JP2008163750A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン低負荷時に吸気温度、或いは、シリンダ内の温度が低いためにおこる燃料の不完全燃焼を防止すべく、吸気側に暖気を送り込むことができ、なおかつ簡単な構成であり導入コストを低く抑えることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】シリンダヘッド6に低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジン1において、吸気ポート43と排気ポート44との間に連通孔51を設け、該連通孔51途中に該連通孔51の開口面積変更体60(シャフト62)を設け、該シャフト62を前記アクチュエータとなる感熱膨張体61で作動するようにし、高負荷時に該連通孔51に突出して開口面積が小さくなるように構成した。
【選択図】図4
【解決手段】シリンダヘッド6に低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジン1において、吸気ポート43と排気ポート44との間に連通孔51を設け、該連通孔51途中に該連通孔51の開口面積変更体60(シャフト62)を設け、該シャフト62を前記アクチュエータとなる感熱膨張体61で作動するようにし、高負荷時に該連通孔51に突出して開口面積が小さくなるように構成した。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンに関する。より詳細には、エンジン運転時の低負荷域においてエンジンの吸気温度を上昇させて燃焼を促進することで一酸化炭素排出量を低減する技術に関する。
従来、エンジンの性能を求める際に、高負荷域にて性能テストをした場合、低負荷域の圧縮端温度が低くなり、低負荷域において燃焼が促進されず不完全燃焼となり、一酸化炭素(CO)排出量が多くなっていた。逆に低負荷域における圧縮端温度を上げるように性能テストをした場合では、高負荷域でのエンジン性能を十分に発揮することができず、効率的な運転はできなかった。このようにエンジン性能を低下させずに低負荷域におけるCO排出量を低減することが困難であった。
前記COに限らず窒素酸化物(NOx)やパティキュレートマター(PM)等の人体や環境に悪影響を与える排出ガスに含まれる有害物質は規制の対象となっており、排出ガス内の有害物質含有量を低減させる技術が求められている。
例えば、排出ガス内に含まれるNOxを低減させるために、排出ガスの一部を吸気側に還流し再燃焼させる排出ガス再循環(EGR)機構を有するエンジンが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。一般にNOxは燃焼温度が高いほど発生しやすい事が知られており、該EGR機構は、エンジンから排出された不活性ガスの一部を吸気通路へ還流し、シリンダ内の燃焼温度を低下させることにより、NOxの低減を図るものである。
また、COの排出量を低減するものとして、排気ガスを攪拌することで排気ガスの部分的な温度低下を抑え、化学反応を促進させることで排気ガスに含まれる一酸化炭素や未燃炭化水素を低減することができる内燃機関の排気装置が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
前記COに限らず窒素酸化物(NOx)やパティキュレートマター(PM)等の人体や環境に悪影響を与える排出ガスに含まれる有害物質は規制の対象となっており、排出ガス内の有害物質含有量を低減させる技術が求められている。
例えば、排出ガス内に含まれるNOxを低減させるために、排出ガスの一部を吸気側に還流し再燃焼させる排出ガス再循環(EGR)機構を有するエンジンが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。一般にNOxは燃焼温度が高いほど発生しやすい事が知られており、該EGR機構は、エンジンから排出された不活性ガスの一部を吸気通路へ還流し、シリンダ内の燃焼温度を低下させることにより、NOxの低減を図るものである。
また、COの排出量を低減するものとして、排気ガスを攪拌することで排気ガスの部分的な温度低下を抑え、化学反応を促進させることで排気ガスに含まれる一酸化炭素や未燃炭化水素を低減することができる内燃機関の排気装置が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に開示された技術は、排気ガスの一部を吸気側に還流する機構を備えるエンジンにおいて、シリンダヘッドの排気ポートと吸気ポートとの間に配設される壁に連通孔を開口し、該連通孔を上下斜め方向に穿設したエンジンの排気還流装置である。
特許文献2に開示された技術は、内燃機関に接続され前記内燃機関の排気ガスを還流する排気管と、前記排気管に配設され排気ガスを上流側から下流側に送風する送風手段と、前記送風手段を制御する制御手段を有する内燃機関である。
特開2004−270632号公報
特開2006−194103号公報
特許文献2に開示された技術は、内燃機関に接続され前記内燃機関の排気ガスを還流する排気管と、前記排気管に配設され排気ガスを上流側から下流側に送風する送風手段と、前記送風手段を制御する制御手段を有する内燃機関である。
上述した特許文献1に開示された構成では、EGR配管を新たに導入する必要がなく、排気ポートと吸気ポートとを連通する加工も簡単で済み、コストを低減しつつEGR機構を構成でき、該EGR機構により排出ガスに含まれるNOxを低減することができる。また、EGR量を調整する手段として、吸気ポート或いは排気ポートに設けられる可変絞りと、ガバナ機構に具備されるコントロールレバー、感熱膨張体等とをリンク機構を介して連結連動させる方法を開示している。
しかし、EGR量を適切に調整するために新たにシリンダブロック内にリンク機構を設ける等の必要がある。このためシリンダブロック内の配置が限られることに加え、コスト面でも不利である。
また、特許文献2に開示された構成では、排気装置に排気ガス送風ファンと該排気ガス送風ファンを制御する制御手段とを設けて、エンジン低負荷時に該排気ガス送風ファンを作動させて排気ガスを攪拌することにより排気管内の部分的な温度低下を抑えて該排気管内のCOや、未燃炭化水素(HC)の化学反応を促進することができ、排気ガス内に含まれるCO量を抑えることができる。
