JP2011026264A - 制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)100nm以下の平均粒子径を有する酸化亜鉛粉体と、(B)疎水化処理を表面に施した、又は表面が疎水性である、1〜20μmの平均粒子径を有する球状粉体と、を含むことを特徴とする制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明に係る制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物は、(A)100nm以下の平均粒子径を有する酸化亜鉛粉体と、(B)疎水化処理を表面に施した、又は表面が疎水性である、1〜20μmの平均粒子径を有する球状粉体と、を含むことを特徴とする。
一般に、乳化組成物は油中水型と水中油型に大別することができる。連続相が油成分である油中水型は、撥水性を有しており、肌に塗布した場合においても、水分の添加による再乳化が起こりにくく、製剤も流れ落ちにくい。そのため、製剤中に配合されている殺菌成分及び制汗成分等の有効成分の流れ落ちを抑えることができ、その効果の持続性を確保することができる。本発明の乳化組成物は、発汗しやすい部位に使用するものであり、汗による製剤の流れ落ちを防ぎ、かつ、殺菌成分及び制汗成分等の効果を長時間持続させることを目的としているため、油中水型としている。
油成分
油成分は、特に限定されるものではなく、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;オリーブ油、ホホバ油、アボカド油、メドウフォーム油、ラノリン等の天然動植物油脂;2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸エステル類;トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセライド、及び多価アルコール脂肪酸エステル油類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油、ポリエーテル変性シリコーン油、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーンゲル、シリコーンパウダー等の液体又は固体のシリコーン油等が挙げられる。好ましくは、撥水性に優れ、塗布後に素早く乾燥し、さらっとした使用感を得ることができる環状又は鎖状のシリコーン油である。また、上記油成分を、一種類又は二種類以上組み合わせて使用することができる。
乳化剤は、特に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン油用の乳化剤であるシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。好ましくは、非イオン性界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤である。また、上記乳化剤を、一種類以上使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びこれらの誘導体;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。
本発明に係る油中水型乳化組成物には、制汗成分としてクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛等を、殺菌成分としてイソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム等を、それぞれ適宜配合することができる。
また、本発明に係る油中水型乳化組成物には、更に一般に使用されているその他の化粧料成分、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール;パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸Na、フェノキシエタノール等の防腐剤;クエン酸、クエン酸Na、乳酸、乳酸Na等のpH調整剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
皮脂は、皮脂腺から分泌され、その成分は、スクワレン、脂肪酸、トリグリセライド等である。皮脂は汗と混ざり合うことによって皮脂膜を形成する。皮脂膜は、水分の蒸発を防ぐ、肌を滑らかにする、刺激から皮膚を守るといった役割を有する。しかし、過剰な皮脂の分泌は、皮膚常在菌の繁殖及び体臭の原因であることが知られている。
一方、皮脂固定化剤である酸化亜鉛は、ある特定の粒径以下の場合、脂肪酸と反応して脂肪酸亜鉛を生成し、いわゆる金属石鹸を形成する。金属石鹸は、一般的に、油ゲル化能を有しているため、油成分及び皮脂を固定化することができる。
本発明者らは、この反応性を応用することにより、過剰の皮脂が肌上で拡散することを抑制できると考え、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
