JP2008162853A - 無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物 - Google Patents

無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】主成分として生体溶解性無機繊維を用いても、加熱線収縮率を小さくできる無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物、並びに製造時や保管中に生体溶解性無機繊維の劣化が少ない無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物を提供することにある。
【解決手段】被覆層が形成されていてもよい生体溶解性無機繊維と、イオン半径が63〜202pmの元素を含む無機粉体と、バインダーとを含む無機繊維質成形体;更に溶媒を含む不定形無機繊維質組成物及び不定形無機繊維質組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、熱処理装置、工業窯炉内又は焼却炉内で、断熱材として使用される無機繊維質成形体、あるいは、特開平2004−263860号公報等に記載されている、ディスクロールと呼ばれる高温物の運搬用ロールの基材又は特開平2003−292380号公報等に記載されている、耐熱性セッターと呼ばれる高温物の運搬用治具の基材として使用される無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物に関し、より具体的には、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上あり、1000℃での加熱収縮率が5%以下である生体溶解性無機繊維を主成分とする無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物に関する。
従来、無機繊維をコロイダルシリカや澱粉といったバインダーで結着させた無機繊維質成形体が、断熱材、ディスクロール、耐熱性セッターとして使用されており、該無機繊維としては、ガラス繊維、グラスウール、セラミックウール、ロックウール、アルミナ質繊維、ジルコニア質繊維、シリカ・アルミナ質繊維等(以下、従来の無機繊維とも記載する。)が使用されていた。
この従来の無機繊維は、人に吸入されて肺に侵入すると、肺胞マクロファージ(食細胞)により異物として取り囲まれ、繊毛がある場所(気管や気管支)まで運び込まれ痰とともに体外に排出されたり、リンパ液・リンパ管を経て肺胞表面から排出されたりする。しかし、異物の取り囲みにより肺胞マクロファージが刺激を受けたり、損傷を受けることもあり、それにより蛋白質分解酵素やコラーゲン繊維分解酵素が細胞から出て、これらの酵素の量が多くなると肺胞細胞が炎症を起こしたり、コラーゲン化を呈するようになることがある。こうした炎症を起こした細胞は抵抗力が弱まっており、細胞内の核の中にあるDNAが損傷されやすくなるとともに、細胞の破壊と再製過程とが頻繁になり、異常細胞が出現する機会が多くなる。このように、従来の無機繊維では、人体への影響が懸念されてきた。
そのため、従来の無機繊維を使用しない無機繊維質成形体の開発が望まれていた。
40℃における生理食塩水溶解率が1%以上であり、1000℃での加熱収縮率が5%以下である無機繊維(生体溶解性無機繊維)は、肺に吸入されても体内で溶解されやすい。そこで、従来の無機繊維の代わりに、生体溶解性無機繊維を使用することが行われてきた。例えば、特開2003−82569号公報(特許文献1)には、SiO及びCaOを主成分とする生体溶解性無機繊維と、バインダーと、必要に応じて無機粉体とからなり、NaとKの合計が4000ppm以下である無機繊維質成形体、及び該無機繊維、バインダー及び無機粉体を、水に入れ、攪拌してスラリーとし、次いで、成形し、乾燥する無機繊維質成形体の製造方法が開示されている。
特開2003−82569号公報(請求項1、実施例)
生体溶解性無機繊維は、一般的にその組成にMgOやCaOを含むため、900℃程度といった比較的低温度で結晶化する。そのため、生体溶解性無機繊維の加熱収縮率は、生成する結晶種により、従来の無機繊維より高くなる場合がある。また、生体溶解性無機繊維は、コロイダルシリカのように表面活性が高い物質と混在することにより、生体溶解性無機繊維の結晶化が起こりやすくなってしまう。その結果、生体溶解性無機繊維を断熱材に使用した場合に、断熱材の加熱線収縮が大きくなるという問題がある。
従って、本発明の目的は、無機繊維成形体の主成分として生体溶解性無機繊維を用いても、加熱線収縮率が小さい無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物を提供することにあり、また、加熱線収縮率が小さいと共に、保管時の劣化が少ない無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、生体溶解性無機繊維と、イオン半径が63〜202pm(ピコメーター)の元素(以下、「特定イオン半径を有する元素」とも言う。)を含む無機粉体と、バインダーとを含む無機繊維質成形体であれば、特定元素を含む無機粉体が、生体溶解性無機繊維の結晶生成を抑制するため、無機繊維質成形体の加熱線収縮の増大を抑制又は低減できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、生体溶解性無機繊維と、無機粉体と、バインダーとを含む無機繊維質成形体において、前記無機粉体には、イオン半径が63〜202pmである元素が含まれる無機繊維質成形体を提供するものである。
また、本発明は、生体溶解性無機繊維と、無機粉体と、バインダーと、溶媒を含む不定形無機繊維質組成物において、前記無機粉体には、イオン半径が63〜202pmである元素が含まれる不定形無機繊維質組成物を提供するものである。
本発明の無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物によれば、生体溶解性無機繊維の結晶化に関与するMgO及びCaOの中、小さなイオン半径を有するMgと同等以上のイオン半径を持つ元素を含む無機粉体が配合されているため、生体溶解性無機繊維が加熱された際、無機粉体中の同等以上のイオン半径を持つ元素が、生体溶解性無機繊維の構成元素に作用して、結晶化を阻害する結晶化阻害剤として機能する。このため、生体溶解性無機繊維の結晶化温度を高くすることができ、生体溶解性無機繊維の加熱線収縮率を低減できる。また、本発明の無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物は、生体溶解性無機繊維が予め被覆層で覆われているため、保管時の劣化を抑制できる。また、本発明は、製造時や保管中に生体溶解性無機繊維の劣化が少ない無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物を提供することができる。
