JP2008163225A - 隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の(1)〜(3)の物性を有するプロピレン系重合体を主成分とすることを特徴とする隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム。
(1)メルトフローレイトが0.1〜20g/10分
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点Tmが147〜159℃
(3)示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融解ピークの半値幅HWとTmが
1.54≦((188−Tm)/5)−Hw≦1.86の関係を満たす。
【選択図】 なし
Description
包装材料としての重要な特性として隠蔽性が挙げられる。包装用フイルムの隠蔽性付与の方策として(1)印刷、(2)顔料や着色剤等の練り込み、添加、(3)発泡剤添加によるボイド形成などが挙げられるが、コストや品質安定性の面から(2)無機顔料の添加や(3)発泡剤の添加によるボイド形成による方法が一般的である。
また特に工業用途に用いる場合には異物ゼロが求められる事も多く、無機フィラーの添加量は極力抑えたいのが現状である。
そのため極力少ない無機フィラーの添加量で十分な隠蔽性を付与させる技術の有用性は高い。しかし発泡剤の発泡効率を向上させる方策としては、発泡剤表面の表面処理や粒度コントロールなどで対応することが一般的であり、ベース樹脂による発泡コントロールについて言及した技術は少ない。
すなわち、本発明はメルトフローレイトが0.1〜20g/10分、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点Tmが147〜159℃、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融解ピークの半値幅HWとTmが1.54≦((188−Tm)/5)−Hw≦1.86の関係を満たすプロピレン系重合体を主成分とすることを特徴とするポリプロピレン系発泡フイルムである。
上記値が下限値を下回ると、隠蔽性が低下し、加熱後収縮率が大きくなり、製袋加工適性の悪化等という問題が生じやすい。
上記値が上限値を上回ると、延伸性が悪化する可能性がある。
上記式中の本発明はメルトフローレイトが0.1〜20g/10分、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点Tmが147〜159℃、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融解ピークの半値幅HWとTmはそれぞれフィルムを構成する主成分のポリプロピレン系樹脂における、結晶成分とコモノマー成分含量に対応しており、延伸性と剛性・熱収縮性のバランスを表している。
また、従来のポリプロピレン系発泡フイルムに比べ、加熱後の収縮率が小さく、各種包装材料、特に加熱加工を必要とする用途に適している。
本発明の主成分たるプロピレン系重合体とはプロピレン単独重合体及びプロピレン系ランダム共重合体であることを特徴とし、好ましくはプロピレン系ランダム共重合体であり、
上記値が下限値を下回ると、隠蔽性が低下し、加熱後収縮率が大きくなり加熱後収縮率が大きくなり、製袋加工適性の悪化等という問題が生じやすい。
上記値が上限値を上回ると高結晶成分が多くなり、延伸性が悪化する可能性がある。
上記式中の本発明はメルトフローレイトが0.1〜20g/10分、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点Tmが147〜159℃、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融解ピークの半値幅HWとTmはそれぞれフィルムを構成する主成分のポリプロピレン系樹脂の結晶成分とコモノマー成分含量に対応しており、延伸性と剛性・熱収縮性のバランスを表している。
上記値は、好ましくはHW≦(184−Tm)/5で、0.74≦((184−Tm)/5)−HW≦1.06であり、より好ましくはHW≦(182−Tm)/5で、0.34≦((182−Tm)/5)−HW≦0.66である。
(a)固体触媒成分
(a−1)チタン化合物
固体触媒成分(a)の合成に用いられるチタン化合物としては、例えば、一般式Ti(OR1)aX4−a(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数を表す。)で表されるチタン化合物が挙げられる。具体的には、四塩化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物、エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物、ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物、トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物を挙げることができる。これらチタン化合物は、単独で用いても良いし、二種類以上を組み合わせて用いても良い。
固体触媒成分(a)の合成に用いられる有機ケイ素化合物としては、例えば、一般式R2 nSi(OR3)4−n(R2は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数を表す。)で表されるケイ素化合物が挙げられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシ
ラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。
固体触媒成分(a)の合成に用いられるエステル化合物としては、例えば、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルが挙げられる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル等が挙げられる。好ましくはメタクリル酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルおよびマレイン酸エステル等のフタル酸エステルであり、さらに好ましくはフタル酸ジエステルである。
固体触媒成分(a)の合成に用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持ち還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を有さないマグネシウム化合物等が挙げられる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム化合物、ブチルマグネシウムクロライド等のアルキルマグネシウムハライド化合物、ブチルエトキシマグネシム等のアルキルアルコキシマグネシウム化合物、ブチルマグネシウムハイドライド等のアルキルマグネシウムハイドライド等が挙げられる。これらの還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。
