JP2008162932A - 油中水型日焼け止め化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然系の原料のみで処方組みした、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性が簡便(振盪し混ぜ合わせる必要がない)で、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(E)を含有する油中水型日焼け止め化粧料:(A)常温で固体の両親媒性物質0.1〜1.5重量%(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル0.1〜1.5重量%(C)グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル0.1〜1.0重量%(D)水50.0〜80.0重量%(E)平均粒子径が5〜70nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛3.0〜20.0重量%を含有する油中水型日焼け止め化粧料において、(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%であり、且つ、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない。
【選択図】なし
【解決手段】次の成分(A)〜(E)を含有する油中水型日焼け止め化粧料:(A)常温で固体の両親媒性物質0.1〜1.5重量%(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル0.1〜1.5重量%(C)グリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル0.1〜1.0重量%(D)水50.0〜80.0重量%(E)平均粒子径が5〜70nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛3.0〜20.0重量%を含有する油中水型日焼け止め化粧料において、(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%であり、且つ、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない。
【選択図】なし
Description
本発明は、紫外線から皮膚を保護する油中水型日焼け止め化粧料に関し、更に詳しくはポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用しない、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料に関するものである。
太陽光線中の紫外線を浴び続ける事により、所謂光老化と呼ばれる「しみ」・「しわ」のみでなく、「皮膚癌」を引き起こす危険性が知られている。また、生涯浴びる紫外線量の約半分は18歳までに浴びると言われている事から、幼児期からなるべく紫外線を浴びない様にする事はとても重要とされている。この様に、皮膚に及ぼす紫外線の影響が明らかになるにつれて、紫外線から皮膚を保護する目的で、日焼け止め化粧料に対する要望が高まって来ている。
日焼け止め化粧料には、紫外線を阻止する目的で紫外線吸収剤や、紫外線散乱剤等が配合されている。紫外線吸収剤はベンゾフェノン系、ケイ皮酸系、安息香酸系のものが用いられている。しかし、これらは紫外線吸収帯が狭く、広範囲の紫外線を防止する上で必ずしも充分とは言えず、紫外線吸収効果を高める為には、配合量を多くする必要があった。しかし、これら紫外線吸収剤は皮膚刺激性を有する為、多量に配合した化粧料を繰り返し使用すると、皮膚に炎症を起こしたり、皮膚を変色させる等の問題があるものであった。
そこで、広範囲の紫外線を遮蔽する為に紫外線散乱剤が利用される。紫外線散乱剤としては酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。これら無機顔料は皮膚安全性が高く、広範囲の紫外線散乱効果を有しており、これらは油中水型や水中油型の乳化化粧料に配合され使用されている。しかし、一般的に日焼け止め化粧料は、プールや海水浴だけでなく、日常生活においても使用されるため、汗や水等で容易に塗布膜が失われ、紫外線防御効果が低下しない様、油中水型や、二層液状の油性日焼け止め化粧料等、耐水性に優れたものが主流となっている。
上記、日焼け止め化粧料に用いられる無機顔料は、その表面を特許文献1に記載されている様な、メチル水素ポリシロキサンや、ジメチルポリシロキサンによりシリコーン処理したものが汎用されている。シリコーン処理の無機顔料を高度に分散するため、低粘度シリコーン油や環状シリコーン等のシリコーン油が用いられ、その乳化には相性の良いポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤を中心とするポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤が使用されている。しかし、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤は、皮膚刺激の懸念があると言われており、消費者の中には安全性を高める目的で、ポリオキシアルキレン系界面活性剤を使用せず、更にはシリコーン油も使用しない日焼け止め化粧料を望む場合がある。
この様な要望に対応した日焼け止め化粧料としては、連続層が水相である、水中油型の乳化化粧料しか市場に無いのが現状である。このものは連続層が水溶性成分である為、耐水性が弱く、経時的に汗や水等で容易に塗布膜が失われ、紫外線防御効果が維持できないものであったり、仕上がりの自然さに欠ける等の問題があった。耐水性の高い油中水型で、前述の要望に対応した日焼け止め化粧料は市場になかった。これは、油中水型では、スクワランや、オリーブ油、ホホバ油、ヒマワリ油等の天然系の油を連続層とした場合、シリコーン油を使用したものに比べ、塗布時のべたつきや、強い油性感等、使用面上の問題や、水中油型に比べ安定性が保持しにくい事等が商品化の困難な理由と考えられる。