本発明の無機繊維質成形体は、生体溶解性無機繊維と、無機粉体と、バインダーとを含み、該無機粉体は、特定イオン半径を有する元素を含むものである。これら構成材料の配合量は、生体溶解性無機繊維を主成分とする無機繊維質成形体が好適に製造できれば特に制限はないが、本発明においては、生体溶解性無機繊維50〜98質量%、無機粉体1〜50質量%、バインダー1〜20質量%であればよい。本明細書中、主成分とは成形体を構成する材料のうち、50質量%以上を無機繊維が占めることをいう。
生体溶解性無機繊維とは、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上であり、1000℃での加熱収縮率が5%以下である無機繊維をいう。
生理食塩水溶解率は、次のような測定方法によって測定されればよい。先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕した試料1g及び生理食塩水150mlを三角フラスコ(300ml)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、該三角フラスコに、毎分120回転の水平振盪を50時間継続して与える。振盪後、ろ過し、得られたろ液中に含有されているケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムについて、各元素の濃度(mg/L)を、ICP発光分析にて測定する。そして、各元素の濃度及び溶解前の無機繊維中の各元素の含有量(質量%)から、下記式(1)により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する。なお、ICP発光分析により得られる各元素の濃度を、ケイ素元素の濃度:a1(mg/L)、マグネシウム元素の濃度:a2(mg/L)、カルシウム元素の濃度:a3(mg/L)及びアルミニウム元素の濃度a4(mg/L)とし、溶解前の無機繊維中の各元素の含有量を、ケイ素元素の含有量:b1(質量%)、マグネシウム元素の含有量:b2(質量%)、カルシウム元素の含有量:b3(質量%)及びアルミニウム元素の含有量:b4(質量%)とする。
C(%)={ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100}/{溶解前の無機繊維の量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100} (1)
生体溶解性無機繊維の具体的組成としては、例えばSiO60〜80質量%、Al0.1〜3質量%、MgO 0.5〜20質量%、CaO 3〜35質量%、MgO+CaO 19〜40質量%であればよく、SiO 65〜80質量%、Al 0.3〜3質量%、MgO 4〜20質量%、CaO 3〜30質量%、MgO+CaO 19〜35質量%であることが好ましく、SiO75〜80質量%、Al1〜3質量%、MgO 16〜20質量%、CaO 3〜5質量%、MgO+CaO 19〜25質量%であることがより好ましい。
生体溶解性無機繊維の平均繊維径は、無機繊維質成形体が好適に製造できれば特に制限はないが、1〜50μm、好ましくは1.5〜10μm、特に好ましくは2〜6μmである。平均繊維径が、1μm未満だと繊維が破断し易くなるので、無機繊維質成形体の強度が低くなり易く、また、50μmを超えると無機繊維質成形体の密度が低くなるため、無機繊維質成形体の強度が低くなり易い。また、生体溶解性無機繊維の平均繊維長は、無機繊維質成形体が好適に製造できれば特に制限はないが、1〜200mm、好ましくは2〜50mm、特に好ましくは10〜50mmである。平均繊維長が、上記範囲内にあることにより、適切な密度を有する無機繊維質成形体が得易くなる。
本発明の無機繊維質成形体中、生体溶解性無機繊維の含有量は、50〜98質量%、好ましくは70〜98質量%、特に好ましくは90〜98質量%である。
本発明において、無機粉体は、イオン半径が63〜202pm、好ましくは114〜202pmの元素を含むものである。イオン半径が63〜202pmの元素としては、セシウムなどのアルカリ金属、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウムといったアルカリ土類金属、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムといった希土類元素が挙げられる。上記元素の中、好ましい元素は、セシウム、バリウム、ストロンチウム、ランタン、カルシウムである。
本発明において、無機粉体は、上記元素の少なくとも1つを含む化合物または単体であればよく、具体的には炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ランタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムといった炭酸塩、酸化セシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウムといった酸化物、塩化セシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化ランタン、塩化マグネシウム、塩化カルシウムといった塩化物が挙げられるが、断熱材から発生するガスの安全性、生体溶解性無機繊維との反応性、粉体の取り扱いやすさなどという観点から炭酸セシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウムといった炭酸塩が好適に利用できる。これら特定の元素を含む化合物又は単体は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、特定イオン半径を有する元素の一例である下記元素の原子半径およびイオン半径を表1に示す。なお、本発明において、イオン半径、原子半径は実測した値ではなく、理論値である。
Figure 2008162853
