JP2008163692A - ドアヒンジ部構造 - Google Patents

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誠一 角谷
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Abstract

【課題】スライドドア側のドアハンドルに加えた操作荷重を車体側のロック機構に伝達する。
【解決手段】ドアヒンジ部構造10によれば、スライドドア14と車体側部16との間には、ロック解除用ケーブル36、第一ベルクランク、第二ベルクランク、ロッドを備えた操作荷重伝達機構26が設けられている。また、リンクアーム20と車体側ヒンジベース24との間には、ドア全開保持用のロック機構28が設けられている。スライドドア14が全開状態とされているときには、第一ベルクランク及び第二ベルクランクとが荷重伝達可能な状態となり、このときに、スライドドア14側のドアハンドル72,74に操作荷重を加えれば、この操作荷重をロック解除用ケーブル36、第一ベルクランク、第二ベルクランク、ロッドを介して車体側のロック機構28に伝達することができ、ロック機構28をロック解除状態とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドアヒンジ部構造に係り、特に、リンクアームの回動を伴ってスライドドアをスライドさせるドアヒンジ部構造に関する。
従来、車両用のドアヒンジ部構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の例では、ドアが一対のリンクを介して車体に連結されている。そして、ドアは、一対のリンクの揺動を伴って車体の前後方向にスライドされる構成とされている。また、リンクとスライドドアとの間には、リンクを最大に振り出された位置で保持するための揺動ロック機構が設けられている。
実開平1−68917号公報(第1図) 実開平1−69026号公報
ところで、この種のドアヒンジ部構造において、例えば、リンクの揺動ロック機構をリンクと車体との間に設けることも想定される。しかしながら、従来、スライドドア側からのロック解除操作に伴う操作荷重を車体側の揺動ロック機構に伝達するための機械的な操作荷重伝達手段は無かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スライドドア側からの操作荷重を車体側に伝達可能なドアヒンジ部構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のドアヒンジ部構造は、スライドドアと車体との間に配置され、一端側が前記スライドドアに回動可能に連結されると共に他端側が前記車体に回動可能に連結されたリンクアームと、前記スライドドアに第一のストローク範囲で変位可能に設けられ、操作荷重を受けて変位される第一変位伝達手段と、前記リンクアームに第二のストローク範囲で変位可能とされると共に、前記リンクアームが所定の回動領域に位置されているときには前記第一変位伝達手段の前記第一のストローク範囲内に位置される一方で、前記リンクアームが前記所定の回動領域とは異なる回動領域に位置されているときには前記第一変位伝達手段の前記第一のストローク範囲外に位置されるように設けられ、前記第一変位伝達手段からの操作荷重を受けて変位される第二変位伝達手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載のドアヒンジ部構造では、スライドドアがリンクアームの回動を伴って車体に対してスライドされる。このとき、リンクアームに設けられた第二変位伝達手段は、スライドドアに設けられた第一変位伝達手段に対しリンクアームの回動に伴って相対移動される。そして、第二変位伝達手段は、リンクアームが所定の回動領域(例えば、スライドドアを全開状態とする回動位置)に位置されているときには第一変位伝達手段の第一のストローク範囲内に位置される。また、第一変位伝達手段がスライドドア側からの操作荷重を受けて第一のストローク範囲で変位されると、第一変位伝達手段から第二変位伝達手段に操作荷重が伝達されて、第二変位伝達手段が第二のストローク範囲で変位される。そして、この第二変位伝達手段の変位に伴う操作荷重を車体側の操作荷重として利用することができる。
このように、請求項1に記載のドアヒンジ部構造によれば、リンクアームが所定の回動領域に位置されているときに、スライドドア側から第一変位伝達手段に操作荷重を加えれば、この操作荷重を第二変位伝達手段を介して車体側に伝達することができる。
しかも、請求項1に記載のドアヒンジ部構造によれば、リンクアームが所定の回動領域とは異なる回動領域(例えば、スライドドアを全開以外の状態とする回動位置)に位置されているときには、第二変位伝達手段が第一変位伝達手段の第一のストローク範囲外に位置される。従って、この場合には、第一変位伝達手段が第一のストローク範囲で変位されても、第一変位伝達手段と第二変位伝達手段との間で荷重伝達されないので、例えば車体側から第二変位伝達手段に作用される負荷が第一変位伝達手段を介してスライドドア側に余分な負荷として伝達されることを抑制できる。
請求項2に記載のドアヒンジ部構造は、請求項1に記載のドアヒンジ部構造において、前記スライドドアに回動可能に設けられた第一ベルクランクと、前記リンクアームに回動可能に設けられた第二ベルクランクと、を備え、前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記第一ベルクランク及び前記第二ベルクランクにそれぞれ操作荷重を伝達可能に設けられた当接部及び被当接部により構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載のドアヒンジ部構造では、スライドドアには、第一ベルクランクが回動可能に設けられており、この第一ベルクランクには、第一変位伝達手段としての当接部が設けられている。一方、リンクアームには、第二ベルクランクが回動可能に設けられており、この第二ベルクランクには、第二変位伝達手段としての被当接部が設けられている。そして、第二ベルクランクに設けられた被当接部は、第一ベルクランクに設けられた当接部に対しリンクアームの回動に伴って相対移動され、リンクアームが所定の回動領域(例えば、スライドドアを全開状態とする回動位置)に位置されているときには当接部の第一のストローク範囲内に位置される。また、第一ベルクランクがスライドドア側からの操作荷重を受けて回動されて当接部が第一のストローク範囲で変位されると、当接部と被当接部とが当接されて当接部から被当接部に操作荷重が伝達され、被当接部が第二のストローク範囲で変位されることで第二ベルクランクが回動される。そして、この第二ベルクランクの回動に伴う操作荷重を車体側の操作荷重として利用することができる。
このように、請求項2に記載のドアヒンジ部構造によれば、スライドドア及びリンクアームに第一ベルクランク及び第二ベルクランクをそれぞれ回動可能に設け、且つ、この第一ベルクランク及び第二ベルクランクにそれぞれ操作荷重を伝達可能な当接部及び被当接部を設けるという簡単な構成により、スライドドア側からの操作荷重を車体側に伝達することができる。
請求項3に記載のドアヒンジ部構造は、請求項2に記載のドアヒンジ部構造において、前記当接部及び前記被当接部の少なくとも一方は、操作荷重の伝達方向に対し傾斜するように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載のドアヒンジ部構造によれば、上述の当接部及び被当接部の少なくとも一方は、操作荷重の伝達方向に対し傾斜するように構成されている。従って、当接部が被当接部に当接された状態で摺動されても、当接部及び被当接部間の摺動抵抗を低く抑えることができる。これにより、第一ベルクランク及び第二ベルクランクを円滑に回動させることができ、スライドドア側からの操作荷重を当接部及び被当接部を介して車体側に確実に伝達することができる。
請求項4に記載のドアヒンジ部構造は、請求項1に記載のドアヒンジ部構造において、前記スライドドアの前記リンクアームに対する回動軸と同軸状に設けられた回動部材を備え、前記第一変位伝達手段は、前記回動部材における前記回動軸から径方向外側に離れた位置に設けられた係止部により構成され、前記第二変位伝達手段は、前記リンクアームの回動に伴って前記回動軸の周りを周方向に変位可能に設けられると共にストローク限において前記係止部と操作荷重を伝達可能に係止される被係止部により構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載のドアヒンジ部構造では、スライドドアのリンクアームに対する回動軸と同軸状に回動部材が設けられており、この回動部材には、回動軸から径方向外側に離れた位置に第一変位伝達手段としての係止部が設けられている。一方、リンクアームには、リンクアームの回動に伴って回動軸の周りを周方向に変位可能とされた第二変位伝達手段としての被係止部が設けられている。そして、リンクアームに設けられた被係止部は、回動部材に設けられた係止部に対しリンクアームの回動に伴って相対移動され、リンクアームが所定の回動領域(例えば、スライドドアを全開状態とする回動位置)に位置されているときにはストローク限に位置されて係止部の第一のストローク範囲内に位置される。また、回動部材がスライドドア側からの操作荷重を受けて回動されて係止部が第一のストローク範囲で変位されると、係止部と被係止部とが係止されて係止部から被係止部に操作荷重が伝達され、被係止部が第二のストローク範囲で変位される。そして、この被係止部の変位に伴う操作荷重を車体側の操作荷重として利用することができる。
このように、請求項4に記載のドアヒンジ部構造によれば、スライドドアに係止部を備えた回動部材を設けると共に、リンクアームにスライドドアに対する回動軸の周りを周方向に変位可能な被係止部を設けるという簡単な構成により、スライドドア側からの操作荷重を車体側に伝達することができる。
請求項5に記載のドアヒンジ部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のドアヒンジ部構造において、前記リンクアームが前記所定の回動領域に位置されているときに前記リンクアームを前記車体に保持するためのロック手段を備え、前記ロック手段は、前記第二変位伝達手段からの操作荷重を受けて前記リンクアームと前記車体との保持状態を解除するように構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載のドアヒンジ部構造では、リンクアームが所定の回動領域(例えば、スライドドアを全開状態とする回動位置)に位置されているときには、ロック手段によってリンクアームが車体に保持されて、スライドドアが所定の開閉位置(例えば、ドア全開位置)で保持される。一方、スライドドア側から第一変位伝達手段に操作荷重を加えれば、この操作荷重が第二変位伝達手段を介してロック手段に伝達され、ロック手段によるリンクアームと車体との保持状態が解除される。
しかも、請求項5に記載のドアヒンジ部構造では、リンクアームが所定の回動領域とは異なる回動領域(例えば、スライドドアを全開以外の状態とする回動位置)に位置されているときには、第一変位伝達手段と第二変位伝達手段との間で荷重伝達されないので、車体側のロック手段の負荷が第一変位伝達手段及び第二変位伝達手段を介してスライドドア側に余分な負荷として伝達されることを抑制できる。