しかし、この構成においても、新たに送風手段等を設ける必要がありコスト面で不利がある。
しかし、EGR量を適切に調整するために新たにシリンダブロック内にリンク機構を設ける等の必要がある。このためシリンダブロック内の配置が限られることに加え、コスト面でも不利である。
また、特許文献2に開示された構成では、排気装置に排気ガス送風ファンと該排気ガス送風ファンを制御する制御手段とを設けて、エンジン低負荷時に該排気ガス送風ファンを作動させて排気ガスを攪拌することにより排気管内の部分的な温度低下を抑えて該排気管内のCOや、未燃炭化水素(HC)の化学反応を促進することができ、排気ガス内に含まれるCO量を抑えることができる。
しかし、この構成においても、新たに送風手段等を設ける必要がありコスト面で不利がある。
係る問題点を鑑み、本発明において解決すべき課題は以下のとおりである。
すなわち、エンジン低負荷時に吸気温度、或いは、シリンダ内の温度が低いためにおこる燃料の不完全燃焼を防止すべく、吸気側に暖気を送り込むことができ、なおかつ簡単な構成であり導入コストを低く抑えることができる技術を提供することを目的とする。
すなわち、エンジン低負荷時に吸気温度、或いは、シリンダ内の温度が低いためにおこる燃料の不完全燃焼を防止すべく、吸気側に暖気を送り込むことができ、なおかつ簡単な構成であり導入コストを低く抑えることができる技術を提供することを目的とする。
また、前述の目的に加えて燃焼室内に吸い込まれる吸気の温度を高くする技術を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、吸気ポートと排気ポートとの間に連通孔を設け、該連通孔途中に連通孔の開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に開口面積変更体が該連通孔に突出して開口面積が小さくなるように構成したものである。
請求項2においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、吸気マニホールドと排気マニホールドとの間に連通パイプを設け、該連通パイプ途中に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に開口面積変更体が連通パイプの断面積が小さくなるように構成したものである。
請求項3においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、前記シリンダヘッド側部にエアクリーナを配置し、該エアクリーナの吸入側とシリンダの冷却風排出側との間に排風還流通路を設け、該排風還流通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に排風還流通路の開口面積が小さくなるように構成したものである。
請求項4においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、前記エンジンの排気側に排気温度を検知する排気温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド側部にエアクリーナを配置し、該エアクリーナの吸入側とシリンダの冷却風排出側との間に排風還流通路を設け、該排風還流通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該排気温度センサと接続して、該排気温度センサによって検知される排気温度に応じて該モータを駆動して該排風還流通路の開口面積を変更するように構成したものである。
請求項5においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、前記エンジンの排気側に排気温度を検知する排気温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド上を一側から他側へ冷却風が通過するように構成し、該冷却風通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該排気温度センサと接続して、該排気温度センサによって検知される排気温度に応じて該モータを駆動して該冷却風通路の開口面積を変更するように構成したものである。
請求項6においては、シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、前記シリンダヘッドの温度を検知するシリンダヘッド温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド上を一側から他側へ冷却風が通過するように構成し、該冷却風通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該シリンダヘッド温度センサと接続して、該シリンダヘッド温度センサによって検知されるシリンダヘッド温度に応じて該モータを駆動して該冷却風通路の開口面積を変更するように構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の如く構成したので、低負荷時において、吸気温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、低負荷時にEGR還元率を上げることができ、NOx排出量をも低減可能である。さらには、電源等が不要な感熱膨張体を使用するので、コスト面で優れている。
本発明のエンジンによれば、低負荷時に温度が高い排出ガスを吸気側に還流し、エンジンの負荷が大きくなり、排気温度が上昇すると、アクチュエータが作動して還流量を減少させるので、前記特許文献1のようなEGR機構に比すると高負荷時の性能を犠牲にせず、低負荷時においてCOの排出量を低減できるという点で優れている。
請求項2の如く構成したので、低負荷時において、吸気温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、低負荷時にEGR還元率を上げることができ、NOx排出量をも低減可能である。さらには、電源等が不要な感熱膨張体を使用するので、コスト面でも優れ、該感熱膨張体をマニホールド近傍に配置することで、組み立て、メンテナンスが容易である。