該無機粉体の平均粒子径は、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、特に好ましくは0.2〜10μmである。平均粒子径が、0.1μm未満だと、乾燥又は焼成時に、無機繊維質成形体が割れ易くなり、また、該平均粒子径が、100μmを超えると、無機繊維質成形体の強度が低くなり易い。また、該無機粉体の最大長さとしては、特に制限されないが、混合物又は混練物中の分散性を考慮して、3mm以下のものが好ましい。なお、無機粉体のアスペクト比(最小長さと最大長さの比)は通常5未満である。
本発明の無機繊維質成形体中、該無機粉体の含有量は、1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。なお、無機粉体としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物若しくはその単体を用いる場合、その配合量は、1〜10質量%とすることが好ましい。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物若しくはその単体を、10質量%を越えて添加すると、焼結助剤としての作用が強まり、結果として加熱線収縮率が増加してしまう傾向にあるため、好ましくない。
本発明の無機繊維質成形体中、特定イオン半径を有する元素の含有量は、酸化物換算で0.01〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。こうした元素は、例えば、蛍光X線分析(XRF)を用いて測定すればよい。
本発明においては、生体溶解性無機繊維の結晶化に関与するMgO及びCaOの中、小さなイオン半径を有するMgと同等以上のイオン半径を持つ元素を含む無機粉体を配合するため、生体溶解性無機繊維が加熱された際、無機粉体中の大きいイオン半径を持つ元素が、生体溶解性無機繊維の構成元素に作用して、結晶化を阻害する結晶化阻害剤として機能すると思われる。このため、生体溶解性無機繊維の結晶化温度を高くすることができ、生体溶解性無機繊維の加熱線収縮率を低減できる。
本発明において、バインダーは、無機バインダー又は有機バインダーのいずれもでもよく、あるいは、無機バインダー及び有機バインダーの組合せでもよい。無機バインダーとしては、特に制限されず、例えば、アニオン性のコロイダルシリカ、カチオン性のコロイダルシリカ等のコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、ジルコニアゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、ベントナイト、カオリン等が挙げられる。また、有機バインダーとしては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、澱粉、ポリアクリルアミド等が挙げられる。施工時に壁面等の形状への追随性が高い無機繊維質成形体、すなわち、軟らかい無機繊維質成形体に使用されるバインダーとしては、アクリル樹脂が好ましい。また、使用温度が高い無機繊維質成形体又は硬い無機繊維質成形体に使用されるバインダーとしては、無機バインダーと、澱粉又はポリアクリルアミドの組合わせが好ましい。ポリアクリルアミドは、脱水成形の際、凝集剤として作用する点で好ましい。
本発明の無機繊維質成形体中、無機バインダーの含有量は、0.05〜20質量%、好ましくは2〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。無機バインダーの含有量が、0.05質量%未満だと、工業炉等内での使用による無機繊維質成形体の強度向上効果が得られ難く、また、20質量%を超えると、脱水成形時の濾水性が悪くなり、製造効率が悪くなり易い。
有機バインダーの含有量は、0.05〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。有機バインダーの含有量が0.05質量%未満だと、成形乾燥後の無機繊維質成形体の強度が低くなりやすく、15質量%を超えると無機繊維質成形体からの燃焼ガスの排出が多くなる。
なお、無機バインダーと有機バインダーとの総含有量は、1〜20質量%、好ましくは3〜18質量%、特に好ましくは5〜15質量%である。
本発明の生体溶解性無機繊維には被覆層が形成されていてもよい。こうした被覆層が形成されることで、生体溶解性無機繊維を一時的に難水溶性にすることができる。こうした被覆層は後述する製造工程において、溶媒と、生体溶解性無機繊維と、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体と、バインダーとを含有するスラリーに、被覆層形成剤を添加することにより形成されればよい。
本発明において、被覆層は、少なくともリン酸塩、モリブデン化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ニトリロ3酢酸(NTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)のいずれか1つから構成されていればよい。ここで、リン酸塩としては、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等が挙げられ、モリブデン化合物としては、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等が挙げられ、亜鉛化合物としては酸化亜鉛が挙げられ、アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等が挙げられ、ニトリロ3酢酸(NTA)としては、NTA・3H、NTA・3Na等が挙げられ、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)としては、EDTA・4H、EDTA・H・3(NH)等が挙げられる。
被覆層を形成する物質がリン酸塩の場合、被覆層は、通常、薄膜というより、むしろ生体溶解性無機繊維の表面に、リン酸塩の微粒子が密に付着又は吸着している状態である。モリブデン化合物、亜鉛化合物等の該リン酸塩以外の無機化合物についても同様である。
被覆層が、リンを含有する場合、本発明の無機繊維質成形体中におけるリンの含有量は、酸化物換算で、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜6質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。該リンの含有量が、上記範囲にあることにより、保管時に、無機繊維質成形体が劣化し難くなる。