また、従来の技術として、ポリオキシアルキレン系界面活性剤やシリコーン油を使用しない、油中水型や二層液状の油性日焼け止め化粧料等が報告されている(特許文献2〜3)。特許文献2には、保存安定性及び使用感に優れた高含水油中水型乳化組成物についての報告があるが、このものは、HLB10以上の親水性非イオン界面活性剤を必須成分とする為、高い耐水性が要求される日焼け止め化粧料には不向きである。即ち、汗や水等に触れた場合、塗布膜が溶け流れてしまい耐水性が充分でないものであった。また、紫外線防御剤である無機顔料の分散性が悪く(二次凝集)、塗布した肌が青白くなり、透明性のある自然な仕上がりが得られない。また、特許文献3には、界面活性剤を使用せず、微粒子二酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛等の粉末成分を含有する、二層液状の油性日焼け止め化粧料が報告されている。しかし、このものは、使用時に良く振盪し、油相と粉末相とを混ぜ合わせる必要があり、簡便性に欠けるものであった。また、油分が多い為、シリコーン油以外の油分を用いた場合には、油分からくるべたつき感や、ぎらつき感があり官能面で好ましくない等、これらの従来技術の範囲では、商品化する上で多くの課題を残すものであった。この事から、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用しない、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性が簡便(振盪し混ぜ合わせる必要がない)で、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料の開発が望まれていた。
特許第3073890号
特開2001−181180号
特開2000−281552号
本発明は、従来技術における種々の欠点を解決しようとするものである。即ち、本発明が解決しようとする課題は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用せず天然系の原料のみで処方組みした、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性が簡便(振盪し混ぜ合わせる必要がない)で、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料を提供することである。
本発明者は、上述の事情に鑑み、鋭意研究した結果、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用せず、特定の両親媒性物質、非イオン性界面活性剤、微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を含有し、天然系の原料のみで処方組みした高含水の油中水型日焼け止め化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、次の成分(A)〜(E):
(A)常温で固体の両親媒性物質0.1〜1.5重量%
(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル0.1〜1.5重量%
(C)グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルより選ばれる一種又は二種以上0.1〜1.0重量%
(D)水50.0〜80.0重量%
(E)平均粒子径が5〜70nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛3.0〜20.0重量%
を含有する油中水型日焼け止め化粧料において、(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%であり、且つ、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない範囲である油中水型日焼け止め化粧料に関するものである。
(A)常温で固体の両親媒性物質0.1〜1.5重量%
(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル0.1〜1.5重量%
(C)グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルより選ばれる一種又は二種以上0.1〜1.0重量%
(D)水50.0〜80.0重量%
(E)平均粒子径が5〜70nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛3.0〜20.0重量%
を含有する油中水型日焼け止め化粧料において、(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%であり、且つ、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない範囲である油中水型日焼け止め化粧料に関するものである。
本発明の油中水型日焼け止め化粧料は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用しない、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性が簡便(振盪し混ぜ合わせる必要がない)で、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料である。
以下、本発明を詳細にする。
本発明で使用する(A)常温で固体の両親媒性物質は、一分子内に水に馴染む親水基と油に馴染む親油基を持つ分子で、例えば水素添加リン脂質、水素添加リゾリン脂質、リン脂質、リゾリン脂質、水酸化リン脂質等のレシチン誘導体、グリセリンモノセチルエーテル、グリセリンモノオレイルエーテル、グリセリンモノステアリルエーテル等のグリセリンモノアルキルエーテル、モノステアリン酸バチル等のアルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステル、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、N−ステアロイルフィトスフィンゴシン、N−リノレオイルフィトスフィンゴシン、N−2−ヒドロキシステアロイルフィトスフィンゴシン、N−ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、N−(27−オクタデカノイルオキシ−ヘプタコサノイル)−フィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン等のセラミド類、コレステロール、フィトステロール等のステロール類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸類等が挙げられ、一般に化粧品や食品に使用されるものであれば特に限定はない。これらの中で、特に安全性が高い、レシチン誘導体や、グリセリンモノアルキルエーテルが好ましい。常温で固体の両親媒性物質を配合せず、常温で液体状の両親媒性物質のみを配合した場合は、得られる化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり好ましくない。
