JP2021181435A - 油中水型乳化日焼け止め化粧料 - Google Patents

Abstract

【課題】粉っぽくない良好な使用感でありながら、塗布膜に大気有害物質が付着しにくく、且つ優れた紫外線防御効果を有する油中水型乳化日焼け止め化粧料を提供すること。【解決手段】下記成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含有し、（Ｄ）不揮発性シリコーン油の含有量が、０質量％以上５質量％以下である、油中水型乳化日焼け止め化粧料。（Ａ１）疎水化処理微粒子酸化チタン ５質量％以上（Ａ２）疎水化処理微粒子酸化亜鉛 １０質量％以上（Ｂ）２価のポリオール（Ｃ）不揮発性炭化水素油 ２質量％以上１４質量％以下【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化日焼け止め化粧料に関する。

日焼け止め化粧料には、通常、紫外線吸収剤や、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤が配合されているが、肌により優しい化粧料が求められることから、有機系紫外線吸収剤を低含量化する工夫がこれまでにされてきた。このような化粧料として、例えば、特定粒子径の超微粒子状酸化亜鉛等をシリコーン系オイルに分散させた懸濁液を含有する紫外線遮蔽性化粧料が知られている（特許文献１）。

特開２０００−１９１４９０号公報

しかしながら、本発明者が検討を進めたところ、特許文献１に記載の紫外線遮蔽性化粧料は、製剤中の分散性には優れるが、皮膚に適用してから乾燥した後に塗布膜が不均一となりやすく、その結果として紫外線防御効果が不充分となる場合があることがわかった。
また、大気有害物質による肌へのダメージがアトピー性皮膚炎の原因になる場合があることから、近年では、紫外線によるダメージを抑えることのみならず大気有害物質による肌へのダメージを抑えることも求められるようになってきた。本発明者の検討により、不揮発性シリコーン油を低含量又は不使用とした場合に、化粧料の塗布膜に大気有害物質が付着しにくくなることが判明したが、この場合には塗布時の使用感が粉っぽくなるという別の問題が生じることがわかった。
本発明は、粉っぽくない良好な使用感でありながら、塗布膜に大気有害物質が付着しにくく、且つ優れた紫外線防御効果を有する油中水型乳化日焼け止め化粧料を提供することに関する。

本発明者は、高含量の疎水化処理微粒子酸化チタン及び高含量の疎水化処理微粒子酸化亜鉛に加えて、２価のポリオールを含有し、不揮発性炭化水素油の含有量を２質量％以上１４質量％以下とするとともに、不揮発性シリコーン油の含有量を０質量％以上５質量％以下とした油中水型乳化日焼け止め化粧料が、粉っぽくない良好な使用感でありながら、塗布膜に大気有害物質が付着しにくく、且つ優れた紫外線防御効果を有することを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、下記成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含有し、（Ｄ）不揮発性シリコーン油の含有量が、０質量％以上５質量％以下である、油中水型乳化日焼け止め化粧料を提供するものである。
（Ａ１）疎水化処理微粒子酸化チタン ５質量％以上
（Ａ２）疎水化処理微粒子酸化亜鉛 １０質量％以上
（Ｂ）２価のポリオール
（Ｃ）不揮発性炭化水素油 ２質量％以上１４質量％以下

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、粉っぽくない良好な使用感でありながら、塗布膜に大気有害物質が付着しにくく、且つ優れた紫外線防御効果を有する。

大気有害物質の付着抑制効果の評価方法を示す概略図である。

＜成分（Ａ１）、（Ａ２）＞
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、（Ａ１）疎水化処理微粒子酸化チタン及び（Ａ２）疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有する。なお、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛に、＋２価以上の微量元素を含有せしめることができ、鉄、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、イットリウム等の金属を単独で又は２種以上を組み合わせて、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛に含有せしめることができる。

上記「疎水化処理微粒子酸化チタン」、「疎水化処理微粒子酸化亜鉛」の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、板状、棒状、紡錘状、針状、不定形状等が挙げられる。
また、上記「疎水化処理微粒子酸化チタン」、「疎水化処理微粒子酸化亜鉛」の平均一次粒子径ｄ_Aは、紫外線防御効果を向上させる観点から、１ｎｍ以上が好ましく、５ｎｍ以上がより好ましく、また、１００ｎｍ以下が好ましく、８０ｎｍ以下がより好ましい。また、大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点からは、１ｎｍ以上が好ましく、７ｎｍ以上がより好ましく、また、２００ｎｍ以下が好ましく、８０ｎｍ以下がより好ましく、５０ｎｍ以下が更に好ましい。平均一次粒子径ｄ_Aの具体的範囲は、紫外線防御効果と大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは１ｎｍ以上２００ｎｍ以下、より好ましくは５ｎｍ以上２００ｎｍ以下、更に好ましくは５ｎｍ以上１００ｎｍ以下、更に好ましくは７ｎｍ以上１００ｎｍ以下、更に好ましくは７ｎｍ以上８０ｎｍ以下、特に好ましくは７ｎｍ以上５０ｎｍ以下である。
本明細書における平均一次粒子径ｄ_Aは、透過型電子顕微鏡（ＴＥＭ）による観察画像から求めることができる。具体的にはＴＥＭにより観察倍率５０，０００倍の条件にて観察し、観察画像中の３００個の一次粒子の最大短径を測定し、その数平均値を算出することにより求められる。ここで、最大短径とは、「疎水化処理微粒子酸化チタン」又は「疎水化処理微粒子酸化亜鉛」が板状以外の形状を有する場合には、長径と直交する短径のうち、最大長を有する短径を意味する。また、「疎水化処理微粒子酸化チタン」又は「疎水化処理微粒子酸化亜鉛」が板状である場合には、上記と同様の条件で観察される観察画像中の３００個の一次粒子の厚さを測定し、その数平均値を算出することにより求められる。

成分（Ａ１）、（Ａ２）は、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛が疎水化処理されたものである。疎水化処理により、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛の分散性が改善され、また、大気有害物質付着抑制効果が向上する。

疎水化処理としては、例えば、シリコーン処理；アルキルアルコキシシラン処理；脂肪酸処理；パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール、パーフルオロアルキルアルコキシシラン等のフッ素含有化合物処理；Ｎ−アシルグルタミン酸等のアミノ酸処理；アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。
これらの中でも、化粧料中での成分（Ａ１）の分散性を高め、紫外線防御効果を向上させる観点から、脂肪酸処理が好ましい。また、成分（Ａ２）の分散性を高め、紫外線防御効果を向上させる観点から、シリコーン処理、アルキルアルコキシシラン処理が好ましい。

