JP2008163200A - 粉末洗剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)分子中にアミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる基を1種以上有するモノマー単位を含む窒素含有水溶性ポリマー〔(a)成分〕、(b)非晶質シリカ及び結晶性珪酸カルシウムから選ばれる1種以上の水不溶性無機物〔(b)成分〕、(c)硫酸ナトリウム〔(c)成分〕、(d)多価カルボン酸又はその塩〔(d)成分〕、並びに(e)アルカリ剤〔(e)成分〕を含有する粉末洗剤を、(b)成分、(c)成分及び(d)成分のいずれか1種以上を攪拌した状態で、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の残りと(a)成分を含有する水溶液とを混合した後、(e)成分を攪拌混合して製造する。
【選択図】なし
Description
(b)成分、(c)成分及び(d)成分のいずれか1種以上を攪拌した状態で、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の残りと(a)成分を含有する水溶液とを混合した後、(e)成分を攪拌混合する、粉末洗剤の製造方法に関する。
本発明では、(b)成分、(c)成分及び(d)成分のいずれか1種以上を攪拌した状態で、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の残りと(a)成分を含有する水溶液とを混合した後、(e)成分を攪拌混合する。好ましくは(b)成分、(c)成分及び(d)成分を攪拌した状態で(a)成分を含有する水溶液を混合する。また、(a)成分を含有する水溶液は滴下混合することが好ましい。
<(a)成分>
(a)成分は、分子中にアミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる基を1種以上有するモノマー単位〔以下、モノマー単位(a1)という〕を有する。(a)成分のモノマー単位(a1)を構成するために用いられるモノマーとしては、下記一般式(1)の化合物及び一般式(2)の化合物から選ばれる1種以上が好適である。
(b)成分のうち、非晶質シリカとしては、トクシール・シリーズ((株)トクヤマ)として種々市販されている合成非晶質シリカを使用できる。ここで、非晶質シリカとは、Si−Oの網目状構造からなり、一定の結晶構造を持たないものをいう。また、(b)成分のうち、結晶性珪酸カルシウムとしては、2CaO・3SiO2・mSiO2・nH2O(m、nは1<m<2、2<n<3の数)で表されるものが好ましく、フローライト・シリーズ((株)トクヤマ)として種々市販されている結晶性珪酸カルシウムを使用できる。(b)成分は、JIS K6220記載の方法による吸油能が150ml/100g以上のものが好ましい。水に不溶性であるという観点からは、(b)成分として非晶質シリカを用いるのが好ましい。本発明により得られる粉末洗剤は、(b)成分を1〜5重量%、更に1〜2重量%含有することが好ましい。
(d)成分の多価カルボン酸又はその塩は、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びフマル酸から選ばれる多価カルボン酸又はその塩が好ましく、特にアルカリ金属塩、中でもナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。(d)成分は、1種又は2種以上を使用することができる。
(e)成分のアルカリ剤としては、炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、オルトケイ酸塩、メタケイ酸塩、結晶性層状ケイ酸塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。これらのアルカリ剤は1種類でも、2種類以上の混合物としても用いることができる。具体的には、従来から知られているデンス灰や軽灰と総称されている炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2号、3号等の非晶質アルカリ金属珪酸塩が挙げられる。これら以外にも、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。本発明により得られる粉末洗剤は、(e)成分を10〜50重量%、更に20〜30重量%含有することが好ましい。
本発明により得られる粉末洗剤は、界面活性剤を含有することが好ましく、界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましい。
〔式中、R11は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。p、q、rはそれぞれ平均付加モル数を表し、p>0、r>0、q=0.5〜5であり、p+r≦20である。〕
R11−O−(EO)s−(PO)t−H (II)
〔式中、R11は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。s、tはそれぞれ平均付加モル数を表し、s=5〜9、t=2〜10である。〕
HO−(PO)x−(EO)y−(PO)z−H (III)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。x、y、zはそれぞれ0を超える平均付加モル数を表し、x+z≦60、Y≦150である。〕
本発明により得られる粉末洗剤は、キレート剤を含有することが好ましい。キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)テトラ酢酸、クエン酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、イソアミレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、ケイ酸、グルコン酸、ヒドロキシベンジルイミジノ酢酸、イミジノ酢酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられる。本発明により得られる粉末洗剤におけるキレート剤の含有量は、10〜50重量%、更に20〜40重量%が好ましい。
本発明の粉末洗剤には上記成分の他に、過硼酸塩、過炭酸塩等の漂白剤;テトラアセチルエチレンジアミン、アセトキシベンゼンスルホン酸塩、特開昭59−22999号公報、特開昭63−258447号公報、特開平6−316700号公報に記載されているような漂白活性化剤(有機過酸前駆体);アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa、ポリアクリル酸Na、カルボキシメチルセルロースNa、ポリエチレングリコール等の再汚染防止剤;プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の酵素;蛍光染料;消泡剤;増量剤;色素;香料等の常用成分を配合することができる。特に、漂白剤としては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが好適である。漂白剤、特にジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを配合する場合、製造の最終工程において添加することが好ましい。
表1に示す量の(c)成分、(d)成分〔実施例2は(S)成分も〕に(b)成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め、途中配合の成分(実施例5はこの工程は無し)を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。その後再度撹拌を止め、最終配合の(e)成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
