JP2006205463A - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの各吐出部において、予備吐出などの回復動作を行う間隔よりもはるかに短い非吐出時間が経過した場合にも、高画質を維持したまま記録動作を行うことができるスループットに優れたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 記録すべき画像に応じた本来の画像データを作成する第1の画像データ作成手段と、前記複数の吐出部のそれぞれに対し、インク滴の非吐出状態が所定時間以上継続した吐出部を検出する吐出部検出手段と、前記吐出部検出手段によって検出された吐出部によって前記所定時間経過後に前記本来の画像データの先頭画像データに応じて吐出されるインク滴の吐出回数を、インク滴の非吐出状態が所定時間以上継続していないときに前記吐出部によって吐出される吐出回数より増大させるよう前記先頭画像データを変換する画像データ変換手段と、を備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インク滴を吐出する吐出部を複数配列してなる記録ヘッドを用いて画像を形成するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法等に関する。
記録媒体に対し記録ヘッドの吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置では、記録ヘッドで吐出を行なわない状態が一定時間以上続くと、記録ヘッドの吐出部内のインクが増粘して吐出不良を生じることがある。特に、最近のインク滴の微小化に伴い、各吐出部内で発生させるインク滴の吐出エネルギーは小さくなっているため、上述のインク増粘による吐出不良はより重大な問題を発生させる傾向にある。
一方、このような吐出不良を未然に防止すべく、所定のタイミングで、吐出回復処理が行なわれている。
吐出回復処理の一つとして強制回復処理がある。この強制回復処理は、記録ヘッドの吐出部に形成される吐出口からインクを吸引することによって吐出部内の増粘したインクを排出させる、いわゆる吸引回復処理や、記録ヘッドの内部の圧力を高めることよって吐出口からインクを排出させる加圧回復処理等の強制回復処理がある。
また、他の吐出回復処理としては、記録に関与しないインク吐出を所定回行なう、いわゆる予備吐出が知られている。一般に、記録ヘッドを記録媒体に対して走査させながら記録を行うシリアル方式の記録装置では、予備吐出は、記録ヘッドを記録領域外の所定箇所へ移動させて行うのが一般的である。また、記録媒体の幅に対応した範囲で吐出口を配列した記録ヘッドに対して記録媒体を搬送して記録を行なう、いわゆるフルライン方式の記録装置においては、記録ヘッドの吐出口からのインクの蒸発を防止する目的で設けられているキャップの中や、予備吐出されたインクを受けるために専用的に設けられている予備吐受けの中に、予備吐出を行なうものが提案されている。そして、これらの予備吐出では、増粘したインクを適切に除去するため、所定回数の吐出を行なう。
また、予備吐出を行なうタイミングは、所定量の記録を行なう毎に行なうものが多い。シリアル方式の記録装置では、例えば所定回数の走査毎、あるいは一頁分の記録毎に、上述のようにインク受け等が設けられた箇所に移動して予備吐出を行なう。
また、記録ヘッドにおける非吐出状態が所定時間以上となった場合、吐出再開の直前で紙面上に予備吐出を行うものが特許文献1の段落[0027]〜[0031]に開示されている。
さらに、所定期間記録がなされない後の記録初期の期間に、電気−熱変換素子に印加されるパルスの電力を増大し、記録ドットを大きくし、記録初期における記録画像濃度の低下を改善する提案もなされている(特許文献2参照)。
このように非吐出状態が一定期間続いた後の最初のインク吐出の直前に紙面予備吐出を行うことや、上記最初のインク吐出の量を増加させる制御を行うことにより、非吐出状態が一定期間続く場合であっても、それに起因した吐出不良を軽減することができる。
特開平06−040042号公報(段落[0027]〜[0031]) 特開平02−002008号公報
ところで、本願発明者等は、記録ヘッドの各吐出部について最後に吐出が行なわれてから通常の予備吐出の間隔(10〜30秒程度)よりはるかに短い時間が経過した後の、第1回目の吐出において、インク滴の吐出量および吐出速度の低下、あるいは吐出インクの濃度の低下が生じるという現象を見出した。
この現象は、最初の第1回目の吐出においては発生するが、吐出速度および吐出量については第2回目からはほぼ正常な状態に戻ることが確かめられている。これは、上述した予備吐出が行なわれる時間間隔よりはるかに短い時間の間に、吐出口近傍のインクメニスカスの表面に一種の膜状物が形成されることによるものと推定される。すなわち、インクメニスカスの表面に形成される膜状物の抵抗によって第1回目の吐出によるインク滴が小さくなるか、あるいは殆どインク滴が吐出されず、その後の第2回目の吐出からは第1回目の吐出によって膜が除去されて正常なサイズのインク滴が吐出されると考えられる。
このような、一定の非吐出時間が経過した後の第1回目のインク吐出において、吐出量および吐出速度が低下するという一種の吐出不良が生じると、その第1回目のインク吐出によって形成されるべき画素のドットサイズが適正なものとならないか、あるいはドットが形成されないことがあり、その結果、例えば、黒文字などの画像を記録した際に、画像の輪郭がシャープさを欠くなどの画質の劣化をもたらす虞がある。
一方、吐出されたインクによって形成されるドットの光学濃度が低下する現象は、インクの色材として顔料を用いた場合に生ずることが確認されている。すなわち、顔料を色材としたインク(以下、顔料インクと称す)を用いる場合、一定の時間をあけた後の最初(第1回目)の吐出において吐出されるインク滴には濃度の低下が生じ、それによって形成されるドットには光学濃度の低下が生じる。さらに、この場合には、吐出速度が低下することも確認されている。但し、顔料インクにおいても、最初の吐出が行われた後、一定の時間をあけずに吐出されたインク滴は通常の濃度および吐出速度に戻るという現象が生じる。
また、本願発明者等が検討した上述の現象は、記録ヘッドの各吐出部に着目すれば、所定量の記録(例えば、1ページ分の記録)を開始するときの第1回目の吐出においてのみ生ずるものでない。つまり、記録データによっては、1ページ分の記録動作が行われている間にも、非吐出状態が数秒以上続く吐出部が存在する可能性もあり、その吐出部には上記のような膜の形成やインク濃度の低下が生じ、適正なドットが形成されないことになる。
このような問題を解消するものとして、特許文献1では、記録ヘッドにおける非吐出状態が所定時間以上となった場合、吐出再開の直前で紙面予備吐出を行っている。しかしながら、特許文献1の構成では、記録媒体の種類(紙種)やヘッドと記録媒体との距離(紙間距離)等に関わらず、本来記録すべき画像に付加する追加ドット(紙面予備吐出ドット)の位置を同じしているため、紙類や紙間によっては追加ドットが本来の画像から若干離されてしまう場合があり、この点で未だ改善の余地がある。
また、所定期間記録がなされない後の記録初期の期間に、電気−熱変換素子に印加されるパルスの電力を増大し、記録ドットを大きくし、記録初期における記録画像濃度の低下を改善する提案もなされている(特許文献2参照)。しかし、この場合、非吐出状態が一定期間続いた後の最初の吐出インクの量を制御しなければならないが、上述したように最初の吐出インク量は非常に不安定であるため、このような吐出インクの量を制御するのは難しい。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、記録ヘッドの各吐出部において、予備吐出などの回復動作を行う間隔よりもはるかに短い非吐出時間が経過した場合にも、高画質を維持したまま記録動作を行うことができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法の提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、以下の構成を有するものとなっている。