脂肪酸処理に用いられる表面処理剤としては、炭素数１２以上２２以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸又はその塩が挙げられる。中でも、化粧料中での成分（Ａ１）、成分（Ａ２）の分散性を高め、大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点から、炭素数１４以上２２以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸又はその塩が好ましく、炭素数１６以上２０以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸又はその塩がより好ましく、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、イソステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウムが更に好ましい。
シリコーン処理に用いられる表面処理剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルシロキサン／メチル（ポリオキシエチレン）シロキサン／メチル（ポリオキシプロピレン）シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン／メチル（ポリオキシエチレン）シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン／メチル（ポリオキシプロピレン）シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン／メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン／メチルステアロキシシロキサン共重合体、アクリル酸アルキル／ジメチコン共重合体等の各種シリコーン油が挙げられる。これらの中でも、化粧料中での成分（Ａ１）、成分（Ａ２）の分散性を高め、大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点から、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
アルキルアルコキシシラン処理に用いられる表面処理剤としては、化粧料中での成分（Ａ１）、成分（Ａ２）の分散性を高め、大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点から、炭素数６以上２０以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランが好ましく、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランがより好ましい。

疎水化処理された微粒子酸化チタン（Ａ１）の市販品としては、テイカ社製のＭＴ−１００シリーズやＪＲシリーズ、ＭＰＹシリーズ、堺化学工業社製のＳＴＲ−１００シリーズ、石原産業社製のＴＴＯ５５シリーズやＴＴＯ５１シリーズ、ＭＰＴシリーズ等が挙げられる。疎水化処理された微粒子酸化亜鉛（Ａ２）の市販品としては、テイカ社製のＭＺ−５００シリーズやＭＺ−３００シリーズ、堺化学工業社製のＦＩＮＥＸ−５０シリーズやＦＩＮＥＸ−３０シリーズ、ＦＩＮＥＸ−２５シリーズ等が挙げられる。

前述の表面処理剤は、１種を単独で又は２種以上を組み合わせて用いることができる。
表面処理剤の処理量は、化粧料中での成分（Ａ１）、成分（Ａ２）の分散性を高め、紫外線防御効果と大気有害物質付着抑制効果を向上させる観点から、成分（Ａ１）の全質量又は成分（Ａ２）の全質量に対して、好ましくは０．１質量％以上であり、また、好ましくは４０質量％以下、より好ましくは３０質量％以下である。
なお、上記の処理量は、微粒子酸化チタン又は微粒子酸化亜鉛と表面処理剤との合計を１００質量％としたときの量を意味する。また、上記の平均一次粒子径ｄ_A、後述する化粧料中の含有量や含有質量比も、表面処理剤を含めての平均一次粒子径ｄ_A、含有量、含有質量比を意味する。

疎水化処理微粒子酸化チタンの含有量は、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、５質量％以上である。疎水化処理微粒子酸化チタンの含有量を５質量％以上とすることにより、紫外線防御効果が改善され、紫外線吸収剤を低含量化した場合や紫外線吸収剤を使用しない場合でも、高い紫外線防御効果を得ることができる。
疎水化処理微粒子酸化チタンの含有量は、紫外線防御効果等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは６質量％以上、より好ましくは７質量％以上、更に好ましくは８質量％以上であり、また、粉っぽさのなさ、白浮きのなさ、塗布時の滑らかさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは２５質量％以下、より好ましくは２０質量％以下、更に好ましくは１５質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、６質量％以上２５質量％以下が好ましく、７質量％以上２０質量％以下がより好ましく、８質量％以上１５質量％以下が更に好ましい。なお、疎水化処理微粒子酸化チタンの含有量を８質量％以上とした場合に、紫外線防御効果が特に改善される。

疎水化処理微粒子酸化亜鉛の含有量は、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、１０質量％以上である。疎水化処理微粒子酸化亜鉛の含有量を１０質量％以上とすることにより、紫外線防御効果が改善され、紫外線吸収剤を低含量化した場合や紫外線吸収剤を使用しない場合でも、高い紫外線防御効果を得ることができる。
疎水化処理微粒子酸化亜鉛の含有量は、紫外線防御効果等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１２質量％以上、より好ましくは１３質量％以上、更に好ましくは１５質量％以上、特に好ましくは１７質量％以上であり、また、粉っぽさのなさ、白浮きのなさ、塗布時の滑らかさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは３５質量％以下、より好ましくは３０質量％以下、更に好ましくは２５質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、１２質量％以上３５質量％以下が好ましく、１３質量％以上３０質量％以下がより好ましく、１５質量％以上２５質量％以下が更に好ましく、１７質量％以上２５質量％以下が特に好ましい。なお、疎水化処理微粒子酸化亜鉛の含有量を１７質量％以上とした場合に、紫外線防御効果が特に改善される。

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料には、成分（Ａ３）として、成分（Ａ１）及び（Ａ２）以外の紫外線散乱剤を含有せしめることができる。このような紫外線散乱剤としては、例えば、疎水化処理微粒子酸化セリウム、疎水化処理微粒子酸化鉄、疎水化処理微粒子酸化クロム等が挙げられる。成分（Ａ３）における疎水化処理としては、成分（Ａ１）、（Ａ２）において説明した疎水化処理と同様のものが挙げられる。また、これらの紫外線散乱剤は、１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分（Ａ３）の含有量としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上５質量％以下が好ましく、０質量％以上２．５質量％以下がより好ましく、０質量％以上１質量％以下が更に好ましく、０質量％以上０．５質量％以下が更に好ましく、０質量％が特に好ましい。

＜成分（Ｂ）＞
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、（Ｂ）２価のポリオールを含有する。なお、「２価のポリオール」とは、同一分子内にヒドロキシ基を２個有するアルコールを意味する。２価のポリオールを含有せしめることによって、乾燥後の塗布膜が均一となりやすくなり、紫外線防御効果に優れたものとなる。
２価のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール等のアルキレングリコール；ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジアルキレングリコール；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。これらの中でも、乾燥後の塗布膜の均一性、紫外線防御効果、粉っぽさのなさ等の観点から、アルキレングリコール、ジアルキレングリコールが好ましく、ジアルキレングリコールがより好ましく、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
また、２価のポリオールの炭素数は、好ましくは１以上１２以下、より好ましくは２以上１０以下、更に好ましくは２以上８以下、特に好ましくは４以上８以下である。

