JP2008159405A - 遮断器の流体圧駆動装置 - Google Patents

遮断器の流体圧駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
遮断器の信頼性を向上させ、かつ部品点数を削減する。
【解決手段】
シリンダ制御室7の圧力を切り換える切換弁を駆動し、接点を開閉する遮断器の流体圧駆動装置において、切換弁12は、軸方向中間部に2つの弁体を有する2位置3方弁であり、弁体13の一方端部に設けられたパイロット室側軸部29と、パイロット室側軸部と切換弁の内壁との間に形成された切換弁パイロット室26と、弁体の他方端部に設けられた開放軸部28と、開放軸部に摺動可能として設けられた中空状のダンパピストン15と、切換弁の内壁面、ダンパピストンの端部、開放軸部の外周部との間に形成された供給側ダンパ室24と、供給側ダンパ室内に設置され、ダンパピストン15を開路動作方向へ押付けるばね17と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力用遮断器における流体圧駆動装置に関する。
従来の遮断器の流体圧駆動装置では、例えば特許文献1に記載されているようにピストンを駆動するために制御弁を用いる構成が取られており、さらに特許文献2に記載されているように、ピストンロッド制動時に圧力上昇する液室を設け、液室には作動流体の流通を制御する逆止弁が設けられた構成が取られている。
特開平9−147696号公報 特開平8−287789号公報
流体圧駆動装置では、主弁として切換弁が必要となる場合があり、流体圧駆動装置のピストンの駆動力を増やすためには、切換弁のストロークを大きくする必要がある。そして、切換弁は高速で動くため、弁座への衝突速度を抑えることで、信頼性を高めなければならないが、そのためには緩衝室を設け、切換弁動作終端では制動をかけている。この場合、切換弁始動時に流体が絞りを通ってしか供給されず、動き出しが遅れる。この遅れをなくすためには、逆止弁を取り付けることが良いが、その取り付けのために部品点数が増え、また大型化する。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、遮断器の信頼性を向上させ、かつ部品点数を削減してコスト低減を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、可動接触子と固定接触子を有する接点を開閉する流体圧シリンダと、該流体圧シリンダのシリンダ制御室の圧力を切り換える切換弁と、該切換弁を駆動する開路用パイロット弁及び閉路用パイロット弁と、該開路用パイロット弁及び閉路用パイロット弁をそれぞれ駆動する開路用ソレノイド及び閉路用ソレノイドを有し、前記開路用ソレノイドあるいは閉路用ソレノイドを励磁することにより前記切換弁を駆動し、前記接点を開閉する遮断器の流体圧駆動装置において、前記切換弁は、軸方向中間部に2つの弁体を有する2位置3方弁であり、両前記弁体の間に形成され前記流体圧シリンダの制御室に接続される制御ポートと、前記弁体の一方端部に設けられたパイロット室側軸部と、前記パイロット室側軸部と前記切換弁の内壁との間に形成された切換弁パイロット室と、前記弁体の他方端部に設けられた開放軸部と、前記開放軸部に摺動可能として設けられた中空状のダンパピストンと、前記切換弁の内壁面、前記ダンパピストンの端部、前記開放軸部の外周部との間に形成された供給側ダンパ室と、前記供給側ダンパ室内に設置され、前記ダンパピストンを開路動作方向へ押付けるばねと、を備えたものである。
本発明によれば、供給側ダンパ室内のダンパピストンを開路動作方向へ押付けるばねを設けたので、切換弁動作において制動を与えることができ、かつ切換弁動作の開放に遅れなく動作することができ、信頼性を高めることができる。
以下、図を参照して説明する。
以下、本発明に関する遮断器の流体圧駆動装置の一実施例を、図1ないし図4に示した縦断面図を用いて説明する。図1は、遮断器の閉路状態の図であり通電中を示す。図2は、開路動作中の図である。図3は、開路状態の図であり、遮断した状態である。図4は、閉路動作中の図である。また、図5および図6は、切換弁の供給側の拡大図、図7は切換弁パイロット室側の拡大図を示す。
遮断器の流体圧駆動装置3は接点部70を開閉する流体圧シリンダ4と、流体圧シリンダ4のシリンダ制御室7の圧力を切り換える切換弁12,切換弁12を駆動する開路用パイロット弁50,閉路用パイロット弁40と、これらパイロット弁を駆動する開路用ソレノイド41,閉路用ソレノイド51,アンチポンピング機構31などからなる。