すなわち、本発明の第1の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、前記画像データ変換手段は、前記検出手段により検出された吐出部が前記最初の記録画素に対して吐出するインク数を増加させるように前記先頭画像データを変換することを特徴とする。
本発明の第2の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、前記画像データ変換手段は、記録媒体の種類に応じて前記画像データの変換の仕方を変えることを特徴とする。
本発明の第3の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本体の画像データのうち、前記所定期間経過の最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、前記画像データ変換手段は、前記先頭画像データに応じて吐出されるインク滴の吐出回数を、インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続していないときに吐出される吐出回数より増加させるよう前記先頭画像データを変換することを特徴とする。
本発明の第4の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素の近傍に対応する画像データ応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、前記画像データ変換手段は、前記記録ヘッドの吐出部における吐出口と前記記録媒体との距離に基づいて、前記画像データの変換の仕方を変えることを特徴とする。
本発明の第5の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記所定期間経過後の最初の記録画素の近傍に対応する画像データに応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、前記画像データ変換手段は、前記最初の記録画素に対応する先頭画像データに基づいて吐出されるインクの着弾位置とほぼ同一の位置にインクを着弾させるための画像データを前記本来の画像データに付加することを特徴とする。
本発明の第6の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成工程と、前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換工程とを備え、前記画像データ変換工程は、前記検出工程において検出された吐出部が前記最初の記録画素に対して吐出するインク数を増加させるように前記先頭画像データを変換することを特徴とする。
本発明の第7の形態は、記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成工程と、インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記所定期間経過後の最初の記録画素の近傍に対応する画像データに応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換工程とを備え、前記画像データ変換工程では、前記最初の記録画素に対応する先頭画像データに基づいて吐出されるインクの着弾位置とほぼ同一の位置にインクを着弾させるための画像データを前記本来の画像データに付加することを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドにおけるインクが、予備吐出などの回復動作を行う時間間隔よりもはるかに短い時間で劣化するという従来問題とされていた現象を、逆に積極的に利用した画像データの変換処理を行うことによって、高品質な画像を形成することができる。このため、記録中の予備吐出を省略あるいは削減することが可能となり、記録動作の実質的速度、すなわちスループットを大幅に向上することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録システムに適用するインクジェット記録装置の概略構成を示す側面図である。
図1に示すインクジェット記録装置1は、複数個の記録ヘッド(101Bk,101C,101M,101Y)を、記録媒体Pの搬送方向(同図中矢印A方向)に沿って順次配置したフルライン型のインクジェット記録装置となっており、このインクジェット記録装置と後述の制御系とによりインクジェット記録システムを構成している。なお、以下の説明において、特に各記録ヘッドを区別する必要がない場合には、記録ヘッドを符号101によって表す。
各記録ヘッド101Bk,101C,101Mおよび101Yのそれぞれは、図中A方向に搬送される記録媒体の幅方向(図の紙面に垂直な方向)に複数のインク吐出口を所定の密度で配列し、最大A3サイズの記録媒体に対して記録を行うことができる。
記録媒体Pは、搬送用モータにより駆動される一対のレジストローラ114の回転によってA方向に搬送され、一対のガイド板115により案内されてその先端の位置合わせが行われた後、搬送ベルト111によって搬送される。エンドレスベルトである搬送ベルト111は2個のローラ112,113により保持されており、その上側部分の上下方向の偏位はプラテン104によって規制されている。このローラ113が回転駆動されることによって、記録媒体Pは図中A方向に搬送される。なお、搬送ベルト111に対する記録媒体113の吸着は静電吸着によって行われる。ローラ113は不図示のモータ等の駆動源により記録媒体Pを矢印A方向に搬送する方向に回転駆動される。搬送ベルト111によって搬送される記録媒体Pは各記録ヘッド群101によって記録が行われ、記録が行なわれた記録媒体Pはストッカ116上へ排出される。
また、記録ヘッド101Bk、101C、101M,101Yは、搬送ベルトによってプラテン上を移動する記録媒体Pに対し、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出し、ブラックの文字や各色を組み合わせたカラー画像を形成する。
図2は図1に示したフルライン型のインクジェット記録装置1を制御する制御系の概略構成を示すブロック図である。
システムコントローラ201は、マイクロプロセッサをはじめ、本装置で実行される後述の画像データに対する処理や各部の制御などを実行するための制御プログラムを格納するROM、マイクロプロセッサが処理を行う際にワークエリアとして使用されるRAM等を有し、装置全体の制御を実行する。モータ204はドライバ202を介してその駆動が制御され、図1に示すローラ113を回転させ、記録媒体の搬送を行う。
ホストコンピュータ206は、インクジェット記録装置1に対して画像データおよび制御データなどを含む記録情報を転送し、インクジェット記録装置の動作を制御する。受信バッファ207は、ホストコンピュータ206から受信した画像データを一時的に格納し、システムコントローラ201によってデータの読み出しが行われるまでデータを蓄積しておく。フレームメモリ208は、受信バッファ207に格納された画像データをビットマップデータ(2値の画像データ)に展開するためのメモリであり、記録に必要な容量のメモリサイズを有している。本実施形態では、フレームメモリ208は、C・M・Y・Bkの各色成分毎に4つのフレームメモリに分割されており、夫々のフレームメモリが記録媒体1枚分の記録に必要なデータを記憶できるだけの容量をもっている。なおフレームメモリの容量は、この例に限定されるものではない。
