JP2008162201A - 画像形成装置および画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して高画質画像を形成できる画像形成装置、画像形成システム、画像形成装置の制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、前記搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択する選択手段またはヘッド清掃動作制御を選択する選択手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、前記搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択する選択手段またはヘッド清掃動作制御を選択する選択手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被記録媒体を静電搬送しながら記録液を吐出して画像を形成する画像形成装置および画像形成システムに関する。
従来から、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録紙等の被記録媒体(以下「用紙」と称する。これは材質を紙に限定するものではない。「用紙」は、記録媒体、転写紙、転写材、被記録材などとも称される。)に記録液の液滴であるインク滴を吐出して、画像形成、印写、印字、印刷などの記録を行うものである。
このようなインクジェット記録装置においては、高画質化のためにはインク滴の用紙に対する着弾位置精度を高める必要があることから、例えば特許文献1、2に開示されているように、用紙を搬送する搬送ベルトを一様に正に帯電させ、用紙を静電力による吸着力で吸着して、記録ヘッドと用紙との距離を一定に保ちかつ、用紙の送りを正確に制御して用紙の位置ずれを防止し、かつ用紙の浮きを防止して、用紙と記録ヘッドとが当接することによるジャムや汚れを防止するようにした発明が知られている。
ところが、このように搬送ベルトを一様に正に帯電させて用紙をこの帯電力により吸着していると、記録ヘッドから吐出するインク液滴が電界の影響を受け、用紙に対しインク液滴の着弾位置にずれが生じる。更に吐出されたインク滴が分極してミスト状のインク滴が記録ヘッド側に逆戻りし、記録ヘッドのノズル面に付着してノズル面が汚れ、印刷するごとに記録ヘッド面の汚れは酷くなり、さらに吐出曲がりや不吐出などの吐出不良が発生する。
このインク液滴の着弾位置のずれや逆戻りを防止するために、上記特許文献2に開示されているように、表面が同一の電荷で帯電した搬送ベルトに、記録ヘッドの搬送方向に対し、上流側で搬送ベルトと逆極性の電荷を用紙の表面に印加することによって用紙表面の電位を弱め、噴射するインク液滴が電界の影響を受けないようにし、また、用紙の表面から搬送ベルト面上と同極性の電位を弱めることによって、用紙と搬送ベルトが吸着力によりいっそう吸着するようにする発明も知られている。
さらに、搬送ベルトに対する帯電方法としては、特許文献3に開示されているように、搬送ベルトの表面に電圧印加手段を接触させ、搬送ベルト表面に正負極の電荷を交互に帯状に印加することで交番する電荷パターンを形成する発明も知られている。
また特許文献4のように、記録媒体の抵抗値に基づいて記録ヘッドによる記録位置まで搬送された被記録媒体の表面の電荷量を調整する発明も知られている。
また特許文献5では、ヘッドのノズル面やノズル内の付着物を掻きとって清浄化し、ブラシ面に接触する状態でノズル面と平行な方向に進退させ、ヘッドのノズル面の付着物を拭き取って清浄化し、ブレードをノズル面に接触する状態でノズル面と平行な方向に進退させるヘッドクリーニング装置及び画像形成装置が提案されている。
また特許文献6では、無駄に消費されるインクの量を低減し、かつ、固定された記録ヘッドのインク吐出性能を回復させるインクジェット記録装置が提案されている。
また特許文献7では、ローラ清掃の時期を報知することで、記録媒体の搬送を安定させ、かつ、エンドレスベルトのずれを防止する画像記録装置が提案されている。
さらに特許文献8では、両面記録を行う場合において、記録媒体Pの含水量が増加しても搬送ベルトに記録媒体を確実に吸着させる搬送装置及び記録装置が提案されている。
特開平9−254460号公報
特許第3224528号公報
特許第3804928号公報
特開2005−343167号公報
特開2005−74671号公報
特開2006−62218号公報
特開2006−159498号公報
特開2005−343636号公報
しかしながら従来では、記録媒体の表面電位は被記録媒体の材質や画像形成装置の使用環境に影響されて変化するため、記録媒体の表面電位に応じて電荷を調整する必要がある。
また従来では、記録媒体の表面抵抗値を測定するために、測定する手段を新たに設ける必要があり、これはコスト高にもつながる。さらに、記録媒体の抵抗値のデータを予め情報として持っておき、その情報に基づいて制御する場合であっても、記録媒体自体の品種改良や製造ロット差なども含め記録媒体は多種多様であり、使用環境もまた同様に多種多様であり、これらに充分に対応出来ないといった問題もある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体の抵抗値測定等の手段を設けることなくテストチャートを印刷するという簡易な手段で、使用環境や記録媒体により変化する電界のインク液滴への影響を検出し、安定して高画質画像を形成できる画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択出来る手段とを備えた画像形成装置であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいてヘッド清掃動作制御を選択出来る手段とを備えた画像形成装置であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御とヘッド清掃動作制御の両方を選択出来る手段とを備えた画像形成装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいて帯電制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいてヘッド清掃動作制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいて帯電制御とヘッド清掃動作制御の両方を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、環境温度或いは湿度或いはその両方の検出結果に応じて、帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、印刷モードに応じて帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、被記録媒体の印刷動作に消費される記録液の液量に応じて帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記テストチャートを形成する吐出滴は印刷に使用する滴とは異なることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、ユーザーが指示を入力するためのユーザーインターフェイス上に、前記テストチャートの結果を表示させ、各表示部には、前記帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方の制御に対応した表示があり、選択された表示に対応する制御を実行する請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置を含む画像形成システムであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によって、テストチャートの画像は電界のインク液滴への影響が大きいとほぼ帯電ピッチ(この帯電ピッチは帯電周期長の半分の長さを意味する)間隔の濃度ムラ(ドット位置ずれ)となり現れるため、テストチャートを印刷した環境と媒体に対して直接的に電界のインク液滴への影響が画像で判り、その結果に従い最適な帯電制御、最適なヘッド清掃動作制御の少なくとも1つを決定出来、吐出曲がりや不吐出などの吐出不良の発生を防止出来る。
請求項2に記載の発明によって、テストチャートの画像を読取り、読取結果に基づいて最適な制御が自動選択されるため、ユーザの手間を必要とせずに自動で最適な制御が選択・実行される。また、読取手段は本目的のためだけに設けたものではなくてよい(例えば不吐出ノズル検知や画像濃度補正)。この場合、従来他目的で使用されている読取手段を本目的に併用出来るため、本目的を達成するためのコスト高にはならない。
請求項3に記載の発明によって、使用環境(温度や湿度)が変化してもそれに応じた最適な制御となるため、安定して高画質画像を形成できる画像形成装置を提供出来る。
請求項4に記載の発明によって、使用する印字モードに応じた最適な制御となるため、安定して高画質画像を形成できる画像形成装置を提供出来る。
請求項5に記載の発明によって、記録液の液量が多い程、記録ヘッドのノズル面に付着する記録液が多くなりノズル面の汚れが酷くなるため記録液の液量に応じた制御とすることで、吐出曲がりや不吐出などの吐出不良を防ぐことが出来る。
請求項6に記載の発明によって、テストチャートを形成する吐出滴を電界により吐出曲がりが生じ易い吐出滴とすることでテストチャートの画像での判別が容易になる。
請求項7に記載の発明によって、ユーザインターフェイス上での指示・操作が出来、PC(パーソナルコンピュータ)等からの遠隔操作が可能となる。
以下、本発明の画像形成装置および画像形成システムを、実施形態により、添付図面を参照しながら説明する。
図1(a)に本発明に係る画像形成装置を前方側から見た斜視説明図を示す。
この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイAと、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイBとを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部Cを有し、このカートリッジ装填部Cの上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5を有して構成されている。
このカートリッジ装填部Cには、色の異なる記録液(インク)(例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク)をそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別する必要の無いときなどは、単に「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向かって挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部Cの前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また図1に示す構成例では、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
この前カバー6の全体は、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができるように透明又は半透明の部材で形成されている。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができればよく、このため一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