流体圧シリンダは流体圧シリンダ4内を摺動可能で、流体圧シリンダ4内を小受圧面積室6とシリンダ制御室7とに分けるピストン5を有し、ピストン5はロッド11を介し可動接触子2に接続されている。小受圧面積室6には流体圧源8から吐き出されアキュムレータ9に蓄圧された作動流体の供給圧が常時作用し、シリンダ制御室7を成す大受圧面積側は、切換弁12によって高圧の供給圧側またはリザーバ10につながる低圧の戻り側に選択的に接続される。リザーバ10は排出された流体を回収,貯蔵する。
切換弁12は、軸方向中間部に2つの弁部が形成された弁体13を有する2位置3方弁である。弁体13の一方の端部にはパイロット室側軸部29が設けられ、切換弁内壁との間に切換弁パイロット室26が形成される。切換弁パイロット室26には、閉路用パイロット弁40,開路用パイロット弁50が接続されている。切換弁パイロット室26は、閉路用パイロット弁40を開き、開路用パイロット弁50を閉じると高圧になる。また開路用パイロット弁50を開けば低圧になる。
弁体のもう一方の端部には開放軸部28が設けられ、端部は低圧側に開放されており、手動で弁体を動かすことができるように構成されている。開放軸部28の径は供給側弁座23よりも小径である。切換弁パイロット室26の受圧面積は、戻り側弁座22の断面積と開放軸部28の断面積の差分よりも大きい。したがって、切換弁パイロット室26を高圧にすると、高圧の供給圧により発生する上向きの力が、前記面積差に作用する下向きの力に打ち勝ち、弁体13を上方に移動させる。なお、切換弁パイロット室26は絞り27を経て、制御ポート20を有する弁室に連通している。
開放軸部28の開放側には保持機構16が設けられている。保持機構16は、流体圧が作用しないときに弁体13を機械的に保持する。流体圧が作用する通常の動作では、保持機構16の保持力は無視できる程度の保持力である。
また、開放軸部28に摺動可能な中空状のダンパピストン15が供給側弁室21内に設置される。供給側弁室21にはダンパピストン15が可動できるような凹部65を設ける。この凹部による内壁面、ダンパピストン15の端部、開放軸部28の外周部により供給側ダンパ室24が形成される。供給側ダンパ室24と供給側弁室21との間には絞り(たとえば、凹部65内壁面とダンパピストン15の外周部との間とで形成される環状部により形成)により連通している。ダンパピストン15はばね17により開路動作方向へ押す力が働いている。
また、切換弁パイロット室26内には切換弁パイロット室側軸部29よりも小径のパイロット室側ダンパピストン14が設けられる。このパイロット室側ダンパピストン14は、弁体13とは反対側に設けられた凹部内を摺動可能である。この凹部66の内壁とパイロット室側ダンパピストン14の端面の間にパイロット室側ダンパ室25が形成される。パイロット室側ダンパ室25は切換弁パイロット室26との間を絞り(たとえば、凹部
66内壁面とパイロット室側ダンパピストン14の間に形成される環状部により形成)により連通している。パイロット室側ダンパピストン14はパイロット室側ダンパ室25内に設置されたパイロット室側ばね18により閉路操作方向に押されている。
閉路用パイロット弁40は、閉路用ソレノイド41を励磁すると弁体42が開く。励磁を解くと、弁体42に設けられたばね43により弁体42は閉じる。同様に開路用パイロット弁50は、開路用ソレノイド51を励磁すると弁体52が開く。励磁を解くと、弁体
52に設けられたばね53により弁体52は閉じる。
閉路用パイロット弁40の1次側は高圧の供給側に、2次側はアンチポンピング機構
31の逆止弁32を介して開路用パイロット弁50の1次側および切換弁パイロット室
26に接続されている。開路用パイロット弁50の2次側は、低圧の戻り側に接続されている。
アンチポンピング機構31は、アンチポンピングピストン33,逆止弁32,絞り34,35,ばね36などから構成されている。アンチポンピングピストン制御室37は、閉路用パイロット弁40の2次側と戻り側の間に設けられ、閉路用パイロット弁40の2次側とアンチポンピングピストン制御室37の間には絞り34,アンチポンピングピストン制御室37と戻り側の間には絞り35が設けられる。逆止弁32は閉路用パイロット弁
40の2次側からの流れを切換弁パイロット室26の方向にだけ流れを許すように設けられる。アンチポンピングピストンの制御室37の圧力が上昇したままの場合にはアンチポンピングピストンにより逆止弁32は閉じられる。