２価のポリオールは、市販品を用いても常法に従って合成して得たものを用いてもよい。１，３−ブチレングリコールの市販品としては、１，３−ブチレングリコール−Ｐ（ＫＨネオケム社製）等が挙げられる。ジプロピレングリコールの市販品としては、ＤＰＧ−ＲＦ（ＡＤＥＫＡ社製）等が挙げられる。

なお、２価のポリオールは、１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。

２価のポリオールの含有量は、乾燥後の塗布膜の均一性、紫外線防御効果、粉っぽさのなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上、より好ましくは３質量％以上、更に好ましくは４質量％以上、特に好ましくは４．５質量％以上であり、また、べたつきのなさ、乳化安定性等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１４質量％以下、より好ましくは１２質量％以下、更に好ましくは１０質量％以下、特に好ましくは８質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、１質量％以上１４質量％以下が好ましく、３質量％以上１２質量％以下がより好ましく、４質量％以上１０質量％以下が更に好ましく、４．５質量％以上８質量％以下が特に好ましい。なお、２価のポリオールの含有量を１質量％以上とした場合に、乾燥後の塗布膜の均一性、紫外線防御効果、粉っぽさのなさが特に改善される。

また、成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｂ）の含有質量比〔（Ｂ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕は、乾燥後の塗布膜の均一性、紫外線防御効果、塗布時の粉っぽさの軽減、なめらかな感触の向上等の観点から、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．１２５以上であり、また、べたつきのなさ等の観点から、好ましくは０．７５以下、より好ましくは０．５以下、更に好ましくは０．４以下である。具体的な範囲としては、０．０５以上０．７５以下が好ましく、０．１以上０．５以下がより好ましく、０．１２５以上０．４以下が更に好ましい。

＜成分（Ｃ）＞
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、（Ｃ）不揮発性炭化水素油を含有する。
不揮発性炭化水素油は、１気圧下２５℃で揮発性を示さない液体の炭化水素油であればよい。１気圧下２５℃で不揮発性の炭化水素油の引火点は、好ましくは１００℃以上である。１気圧下２５℃で不揮発性の炭化水素油の中でも、粉っぽさのなさ、べたつきのなさ及び伸びのよさの観点から、粘度が２５℃で３００ｍＰａ・ｓ以下のものが好ましく、より好ましくは１５０ｍＰａ・ｓ以下、更に好ましくは１００ｍＰａ・ｓ以下である。例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン等が挙げられ、これらのうち１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、成分（Ｃ）の粘度は、Ｂ型粘度計ＴＶＢ−１０（東機産業社製）を用いて、ロータ２、２５℃、３０ｒｐｍの条件で測定される。
流動イソパラフィンの市販品としては、パールリーム ＥＸ、パールリーム ６（以上、日油社製）等が挙げられる。スクワランの市販品としては、ニッコール スクワラン（日本サーファクタント工業社製）等が挙げられる。

不揮発性炭化水素油の含有量は、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、２質量％以上１４質量％以下である。不揮発性炭化水素油の含有量をこのような範囲とすることにより、粉っぽさが改善され、ギシギシ感の少ないなめらかな感触が得られる。
不揮発性炭化水素油の含有量は、塗布時の粉っぽさを軽減し、塗布時のなめらかな感触を向上させる観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは４質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは６質量％以上であり、また、油性感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１４質量％以下、より好ましくは１３質量％以下、更に好ましくは１２質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、４質量％以上１４質量％以下が好ましく、４質量％以上１３質量％以下がより好ましく、５質量％以上１３質量％以下が更に好ましく、６質量％以上１２質量％以下が特に好ましい。なお、不揮発性炭化水素油の含有量を６質量％以上とした場合に、粉っぽさのなさが特に改善される。

また、成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｃ）の含有質量比〔（Ｃ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕は、塗布時の粉っぽさの軽減、ギシギシ感の抑制、塗布時のなめらかな感触の向上、塗布後の保湿感等の観点から、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．２以上、特に好ましくは０．３以上であり、また、紫外線防御効果、大気有害物質付着抑制効果等の観点から、好ましくは１．５以下、より好ましくは１以下、更に好ましくは０．７５以下、特に好ましくは０．３９以下である。具体的な範囲としては、０．０５以上１．５以下が好ましく、０．１以上１以下がより好ましく、０．２以上０．７５以下が更に好ましく、０．３以上０．３９以下が特に好ましい。

＜成分（Ｄ）＞
不揮発性シリコーン油は、１気圧下２５℃で揮発性を示さない液体のシリコーン油であればよい。
不揮発性シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の不揮発性鎖状ポリシロキサン；テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の不揮発性環状ポリシロキサンが挙げられる。なお、これらのうち１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
不揮発性シリコーン油の２５℃における動粘度は、保湿感及び肌のなめらかさの持続性、べたつきのなさ並びに伸びのよさの観点から、好ましくは３００ｍｍ²／ｓ以下、より好ましくは１５０ｍｍ²／ｓ以下、更に好ましくは１００ｍｍ²／ｓ以下、特に好ましくは５０ｍｍ²／ｓ以下であり、また、好ましくは３ｍｍ²／ｓ以上である。
ジメチルポリシロキサンの市販品としては、ＫＦ−９６Ｌ−６ＣＳ、ＫＦ−９６Ａ−１０ＣＳ（以上、信越化学工業社製）等が挙げられる。メチルフェニルポリシロキサンの市販品としては、ＳＨ５５６Ｆｌｕｉｄ（東レ・ダウ社製）等が挙げられる。

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、不揮発性シリコーン油を含んでいても含んでいなくてもよく、不揮発性シリコーン油の含有量は、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上５質量％以下である。不揮発性シリコーン油の含有量を０質量％以上５質量％以下とすることにより、大気有害物質付着抑制効果が改善される。
不揮発性シリコーン油の含有量は、べたつき抑制効果や肌のなめらかさの持続性等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．５質量％以上であり、また、大気有害物質付着抑制効果、油性感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは４質量％以下、より好ましくは３質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上４質量％以下が好ましく、０質量％以上３質量％以下がより好ましく、０．１質量％以上３質量％以下が更に好ましく、０．５質量％以上３質量％以下が特に好ましい。なお、不揮発性シリコーン油の含有量を４質量％以下又は３質量％以下とした場合に、大気有害物質付着抑制効果が特に改善される。