一方、還元能を有さないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド等のジハロゲン化マグネシウム化合物、メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物、ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物、ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。
これらの還元能を有さないマグネシウム化合物は、予め或いは固体触媒成分(a)の調製時に、還元能を有するマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
固体触媒成分(a)の合成に用いられるエーテル化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル等のジアルキルエーテルが挙げられる。好ましくはジブチルエーテルと、ジイソアミルエーテルである。
固体触媒成分(a)の合成に用いられる有機酸ハライド化合物としては、モノおよび多価のカルボン酸ハライド等が挙げられ、例えば、脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等が挙げられる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等を挙げることができる。好ましくは塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドであり、さらに好ましくはフタル酸クロライドである。
固体触媒成分(a)を製造する方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物およびTiCl4で処理する方法。
(6)有機ケイ素化合物または有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エーテル化合物と四塩化チタンの混合物、次いで有機酸ハライド化合物の順で加えて処理したのち、該処理固体をエーテル化合物と四塩化チタンの混合物もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理する方法。
(7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(9)(1)〜(8)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの固体触媒の合成方法のうち、好ましくは(1)〜(6)の方法であり、さらに好ましくは(6)の方法である。これらの合成反応は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
本発明のプロピレン系重合体の製造に用いられる触媒系の有機アルミニウム化合物(b)は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものであり、代表的なものを一般式で下記に示す。
R4 mAlY3−m
R5R6Al−O−AlR7R8
(R4〜R8は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素またはアルコキシ基を表す。R4〜R8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数である。)有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサン等が挙げられる。
本発明のプロピレン系重合体の製造に用いられる触媒系の電子供与体成分(c)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体、アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等の一般的に使用されるものを挙げることができる。これらの電子供与体のうち好ましくは無機酸のエステル類およびエ−テル類である。
本発明で用いられるプロピレン系重合体の製造方法としては、公知の重合方法を用いて、前述の固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)からなる触媒系の存在下に、プロピレンを重合させる方法が挙げられる。
予備重合の方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、固体触媒成分(a)および有機アルミニウム化合物(b)の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法が挙げられる。予備重合に用いられる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような不活性炭化水素及び液状のプロピレンが挙げられ、これらを2種類以上混合して用いても良い。
a)に含まれるチタン原子1mol当たり0.5〜700molであり、好ましくは0.8〜500molであり、さらに好ましくは1〜200molである。
また主成分とならない樹脂としては、プロピレン系共重合体を使用することができ、プロピレンを主たるモノマー単位として含むものであり、プロピレン単独重合体をはじめ、プロピレンと共重合可能なα―オレフィン、すなわち、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン−1などを共重合せしめた共重合体を使用することができる。該プロピレン系共重合体においてはプロピレンが90モル%以上の重合体であることが好ましい。また上記ポリプロピレン樹脂はメルトフローレイトが0.5〜40g/10分、特に1〜20g/10分のものが好ましい。また融点は一般的に120〜180℃、好ましくは140〜170℃である。
また、発泡剤の配合量としてはフィルムを構成する全組成物において5重量%〜20重量%が好ましく、特に10重量%〜15重量%であることが好ましい。発泡剤が5重量%未満では良好な発泡が得られず、隠蔽化が困難となり、20重量%より多いとフイルム製膜時に破断の多発、異物の多発などの不具合が発生し、またフイルム物性としてはボイド率が高すぎ、層間強度が悪化するなどの問題が発生する。
粒径としては1μm〜10μmが好ましく、特に1.5μm〜5μmが好ましい。1μm以下ではボイドが発生しにくく、10μm以上では凝集物による外観不良が発生する。粒子径はマイクロトラック HRA X−100にて測定した。