また、被覆層がリンを含有する場合には、被覆層は、珪素、亜鉛、カルシウム、マグネシウムを含有してもよい。この時、被覆層中におけるこれらの物質の含有量は、酸化物換算で、珪素が0.01〜50質量%、亜鉛が0.01〜30質量%、カルシウムが0.01〜15質量%、マグネシウムが0.01〜10質量%であることが好ましく、珪素が10〜40質量%、亜鉛が10〜25質量%、カルシウムが5〜10質量%、マグネシウムが2〜7質量%であることが特に好ましい。特に、マグネシウムを含有することが好ましい。
被覆層は、添加量により生体溶解性無機繊維の表面被覆度合いを調整することが可能であり、製造条件や保管条件などにより適宜調整すればよい。被覆層が形成された生体溶解性無機繊維(以下、被覆層形成無機繊維ともいう。)の表面に形成されている被覆層は、電子顕微鏡あるいは組成分析など、公知の方法により確認することができる。
本発明の無機繊維質成形体においては、上述した特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体以外に、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス粉末、カーボンブラック等の炭素粉末等、公知の耐火性無機粉末を任意に添加してもよい。こうした耐熱性無機粉末を含有することにより、無機繊維質成形体の耐火性を高くすることができる。
本発明の無機繊維質成形体は、後述する無機繊維質成形体の製造方法において、脱水成形し、乾燥した成形体であるが、該成形体には、乾燥後、焼成した焼成体も含まれる。乾燥した後に得られる無機繊維質成形体は、例えば断熱材や耐火材として使用される箇所に設置され、その場で加熱されることで焼成体となる。また、焼成温度としては、特に制限されないが、通常800℃以上、好ましくは800〜1100℃である。
本発明の無機繊維質成形体の製造方法は、溶媒と、生体溶解性無機繊維と、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体と、バインダーとを含有するスラリーを得るスラリー製造工程と、該スラリー中の溶媒を脱水して所望の形状の無機繊維質成形体を得る脱水成形工程とを有する。
スラリー製造工程で使用される溶媒としては、特に制限されないが、水及び極性有機溶媒が挙げられ、該極性有機溶媒としては、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール類、エチレングリコール等の2価のアルコール類が挙げられる。これらのうち、水が、作業環境の悪化がなく、環境への負荷がない点で好ましい。また、該水としては特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、水道水、地下水、工業用水等が挙げられる。
スラリー濃度は、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜8質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。該スラリー濃度が、0.1質量%未満だと脱水成形工程で除去する水の量が多くなり過ぎるので、非効率であり、また、10質量%を越えると、スラリーに固形分が均一に分散し難くなる。なお、本発明において、スラリー濃度とは、該生体溶解性無機繊維を含有するスラリー中に占める固形分の質量割合(質量%)を示す。また、該固形分には、後述する被膜層形成剤を含む場合、被膜層形成剤も含まれる。
スラリー製造工程で使用される生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体及びバインダーは、それぞれ前記本発明の無機繊維質成形体における生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体及びバインダーと同様である。
また、スラリー中、生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体及びバインダーの混合量は、脱水成形し乾燥した後の前記無機繊維質成形体に係る配合量となる量である。
本発明の無機繊維質成形体の製造方法に係るバインダーの形態としては、固形物、懸濁液又は溶液等、いずれでもよく、特に制限されない。
脱水成形工程は、該スラリー中の溶媒を脱水し、次いで、乾燥し、目的とする製品形状を有する無機繊維質成形体を得る工程である。なお、本発明の無機繊維質成形体の製造方法では、該溶媒として水が使用されることが多いので、脱水成形の文言を用いた。
該スラリー中の該溶媒の除去(該溶媒が水の場合は、水の脱水)は、例えば、底部に網が設置された成形型中に該スラリーを流し込み、該溶媒(該溶媒が水の場合は、水)を吸引することにより行われる。
次いで、脱水物を乾燥機中で加熱して、乾燥させる。該乾燥の際の乾燥温度は、40〜180℃、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃である。
本発明の無機繊維質成形体の製造方法において、スラリー製造工程中のスラリーは、被覆層形成剤が更に配合されたものであってもよい。該スラリー製造工程では、先ず、溶媒に、被覆層形成剤を混合し、被覆層形成剤を含有する混合液を調製する。該被覆層形成剤には、無機化合物の被覆層形成剤と有機化合物の被覆層形成剤がある。
該被覆層形成剤としては、リン酸塩、モリブデン化合物、亜鉛化合物等の無機化合物、ポリアミジン化合物、エチレンイミン化合物等の有機化合物が挙げられる。該リン酸塩としては、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等が挙げられ、該モリブデン化合物としては、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等が挙げられ、該亜鉛化合物としては酸化亜鉛が挙げられ、該ポリアミジン化合物としては、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩、N−ビニルアクリルアミド、ビニルアミン塩酸塩、N−ビニルホルムアミド共重合体等が挙げられ、該エチレンイミン化合物としては、アミノエチレン、ジメチレンイミン等が挙げられる。
また、該被覆層形成剤として該リン酸塩を混合する場合には、更に、珪素、亜鉛、カルシウム又はマグネシウムを有する化合物(以下、これらを総称して、珪素等を有する化合物Aとも記載する。)を、該被覆層形成剤として混合することができる。該珪素等を有する化合物Aは、酸化物、水酸化物、炭酸塩等が挙げられ、化合物の形態は特に制限されず、具体的には、酸化珪素、珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、六珪酸マグネシウム、四珪酸マグネシウム、三珪酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウムが挙げられる。