また、成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕は、べたつき抑制効果や肌のなめらかさの持続性等の観点から、好ましくは０以上、より好ましくは０．００５以上、更に好ましくは０．０１以上、特に好ましくは０．０２５以上であり、また、紫外線防御効果、大気有害物質付着抑制効果、油性感のなさ等の観点から、好ましくは０．５以下、より好ましくは０．２５以下、更に好ましくは０．２以下、更に好ましくは０．１５以下、更に好ましくは０．１以下、特に好ましくは０．０６以下である。具体的な範囲としては、０以上０．５以下が好ましく、０．００５以上０．２５以下がより好ましく、０．０１以上０．１５以下が更に好ましく、０．０２５以上０．１以下が特に好ましい。

また、成分（Ｃ）に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（Ｃ）〕は、肌のギシギシ感を抑制し、粉っぽさを軽減し、肌のなめらかさの持続性を向上させる観点から、好ましくは０以上、より好ましくは０．０５以上、更に好ましくは０．０７５以上、特に好ましくは０．１以上であり、また、粉っぽさを軽減し、なめらかな感触を向上させ、大気有害物質付着抑制効果を改善させる観点から、好ましくは１以下、より好ましくは０．７５以下、更に好ましくは０．５以下、特に好ましくは０．２以下である。具体的な範囲としては、０以上１以下が好ましく、０．０５以上０．７５以下がより好ましく、０．０７５以上０．５以下が更に好ましく、０．１以上０．２以下が特に好ましい。

＜成分（Ｅ）＞
（Ｅ）水の含有量は、乳化安定性、油性感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上、より好ましくは３質量％以上、更に好ましくは５質量％以上であり、また、耐水性、伸びの良さ、べたつき感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは２５質量％以下、より好ましくは２０質量％以下、更に好ましくは１７．５質量％以下、特に好ましくは１５質量％以下である。具体的な範囲としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、１質量％以上２５質量％以下が好ましく、１質量％以上２０質量％以下がより好ましく、３質量％以上１７．５質量％以下が更に好ましく、５質量％以上１５質量％以下が特に好ましい。

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料としては、大気有害物質付着抑制効果、乳化安定性、分散安定性等の観点から、上記各成分の他に、更に（Ｆ）成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油、（Ｇ）揮発性油、（Ｈ）界面活性剤、（Ｉ）成分（Ａ１）〜（Ａ３）以外の粉体、並びに（Ｊ）油性増粘剤から選ばれる１種又は２種以上を含有するものが好ましく、成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｆ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるもの、成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｇ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるもの、又は成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｊ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものがより好ましく、成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）及び（Ｅ）〜（Ｇ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものが更に好ましく、成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）及び（Ｅ）〜（Ｊ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものが特に好ましい。

＜成分（Ｆ）＞
成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油は、１気圧下２５℃で揮発性を示さない液体の油のうち、成分（Ｃ）及び（Ｄ）並びに１気圧下２５℃で液体の油溶性紫外線吸収剤を除くものを意味する。
成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油としては、不揮発性エステル油が好ましい。例えば、２−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸２−エチルヘキシル、ステアリン酸２−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル等の不揮発性脂肪酸エステル油；安息香酸アルキル（Ｃ１２−１５）等が挙げられる。また、不揮発性脂肪酸エステル油として、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、トリ（２−エチルヘキサン酸）グリセリル等の脂肪酸トリグリセライド；ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステル；他の多価アルコール脂肪酸エステル油等を用いてもよい。
これらの中では、大気有害物質付着抑制効果、肌なじみの良さ等の観点から、不揮発性脂肪酸エステル油が好ましく、不揮発性多価アルコール脂肪酸エステル油がより好ましく、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸とネオペンチルグリコールとのエステルが特に好ましい。
パルミチン酸イソプロピルの市販品としては、エキセパール ＩＰＰ（花王社製）等が挙げられる。安息香酸アルキル（Ｃ１２−１５）の市販品としては、ＦＩＮＳＯＬＶ ＴＮ（Ｉｎｎｏｓｐｅｃ Ａｃｔｉｖｅ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ社製）等が挙げられる。トリ（２−エチルヘキサン酸）グリセリルの市販品としては、エキセパールＴＧＯ（花王社製）等が挙げられる。ジカプリン酸ネオペンチルグリコールの市販品としては、エステモール Ｎ−０１（日清オイリオグループ社製）等が挙げられる。ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールの市販品としては、コスモール５２５（日清オイリオグループ社製）等が挙げられる。

なお、成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油は、１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。

成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油として不揮発性エステル油を用いる場合、不揮発性エステル油の含有量としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０．５質量％以上１５質量％以下が好ましく、１質量％以上１０質量％以下がより好ましく、３質量％以上７．５質量％以下が特に好ましい。不揮発性エステル油の含有量をこのような範囲とすることにより、大気有害物質付着抑制効果に更に優れたものとなる。

＜成分（Ｇ）＞
揮発性油は、１気圧下２５℃で揮発性を示す液体の油であればよい。揮発性油としては、揮発性シリコーン油、揮発性炭化水素油等が挙げられる。揮発性炭化水素油の引火点としては、１００℃以下が好ましく、３５℃以上１００℃以下がより好ましい。
揮発性シリコーン油としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性環状シリコーン油；オクタメチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、揮発性ジメチルポリシロキサン等の直鎖状又は分岐状の揮発性シリコーン油が挙げられる。
揮発性ジメチルポリシロキサンの２５℃における動粘度は、好ましくは０．５ｍｍ²／ｓ以上２ｍｍ²／ｓ以下であり、より好ましくは０．６５ｍｍ²／ｓ以上２ｍｍ²／ｓ以下である。

揮発性炭化水素油としては、例えば、ｎ−デカン、ｎ−ウンデカン、ｎ−ドデカン等のパラフィン系揮発性炭化水素油；イソデカン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン等のイソパラフィン系揮発性炭化水素油が挙げられる。