請求項3の如く構成したので、低負荷時において、吸気温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、電源等が不要な感熱膨張体を使用するので、コスト面で優れている。
請求項4の如く構成したので、低負荷時において、吸気温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、排気温度に応じてモータにより開口面積を変更するので、正確に作動させることができる。
請求項5の如く構成したので、低負荷時において、冷却風がシリンダヘッド上を流れにくくするため、シリンダ内の燃焼温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、排気温度に応じてモータにより開口面積を変更するので、正確に作動させることができる。
請求項6の如く構成したので、低負荷時において、冷却風がシリンダヘッド上を流れにくくするため、シリンダ内の燃焼温度を上昇させて燃焼を促進できるので、COの排出量を低減できる。また、シリンダヘッド温度に応じてモータにより開口面積を変更するので、正確に作動させることができる。
以下に、本発明に係るエンジンについて、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例に係るエンジンの正面一部断面図、図2は同じく側面図、図3はシリンダヘッドの平面断面図、図4はシリンダヘッドの側面断面図、図5は開口面積変更体の正面断面図である。図6は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図である。図7は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図である。図8は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図、図9は同じく制御ブロック図である。図10は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図、図11は同じく制御ブロック図である。なお、図2中に示す矢印Aの指す方向を前方向とし、以下の前後左右を決定している。
図1は本発明の一実施例に係るエンジンの正面一部断面図、図2は同じく側面図、図3はシリンダヘッドの平面断面図、図4はシリンダヘッドの側面断面図、図5は開口面積変更体の正面断面図である。図6は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図である。図7は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図である。図8は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図、図9は同じく制御ブロック図である。図10は本発明の別実施例に係るシリンダヘッドの平面断面図、図11は同じく制御ブロック図である。なお、図2中に示す矢印Aの指す方向を前方向とし、以下の前後左右を決定している。
まず、本発明に係るエンジンの全体構成から説明する。
図1に示すように、エンジン1は本体の上部をシリンダブロック2、下部をクランクケース5とし、シリンダブロック2は中央に上下方向にシリンダ2aを形成してピストン4を収納し、クランクケース5にはクランク軸3が軸支され、該ピストン4とクランク軸3の間はコンロッド17により連結している。シリンダブロック2の上部がシリンダヘッド6により覆われ、該シリンダヘッド6の上部はボンネット7により覆われて弁腕室を構成し、該ボンネット7の一側(本実施例では左側)にマフラー8が配置され、他側(本実施例では右側)に燃料タンク9が配置されている。
図1に示すように、エンジン1は本体の上部をシリンダブロック2、下部をクランクケース5とし、シリンダブロック2は中央に上下方向にシリンダ2aを形成してピストン4を収納し、クランクケース5にはクランク軸3が軸支され、該ピストン4とクランク軸3の間はコンロッド17により連結している。シリンダブロック2の上部がシリンダヘッド6により覆われ、該シリンダヘッド6の上部はボンネット7により覆われて弁腕室を構成し、該ボンネット7の一側(本実施例では左側)にマフラー8が配置され、他側(本実施例では右側)に燃料タンク9が配置されている。
また、図2に示すように、前記シリンダヘッド6の前側側面には排気マニホールド22がフランジを介して取り付けられ、該排気マニホールド22の先端がシリンダヘッド6の右側方に配置されたマフラー8に接続されている。一方、シリンダヘッド6の後側側面には吸気マニホールド21が取り付けられ、該吸気マニホールド21の先端にシリンダヘッド6の後側方に配置されたエアクリーナ20が接続されている。
前記エアクリーナ20の下方には冷却ファン23が配置されている。冷却ファン23は前記クランクケース5から延出されるクランク軸3の端部に固定されたフライホイール24と、該フライホイール24の外側外周部に固設された複数のフィン25とからなり、クランクケース5及びシリンダブロック2に取り付けられたファンケース26により覆われて、ファンケース26内に吸い込んだ空気を冷却風としてシリンダブロック2や、ファンケース26上方に配置されるガイド27を介してシリンダヘッド6などに送り、これらの部材を冷却風で冷却するように構成されている。
また、図3に示すように、前記シリンダヘッド6においては、その中央部に排気バルブ用挿入孔42と吸気バルブ用挿入孔41とが前後に並設され、該排気バルブ用挿入孔42に排気ポート44が連通され、該吸気バルブ用挿入孔41に吸気ポート43が連通されている。該排気ポート44と吸気ポート43とはシリンダヘッド6の左右略中央に位置するように形成されており、排気ポート44の出口46がシリンダヘッド6の前側側面に開口され、吸気ポート43の入口45がシリンダヘッド6の後側側面に開口されている。