すなわち、本発明に用いられる酸化亜鉛粉体の平均粒子径は、100nm以下であることを特徴とする。また、その下限は10nm以上であることが好ましい。この平均粒子径の範囲であれば、皮脂を効率良く固定化することができるからである。好ましくは、10〜50nm、さらに好ましくは、10〜30nmである。
本発明に係る油中水型乳化組成物では、粉体成分を配合することにより、汗及び皮脂による肌のベタつきを抑えることができ、さらさらとした使用感を与えることができる。一般に、粉体成分の形状には、球状、柱状、板状、針状等がある。本発明においては、肌での滑りやすさ、及びさらさらとした使用感を与えるために、粉体成分を球状粉体としている。
本発明に用いられる球状粉体は、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチルシロキサン網状重合体、シリコーンエラストマー等のシリコーン系樹脂粒子、フッ素系樹脂粒子等の疎水性粒子;ナイロンパウダー、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、合成シリカビーズ等の表面にシリコーン処理(例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン)等の疎水化処理を施した粒子等が挙げられ、上記球状粉体を一種以上用いることができる。
本発明に用いられる球状粉体の配合量は、1.0〜10.0重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、3.0〜5.0重量%である。この範囲を下回る場合は、球状粉体成分が有するさらさら感を発揮することが難しいためである。また、この範囲を上回る場合は、乳化物の粘度が高くなることによって、肌への伸びが悪くなるからである。
実施例1
表1に示す成分1(油成分)、成分2(油成分)と、成分3(シリコーンゲル)と、成分4(界面活性剤)と、成分8(皮脂固定化剤)とを約40℃に加温して均一に混合した。次に、表1に示す成分5(多価アルコール)、成分6(多価アルコール)と、成分9(制汗成分)と、成分10(殺菌成分)と、成分11(溶剤)とを約40℃に加温して均一に混合した。その後、成分1、2、3、4、8の混合物に、成分5、6、9、10、11の混合物を撹拌しながら徐々に添加した。得られた混合物を冷却し、乳化組成物を得た。
実施例1と同様の方法で、表1に記載の各配合量に従い、それぞれ乳化組成物を得た。
実施例1と同様の方法で、表1に記載の各配合量に従い、それぞれ乳化組成物を得た。なお、比較例2では、実施例1中の成分8は、成分7に置き換えて配合した。
5名の男性被験者に実施例1〜3及び比較例1〜2の各試料を配布して、各被験者のワキに塗布し、塗布して6時間後の汗の臭いの防臭効果について、下記の評価基準を用いて官能評価を受けた。
評価基準
◎:ほとんど臭わない。
○:あまり臭わない。
△:やや臭う。
×:臭う。
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた各試料の各成分の配合量と各試料の評価結果を表1に示す。
表2に示す成分1(油成分)、成分2(油成分)と、成分3(シリコーンゲル)と、成分4(界面活性剤)と、成分7(皮脂固定化剤)と、成分8(粉体成分)とを約40℃に加温して均一に混合した。次に、表2に示す成分5(多価アルコール)、6(多価アルコール)と、成分12(制汗成分)と、成分13(殺菌成分)と、成分14(溶剤)とを約40℃に加温して均一に混合した。その後、成分1、2、3、4、7、8の混合物に、成分5、6、12、13、14の混合物を撹拌しながら徐々に添加した。得られた混合物を冷却し、乳化組成物を得た。
実施例4と同様の方法で、表2に記載の各配合量に従い、それぞれ乳化組成物を得た。なお、実施例7〜9では、実施例4中の成分8は、それぞれ成分9、10、11に置き換えて配合した。
実施例4と同様の方法で、表2に記載の各配合量に従い、乳化組成物を得た。
5名の男性被験者に実施例4〜9及び比較例3の各試料を配布して、各被験者の前腕部に塗布し、各試料における粉体成分が与える肌への使用感について、下記の評価基準を用いて官能評価を受けた。官能評価は、各試料につき5回ずつ行った。
評価基準
◎:非常にさらさらしていて、肌のベタつきがない。
○:さらさらしていて、肌のベタつきがほとんどない。
△:ややベタつく。
×:ベタつく。
実施例4〜9及び比較例3で得られた各試料の各成分の配合量と各試料の評価結果を表2に示す。
Claims (3)
- (A)100nm以下の平均粒子径を有する酸化亜鉛粉体と、
(B)疎水化処理を表面に施した、又は表面が疎水性である、1〜20μmの平均粒子径を有する球状粉体と、
を含むことを特徴とする制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物。 - 上記成分(A)が0.1〜5.0重量%であり、上記成分(B)が1.0〜10.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物。
- 上記成分(A)を、350〜600℃の温度で焼成することを特徴とする請求項1又は2に記載の制汗・防臭剤用油中水型乳化組成物。
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