該溶媒に、該被覆層形成剤を混合して得られる、該被覆層形成剤を含有する混合液は、該被覆層形成剤が該溶媒に溶解している溶液であっても、該被覆層形成剤が該溶媒に固体のまま分散している懸濁液であってもよい。
次いで、該被覆層形成剤を含有する混合液に、該生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体及び該バインダーを混合し、該被覆層形成無機繊維を含有するスラリーを得る。
該被覆層形成剤を含有する混合液に、該生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体及び該バインダーを混合する順序は、特に制限されず、該生体溶解性無機繊維や特定イオン半径を有する元素を含む無機粉体が先であっても、該バインダーが先であってもよく、また、同時に混合してもよい。
このように、該被覆層形成剤を含有する混合液に、該生体溶解性無機繊維を混合することにより、該生体溶解性無機繊維の表面に、該被覆層形成剤が付着し、該被覆層が形成される。そして、該被覆層の形成は、該生体溶解性無機繊維の混合後、速やかに起こるので、該生体溶解性無機繊維質成形体の製造中に、該生体溶解性無機繊維が、水と接触して、劣化するのを防ぐことができる。
被覆層形成剤を使用するスラリー製造工程における各成分の混合量について説明する。該被覆層形成剤の混合量は、該溶媒に混合する該被覆層形成剤、該生体溶解性無機繊維、特定イオン半径を有する元素及び該バインダーの混合量の合計を100質量%とした場合、該被覆層形成剤の質量割合が、0.05〜10質量%、好ましくは0.3〜6質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%となる量である。該被覆剤形成剤の混合量が、上記範囲にあることにより、保管中に劣化が少ない無機繊維質成形体が得られるという効果が高くなる。なお、該バインダーが、溶媒に分散された懸濁液又は溶液の形態の場合、溶媒分を除いた固形分の質量が、上記混合量の合計を算出するための該バインダーの混合量である。
また、該被覆層形成剤として該リン酸塩を混合する場合、該珪素等を有する化合物Aを混合することができるが、該珪素等を有する化合物Aの混合量は、該被覆層形成剤(該リン酸塩及び該珪素等を有する化合物Aの合計量)の総量を100質量%として、酸化物換算で、珪素が0.01〜50質量%、亜鉛が0.01〜30質量%、カルシウムが0.01〜15質量%、マグネシウムが0.01〜10質量%であることが好ましく、珪素が10〜40質量%、亜鉛が10〜25質量%、カルシウムが5〜10質量%、マグネシウムが2〜7質量%であることが特に好ましい。特に、該珪素等を有する化合物Aとしては、マグネシウムを含有する化合物が好ましい。
該被覆層形成無機繊維を含有するスラリーのスラリー濃度及びスラリー温度は、前記被覆層形成剤を使用しないスラリーのスラリー濃度及びスラリー温度と同様である。
本発明の無機繊維質成形体の製造方法によれば、製造工程中に生体溶解性無機繊維が水に曝されても、繊維に含まれる成分が水に溶出してしまうことを防ぐことができるとともに、例えば輸出の際に船底といった湿度の高い条件下で保管された場合であっても、無機繊維質成形体が大気中から吸湿した水分中に、繊維成分が溶出してしまうことを防ぐことができる。その結果、生体溶解性無機繊維の劣化が抑制され、無機繊維質成形体の製造工程中や保管中の劣化を防ぐことができる。
本発明の不定形無機繊維質組成物は、生体溶解性無機繊維と、イオン半径が63〜202pmの元素を含む無機粉体と、バインダーと、溶媒を含むものである。本発明の不定形無機繊維質組成物において、前記無機繊維質成形体と同一構成要素についてはその説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、本発明の不定形無機繊維質組成物において、前記無機繊維質成形体と異なる点は、溶媒を含有すること、得られる形状が不定形であることである。
不定形状としては、ペースト状が挙げられる。ペースト状の粘度、すなわち、溶媒中の固形分濃度は、使用目的や作業性などを考慮して適宜決定される。本発明の不定形無機繊維質組成物は、例えば熱処理装置、工業窯炉内又は焼却炉内に設置された無機繊維質成形体の目地として使用され、800〜1100℃の温度に加熱されると、本発明に係る不定形無機繊維質成形体となる。この加熱の際、成形体は加熱収縮率が小さく、加熱後の目地割れを抑制することができる。また、被覆層が形成された生体溶解性無機繊維を使用した不定形無機繊維質組成物は、加熱線収縮率が小さいと共に、保管時の劣化が少ない。
溶媒の含有量は、本発明に係る不定形無機繊維質組成物中の固形物100質量%に対して、50〜800質量%、好ましくは100〜800質量%、特に好ましくは100〜500質量%である。該含有量が、50質量%未満だと不定形無機繊維質組成物の流動性が低くなるので施工性が悪くなり、また、目地の機械的強度、特に曲げ強度が低下する。また、該含有量が、800質量%を超えると不定形無機繊維質組成物のちょう度が高くなるので施工時に該組成物がたれ、また、乾燥による目地の収縮が大きくなる。
生体溶解性無機繊維としては、本発明に係る無機繊維質成形体の説明で記載のものと同じであり、該無機繊維の表面は被覆層で被覆されていても良い。被覆層および被覆層形成剤については、本発明に係る無機繊維質成形体の説明で記載のものと同じである。
生体溶解性無機繊維の含有量は、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中20〜90質量%、好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
被覆層がリンを含有する場合、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中におけるリンの含有量は、酸化物換算で、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.3〜6質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。