バッファ209Pは、フレームメモリ208から読み出されたビットマップデータ(2値の画像データ)に後述する所定のデータ処理が施された画像データを一時的に記憶するものであり、記録ヘッドの数およびそれぞれの吐出口数に応じた記憶容量を有している。記録制御部210は、記録ヘッドの駆動をシステムコントローラ201からの指令により適切に制御するためのものであり、駆動周波数、記録データ数等を制御する。また、記録制御部210は、フレームメモリ208に格納された2値の画像データ(本来の画像データ)に基づき、後述の画像データ変換処理に用いる新規な画像データ(追加画像データ)を作成する処理や、その追加画像データを、フレームメモリ208に展開された2値の画像データ(本来の画像データ)に付加する処理を行う。また、システムコントローラ201は、紙詰まり、インク切れ、用紙切れ等を異常センサ222からの各種検知信号により検知することができる。駆動回路211は、それぞれのインクを吐出させるための記録ヘッド101Bk,101C,101M,101Yの吐出駆動を行うものであり、記録制御部210からの信号により制御される。
以上の構成において、ホストコンピュータ206には、プリンタドライバが格納されており、入力された画像データをプリンタドライバによって数段階の階調に変換する量子化処理を行い、その量子化された多値画像データをインクジェット記録装置1の受信バッファ207へと転送する。
インクジェット記録装置1では、ホストコンピュータ206から送信されて来た多値の画像データを受信バッファ207に一時的に格納する。次に、システムコントローラ201は、受信バッファ207に格納された多値の画像データを読み出し、その多値データを記録動作を行うための2値の画像データ(ビットマップデータ)に変換し、その2値の画像データをフレームメモリ208に格納する。記録制御部210は、フレームメモリ208に格納された2値の画像データ(本来の画像データ)に基づき、後述の画像データ変換処理に用いる新規な画像データ(追加画像データ)を作成し、この追加画像データを本来の画像データに付加した形態でバッファ209Pに格納する。
このようにして展開されたバッファ209P内の補正後画像データに基づき、記録制御部210は駆動回路111を介して記録ヘッドの吐出動作を制御する。また、本実施形態では、フルラインタイプのヘッドを用いるため、記録速度などの観点から、予め1頁分のデータを作成する。
なお、記録を行わない時は、各記録ヘッド101を不図示の機構によって図中上方に移動させてキャップ(不図示)を対応する記録ヘッドの下側にスライドさせた後、各記録ヘッドを下降させることによりそれぞれの記録ヘッドの吐出口をキャッピングすることができる。このキャッピングにより、記録ヘッドの各吐出口近傍におけるインク中の溶媒の蒸発を防止することができる。また、吐出回復処理の一環として、記録開始前等、このキャッピング状態で加圧回復または吸引回復を行なう。加圧回復は、前述したように、記録ヘッド内部を高圧としてインク路内のインクを吐出口から排出するものであり、また、吸引回復はキャップ内を負圧としてインク路内のインクを排出するものである。なお、加圧および吸引の両方による回復処理を行なっても良い。さらにその後、各記録ヘッドの吐出口が形成された面に残ったインクなどの付着物をワイピング部材で拭き取るワイピングを行なう。
なお、本実施形態で用いるインクの組成を示す。
[イエロー(Y)インク]
C.I.ダイレクトイエロー86 3部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 1部
(川研ファインケミカル製)
水 残部
[マゼンタ(M)インク]
C.I.アシッドレッド289 3部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 1部
(川研ファインケミカル製)
水 残部
[シアン(C)インク]
C.I.ダイレクトブルー199 3部
グリセリン 5部
ジエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 1部
(川研ファインケミカル製)
水 残部
[ブラック(K)インク]
フードブラック2 4部
グリセリン 6部
トリエチレングリコール 5部
アセチレノールEH 1部
(川研ファインケミカル製)
水 残部
ここで、本発明者等が見出した、インクジェット記録ヘッドの各吐出部に発生するインクの経時的変化について説明する。
図3は、記録ヘッドの吐出部においてインクが最後に吐出された時点からの時間経過に伴って吐出部内のインクの蒸発総量が変化する様子を示す線図である。図示のように、最後にインクを吐出してから数秒程度の比較的短い時間が経過する間に、記録ヘッドの吐出部内ではインク中の溶媒(例えば、水分)の蒸発が進み、その後、蒸発量はそれ程増加しない。これは、前述したように、吐出後の数秒の間に、吐出口においてメニスカスを形成するインクの表面に薄い膜が形成され、その膜によってその後の溶媒の蒸発が減少するからと推定される。そして、このように数秒で形成される膜は、基本的に一回の吐出によって除去することができ、その後、上記のような数秒間を経過しない第2回目の吐出動作からは、正常な量のインク滴を吐出することができる。
すなわち、図3の矢印で示す期間においては、第1回目の吐出動作によって吐出されるインク滴(以下、第1発目のインク滴と称す)の吐出速度およびインク量(インク滴のサイズ)は低下するが、その後、通常の記録動作における駆動周期で吐出動作が継続して行われる場合には、その吐出動作によって吐出されるインク滴は、第2発目以降の数発のインク吐出によってその吐出速度および吐出量は正常に戻る。この吐出速度および吐出量が完全に正常に戻るまでには、第1発目のインク滴が吐出されてから一定回数の吐出が行われる必要があるが、通常は、第2発目からインク滴の吐出速度および吐出量は略正常に戻る。
本発明の第1の実施形態では、以上のようにインク滴の吐出速度が、記録開始後の非吐出時間によって変化するという現象を利用したものとなっている。すなわち、記録動作開始後に駆動周期以上の所定時間が経過すると、吐出部(以下、ノズルとも言う)の先端部においてインク中の水分が蒸発することによってインクが増粘して前述のようにインク表面に膜が形成され、次の第1回目の吐出動作によって吐出されるインク滴(第1発目のインク滴)の吐出速度が遅くなったり、インク滴の濃度が低下したりするが、引き続き駆動周期に従ってインク吐出を実行した場合には、次の第2回目の吐出動作によって吐出されるインク滴(第2発目のインク滴)の吐出速度は本来の設定された吐出速度に戻る現象を利用している。
具体的には、最後に吐出が行われてから、僅か数秒程度の時間が経過した後であっても、ノズルの第1発目のインク滴の吐出速度は低下するため、その吐出速度の低下によって記録媒体に形成されるドットの中心位置は、記録すべき画素の中心位置からずれることとなる。この際、第1発目のインク滴は、引き続き通常の記録動作を行う駆動周期で吐出された第2発目のインク滴に重なる方向にずれるため、第1発目と第2発目のインク滴は、空中あるいは媒体上で連結するようになる。また、第1発目のインク滴がノズルから吐出されない、いわゆる不吐出となった場合には、第2発目のドットだけが記録媒体に着弾して画像を形成することになる。
上記のような第1発目のインク滴の吐出速度が低下するという現象は、従来では画像の劣化を招く原因となっていたが、本実施形態では、上記現象を積極的に利用すると共に、数秒以上の非吐出期間が経過したノズルを使用して画像を形成する際には、画像データを以下のように変換することで記録される画像の品質を極力低下させないようにしたものとなっている。