上記のように構成した本実施例の動作を、以下に説明する。
図1の閉路状態では、シリンダ制御室7,切換弁パイロット室26,閉路用パイロット弁40の1次側および開路用パイロット弁50の1次側はすべて高圧になっている。そして、切換弁の弁体13は図の上方に位置し、戻り側弁座22が閉じており、供給側弁座
23が開いた状態であり、また開路用パイロット弁50,閉路用パイロット弁40は閉じている。
この状態で、図示しない上位制御装置から開路指令が発せられると、開路用ソレノイド51が励磁されて開路用パイロット弁50の弁体52が押し開かれる。切換弁パイロット室26が低圧の戻り側に連通するので、供給側弁室に作用する高圧により切換弁12が開路操作状態に切り換わる。
このとき、供給側ダンパ室24は、絞りを介して供給側弁室21に連通しているので、弁体13に比べ遅れて動くことになる。一方、円柱可動部25は弁体13と一体となって動くが、形成されるパイロット室側ダンパ室25は絞り以外は閉じられた空間になっており、圧力が上昇する。したがって、弁体を制動する方向に力が働く。
切換弁12が開路操作状態に切り換われば、制御ポート20とシリンダ制御室7が戻り側と連通する。これによりピストン5と可動接触子2が開路動作を開始し、図3に示す開路状態となる。パイロット室側ダンパ室25の圧力は絞りを通して抜ける。
開路用ソレノイド51への励磁が解かれると、開路用パイロット弁50は閉じられるが、切換弁パイロット室26が低圧を保つので切換弁12は開路操作状態を維持する。
図3の開路状態において、図示しない上位制御装置から閉路指令が発せられた場合の様子を図4に示す。閉路用ソレノイド41が励磁されると閉路用パイロット弁40の弁体
42が閉路用ソレノイド41により押し開かれ、供給側に連通するパイロット弁40の1次側から2次側へ流体が流入する。これにより逆止弁32が開かれ、切換弁パイロット室
26が高圧になる。これにより切換弁12は閉路操作状態に切り換わる。
このとき、パイロット室側ダンパ室25は、絞りを介して高圧が供給されるため、パイロット室側ダンパピストン14の動きは弁体13の動きに比べ、遅れることになる。一方、供給側ダンパピストン15は弁体13と一体で動作する。供給側ダンパピストン15により形成される供給側ダンパ室24は圧力が上昇するため、弁体の制動をすることができる。
切換弁が閉路操作状態になると、制御ポート20およびシリンダ制御室7が高圧側に連通し、可動接触子2と一体になったピストン5は、閉路動作を開始し、最終的に図1の閉路状態となる。
切換弁動作後、閉路用ソレノイド40への励磁が切れると、弁体42はばね43により閉じ、逆止弁32が閉じる。なお、アンチポンピングピストン33は、閉路用パイロット弁40が開いている間は逆止弁32を閉じる方向に動くが、閉路用パイロット弁40が復帰すれば、元の位置に復帰する。万一、閉路用パイロット弁40が開いたままになる不具合が発生した場合には、逆止弁32は閉じた状態を保ち、いったん閉路用パイロット弁
40が閉じない限りは再び閉路動作することはない構成となっている。
なお、図5に示すようにダンパピストン15の形状を変えて(たとえばテーパ状)、凹部65との間で作る環状絞りの流路面積が変わるようにすれば、圧力上昇の割合を自由に変えられるため、所望の制動特性を得ることが可能である。図6に示すように凹部65の形状を変えることでも同様の効果が得られる。
また、パイロット室側ダンパピストン14と切換弁パイロット室26の間の絞りは、図7に示すようにパイロット室側ダンパピストン14内に管路68を設け、かつ開路動作側ほど流路が狭くなるようにすれば、徐々に圧力上昇をさせることが可能となる。
以上のような構成により、切換弁弁体13を動作させる場合に、弁座への衝突速度を抑えると同時に、切換弁弁体動作の動き出しが遅れないようにすることが可能である。
図8を参照して本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例では図1ないし図4で示した実施例で用いた遮断器の流体圧駆動装置において切換弁12の戻り側19ならびに切換弁パイロット室26の部分が異なる。
すなわち、切換弁弁体13の戻り側端部にはパイロット室側軸部29が設けられ、パイロット室側軸部29の端部には切換弁パイロット室25が設けられる。またパイロット室側軸部に摺動可能な円筒可動部60が設けられる。戻り側弁室19にはパイロット室方向に凹部62が設けられ、円筒可動部60の端部と凹部62内壁との間に戻り側ダンパ室