請求項6に記載のドアヒンジ部構造は、請求項5に記載のドアヒンジ部構造において、前記リンクアームは、前記スライドドアのドア幅方向に並んで一対備えられ、前記ロック手段は、前記一対のリンクアームのうち前記スライドドアのドア全開側に位置されるリンクアームと前記車体との間に設けられると共に、前記リンクアームが前記スライドドアを全開状態とする回動位置にあるときに前記リンクアームを前記車体に保持するように構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載のドアヒンジ部構造では、リンクアームは、スライドドアのドア幅方向に並んで一対備えられており、スライドドアは、この一対のリンクアームの回動を伴って車体に対してスライドされる。そして、スライドドアが全開状態となると、上述のロック手段がリンクアームを車体に保持する。ここで、上述のロック手段は、一対のリンクアームのうちスライドドアのドア全開側に位置されるリンクアームと車体との間に設けられており、しかも、このスライドドアのドア全開側に位置されるリンクアームをスライドドアが全開状態となる回動位置にあるときに車体に保持する構成である。この構成によれば、車両構造上、ロック手段をリンクアームの車体に対する回動軸からスライドドア側に離間した位置に配置できる。これにより、リンクアームの車体に対する回動軸からのロック手段のモーメントアームを長く確保できる。
なお、ロック手段をリンクアームとスライドドアとを保持するように構成した場合には、車両構造上、ロック手段をリンクアームのスライドドアに対する回動軸から車体側に離間した位置に配置することは困難となる。従って、この場合、リンクアームのスライドドアに対する回動軸からのロック手段のモーメントアームを長く確保することができなくなる。
請求項7に記載のドアヒンジ部構造は、請求項6に記載のドアヒンジ部構造において、前記ロック手段は、前記リンクアームの前記車体に対する回動軸から前記スライドドア側に離間した位置に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載のドアヒンジ部構造によれば、ロック手段は、リンクアームの車体に対する回動軸からスライドドア側に離間した位置に配置されている。従って、リンクアームの車体に対する回動軸からのロック手段のモーメントアームを長く確保できる。
ところで、スライドドアに開閉方向に操作力を加えてスライドドアを開閉させるときに、リンクアームの車体に対する回動軸を支点としてリンクアームに作用するモーメントは一定である。このため、このリンクアームに作用するモーメントが一定となる状況下で、ロック手段に作用するロック荷重を低く抑えるためには、リンクアームの車体に対する回動軸からのロック手段のモーメントアームを長く確保する必要がある。
従って、請求項7に記載のドアヒンジ部構造のように、リンクアームの車体に対する回動軸からのロック手段のモーメントアームを長く確保できれば、スライドドアの開閉時にロック手段に加わるロック荷重を低く抑えることができる。これにより、ロック手段に必要な強度及び剛性を低く抑えることができ、しかも、ロック手段の噛み合い部の荷重も低く抑えることでロック解除荷重も小さくできるので、ロック手段を小型化することが可能となる。
請求項8に記載のドアヒンジ部構造は、請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のドアヒンジ部構造において、前記第二変位伝達手段と前記ロック手段とを操作荷重を伝達可能に連結するための連結手段を備え、前記連結手段は、前記リンクアームに対し回動軸方向の一方側に設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載のドアヒンジ部構造によれば、第一変位伝達手段から第二変位伝達手段に伝達された操作荷重を連結手段を介してロック手段に伝達することができ、ロック手段によるリンクアームと車体との保持状態を解除できる。ここで、この第二変位伝達手段とロック手段とを操作荷重を伝達可能に連結するための連結手段は、リンクアームに対し回動軸方向の一方側に設けられている。従って、リンクアームに対し回動軸方向の他方側に例えば挟み込み検知機構等を搭載する場合でも、この挟み込み検知機構等と連結手段とが回動軸方向に離間配置されることで互いに動作が干渉されることを抑制できる。これにより、スライドドア側からの操作荷重を当接部及び被当接部を介して車体側に確実に伝達することができる。
請求項9に記載のドアヒンジ部構造は、請求項8に記載のドアヒンジ部構造において、前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記連結手段と前記リンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載のドアヒンジ部構造によれば、第一変位伝達手段及び第二変位伝達手段は、連結手段とリンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられている。従って、リンクアームを挟んだ回動軸方向の両側にバランス良く第一変位伝達手段、第二変位伝達手段、及び連結手段が配置された状態となり、リンクアームを挟んだ回動軸方向の両側の構成をコンパクトにできる。
請求項10に記載のドアヒンジ部構造は、請求項8に記載のドアヒンジ部構造において、前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記リンクアームに対し前記連結手段と回動軸方向の同じ側に設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載のドアヒンジ部構造によれば、第一変位伝達手段及び第二変位伝達手段は、リンクアームに対し連結手段と回動軸方向の同じ側に設けられている。従って、リンクアームに対し回動軸方向の一方側に第一変位伝達手段、第二変位伝達手段、及び連結手段を集中でき、リンクアームに対し回動軸方向の他方側の構成をコンパクトにできる。
請求項11に記載のドアヒンジ部構造は、請求項9に記載のドアヒンジ部構造において、前記リンクアームに対し前記第一変位伝達手段と回動軸方向の同じ側に設けられ、前記スライドドアのドアハンドルに加えられた操作荷重を前記第一変位伝達手段に伝達可能なドアハンドル操作荷重伝達手段と、前記リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、前記第二変位伝達手段で受けた操作荷重を前記連結手段に伝達可能な補助伝達手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載のドアヒンジ部構造では、スライドドアのドアハンドルに操作荷重を加えると、この操作荷重がドアハンドル操作荷重伝達手段を介して第一変位伝達手段に伝達される。そして、この第一変位伝達手段に伝達された操作荷重が第二変位伝達手段、補助伝達手段、及び連結手段を介してロック手段に伝達され、ロック手段によるリンクアームと車体との保持状態が解除される。
ここで、補助伝達手段は、リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、第二変位伝達手段で受けた操作荷重を第二変位伝達手段とリンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられた連結手段に伝達するように構成されている。従って、補助伝達手段を備えるだけの簡単な構成によりドアハンドル操作荷重伝達手段を連結手段とリンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に配置することができ、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置の自由度を増すことができる。これにより、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置のための設計が容易となり、また、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置のための構造も簡素化できる。
請求項12に記載のドアヒンジ部構造は、請求項10に記載のドアヒンジ部構造において、前記連結手段と前記リンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられ、前記スライドドアのドアハンドルに加えられた操作荷重を受けるドアハンドル操作荷重伝達手段と、前記リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、前記ドアハンドル操作荷重伝達手段からの操作荷重を前記第一変位伝達手段に伝達可能な補助伝達手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項12に記載のドアヒンジ部構造では、スライドドアのドアハンドルに操作荷重を加えると、この操作荷重がドアハンドル操作荷重伝達手段に伝達される。そして、このドアハンドル操作荷重伝達手段からの操作荷重が補助伝達手段、第一変位伝達手段、第二変位伝達手段、及び連結手段を介してロック手段に伝達され、ロック手段によるリンクアームと車体との保持状態が解除される。
ここで、補助伝達手段は、リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、連結手段とリンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられたドアハンドル操作荷重伝達手段からの操作荷重をリンクアームに対し連結手段と回動軸方向の同じ側に設けられた第一変位伝達手段に伝達するように構成されている。従って、補助伝達手段を備えるだけの簡単な構成によりドアハンドル操作荷重伝達手段を連結手段とリンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に配置することができ、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置の自由度を増すことができる。これにより、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置のための設計が容易となり、また、ドアハンドル操作荷重伝達手段の配置のための構造も簡素化できる。
以上詳述したように、本発明によれば、リンクアームが所定の回動領域に位置されているときに、スライドドア側から第一変位伝達手段に操作荷重を加えれば、この操作荷重を第二変位伝達手段を介して車体側に伝達することができる。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について説明する。
図1乃至図10には、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10が示されている。なお、これらの図において示される矢印Fr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向前側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示している。