本発明では、上記常温で固体の両親媒性物質を0.1〜1.5重量%、好ましくは0.2〜1.3重量%配合する。0.1重量%未満では、得られる化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり好ましくない。また、1.5重量%を超えると、得られる化粧料の粘度が高くなる為、塗布時ののびが重くなり、官能面上好ましくない。
本発明で使用する(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリルとしては、旧公定書(化粧品種別許可基準)や医薬部外品原料規格に収載の縮合リシノレイン酸ポリグリセリル等や、食品添加物であるグリセリン脂肪酸エステルに該当する、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等があり、化粧品や食品に使用出来るものであれば特に限定はなく使用する事ができる。
本発明では、上記ポリリシノレイン酸ポリグリセリルを0.1〜1.5重量%、好ましくは0.2〜1.3重量%配合する。0.1重量%未満では、得られる化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり、又必須成分である微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛の分散性が悪くなり、二次凝集を起こす為、塗布した肌が青白くなり、透明性のある自然な仕上がりが得られない。また、1.5重量%を超えると、得られる化粧料の塗布時ののびが重く、また塗布後のべたつきが強いものとなり、官能面上好ましくない。
本発明で使用する(C)グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜22の飽和、又は不飽和脂肪酸の一種又は二種以上と、グリセリン、ジグリセリン、蔗糖、ソルビタン等の多価アルコールの一種又は二種以上より得られる多価アルコール脂肪酸エステルであり、旧公定書(化粧品種別許可基準)や医薬部外品原料規格に収載のもの、食品添加物に該当するもの等、化粧品や食品に使用出来るものを使用することができる。また、特にHLB(Hydrophile Lipophile Balance)が10以下のもの、好ましくは8以下のものを用いる。この様なものとしては、カプリン酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、イソパルミチン酸グリセリル、パルミトレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、マカデミアナッツ油脂肪酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、オリーブ油脂肪酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、カプリン酸ジグリセリル、ウンデシレン酸ジグリセリル、ラウリン酸ジグリセリル、ミリスチン酸ジグリセリル、イソミリスチン酸ジグリセリル、パルミチン酸ジグリセリル、イソパルミチン酸ジグリセリル、パルミトレイン酸ジグリセリル、ステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、リノール酸ジグリセリル、マカデミアナッツ油脂肪酸ジグリセリル、ヤシ油脂肪酸ジグリセリル、オリーブ油脂肪酸ジグリセリル等のジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖カプリン酸エステル、蔗糖ウンデシレン酸エステル、蔗糖ラウリン酸エステル、蔗糖ミリスチン酸エステル、蔗糖イソミリスチン酸エステル、蔗糖パルミチン酸エステル、蔗糖イソパルミチン酸エステル、蔗糖パルミトレイン酸エステル、蔗糖ステアリン酸エステル、蔗糖イソステアリン酸エステル、蔗糖オレイン酸エステル、蔗糖リノール酸エステル、蔗糖マカデミアナッツ油脂肪酸エステル、蔗糖ヤシ油脂肪酸エステル、蔗糖オリーブ油脂肪酸エステル等の蔗糖脂肪酸エステル、カプリン酸ソルビタン、ウンデシレン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸ソルビタン、イソミリスチン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、イソパルミチン酸ソルビタン、パルミトレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、リノール酸ソルビタン、マカデミアナッツ油脂肪酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用する。HLBが10を超える場合、得られる化粧料の耐水性が低下する。また、化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり、好ましくない。ここで言う、HLBとはGriffinの経験式から算出されるものであり、以下の(1)式より求められる。
HLB=20−(1−SV/NV) (1)
SV:エステルのケン化価
NV:脂肪酸の中和価
HLB=20−(1−SV/NV) (1)
SV:エステルのケン化価
NV:脂肪酸の中和価