また、操作/表示部Dには、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンド(「残量少し有り」、「残量無し」)等になったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11y(単に「残量表示部11」ということがある)を配置している。さらに、この操作/表示部5には、画像形成装置の状態を表示する表示器16、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14、カーソル15も配置する構成としている。
また図1(b)に本発明の画像形成装置1のブロック構成図を示す。
本発明の画像形成装置1aは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択する選択手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段の少なくとも1つの手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置1bは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートを読み込む読取手段と、この読取結果に基づいて帯電制御を選択する手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段を備えたことを特徴とする。これら各手段については、後述する。
本発明の画像形成装置1bは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートを読み込む読取手段と、この読取結果に基づいて帯電制御を選択する手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段を備えたことを特徴とする。これら各手段については、後述する。
次に図2〜5を参照しながら、静電吸着タイプの記録紙の搬送部について説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の記録紙搬送部の構成を示す。図2に示すように、駆動ローラ12と従動ローラ13の回転により回動される搬送ベルト14と、駆動ローラ12と搬送ベルト14との間の滑りを防止する押えローラ15(ばね等の弾性部材を用いて弾性力で駆動ローラ12の所定の箇所で搬送ベルト14に押圧する)と、駆動ローラ12と従動ローラ13の間の記録ヘッド3側に設けられた搬送ガイド16と、給紙トレイ5に積載した記録紙17が分離部(分離ローラ)18で分離されて送られ、搬送ベルト14に接触する位置から駆動ローラ12の回転方向上流側には、搬送ベルト14と接触し駆動ローラ12と対向して設けられるベルト帯電ローラ19を有する。駆動ローラ12はアースに接続されている。
搬送ベルト14は、図3に示すように、たとえば搬送ベルトの部分断面図(a)に示すような1層構造、又は(b)に示す2層構造に構成されており、記録紙17やベルト帯電ローラ19と接触する側は絶縁層20で形成され、搬送ベルトが2層構造の場合には、記録紙17やベルト帯電ローラ19と接触しない側は導電層21で形成されている。絶縁層20は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)などのポリイミド樹脂、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂またはエラストマーで導電制御材を含まない材料(エラストマーなど)により体積抵抗率が1012Ωcm以上、望ましくは1015Ωcm以上となるように形成されている。導電層21は上記樹脂やエラストマーにカーボンなどの導電材料を含有させて体積抵抗率が105〜107Ωcmとなるように形成されている。
この搬送ベルト14は、図4(a)の上面図および(b)の側面断面図に示すように、幅が記録紙17の幅より狭く形成され、駆動ローラ12と従動ローラ13の中央部付近に巻き回して搬送可能に可動されている。搬送ガイド16は搬送ベルト14の幅方向の両側に設けられ、記録紙17の搬送方向に沿って設けられた複数のリブ22と逃げ溝23とを交互に有する。ベルト帯電ローラ19は、図3に示すように、例えば2kV〜3kVのACバイアスを加えるACバイアス供給部24に接続されている。
上記のように構成したシリアル型のインクジェットプリンタ1に画像出力が指示されると、記録紙搬送装置8の駆動ローラ12を不図示の駆動モータにより回転して搬送ベルト14をたとえば反時計周りに回転させ、同時にACバイアス供給部24からベルト帯電ローラ19にACバイアスを加える。このベルト帯電ローラ19に加えられるACバイアスにより搬送ベルト14の絶縁層20に、図3に示すように、搬送ベルト14を略同速度で移動させながら周期的に移動方向に対して正と負の電荷により交互に帯電させる。この正と負の電荷を帯電する搬送ベルト14の絶縁層20は前記したように、体積抵抗率が1012Ωcm以上、望ましくは1015Ωcm以上となるように形成しているから、絶縁層20に帯電した正と負の電荷が、特にその境界近傍で移動して再結合して中和すること(電気的に中性化すること)なしに、絶縁層20に正と負の電荷を交互に安定して帯電させることができる。
この搬送ベルト14に、分離部18で分離して送られた記録紙17が接触すると、図5に示すように、搬送ベルト14の絶縁層20上で帯電した正の電荷から負の電荷に導かれる微小電界25により記録紙17に静電力が作用し、この静電力により搬送ベルト14に記録紙17(の中央部)を吸着せしめる。このように搬送ベルト14に記録紙17を吸着するために搬送ベルト14に正と負の電荷を与えるベルト帯電ローラ19を、給紙された記録紙17が搬送ベルト14に接触する位置の近傍で駆動ローラ12の回転方向の上流側に設けている。これによってベルト帯電ローラ19により搬送ベルト14に正と負の電荷を交互に与えるから、記録紙17が搬送ベルト14に接触する位置で確実に微小電界25を発生することができ、記録紙17を搬送ベルト14に安定して吸着させることができる。
搬送ベルト14に吸着された記録紙17は搬送ベルト14の巻き回りにより押えローラ15に押えられながら印字部7に搬送される。記録紙17の画像形成領域の先端部が記録ヘッド3の真下に達すると、駆動ローラ12の回転を停止して搬送ベルト14を停止させる。このように記録紙17を停止させた状態で記録ヘッド3をキャリッジ4により主走査方向に往復移動させてインク液滴を噴射して記録紙17に画像を形成する。記録紙17の画像形成領域の先端部での画像形成が終了すると、再び駆動ローラ12を駆動して搬送ベルト14を巻き回しし、記録紙17を搬送して次の画像形成領域が記録ヘッド3の真下にきたときに駆動ローラ12の回転を停止して搬送ベルト14を停止させ、記録紙17に画像形成する。以降、このような上記動作を記録媒体上に画像を形成し終えるまで繰り返す。このように搬送ベルト14による記録紙17の搬送と停止を繰り返して記録紙17に画像を形成する。
このように記録紙17の搬送と停止を繰り返して記録紙17に画像を形成するときに、微小電界25による静電力により記録紙17を搬送ベルト14に吸着して固定する。これとともに、搬送ベルト14に静電吸着した記録紙17を押えローラ15により搬送ベルト14に一定の力で押圧するから、記録紙17を搬送ベルト14に密着させることができる。これによって記録紙17を安定して記録ヘッド3から画像を形成するための最良のコントロールしやすい位置に搬送することができる。また、搬送ベルト14を駆動ローラ12に一定の力で押圧して駆動ローラ12と搬送ベルト14との間の摩擦力を大きくして、駆動ローラ12と搬送ベルト14との間に滑りが生じることを防ぐことにより、記録紙17を精度良く搬送し停止させることができる。さらに、搬送ベルト14に一定ピッチ例えば4mmピッチ(帯電周期長8mm)で交互に帯電させた正の電荷と負の電荷によって断続的に発生する微小電界25により生じる静電力を用いて記録紙17を搬送ベルト14に吸着している。これにより、記録ヘッド3から噴射するインク液滴に対する静電力の影響を低減することができ、インク液滴が所定の着弾位置からずれることを抑制できる効果も有するしくみとなっている。
この記録紙17に記録ヘッド3からインク液滴を噴射して画像を形成しているとき、噴射したインク液滴が記録紙17に染み込んで記録紙17が伸びて皺(シワ)が発生する。この伸びた記録紙17は、図4(b)に示すように、搬送ガイド16のリブ22によりその高さを維持しながら、リブ22以外の領域で逃げ溝23に落ち込み、インク液滴が染み込んで記録紙17全体が浮き上がることを抑える。したがって生じるシワ(コックリング)の影響で記録紙17に対するインク液滴の着弾位置のずれを防ぐとともに記録紙17が記録ヘッド3のノズル面と接触して記録ヘッド3のノズル面の汚染、記録紙17の汚染を防ぐことができ、高画質の画像を安定して形成することができる。
このようにして画像を形成した記録紙17は搬送ベルト14の移動により記録ヘッド3の下流側に搬送される。この記録紙17が排出される際には、搬送ベルト14が駆動ローラ12により進行方向が変えられ、この変えられたときに記録紙17はその剛性によって搬送ベルト14から分離して排出部へと導かれる。記録紙17が搬送ローラ12と分離するとき、搬送ベルト14に一定ピッチで交互に帯電させた正の電荷と負の電荷によって発生する微小電界25により生じる静電力で記録紙17を搬送ベルト14に吸着している。これによって、複雑な記録紙分離機構を設けることなしに記録紙17を搬送ベルト14から簡単に分離することができる。また、排出される記録紙17には断続的に発生する微小電界25が印加されるだけであるから、排出された記録紙17に静電気が残留することを防ぐことができる。さらに、搬送ベルト14を絶縁層20と導電層21の2層構造で形成した場合は、搬送ベルト14が記録ヘッド3から従動ローラ13の位置に移動するまでの間に絶縁層20に帯電した正の電荷と負の電荷がある程度放電(中和を含む)するので、記録紙17を搬送ベルト14からより簡単に分離することができる。
上記した説明では、記録ヘッド3をキャリッジ4により走査方向に往復移動させてインク液滴を噴射し、記録紙17に画像を形成するために搬送ベルト14を停止させているときもベルト帯電ローラ19にACバイアスを加える場合を例にして説明した。本発明では、搬送ベルト14を停止させているときに、ベルト帯電ローラ19に加えているACバイアスを停止させるようにすることもできる。このように搬送ベルト14を停止させているときにベルト帯電ローラ19に印加しているACバイアスを停止させて、搬送ベルト14のベルト帯電ローラ19と接触している部分の電荷を除去することもできる。また、不本意な極性の電荷の付与を防止し、続く搬送ベルト14の回転時に記録紙17を安定して、吸着することができる。また、搬送ベルト14の帯電時の電流はごくわずかではあるので、搬送ベルト14の一部に同極性の電荷を連続して付加して搬送ベルト14に熱を発生させ、ピンホールの誘発によるリーク発展を防ぎ、搬送ベルト14の傷の付与を防止することができる。
また、押えローラ15を絶縁性のある材料で形成し、インクジェットプリンタ1に画像出力の指示があり、記録紙17を給紙するときに、ベルト帯電ローラ19にACバイアスを加える場合について説明したが、インクジェットプリンタ1に画像出力の指示があったときに、あらかじめ搬送ベルト14を連続回転しながらベルト帯電ローラ19にACバイアスを加えて搬送ベルト14に正と負の電荷を与え、搬送ベルト14全体に正と負の電荷を付与してベルト帯電ローラ19に加えているACバイアスを停止してから記録紙17を給紙することもできる。このように、搬送ベルト14を連続回転しながら正と負の電荷を与えて搬送ベルト14に正と負の電荷を安定して与えることができる。
