1. ポンプ本体と、圧電素子を有しポンプ本体との間でポンプ室を形成するダイヤフラムと、ポンプ室に連通する流入口及び排出口とを備え、上記圧電素子を駆動することによりダイヤフラムを屈曲変位させ、上記流入口から液体を吸い込み、上記排出口から液体を吐出する圧電ポンプにおいて、
    上記ダイヤフラムの中央部と対面するポンプ室の内底面に、主面の面積がポンプ室の主面の面積より小さく、かつ高さがポンプ室の高さより低い台部が設けられ、
    上記台部の外周とポンプ室の内周との間に、上記流入口及び排出口へ通じる液体の流路部が形成されていることを特徴とする圧電ポンプ。
  2. 上記台部の形状はポンプ室とほぼ相似形に形成されており、上記流路部は上記台部の全外周に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電ポンプ。
  3. 上記台部の天面はポンプ室の底面と略平行に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電ポンプ。
  4. 上記ダイヤフラムは、中心側の第1領域と、周辺側の第2領域とを有し、印加される電圧により、上記第1領域と上記第2領域とが逆方向に屈曲変位する積層型圧電素子で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電ポンプ。
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