はじめに、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10の構成について説明する。
図1,図2には、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10が適用されたスライドドア装置12の斜視図及び平面図がそれぞれ示されている。これらの図に示されるスライドドア装置12において、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10は、車両の側面後部に設けられたリアサイドドアとしてのスライドドア14を車体側部16に支持するための構成として用いられている。このドアヒンジ部構造10は、一対のリンクアーム18,20と、ドア側ヒンジベース22と、車体側ヒンジベース24と、操作荷重伝達機構26と、ロック手段としてのロック機構28と、を主要な構成として備えている。
一対のリンクアーム18,20は、スライドドア14と車体側部16との間に車両前後方向に並んで配置されている。この一対のリンクアーム18,20は、その長手方向一端側の端部が回動軸30を介してドア側ヒンジベース22に回動可能に連結されており、その長手方向他端側の端部が回動軸32を介して車体側ヒンジベース24に回動可能に連結されている。
ドア側ヒンジベース22及び車体側ヒンジベース24は、それぞれ車両前後方向に沿って延在されており、断面コの字状に構成されている。ドア側ヒンジベース22は、スライドドア14の下部に一体的に固定されており、車体側ヒンジベース24は、スライドドア14の下部と車両幅方向に対向する車体側部16で例えばドア開口の下縁部(ロッカ部)に一体的に固定されている。車体側ヒンジベース24の車両前後方向後側の部分には、車体側部16に対し傾斜する傾斜部34が設けられている。
そして、この一対のリンクアーム18,20、ドア側ヒンジベース22、及び車体側ヒンジベース24は、いわゆる平行リンク機構を構成しており、一対のリンクアーム18,20の回動を伴ってスライドドア14を車体側部16に対し車両前後方向にスライドさせる構成とされている。なお、図1,図2では、一対のリンクアーム18,20が最も車両前後方向後側に回動されてスライドドア14が全開状態(車両前後方向最後位置)とされている。
操作荷重伝達機構26は、一対のリンクアーム18,20のうち車両前後方向後側に設けられたリンクアーム20とドア側ヒンジベース22との間に設けられている。図3,図4には、操作荷重伝達機構26の要部拡大斜視図が示されている。なお、図3では、一対のリンクアーム18,20が最も車両前後方向後側に回動されてスライドドア14が全開状態(車両前後方向最後位置)とされており、逆に、図4では、一対のリンクアーム18,20が最も車両前後方向前側に回動されてスライドドア14が全閉状態(車両前後方向最前位置)とされている。
図3,図4に示されるように、操作荷重伝達機構26は、ドアハンドル操作荷重伝達手段としてのロック解除用ケーブル36と、固定ブラケット38と、第一ベルクランク40と、補助伝達手段としての第二ベルクランク42と、固定ブラケット44と、連結手段としてのロッド46と、を主要な構成として備えている。
ロック解除用ケーブル36は、図1に示される如くスライドドア14の内部に車両上下方向に沿って配索されており、その車両上下方向上端部は、後述するスライドドア14の内外に設けられたドアハンドル72,74と車両前後方向前側のドアロック装置76を介して接続されている。また、ロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端部は、図3,図4に示される如く、第一ベルクランク40の一端側の端部と接続されている。
固定ブラケット38は、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aにおける回動軸30寄りの位置に一体的に固定されている。固定ブラケット38には、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aよりも車両上下方向上側に位置するようにスリーブ48が設けられており、このスリーブ48に車両前後方向に沿って貫通して設けられた貫通孔には、上述のロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分が挿通されている。これにより、ロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分は、図3,図4に示される如く、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aよりも車両上下方向上側に配置されると共に車両前後方向に沿って配索されている。
第一ベルクランク40は、平面視にて略くの字状となる長手部材で構成されている。この第一ベルクランク40は、その長手方向中央部が固定ブラケット38に車両上下方向の回動軸39により回動可能に固定されている。また、第一ベルクランク40は、概ね車両幅方向に沿って延在するように配置され、固定ブラケット38との間に設けられたスプリング50によって矢印R1方向に付勢されている。
第二ベルクランク42は、水平視にて略直線状の長手部材で構成されている。この第二ベルクランク42は、その長手方向中央部が固定ブラケット44に車両水平方向の回動軸43により回動可能に固定されている。なお、固定ブラケット44は、リンクアーム20の一対の側壁部20A,20Bのうち車両前後方向前側に位置される側面部20Aに一体的に設けられている。この第二ベルクランク42は、概ね車両上下方向に沿って延在するように配置されている。
また、第一ベルクランク40のロック解除用ケーブル36と接続された端部と反対側(車両幅方向内側)の端部には、第一変位伝達手段としての当接部52が設けられている。一方、第二ベルクランク42の車両上下方向上側の端部には、当接部52と当接される第二変位伝達手段としての被当接部54が設けられている。この当接部52及び被当接部54は、いずれもリンクアーム20に対し車両上下方向上側に位置するように配置されている。
図5には、この当接部52及び被当接部54を備えた第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42の拡大斜視図が示されている。この図に示されるように、当接部52は、第一ベルクランク40の回動に伴って第一のストローク範囲α1で変位可能とされている。一方、被当接部54は、第二ベルクランク42の回動に伴って第二のストローク範囲α2で変位可能とされている。また、当接部52は、平面視円弧状の曲面で構成されており、被当接部54は、平面視直線状の傾斜面で構成されている。そして、この構成により、当接部52及び被当接部54は、互いの相対移動の方向に対し傾斜する構成とされている。
また、この当接部52及び被当接部54を備えた第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42は、より詳細には、リンクアーム20の回動に伴って当接部52及び被当接部54が次の如く相対移動されるように、それぞれドア側ヒンジベース22及びリンクアーム20に対する配置位置が設定されている。つまり、図3に示される如くリンクアーム20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に回動されたときには、被当接部54が当接部52のストローク範囲α1(図5参照)内に位置される。その一方で、図4に示される如くリンクアーム20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときには、被当接部54が当接部52のストローク範囲α1(図5参照)外に位置される。
ロッド46は、図3に示されるように、リンクアーム20に対し車両上下方向下側に位置するように設けられると共に、リンクアーム20の長手方向に沿うように配置されている。このロッド46は、その長手方向一端側(車両幅方向外側)の端部が第二ベルクランク42の車両上下方向下側の端部に連結されており、その長手方向他端側(車両幅方向内側)の端部が後述するロック機構28に設けられたポール56の一端側の端部に連結されている。
ロック機構28は、図3に示される如く車両前後方向後側(ドア全開側)に設けられたリンクアーム20と車体側ヒンジベース24との間に設けられている。図6,図7には、このロック機構28の平面図及び断面図(図6(a)の7−7線断面図)がそれぞれ示されている。なお、図6(a)では、ロック機構28がロック状態とされており、図6(b)では、ロック機構28がロック解除状態とされている。これらの図に示されるように、ロック機構28は、ポール56と、ラッチ58と、ストライカ60と、を備えて構成されている。
ポール56及びラッチ58は、リンクアーム20の車両上下方向下側壁部に配置されている。ポール56のロッド46に連結された側と反対側の端部は、回動軸62を介してリンクアーム20に回動可能に連結されており、ポール56の長手方向中間部には、係合部64が設けられている。ラッチ58の中央部は、回動軸66を介してリンクアーム20に回動可能に連結されており、ラッチ58のポール56側の部分には、係合部64と係合可能な被係合部68が設けられている。また、ラッチ58の回動軸66を挟んだ被係合部68と反対側の部分には、略U字状の溝部70が形成されている。さらに、ポール56は、図示しない付勢部材によってR4方向に付勢されており、ラッチ58は、同じく図示しない他の付勢部材によってR5方向に付勢されている。
ストライカ60は、図7に示されるように、車体側ヒンジベース24に設けられた傾斜部34の車両上下方向下側壁部34Aから車両上下方向上側に向けて延出されている。そして、この構成からなるロック機構28は、スライドドア14が全開状態とされてリンクアーム20が車両前後方向後側に回動され、且つ、ポール56に対してロッド46から操作荷重が作用していない状態では、図6(a)に示されるように、ラッチ58の溝部70にストライカ60が入り込むと共に、ポール56の係合部64とラッチ58の被係合部68とが係合されることでロック状態となるように構成されている。
また、このロック機構28は、ポール56に対してロッド46から操作荷重が作用した状態では、図6(b)に示されるように、ポール56が回動されてポール56の係合部64とラッチ58の被係合部68との係合が解除されると共に、ラッチ58が図示しない付勢部材によってR5方向に回動されてラッチ58の溝部70からストライカ60が退出可能となることでロック解除状態となるように構成されている。また、このロック機構28では、図2に示されるように、ラッチ58及びストライカ60がリンクアーム20の車体側ヒンジベース24に対する回動軸32からスライドドア14側に離間した位置(つまりリンクアーム20の長手方向中央寄りの位置)に配置されている。
なお、上記構成のドアヒンジ部構造10によって車体側部16に支持されたスライドドア14には、図1に示されるように、その内外にドアハンドル72,74が設けられている。また、このスライドドア14には、車両前後方向の前側部と後側部にドアロック装置76,78がそれぞれ設けられている。そして、スライドドア14は、この前後一対のドアロック装置76,78によって車体側部16にドア全閉状態で保持されるように構成されている。