上記したように、シリアル型のインクジェットプリンタ1の搬送ベルト14で記録紙17を吸着して記録ヘッド3の位置まで搬送し、搬送ベルト14の停止と移動を適宜動作させているときに、印字する改行精度を安定させるのに搬送ベルト14の停止位置を正確に制御する必要がある。これには搬送ベルト14の送り速度又は送り量を直接又は間接的に検出して得られた送り速度又は送り量を用いて搬送ベルト14の搬送量を制御することができる。
上記のようにシリアル型のインクジェットプリンタ1の搬送ベルト14で記録紙17を吸着して記録ヘッド3の位置まで搬送後、搬送ベルト14の停止と移動を繰り返しているときに、印字する改行精度を安定させるために、搬送ベルト14の停止位置を正確に制御する必要がある。このため、搬送ベルト14の送り速度又は送り量を直接又は間接的に検出し、検出した送り速度又は送り量により搬送ベルト14の搬送量を制御するようにすると良い。
例えば搬送ベルト14の送り速度または送り量を直接検出するには、図6(a)の搬送ベルト14の正面図と(b)の搬送ベルト14の拡大図に示すように、搬送ベルト14の表面又は裏面の一部に、インクジェットプリンタ1の最高解像度に応じたピッチで設けた2進スケール26と、図7(a)に示すように、搬送ベルト14の記録紙17の搬送に影響がない部分に設けた透過型または反射型の読取センサ27、あるいは図7(b)に示すように、印字部7の近傍に設けた透過型の読取センサ27を有するエンコーダ28を使用すると良い。このような、透過型読取センサの概略図を図14に、また、反射型読取センサの概略図を図15にそれぞれ示す。図14では、検出光発信器27からエンコーダ23に向けて検出光29が発信され、反射光が受光部28で検出される。図15では、検出光発信器兼受光部25からエンコーダ23に向けて検出光26が発信され、反射光が検出光発信器兼受光部25で検出される。
そして図8は画像形成装置の制御部の概要を説明するブロック説明図であり、(a)のブロック図に示すように、駆動指令信号が送られて駆動ローラ12を回転するサーボモータ29の回転速度を演算する演算処理回路30に読取センサ28から出力されるパルス信号を送り、演算処理回路30で搬送ベルト14の送り速度を演算し、演算した送り速度信号を、サーボモータ29を駆動するサーボモータドライブ回路31に送りサーボモータ29の回転速度を定速に制御して駆動ロータ12を回転させる。このように駆動ローラ12を回転するサーボモータ29の回転速度を制御することにより、搬送ベルト14に吸着して保持した記録紙17の搬送量を精度良く制御することができる。この図8(a)のブロック図は、搬送ベルトの駆動制御に関するブロック図であり、図8(b)には制御部300のより詳細な配置ブロック図を示す。これらを機能ブロック図として示したものを図1(b)に示す。図1(b)のベルト帯電手段としては帯電ローラ56が対応している。
搬送ベルトの帯電周期長制御手段としては、ROMなどの記憶媒体に保存されている表1〜表4などを参照してCPU301はRAMあるいはNVRAMなどの記憶媒体に格納されているプログラムを実行して、副走査モータ駆動部313により副走査モータを駆動させ搬送ベルトを動作させながらACバイアス供給部315により帯電ローラ56を接触/非接触させて搬送ベルト上に電荷を印加させる際に、これらを制御して帯電周期長を変更させる一連の部分を挙げることができる。このため搬送ベルトの帯電周期長制御手段には、制御部300、たとえばその中のCPU301と、帯電周期のデータが存在する記憶部とを含む。
またテストチャート印刷手段としては、図27に示すような画像パターンを印刷するための印刷条件が記載された記憶部、これらの条件を読取り、主走査モータ駆動部、副走査モータ駆動部、ヘッドドライバおよび駆動波形生成部に実行させるように制御するCPU301などを含む制御部300と、この制御部300に従って動作する記録ヘッド34を挙げることができ、さらに搬送ベルト51およびこれらの実行部により記録媒体の位置を検出するセンサなどを含めることができる。
またテストチャート印刷手段としては、図27に示すような画像パターンを印刷するための印刷条件が記載された記憶部、これらの条件を読取り、主走査モータ駆動部、副走査モータ駆動部、ヘッドドライバおよび駆動波形生成部に実行させるように制御するCPU301などを含む制御部300と、この制御部300に従って動作する記録ヘッド34を挙げることができ、さらに搬送ベルト51およびこれらの実行部により記録媒体の位置を検出するセンサなどを含めることができる。
また帯電制御選択手段および/またはヘッド清掃選択手段としては、印刷されたテストチャートの状態により操作/表示部5または外部からホストI/Fを介してユーザからの判定に関する情報を受信し、この受信情報と、制御部300内の情報(たとえば表1〜2など)を検索抽出して、前記した受信情報と検索抽出した情報とを比較し、現在の搬送ベルトへの帯電周期長が最適であるか否かを制御部で判断し、あるいはこの受信情報と、制御部300内の情報(たとえば表3〜4など)を検索抽出して、前記した受信情報と検索抽出した情報とを比較し、帯電制御するかまたはヘッド清掃制御するかを選択して少なくともこれらの1つを制御するように帯電手段またはヘッド清掃手段に指令する制御部300を挙げることができる。
また読取手段としては、印刷したテストチャート画像をデータに変換するものであって、たとえばスキャナなどが挙げられる。この読取手段としては画像形成装置本体内に組み込まれていてもよく、画像形成装置とUSB端子などで接続可能な読取装置のようなものであってもよく、ユーザ端末などの画像形成システム内の1つの機器と接続可能であってもよく、さらに画像形成システム内の1つの機器であってもよい。
本発明の画像形成装置1aは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択する選択手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段を備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置1bは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートを読み込む読取手段と、この読取結果に基づいて帯電制御を選択する手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段を備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置1bは、搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、前記帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、印刷されたテストチャートを読み込む読取手段と、この読取結果に基づいて帯電制御を選択する手段またはヘッド清掃動作制御を選択する手段を備えたことを特徴とする。
この搬送ベルト14の送り量を検出するエンコーダ28の搬送ベルト14に設けた2進スケール26のピッチはそのまま紙送り精度の単位となる。また、記録紙17を搬送して印字するとき、紙送りの改行量は、インクジェットプリンタ1が出力し得る最高解像度が最小単位となる量である。例えばインクジェットプリンタ1の最高解像度を1200dpiとすると、最高解像度で定まる紙送りの最小単位は25.4mm/1200=21.2μmとなる。そこで2進スケール27のピッチすなわち制御単位を21.2μm/nとする。但しnは1以上の整数である。例えばn=2とすると、2進スケール27のピッチは10.6μmとなり、この2進スケール26を読み取ったパルス信号により搬送ベルトの送り量を制御しているときに、1パルス分ずれたとしても、記録紙17に形成する画像に影響を与えずにすみ、良質な画像を安定して形成することができる。
搬送ベルト14の送り速度または送り量を間接的に検出する場合について、図7、図9に示す。このように、搬送ベルト14を搬送する駆動ローラ12の回転軸に設けた円板32に、図10(a)の正面図とこの図10(a)中の○で囲った部分の(b)に拡大図を示すように、円周方向に並んで一定ピッチで設けたスケール33と、スケール33を読み取る透過型又は反射型の読取センサ34からなるロータリエンコーダ35を使用して、駆動ローラ12の回転量を検出して搬送ベルト14の送り速度または送り量を算出することができる。一般にロータリエンコーダのスケールピッチPは、100LPI、150LPI、200LPI、300LPIなどのものがある。このロータリエンコーダは実際のスケールパルスの4倍のパルスを出力するものが知られている。例えば、1回転で2400ラインピッチのスケール33の場合、この4逓倍出力が可能な読取センサ34を用いれば、9600(=2400×4)パルスを得ることができる。また、記録紙17を搬送して印字するとき、紙送りの改行量は、インクジェットプリンタ1が出力し得る最高解像度が最小単位となる量である。例えば、最高解像度が600dpiの場合、25.4mm/600=42.3μmが送り量の最小単位になる。実際にはこの42.3μmの整数倍の量が送られる。このようにインクジェットプリンタ1において、搬送ベルト14の送り量は最高解像度に応じて定められている。
例えば1回転で2400ラインピッチのスケール33を有するロータリエンコーダ35で4逓倍出力した信号に基づき搬送ベルト14を搬送する駆動ローラ12を制御するとすると、ロータリエンコーダ35の1回転の出力パルス数は2400×4=9600パルスとなる。このインクジェットプリンタ1の最高解像度を1200dpiとすると、1出力パルスの送り量は25.4mm/1200=21.2μmとなる。駆動ローラ12が1回転すると、スケール33を有する円板32も1回転するので、
(駆動ローラ径×π)/9600=21.2μm
の関係式から、駆動ローラ12の径を求めると64.5mmとなる。すなわち径が64.5mmの駆動ローラ12を使用し、その回転軸に2400ピッチのスケール33を有するロータリエンコーダ35を設けることにより、制御上1パルス当たり21.2μmの送り量となる。
(駆動ローラ径×π)/9600=21.2μm
の関係式から、駆動ローラ12の径を求めると64.5mmとなる。すなわち径が64.5mmの駆動ローラ12を使用し、その回転軸に2400ピッチのスケール33を有するロータリエンコーダ35を設けることにより、制御上1パルス当たり21.2μmの送り量となる。
この最高解像度により得られる21.2μmの送り量を1パルス毎に出力するようにしても良いが、駆動ローラ12の径を、ロータリエンコーダ35の1パルス当たりの送り量が最高画像密度のn(2以上の整数)で除した値になるように設定すると良い。例えばn=2とした場合、
(駆動ローラ径×π)/9600=10.6μm
の関係式から、駆動ローラ12の径は32.4mmとなり、径が32.4mmの駆動ローラ12を使用し、その回転軸に2400ピッチのスケール33を有するロータリエンコーダ35を設けることにより、制御上1パルス当たり10.6μmの送り量となる。したがって駆動ローラ12の送り量が制御上1パルスずれたとしても、記録紙17に形成する画像に影響を与えずにすみ、高精度な画像を安定して形成することができる。
(駆動ローラ径×π)/9600=10.6μm
の関係式から、駆動ローラ12の径は32.4mmとなり、径が32.4mmの駆動ローラ12を使用し、その回転軸に2400ピッチのスケール33を有するロータリエンコーダ35を設けることにより、制御上1パルス当たり10.6μmの送り量となる。したがって駆動ローラ12の送り量が制御上1パルスずれたとしても、記録紙17に形成する画像に影響を与えずにすみ、高精度な画像を安定して形成することができる。