図1において、前記シリンダブロック2下部のクランクケース5内にはガバナ11が配置され、その上部に燃料噴射ポンプ12が配置されている。該燃料噴射ポンプ12はクランク軸3上に設けた歯車18を介してカム軸13上に設けたカムギヤ15に動力が伝えられ、該カム軸13の前後中央上に設けたポンプ駆動カム14が前記燃料噴射ポンプ12のプランジャを押し引きして燃料タンク9からの燃料を吸入して、高圧管を介して燃料噴射ノズル10に所定のタイミングで所定量の燃料を供給するようにしている。該燃料噴射ポンプ12の燃料供給量はコントロールレバー16を回動することによってプランジャのストロークを変更して燃料噴射量を調節できるようにしている。
前記ガバナ11は前記カム軸13上に固設した歯車より動力が伝えられる。該ガバナ11の一端にはガバナウエイトが設けられて回転数が増加すると開くようにし、他端のアーム先端にガバナレバーの当接部と当接するように配置されている。また、該ガバナレバーの他端はコントロールレバー16の一端と係合されている。
前記ガバナ11と燃料噴射ポンプ12との間に適宜のガバナ機構を介して、該ガバナ11と該燃料噴射ポンプ12とを連結連動して、エンジン1のクランク軸3の回転数が上昇すると、歯車等を介して該ガバナ機構に回転力が伝えられ、回転数の上昇と共に遠心力によりコントロールレバー16を回動して燃料噴射量を増加させて設定回転数で運転できるようにしている。
図4に示すように、吸気弁49と排気弁50とは前記ピストン4の上方に配置され、夫々の弁頭をシリンダヘッド6下面に形成したバルブシートに着座させ、シリンダブロック2に形成したシリンダ2aとシリンダヘッド6に形成した吸気ポート43と排気ポート44との間に配置している。該吸気ポート43は吸気マニホールド21を介してエアクリーナ20と連通され、排気ポート44は排気マニホールド22を介してマフラー8と連通されている。吸気弁49・排気弁50はシリンダヘッド6を上方に貫通してボンネット7内に突出され、該ボンネット7内においてバネを外嵌して吸気弁49・排気弁50を上方に摺動するように付勢して夫々の弁を閉じるようにしている。
また、該吸気弁49と排気弁50との間でシリンダヘッド6により隔てられてシリンダ2aの中心上方位置に燃料噴射ノズル10の先端(吐出部)が挿入されて、シリンダ2a内に燃料を噴射できるようにしている。
また、該吸気弁49と排気弁50との間でシリンダヘッド6により隔てられてシリンダ2aの中心上方位置に燃料噴射ノズル10の先端(吐出部)が挿入されて、シリンダ2a内に燃料を噴射できるようにしている。
前記吸気ポート43はシリンダヘッド6に配設した吸気弁49に空気を送るために設ける連通孔部であり、エアクリーナ20と接続する構成として、該エアクリーナ20の下方に配設したファンによりファンケース26内に吸い込んだ空気の一部をエアクリーナ20に導き、エアクリーナ20を介して吸気ポート43に空気が導入されるようにしている。
そして、前記シリンダヘッド6の吸気ポート43と排気ポート44との間に配設される壁にEGR通路として連通孔51が開口される。該連通孔51は平面視でシリンダ2aの略中央部に開口され、該連通孔51を介して吸気ポート43と排気ポート44とを連通することで、排気バルブ孔から排気ポート44に排出される排気ガスの一部を吸気ポート43に還流可能として、排気ガス再循環(EGR)機構が構成されている。該連通孔51は、排気マニホールド22に連通する孔より孔開け加工が容易となるように、正面断面視で上下斜め方向に穿設されており、本実施例においては、その排気側の開口44aが吸気側の開口43aより高くなるように傾斜して連通孔51が穿設されている。
したがって、簡単な構成でEGR機構を構成することができ、シリンダ2a内に流入する還流排気ガスにより燃焼ガス温度の上昇を抑えて、NOxを低減できる。また、EGR通路をシリンダヘッドと一体的に構成できるので、従来の如く排気ガスを還流するための配管が不要となって、コストの低減を図ることができる。
したがって、簡単な構成でEGR機構を構成することができ、シリンダ2a内に流入する還流排気ガスにより燃焼ガス温度の上昇を抑えて、NOxを低減できる。また、EGR通路をシリンダヘッドと一体的に構成できるので、従来の如く排気ガスを還流するための配管が不要となって、コストの低減を図ることができる。
しかし、上記のようなエンジンにおいて、エンジン性能を求める際に高負荷域にて性能試験を行なっていたため、低負荷域の圧縮端温度が低くなって、燃焼室内の燃焼が促進されず、COの排出量が多くなるという問題があった。そこで、低負荷域において燃焼温度を高くする構成を有するエンジンを提供する。すなわち本実施例では、低負荷域においてEGR還流により温度の高い排気ガスを吸気側に還流し燃焼を促進させ、逆に、高負荷域においてはEGR還流量を少なくしてエンジン性能を犠牲にしないようにする技術を提供する。
例えば図3〜図5に示すように、前記EGR機構を有するエンジンにおいて、EGR通路(本実施例では連通孔51)内にエンジンの負荷を感知できる開口面積変更体(或いは、開閉弁等)60を設ける。ここで、図5における矢印Bの指す方向を上方向とし、以下の上下左右方向を決定する。
該開口面積変更体60は後述する感熱膨張体61、シャフト62、第一ストッパ63、第二ストッパ64、バネ65、及びケース66等からなる。該感熱膨張体61は、膨張体61aと、ピストン61bと、ケース61cとからなり、該膨張体61a及びピストン61bはケース61c内に収納されている。該膨張体61aは、ワックスや形状記憶合金等の感熱材を内装してなり、温度上昇に伴ってその体積が増加する、または、それ自体が伸長するように、かつ、所定の温度以下では膨張しないようにその成分が調整されている。また、該ケース61c内側の下端に膨張体61aを内装し、該膨張体61aの上部にピストン61cを配置している。ケース61cの上面は該ピストン61cが上方に突出可能なように開口され、ケース66の下面に固設している。そして、該膨張体61aが膨張すると、ピストン61bを押し出してケース61cの外側上方に突出するようにしている。