表1に示す量の(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め、最終配合の成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
表1に示す量の(c)成分、(d)成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め途中配合の成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。その後再度撹拌を止め、最終配合の成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
表1に示す量の(b)成分、(e)成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め、最終配合の成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
表1に示す量の(b)成分、(e)成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め途中配合の成分である(S)成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。その後撹拌を止め、最終配合の成分を加えた後さらに10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
表1に示す量の(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分及びその他の成分を卓状ポータブルミキサーに投入し、1分攪拌しその後撹拌しながら(a)成分の水溶液を少しずつ滴下して、所定量滴下終了後、10分間撹拌を続けた。得られた混合物を食器洗浄機用粉末洗剤とした。
(1)外観の評価
製造直後の自動食器洗浄機用粉末洗剤の色を目視で観察し、下記基準で評価した。また、自動食器洗浄機用粉末洗剤100gを200gビーカー内に入れ、50℃恒温槽にて5日間放置した後の洗剤の色を目視で観察し、下記基準で評価した。
ほぼ白色:○
やや黄色:△
黄色:×
グレードNo.2のろ紙で作った箱(5cm×10cm×5cm)に、自動食器洗浄機用粉末洗剤150gを入れ、温度30℃、相対湿度50%の恒温恒湿器の中に3日間保存した。保存後、5000μmのふるいにかけ、透過しなかった洗剤の重さを量り、粗大粒子率(粒径5000μm以上の塊状物の比率)(%)を算出した。
粗大粒子率(%)=〔5000μm篩いを通過しなかった洗剤の重さ(g)〕/〔150(g)〕×100
業務用食器洗浄機〔三洋電機(株)製 SANYO DR53〕の洗浄槽(38L)に食器洗浄機用粉末洗剤19g(恒温槽内50℃×5日放置品)を投入して、50℃の温水で溶解させた。専用ラックにモデル汚垢を塗布した10オンスグラス4個をセットして、50℃の洗浄液にて50秒間洗浄した後、リンス剤を用いることなく90℃の濯ぎ水にて10秒間濯いだ。専用ラックから8オンスグラスを取り出し、25℃にて乾燥させた。以下に示した判定基準にて乾燥速度とウォータースポットに関する仕上がり性を評価した。
新品の10オンスグラスに牛乳2gを塗布した後、60℃にて2時間乾燥したものをモデル汚垢として仕上がり性評価に用いた。
◎;グラス1個あたりの平均で、1時間未満で乾燥
○;グラス1個あたりの平均で、1時間以上、1時間30分未満で乾燥
△;グラス1個あたりの平均で、1時間30分以上、2時間未満で乾燥
×;グラス1個あたりの平均で、2時間以上で乾燥
◎;ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で10個未満
○;ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で10個以上20個未満
△;ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で20個以上40個未満
×;ウォータースポットの数がグラス1個あたりの平均で40個以上
・水溶性ポリマー(2)マーコート280(Calgon社製)、塩化ジアリルジメチルアンモニウムとアクリル酸(モル比64/36)の共重合体(有効分40重量%の水溶液として使用、表中は該水溶液の量を示した。)
・非イオン界面活性剤(1):PO・EO・POブロックポリマー、Pluronic RPE2520(BASF社製)
・非イオン界面活性剤(2):ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンラウリルエーテル〔商品名:花王(株)製エマルゲンLS106〕
・非晶質シリカ(1):トクシールNR(株式会社トクヤマ製)
Claims (9)
- (a)分子中にアミノ基及び4級アンモニウム基から選ばれる基を1種以上有するモノマー単位を含む窒素含有水溶性ポリマー〔以下、(a)成分という〕、(b)非晶質シリカ及び結晶性珪酸カルシウムから選ばれる1種以上の水不溶性無機物〔以下、(b)成分という〕、(c)硫酸ナトリウム〔以下、(c)成分という〕、(d)多価カルボン酸又はその塩〔以下、(d)成分という〕、並びに(e)アルカリ剤〔以下、(e)成分という〕を含有する粉末洗剤の製造方法であって、
(b)成分、(c)成分及び(d)成分のいずれか1種以上を攪拌した状態で、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の残りと(a)成分を含有する水溶液とを混合した後、(e)成分を攪拌混合する、粉末洗剤の製造方法。 - 粉末洗剤における(b)成分の含有量が1〜5重量%であり、(c)成分と(d)成分の合計含有量が20〜50重量%である請求項1記載の粉末洗剤の製造方法。
- 得られる粉末洗剤の1重量%水溶液のpH(20℃)が11以上である請求項1又は2記載の粉末洗剤の製造方法。
- (b)成分の吸油量が150ml/100g以上である請求項1〜3の何れか1項記載の粉末洗剤の製造方法。
- (d)成分が、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びフマル酸から選ばれる多価カルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩から選ばれる1種以上である請求項1〜4の何れか1項記載の粉末洗剤の製造方法。
- 粉末洗剤が、更に、非イオン界面活性剤0.1〜5重量%を含有し、該非イオン界面活性剤を添加する工程を有する請求項1〜5の何れか1項記載の粉末洗剤の製造方法。
- 非イオン界面活性剤が、下記式(I)〜(III)で示される非イオン界面活性剤の1種以上である請求項6記載の粉末洗剤の製造方法
R11−O−(EO)p−(PO)q−(EO)r−H (I)
〔式中、R11は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。p、q、rはそれぞれ平均付加モル数を表し、p>0、r>0、q=0.5〜5であり、p+r≦20である。〕
R11−O−(EO)s−(PO)t−H (II)
〔式中、R11は炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。s、tはそれぞれ平均付加モル数を表し、s=5〜9、t=2〜10である。〕
HO−(PO)x−(EO)y−(PO)z−H (III)
〔式中、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を示す。x、y、zはそれぞれ0を超える平均付加モル数を表し、x+z≦60、Y≦150である。〕 - 粉末洗剤が、更に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有し、該ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを添加する工程を有する請求項1〜7の何れか1項記載の粉末洗剤の製造方法。
- (e)成分の攪拌混合後に得られる混合物を粉砕する工程を含む、請求項1〜8の何れか1項記載の粉末洗剤の製造方法。
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