また、駆動ローラ12と搬送ベルト14の間に滑り防止機構を設けても良い。この滑り防止機構として、図11(a)に示すように、駆動ローラ12と従動ローラ13の両方又は駆動ローラ12に、表面に複数の突起35を有するグリップローラ36を用いたり、図11(b)に示すように、搬送ベルト14にタイミングベルト37を用いる。これにより、駆動ローラ12や従動ローラ13と搬送ベルト14間の滑りを確実に防止でき、記録紙17に画像を形成するときの停止位置制御を精度良く行うことができるとともに搬送ベルト14を逆転搬送するときも高精度に搬送することができる。
また、上記説明ではシリアル型のインクジェットプリンタ1に関して説明したが、たとえばライン型のインクジェットプリンタなどの図12(a)のノズル列を示す斜視図と(b)のノズル列の正面図に示す。このようなライン型のインクジェットプリンタにおいて、記録紙17の幅方向全体にノズル列40を有し、インク供給管41から供給されるインクをヘッド駆動信号線42から出力される駆動信号により、記録紙17の印字幅全体に渡って噴出するラインヘッド43を使用し、図13の構成図に示すように、記録紙搬送装置8を同様に適用可能である。このような場合に、搬送ベルト14に記録紙17を静電吸着して搬送することにより、記録紙17を印字部7で安定して搬送することができ、改行速度の精度を高めて良質な画像を安定して形成することができる。
本発明ではベルトを連続回転させながら帯電ローラにAC電圧を印加して帯電させた後に記録紙を給紙することもできるし(図16、特にステップS2〜S9参照)、また、記録紙を給紙する直前に帯電ローラにAC電圧を印加して帯電させることもできるし(図17、特にステップS101〜S103参照)、さらに、記録紙送りが停止している際に帯電ローラへのAC印加を停止することもできる(図18、特にステップS205〜S210参照)。これらの各場合の動作フローを図16〜18に示す。
ここで、この画像形成装置における搬送ベルト14に対する帯電制御について、図19〜24を参照して説明する。
まず、搬送ベルト14に対する帯電制御に関係する部分について、図19を参照して説明する。前述したように搬送ベルト14を駆動する駆動ローラ12の端部に設けたエンコーダ35を用いて回転量を検出し、検出した回転量に応じ制御部100は副走査(サーボ)モータ駆動部113により副走査(サーボ)モータ29を駆動するように制御するとともに、帯電ローラ19に高圧(ACバイアス)を印加するACバイアス供給部(高圧電源)114の出力を制御する。
このACバイアス供給部114によって、制御部100は帯電ローラ19に印加する正負極の印加電圧の周期(印加時間)を制御し、同時に制御部100によって、搬送ベルト14の駆動を制御することで、搬送ベルト14上に所定の帯電周期長で正負極の電荷を印加することができる。ここで、「帯電周期長」は、図19に示すように搬送方向の幅における正負極からなる1周期当りの距離であり、帯電周期長の半分の長さを帯電ピッチと云う。
搬送ベルト14には搬送方向に対して交互に正極性と負極性の電荷が付加され(帯状の正極性の帯電領域201と負極性の帯電領域202が交互に形成され)、図20に示すように不平等電界が形成される。
搬送ベルト14上の不平等電界の上に送られた用紙は電界の向きに沿って瞬時に分極する。図21に示すように、不平等電界により用紙の搬送ベルト面側の搬送ベルトと引力を生じる電荷は密となり、その反対側の用紙表面に現れる搬送ベルト14と斥力をなす電荷は疎となる。この電荷の差により用紙は搬送ベルト14に瞬時に吸着する。また、用紙は有限な抵抗を持っているので、これと同時に用紙の吸着面およびその反対の面側には真電荷が誘起される。
この用紙の吸着面側に誘起された正負の真電荷は搬送ベルト14上に印加された電荷と引き合うことで安定して吸着力をなしているが、その反対側に誘起された正負の真電荷は不安定である。
この用紙の吸着面側と反対側の表面に誘起された真電荷は、用紙は表面抵抗率が例えば107Ω/□〜1013Ω/□という有限な抵抗値を持っているため、電荷が移動でき、時間の経過とともに隣り合う正負極の電荷が引き合い移動することで中和されながら減少する。
その結果、搬送ベルト14上の電荷は用紙の吸着面側に誘起された真電荷とつり合いがとれて電界が閉じられ、用紙の吸着面と反対の面側に誘起された真電荷は前述したとおり中和されて電界が閉じられる。すなわち、記録ヘッド3へ向かう電界が減少していくこととなる。また、搬送ベルト14面に印加された電荷と搬送ベルト21の電荷と疎力(斥力)をなす電荷が用紙の表面上から減少するため、用紙の搬送ベルト14への吸着力は時間とともに増加していく。
ここで、用紙の表面上の表面電位の減少量及び電荷が消滅するまでの時間は、図22に示すように用紙の抵抗や帯電周期長によって異なり、用紙の抵抗が高いほど、用紙表面(搬送ベルトと反対側の面)に誘起された電荷の単位時間当たりの移動量が小さくなり、表面の電荷が中和されるのに時間を要する。また、帯電周期長が長いほど、誘起された正負極の電荷間は離れることになるので、電荷が移動する際の実質的な抵抗が大きくなる。更に、正負極の電荷間に作用する電位も距離に反比例し減少するため、同様に表面の電荷が中和されるための時間を要することとなる。
したがって、用紙の抵抗値が同じで、かつ、搬送ベルト14上に付加された単位面積当たりの電荷量が同じであれば、用紙表面(搬送ベルトと反対側の面)の電荷の消失時間は、帯電周期長の約2乗に比例することとなる。
ここで、用紙表面電位と用紙表面抵抗率の相関関係の一例を図23に示す。本例では、帯電周期長:8mm、印加電圧:±2.0kV、搬送ベルト14と用紙が当接してからの経過時間:1.6秒として表面電位を測定した。本結果から、用紙の表面抵抗率が高いほど、用紙の表面電位が高くなることが分かる。
また、表面抵抗率が異なる3種類の用紙(A紙:1.8×1013Ω/□、B紙:1.2×1012Ω/□、C紙:5×1011Ω/□)の帯電周期長と用紙表面電位の関係の例を図24に示す。この例では、印加電圧:±2.0kV、搬送ベルト14と用紙が当接してからの経過時間:1.6秒として、表面電位を測定している。
この結果、所定の時間後(1.6秒後)において、用紙の抵抗が異なるA紙、B紙、C紙の表面電位がなくなる(消失する)帯電周期長が異なっており、用紙の表面抵抗率が高い場合でも帯電周期長を小さくする(短くする)と、用紙の表面電位を低くできることが分かる。つまり、記録ヘッドによる記録位置(画像形成位置)まで搬送された被記録媒体表面の電荷量の調整は帯電周期長を制御することによって行うことができる。
画像形成時に改行のための搬送ベルトを駆動する量(改行量)が帯電ピッチの整数倍でない場合、及び整数倍である場合とがある。
すなわち図25に示すように、画像形成時に改行のために搬送ベルトを駆動する量(改行量)が、帯電ピッチの整数倍でない場合、また、1改行量よりも帯電ピッチが短い場合には、搬送ベルトを駆動している最中に高圧出力のプラスとマイナスを切り換え、1改行中に所望の帯電ピッチを帯電しきらずに改行が終了してしまった場合には、その次の改行のときに残りの分(帯電しきれていない部分)を帯電する。このようにして一定幅の帯電ピッチを形成している途中で、改行が停止した場合でも、所望の帯電ピッチを形成することができる。帯電ピッチを安定に形成することで、用紙の吸着力が一定になる。
一方、図26は画像形成時に改行のために搬送ベルトを駆動する量(改行量)が帯電ピッチの整数倍となるように帯電ピッチを設定した場合を示す図であり、上記した整数倍とならない場合に比べて、より好ましい。この改行量は、形成しようとする画像の画素密度と、ヘッド(液滴吐出ヘッド)のノズルピッチ及びノズルの使用数によって決まる量である。通常インクジェットプリンタなどのシリアル型の画像形成装置では、形成しうる画素密度を複数選択可能である。帯電ピッチをこの画像形成装置が有している改行量全てに対する最大公約数Lの1/n(n=整数)L/nは整数である場合に、図26に示すように必ず1改行中に帯電ピッチの形成が完了する。このようにして、図25に示すような、極短い時間での帯電を行う必要が無い。極短い時間の帯電では、高圧電源の出力は所望の電位に立ち上がっていても、帯電ローラを介して、搬送ベルト上に所望の帯電電位が形成されているということには必ずしもならない。この所望の帯電電位が形成されていないとき、帯電電位が所望のレベルに達していないという事態となる。本発明ではそのような事態を避け、電位レベルの安定化を図ることができる。
次に本発明に使用されるテストチャートと、このテストチャートにより電界のインク液滴への影響を判別出来るメカニズムについて説明する。
図27に示すように、本発明に使用されるテストチャートは搬送ベルトの帯電ピッチ方向(ここの説明では記録媒体搬送方向)に帯電周期長以上の長さをもつエリアの画像パターンと、帯電周期長(帯電ピッチ)と同じスケールが示してあるチャートからなっている。環境や記録媒体の種類により電界のインク液滴への影響が大きい場合には、画像パターンに帯電周期長に合わせて帯電ピッチ間隔で、図29に示すように濃度ムラとなって現れ、電界のインク液滴への影響が大きい場合には、図30のように濃度ムラは現れない。そのため本テストチャートを印刷した環境と媒体に対して直接的に電界のインク液滴への影響を画像で判別することが出来る。また、図28にはテストチャートの別の例を示す。テストチャートの画像パターンの横には帯電ピッチ間隔でマーク(たとえば「A、B」など)が示されており、電界のインク液滴への影響が大きい場合には、画像パターンのA部とB部での濃度差が検出できるようになっている。尚、テストチャートの構成は本実施例に限るものではなく帯電ピッチに合わせた濃度ムラが検出(あるいは表示)できるような構成(たとえば数値化して表示したり、数値化後、表示しやすい「色」あるいは「パターン」などで表示)であれば良く、帯電による影響とは別の検出をするための画像パターンを併用することが可能である限り本発明に含まれる。
この帯電ピッチと同じピッチで濃度ムラが発生するメカニズムについて図31を基に説明する。
まず、図31を基にして、電界が強い場合に問題となる、ミスト状のインク滴が記録ヘッド側に逆流してその結果、記録ヘッドのノズル面に付着しノズル面が汚れる汚染メカニズムについて説明する。
図31(a)に示すように、記録ヘッド3のノズル3aより吐出されたインク液滴311Bは、図31(b)に示すように、用紙上の表面電位によって発生した電界の影響を受けてインク液滴311Bに電荷が誘起され、インク液滴311Bは主滴312Bとミスト(従滴)313Bとに分裂する。このときミスト313Bは、図31(c)に示すように、用紙と同極性に帯電していることが多いため、同極となる用紙上の電荷と反発し、図31(d)に示すように、記録ヘッド3面側へ逆戻りし、その結果、記録ヘッド3のインク吐出面付近に付着することになる。
次に濃度ムラの発生メカニズムについて図32〜図34を参照しながら説明する。
前記した図21に示されているように、用紙には電荷が帯電ピッチ間隔(例えば4mm(:帯電周期長=8mm))で形成されており、これによって、図32(a)に示すような電界の差が生じる。使用される用紙の抵抗が高く電界が高い場合、図32に示す電界の強いところではミスト(従滴)313A、313Bは記録ヘッド3面側へ逆戻りして付着することになり、他方、電界の弱いところでは逆戻りせずにそのまま用紙に付着することとなる。このテストパターン画像について、用紙への付着状態の模式図をそれぞれ、図34(a)、(b)に示す。電界が強いところではミスト(従滴)は用紙には付着しないので、図34(b)のようなドットとなり、ドット密度としては疎となり画像濃度としては薄くなる。これに対し電界が弱いところではミスト(従滴)が用紙に付着するため、図34(a)の様に大きいドットとなり、ドット密度としては密となるため画像濃度は濃くなる。このため、画像パターンには図29のように濃淡として現れると考えられる。ここで、用紙の抵抗が低い場合には、電界そのものが低いために画像は全て濃くなり、濃淡の違いが生じた画像は発生しない図30のようになる。しかし、環境等による要因が変化しても、用紙の抵抗が高い場合には、テストチャートの画像に図29に示されるような濃淡のある画像として現れるため、テストチャート印刷実行時の電界のインク液滴への影響を判別することが可能である。図32の例の帯電周期長と異なる場合の電界強度分布を図33(帯電ピッチ間隔2mm(:帯電周期長=4mm))に示す。この図に示すように、帯電周期長(帯電ピッチ)を短く変更すると電界強度を抑えることが出来、ヘッドへのミスト(従滴)の逆戻りを防止でき、テストチャートの画像も図30に示されるように、濃淡のある画像は発生しなくなる。