被覆層がリンを含有する場合には、被覆層は、珪素、亜鉛、カルシウム、マグネシウムを含有してもよく、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中におけるこれらの物質の含有量は、酸化物換算で、珪素が0.01〜50質量%、亜鉛が0.01〜30質量%、カルシウムが0.01〜15質量%、マグネシウムが0.01〜10質量%であることが好ましく、珪素が10〜40質量%、亜鉛が10〜25質量%、カルシウムが5〜10質量%、マグネシウムが2〜7質量%であることが特に好ましい。特に、マグネシウムを含有することが好ましい。
イオン半径が63〜202pmの元素を含む無機粉体としては、本発明に係る無機繊維質成形体の説明で記載のものと同じであり、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中における含有量は、1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。なお、無機粉体としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物若しくはその単体を用いる場合、その配合量は、1〜10質量%とすることが好ましい。
本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中、特定イオン半径を有する元素の含有量は、酸化物換算で0.01〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
バインダーとしては、本発明に係る無機繊維質成形体の説明で記載のものと同じであり、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中における無機バインダーの含有量は、5〜70質量%、好ましくは8〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。有機バインダーの含有量は、0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
本発明の不定形無機繊維質組成物は、前記生体溶解性無機繊維、イオン半径が63〜202pmの元素を含む無機粉体、バインダー、溶媒以外に、耐熱性無機粉体、有機繊維、pH調整剤、増粘材、分散剤、防腐剤等の添加物を含むことができる。
耐火性無機粉末としては、本発明に係る無機繊維質成形体の説明で記載のものと同じであり、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中における耐火性無機粉末の含有量は、好ましくは1〜60質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
本発明の不定形無機繊維質組成物は、更に有機繊維を含むと、該有機繊維が前記生体溶解性無機繊維の保護膜として作用する点で好ましい。有機繊維としては、特に制限されず、天然繊維又は疎水処理された合成繊維のいずれであってもよく、該天然繊維としては、パルプ、綿、麻等が挙げられ、該合成繊維としては、ビニロン、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。これらのうち、パルプが、前記無機繊維を取り込み易い点で好ましい。なお、パルプとは、機械的又は化学的処理により、植物体の繊維を分離したものを指す。有機繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、本発明に係る生体溶解性無機繊維の説明で記載したものと同じである。有機繊維及び生体溶解性無機繊維共に、ある程度の疎水性を持たせることが、有機繊維及び生体溶解性無機繊維を水中に投入した際、急激に沈むことなく、ある程度の時間浮遊することになり、互いのあるいは他の混合材料との混合性がよくなる点で好ましい。疎水処理とは、繊維の疎水性を向上させる処理のことを指し、該疎水処理の方法としては、例えば、該繊維の周りを疎水性の薬剤でコーティングする方法が挙げられる。
該有機繊維は、生体溶解性無機繊維が存在すると、該有機繊維の網目中に生体溶解性無機繊維を取り込む。このことにより、該有機繊維は、該生体溶解性無機繊維の周りを覆い、該生体溶解性無機繊維が溶媒と接触することを防ぐ、保護層として働く。すなわち、溶媒と接触している表面近くの該有機繊維の網目が、溶媒を取り込むことにより、該有機繊維は、該有機繊維の網目の内部に取り込まれている該無機繊維に、溶媒が直接接触することを防ぐ。よって、該生体溶解性無機繊維が溶媒中に溶出すること及び結晶中に溶媒を取り込むことを防ぐことができるため、例えば施行後の目地の収縮率が大きくなることを防止する。また、該生体溶解性無機繊維同士が有機繊維を介して固定されるので、該有機繊維は、該生体溶解性無機繊維の補強材として機能する。
また、該有機繊維としては、特に制限されないが、ろ水度が200〜500mlのものが好ましい。該ろ水度とは、JIS P 8121−1995に規定されている「パルプのろ水度試験方法」で求められる値であり、保水性の指標である。ろ水度が低い繊維程、保水性が高い。ろ水度が、200〜500mlの有機繊維は、前記生体溶解性無機繊維との親和性が高いので、該生体溶解性無機繊維を取り込み易く、また、適切な保水性を有しているので、該生体溶解性無機繊維が溶媒と直接接触することを防ぐ効果が高い。ろ水度が、200ml未満だと該有機繊維が水分を吸収し過ぎるため、生体溶解性無機繊維を取り込み難くなり、また、500mlを超えると生体溶解性無機繊維との親和性が低いため、生体溶解性無機繊維を取り込み難くなる。
また、該有機繊維の平均繊維径は、1〜30μm、好ましくは2〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。該平均繊維径が、1μm未満だと目地の強度が低くなり、また、30μmを超えると前記生体溶解性無機繊維を取り込み難くなる。そして、該有機繊維の平均繊維径は、前記生体溶解性無機繊維の平均繊維径以下とすることが、該有機繊維が該生体溶解性無機繊維を取り込み易くなる点で好ましい。また、該有機繊維の平均繊維長は、0.5〜20mm、好ましくは1〜10mm、特に好ましくは2〜5mmである。該平均繊維長が、0.5mm未満だと目地の強度が低くなり、また、20mmを超えると該有機繊維が溶媒に均一に分散し難くなる。
本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中における有機繊維の含有量は、好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。該有機繊維の含有量が、5質量%未満だと前記無機繊維の溶出を抑制する効果が小さくなり、また、50質量%を超えると目地の強度が低くなる。