(画像データの変換処理)
ここで、本発明の第1の実施形態における画像データの変換方法を図2,図4、図5を参照しながら具体的に説明する。
図4(a)は、本来記録したい画像を記録するための画像データ(以下、本来の画像データと称す)を示している。なお、ここに示す本来の画像データは、前述のインクジェット記録装置1に設けられたバッファ209Pに展開される2値の画像データであり、記録媒体上に記録すべき本来の画像と一致する。
ここで、画像を形成するために、使用するノズルが、一定期間(例えば、数秒程度)、インクが吐出されていなかった場合、従来のように何の手段も講じなければ、図4(c)に示すようなドットが不足した画質の低い画像Ieとなる。これは、画像を形成するべきノズルから吐出される第1発目のインク滴の吐出速度およびインク量が前述のように低下し、その結果、不吐出が発生したり、ドットの形成位置がずれて他のドットと一部または全部が重なり、第1発目のドットに部分的または全体的に欠落が生じたりすることによる。
そこで、非吐出状態が所定期間以上継続するノズルあるいは非記録画素が所定数以上連続するノズルについては、図4(a)に示す本来の画像データIdを変換して、図4(b)に示すような画像データId1を作成する。すなわち、図4(a)に示すような本来の画像データIdの中で、第1発目のインク滴を吐出するための画像データd1の前に、追加データd0を付加し、全体として図4(b)に示すような画像データId1を作成する。
具体的には、まず、吐出安定性に影響を与える非吐出の時間や画素数を所定画素数として予め求めておく。そして、各ノズルに対応するライン毎に本来の画像データを調べ、非記録画素が所定画素数以上連続する場合には、その非記録画素に続く最初の記録画素の対してインク吐出が実行される前にその最初の記録画素の近傍にインク吐出が実行されるよう、最初の記録画素に対応する先頭画像データの前に追加データを付加するのである。その際、追加データに基づき吐出されるインクと先頭画像データに基づき吐出されるインクとが重なるように先頭画像データを変換するのが望ましい。
このようなデータ変換処理によれば、一定の非吐出期間が経過した後には、まず、第1発目の画像データである追加データd0に対応してインク滴が吐出され、次に、第2発目の画像データである本来の画像データIdの先頭画像データd1に従ってインク滴が吐出される。この際、追加データd0に対応して吐出されるインク滴の吐出速度は、上述の現象によって低下する。しかしこの第1発目の吐出動作によって、ノズル内のインク表面に形成されていた膜は除去されるため、第2発目の画像データd1に対応して吐出されるインク滴は適正なインク状態で吐出されることとなり、適正な位置に着弾する。
このため、第1発目のインク滴は、正常に吐出された第2発目以降のインク滴により形成されるドットと重なり、殆ど目立たない状態となる。その結果、変換画像データId1に応じて形成された画像は、図4(d)に示すように、図4(a)に示す本来の画像と略同一の画像Ie1が形成される。
また、図5は、画像として1本の罫線を形成する場合の例を示しており、(a)は形成すべき本来の画像の例を、(b)は本来の画像を形成するための本来の画像データに何ら処理を施さずに記録を行った場合に形成される画像の一例を、(c)は本来の画像データの先頭画像データにこの第1の実施形態における追加データを加える処理を施して記録を行うことにより得られる画像の一例をそれぞれ示している。
本来の画像データに何ら処理を施さずに記録動作を行った場合には、本来の第1発目の画像データによる吐出動作によってインク滴の不吐出や着弾位置のずれが生じ、図5(b)に示されるように、形成される罫線の中に空白部分が形成されたり、曲がった部分が形成されるなどの不都合が生じる。これに対し、この第1の実施形態のように、本来の画像データの第1発目のインク吐出を示す画像データの前に追加データを付加した場合には、たとえ追加データに応じて吐出されたインク滴に着弾位置のずれが生じたとしても、次に、第2発目の画像データ(本来の画像データの先頭画像データ)によって吐出されるインク滴は適正な状態で記録媒体に着弾するため、ここで記録される罫線は、図5(a)に示す本来の画像に比し、殆ど遜色のない直線的な罫線になる。
なお、図4および図5に示す例では、形成されるドットを正方形で描いたが、実際のドットはほぼ円形になるため、実際に形成される画像のエッジは図示のものより滑らかな状態で記録される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、この第2の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有するものとする。
上記第1の実施形態では、本来の画像データの先頭画像データの直前に1ドット分の追加データを付加しているが、この第2の実施形態は、追加データによって形成されるドットが、本来の画像データの先頭画像データ(第2発目の画像データ)によって形成されるドットに重なるように追加データの付加位置を工夫することで、第1発目のドットによる画像品質の劣化をより確実に回避することを目的としている。
そのため、この第2の実施形態では、追加データによる第1発目の吐出動作と、本来の画像データの先頭画像データによる第2発目の吐出動作との間に、以下のような時間間隔(インターバルタイム)を設定している。
さて、インクジェット記録ヘッドのノズルの吐出口位置と記録媒体との距離をLとし、しばらくインク吐出動作が行われず、ノズル内のインク表面に膜が形成された状態で吐出されるインク滴(第1発目のインク滴)の吐出速度をV1とし、第1発目の吐出後、インク表面に膜が形成されない範囲の時間間隔(インターバルタイム)を介して吐出された第2発目のインク滴の吐出速度をV2とした場合、第1発目のインク滴と第2発目のインク滴とを、記録媒体のほぼ同一位置に着弾させるためには、前記インターバルタイムΔTiを
△Ti=L・(V2−V1)/(V1・V2) (式1)
と設定することが好ましい。
このため、この第2の実施形態では、求めたインターバルタイム△Tiが、記録ヘッドの各ノズルの駆動周期に対応したインターバルタイム△THのN倍である場合、本来の画像データにおける先頭画像データよりもN周期分だけ早くインク滴が吐出されるように追加の画像データを設けている。従って、インターバルタイム△Tiと△THとが一致する場合には、前記第1の実施形態において説明したように、第1発目の画像データである追加画像データを、本来の画像データの先頭の画像データの直前に付加することが好ましいことになる。なお、インターバルタイム△Tiは、想定されるL,V1,V2に基づき、式1に示す演算によって求めるようにしても良いが、図13に示すようなテーブルを予め設けておき、これにL,V1,V2などの値を当てはめてインターバルタイムTiを求めるようにしても良い。
また、インターバルタイム△Tiがヘッドの駆動周期に対応したインターバル△THの2倍程度であれば、追加データは本来の画像の1画素分の空白を設けて設定するのが好ましい。
同様にインターバルタイム△Tiがインターバルタイム△THの3倍程度であれば、追加データは2画素分の空白を設けて、インターバルタイム△Tiがインターバルタイム△THのN倍程度であれば、追加データは(N−1)画素の空白を設けて、設定するのが好ましい。
なお、インターバルタイム△Ti/△THの値Nは、必ずしも整数値になるとは限らないが、その場合にも少数値は切捨て、整数部に従ってノズルの駆動周期に合わせたインターバルタイム△Tiを設定すれば良く、この場合にも形成される画像にはほとんど視覚上問題は生じない。なぜなら、2発目のドットが、画像のエッジ部として確実に形成されるため、1発目のドットが、2発目のドットの中心からずれていても、僅かなはみ出しとして認識されるからであり、また、1発目のドットとなる液滴の吐出速度が遅くなったとしても、第3発目に内部に取り込まれてほとんど認識できなくなるからである。