ここで、画像パターンは画像の濃淡として視覚的に判別できるように、記録媒体に着弾する吐出滴で完全に埋め尽くされないような解像度や滴の大きさであるようにすることが望ましい。これは、完全に埋め尽くされる、つまり滴が重なる状態で画像パターンが形成されると前述の濃淡の差が視認上、現れ難いためである。記録媒体の液滴とのアフィニティ(親密度)によりインク滴の滲みや拡がりは異なるが、一般的に普通紙と呼ばれる用紙を目安に、画像パターンの解像度が300dpi相当の場合の滴の大きさは10pl(ピコリットル)以下、600dpi相当の場合は5pl以下、1200dpiの場合は3pl以下が望ましい。また、このテストチャートの画像パターンを印刷する際の吐出滴は電界の影響を受け易いミスト(従滴)が出やすい滴が好ましいが、実印刷に用いる吐出滴は高画質を実現するために、記録媒体上で真円に近いドット形成が望まれるため、ミスト(従滴)が無い、或いは少ない滴が好ましい。尚、ミスト(従滴)が出やすい滴とは、吐出状態で尾引きがある(多い)滴である。好ましくは、このデストパターンを印刷する際の吐出滴は、実印刷に用いる滴とは好適な形態が異なるため、実印刷に用いる吐出滴とは別途に設けることが好ましい。換言すればテストチャートを印刷する液滴として、上記した電界の影響を受け易いミスト(従滴)が出やすい滴を用いることが好ましいので、実印刷の際の液滴(インク滴:記録液)と別途設けることが好ましい。
次に本発明に用いられる記録液について、説明する。
本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料の少なくともいずれと、これを液滴状にするための液体とを有して構成されている。
<顔料>
本発明で使用される記録液に用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は1種単独でまたは複数種類を混合して用いても良い。
本発明で使用される記録液に用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は1種単独でまたは複数種類を混合して用いても良い。
顔料としては有機顔料と無機顔料のいずれも使用でき、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリング(耐候性)が悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300m2/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア社製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット社製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ社製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
又、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させてインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20,000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明らかでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有した記録液を使用することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有する記録液では、自己分散型顔料同士の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、以下のようなものが挙げられる。
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)。
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となる。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味する。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合には、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合には、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合には、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合には、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、この有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。このような転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造してもよい。特に、直接記録液用の分散液を製造できる点からいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記したマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離したマイクロカプセルを、水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。上記したような方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆された顔料が印刷物(記録媒体:用紙)にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
<染料>
本発明に使用する記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性、耐候性等が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
本発明に使用する記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性、耐候性等が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
(a)酸性染料及び食用染料として
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2等が使用できる。
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2等が使用できる。
(b)直接染料として
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171等が使用できる。
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171等が使用できる。
(c)塩基性染料として
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8等が使用できる。
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8等が使用できる。
(d)反応性染料として
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
<染料・顔料共通の添加剤、物性>
本発明で使用される記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
本発明で使用される記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、以下のものが挙げられる。
上記式(I)〜(IV)で表されるものが好ましい。ただし、上記式(I)〜(IV)中、Rは、分岐していてもよい炭素数6〜16の炭化水素基(炭化水素鎖基)であり、kは、5〜20であり、mおよびnは、0〜40であり、pおよびqは、20以下の数である。すなわち、式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤(好ましくはp−アルキルポリオキシエチレンフェニルエーテル系界面活性剤)、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明で使用される記録液の表面張力は、20〜60dyne/cmであることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは30〜50dyne/cmであることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明で使用される記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明で使用される記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明で使用される記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明で使用される記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3',5'−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N'−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4'−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β'−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明で使用される記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
(画像形成システム)
次に本発明の画像形成システムについて説明する。
次に本発明の画像形成システムについて説明する。
本発明の画像形成システムは、前記した画像形成装置を有して構成される。
画像形成装置としては本発明の画像形成装置を用いて構成され、図8(a)に示される駆動指令信号をネットワーク等で接続された外部機器(PCなど)から、入力される。あるいは図8(b)に示すように、画像形成装置本体300は、自機の操作/表示部5からの入力により駆動指令信号として受信されるか、または、ホストI/F306を介して外部機器からの駆動指令信号として受信される。
以下、本発明の画像形成装置及びその動作例を実施例により説明する。
本実施例で使用される画像形成装置は、搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、この搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御する制御手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、テストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択する手段とを備えている。