該開口面積変更体60は後述する感熱膨張体61、シャフト62、第一ストッパ63、第二ストッパ64、バネ65、及びケース66等からなる。該感熱膨張体61は、膨張体61aと、ピストン61bと、ケース61cとからなり、該膨張体61a及びピストン61bはケース61c内に収納されている。該膨張体61aは、ワックスや形状記憶合金等の感熱材を内装してなり、温度上昇に伴ってその体積が増加する、または、それ自体が伸長するように、かつ、所定の温度以下では膨張しないようにその成分が調整されている。また、該ケース61c内側の下端に膨張体61aを内装し、該膨張体61aの上部にピストン61cを配置している。ケース61cの上面は該ピストン61cが上方に突出可能なように開口され、ケース66の下面に固設している。そして、該膨張体61aが膨張すると、ピストン61bを押し出してケース61cの外側上方に突出するようにしている。
また、該ケース61cの上方にはシャフト62と、第一ストッパ63と、第二ストッパ64と、バネ65とを収納するケース66が連結される。該ケース66は、その上面に該シャフト62が突出可能な開口孔を有し、その内側面の上下略中途部に突出部67を有する、さらにその下端面は前記ピストン61cが貫通可能なように開口部を有する。該シャフト62はケース66内を上下方向に摺動可能とし、その中途部には第一ストッパ63を貫通しており、その下端には第二ストッパ64が固定される、さらにその上端はケース66の上面にある開口孔から突出している。また、該シャフト62の下端側から外周にバネ65が外嵌される。該バネ65は第二ストッパ64とケース66の内側の突出部67の間に配置され、第二ストッパ64(つまり、シャフト62)を下方に付勢している。すなわち、シャフト62が最下部にあるときは、該第一ストッパ63の下面は前記突出部67の上端に当接するとともに、第二ストッパ64の下面はケース66の内側下端部に当接している。また、該第二ストッパ64の下面は前記ピストン61bの上端と当接または固設されている。一方シャフト62が上方に摺動した場合は、ケース66内側上端面に当接して、該シャフト62が所定範囲より上方に出ないようにしている。すなわち、シャフト62の摺動範囲は、突出部67を設ける位置に依存する。このため、大きさの異なるエンジンに対して適用することを考えると、突出部67の位置は適宜変更可能に構成しておくことが好ましい。但し、開口面積変更体60の構造は前記構造に限定するものではなく、ケース66内の第二ストッパ64と底部の間に膨張体61aを封入する構成としたり、第一ストッパを省いたりする構成とすることも可能である。
このように、膨張体61が膨張しない所定温度以下の時は、シャフト62はバネ65によって下方に付勢され、膨張体61が膨張する温度を感知すると、その膨張力とバネ65の付勢力の差に応じて前記ピストン61bが第二ストッパ64を上方に押し出し、その結果シャフト62が上方に摺動する構成である。
このように、膨張体61が膨張しない所定温度以下の時は、シャフト62はバネ65によって下方に付勢され、膨張体61が膨張する温度を感知すると、その膨張力とバネ65の付勢力の差に応じて前記ピストン61bが第二ストッパ64を上方に押し出し、その結果シャフト62が上方に摺動する構成である。
そこで、図4に示すように上述の開口面積変更体60を前記排気ポート44と吸気ポート43との間に連通される連通孔51内中途部に設ける。つまり、シャフト62が伸長した時に連通孔51を閉じ、縮小した時に連通孔51を開けるように構成しておく。このように構成することによって以下に示すような効果が得られる。
エンジンの負荷が小さいときは燃料噴射量が減少させられるため、エンジン内の温度が低く膨張体61は膨張せず、連通孔51は全開状態であり、温度の高いEGRガスを吸気側に還流することで、燃焼温度を高くすることができ、完全燃焼を促進することができるのでCOの排出量を削減することができる。また、EGR率を高めることができ、NOxの排出量を低減することもできる。
他方、エンジンの負荷が大きいときは燃料噴射量が増加されエンジン内の温度も上昇し、膨張体61はエンジン内の温度(本実施例ではシリンダブロック2内の温度)を感知して膨張を始め、徐々に連通孔51の断面積を減少させてEGRガスを吸気ポート43に戻す量を少なくするので、吸気に含まれる不活性ガスの量が減少し、酸素割合が多くなり完全燃焼できてCOを減少して、高負荷時のエンジン性能を犠牲にすることがなくなる。
また、開口面積変更体60をユニットとしてシリンダヘッド6に対して着脱可能に構成しておくことで、メンテナンスを容易にできるとともに仕様に応じて付け替えも容易にできる。
エンジンの負荷が小さいときは燃料噴射量が減少させられるため、エンジン内の温度が低く膨張体61は膨張せず、連通孔51は全開状態であり、温度の高いEGRガスを吸気側に還流することで、燃焼温度を高くすることができ、完全燃焼を促進することができるのでCOの排出量を削減することができる。また、EGR率を高めることができ、NOxの排出量を低減することもできる。
他方、エンジンの負荷が大きいときは燃料噴射量が増加されエンジン内の温度も上昇し、膨張体61はエンジン内の温度(本実施例ではシリンダブロック2内の温度)を感知して膨張を始め、徐々に連通孔51の断面積を減少させてEGRガスを吸気ポート43に戻す量を少なくするので、吸気に含まれる不活性ガスの量が減少し、酸素割合が多くなり完全燃焼できてCOを減少して、高負荷時のエンジン性能を犠牲にすることがなくなる。
また、開口面積変更体60をユニットとしてシリンダヘッド6に対して着脱可能に構成しておくことで、メンテナンスを容易にできるとともに仕様に応じて付け替えも容易にできる。
本発明の他の実施例について説明する。
本実施例では、排気マニホールドと吸気マニホールドとの間にEGR配管を設けて排気ガスの一部を還流するEGR機構を有するエンジンについて本発明を適用する場合について説明する。
本実施例では、排気マニホールドと吸気マニホールドとの間にEGR配管を設けて排気ガスの一部を還流するEGR機構を有するエンジンについて本発明を適用する場合について説明する。
図6に示すように、本実施例のエンジン1は排気マニホールド22と吸気マニホールド21との間にEGR管(連通パイプ)29を連通して設け排気ガスの一部を吸気側へと還流するEGR機構を有している。該EGR管29はパイプ状に構成してシリンダブロック2の内部ではなく外側を周回するごとく配置され、他の機器と干渉しないように配設されている。