また、第1発目の吐出速度が非常に遅くなる場合は、インク滴自体も小さくなり、求められた△Tiが大きくとも、そのドット自身が目立たないため、せいぜい数画素程度の空白を設けるだけで済む。あるいは空白を設けなくても、第2発目の液滴が第1発目の液滴に追いついて、合体して着弾する場合もある。
図6は、あるノズルが吐出動作を行なわない時間(非吐出時間)をパラメータにした際に、そのノズルから連続して液滴を吐出させた場合の吐出速度の変化を、吐出発数を変数として示す図である。この関係は、環境条件によって変わり、条件によっては吐出が安定しているため、画像データの変換を必要としない場合もある。しかしながら、通常は、図6に示すように第1発目の吐出速度V1は遅くなる傾向にある。
さらに、あるノズルにおける吐出数(吐出発数)をパラメータにした際に、そのノズルにおける吐出速度の変化を、非吐出時間を変数にして表すと図7に示すようになる。図示のように、第1発目と第2発目のインク滴の吐出速度を比べた場合、第2発目の吐出速度V2は、第3発目以降の吐出速度と略同様の速度、すなわち元の吐出速度に略戻っていることが分かる。
いずれにしても、あらかじめ、各環境やヘッド温度等の条件に応じて非吐出時間と吐出速度との関係を実験により求めておけば、図13に示すように、L、V1,V2の関係からインターバルタイム△Tiを求めることができるため、環境温度、湿度、ヘッド温度、非記録時間等に対応した適切な追加画像データの付加処理を実現できる。
なお、この図13の関係から、記録ヘッドと記録媒体との距離間隔および第2発目の吐出速度V2をパラメータとした際の、吐出速度V1に対するインターバルタイムの関係を図8に示す。
以上のように、第2の実施形態によれば、本来の画像の先頭画像データに先行して第1発目のインク滴を吐出するようになっているため、上記第1の実施形態と同様に、第2発目のインク滴を膜の除去された適正な状態で吐出でき確実に本来の画像を形成することができる。これに加え、この第2の実施形態では、第1発目のドットが第2発目のドットに重なるように制御しているため、1発目のドットが2発目に重なる確率が高くなって、第1発目のドットがより目立たなくなくなり、より高品質な画像を形成することができる。従って、例えば、罫線を形成する場合などにおいても、第1発目のドットと第2発目のドットとが重なりあって形成されるため、第1発目のドットが目立つことはなく、第2発目のドットによって適正な罫線を形成することができる。
(第3の実施形態)
上記各実施形態では、記録ヘッドから吐出するインク滴として、上記に示したような染料インクを用いた場合を例に採り説明したが、この第3の実施形態では、特に、顔料を色材とする顔料インクを吐出する際に有効なデータ付加処理について説明する。なお、本実施形態においても上記各実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有するものとする。
図9は、記録ヘッドから最後の吐出が行われた後の時間経過に伴って吐出部の吐出口近傍におけるインク中の顔料濃度が変化する様子を示した図である。
図示のように、吐出口近傍の顔料濃度は、最後のインク吐出が行われてから数秒後までに急激に低下し、その後、図中の矢印で示す期間に入ると、顔料濃度の低下は緩やかになる。このように、吐出口近傍の顔料濃度が減少すること自体は確認されているが、その理由については必ずしも明らかでない。吐出口近傍の顔料濃度が減少する理由は推定ではあるが、次のように考えられる。顔料はインク溶媒への溶解性が低いことから、水分などのインク溶媒の蒸発によって顔料の分散性が低下する。水分蒸発量の多い吐出口近傍では、水分蒸発量の少ないインク供給路側に比べ、顔料の分散が不安性となる。すると、分散を安定に保とうとして、吐出口近傍の顔料はより水分の多いインク供給口側に拡散していく。これが顔料濃度低下の要因の一つとして考えられる。また、吐出部内に設けられたインク吐出用の熱エネルギーを発生させる発熱体に近い方が温度が高いため顔料の分散性が高く、そのため吐出口から発熱体に近い方向に顔料が拡散するのではないかとも推察され、これも要因の一つと考えられる。
このような経時変化が見られる顔料インクを用いて記録動作を行う場合、図中の矢印で示す期間において、第1発目のインク滴が吐出された場合には、そのインク滴の顔料濃度は低下するが、その後さらに、通常の記録動作における駆動周期で吐出動作が継続されると、インク滴は正常な顔料濃度に戻る。但し、インク滴が正常な顔料濃度に戻るまでに必要とされる吐出回数は一定ではなく、最後の吐出が行なわれてからの経過時間が長いほど、正常な濃度に戻るまでに必要とされる吐出回数は増して行く。これは、顔料濃度が低下する範囲が、時間の経過と共に吐出口近傍から徐々に広がってインク路内部にまで及ぶことによる。つまり、前述の経過時間が長い場合、一回の吐出を行うだけでは、顔料濃度の低下したインクを全て排出することはできず、数回の吐出が必要となる。
この第3の実施形態では、上記のような顔料インクの経時的変化を積極的に利用したものとなっている。すなわち、図9の矢印に示すような数発分(例えば、3発分)の画像データを追加画像データとして作成し、その追加画像データを本来の画像データにおける先頭画像データ(第1発目の画像データ)に付加し、その画像データ(変換画像データ)に基づき記録動作を行うようになっている。
これによれば、追加画像データの付加された変換画像データによって、まず、第1発目から第3発目までの追加画像データに従ってインクの吐出が行われ、その後、本来の画像データに従ってインクの吐出が実行される。このため、本来の画像データに応じて吐出されるインク滴は、それ以前に吐出される3発の吐出動作によってインクの濃度が適正な濃度に戻るため、記録媒体に形成されるドットにより適正な画像が形成される。また、第1発目から第3発目までのインク滴は、前述のように濃度の低いインク滴によって形成されるため、これらが記録媒体上に吐出されたとしても、これらは殆ど画像上問題とならない程度の濃度のドットとなる。しかも、これらのインク滴は、吐出速度についても吐出速度が低下する傾向にあるため、インク滴は、第4発目以降に吐出される本来の画像データによって形成されるドットに重なる可能性が高く、その場合にはさらに画像への影響は軽減される。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図10に基づき説明する。なお、本実施形態においても上記実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有するものとする。
インクジェット記録装置では、使用する記録媒体に応じて画像データおよびその変換方法を変えることが望ましい。
この第4の実施形態では、記録媒体として普通紙を使用する記録モードに適した画像データの作成を行うものとなっている。
すなわち、この第4の実施形態において、所定の解像度を有する入力画像データは、600dpiの2値の画像データに変換される。また、使用する記録ヘッドは、1200dpiの高解像度でドットを形成するものとなっているため、600dpiの1画素を、図10(a)のように1200dpiの2×2エイア(小画素と称す)に分け、その4個の小画素それぞれにドットを形成することで600dpiの1画素を形成している。
ここでは、画像データとして600dpiの2値の画像データが用いられるため、600dpiの1画素に対して記録を行うか否かの2つの状態を表現する必要がある。このため、この実施形態では、1200dpiの2×2小画素に対して図10(a)のように2ドットを記録するか否かによって前記2つの状態を表現することを基本としている。