次にテストチャート印刷から帯電制御選択の一例について図35に基いて説明する。
図35に示すように、テストチャートの印刷命令が実行され(ステップS31)、テストチャートがテストチャートの印刷終了後(ステップS32)、図1に示す画像形成装置の表示部16に、濃淡が有るか否かの表示、たとえば[YES,No]が表示され、ユーザはテストチャートの印刷結果を視認により濃淡の有無を確認し、カーソルでどちらかが選択される。
画像形成装置側では、ユーザからの入力を確認し、テストチャートに濃淡が有るか否かを判断する(ステップS33)。
たとえば、制御は帯電周期長が相対的に長い制御(周期長8mm)をデフォルトとして設定し、別途帯電周期長が短い(周期長4mm)制御が用意されているとする。画像形成装置側では、ユーザからカーソルを介してテストチャートの結果の入力に基づいて、たとえば、濃度ムラ発生に対してYESが選択された場合(濃淡有りの場合:ステップS33でYesの場合)、帯電制御2から読み出し(ステップS34)、読み出した帯電周期が短い制御に制御を変更する(ステップS35)。また前記ステップS33において「No」が入力されたことを画像形成装置が確認した場合(ステップS33でNoの場合)、変更せずに終了する(ステップS33→ステップS36)。
本実施例では帯電周期長が変更される制御例を挙げて説明しているが、たとえば周期長は不変で電位自体の値(電圧値)が変更される制御でもよく、また、周期長と電位の両方の値が変更される制御であっても良い。また、用意されている制御の数も本実施例では2つとして説明しているが、帯電周期長や電位がより多段階に異なるように、より多い数の制御が用意してあっても良い。またテストチャート印刷〜制御選択を繰り返し行うことで、より多様なケースに高精度に対応可能な制御にすることが出来る。さらに用意されている制御は、印刷動作に使用されたインク消費量に応じた制御となっていることが好ましい。例えば図37のフローチャートに示すように、インク消費量が多い場合にはヘッドが汚れた状態であることが予想されるため(ステップS53→S54)、帯電周期長をより短い制御になるようにして(ステップS55)、ヘッドの汚れによる噴射曲がりや非噴射を防止出来る。尚、画像形成装置の表示機能や操作機能に関しても本実施例に限られるものではない。なおテストチャートの印刷命令を制御部では、自動的にテストチャートの印刷命令を発することができるようにしておくようにしてもよい。このような印刷命令はプログラム化されていてもよい。たとえば出荷前に温度、湿度、特定の印刷モードによるデータを収集しておき、たとえばこれらと大きく異なる予定外の場合などで印刷されるような場合に、テストチャートの印刷命令を発するようにしたり、画像形成装置の設定時などの場合にテストチャートの印刷命令を発するようにすることができ、これらをプログラム化してあってもよい。以下の実施例においても同様である。
次に帯電制御選択について別の一例を図36、表1〜2に基いて説明する。
帯電周期長が相対的に長い制御(表1参照)がデフォルトとして設定されており、別途帯電周期長が短い制御(表2参照)も用意されており、これらの制御は印字モードや環境(温度・湿度)による最適値がテーブル化され、使用する印字モードと温度・湿度の検出結果に基づいて最適値が用いられるようにプログラム化されている。テストチャートも各帯電周期長毎にテストチャートが用意され、印刷する際に、温度・湿度の検知結果からテストチャートが選択される図36に示すフローとなっている。
すなわち、テストチャートの印刷命令がされると(ステップS41)、温度・湿度の検知し、設定印字モードの認識を行い(ステップS42)、温度、湿度、印字モードに応じたテストチャートを設定し(ステップS43)、設定されたテストチャートの印刷を実行して、その後、図35に示すステップS33以降と同様のステップを行う。
図36に示すように、テストチャートの印刷命令により、検知した温度・湿度・印字モードによりテストチャートの設定が行われる。例えば印字モードが普通紙/はやいモードで、温度が23℃、湿度が40%の場合、帯電周期長=6mm(表1より)に対応したテストチャートが設定される。テストチャートを印刷、印刷終了後、図1の表示器16には濃淡は有るか否かをYES,Noが表示され、ユーザがカーソルでどちらかを選択する。濃度ムラ発生に対してYESが選択された場合、制御は帯電周期が短い制御(表2)に変更される。尚、テストチャートが各帯電周期長毎にテストチャートが用意されている例を挙げたが、テストチャートは一種であり帯電周期長に問わず濃度ムラの有無だけを判定するようにしても良く、この場合のフローは前述の図35と同様となる。
次にヘッド清掃動作機構を含む維持回復装置の一例を図38等に基づいて説明する。
図38は同機構部の要部平面説明図である。
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31に添って、キャリッジ23を主走査方向に移動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図38に示す矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。このキャリッジ33には、記録液の液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド34を複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、装着している。
ここで、記録ヘッド34は、例えば、イエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34bとで構成している。なお、「記録ヘッド34」というときは色を区別しないものとする。なお、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1又は複数の色の液滴を吐出する1又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1又は複数用いて構成することもできる。
記録ヘッド34を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ33には、各記録ヘッド34にそれぞれ各色の記録液を供給するための各色のヘッドタンク35y、35m、35c、35k(色を区別しない場合は「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このヘッドタンク35には各色の記録液供給チューブ37を介して前述した各色のインクカートリッジ10(各色を区別する場合には、「インクカートリッジ10y、10m、10c、10k」という。)から記録液を供給するようにしている。
図3に示すように、キャリッジ33の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復装置91を配置している。
この維持回復装置91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)92a〜92d(区別しないときは「キャップ92」という。)と、ノズル面を清掃するためのインク除去部材であるワイパーブレード93と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け94及びこの空吐出受け94に一体形成され、ワイパーブレード93に付着した記録液を除去するための清掃部材であるワイパークリーナ95と、ワイパーブレード93のクリーニング時にワイパーブレード93をワイパークリーナ95側に押し付けるクリーナ手段を構成するクリーナコロ96などを備えている。
また、図38に示すように、キャリッジ33の走査方向の他方側への非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け98を配置し、この空吐出受け98には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口99などを備えている。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復装置91側に移動されて、キャップ部材92で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
次に本発明の画像形成装置に使用される維持回復装置を含む維持回復装置91の構成の概要について図39ないし図41を参照して説明する。なお、図39は同装置の要部平面説明図、図40は同装置の模式的概略構成図、図41は図39の右側面説明図である。
この維持回復装置91のフレーム(維持装置フレーム)111には、キャップ保持機構である2つのキャップホルダ112A、112Bと、清浄化手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード93と、キャリッジロック115とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。また、ワイパーブレード93とキャップホルダ112Aとの間には空吐出受け94が配置され、ワイパーブレード93のクリーニングを行なうために、フレーム111の外側からワイパーブレード93を空吐出受け94の清掃部材であるワイパークリーナ95側に押し付けるための清掃部材であるクリーナコロ96を含むクリーナ手段であるワイパークリーナ118が揺動可能に保持されている。
キャップホルダ112A、112B(区別しないときは「キャップホルダ112」という。)には、それぞれ、2つの記録ヘッド34のノズル面をそれぞれキャッピングする2つのキャップ92aと92b、キャップ92cと92dを保持している。
ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ112Aに保持したキャップ92aには可撓性チューブ119を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)120を接続し、その他のキャップ92b、92c、92dはチュービングポンプ120を接続していない。すなわち、キャップ92aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップ(以下単に「吸引用キャップ」という。)とし、その他のキャップ92b、92c、92dはいずれも単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド34の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34を吸引用キャップ92aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップホルダ112A、112Bの下方にはフレーム111に回転自在に支持したカム軸121を配置し、このカム軸121には、キャップホルダ112A、112Bを昇降させるためのキャップカム122A、122Bと、ワイパーブレード93を昇降させるためのワイパーカム124とキャリッジロック115を、キャリッジロックアーム117を介して昇降させるためのキャリッジロックカム125と空吐出受け94内で空吐出される液滴がかかる空吐出着弾部材である回転体としてのコロ126とワイパークリーナ118を揺動させるためのクリーナカム128をそれぞれ設けている。
キャップ92はキャップカム122A、122Bにより昇降させられる。ワイパーブレード93はワイパーカム124により昇降させられ、下降時にワイパークリーナ118が進出して、このワイパークリーナ118のクリーナコロ96と空吐出受け94のワイパークリーナ95とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード93に付着したインクが空吐出受け94内に掻き落とされる。