本発明では、上記グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの一種又は二種以上を0.1〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.8重量%配合する。0.1重量%未満では、得られる化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり、好ましくない。また、1.0重量%を超えると、得られる化粧料の塗布時ののびが重く、また塗布後のべたつきが強いものとなり官能面上、好ましくない。
本発明では(D)水を50.0〜80.0重量%、好ましくは65.0〜80.0重量%配合する。50.0重量%未満で調製した化粧料は、油性感が強く、塗布後にべたつきやぎらつきが有り、官能面が著しく劣る。80.0重量%を超えると、安定な日焼け止め化粧料の調製が困難となる、また、配合できる無機顔料の量が制限され、紫外線防御効果が低減する。
本発明で使用する(E)平均粒子径が5〜70nm微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛としては、平均粒子径が5〜70nm、好ましくは10〜40nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を用いる。平均粒子径が5nm未満のものは、汎用品には無く、入手が困難である。平均粒子径が70nmを超えるものは、透明性のある自然な仕上がりが得られず、また、紫外線防御効果も低い。尚、本発明において、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機顔料、その他、セバシン酸イソステアレート、アルギン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等、シリコーン以外で表面処理された微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛が使用でき、一般に化粧品や食品に使用されるものであれば特に限定はない。
本発明では、上記平均粒子径が5〜70nm微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛を3.0〜20.0重量%、好ましくは5.0〜17.0重量%配合する。3.0重量%未満では、必要とされるレベルの紫外線防御効果が得られず、また安定性も低下する為、好ましくない。20.0重量%を超えると、得られる化粧料の粘度が著しく高くなる為、塗布時ののびが重くなり、官能面上好ましくない。また、透明性のある自然な仕上がりが得られない。
本発明では、本発明の油中水型日焼け止め化粧料に対して、上記成分(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.8重量%であり、且つ(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない範囲、好ましくは2.5重量%を超えない範囲で配合する。成分(A)+(B)の合計重量%が、0.4重量%未満の場合は、得られる化粧料の安定性が悪く、油の分離等があり、好ましくない。2.0重量%を超えると、得られる化粧料の塗布時ののびが重く、また塗布後のべたつきが強いものとなり、官能面上好ましくない。更に、本発明では、この条件を満たすと共に、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない範囲で配合する必要がある。この範囲外、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えて配合した場合に得られる化粧料は、塗布時ののびが重く、また塗布後のべたつきが強いものとなり、官能面上好ましくない。
本発明の油中水型日焼け止め化粧料には、上記成分の他に、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、カロット油、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、コムギ胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、サザンカ油、シアバタ−、液状シアバタ−、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドゥフォーム油、ローズヒップ油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、オレンジラフィー油、スクワラン、ミツロウ、ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、コメヌカロウ等の天然油性成分を一種又は二種以上用いる。
本発明の油中水型日焼け止め化粧料には、発明の効果を損なわない範囲で通常の日焼け止め化粧料に使用される成分、例えばソルビトール、キシリトール、グリセリン、プルラン、トレハロース、トリメチルグリシン、マルチトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の電解質、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベントナイト、雲母、ベンガラ、酸化鉄、群青等の粉体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、キサンタンガム、カラギーナン、グァーガム、パルミチン酸デキストリン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、クインスシードガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、寒天、デンプン、ベントナイト、スメクタイト等の増粘剤、色素、防腐剤、香料、植物抽出液、海水等を適宜配合することができる。
本発明の油中水型日焼け止め化粧料は、定法によって調製出来る。例えば成分(A)、(B)、(C)、(E)を含む油相に、成分(D)を含む水相を徐々に添加し、撹拌混合する事で得られる。以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜13)
表1、2に記載の日焼け止め化粧料を調製し、以下の評価方法により評価した。その結果を表1、2に示す。
(評価方法)
1)透明性及び紫外線防御能