このように、2×2小画素の中の全てを用いずに記録することで、記録媒体に対するインクの打ち込み量を少なめに調整することができる。例えば、1ドットが4plの液滴によって形成されるとすれば、600dpiの1画素に2ドットを打ち込むことで、8plの打ち込み量を得ることができる。普通紙にこのような打ち込み方をすると、インクを浸透性の高いものとした場合には、600dpiの1画素中に打ち込まれる4plの2ドットは、エリアとして、ほぼ600dpiの1画素中に打ち込まれる8plの1ドットと等価なものなる。
ここで、この第4の実施形態における画像データの変換例について図10を用いて説明する。
非吐出時間が数秒以上続き、前述のように各ノズルのメニスカスを形成するインクの表面に膜が形成されると判断される場合、本実施形態では、図10(a)に示すような本来の画像データを、図10(b)に示すような画像データへと変換する。すなわち、本来の画像データの中の先頭の1画素(600dpi)に対して基本の2ドットを形成するのではなく、図10(b)のように4ドットを形成するような変換を行う。つまり、基本の2ドットを形成するための本来の画像データに対し、さらに2ドットを加えるような追加データを付加する変換を行う。
この画像データの変換は、変換すべき注目画素(600dpi)に対して、2ドット記録を行うか、4ドット記録を行うかの判断を、画像データに対してインデックス等をつけることにより対応することができ、これによれば、600dpiの画像データ全てを1200dpiの画像に変換して展開する必要がなくなり、データ処理を効率的に行うことができる。
このように変換処理を行うことにより、先頭画素(600dpi)を形成する2つのノズルからは、それぞれ第1発目と第2発目のインク滴が連続して吐出されることとなる。このため、各ノズルの第1発目のインク滴の速度は、吐出速度が低下して、第2発目のドットの着弾位置とほぼ重なるようになるため、実際に形成される画像は、図10(d)に示すような画像となる。この画像は、図10(e)に示すような本来形成されるべき適正な画像と比べても殆ど遜色ない画像となる。また、上記のような変換処理を行わずに記録される従来の画像は図10(c)のように欠落が生じた画像となる。この従来の画像と本実施形態によって形成される画像とを比較すれば明らかなように、本実施形態によって形成される画像の品質は大幅に向上していることが分かる。
以上説明したように、この第4の実施形態によれば、高画質を維持したまま、記録中の予備吐出を省略あるいは削減できるため、記録装置としてのスループットを大幅に向上することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図11と共に説明する。なお、本実施形態においても上記実施形態と同様に、図1および図2に示す構成を有するものとする。
上記第4の実施形態では、記録媒体として普通紙を用いる場合について説明したが、この第5の実施形態では、記録媒体として光沢紙等のコート紙を用いて高品位な画像を形成する記録モードを実行する場合の画像データの作成処理を説明する。
光沢紙はインクのにじみをコントロールしてにじみにくくしているため、ドット径は小さくなる。従って、上記した普通紙の場合に比べ、単位面積当たりのインクの打ち込み量を多くする必要がある。この場合、記録画像データは600dpiの多値(例えば5値)か、あるいは1200dpiの2値のデータに展開することが好ましい。ここでは、高濃度の記録をする場合、1200dpiの小画素それぞれに1ドットを打ち込むことを基本とした。
その際の、本来の画像データの例を図11(a)に示す。本実施形態では、この本来の画像データに対し、ノズルの非吐出時間が数秒以上続いた場合には、図11(b)に示すような画像データを作成する変換処理を施すようになっている。
すなわち、本実施形態では、本来の画像データの先頭画素(1200dpi)に対して1つのドットを形成するのではなく、2つのドットを形成するようになっており、そのため、本来の画像データの直前に1ドット分画像データ(第1発目のインク滴を吐出するための画像データ)を追加すると共に、この追加データと、本来の画像データの先頭画像データ(第2発目のドットを形成するための画像データ)とにより吐出されるインク滴の吐出間隔を、通常のノズルの駆動周波数より短縮させるような制御を行っている。この場合、先頭画素に対して2つのインク滴を吐出するためのノズルの駆動周波数は、その他のドットを形成する場合の2倍の周波数にすることが望ましい。
このように、この第5の実施形態では、数秒以上の非吐出時間が経過したノズルによって先頭画素を形成する場合、そのノズルから第1発目のインク滴を吐出させた後、通常の駆動周期の1/2の周期で次の第2発目のインク滴を吐出させるようにする。これにより、第1発目のインク滴は吐出速度が低下して、第2発目のドットの着弾位置とほぼ重なるようになるため、図11(d)のような画像が実際に形成される。この画像には、上記変換処理および制御を行わない従来の画像(図11(c)参照)のように画像中に欠落が生じることもなく、本来形成されるべき適正な画像(図11(e)参照)と遜色ない品質が得られる。
以上のように、この第5の実施形態においても、高画質を維持したまま、記録中の予備吐出の省略あるいは実行回数の削減を図ることができるため、インクジェット記録装置としてのスループットを大幅に向上することができると共に、記録媒体や搬送ベルトが予備吐出により汚損されるという可能性も軽減することができる。
(上記各実施形態の変形例)
上記実施形態に用いられるようなフルライン型のインクジェット記録装置では、前述のように、少なくとも1ページ分の画像データを1度に画像展開(ラスタライズ)する。
よって、1ページ分の画像記録を開始する直前に、各ノズルから正常な吐出が可能な状態となるように、各ノズルの吐出口部の増粘物等が予備吐出やその他の回復動作によって排出され、インクが適正な状態を維持していると判断される場合には、それまでのノズル毎の放置時間に関わらず、1ページ分の記録動作開始時には、上記のような画像データの変換は行わないようにしても良い。勿論、この場合にも、記録動作中には、一定以上の非吐出時間が発生したか否かの判断を行い、その判断結果に基づき上記各実施形態において述べたような画像データの変換を行う。また、記録速度が遅い記録モードの場合などにおいて、1ページの記録時間が数秒程度かかるようであれば、1ページ内で、何度でもノズル毎の非記録時間に応じて画像データに修正を施すことが好ましい。
1ページの記録動作開始直前に、各ノズルにおけるインクの適正化を図る方法としては、1ページの記録動作中に記録するデータのないノズルをチェックし、少なくとも、記録データがないとチェックされたノズルは、次のページの直前に搬送ベルト上に予備吐を行なうようにする方法が考えられる。また、ノズルにおけるインクの適正化を図る別の方法としては、1ページ中で数秒以上記録が行われないノズルを、画像データに基づき記録前に予めチェックしておき、該当するノズルは、1ページの中に紙面上に1発だけランダムのタイミングで記録媒体に吐出を行うようにしても良い。
(第6の実施形態)
上記各実施形態では、フルライン型のインクジェット記録装置に本発明を適用した場合を例に採り説明したが、本発明は、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向に移動させて記録動作を行うシリアル型インクジェット記録装置などにも適用可能であり、例えば、図12に示すようなシリアル型インクジェット記録装置にも適用可能である。