そして、該EGR管29に前述の開口面積変更体60に備わるシャフト62が突出可能な開口孔を設け、該開口面積変更体60を排気マニホールド22近傍に配置する。該開口面積変更体60は排気温度に応じてシャフト62を伸縮させるように排気マニホールド22またはマフラー8近傍に配置されるが、シリンダブロック2またはシリンダヘッド6の温度に応じて伸縮するようにシリンダブロック2またはシリンダヘッド6近傍に配置することも可能である。なお、前記EGR管29の仕様については、本実施例に表したものに限らず本発明を適用可能であることは言うまでもない。
このように構成したことで、実施例1と同様の効果を得ることができる。
そして、該EGR管29に前述の開口面積変更体60に備わるシャフト62が突出可能な開口孔を設け、該開口面積変更体60を排気マニホールド22近傍に配置する。該開口面積変更体60は排気温度に応じてシャフト62を伸縮させるように排気マニホールド22またはマフラー8近傍に配置されるが、シリンダブロック2またはシリンダヘッド6の温度に応じて伸縮するようにシリンダブロック2またはシリンダヘッド6近傍に配置することも可能である。なお、前記EGR管29の仕様については、本実施例に表したものに限らず本発明を適用可能であることは言うまでもない。
このように構成したことで、実施例1と同様の効果を得ることができる。
本発明の他の実施例について説明する。
本実施例では、エンジンのクランク軸によって駆動される冷却ファンからの冷却風をシリンダヘッド上方に導入しシリンダを冷却するいわゆる空冷式のエンジンについて本発明を適用する場合について説明する。
本実施例では、エンジンのクランク軸によって駆動される冷却ファンからの冷却風をシリンダヘッド上方に導入しシリンダを冷却するいわゆる空冷式のエンジンについて本発明を適用する場合について説明する。
図7に示すように、前記シリンダヘッド6の後側側面に開口された吸気ポート43の入口45の右側には導入口52が設けられ、該導入口52より前記冷却ファン23からの冷却風がシリンダヘッド6内に導入されるように構成されている。
また、前記シリンダヘッド6の前側側面に開口された排気ポート44の左側に第一排出口53、前記吸気ポート43の入口45の左側に第二排出口54が設けられ、該第一排出口53、及び、第二排出口54から前記導入口52より導入された冷却風が排出されるように構成されている。
そして、前記シリンダヘッド6内において、吸気バルブ用挿入孔41上に配置される吸気弁の支持部47と、排気バルブ用挿入孔42上に配置される排気弁の支持部48との間には、該導入口52から導入される冷却風通路と、該第一排出口53及び第二排出口54とを連通する冷却風通路56が形成される。該冷却風通路56は、該導入口52から導入された冷却風を第一排出口53及び第二排出口54に向かって流すものであり、その中途部に燃料噴射ノズルの支持部を配置して排気弁50と吸気弁49とに加えて燃料噴射ノズル10にも冷却風を送風して冷却できるようにしている。
さらに、このように構成されるシリンダヘッド6の後側側面に前記吸気マニホールド21が取り付けられるようになっている。該吸気マニホールド21はエアクリーナ20からの空気を吸入する。また、シリンダブロック2には冷却ファン23からの冷却風を導入口52からシリンダヘッド6内へ案内するガイド27が設けられ、更に、冷却風をシリンダヘッド6からエアクリーナ20に導くためのダクト28が設けられている。左右両側のガイド27とダクト28は一体的に形成されている。
以上のような構成において、シリンダヘッド6の後側側面に吸気マニホールド21が取り付けられると、ダクト28によりシリンダヘッド6の吸気ポート43がエアクリーナ20と連通され、ガイド27によりシリンダヘッド6内とファンケース26内とが導入口52を通じて連通される。これにより、冷却ファン23から送風される冷却風は、ファンケース26から上方に流れ出ると、ガイド27により案内されて導入口52からシリンダヘッド6内に導入される。
そして、導入口52からシリンダヘッド6内に導入された冷却風は、冷却風通路56を流れ、第一排出口53、及び、第二排出口54から排出される。
そして、導入口52からシリンダヘッド6内に導入された冷却風は、冷却風通路56を流れ、第一排出口53、及び、第二排出口54から排出される。
そこで、吸気温度を上げるために、第二排出口54の左右中央部より後方側に延出して冷却風の排風をエアクリーナ20側に戻す排風還流通路57を設け、該排風還流通路57内に該通路の断面積を変更する前記開口面積変更体60を配置する。該開口面積変更体60のシャフト62はシリンダヘッド6またはシリンダブロック2の温度に応じて伸縮するようにシリンダヘッド6またはシリンダブロック2近傍に配置される。
本実施例において、該開口面積変更体60のシャフト62の摺動範囲は通路を全開状態から全閉状態にするまでとし、エンジン低負荷時には、シリンダヘッド6内を冷却し、温度が上昇した冷却風の排風をエアクリーナ20に戻して吸気温度を上昇させて燃焼を促し、COの排出量を低減することができる。一方、エンジン高負荷時は排風還流通路57を完全に塞いで、吸気をエアクリーナ20からによるものだけにすることで、高負荷時に吸気温度を上げることはなく、NOxの排出量も低減でき、高負荷時のエンジン性能を犠牲にしなくてすむ。
なお、本実施例と同様の効果をもたらす別実施例として、図8及び図9に示すように前記開口面積変更体60に代えて、開口面積を変更するアクチュエータとしてモータ或いはソレノイド等と、該アクチュエータに連結される遮蔽版と、シリンダ内の温度を検知する手段としてシリンダヘッドの温度、或いは、排気温度を検知する温度センサとを設けて、該アクチュエータと温度センサとを接続し、温度に応じてアクチュエータを作動させる構成をとることもできる。
すなわち、図9(a)の制御ブロック図に示すように、前記温度センサ102(本実施例では排気温度センサ)と、ECU(Engine Control Unit)100とを接続し、該ECU100とアクチュエータ101とを接続する。また、該ECUにはエンジンを制御するための他のセンサや他のアクチュエータ等が接続されている。そして該アクチュエータ101と遮蔽版103とを連結させる。該遮蔽版103は排風還流通路57内側の断面と略同じ形状であり、該排風還流通路57を完全に塞ぐことができるものとする。