次に、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10の動作について各操作状況と併せて説明する。
(ドア全開ロック解除)
図1,図2に示されるスライドドア14がリンクアーム18,20の回動を伴って車両前後方向後側にスライドされて全開状態となると、ロック機構28がロック状態となる。すなわち、図6(a)に示されるように、ラッチ58の溝部70にストライカ60が入り込むと共に、ポール56の係合部64とラッチ58の被係合部68とが係合されることでロック機構28がロック状態となる。これにより、図1,図2に示される車両前後方向後側のリンクアーム20が車体側ヒンジベース24に保持された状態となる。
ここで、図8には、スライドドア14がリンクアーム20の回動を伴って車両前後方向後側にスライドされて全開状態となったときのドアヒンジ部構造10が平面図で示されている。スライドドア14に一体的に設けられた第一ベルクランク40の当接部52とリンクアーム20に一体的に設けられた第二ベルクランク42の被当接部54とは、スライドドア14がスライドされるときにリンクアーム20の回動に伴って相対移動される。そして、スライドドア14が全開状態となったときには、図8の実線で示されるように(図3も参照)、第二ベルクランク42の被当接部54が第一ベルクランク40の当接部52のストローク範囲α1内に位置される。
そして、この状態から、乗員がスライドドア14の内外に設けられたドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作すると、ロック解除用ケーブル36が引っ張られ(ロック解除用ケーブル36の下端側の部分は車両前後方向後側(矢印A側)に移動)、図8の二点鎖線で示される如く、第一ベルクランク40がR2方向に回動される。これにより、第一ベルクランク40の当接部52が被当接部54と当接し、当接部52が被当接部54を押し込むことにより第二ベルクランク42がR3方向に回動される。
このとき、当接部52及び被当接部54は、平面視円弧状の曲面及び平面視直線状の傾斜面でそれぞれ構成されており、互いの相対移動の方向、すなわち、換言すれば、操作荷重の伝達方向(X方向)に対し傾斜する構成とされている。また、当接部52は、平面視円弧状の曲面で構成されており、被当接部54と点状接触されるように構成されている。従って、第一ベルクランク40の回動に伴って当接部52が被当接部54に当接された状態で摺動されても、当接部52及び被当接部54間の摺動抵抗が低く抑えられ、第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42が円滑に回動される。
そして、第二ベルクランク42がR3方向に回動すると、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられる。また、このようにして、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられると、図6(b)に示されるように、ポール56が回動されてポール56の係合部64とラッチ58の被係合部68との係合が解除される。さらに、ラッチ58が図示しない付勢部材によってR5方向に回動されてラッチ58の溝部70からストライカ60が退出可能となる。これにより、ロック機構28がロック解除状態となる。
そして、以上のようにして、ロック機構28がロック解除状態となることにより、スライドドア14が全開状態から車両前後方向前側にスライド可能な状態とされる。従って、乗員がスライドドア14にドア全閉側に操作力を加えれば、スライドドア14を全閉状態とすることができる。
このように、ドアヒンジ部構造10では、リンクアーム20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、ドアハンドル72,74に操作荷重を加えると、この操作荷重が操作荷重伝達機構26を介してロック機構28に伝達され、ロック機構28がロック解除状態とされる。
(ドア全閉ロック解除)
一方、図1に示されるスライドドア14が全閉状態とされているときには、スライドドア14が前後一対のドアロック装置76,78により車体側部16に保持された状態となる。この状態から、乗員がスライドドア14の内外に設けられたドアハンドル72,74のいずれかを引き操作すると、このときの操作荷重が各ドアロック装置76,78に伝達され、ドアロック装置76,78がそれぞれ解除される。これにより、スライドドア14が全閉状態から車両前後方向後側にスライド可能な状態とされる。従って、乗員がスライドドア14にドア全開側に操作力を加えれば、スライドドア14を全開状態とすることができる。
ここで、図9には、ドアヒンジ部構造10のドア開動作を示す平面図が示されている。なお、図9では、スライドドア14のドア全開側へのスライドに伴ってリンクアーム20のスライドドア14に対する相対位置の変移が示されている。また、図9では、スライドドア14の全閉状態、スライドドア14を全閉位置から少し開いた状態、スライドドア14の半開状態(車両幅方向最外位置)の各状態のときのリンクアーム20の相対位置が、それぞれ実線、一点鎖線、二点鎖線で示されている。
スライドドア14が全閉状態となったときには、図9の実線で示されるように、リンクアーム20に一体的に設けられた第二ベルクランク42とスライドドア14に一体的に設けられた第一ベルクランク40とが離間する。また、これに伴い、第一ベルクランク40の当接部52と第二ベルクランク42の被当接部54も、互いに離れた位置に相対移動される。そして、第二ベルクランク42の被当接部54が第一ベルクランク40の当接部52のストローク範囲α1外に位置される。従って、この場合に、上述の如く乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、第一ベルクランク40が回動されるだけで、第一ベルクランク40と第二ベルクランク42との間で荷重伝達されない。このため、ロック機構28の負荷(ポール56を付勢するための付勢部材の付勢力)が第一ベルクランク40を介してドアハンドル72,74(図1参照)に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
また、スライドドア14が全閉位置から少し開いた状態及び半開状態となったときも、図9の一点鎖線、二点鎖線でそれぞれ示されるように、第二ベルクランク42の被当接部54が第一ベルクランク40の当接部52のストローク範囲α1外に位置される。従って、この場合にも、上述の如く乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷(図6に示されるポール56を付勢するための付勢部材の付勢力)がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
このように、ドアヒンジ部構造10では、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷(ポール56を付勢するための付勢部材の付勢力)がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
(ドアハンドルを引き操作したままの状態でスライドドアをドア全開側へスライド)
乗員が乗降する際に、例えばドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開側へスライドさせることが想定される。
ここで、図10には、ドアヒンジ部構造10の動作を説明する要部拡大平面図が示されている。なお、図10では、スライドドア14のドア全開側へのスライドに伴うリンクアーム20の相対位置の変移が示されている。また、図10では、スライドドア14の半開状態、スライドドア14の全開位置よりも少し手前の状態、スライドドア14の全開状態の各状態のときのリンクアーム20の相対位置が、それぞれ二点鎖線、一点鎖線、実線で示されている。
乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作すると、ロック解除用ケーブル36が車両前後方向後側(矢印A側)に引っ張られ、第一ベルクランク40がR2方向に回動された状態となる。また、スライドドア14をドア全開側にスライドさせると、図10の二点鎖線、一点鎖線、実線の順に示されるように、スライドドア14に対しリンクアーム20が相対的に移動し、これに伴い、第一ベルクランク40の当接部52と第二ベルクランク42の被当接部54とが徐々に接近するように相対移動される。
そして、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開状態とすると、図10の実線に示されるように、R2方向に回動された状態にある第一ベルクランク40の当接部52に第二ベルクランク42の被当接部54が当接される。また、当接部52が被当接部54を押し込むことにより第二ベルクランク42がR3方向に回動される。これにより、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられて、図6(b)に示される如くロック機構28がロック解除状態となる。
このとき、当接部52及び被当接部54は、平面視円弧状の曲面及び平面視直線状の傾斜面でそれぞれ構成されており、互いの相対移動の方向、すなわち、換言すれば、操作荷重の伝達方向(X方向)に対し傾斜する構成とされている。また、当接部52は、平面視円弧状の曲面で構成されており、被当接部54と点状接触されるように構成されている。従って、当接部52が被当接部54に当接された状態で摺動されても、当接部52及び被当接部54間の摺動抵抗が低く抑えられ、また、当接部52及び被当接部54に引っ掛かり等が生じることなく、第二ベルクランク42が円滑に回動される。
このように、ドアヒンジ部構造10では、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開側へスライドさせた場合には、スライドドア14がドア全開状態となることに伴ってロック機構28がロック解除状態となる。
次に、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、図1に示されるように、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、スライドドア14側のドアハンドル72,74に操作荷重を加えれば、この操作荷重を操作荷重伝達機構26を介して車体側のロック機構28に伝達することができ、このロック機構28をロック解除状態とすることができる。