図12において、2はシリアル型インクジェット記録装置を示している。このシリアル型インクジェット記録装置では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどのインクを吐出する記録ヘッド1K,1C,1M,1Yを着脱可能に保持するキャリッジ7が、不図示のモータの駆動力によって記録媒体Pの搬送方向(Y方向)と直交する方向に往復するようになっている。また、記録装置本体の背面側には記録媒体を積載、保持する休止トレイ5が設けられており、ここに積載された記録媒体は給送機構によって一枚ずつ記録装置本体へと給送され、その後、搬送ローラなどの搬送機構によって一定距離毎に間欠的に搬送されて行く。記録装置本体内には記録媒体を支持するプラテンが設けられており、このプラテンに支持された記録媒体に対し、記録ヘッドがキャリッジと共に主走査方向へと移動し、その移動中にインク滴を吐出することによって記録媒体上に、所定の幅の画像が形成される。この記録ヘッドによる記録走査と、記録媒体の搬送動作とを繰り返し行うことにより、1枚の記録媒体全体に対して画像が形成される。
上記のようなシリアル型のインクジェット記録装置においても、基本的には、図2に示したものと略同様の制御系を有している。但し、シリアル型インクジェット記録装置の場合には、記録装置本体のコストを優先することが多いため、1回の記録走査に必要とされる画像データ(1バンド分の画像データ)がホストコンピュータ206から送信され、その画像データを受信バッファ207、フレームメモリ208およびバッファ209Pに格納するものとなっている。すなわち、前述のフルライン型のインクジェット記録装置に比べ、小容量の受信バッファ207、フレームメモリ208およびバッファ209Pを備えるものとなっている。従って、シリアル型インクジェット記録装置では、バッファ209に展開される1記録走査分の画像データ(本来の画像データ)に対し、上記各実施形態にて説明した追加データの付加および画像データの変換処理などの画像データの変換処理を行う。画像データを修正するタイミングとしては、1回の主走査で記録する分の画像データをバッファ209Pで展開する際に、ノズル毎に非記録時間をタイマによって計測し、その計測時間に応じて、追加データの付加および画像データの変換処理を実行することなどが望ましい。
このように、シリアル型インクジェット記録装置においても、上記第1〜第5の実施形態に示したいずれの画像データの変換処理も適用でき、これによって、フルライン型のインクジェット記録装置と同様に、記録中の予備吐出を削減しつつ高品位な画像を形成することが可能となり、記録装置としてのスループットを大幅に向上することができる。
なお、上記各実施形態では、ホストコンピュータから送られてきた画像データに対して追加の画像データを付加する変換処理を、インクジェット記録装置側で行う場合を例に採り説明したが、画像データの変換処理をホストコンピュータ側で行い、その変換処理の施された画像データに基づき、インクジェット記録装置が記録動作を実行するように構成することも可能であり、さらには、インクジェット記録装置にホストコンピュータにて実行される画像処理の全てあるいは一部を実行させるようにすることも可能である。
また、上記実施形態では、二値化された本来の画像データに応じて追加の画像データを作成、および画像データの変換処理を行う場合を例に採り説明したが、二値化処理される前の多値の画像データに対して、変換処理を行うことにより上記実施形態と略同様の効果を得るようにすることも可能である。
すなわち、二値化処理が行われる前の画像処理プロセスにおいて、多値の本来の画像データの中の先頭画像データの濃度値を高める処理を施すことにより、二値化処理された後の先頭画像データに基づいて各ノズルから吐出されるインク滴の数を傾向的に増大させることができ、これによっても上記実施形態と略同様の効果が期待できる。
例えば、ある走査で記録すべき先頭画素に複数のドットを形成する場合、その先頭画素に形成されるドット数を傾向的に増大させることが可能となり、これによって、先頭画素を形成する各ドットを高品位で形成することが可能となる。すなわち、本来の画像データに何ら処理を施さずに先頭画素の形成を行ったときには第1発目のインク滴しかノズルから吐出されない場合にも、上記のように多値データの段階で濃度を高める処理を施した場合には、先頭画素の形成において、ノズルから第1発目のインク滴に続いて第2発目のインク滴が吐出される可能性が高まる。従って、第1発目のインク滴が適正な状態で吐出されない場合にも、次の第2発目のインク滴の吐出動作によって先頭画素内に適正なドットが形成される可能性が高まり、これによって画像品質の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、高画質を維持したまま、記録中の予備吐出を省略あるいは削減できるため、記録速度の実質的速度、すなわちスループットを向上することができる。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録システムに適用するインクジェット記録装置の概略構成を示す側面図である。 図1に示したフルライン型のインクジェット記録装置1を制御する制御系の概略構成を示すブロック図である。 記録ヘッドの吐出部においてインクが最後に吐出された時点からの時間経過に伴って吐出部内のインクの蒸発総量が変化する様子を示す線図である。 本発明の第1の実施形態を説明するための模式図であり、(a)は本来の画像データを、(b)は本来の画像データに変換処理を施した画像データを、(c)は非記録時間経過後に(a)に示す画像データに従って記録される画像を、(d)は非記録時間経過後に(b)に示す画像データに従って記録される画像をそれぞれ示している。 画像として1本の罫線を形成する場合の例を示しており、(a)は形成すべき本来の画像の例を、(b)は本来の画像データに何ら処理を施さずに記録を行った場合に形成される画像の一例を、(c)は第1の実施形態における処理を施して記録を行うことにより得られる画像の一例をそれぞれ示している。 非吐出時間をパラメータにした際に、そのノズルから連続して液滴を吐出させた場合の吐出速度の変化を、吐出発数を変数として示す線図である。 ノズルにおける吐出数をパラメータにした際に、そのノズルにおける吐出速度の変化を、非吐出時間を変数にして示す線図である。 記録ヘッドと記録媒体との距離間隔および第2発目の吐出速度V2をパラメータとした際の、吐出速度V1に対するインターバルタイムの関係を示す図である。 記録ヘッドから最後の吐出が行われた後の時間経過に伴って吐出部の吐出口近傍におるインクの顔料色材の濃度が変化する様子を示す線図である。 本発明の第4の実施形態を説明するための模式図であり、(a)は本来の画像データを、(b)は本来の画像データに変換処理を施した画像データを、(c)は非記録時間経過後に(a)に示す画像データに従って記録される画像を、(d)は非記録時間経過後に(b)に示す画像データに従って記録される画像を、(e)は(a)に示す画像データに従って記録されるべき本来の画像データをそれぞれ示している。 本発明の第5の実施形態を説明するための模式図であり、(a)は本来の画像データを、(b)は本来の画像データに変換処理を施した画像データを、(c)は非記録時間経過後に(a)に示す画像データに従って記録される画像を、(d)は非記録時間経過後に(b)に示す画像データに従って記録される画像を、(e)は(a)に示す画像データに従って記録されるべき本来の画像データをそれぞれ示している。 本発明の第6の実施形態におけるシリアル型インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 L,V1,V2に対するインターバルタイムを表すテーブルの一例を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
206 ホストコンピュータ
207 受信バッファ