デカメチルシクロペンタシロキサンの市販品としては、ＴＳＦ４０５Ａ（モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製）、ＳＨ２４５、ＤＣ３４５（東レ・ダウコーニング社製）、ＫＦ−９９５（信越化学工業社製）等が挙げられる。メチルトリメチコンの市販品としては、シリコーンＴＭＦ−１．５（信越化学工業社製）等が挙げられる。エチルトリシロキサンの市販品としては、ＳＩＬＳＯＦＴＥＴＳ（モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製）等が挙げられる。デカメチルテトラシロキサンの市販品としては、ＫＦ−９６Ｌ−１．５ＣＳ（信越化学工業社製）等が挙げられる。揮発性ジメチルポリシロキサンの市販品としては、ＫＦ−９６Ｌ−２ＣＳ（信越化学工業社製）等が挙げられる。
また、軽質流動イソパラフィンの市販品としては、パールリーム ４（日油社製）等が挙げられる。

なお、揮発性油は、１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。

揮発性油の含有量としては、伸びのよさと油性感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上５０質量％以下が好ましく、５質量％以上４０質量％以下がより好ましく、１０質量％以上３５質量％以下が特に好ましい。

＜成分（Ｈ）＞
界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の公知のものを用いればよいが、耐水性、配合容易性等の観点から、非イオン界面活性剤が好ましく、ＨＬＢ８以下（好ましくはＨＬＢ１〜７、より好ましくはＨＬＢ２〜６、特に好ましくはＨＬＢ３〜５）の非イオン界面活性剤がより好ましい。なお、界面活性剤は、２５℃で液状のものが好ましい。
ここで、ＨＬＢは、親水性−親油性のバランス（Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｅ−Ｌｉｐｏｐｈｉｌｅ Ｂａｌａｎｃｅ）を示す指標であり、小田・寺村らによる次式により定義される。

ＨＬＢ ＝ （Σ無機性値 ／ Σ有機性値） × １０

非イオン界面活性剤としては、例えば、多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤が好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル型界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル型界面活性剤、ジグリセリン脂肪酸エステル型界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル型界面活性剤、プロピレングリコール脂肪酸エステル型界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、ソルビタン脂肪酸エステル型界面活性剤が好ましく、ソルビタンモノ脂肪酸エステル型界面活性剤が特に好ましい。具体的には、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体が好ましい。具体的には、ＰＥＧ−３ジメチコン、ＰＥＧ−９ジメチコン、ＰＥＧ−１０ジメチコン等が挙げられる。

なお、界面活性剤は、１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。

界面活性剤の含有量としては、粉体の分散性、乳化安定性の向上やべたつき感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０．２質量％以上１０質量％以下が好ましく、０．５質量％以上８質量％以下がより好ましく、１質量％以上５質量％以下が特に好ましい。

＜成分（Ｉ）＞
成分（Ａ１）〜（Ａ３）以外の粉体としては、例えば、疎水化処理タルク、セルロース粒子、多孔質シリカ、架橋（メタ）アクリル酸エステル系樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。なお、これらのうち１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。

成分（Ａ１）〜（Ａ３）以外の粉体の含有量としては、粉っぽくなさ、肌のなめらかさの持続性、べたつき感のなさ等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０．２質量％以上１０質量％以下が好ましく、０．５質量％以上８質量％以下がより好ましく、１質量％以上５質量％以下が特に好ましい。

＜成分（Ｊ）＞
油性増粘剤としては、例えば、イヌリン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル系油性増粘剤の他、イソステアリン酸ポリグリセリル、（ベヘン酸／エイコサン二酸）グリセリル、有機変性粘土鉱物等が挙げられる。なお、これらのうち１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、油性感のなさや肌のなめらかさの持続性等の観点から、糖脂肪酸エステル系油性増粘剤が好ましい。糖脂肪酸エステル系油性増粘剤における脂肪酸の残基としては、直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪酸残基が好ましい。また、脂肪酸残基の炭素数は、好ましくは８〜２４、より好ましくは１２〜２２、特に好ましくは１４〜２０である。
糖脂肪酸エステル系油性増粘剤としては、デキストリン脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、（パルミチン酸／２−エチルヘキサン酸）デキストリン、（パルミチン酸／ヘキシルデカン酸）デキストリン等が挙げられる。

油性増粘剤の含有量としては、油性感のなさ、べたつき感のなさ、肌のなめらかさの持続性等の観点から、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０．０５質量％以上５質量％以下が好ましく、０．１質量％以上４質量％以下がより好ましく、０．２質量％以上３質量％以下が特に好ましい。

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、上記各成分の他に、トリメチルシロキシケイ酸等の被膜形成剤；成分（Ｂ）以外のポリオール；低級アルコール；ワックス類；防腐剤；香料；ｐＨ調整剤；保湿剤；感触向上剤；皮脂吸収剤；粘度調整剤；トコフェロール等のビタミン類；カロテン等のテルペン類等を含んでいてもよい。なお、これらのうち１種のみを単独で使用しても２種以上を組み合わせて使用してもよい。
被膜形成剤の含有量としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上０．０７５質量％以下が好ましく、０質量％以上０．０１質量％以下がより好ましく、０質量％が特に好ましい。

本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料の剤型としては、乳液状、クリーム状、ペースト状、ジェル状等の非固体状のものが挙げられる。
また、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、皮膚（好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等）に塗布して日焼け止めとして使用することができる。また、その使用方法は特に限定されないが、手又は塗布用器具で塗布するのが好ましい。
本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、常法に従って製造できる。

そして、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、粉っぽくない良好な使用感でありながら、塗布膜に大気有害物質が付着しにくく、且つ優れた紫外線防御効果を有する。このような優れた紫外線防御効果が奏される理由は、乾燥後の塗布膜が均一となりやすく、紫外線防御効果がムラなく得られるためであると本発明者は推察する。
また、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、紫外線吸収剤を低含量化した場合や紫外線吸収剤を使用しない場合でも、高い紫外線防御効果を得ることができる。紫外線吸収剤の含有量としては、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料中、０質量％以上５質量％以下が好ましく、０質量％以上２．５質量％以下がより好ましく、０質量％以上１質量％以下が更に好ましく、０質量％以上０．５質量％以下が更に好ましく、０質量％が特に好ましい。

上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の化粧料等を開示する。
＜１＞ 下記成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含有し、（Ｄ）不揮発性シリコーン油の含有量が、０質量％以上５質量％以下である、油中水型乳化日焼け止め化粧料。
（Ａ１）疎水化処理微粒子酸化チタン ５質量％以上
（Ａ２）疎水化処理微粒子酸化亜鉛 １０質量％以上
（Ｂ）２価のポリオール
（Ｃ）不揮発性炭化水素油 ２質量％以上１４質量％以下