しかも、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷(ポール56を付勢するための付勢部材の付勢力)がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制できる。特に、スライドドア14が全閉状態にあるときにロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制することにより、ドア全閉保持用のドアロック装置76,78とドア全開保持用のロック機構28の両方の負荷がドアハンドル72,74に作用することを抑制できる。これにより、スライドドア14が全閉状態にあるときのドアハンドル72,74の操作性を良好に保つことができる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、スライドドア14及びリンクアーム20に第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42をそれぞれ回動可能に設け、且つ、この第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42にそれぞれ操作荷重を伝達可能な当接部52及び被当接部54を設けるという簡単な構成により、スライドドア14側のドアハンドル72,74からの操作荷重を車体側のロック機構28に伝達することができる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、図8,図10に示されるように、上述の当接部52及び被当接部54は、平面視円弧状の曲面及び平面視直線状の傾斜面でそれぞれ構成されており、互いの相対移動の方向、すなわち、換言すれば、操作荷重の伝達方向(X方向)に対し傾斜する構成とされている。また、当接部52は、平面視円弧状の曲面で構成されており、被当接部54と点状接触されるように構成されている。従って、ドア全開保持用のロック機構28を解除する際(図3,図8参照)、若しくは、ドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開側へスライドさせる際(図10参照)に、当接部52が被当接部54に当接された状態で摺動されても、当接部52及び被当接部54間の摺動抵抗を低く抑えることができる。これにより、第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42を円滑に回動させることができ、スライドドア14側のドアハンドル72,74からの操作荷重を車体側のロック機構28に確実に伝達することができる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、上述のロック機構28は、図2に示されるように、一対のリンクアーム18,20のうち車両前後方向後側(スライドドア14のドア全開側)に位置されるリンクアーム20と車体側ヒンジベース24との間に設けられており、しかも、この車両前後方向後側に位置されるリンクアーム20をスライドドア14が全開状態となる回動位置にあるときに車体側ヒンジベース24に保持する構成である。この構成によれば、車両構造上、ロック機構28をリンクアーム20の車体側ヒンジベース24に対する回動軸32からスライドドア14側に離間した位置に配置できる。これにより、リンクアーム20の車体側ヒンジベース24に対する回動軸32からのロック機構28のモーメントアームLを長く確保できる。
なお、ロック機構28をリンクアーム20とドア側ヒンジベース22とを保持するように構成した場合には、車両構造上、ロック機構28をリンクアーム20のドア側ヒンジベース22に対する回動軸30から車体側部16側に離間した位置に配置することは困難となる。従って、この場合、リンクアーム20のドア側ヒンジベース22に対する回動軸30からのロック機構28のモーメントアームを長く確保することができなくなる。
ところで、スライドドア14に開閉方向に操作力を加えてスライドドア14を開閉させるときに、リンクアーム20の車体側ヒンジベース24に対する回動軸32を支点としてリンクアーム20に作用するモーメントは一定である。このため、このリンクアーム20に作用するモーメントが一定となる状況下で、ロック機構28に作用するロック荷重を低く抑えるためには、回動軸32からのロック機構28のモーメントアームLを長く確保する必要がある。
従って、上述のように、回動軸32からのロック機構28のモーメントアームLを長く確保できれば、スライドドア14の開閉時にロック機構28に加わるロック荷重を低く抑えることができる。これにより、ロック機構28に必要な強度及び剛性を低く抑えることができ、しかも、ロック機構28の噛み合い部の荷重(例えば、ポール56及びラッチ58を付勢するための付勢部材の付勢力)も低く抑えることでロック解除荷重も小さくできるので、ロック機構28を小型化することが可能となる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、第二ベルクランク42とロック機構28とを操作荷重を伝達可能に連結するためのロッド46は、図3,図4に示されるように、リンクアーム20に対し車両上下方向下側(回動軸方向の一方側)に設けられている。従って、リンクアーム20に対し車両上下方向上側(回動軸方向の他方側)に例えば挟み込み検知機構等を搭載する場合でも、この挟み込み検知機構等とロッド46とが車両上下方向(回動軸方向)に離間配置されることで互いに動作が干渉されることを抑制できる。これにより、スライドドア14側のドアハンドル72,74からの操作荷重を車体側のロック機構28に確実に伝達することができる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、第一ベルクランク40及び第二ベルクランク42に設けられた当接部52及び被当接部54は、いずれもリンクアーム20に対し車両上下方向上側に位置するように配置されており、ロッド46とリンクアーム20を挟んだ車両上下方向(回動軸方向)の反対側に設けられている。従って、リンクアーム20を挟んだ車両上下方向(回動軸方向)の両側にバランス良く当接部52、被当接部54、及びロッド46が配置された状態となり、リンクアーム20を挟んだ車両上下方向(回動軸方向)の両側の構成をコンパクトにできる。
また、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10によれば、第二ベルクランク42は、車両上下方向(リンクアーム20の回動軸方向)に沿って延在され、リンクアーム20に対し車両上下方向上側に配置された第一ベルクランク40からの操作荷重をリンクアーム20に対し車両上下方向下側に配置されたロッド46に伝達するように構成されている。従って、第二ベルクランク42を備えるだけの簡単な構成によりロック解除用ケーブル36をロッド46とリンクアーム20を挟んだ車両上下方向(回動軸方向)の反対側に配置することができ、ロック解除用ケーブル36の配置の自由度を増すことができる。これにより、ロック解除用ケーブル36の配置(取り回し)のための設計が容易となり、また、ロック解除用ケーブル36の配置のための構造も簡素化できる。
次に、本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10の変形例について説明する。
上記実施形態では、ドアヒンジ部構造10を車両の側面後部に設けられたスライドドア14を車体側部16に支持するための構成として用いられていたが、その他にも、ドアヒンジ部構造10は、例えば、車両の側面前部に設けられたスライドドア、若しくは、車両の背面に設けられたスライドドアを車体に支持するための構成として用いられていても良い。
また、上記実施形態では、当接部52及び被当接部54の両方が互いの相対移動の方向、すなわち、換言すれば、操作荷重の伝達方向(X方向)に対し傾斜する構成とされていたが、当接部52及び被当接部54の一方が操作荷重の伝達方向(X方向)に対し傾斜する構成(傾斜面若しくは曲面を有する構成)とされていても良い。
また、上記実施形態では、当接部52が平面視円弧状の曲面で構成されていたが、当接部52は、平面視直線状の傾斜面で構成されていても良い。また、被当接部54が平面視直線状の傾斜面で構成されていたが、被当接部54は、平面視円弧状の曲面で構成されていても良い。
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態について説明する
図11乃至図14には、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110の要部拡大斜視図、平面図、側面断面図)、さらに詳細な要部拡大斜視図がそれぞれ示されている。なお、これらの図において示される矢印Fr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向前側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示している。
はじめに、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110の構成について説明する。
本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110は、上述の本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造10に対し以下に説明する構成を変更したものである。なお、本発明の第二実施形態において、以下に説明する以外の構成については上述の本発明の第一実施形態と同一であるので、この同一の構成については上述の本発明の第一実施形態と同一の符号を用いることとしてその説明を省略する。
本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110において、操作荷重伝達機構126は、一対のリンクアーム18,20のうち車両前後方向後側に設けられたリンクアーム20とドア側ヒンジベース22との間に設けられている。この操作荷重伝達機構126は、ロック解除用ケーブル36と、固定ブラケット138と、回動部材としての回動レバー140と、被係止部としての移動ピン154と、ロッド46と、を主要な構成として備えている。
固定ブラケット138は、ドア側ヒンジベース22の回動軸30が設けられた位置に一体的に固定されている。固定ブラケット138には、ドア側ヒンジベース22の下壁部22Bよりも車両上下方向下側に位置するようにスリーブ48が設けられており、このスリーブ48の貫通孔には、上述のロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分が挿通されている。これにより、ロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分は、ドア側ヒンジベース22の下壁部22Bよりも車両上下方向下側に配置されると共に車両前後方向に沿って配索されている。
回動レバー140は、平面視にて略半円状の平板部材で構成されている。この回動レバー140は、リンクアーム20に対し車両上下方向下側に位置するように配置されている。回動レバー140は、その中心部が固定ブラケット138に車両上下方向の回動軸141により回動可能に固定されている。なお、回動軸141は、リンクアーム20のドア側ヒンジベース22に対する回動軸30と同軸状に配置されている。また、回動レバー140は、概ね車両水平方向に沿って延在するように配置され、固定ブラケット138との間に設けられた図示しないスプリングによって矢印R6方向に付勢されている。
回動レバー140には、周方向一方側の端側の部分で回動軸141から径方向外側に離れた位置にロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端部が接続されている。そして、回動レバー140は、ドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかの引き操作に伴ってロック解除用ケーブル36が引っ張られると(ロック解除用ケーブル36の下端側の部分は車両前後方向前側(矢印C側)に移動)、回動軸141を中心としてR7方向に回動される。