続いて、図9(b)の制御フロー図を用いて本実施例に係る制御フローを説明する。まず、COの排出量が少なくなるシリンダヘッドの温度Tch或いは排気温度Texを予め求めて設定温度Tsetとして該ECU100に記憶させておいて、エンジンの運転開始後、温度センサ102により検知された温度Tが、設定温度Tset以上になれば(S110:YES)、アクチュエータ101を作動させて遮蔽版103を前記排風還流通路57に突出させて該排風還流通路57を塞ぐ(S111)ように構成して、エンジン高負荷時において吸気側に高い温度の吸気を供給することがなく、燃焼温度の上昇を助長することがないため、高負荷時におけるNOxの発生を抑制することができ、エンジン性能を犠牲にすることもない。他方、温度Tが設定温度Tset未満の時(S110:NO)にはCOの排出量が多いと判断され、アクチュエータ101を作動させず、排風還流通路57を開状態のままにして、排風を吸気側に供給して吸気温度を上げることでCOの排出量を低減することが可能となる。
なお、温度センサ102は上述のものに限らず、エンジンの負荷の高低により変化するものであって、CO排出量と相関関係のあるものであればよい。
本実施例では、アクチュエータ101の作動を「設定温度Tset以上の時に該排風還流通路57を全閉状態にする。」としたが、この作動を「温度Tが設定温度Tsetに達するまで、該温度Tに応じて徐々に遮蔽版103を排風還流通路57全閉状態まで動かす。」ように構成してもよい。
なお、温度センサ102は上述のものに限らず、エンジンの負荷の高低により変化するものであって、CO排出量と相関関係のあるものであればよい。
本実施例では、アクチュエータ101の作動を「設定温度Tset以上の時に該排風還流通路57を全閉状態にする。」としたが、この作動を「温度Tが設定温度Tsetに達するまで、該温度Tに応じて徐々に遮蔽版103を排風還流通路57全閉状態まで動かす。」ように構成してもよい。
本発明の他の実施例について説明する。
本実施例では、実施例3で説明した空冷式のエンジンについて、エンジン低負荷時の吸気温度を上昇させる方法として、シリンダヘッド内を通過する冷却風量を減少させて燃焼温度を上げる技術について、本発明を適用する場合について説明する。
本実施例では、実施例3で説明した空冷式のエンジンについて、エンジン低負荷時の吸気温度を上昇させる方法として、シリンダヘッド内を通過する冷却風量を減少させて燃焼温度を上げる技術について、本発明を適用する場合について説明する。
図10に示すように、冷却ファン23からの冷却風をシリンダヘッド6内に導入する導入口52近傍に位置する冷却風導入通路(冷却風通路)55に前述のアクチュエータ101を配置し、該アクチュエータ101の先端に遮蔽版103を連結する。また、実施例3と同様にシリンダヘッド温度或いは排気温度を検知する温度センサ102を配置し、該アクチュエータ101と温度センサ102とをそれぞれECU100に接続する。なお、該遮蔽版103は、冷却風を遮るのに十分な大きさを有するものとする。
そして、図11(a)の制御ブロック図に示すように、前記温度センサ102(本実施例では排気温度センサ)と、ECU100とを接続し、該ECU100とアクチュエータ101とを接続する。また、該ECUにはエンジンを制御するための他のセンサや他のアクチュエータ等が接続されている。
続いて、図11(b)の制御フロー図を用いて本実施例に係る制御フローを説明する。まず、COの排出量が少なくなるシリンダヘッドの温度Tch或いは排気温度Texを予め求めて設定温度Tsetとして該ECU100に記憶させておいて、エンジンの運転開始後、温度センサ102により検知された温度Tが、設定温度Tset以上になれば(S120:YES)、アクチュエータ101を作動させて遮蔽版103を前記冷却風導入通路55から退避(縮小)させて該冷却風通路を開ける(S121)ように構成して、エンジン高負荷時において十分な冷却風がシリンダヘッド6内に通るようにするので、燃焼温度の上昇を助長することがないため、高負荷時におけるNOxの発生を抑制することができ、エンジン性能を犠牲にすることもない。他方、温度Tが設定温度Tset未満の時(S120:NO)にはCOの排出量が多いと判断され、アクチュエータ101を作動させて遮蔽版103を突出し、冷却風導入通路55をほぼ塞いだ状態のままにして、エンジンの冷却を抑制することで、燃焼温度を上昇させてCOの発生を抑制することができる。
なお、温度センサ102は上述のものに限らず、エンジンの負荷の高低により変化するものであって、CO排出量と相関関係のあるものであればよい。
本実施例では、アクチュエータ101の作動を「設定温度Tset以上の時に冷却風通路55を全開状態にする。」としたが、この作動を「温度Tが設定温度Tsetに達するまで、該温度Tに応じて徐々に遮蔽版103を冷却風導入通路55全開状態まで動かす。」ように構成してもよい。
なお、温度センサ102は上述のものに限らず、エンジンの負荷の高低により変化するものであって、CO排出量と相関関係のあるものであればよい。
本実施例では、アクチュエータ101の作動を「設定温度Tset以上の時に冷却風通路55を全開状態にする。」としたが、この作動を「温度Tが設定温度Tsetに達するまで、該温度Tに応じて徐々に遮蔽版103を冷却風導入通路55全開状態まで動かす。」ように構成してもよい。
このように構成したので、エンジン低負荷時においてシリンダヘッド6内に導入する冷却風量を低減させることでエンジン冷却を抑制して燃焼温度を上昇させるので、燃焼室内の燃焼が促進されてCO排出量を削減することができる。また、エンジン高負荷時においてはシリンダヘッド6内に導入される十分な冷却風によって冷却され、燃焼温度の上昇を助長することがなく、NOx排出量を低減することができ、エンジン性能を犠牲にすることもない。
1 エンジン
6 シリンダヘッド
20 エアクリーナ
21 吸気マニホールド
22 排気マニホールド
23 冷却ファン
43 吸気ポート
44 排気ポート
51 連通孔
60 開口面積変更体
6 シリンダヘッド
20 エアクリーナ