＜２＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の平均一次粒子径ｄ_Aが、好ましくは１ｎｍ以上、より好ましくは５ｎｍ以上であり、また、好ましくは１００ｎｍ以下、より好ましくは８０ｎｍ以下である、＜１＞に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜３＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の平均一次粒子径ｄ_Aが、好ましくは１ｎｍ以上、より好ましくは７ｎｍ以上であり、また、好ましくは２００ｎｍ以下、より好ましくは８０ｎｍ以下、更に好ましくは５０ｎｍ以下である、＜１＞に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜４＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の平均一次粒子径ｄ_Aが、好ましくは１ｎｍ以上２００ｎｍ以下、より好ましくは５ｎｍ以上２００ｎｍ以下、更に好ましくは５ｎｍ以上１００ｎｍ以下、更に好ましくは７ｎｍ以上１００ｎｍ以下、更に好ましくは７ｎｍ以上８０ｎｍ以下、特に好ましくは７ｎｍ以上５０ｎｍ以下である、＜１＞に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜５＞ 成分（Ａ１）の疎水化処理が、好ましくはシリコーン処理、アルキルアルコキシシラン処理、脂肪酸処理、フッ素含有化合物処理、アミノ酸処理及びアルキルリン酸エステル処理から選ばれる疎水化処理であり、より好ましくは脂肪酸処理である、＜１＞〜＜４＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜６＞ 成分（Ａ２）の疎水化処理が、好ましくはシリコーン処理、アルキルアルコキシシラン処理、脂肪酸処理、フッ素含有化合物処理、アミノ酸処理及びアルキルリン酸エステル処理から選ばれる疎水化処理であり、より好ましくはシリコーン処理及びアルキルアルコキシシラン処理から選ばれる疎水化処理である、＜１＞〜＜５＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜７＞ 成分（Ａ１）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは６質量％以上、より好ましくは７質量％以上、更に好ましくは８質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは２５質量％以下、より好ましくは２０質量％以下、更に好ましくは１５質量％以下である、＜１＞〜＜６＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜８＞ 成分（Ａ１）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは６質量％以上２５質量％以下、より好ましくは７質量％以上２０質量％以下、更に好ましくは８質量％以上１５質量％以下である、＜１＞〜＜６＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜９＞ 成分（Ａ２）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１２質量％以上、より好ましくは１３質量％以上、更に好ましくは１５質量％以上、特に好ましくは１７質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは３５質量％以下、より好ましくは３０質量％以下、更に好ましくは２５質量％以下である、＜１＞〜＜８＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１０＞ 成分（Ａ２）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１２質量％以上３５質量％以下、より好ましくは１３質量％以上３０質量％以下、更に好ましくは１５質量％以上２５質量％以下、特に好ましくは１７質量％以上２５質量％以下である、＜１＞〜＜８＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜１１＞ 成分（Ｂ）が、好ましくはアルキレングリコール、ジアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールから選ばれる１種又は２種以上であり、より好ましくはアルキレングリコール及びジアルキレングリコールから選ばれる１種又は２種以上であり、更に好ましくはジアルキレングリコールであり、特に好ましくはジプロピレングリコールである、＜１＞〜＜１０＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１２＞ 成分（Ｂ）の炭素数が、好ましくは１以上１２以下、より好ましくは２以上１０以下、更に好ましくは２以上８以下、特に好ましくは４以上８以下である、＜１＞〜＜１１＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜１３＞ 成分（Ｂ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上、より好ましくは３質量％以上、更に好ましくは４質量％以上、特に好ましくは４．５質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１４質量％以下、より好ましくは１２質量％以下、更に好ましくは１０質量％以下、特に好ましくは８質量％以下である、＜１＞〜＜１２＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１４＞ 成分（Ｂ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上１４質量％以下、より好ましくは３質量％以上１２質量％以下、更に好ましくは４質量％以上１０質量％以下、特に好ましくは４．５質量％以上８質量％以下である、＜１＞〜＜１２＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜１５＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｂ）の含有質量比〔（Ｂ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．１２５以上であり、また、好ましくは０．７５以下、より好ましくは０．５以下、更に好ましくは０．４以下である、＜１＞〜＜１４＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１６＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｂ）の含有質量比〔（Ｂ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０．０５以上０．７５以下、より好ましくは０．１以上０．５以下、更に好ましくは０．１２５以上０．４以下である、＜１＞〜＜１４＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜１７＞ 成分（Ｃ）の引火点が、好ましくは１００℃以上である、＜１＞〜＜１６＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１８＞ 成分（Ｃ）の２５℃における粘度が、好ましくは３００ｍＰａ・ｓ以下、より好ましくは１５０ｍＰａ・ｓ以下、更に好ましくは１００ｍＰａ・ｓ以下である、＜１＞〜＜１７＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜１９＞ 成分（Ｃ）が、好ましくは流動パラフィン、流動イソパラフィン及びスクワランから選ばれる１種又は２種以上である、＜１＞〜＜１８＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜２０＞ 成分（Ｃ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは４質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは６質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１４質量％以下、より好ましくは１３質量％以下、更に好ましくは１２質量％以下である、＜１＞〜＜１９＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜２１＞ 成分（Ｃ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは４質量％以上１４質量％以下、より好ましくは４質量％以上１３質量％以下、更に好ましくは５質量％以上１３質量％以下、特に好ましくは６質量％以上１２質量％以下である、＜１＞〜＜１９＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜２２＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｃ）の含有質量比〔（Ｃ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０．０５以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．２以上、特に好ましくは０．３以上であり、また、好ましくは１．５以下、より好ましくは１以下、更に好ましくは０．７５以下、特に好ましくは０．３９以下である、＜１＞〜＜２１＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜２３＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｃ）の含有質量比〔（Ｃ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０．０５以上１．５以下、より好ましくは０．１以上１以下、更に好ましくは０．２以上０．７５以下、特に好ましくは０．３以上０．３９以下である、＜１＞〜＜２１＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜２４＞ 成分（Ｄ）が、好ましくは不揮発性鎖状ポリシロキサン及び不揮発性環状ポリシロキサンから選ばれる１種以上の不揮発性シリコーン油であり、より好ましくはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、及びテトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンから選ばれる１種以上の不揮発性シリコーン油であり、特に好ましくはジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサンから選ばれる１種以上の不揮発性シリコーン油である、＜１＞〜＜２３＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜２５＞ 成分（Ｄ）の２５℃における動粘度が、好ましくは３００ｍｍ²／ｓ以下、より好ましくは１５０ｍｍ²／ｓ以下、更に好ましくは１００ｍｍ²／ｓ以下、特に好ましくは５０ｍｍ²／ｓ以下であり、また、好ましくは３ｍｍ²／ｓ以上である、＜１＞〜＜２４＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜２６＞ 成分（Ｄ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．５質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは４質量％以下、より好ましくは３質量％以下である、＜１＞〜＜２５＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜２７＞ 成分（Ｄ）の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは０質量％以上４質量％以下、より好ましくは０質量％以上３質量％以下、更に好ましくは０．１質量％以上３質量％以下、特に好ましくは０．５質量％以上３質量％以下である、＜１＞〜＜２５＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜２８＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０以上、より好ましくは０．００５以上、更に好ましくは０．０１以上、特に好ましくは０．０２５以上であり、また、好ましくは０．５以下、より好ましくは０．２５以下、更に好ましくは０．２以下、更に好ましくは０．１５以下、更に好ましくは０．１以下、特に好ましくは０．０６以下である、＜１＞〜＜２７＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜２９＞ 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、好ましくは０以上０．５以下、より好ましくは０．００５以上０．２５以下、更に好ましくは０．０１以上０．１５以下、特に好ましくは０．０２５以上０．１以下である、＜１＞〜＜２７＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜３０＞ 成分（Ｃ）に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（Ｃ）〕が、好ましくは０以上、より好ましくは０．０５以上、更に好ましくは０．０７５以上、特に好ましくは０．１以上であり、また、好ましくは１以下、より好ましくは０．７５以下、更に好ましくは０．５以下、特に好ましくは０．２以下である、＜１＞〜＜２９＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜３１＞ 成分（Ｃ）に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（Ｃ）〕が、好ましくは０以上１以下、より好ましくは０．０５以上０．７５以下、更に好ましくは０．０７５以上０．５以下、特に好ましくは０．１以上０．２以下である、＜１＞〜＜２９＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜３２＞ （Ｅ）水の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上、より好ましくは３質量％以上、更に好ましくは５質量％以上であり、また、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは２５質量％以下、より好ましくは２０質量％以下、更に好ましくは１７．５質量％以下、特に好ましくは１５質量％以下である、＜１＞〜＜３１＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜３３＞ （Ｅ）水の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは１質量％以上２５質量％以下、より好ましくは１質量％以上２０質量％以下、更に好ましくは３質量％以上１７．５質量％以下、特に好ましくは５質量％以上１５質量％以下である、＜１＞〜＜３１＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜３４＞ 好ましくは更に（Ｆ）成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の不揮発性油、（Ｇ）揮発性油、（Ｈ）界面活性剤、（Ｉ）成分（Ａ１）〜（Ａ３）以外の粉体、並びに（Ｊ）油性増粘剤から選ばれる１種又は２種以上を含有するものであり、より好ましくは成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｆ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるもの、成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｇ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるもの、又は成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｅ）及び（Ｊ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものであり、更に好ましくは成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）及び（Ｅ）〜（Ｇ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものであり、特に好ましくは成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）、（Ｃ）及び（Ｅ）〜（Ｊ）を含有し、成分（Ｄ）の含有量が０質量％以上５質量％以下であるものである、＜１＞〜＜３３＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