また、回動レバー140には、ロック解除用ケーブル36との接続部と隣接して周方向に沿った円弧状の長孔部151が設けられている。この長孔部151のうち車両幅方向内側に位置される終端部は、後述する移動ピン154と係止可能な係止部152として構成されている。係止部152は、図12に示されるように、回動レバー140の回動に伴って第一のストローク範囲β1で変位される。
移動ピン154は、上述の回動レバー140に設けられた長孔部151内に長孔部151の長手方向に沿って移動可能(回動レバー140と同心状に移動可能)に設けられている。この移動ピン154は、リンクアーム20に対し車両上下方向下側に位置するように配置されている。また、移動ピン154には、ロッド46の長手方向一端側(車両幅方向外側)の端部が連結されており、このロッド46を介してリンクアーム20と一体的に設けられている。
そして、移動ピン154は、図12に示されるように、リンクアーム20の回動によるロッド46の移動に伴って長孔部151に案内されながら回動軸141の周りを周方向に変位される。また、このとき、移動ピン154は、リンクアーム20の回動によるロッド46の移動に伴って第二のストローク範囲β2で変位される。なお、図12では、スライドドアが全開状態とされたときのリンクアーム20、移動ピン154、ロッド46は実線で示されており、スライドドアが全閉状態とされたときのリンクアーム20、移動ピン154、ロッド46は二点鎖線で示されている。
また、この回動レバー140及び移動ピン154は、より詳細には、リンクアーム20の回動に伴って次の如く相対移動されるように、それぞれドア側ヒンジベース22及びリンクアーム20に対する配置位置が設定されている。つまり、図12の実線で示される如くリンクアーム20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に回動されたときには、移動ピン154が回動レバー140の係止部152のストローク範囲β1内に位置される。また、このときには、移動ピン154は、車両幅方向内側のストローク限に位置されて係止部152と操作荷重を伝達可能に係止される。その一方で、図12の二点鎖線で示される如くリンクアーム20がスライドドア14を全閉状態とする回動位置に回動されたときには、移動ピン154が係止部152のストローク範囲β1外に位置される。
次に、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110の動作について各操作状況と併せて説明する。
(ドア全開ロック解除)
スライドドア14が車両前後方向後側にスライドされてリンクアーム20が車両前後方向後側に回動されると、これに伴い、ロッド46を介してリンクアーム20に一体的に設けられた移動ピン154が回動レバー140の長孔部151に案内されながら車両幅方向内側に相対移動される。そして、スライドドア14が全開状態となったときには、図12の実線で示されるように、移動ピン154が長孔部151における車両幅方向内側に位置されて係止部152のストローク範囲β1内に位置される。また、このときには、移動ピン154は、車両幅方向内側のストローク限に位置されて係止部152と操作荷重を伝達可能に係止される。
そして、この状態から、乗員がスライドドア14の内外に設けられたドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作すると、ロック解除用ケーブル36が引っ張られ(ロック解除用ケーブル36の下端側の部分は車両前後方向前側(矢印C側)に移動)、回動レバー140がR7方向に回動される。これにより、図14に示されるように、回動レバー140の係止部152と移動ピン154が係止した状態で、移動ピン154が回動レバー140の回動に伴ってR7方向に変位される。また、移動ピン154がR7方向に変位されると、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられる。これにより、図6(b)に示される如く、ロック機構28がロック解除状態となる。
そして、以上のようにして、ロック機構28がロック解除状態となることにより、スライドドア14が全開状態から車両前後方向前側にスライド可能な状態とされる。従って、乗員がスライドドア14にドア全閉側に操作力を加えれば、スライドドア14を全閉状態とすることができる。
このように、ドアヒンジ部構造110では、リンクアーム20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、ドアハンドル72,74に操作荷重を加えると、この操作荷重が操作荷重伝達機構126を介してロック機構28に伝達され、ロック機構28がロック解除状態とされる。
(ドア全閉ロック解除)
一方、スライドドア14が車両前後方向前側にスライドされてリンクアーム20が車両前後方向前側に回動されると、これに伴い、ロッド46を介してリンクアーム20に一体的に設けられた移動ピン154が回動レバー140の長孔部151に案内されながら車両幅方向外側に相対移動される。そして、スライドドア14が全閉状態となったときには、図12の二点鎖線で示されるように、移動ピン154が車両幅方向外側のストローク限に位置され、係止部152のストローク範囲β1外に位置される。従って、この場合に、乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作しても、移動ピン154に対して長孔部151が空走するだけで、移動ピン154と係止部152とは係止されず、回動レバー140と移動ピン154との間で荷重伝達されない。このため、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
また、スライドドア14が全閉位置から少し開いた状態及び半開状態となったときも、移動ピン154が係止部152のストローク範囲β1外に位置される。従って、この場合にも、上述の如く乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
このように、ドアヒンジ部構造110では、リンクアーム20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、ドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。また、リンクアーム20が回動しても、ロッド46とロック機構28との相対位置に変化は生じない。
(ドアハンドルを引き操作したままの状態でスライドドアをドア全開側へスライド)
乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作すると、ロック解除用ケーブル36が車両前後方向前側(矢印C側)に引っ張られ、図12の二点鎖線で示されるように、回動レバー140がR7方向に回動された状態となる。また、スライドドア14をドア全開側にスライドさせると、スライドドア14に対しリンクアーム20が相対的に移動し、これに伴い、移動ピン154が回動レバー140の係止部152に徐々に接近するように相対移動される(すなわち、移動ピン154は係止部152に対し相対的にR6方向に移動される)。
そして、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開状態とすると、R7方向に回動された状態にある回動レバー140の係止部152に移動ピン154が係止される。また、リンクアーム20の回動に伴って移動ピン154が回動レバー140の係止部152によって押し込まれることによりR7方向に相対移動される。これにより、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられて、ロック機構28がロック解除状態となる。
このように、ドアヒンジ部構造110では、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開側へスライドさせた場合には、スライドドア14がドア全開状態となることに伴ってロック機構28がロック解除状態となる。
次に、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、スライドドア14側のドアハンドル72,74(図1参照)に操作荷重を加えれば、この操作荷重を操作荷重伝達機構126を介して車体側のロック機構28(図6参照)に伝達することができ、このロック機構28をロック解除状態とすることができる。
しかも、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作しても、ロック機構28(図6参照)の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制できる。特に、スライドドア14が全閉状態にあるときにロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制することにより、ドア全閉保持用のドアロック装置76,78(図1参照)とドア全開保持用のロック機構28の両方の負荷がドアハンドル72,74に作用することを抑制できる。これにより、スライドドア14が全閉状態にあるときのドアハンドル72,74の操作性を良好に保つことができる。
また、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、リンクアーム20が回動しても、ロッド46とロック機構28(図6参照)との相対位置に変化が生じない。これにより、リンクアーム20の回動に伴いロック機構28が不要にロック解除状態とされることを抑制できる。
また、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、スライドドア14に係止部152を備えた回動レバー140を設けると共に、リンクアーム20に回動レバー140の回動軸141の周りを周方向に変位可能な移動ピン154を設けるという簡単な構成により、スライドドア14側のドアハンドル72,74(図1参照)からの操作荷重を車体側のロック機構28(図6参照)に伝達することができる。
また、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、操作荷重伝達機構126の部品点数が少なくて済み、コスト及び重量の増加を抑制できる。
また、本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110によれば、図11,図13に示されるように、回動レバー140及び移動ピン154は、いずれもリンクアーム20に対し車両上下方向下側に位置するように配置されており、リンクアーム20に対しロッド46と車両上下方向(回動軸方向)の同じ側に設けられている。従って、リンクアーム20に対し車両上下方向下側(回動軸方向の一方側)に回動レバー140、移動ピン154、ロッド46を集中でき、リンクアーム20に対し車両上下方向上側(回動軸方向の他方側)の構成をコンパクトにできる。
[第三実施形態]
以下、本発明の第三実施形態について説明する