21 吸気マニホールド
22 排気マニホールド
23 冷却ファン
43 吸気ポート
44 排気ポート
51 連通孔
60 開口面積変更体
Claims (6)
- シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
吸気ポートと排気ポートとの間に連通孔を設け、該連通孔途中に連通孔の開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に開口面積変更体が該連通孔に突出して開口面積が小さくなるように構成したことを特徴とするエンジン。 - シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
吸気マニホールドと排気マニホールドとの間に連通パイプを設け、該連通パイプ途中に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に開口面積変更体が連通パイプの断面積が小さくなるように構成したことを特徴とするエンジン。 - シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
前記シリンダヘッド側部にエアクリーナを配置し、該エアクリーナの吸入側とシリンダの冷却風排出側との間に排風還流通路を設け、該排風還流通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとして感熱膨張体で作動するように構成し、高負荷時に排風還流通路の開口面積が小さくなるように構成したことを特徴とするエンジン。 - シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
前記エンジンの排気側に排気温度を検知する排気温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド側部にエアクリーナを配置し、該エアクリーナの吸入側とシリンダの冷却風排出側との間に排風還流通路を設け、該排風還流通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該排気温度センサと接続して、該排気温度センサによって検知される排気温度に応じて該モータを駆動して該排風還流通路の開口面積を変更するように構成したことを特徴とするエンジン。 - シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
前記エンジンの排気側に排気温度を検知する排気温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド上を一側から他側へ冷却風が通過するように構成し、該冷却風通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該排気温度センサと接続して、該排気温度センサによって検知される排気温度に応じて該モータを駆動して該冷却風通路の開口面積を変更するように構成したことを特徴とするエンジン。 - シリンダヘッドに低負荷時と高負荷時とで変化するアクチュエータを配置し、低負荷時には暖気を吸気側に導き温度が上昇するように構成したエンジンにおいて、
前記シリンダヘッドの温度を検知するシリンダヘッド温度センサを設けるとともに、前記シリンダヘッド上を一側から他側へ冷却風が通過するように構成し、該冷却風通路に開口面積変更体を設け、該開口面積変更体を前記アクチュエータとしてモータで作動するように構成し、該モータを該シリンダヘッド温度センサと接続して、該シリンダヘッド温度センサによって検知されるシリンダヘッド温度に応じて該モータを駆動して該冷却風通路の開口面積を変更するように構成したことを特徴とするエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006350689A JP2008163750A (ja) | 2006-12-26 | 2006-12-26 | エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006350689A JP2008163750A (ja) | 2006-12-26 | 2006-12-26 | エンジン |
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Family Applications (1)
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JP2006350689A Pending JP2008163750A (ja) | 2006-12-26 | 2006-12-26 | エンジン |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008163750A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014190171A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Kubota Corp | エンジンのegr装置 |
WO2018159672A1 (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-07 | ヤンマー株式会社 | 単気筒空冷エンジン |
-
2006
- 2006-12-26 JP JP2006350689A patent/JP2008163750A/ja active Pending
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WO2018159672A1 (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-07 | ヤンマー株式会社 | 単気筒空冷エンジン |
CN110325726A (zh) * | 2017-03-01 | 2019-10-11 | 洋马株式会社 | 单缸风冷发动机 |
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