キャリッジロック115は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックカム125で駆動されるキャリッジロックアーム117を介して昇降させられる。
そして、チュービングポンプ120及びカム軸121を回転駆動するために、モータ131の回転をモータ軸131aに設けたモータギヤ132に、チュービングポンプ120のポンプ軸120aに設けたポンプギヤ133を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ133と一体の中間ギヤ134に中間ギヤ135を介して一方向クラッチ137付きの中間ギヤ136を噛み合わせ、この中間ギヤ136と同軸の中間ギヤ138に中間ギヤ139を介してカム軸121に固定したカムギヤ140を噛み合わせている。なお、クラッチ137付きの中間ギヤ136、138の回転軸である中間軸141はフレーム111にて回転可能に保持している。
また、カム軸121にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム142を設け、このサブシステム91に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ92が最下端に来たときにホームポジションレバー(不図示)を作動させ、センサが開状態になってモータ131(ポンプ120以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ92(キャップホルダ112)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ92のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッド34がキャッピングされる。
クリーニング動作(=ヘッド清掃動作)はノズルから乾燥により増粘したインクを排出したり、吐出不良となって壊れたメニスカスをノズルに正常に張リ直したり、ノズル・ノズル面を清浄にすることを目的とした動作である。まず、ノズルキャップ部材92で記録ヘッド34をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)、増粘した記録液や気泡を排出する。次にインク除去部材であるワイパーブレード93がノズル面と対向し、その状態のままノズル面とワイパーブレード93が相対的に移動(本実施例ではヘッドが矢印方向へ移動)することによりインクをノズル面から除去してノズル面を清浄に保つと共にノズルのメニスカスを正常に張る。クリーニング動作(=ヘッド清掃動作)として、ここではノズルから記録液を吸引する動作とワイパーで拭き取る動作とで構成される例を挙げたが、これに限るものでは無い。また、ヘッド清掃動作機構を含む維持回復装置についても無論、本実施例に限るものでは無い。
静電搬送に伴って記録ヘッドのノズル面に付着するミストによるノズル面汚れを除去するための処理(以下「ミスト汚れ除去処理」という。)について、図42等を参照して説明する。
図8(b)に示すように、制御部300(図8(a)の30に相当)のROM302には、所定のインク吐出によって発生する記録ヘッドのノズル面の汚染度合を数値化して保持している。また、記録ヘッドのノズル面の汚染によって噴射曲がり、ノズル抜け、混色などの吐出不良を発生するときの汚染の度合に基づいて、吐出不良に達しない許容できる段階でのノズル面汚染の度合(汚染量)を予めノズル面汚染許容閾値として保持している。
ミスト汚れ除去処理の第1例について図42を参照して説明する。
図42のフローチャートに示す処理では、印字命令を受信すると(ステップS61)、所定の処理を行なって印字(画像形成)を行うとともに、この画像形成を行うときのインク吐出回数をカウントし(ステップS62)、予め保持している所定インク吐出に対するノズル面汚染度合を読み出し(ステップS63)、この読み出したノズル面汚染度合とカウントしたインク吐出回数に基づいて演算処理を行ない、ノズル面汚染量を算出して更新し(ステップS64)、更新したノズル面汚染量を記憶する(ステップS65)。
ここで、「ノズル面汚染量」の算出は、具体的には、「所定インク吐出におけるノズル面汚染度合い」×「インク吐出の回数」×「その他の因子によって決まる補正係数」によって得られる値を累積して行う方法が挙げられるが、この方法に限るものではない。
例えば、帯電ミストは、その発生メカニズムにより、帯電のない領域、すなわち搬送ベルトおよび該ベルトに吸着する被記録媒体以外の場所への吐出時には原則的に発生しない。そのため、画像形成中にノズル内部の増粘インクを吐出動作により廃液収容容器などに排出する予備吐出(空吐出)を行う場合には、当該予備吐出に伴うインク滴吐出回数を演算で求めるノズル面汚染量に反映させない処理を行うようにすることが好ましい。これは、例えば、「予備吐出によって発生するノズル面汚染度合い」をゼロとすることで、簡素な構成で実現することができる。
その後、更新したノズル面汚染量が予め保持しているノズル面汚染許容閾値よりも大きいか否かを判別する(ステップS66)。このとき、更新したノズル面汚染量が予め保持しているノズル面汚染許容閾値以下のときには(ステップS66でNoの場合)、その段階での記録ヘッド34のノズル面34aのミストによる汚染の程度が許容できる範囲内にあるとして、そのまま何もしないでこの処理を抜ける(ステップS66/No →RETURN)。
これに対して、更新したノズル面汚染量が予め保持しているノズル面汚染許容閾値よりも大きいときには(ステップS66でYesの場合)、その段階での記録ヘッド34のノズル面34aのミストによる汚染の程度が許容できない状態になっているものと扱って、ワイパーブレード83を上昇させて記録ヘッド34のノズル面34をワイピングするクリーニング動作(清掃動作)を実行する(ステップS66/Yes→ステップS67)。
このように、静電搬送に伴って帯電したミスト(帯電ミスト)が記録ヘッドのノズル面に付着してノズル面汚れを生じ易い画像形成装置において、所定インク吐出によって発生するノズル面汚染度合を予め数値化して保持し、画像形成動作におけるインク吐出回数(すなわちインクの消費量)をカウントし、予め保持しているノズル面汚染度合数値との演算によってノズル面の汚染度合を算出し、所定のタイミングにて演算結果と予め保持しているノズル面汚染許容閾値とを比較し、ノズル面汚染度合が閾値を超えているときには、ノズル面を清掃する動作を行うようにすることで、過不足なく回復動作を実施することができ、効果的にノズル面を清浄化できて画像品質の低下を防止できる。
ここで、ノズル面汚染許容閾値は、それ以上の汚染を看過すると噴射方向曲がり、ノズル抜け、混色などの吐出不良を発生する状態に対応する値として、所定インク吐出によって発生するノズル面汚染度合と同じ手法で数値化したものである。これにより、不要なタイミングでのノズル面清掃動作を回避することができて、インクや時間の無駄な消費を防止することができる。なお、「所定インク吐出」(所定インク滴吐出)とは、例えば「吐出1滴あたり」であってよい。画像を形成するための1滴を複数のサブドロップで形成する場合には、「サブドロップ1滴あたり」とすることもできる。
次に制御選択処理の一例について図37、表3〜4に基いて説明する。
本実施例には、ヘッド清掃動作の制御として相対的にヘッド清掃動作頻度が少ない制御(表3)がデフォルトとして設定され、別途ヘッド清掃動作頻度が多い制御(表4)が用意されているものとする。これらの制御において印字モードや環境(温度・湿度)による最適値がテーブル化され、使用する印字モードと温度・湿度の検出結果に基づいて最適値が用いられるしくみとなっている。
ここで、表3と表4の係数について説明を加える。前述の「ノズル面汚染量」の算出は、「所定インク吐出におけるノズル面汚染度合い」×「インク吐出の回数」×「その他の因子によって決まる補正係数」によって得られる値としており、表3と表4に示される係数は「その他の因子によって決まる補正係数」に相当する。この補正係数の値が大きい程「ノズル面汚染量」は大きい値となり、同じ印刷動作を実施した場合にクリーニング動作が早期に実施されることになる。尚、本実施例では印字モードや環境(温度・湿度)による最適値がテーブル化された制御を挙げているが、これに限るものではない。
図37のフローチャートに示すように、まず、テストチャートの印刷命令がされると(ステップS51)、テストチャートの印刷を実行する(ステップS52)。印刷終了後、図1の表示器16に濃淡は有るか否かをたとえば「YES,No」の表示がされ、ユーザがカーソル(画像形成装置上のカーソルまたはユーザ端末(PC)によりカーソルと同様の入力可能な部から入力して画像形成装置に通知することも含む)で「YES,No」のどちらかを選択する。濃度ムラ発生に対してユーザによりYESが選択された場合(ステップS53でYesの場合)、制御部30(または300)はヘッド清掃動作制御2を読出し(ステップS54)、帯電周期が短い制御(ヘッド清掃動作頻度が多い制御(表4))に変更される(ステップS55)。また制御部は、テストチャートの濃淡が無いと入力されたことを確認すると(ステップS53でNoの場合)、そのまま何もしないでこの処理を抜ける(ステップS53/No →終了)。尚、本例では用意されている制御の数は2つとしているが、より多い数の制御が用意してあっても良く、より多様なケースに高精度に対応可能な制御にすることが出来る。尚、画像形成装置の表示機能や操作機能に関しても本実施例に限られるものではない。なお図37のフローチャートに示す工程は、たとえば所定の印字枚数毎、使用した液量毎(液量全量あるいは黒色液量など使用が頻繁な液の液量のみ)、使用時の周囲環境(温度、湿度および印字モードの履歴)の閾値を記録しこれに達したときなどの場合に、制御部300では、例えば、自動的にテストチャートの印刷命令を発することができる。このような場合のテストチャート印刷による濃淡が生じたと判定される可能性が生じた場合には、制御部では、この図37に示すフローに従う。たとえば前記した「ノズル面汚染量」の算出を制御部300で行い、自動的にテストチャートの印刷命令を発することができるようにプログラム化されていてもよい。また、図37において、ステップS52の前に、図36のステップS42〜S43の工程を加えることもできる。
次に制御選択処理の一例について図43に基いて説明する。
図43に示すように、テストチャートの印刷命令により(ステップS70)、テストチャートの印刷を実行する(ステップS71)。テストチャート印刷終了後、表示部に濃淡は有るか否かが、たとえば「YES,No」が表示され、ユーザは、画像形成装置本体の表示部16またはユーザ端末上の画像形成装置に係るテストチャートの判定機能を報知する機能を有する部を介して画像形成装置に対してカーソルあるいはユーザ端末から、どちらかが選択される。
YESが選択された場合(ステップS72でYesの場合)、制御部は帯電制御2を読出し(ステップS73)、帯電周期が短い制御に変更する(ステップS74)。また制御部は、テストチャートの濃淡が無いと入力されたことを確認すると(ステップS73でNoの場合)、そのまま何もしないでこの処理を抜ける(ステップS73/No →終了)。
更にテストチャートが印刷され(ステップS75)、表示部(画像形成装置の表示部またはユーザ端末上の画像形成装置に関するテストチャートの情報と共に、ユーザ端末上には、画像形成装置に係るテストチャートの判定機能を報知する機能を有する部が、たとえば可視化されて機能が発揮されるような選択バーが表示される)には濃淡は有るか否かをYES,Noが表示され、ユーザが画像形成装置本体のカーソルあるいはユーザ端末のテストチャートの判定機能を報知する機能を有する部を介してどちらかが選択される。たとえばYESが選択された場合(ステップS76でYesの場合)、前記同様に制御部は帯電制御2を読出し(ステップS77)、帯電周期が短い制御に(ヘッド清掃動作頻度がより高い制御)変更する(ステップS78)。また制御部は、テストチャートの濃淡が無いと入力されたことを確認すると(ステップS76でNoの場合)、そのまま何もしないでこの処理を抜ける(ステップS76/No →終了)。