図15乃至図18には、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210の要部拡大斜視図、平面図、正面図(車両幅方向内側視)、さらに詳細な要部拡大斜視図がそれぞれ示されている。なお、これらの図において示される矢印Fr、矢印Out、矢印Upは、それぞれ車両前後方向前側、車両幅方向外側、車両上下方向上側を示している。
はじめに、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210の構成について説明する。
本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210は、上述の本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110に対し以下に説明する構成を変更したものである。なお、本発明の第三実施形態において、以下に説明する以外の構成については上述の本発明の第一実施形態及び第二実施形態と同一であるので、この同一の構成については上述の本発明の第一実施形態及び第二実施形態と同一の符号を用いることとしてその説明を省略する。
本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210において、操作荷重伝達機構226は、一対のリンクアーム18,20のうち車両前後方向後側に設けられたリンクアーム20とドア側ヒンジベース22との間に設けられている。この操作荷重伝達機構226は、ロック解除用ケーブル36と、固定ブラケット238と、補助伝達手段としてのベルクランク242と、回動レバー240と、移動ピン154と、ロッド46と、を主要な構成として備えている。
固定ブラケット238は、ドア側ヒンジベース22の回動軸30が設けられた位置に一体的に固定されている。固定ブラケット238は、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aよりも車両上下方向上側に位置する上壁部238Aと、ドア側ヒンジベース22の下壁部22Bよりも車両上下方向下側に位置する下壁部238Bと、上壁部238Aと下壁部238Bとを繋ぐ縦壁部238Cとを備えて構成されている。
固定ブラケット238の上壁部238Aには、スリーブ48が設けられており、このスリーブ48の貫通孔には、上述のロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分が挿通されている。これにより、ロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端側の部分は、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aよりも車両上下方向上側に配置されると共に車両前後方向に沿って配索されている。
ベルクランク242は、固定ブラケット238の縦壁部238Cの車両幅方向外側面に車両幅方向の回動軸239により回動可能に固定されている。また、ベルクランク242は、概ね車両上下方向に沿って延在するように配置され、固定ブラケット238との間に設けられた図示しないスプリングによって矢印R8方向に付勢されている。ベルクランク242の車両上下方向上側の端部は、ドア側ヒンジベース22の上壁部22Aよりも車両上下方向上側に位置されており、この端部には、ロック解除用ケーブル36の車両上下方向下端部が接続されている。一方、ベルクランク242の車両上下方向下側の端部は、ドア側ヒンジベース22の下壁部22Bよりも車両上下方向下側に位置されており、この端部には、板厚方向に貫通する長孔状の係合孔243が設けられている。
回動レバー240は、固定ブラケット238の下壁部238Bの車両上下方向下側面に車両上下方向の回動軸141により回動可能に固定されている。なお、回動軸141は、リンクアーム20のドア側ヒンジベース22に対する回動軸30と同軸状に配置されている。また、回動レバー240は、概ね車両水平方向に沿って延在するように配置され、固定ブラケット238との間に設けられた図示しないスプリングによって矢印R6方向に付勢されている。回動レバー240には、回動軸141から径方向外側に離れた位置に舌片状の係合片241が設けられている。この係合片241は、上述のベルクランク242に設けられた係合孔243に挿入されて、この係合孔243の内縁部と係合可能とされている。そして、回動レバー240は、係合孔243に係合片241が係合されることで、ベルクランク242の回動に伴って回動軸141を中心としてR7方向に回動される。
なお、この回動レバー240のその他の構成(長孔部151、係止部152)、移動ピン154、及びロッド46については、上述の第二実施形態と同様な構成とされている。
次に、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210の動作について各操作状況と併せて説明する。
(ドア全開ロック解除)
スライドドア14が車両前後方向後側にスライドされてリンクアーム20が車両前後方向後側に回動されると、これに伴い、ロッド46を介してリンクアーム20に一体的に設けられた移動ピン154が回動レバー240の長孔部151に案内されながら車両幅方向内側に相対移動される。そして、スライドドア14が全開状態となったときには、図16の実線で示されるように、移動ピン154が長孔部151における車両幅方向内側に位置されて係止部152のストローク範囲γ1内に位置される。また、このときには、移動ピン154は、車両幅方向内側のストローク限に位置されて係止部152と操作荷重を伝達可能に係止される。
そして、この状態から、乗員がスライドドア14の内外に設けられたドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作すると、ロック解除用ケーブル36が引っ張られ(ロック解除用ケーブル36の下端側の部分は車両前後方向後側(矢印A側)に移動)、ベルクランク242がR9方向に回動される。また、ベルクランク242がR9方向に回動されると、係合孔243に係合片241が係合されて、回動レバー240がR7方向に回動される。これにより、図18に示されるように、回動レバー240の係止部152と移動ピン154が係止した状態で、移動ピン154が回動レバー240の回動に伴ってR7方向に変位される。また、移動ピン154がR7方向に変位されると、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられる。これにより、図6(b)に示される如く、ロック機構28がロック解除状態となる。
そして、以上のようにして、ロック機構28がロック解除状態となることにより、スライドドア14が全開状態から車両前後方向前側にスライド可能な状態とされる。従って、乗員がスライドドア14にドア全閉側に操作力を加えれば、スライドドア14を全閉状態とすることができる。
このように、ドアヒンジ部構造210では、リンクアーム20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、ドアハンドル72,74に操作荷重を加えると、この操作荷重が操作荷重伝達機構226を介してロック機構28に伝達され、ロック機構28がロック解除状態とされる。
(ドア全閉ロック解除)
一方、スライドドア14が車両前後方向前側にスライドされてリンクアーム20が車両前後方向前側に回動されると、これに伴い、ロッド46を介してリンクアーム20に一体的に設けられた移動ピン154が回動レバー240の長孔部151に案内されながら車両幅方向外側に相対移動される。そして、スライドドア14が全閉状態となったときには、図16の二点鎖線で示されるように、移動ピン154が車両幅方向外側のストローク限に位置され、係止部152のストローク範囲γ1外に位置される。従って、上述の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110と同様に、乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。
このように、ドアヒンジ部構造210においても、リンクアーム20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、ドアハンドル72,74のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることが抑制される。また、リンクアーム20が回動しても、ロッド46とロック機構28との相対位置に変化は生じない。
(ドアハンドルを引き操作したままの状態でスライドドアをドア全開側へスライド)
ドアヒンジ部構造210では、上述の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造110と同様に、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開状態とすると、R7方向に回動された状態にある回動レバー240の係止部152に移動ピン154が係止される。また、リンクアーム20の回動に伴って移動ピン154が回動レバー140の係止部152によって押し込まれることによりR7方向に相対移動される。これにより、ロッド46がスライドドア14側(矢印B側)に引き寄せられて、ロック機構28がロック解除状態となる。
このように、ドアヒンジ部構造210においても、乗員がドアハンドル72,74のいずれかを引き操作したままの状態でスライドドア14をドア全開側へスライドさせた場合には、スライドドア14がドア全開状態となることに伴ってロック機構28がロック解除状態となる。
次に、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態とする回動位置に位置されているときに、スライドドア14側のドアハンドル72,74(図1参照)に操作荷重を加えれば、この操作荷重を操作荷重伝達機構226を介して車体側のロック機構28に伝達することができ、このロック機構28をロック解除状態とすることができる。
しかも、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、リンクアーム18,20がスライドドア14を全開状態よりもドア全閉側とする回動位置に回動されたときに、乗員がドアハンドル72,74(図1参照)のいずれかを引き操作しても、ロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制できる。特に、スライドドア14が全閉状態にあるときにロック機構28の負荷がドアハンドル72,74に余分な負荷として伝達されることを抑制することにより、ドア全閉保持用のドアロック装置76,78(図1参照)とドア全開保持用のロック機構28の両方の負荷がドアハンドル72,74に作用することを抑制できる。これにより、スライドドア14が全閉状態にあるときのドアハンドル72,74の操作性を良好に保つことができる。
また、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、リンクアーム20が回動しても、ロッド46とロック機構28との相対位置に変化が生じない。これにより、リンクアーム20の回動に伴いロック機構28が不要にロック解除状態とされることを抑制できる。