＜３５＞ 剤型が、好ましくは乳液状、クリーム状、ペースト状又はジェル状である、＜１＞〜＜３４＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
＜３６＞ 紫外線吸収剤の含有量が、油中水型乳化日焼け止め化粧料中、好ましくは０質量％以上５質量％以下、より好ましくは０質量％以上２．５質量％以下、更に好ましくは０質量％以上１質量％以下、更に好ましくは０質量％以上０．５質量％以下、特に好ましくは０質量％である、＜１＞〜＜３５＞のいずれかに記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。

（測定及び評価方法）
（１）紫外線防御効果（ＳＰＦ値）
ＰＭＭＡ板上に、２ｍｇ／ｃｍ²になるように各化粧料を均一に塗布し、冷暗所で１５分間乾燥させた。乾燥終了後、ＳＰＦアナライザー（ＳＰＦ ２９０Ｓ ｐｌｕｓ，Ｏｐｔｏｍｅｔｒｉｃｕｓ ＵＳＡ， Ｉｎｃ社製）にて、正方形のＰＭＭＡ板上の中点と、各頂点と、各頂点を結んだ辺の中点との計９箇所の吸収スペクトル（波長３５０ｎｍ）の透過率（％）を測定し、透過率の９箇所の平均値を求めた。この透過率の平均値（％）からＳＰＦ値を算出し、以下の基準で評価した。
（紫外線防御効果の評価基準）
ＡＡ：ＳＰＦ７５以上
Ａ：ＳＰＦ６７以上７５未満
Ｂ：ＳＰＦ６０以上６７未満
Ｃ：ＳＰＦ６０未満

（２）大気有害物質付着抑制効果
各化粧料を、成分（Ａ１）及び（Ａ２）の塗布量が０．１２ｍｇ／ｃｍ²となるように、皮膚の代替として白色人工皮革（商品名「ラフォーレＳ２９２３」、オカモト新和社製）に塗布し、室温で一晩放置して乾燥させた。
上記の各化粧料が塗布された人工皮革表面を、評価用大気有害物質の送風環境中に曝露し、測色計を用いて曝露前後の色差ΔＥを以下の方法により測定した。