本発明の不定形無機繊維質組成物は、更にpH調整剤を含んでいることが、生体溶解性無機繊維の溶液への溶解を更に抑制することができる点で好ましい。pH調整剤としては、特に制限されないが、例えば緩衝溶液又は酸が挙げられ、このうち、緩衝溶液が、製造後数ヶ月に亘って不定形無機繊維組成物のpHを4〜8.5に安定して維持でき、また刺激臭を放つことがない点で好ましい。緩衝溶液は一般には、外部変化に対して溶液がその影響を和らげようとする作用を奏する溶液を言う。この緩衝作用は、普通溶液の水素イオン濃度の変化に対して言われるものであり、具体的には溶液がある程度の酸又は塩基の添加や消失にも関わらず、ほぼ一定の水素イオン濃度を維持する作用を言う。本発明で用いる緩衝溶液としては、pH4標準溶液であるフタール酸塩標準溶液(セーレンセン緩衝液)、pH7標準溶液である中性リン酸塩標準溶液が挙げられ、このうち、フタール酸塩標準溶液が焼成により消失し、断熱材の物性に悪影響を与えない点で好ましい。また、被覆層がモリブデン化合物又はポリアミジン化合物を含む場合は、pH調整剤と併用することが、生体溶解性無機繊維の溶液への溶解を確実に抑制することができる点で好ましい。
緩衝溶液の含有量は、不定形無機繊維質組成物のpHを4〜8.5にする量であれば、特に制限されないが、具体的には、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分100質量%に対して、好ましくは10〜800質量%、さらに好ましくは50〜500質量%である。該緩衝溶液の含有量が少な過ぎると、不定形断熱材組成物の製造後の例えば90日間の保存期間中、所定のpH値を維持できず、繊維成分の溶解を抑制することができなくなる。また、該緩衝溶液の含有量が多すぎても無駄となるばかりか、カリウム等の塩が入り好ましくない。
酸としては、酢酸、蟻酸等が挙げられ、このうち、酢酸が、pH低下効果が高く且つ手頃に入手できる点で好ましい。酸の含有量は、不定形無機繊維組成物のpHを4〜8.5にする量であれば、特に制限されないが、具体的には、酢酸溶液99%であれば、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分100質量%に対して、好ましくは1〜7質量%、さらに好ましくは2〜4質量%である。該酢酸溶液の含有量が少な過ぎると、不定形無機繊維組成物の製造後の例えば90日間の保存期間中、pHを8.5以下に維持できず、繊維成分の溶解を抑制することができなくなる。また、該酢酸溶液の含有量が多すぎても無駄となるばかりか、異臭を放つため好ましくない。
増粘材としては、特に制限されず、公知のものが使用できる。具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸ナトリウム重合物、ポリエーテルポリオール、アクリル系重合高分子ポリエステルアミン等が挙げられる。該増粘材の含有量は、特に制限されないが、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中2〜15質量%が好ましい。
分散剤としては、特に制限されず、公知のものが使用できる。具体的には、カルボン酸類、多価アルコール、アミン類等が挙げられ、該分散剤の含有量は、特に制限されないが、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中1〜5質量%が好ましい。
防腐剤としては、特に制限されないが、例えば、窒素原子又は硫黄原子を有する無機化合物又は有機化合物等が挙げられ、該防腐剤の含有量は、特に制限されないが、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の固形分中1〜5質量%が好ましい。
本発明の不定形無機繊維質組成物の製造方法は、溶媒、生体溶解性無機繊維、特定のイオン半径を有する元素を含む無機粉体及びバインダーを含有する不定形状物を得る不定形状物製造工程を有する。本発明の不定形無機繊維質組成物の製造方法において、前記無機繊維質成形体の製造方法と同一構成要素についてはその説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、本発明の不定形無機繊維質組成物の製造方法において、前記無機繊維質成形体の製造方法と異なる点は、スラリー製造工程に代えて、不定形状物製造工程とした点、脱水成形工程を省略した点にある。不定形状物としては、ペースト状物が挙げられる。
不定形状物製造工程としては、生体溶解性無機繊維等の混合材料をニーダで混合する公知の方法が適用できる。混合する温度としては、特に制限されないが、好ましくは5〜40℃であり、混合する時間は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜1.0時間である。
また、本発明に係る不定形無機繊維質組成物の好ましい製造方法としては、溶媒と被覆層形成剤の混合液に、生体溶解性無機繊維を添加し、その後、イオン半径が63〜202pmの元素を含む無機粉体、バインダー、耐熱性無機粉体、有機繊維、増粘材、分散剤、防腐剤など他の配合成分を添加する方法が好ましく、また、pH調整剤を配合する場合は、溶媒、被覆層形成剤及びpH調整剤の混合液に、生体溶解性無機繊維を添加し、その後、他の配合成分を添加する方法が好ましい。
ペースト濃度、すなわち、ペースト中に占める固形分の質量割合(質量%)は、不定形無機繊維質組成物の使用目的及び作業性などを考慮して適宜決定すればよい。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(結晶生成を制御する添加物を加えたスラリーの製造)
水に、生体溶解性無機繊維86.4質量%、無機粉体として炭酸セシウム5.0質量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカを固形分換算で4.7質量%、有機バインダーとして澱粉2.2質量%及び凝集剤としてポリアクリルアミド1.7質量%を加え、更に、スラリー濃度が3質量%となるように、水を加えて攪拌し、スラリーを得た。なお、各材料は以下のものを用いた。
・生体溶解性無機繊維:SiO 75〜80質量%、CaO+MgO 19〜25質量%、Al 1〜3質量%、平均繊維径4μm、平均繊維長5.0mm、40℃における生理食塩水溶解率5.9%
・ 炭酸セシウム:(和光純薬製)セシウムの含有量:酸化物換算で88質量%、セシウムのイオン半径184pm