また粒径としては150nm〜500nmが好ましく、特に200nm〜400nmが好ましい。200nm以下では隠蔽効果を発揮しにくく、500nm以上では凝集物によるブツ発生などの悪さがある。粒子径はマイクロトラック HRA X−100にて測定した。
また、通常ポリオレフィンフイルムに配合される公知の安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、可塑剤も適宜配合できる。
また本発明にあるフイルムは多層構成でも良く、多層フイルムの場合、本発明のボイド含有層を少なくとも一層の成分として用いられる。
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
ダイリップ掃除周期としては従来の1.5倍は長くする事ができ、また加熱収縮率としては、縦横共に4%以下が好ましく、更に好ましくは3.5%以下である。このようにして得られたフイルムは、異物が少なく、熱収縮率が低く包装材料等に好適である。
(メルトフローレイト:MFR)
JIS K7210に準拠して測定した。
融点(Tm)は、示差走査型熱量計(島津製作所社製DSC−60)を用い、ポリマーを220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却して150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却して50℃において1分間保温し、さらに50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際の融解ピーク温度を融点Tmとして求めた。
融解ピークの半値幅HW(℃)は、融点Tm(℃)を測定した際のDSC融解曲線を試料重量で標準化して書き出した場合の、融解ピーク全体のベースラインからピークトップまでの高さの中点におけるピーク幅として求めた。
サンプルを280mm×400mmのサイズにカットし、化学天秤にて重さを測定する。その後ダイヤルゲージを用いて厚みを測定する。それらの結果を以下の式(1)に当てはめ算出する。
見かけ比重(g/cm3)=重さ(g)/(面積(cm2)×厚み(μm)) (1)
JIS K7105に準拠して全光線透過率を測定した。
JIS Z1715を引用した。すなわち、フイルムを20mm×250mmの長方形に裁断し、150mmの距離をおいて標線をつけ、120℃の熱風乾燥機中に無荷重状態で30分間熱処理して熱収縮させた後、フイルムの縦及び横方向の寸法を測定し、下式に従い熱収縮率を求めた。
熱収縮率=
{(加熱前の標点間距離−加熱後の標点間距離)/加熱前の標点間距離}×100(%)
単軸スクリューを有する押出し機よりプロピレン−1−ブテンランダム共重合体(住友化学製、FSX21E1:MFR=1.9g/10分、融点156℃、半値幅:4.7℃)55重量部、炭酸カルシウム含有マスターバッチ(ポリプロピレン(住友化学製、FS2011DG3:MFR=2.5g/10分、融点156℃、半値幅:6.6℃)40wt%、炭酸カルシウム(備北粉化工業PO150B−10)60wt%)25重量部、二酸化チタンマスターバッチ(大日本インキ化学工業製、L−11145M:ポリプロピレン(MFR=2.5g/10分、融点156℃、半値幅:6.6℃)40wt%、二酸化チタン(堺化学製、ルチル型)60wt%))20重量部を混合後、250℃の樹脂温度で溶融押し出しし、80℃の冷却ロールにて冷却固化し未延伸シートを得た。引き続き、120℃に加熱された金属ロール間で、周速差を利用してタテ方向に4.5倍延伸し、さらにテンター延伸機に導入し、ヨコ方向に9.5倍の延伸を実施し、20μmの単層フイルムを得た。
本フイルムは、隠蔽性良好な異物の少ないポリプロピレン系発泡フイルムであった。またこのフイルムは該主成分プロピレン−1−ブテンランダム共重合体の持つ特性の影響で加熱時の寸法安定性が格段に向上したことも付記する。フイルムの特性値を表1に示す。
実施例1において、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体64重量部、炭酸カルシウム含有マスターバッチ16重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。比較例1同等の隠蔽性を維持したまま、製膜時に発生するリップ汚れの発生時間を延長できた。フイルムの特性値を表1に示す。
実施例1において、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体をプロピレン単独重合体(住友化学製、FS2011DG3:MFR=2.5g/10分、融点156℃、半値幅:6.6℃)に変更した以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。本フイルムは実施例1のフイルムと比較し、隠蔽性、加熱時の寸法安定性が劣る結果となった。フイルムの特性値を表2に示す。
実施例2において、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体をプロピレン単独重合体(住友化学製、FS2011DG3:MFR=2.5g/10分、融点156℃、半値幅:6.6℃)に変更した以外は実施例1と同様の方法でポリオレフィン系発泡フイルムを得た。本フイルムは実施例2のフイルムと比較し、隠蔽性、加熱時の寸法安定性が劣る結果となった。フイルムの特性値を表2に示す。
Claims (4)
- 以下の(1)〜(3)の物性を有するプロピレン系重合体を主成分とすることを特徴とする隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム。
(1)メルトフローレイトが0.1〜20g/10分
(2)示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融点Tmが147〜159℃
(3)示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した融解ピークの半値幅HWとTmが1.54≦((188−Tm)/5)−Hw≦1.86の関係を満たす。 - プロピレン系重合体がプロピレン系ランダム共重合体であることを特徴とする請求項1記載の隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム。
- プロピレン系重合体がプロピレン−1−ブテンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1記載の隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム。
- 発泡剤として炭酸カルシウムを用いることを特徴とする請求項1記載の隠蔽性良好なポリプロピレン系発泡フイルム。
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