このように帯電制御だけでは対応出来ない場合、ヘッド清掃動作の制御も合わせて対応出来ることでより過酷な状態(紙種や環境)であっても対応可能となり、安定して高画質画像を形成できる画像形成装置を提供出来る。なお図43に示すフローにおいて、ステップS73〜S74と、ステップS77〜S78とを換えることもできる。たとえば実施例3においてヘッド制御を行うべきと判断された場合などは、このような順番とし、このような優先順位の決定を行うことができるようにプログラム化しておくこともできる。
本発明の別の実施例として、ライン型のインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。その他は前記した実施例1〜4に記載された少なくとも1つの動作(工程例)を実行可能となっている。
図44は概略構成を示す断面図であり、3は記録ヘッドであり、本実施例ではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)各色のインクを吐出する4つの記録ヘッド31〜34を有している。用紙は搬送ベルト14に静電吸着されて移動しつつ記録ヘッド3の下を通過する際に印刷が行われる。搬送装置である搬送ベルト14は駆動ローラ、支持ローラによって張架され、回転駆動することにより用紙を搬送するものである。
テストチャート印刷命令により、図28に示すテストチャートを印刷する。続いて、このチャートの画像パターンを読み取り部4で読み取り、一時記憶する。尚、この読取部4は一般的にスキャナーを用いることができる。
さらに、読み取り記憶したデータを解析し、チャートに帯電ピッチの濃淡があることを検知する(尚、本実施例でのデータ解析は、濃度測定器により所定濃度を測定比較した結果、濃度差がある閾値以上の場合に濃淡があると判定する例を挙げる。)。この結果に基づき、帯電の制御或いはヘッド清掃動作の制御のどちらか、或いはその両方の動作の制御を、最適な制御に変更する。尚、ここではプリンタを例に挙げているが、無論スキャナーや複写やファクシミリ等が一体となった複合機であっても良く、こうした複合機の画像読取り手段をテストチャートの読取手段と併用することも本発明では含んでいる。また、読取手段及びデータ解析手段は本発明の実施例等で説明した用件にのみ使用されなくても良く、ノズルの不吐出検出や画像濃度検出と併用されても良い。なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。本発明は、前述した実施形態あるいは実施例での各種機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、達成されることも含んでいることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態あるいは実施例での各機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体、そのプログラム自体も本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態あるいは実施例での機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
上述したように、本発明の画像形成装置および画この装置を有する画像形成システムは、上記したような画像形成装置を有して構成されたものであり、画像形成装置自体にもコンピュータ機能を有する構成であること(たとえば図8(b)に示すように)が好ましい。また本発明の画像形成システムは、本発明の画像形成装置を有して構成され、この画像形成装置は、ユーザ端末(PCなど)と通信可能に接続されて構成されている。ただし、この接続は、通信可能であること以外、限定されないことは言うまでも無い。すなわち、本発明の画像形成システムは、ユーザ端末と有線あるいは無線を介して接続されており、ユーザからの印刷命令などがユーザ端末を介して画像形成装置1に送られるように、たとえばユーザ端末内のプリンタドライバなどを介して接続可能に設定されており、また画像形成装置1側では、ユーザ側にテストチャートの結果、その他の必要な情報を、ユーザ端末を介して、あるいは画像形成装置1の表示画面上に直接あるいは間接に、ユーザに報知し、ユーザはユーザ端末あるいは画像形成装置1から、ユーザの意思を入力してユーザが欲することを命令形式で画像形成装置1に伝達し、画像形成装置1では、これを受けて様々なタスクを実行してユーザに有形無形のサービスを提供可能としている。
本発明では、実施例1〜4に記載されているフローを適宜組み合わせて実行することも含まれる。これらの組み合わせにおいて、その優先順位などは、ヘッドの汚れ具合、環境指数なども考慮した前記「ノズル面汚染量」の算出を行うなどにより、決定することができる。これらの決定も本発明に含まれる。
1、1a、1b 画像形成装置本体(インクジェットプリンタ)
2 給紙トレイ、
3 排紙トレイ、
4 キャリッジ
5 給紙トレイ、
7 印字部、
8 記録紙搬送装置、
9 排紙トレイ
12 駆動ローラ、
13 従動ローラ、
14 搬送ベルト
15 押えローラ、
16 搬送ガイド、
17 記録紙
19 ベルト帯電ローラ、
20 絶縁層、
21 導電層、
22 リブ
23 逃げ溝、
24 ACバイアス供給部
2 給紙トレイ、
3 排紙トレイ、
4 キャリッジ
5 給紙トレイ、
7 印字部、
8 記録紙搬送装置、
9 排紙トレイ
12 駆動ローラ、
13 従動ローラ、
14 搬送ベルト
15 押えローラ、
16 搬送ガイド、
17 記録紙
19 ベルト帯電ローラ、
20 絶縁層、
21 導電層、
22 リブ
23 逃げ溝、
24 ACバイアス供給部
Claims (11)
- 搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいてヘッド清掃動作制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 搬送ベルト上に発生する静電力により被記録媒体を吸着して搬送し、液滴吐出ヘッドから記録液の液滴を吐出して前記被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記搬送ベルトに正と負の電荷を交互に印加するベルト帯電手段と、搬送ベルト上に印加する正負極の帯電周期長を制御出来る手段と、帯電周期長以上の長さのテストチャートを印刷する手段と、前記テストチャートの結果に基づいて帯電制御とヘッド清掃動作制御の両方を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいて帯電制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいてヘッド清掃動作制御を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記テストチャートを読み込む読取手段と、前記読取結果に基づいて帯電制御とヘッド清掃動作制御の両方を選択出来る手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 環境温度或いは湿度或いはその両方の検出結果に応じて、帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 印刷モードに応じて帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 被記録媒体の印刷動作に消費される記録液の液量に応じて帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記テストチャートを形成する吐出滴は印刷に使用する滴とは異なることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- ユーザーが指示を入力するためのユーザーインターフェイス上に、前記テストチャートの結果を表示させ、各表示部には、前記帯電或いはヘッド清掃動作或いはその両方の制御に対応した表示があり、選択された表示部に対応する制御を実行する請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置を含む画像形成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006356563A JP2008162201A (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 画像形成装置および画像形成システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006356563A JP2008162201A (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 画像形成装置および画像形成システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008162201A true JP2008162201A (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=39692309
Family Applications (1)
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JP2006356563A Pending JP2008162201A (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 画像形成装置および画像形成システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008162201A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010058443A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
WO2017023250A1 (en) | 2015-07-31 | 2017-02-09 | Nissan Motor Co., Ltd. | Permanent magnet synchronous motor |
JP2020179589A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、温度判定方法および温度判定プログラム |
-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006356563A patent/JP2008162201A/ja active Pending
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WO2017023250A1 (en) | 2015-07-31 | 2017-02-09 | Nissan Motor Co., Ltd. | Permanent magnet synchronous motor |
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JP7238577B2 (ja) | 2019-04-25 | 2023-03-14 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置、温度判定方法および温度判定プログラム |
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