〔色差ΔＥの測定〕
測色計（商品名「ＣＭ−２００２」、コニカミノルタ社製）を用い、曝露する前の人工皮革表面のＬ₁ ^*、ａ₁ ^*、ｂ₁ ^*値を測定した。
別途、グローブバッグ（品番「３−１１８−０１」、アズワン社製）内に、送風機（商品名「シルキーウィンド９ＺＦ００２ＲＨ０２」、サイズ：１２９×１０６×８３ｍｍ、リズム時計工業社製）、網ふるい（Ｔｅｓｔ ｓｉｅｖｅｓ試験用ふるい ＪＩＳ Ｚ ８８０１、枠寸法：φ１００×４５Ｈ、目開き：１０６μｍ、東京スクリーン社製）を固定した。網ふるいの設置高さは１７ｃｍとした。
次に、試験サンプルの化粧料が塗布された人工皮革（５ｃｍ×４ｃｍ）を、該人工皮革の下端の高さが１１ｃｍの位置になるように支持体に貼り付けた。支持体に貼り付けられた人工皮革の塗布表面と送風機との間の距離を１５ｃｍとし、図１に示すとおり、送風機の送風方向に対して人工皮革の塗布表面を垂直に、送風機の羽根の中心高さと人工皮革の中心高さが同じになるように設置した。
グローブバッグ内の温度を２５℃、相対湿度を５７％ＲＨとし、目詰まり除去ブラシ（商品名「ＪＮＢ−５」、ブラシ径５３μｍ、東京スクリーン社製）を用いて、評価用大気有害物質として黒鉛粉末（商品名「Ｊ−ＣＰＢ」、平均粒径：５．５μｍ、日本黒鉛工業社製）５０ｍｇを分級しながら、送風目盛りを１に設定した送風機の吹き出し口の前に網ふるいから１分間落下させることで、評価用大気有害物質の送風環境中に人工皮革の各化粧料が塗布された表面を曝露した。
次いで、上記測色計を用いて曝露後の人工皮革表面のＬ₂ ^*、ａ₂ ^*、ｂ₂ ^*値を測定し、下記式（Ｉ）より色差ΔＥ値を求めた。
ΔＥ＝［（Ｌ₁ ^*−Ｌ₂ ^*）²＋（ａ₁ ^*−ａ₂ ^*）²＋（ｂ₁ ^*−ｂ₂ ^*）²］^0.5 （Ｉ）

以上の操作を各試験サンプルにつき３回ずつ行い、試験サンプルの化粧料を塗布した人工皮革の色差ΔＥの平均値をΔＥｔとした。更に、標準サンプルとして化粧料を塗布していない人工皮革についても上記と同様の操作を３回行い、色差ΔＥの平均値をΔＥｓとし、下記式（ＩＩ）より付着抑制率を算出した。付着抑制率が高いほど大気有害物質の付着抑制効果に優れる。
大気有害物質の付着抑制率（％）＝１００×（ΔＥｓ−ΔＥｔ）／ΔＥｓ （ＩＩ）

（大気有害物質付着抑制効果の評価基準）
ＡＡ：付着抑制率が５０％以上
Ａ：付着抑制率が３０％以上５０％未満
Ｂ：付着抑制率が１０％以上３０％未満
Ｃ：付着抑制率が１０％未満

（３）塗布時の粉っぽさのなさ
パネラー２名に、各化粧料０．０２ｍＬを前腕内側に直径３ｃｍ内に塗布してもらった。このときの塗布時の粉っぽさのなさについて以下の基準で採点してもらい、２名のパネラーの平均スコアを算出した。平均スコアが３点より大きい場合は評価ＡＡ、平均スコアが２点より大きく３点以下の場合には評価Ａ、平均スコアが１点より大きく２点以下の場合には評価Ｂ、平均スコアが１点以下の場合には評価Ｃとした。
４点：粉っぽさをまったく感じない
３点：粉っぽさを感じない
２点：どちらともいえない
１点：粉っぽさをやや感じる
０点：粉っぽさをつよく感じる

実施例１〜７及び比較例１〜６
実施例１〜７及び比較例１〜６の油中水型乳化日焼け止め化粧料を、表１〜表２に示す処方に従って常法により製造し、上記の測定及び評価を行った。その結果を表１〜表２に示す。

表中の記号は、それぞれ以下を示す。
＊１：ＭＴ−１００ＴＶ（平均一次粒子径ｄ_A：１５ｎｍ、テイカ社製）
＊２：ＭＺＸ−３０４Ｒ３Ｍ（平均一次粒子径ｄ_A：３５ｎｍ、テイカ社製）
＊３：ＭＺＸ−３０４ＯＴＳ（平均一次粒子径ｄ_A：３５ｎｍ、テイカ社製）
＊４：ＫＦ−９６Ｌ−６ＣＳ（信越化学工業社製）
＊５：パールリーム ＥＸ（日油社製）
＊６：ニッコール スクワラン（日本サーファクタント工業社製）
＊７：ＫＦ−６０１５（信越化学工業社製）
＊８：ＫＦ−６０１７（信越化学工業社製）
＊９：レオパール ＫＬ２（千葉製粉社製）
＊１０：ＳＩ−タルク ＪＡ−４６Ｒ（三好化成社製）
＊１１：コスモール５２５（日清オイリオグループ社製）
＊１２：エステモールＮ−０１（日清オイリオグループ社製）
＊１３：パールリーム ４（日油社製）
＊１４：ＫＦ−９６Ｌ−２ＣＳ（信越化学工業社製）
＊１５：ＤＰＧ−ＲＦ（ＡＤＥＫＡ社製）

実施例８
実施例８の油中水型乳化日焼け止め化粧料を、表３に示す処方に従って常法により製造し、上記の測定及び評価を行った。その結果を表３に示す。また、実施例８の油中水型乳化日焼け止め化粧料は、サラサラとした良好な使用感である。

表中の＊１６は、シリコーン ＴＳＦ４０５Ａ（モメンティブ社製）を示し、その他の記号は、前記と同義である。

１：評価対象のサンプル
２：支持体
３：網ふるい
４：評価用大気有害物質
５：送風機

Claims (6)

1. 下記成分（Ａ１）、（Ａ２）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含有し、（Ｄ）不揮発性シリコーン油の含有量が、０質量％以上５質量％以下である、油中水型乳化日焼け止め化粧料。
   （Ａ１）疎水化処理微粒子酸化チタン ５質量％以上
   （Ａ２）疎水化処理微粒子酸化亜鉛 １０質量％以上
   （Ｂ）２価のポリオール
   （Ｃ）不揮発性炭化水素油 ２質量％以上１４質量％以下
2. 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｂ）の含有質量比〔（Ｂ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、０．０５以上０．７５以下である、請求項１に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
3. 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｃ）の含有質量比〔（Ｃ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、０．０５以上１．５以下である、請求項１又は２に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
4. 成分（Ａ１）及び（Ａ２）の合計に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（（Ａ１）＋（Ａ２））〕が、０以上０．５以下である、請求項１〜３のいずれか１項に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
5. 成分（Ｃ）に対する成分（Ｄ）の含有質量比〔（Ｄ）／（Ｃ）〕が、０以上１以下である、請求項１〜４のいずれか１項に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。
6. 紫外線吸収剤の含有量が、０質量％以上５質量％以下である、請求項１〜５のいずれか１項に記載の油中水型乳化日焼け止め化粧料。

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