実施例及び比較例で得られた日焼け止め化粧料を、石英ガラス板上に0.03g、No.6のバーコーターで均一に塗布し、分光光度計で620nm(透明性)及び300nm(紫外線防御能)の透過率を測定し、以下の評価基準により判定した。
・評価基準(透明性)
:(判定)
透過率95%以上 : ◎
透過率90%以上95%未満 : ○
透過率85%以上90%未満 : △
透過率85%未満 : ×
・評価基準(紫外線防御能)
:(判定)
透過率0% : ◎
透過率0%を超え、5%未満 : ○
透過率5%以上、10%未満 : △
透過率10%以上 : ×
2)官能評価(のび、油性感の無さ、塗布後のべたつき感の無さ)
健常者パネラー30名に、各日焼け止め化粧料を使用させ「のび」、「油性感の無さ」、「塗布後のべたつき感の無さ」について官能評価した。評価は下記の絶対評価基準に従い、5段階評価し、評点の平均値を4段階判定基準を用いて判定した。
・絶対評価基準 ・4段階判定基準
(評点):(評価) (評点の平均点) :(判定)
5点 :非常に良好 4.5点以上 : ◎
4点 :良好 4.0点以上4.5点未満: ○
3点 :普通 3.0点以上4.0点未満: △
2点 :やや不良 3.0点未満 : ×
1点 :不良
3)使用性(振盪し混ぜ合わせる必要の有無)
各日焼け止め化粧料について、以下の評価基準により評価した。
:(判定)
使用前、振盪し混ぜ合わせる必要が無い : ○
使用前、振盪し混ぜ合わせる必要が有る : ×
4)耐水性
人工皮革に各日焼け止め化粧料0.03gを塗布し、塗布30秒後に人工汗として0.8%食塩水をスプレーで噴霧し、噴霧後の状態(各日焼け止め化粧料の残り具合、食塩水のはじき具合等)を目視にて観察し、以下の評価基準により評価した。
・評価基準
:(判定)
塗布した状態が維持され、食塩水をはじく : ◎
塗布した状態がほぼ維持され、食塩水をほぼはじく : ○
塗布した化粧料が一部流され、食塩水を一部はじく : △
塗布した化粧料の殆どが流され、食塩水をはじかない: ×
5)安定性
各日焼け止め化粧料を50℃及び0℃の恒温槽に1ヶ月放置した後の状態を目視にて観察し、以下の評価基準により評価した。
・評価基準
:(判定)
調製直後から状態変化なし: ○
油の分離等が見られる : ×
表1、2に記載の日焼け止め化粧料を調製し、以下の評価方法により評価した。その結果を表1、2に示す。
(評価方法)
1)透明性及び紫外線防御能
実施例及び比較例で得られた日焼け止め化粧料を、石英ガラス板上に0.03g、No.6のバーコーターで均一に塗布し、分光光度計で620nm(透明性)及び300nm(紫外線防御能)の透過率を測定し、以下の評価基準により判定した。
・評価基準(透明性)
:(判定)
透過率95%以上 : ◎
透過率90%以上95%未満 : ○
透過率85%以上90%未満 : △
透過率85%未満 : ×
・評価基準(紫外線防御能)
:(判定)
透過率0% : ◎
透過率0%を超え、5%未満 : ○
透過率5%以上、10%未満 : △
透過率10%以上 : ×
2)官能評価(のび、油性感の無さ、塗布後のべたつき感の無さ)
健常者パネラー30名に、各日焼け止め化粧料を使用させ「のび」、「油性感の無さ」、「塗布後のべたつき感の無さ」について官能評価した。評価は下記の絶対評価基準に従い、5段階評価し、評点の平均値を4段階判定基準を用いて判定した。
・絶対評価基準 ・4段階判定基準
(評点):(評価) (評点の平均点) :(判定)
5点 :非常に良好 4.5点以上 : ◎
4点 :良好 4.0点以上4.5点未満: ○
3点 :普通 3.0点以上4.0点未満: △
2点 :やや不良 3.0点未満 : ×
1点 :不良
3)使用性(振盪し混ぜ合わせる必要の有無)
各日焼け止め化粧料について、以下の評価基準により評価した。
:(判定)
使用前、振盪し混ぜ合わせる必要が無い : ○
使用前、振盪し混ぜ合わせる必要が有る : ×
4)耐水性
人工皮革に各日焼け止め化粧料0.03gを塗布し、塗布30秒後に人工汗として0.8%食塩水をスプレーで噴霧し、噴霧後の状態(各日焼け止め化粧料の残り具合、食塩水のはじき具合等)を目視にて観察し、以下の評価基準により評価した。
・評価基準
:(判定)
塗布した状態が維持され、食塩水をはじく : ◎
塗布した状態がほぼ維持され、食塩水をほぼはじく : ○
塗布した化粧料が一部流され、食塩水を一部はじく : △
塗布した化粧料の殆どが流され、食塩水をはじかない: ×
5)安定性
各日焼け止め化粧料を50℃及び0℃の恒温槽に1ヶ月放置した後の状態を目視にて観察し、以下の評価基準により評価した。
・評価基準
:(判定)
調製直後から状態変化なし: ○
油の分離等が見られる : ×
実施例1〜9で得た油中水型日焼け止め化粧料は、透明性及び紫外線防御能が高く、「のび」、「油性感の無さ」、「塗布後のべたつき感の無さ」等の官能面が良好で、使用前、振盪し混ぜ合わせる必要が無く、使用性が簡便で、耐水性及び安定性の良好なものであった。一方、比較例1〜13で得た日焼け止め化粧料は、評価項目の全て、または何れかにおいて満足するものではなかった。
本発明の油中水型日焼け止め化粧料は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤等の石油系界面活性剤及びシリコーン油を使用しない、透明性のある自然な仕上がりで、使用時ののびが極めて軽い等の官能特性に優れ、使用性が簡便(振盪し混ぜ合わせる必要がない)で、紫外線防御効果、耐水性及び安定性にも優れた油中水型日焼け止め化粧料に利用可能なものである。
Claims (1)
- 次の成分(A)〜(E):
(A)常温で固体の両親媒性物質0.1〜1.5重量%
(B)ポリリシノレイン酸ポリグリセリル0.1〜1.5重量%
(C)グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルより選ばれる一種又は二種以上0.1〜1.0重量%
(D)水50.0〜80.0重量%
(E)平均粒子径が5〜70nmの微粒子酸化チタン及び/又は微粒子酸化亜鉛3.0〜20.0重量%
を含有する油中水型日焼け止め化粧料において、(A)+(B)の合計重量%が0.4〜2.0重量%であり、且つ、(A)+(B)+(C)の合計重量%が2.8重量%を超えない範囲である油中水型日焼け止め化粧料。
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