201 システムコントローラ
208 フレームメモリ
209P バッファ
210 記録制御部
211 ヘッド駆動回路
101 記録ヘッド
Id 本来の画像データ
d1 先頭画像データ
Id1 変換後の画像データ
d0 追加データ
Ie 本来の画像データに従って記録される画像
Ie1 変換後の画像データに従って記録される画像

Claims (12)

  1. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、
    前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、
    前記画像データ変換手段は、前記検出手段により検出された吐出部が前記最初の記録画素に対して吐出するインク数を増加させるように前記先頭画像データを変換することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、
    前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、
    前記画像データ変換手段は、記録媒体の種類に応じて前記画像データの変換の仕方を変えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、
    インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本体の画像データのうち、前記所定期間経過の最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、
    前記画像データ変換手段は、前記先頭画像データに応じて吐出されるインク滴の吐出回数を、インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続していないときに吐出される吐出回数より増加させるよう前記先頭画像データを変換することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記画像データ作成手段によって作成される前記本来の画像データは、各画素を少なくとも一つのドットで形成するための画像データであり、
    前記画像データ変換手段は、前記最初の記録画素内に対し前記先頭画像データに基づき形成される少なくとも一つのドットにさらにドットを加える画像データを作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記画像データ作成手段によって作成される前記本来の画像データに基づき形成される記録画素、および前記画像データ変換手段によって作成される画像データに基づき形成される前記最初の記録画素に対しては、同じ駆動周波数で前記吐出部を駆動してインク吐出を実行することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記画像データ作成手段によって作成される前記本来の画像データに基づき形成される記録画素に対しては、第1の駆動周波数で前記吐出部を駆動してインク吐出を実行し、
    前記画像データ変換手段によって作成される画像データに基づき形成される前記最初の記録画素に対しては、前記第1の駆動周波数とは異なる第2の駆動周波数で前記吐出部を駆動してインク吐出を実行することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記画像データ作成手段によって作成される前記本来の画像データは、各画素を構成する複数のエリア内の少なくとも一つのエリア内にドットを形成するための画像データであり、
    前記画像データ変換手段は、前記最初の画素内に形成される複数のドット形成エリアのうち、前記先頭画像データに基づきドットが形成されるエリアを除く他のエリアに、少なくとも一つのドットを加える画像データを作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、
    前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素の近傍に対応する画像データ応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、
    前記画像データ変換手段は、前記記録ヘッドの吐出部における吐出口と前記記録媒体との距離に基づいて、前記画像データの変換の仕方を変えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成手段と、
    インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記所定期間経過後の最初の記録画素の近傍に対応する画像データに応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換手段とを備え、
    前記画像データ変換手段は、前記最初の記録画素に対応する先頭画像データに基づいて吐出されるインクの着弾位置とほぼ同一の位置にインクを着弾させるための画像データを前記本来の画像データに付加することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 前記画像データ変換手段は、前記記録ヘッドの吐出部における吐出口と記録媒体との距離をL、前記本来の画像データに応じて前記最初の記録画素に吐出される第1インク滴の吐出速度をV2、および前記本来の画像データに付加される追加の画像データに応じて吐出される第2インク滴の吐出速度をV1としたとき、前記第1インクの吐出動作と前記第2インク滴の吐出動作との時間間隔△Tiが、
    △Ti=L・(V2−V1)/(V1・V2)
    となるよう前記追加の画像データを作成することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  11. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成工程と、
    前記複数の吐出部のそれぞれについて非記録画素が所定数以上連続するか否かを前記本来の画像データに基づいて判定し、非記録画素が所定数以上連続すると判定された吐出部を検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記連続する非記録画素に続く少なくとも最初の記録画素に対応する先頭画像データを変換する画像データ変換工程とを備え、
    前記画像データ変換工程は、前記検出工程において検出された吐出部が前記最初の記録画素に対して吐出するインク数を増加させるように前記先頭画像データを変換することを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 記録ヘッドの複数の吐出部からインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、
    記録すべき画像に対応した本来の画像データを作成する画像データ作成工程と、
    インク滴の非吐出状態が所定期間以上継続する吐出部に対応する前記本来の画像データのうち、前記所定期間経過後の最初の記録画素の近傍に対応する画像データに応じて吐出されるインクの数を増加させるよう前記最初の記録画素の近傍に対応する画像データを変換する画像データ変換工程とを備え、
    前記画像データ変換工程では、前記最初の記録画素に対応する先頭画像データに基づいて吐出されるインクの着弾位置とほぼ同一の位置にインクを着弾させるための画像データを前記本来の画像データに付加することを特徴とするインクジェット記録方法。
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