また、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、スライドドア14に係止部152を備えた回動レバー240を設けると共に、リンクアーム20にスライドドア14に対する回動軸30の周りを周方向に変位可能な移動ピン154を設けるという簡単な構成により、スライドドア14側のドアハンドル72,74(図1参照)からの操作荷重を車体側のロック機構28に伝達することができる。
また、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、図15に示されるように、ベルクランク242は、車両上下方向(リンクアーム20の回動軸方向)に沿って延在され、リンクアーム20に対し車両上下方向上側に配置されたロック解除用ケーブル36からの操作荷重をリンクアーム20に対し車両上下方向下側に配置された回動レバー240に伝達するように構成されている。従って、ベルクランク242を備えるだけの簡単な構成によりロック解除用ケーブル36をロッド46とリンクアーム20を挟んだ車両上下方向(回動軸方向)の反対側に配置することができ、ロック解除用ケーブル36の配置の自由度を増すことができる。これにより、ロック解除用ケーブル36の配置のための設計が容易となり、また、ロック解除用ケーブル36の配置(取り回し)のための構造も簡素化できる。
また、本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造210によれば、ロック解除用ケーブル36をリンクアーム20に対し車両上下方向上側に配置できるので、ロック解除用ケーブル36が被水することを抑制でき、また、ロック解除用ケーブル36が凍結することも抑制できる。
本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造が適用されたスライドドア装置の斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造が適用されたスライドドア装置の平面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造に設けられた操作荷重伝達機構の要部拡大斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造に設けられた操作荷重伝達機構の要部拡大斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造に設けられた第一ベルクランク及び第二ベルクランクの拡大斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造に設けられたロック機構の平面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造に設けられたロック機構の断面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造の平面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造の平面図である。 本発明の第一実施形態に係るドアヒンジ部構造の要部拡大平面図である。 本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造の斜視図である。 本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造の平面図である。 本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造の側面断面図である。 本発明の第二実施形態に係るドアヒンジ部構造の要部拡大斜視図である。 本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造の要部拡大斜視図である。 本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造の平面図である。 本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造の要部拡大正面図である。 本発明の第三実施形態に係るドアヒンジ部構造の要部拡大斜視図である。
符号の説明
10,110,210 ドアヒンジ部構造
14 スライドドア
16 車体側部(車体)
18,20 リンクアーム
28 ロック機構(ロック手段)
30,32 回動軸
36 ロック解除用ケーブル(ドアハンドル操作荷重伝達手段)
40 第一ベルクランク
42 第二ベルクランク(補助伝達手段)
46 ロッド(連結手段)
52 当接部(第一変位伝達手段)
54 被当接部(第二変位伝達手段)
72,74 ドアハンドル
140,240 回動レバー(回動部材)
152 係止部(第一変位伝達手段)
154 移動ピン(第二変位伝達手段、被係止部)
242 ベルクランク(補助伝達手段)
α1,β1,γ1 第一のストローク範囲
α2,β2,γ2 第二のストローク範囲

Claims (12)

  1. スライドドアと車体との間に配置され、一端側が前記スライドドアに回動可能に連結されると共に他端側が前記車体に回動可能に連結されたリンクアームと、
    前記スライドドアに第一のストローク範囲で変位可能に設けられ、操作荷重を受けて変位される第一変位伝達手段と、
    前記リンクアームに第二のストローク範囲で変位可能とされると共に、前記リンクアームが所定の回動領域に位置されているときには前記第一変位伝達手段の前記第一のストローク範囲内に位置される一方で、前記リンクアームが前記所定の回動領域とは異なる回動領域に位置されているときには前記第一変位伝達手段の前記第一のストローク範囲外に位置されるように設けられ、前記第一変位伝達手段からの操作荷重を受けて変位される第二変位伝達手段と、
    を備えたことを特徴とするドアヒンジ部構造。
  2. 前記スライドドアに回動可能に設けられた第一ベルクランクと、
    前記リンクアームに回動可能に設けられた第二ベルクランクと、
    を備え、
    前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記第一ベルクランク及び前記第二ベルクランクにそれぞれ操作荷重を伝達可能に設けられた当接部及び被当接部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアヒンジ部構造。
  3. 前記当接部及び前記被当接部の少なくとも一方は、操作荷重の伝達方向に対し傾斜するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のドアヒンジ部構造。
  4. 前記スライドドアの前記リンクアームに対する回動軸と同軸状に設けられた回動部材を備え、
    前記第一変位伝達手段は、前記回動部材における前記回動軸から径方向外側に離れた位置に設けられた係止部により構成され、
    前記第二変位伝達手段は、前記リンクアームの回動に伴って前記回動軸の周りを周方向に変位可能に設けられると共にストローク限において前記係止部と操作荷重を伝達可能に係止される被係止部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアヒンジ部構造。
  5. 前記リンクアームが前記所定の回動領域に位置されているときに前記リンクアームを前記車体に保持するためのロック手段を備え、
    前記ロック手段は、前記第二変位伝達手段からの操作荷重を受けて前記リンクアームと前記車体との保持状態を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のドアヒンジ部構造。
  6. 前記リンクアームは、前記スライドドアのドア幅方向に並んで一対備えられ、
    前記ロック手段は、前記一対のリンクアームのうち前記スライドドアのドア全開側に位置されるリンクアームと前記車体との間に設けられると共に、前記リンクアームが前記スライドドアを全開状態とする回動位置にあるときに前記リンクアームを前記車体に保持するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のドアヒンジ部構造。
  7. 前記ロック手段は、前記リンクアームの前記車体に対する回動軸から前記スライドドア側に離間した位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のドアヒンジ部構造。
  8. 前記第二変位伝達手段と前記ロック手段とを操作荷重を伝達可能に連結するための連結手段を備え、
    前記連結手段は、前記リンクアームに対し回動軸方向の一方側に設けられていることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のドアヒンジ部構造。
  9. 前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記連結手段と前記リンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のドアヒンジ部構造。
  10. 前記第一変位伝達手段及び前記第二変位伝達手段は、前記リンクアームに対し前記連結手段と回動軸方向の同じ側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のドアヒンジ部構造。
  11. 前記リンクアームに対し前記第一変位伝達手段と回動軸方向の同じ側に設けられ、前記スライドドアのドアハンドルに加えられた操作荷重を前記第一変位伝達手段に伝達可能なドアハンドル操作荷重伝達手段と、
    前記リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、前記第二変位伝達手段で受けた操作荷重を前記連結手段に伝達可能な補助伝達手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のドアヒンジ部構造。
  12. 前記連結手段と前記リンクアームを挟んだ回動軸方向の反対側に設けられ、前記スライドドアのドアハンドルに加えられた操作荷重を受けるドアハンドル操作荷重伝達手段と、
    前記リンクアームの回動軸方向に沿って延在され、前記ドアハンドル操作荷重伝達手段からの操作荷重を前記第一変位伝達手段に伝達可能な補助伝達手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載のドアヒンジ部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101380129B1 (ko) * 2012-11-27 2014-04-02 대동도어 주식회사 케이블 어셈블리
WO2019040032A3 (en) * 2017-06-21 2019-05-16 Tofas Turk Otomobil Fabrikasi Anonim Sirketi A vehicle door hinge adjustable according to different angles

Cited By (2)

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KR101380129B1 (ko) * 2012-11-27 2014-04-02 대동도어 주식회사 케이블 어셈블리
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