・ コロイダルシリカ、「シリカドール30」(日本化学工業社製)、固形分が30質量%の懸濁液、固形分の平均粒子径15nm、pH10.0
・澱粉:「ペトロサイズJ」(日澱化学社製)
・ポリアクリルアミド:「ポリストロン311」(荒川化学工業社製)、カチオン性、不揮発分10質量%、pH4.2〜4.8、粘度500〜1500cps
(吸引ろ過)
上記のようにして得られたスラリーを、脱水成形し110℃で乾燥することにより、密度250kg/mの無機繊維質成形体(試料A0とする。)を得た。
(無機繊維質成形体の物性評価)
上記のようにして得た無機繊維質成形体(試料A0)について以下の方法にて加熱線収縮率及び曲げ強度の測定を行った。その結果を表2に示す。なお、表2中、上段の配合は、生体溶解性繊維を100質量部とした各使用原料の配合量(質量部)であり、下段の配合は、無機繊維質成形体中の各使用原料の配合量(質量%)である。
・ 加熱線収縮率
上記のようにして得られた試料A0を、電気炉中1100℃で8時間加熱し、加熱後の試料の長さを測定する。加熱線収縮率は、加熱前の試料の長さをXmm、加熱後の長さをYmmとし、次式により求める。
加熱線収縮率(%)={(X−Y)/X}×100
・ 曲げ強度
試料A0の曲げ強度を、3点曲げ強度試験機を用いて、ヘッドスピード10mm/分の速度で荷重を加え、破断荷重を測定し、次式により算出した。
曲げ強度(MPa)={3×最大荷重(N)×下部支点間距離(mm)}/{2×無機繊維質成形体の幅(mm)×(無機繊維質成形体の厚さ(mm))
(実施例2〜6、比較例1〜3)
各成分の混合量を表2に示す量とする以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表2に示す。比較例1は無機粉体を添加しない例、比較例2および3は、イオン半径が本発明の範囲から外れる無機粉体を添加した例である。なお、各材料は以下のものを用いた。
炭酸バリウム:(堺化学工業製)バリウムの含有量:酸化物換算で77質量%、バリウムのイオン半径150pm
炭酸ストロンチウム:(堺化学工業製)ストロンチウムの含有量:酸化物換算で71.7質量%、ストロンチウムのイオン半径130pm
炭酸ランタン:(太陽鉱工製)ランタンの含有量:酸化物換算で71.4質量%、ランタンのイオン半径120pm
炭酸カルシウム:(白石カルシウム製)カルシウムの含有量:酸化物換算で55.3質量%、カルシウムのイオン半径114pm
炭酸マグネシウム:(タテホ化学)、マグネシウムの含有量:酸化物換算で47.8質量%、マグネシウムのイオン半径63pm
水酸化アルミニウム:(昭和電工製)アルミニウムの含有量:酸化物換算で65.4質量%、イオン半径53pm
シリカ:(キンセイマテック製)イオン半径40pm
(実施例7)
(被覆層形成無機繊維を含有するスラリーの製造)
先ず、水に被覆層形成剤として酸化亜鉛3.3質量%を加え被覆層形成剤を含有する混合液を得た。次いで、該混合液に、生体溶解性無機繊維83.5質量%、無機粉体として炭酸セシウム4.8重量%、無機バインダーとしてコロイダルシリカ4.6質量%、有機バインダーとして澱粉2.1質量%及び凝集剤としてポリアクリルアミド1.7質量%を加え、更に、スラリー濃度が3質量%となるように、水を加え、攪拌し、スラリーを得た。なお、被覆層形成剤を含有する混合液に、生体溶解性無機繊維を混合しても、スラリーのpHは高くならなかった。なお、各材料は以下のものを用いた。
酸化亜鉛:(和光純薬製)
(吸引ろ過)
上記のようにして得られたスラリーを、脱水成形し110℃で乾燥することにより、密度250kg/mの無機繊維質成形体を得、実施例1と同様の方法で加熱線収縮率及び曲げ強度の測定を行った。その結果を表3に示す。なお、表2には、比較し易いように、表2で記載した実施例1及び比較例1を併記した。
(実施例8〜15、比較例4〜7)
各成分の混合量を表3及び4に示す量とする以外は、実施例7と同様の方法で行った。その結果を表3および4に示す。比較例4〜7は無機粉体を添加しない例である。また、実施例13〜15の無機繊維質成形体の表面には粉っぽい感触が確認された。なお、各材料は以下のものを用いた。
アルミナゾル:(日産化学製)
水酸化アルミニウム:(昭和電工製)
NTA:(キレスト製)
Figure 2008162853
Figure 2008162853
Figure 2008162853
本発明によれば、無機繊維成形体の主成分として生体溶解性無機繊維を用いても、加熱線収縮率を小さくできる無機繊維成形体及び不定形無機繊維質組成物、並びに製造時や保管中に生体溶解性無機繊維の劣化が少ない無機繊維質成形体及び不定形無機繊維質組成物を提供することができる。特に、加熱線収縮率が小さいことから、高温で使用されても寸法変化が少ない断熱材を提供することができる。

Claims (7)

  1. 生体溶解性無機繊維と、無機粉体と、バインダーとを含む無機繊維質成形体において、前記無機粉体は、イオン半径が63〜202pmの元素を含むものであることを特徴とする無機繊維質成形体。
  2. 前記元素は、セシウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又は希土類元素であることを特徴とする請求項1記載の無機繊維質成形体。
  3. 前記元素の含有量は、酸化物換算で0.01〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の無機繊維質成形体。
  4. 前記生体溶解性無機繊維は、被覆層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機繊維質成形体。
  5. 前記被覆層は、リン酸塩、モリブデン化合物、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ニトリロ3酢酸(NTA)又はエチレンジアミン4酢酸(EDTA)で形成されていることを特徴とする無機繊維質成形体。
  6. 生体溶解性無機繊維と、無機粉体と、バインダーと、溶媒を含む不定形無機繊維質組成物において、前記無機粉体は、イオン半径が63〜202pmの元素を含むものであることを特徴とする不定形無機繊維質組成物。
  7. 前記生体溶解性無機繊維は、被覆層が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の不定形無機繊維質組成物。
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