61が設けられる。戻り側ダンパ室61内にはパイロット室側ばね18が設けられ、円筒可動部60を閉路動作方向に押す力が働く。戻り側ダンパ室61と戻り側弁室19の間には絞りが設けられる。
本実施例の動作について説明する。
本実施例の動作は第一の実施例と切換弁動作時のみ異なる。切換弁が閉路状態で開路指令が発せられ、切換弁パイロット室26が低圧になると、弁体13は円筒可動部60と一体となって動き、戻り側ダンパ室61の圧力上昇により弁体13に制動する力を与える。このとき、ダンパピストン15は供給側ダンパ室24内に流入する流量が少ないため弁体13よりも遅れて動くが、弁体13には遅れは生じない。
開路状態で閉路指令が発せられ、切換弁パイロット室26が高圧になると、弁体13は、ダンパピストン15と一体となって動き、これにより供給側ダンパ室24の圧力が上昇し、弁体を制動することが可能となる。このとき円筒可動部60はダンパ室61への流量が少ないために遅れて動くが、弁体13に動き出しの遅れは生じない。
以上のような構成により、きめ細かい絞り調整が可能な構成とすることが可能である。
本発明による一実施の形態において、閉路状態を示す縦断面図。 図1において、開路動作途中を示す縦断面図。 図1において、開路状態を示す縦断面図。 図1において、閉路動作途中を示す縦断面図。 図1において、切換弁の供給側の拡大図。 他の実施の形態による切換弁の供給側の拡大図。 図1において、切換弁の制御室側の拡大図。 さらに、他の実施の形態による閉路状態を示す縦断面図。
符号の説明
1 固定接触子
2 可動接触子
3 流体圧駆動装置
4 流体圧シリンダ
5 ピストン
6 小受圧面積室
7 シリンダ制御室
8 流体圧源
12 切換弁
14 パイロット室側ダンパピストン
15 ダンパピストン
17 ばね
18 パイロット室側ばね
24 供給側ダンパ室
26 切換弁パイロット室
28 開放軸部
29 パイロット室側軸部

Claims (5)

  1. 可動接触子と固定接触子を有する接点を開閉する流体圧シリンダと、該流体圧シリンダのシリンダ制御室の圧力を切り換える切換弁と、該切換弁を駆動する開路用パイロット弁及び閉路用パイロット弁と、該開路用パイロット弁及び閉路用パイロット弁をそれぞれ駆動する開路用ソレノイド及び閉路用ソレノイドを有し、前記開路用ソレノイドあるいは閉路用ソレノイドを励磁することにより前記切換弁を駆動し、前記接点を開閉する遮断器の流体圧駆動装置において、
    前記切換弁は、軸方向中間部に2つの弁体を有する2位置3方弁であり、
    両前記弁体の間に形成され前記流体圧シリンダの制御室に接続される制御ポートと、
    前記弁体の一方端部に設けられたパイロット室側軸部と、
    前記パイロット室側軸部と前記切換弁の内壁との間に形成された切換弁パイロット室と、
    前記弁体の他方端部に設けられた開放軸部と、
    前記開放軸部に摺動可能として設けられた中空状のダンパピストンと、
    前記切換弁の内壁面、前記ダンパピストンの端部、前記開放軸部の外周部との間に形成された供給側ダンパ室と、
    前記供給側ダンパ室内に設置され、前記ダンパピストンを開路動作方向へ押付けるばねと、
    を備えたことを特徴とする遮断器の流体圧駆動装置。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記切換弁は、前記パイロット室側軸部に凹部を設け、該凹部内を摺動可能とされたパイロット室側ダンパピストンと、
    前記凹部の内壁と前記パイロット室側ダンパピストンの端面との間に形成されたパイロット室側ダンパ室と、
    前記パイロット室側ダンパ室内に設置され、前記パイロット室側ダンパピストンを閉路動作方向へ押付けるパイロット室側ばねと、
    へ押付けるばねと、
    を備えたことを特徴とする遮断器の流体圧駆動装置。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記ダンパピストンはテーパ状とされたことを特徴とする遮断器の流体圧駆動装置。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、前記供給側ダンパ室の内壁がテーパ状とされたことを特徴とする遮断器の流体圧駆動装置。
  5. 請求項1に記載のものにおいて、前記パイロット室側軸部に摺動可能な円筒可動部と、該円筒可動部を閉路動作方向へ押付けるパイロット室側ばねと、を備えたことを特徴とする遮断器の流体圧駆動装置。
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