JP5928943B2 - 液圧アクチュエータのクッション制御バルブ、およびクッション制御システム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された油圧アクチュエータの制御装置は、電磁比例制御弁により流量を設定制御目標流量になるように制御し、油圧アクチュエータを制御目標位置まで減速させながら作動させるように構成されている。
つまり、前記液圧アクチュエータの作動ストロークのうち、前記移動体が移動している間は、前記クッション液路から流出する作動液の流動抵抗の方が遥かに大きいため、前記液圧アクチュエータのピストンの移動容積と前記移動体の移動容積とが略相当するので、クッション効果は生じない。
このようにして、本発明は、移動体の移動量、およびクッション液路から排出される作動液の流量を適宜設定することで、前記液圧アクチュエータのクッション開始位置やクッション速度を簡易かつ高精度に制御することができる。
また、クッション制御バルブに移動量調整機構を備えたことで、液圧アクチュエータのクッション制御をクッション制御バルブにより遠隔制御することができる。このため、作業者が作業しにくい箇所に液圧アクチュエータが配設されている場合であっても、クッション制御バルブを作業しやすい箇所に配設することで、簡易迅速にクッション調整を行うことができる。
請求項4に係るクッション制御システムは、前記クッション制御バルブ本体と並列に配設された流量制御弁を備えたことで、前記移動体にクッション液路を設けた場合と同様に、前記移動体の移動がストッパ部材により停止した後は、流量制御弁により液圧アクチュエータから切り換え弁に流れる作動液の流量を適宜設定して、前記液圧アクチュエータのクッション速度を柔軟に調整することができる。
クッション制御システム100は、液圧アクチュエータ101と、液圧アクチュエータ101のクッションを制御するクッション制御バルブ1と、液圧アクチュエータ101の作動方向を切り換える切り換え弁である方向切換弁102と、液圧アクチュエータ101を駆動する液圧ポンプ103と、を備えている。
以下、説明の便宜上、液圧アクチュエータ101において、ピストン101bの移動方向に対してピストンロッド101cが配設された方をロッド側、その反対側をヘッド側という。
なお、クッション制御バルブ1において、説明の便宜上、移動体3が図1の右方向に移動するときを行き側(クッションを利かせる作動方向)、左方向に移動するときを戻り側という場合がある。
バルブ本体2の内周部は、左縁部に形成されエンドカバー21が螺入されるねじ部2aと、右縁部に形成されストッパ部材22が螺入されるねじ部2bと、を備えている。
かかる構成により、エンドカバー21は、バルブ本体2の左縁部に螺入して装着されているため、この螺入深さを適宜調整することで、移動体3の移動量を調整する移動量調整機構6を構成する。
移動体3は、胴部31の外周部がエンドカバー21に形成されたシリンダ部21cに摺動自在に内挿され(図3(b)参照)、鍔部32の外周部がバルブ本体2の内周部に摺接されて、バルブ本体2に対して往復移動自在に支持されている。
また、移動体3は、鍔部32がエンドカバー21の右端面21d(図3(b)参照)に当接することで、戻り側の移動端(図3(a)参照)が規制され、ストッパ部材22の左端面22fに当接することで、行き側の移動端(図3(b)参照)が規制されている。
貫通孔33の鍔部32側には、移動体3の胴部31側よりも縮径された開口部33aが形成され、この開口部33aを閉塞するように逆止弁8が貫通孔33に装着されている。
第2液圧室42は、液圧アクチュエータ101から供給された作動液が排出されるリターン側の液圧室であり、移動体3を挟んで第1液圧室41の反対側(図1の右側)に配設されている。
移動量調整機構6は、エンドカバー21をバルブ本体2に螺入する深さを調整することで、移動体3の移動量S1(図3(a)参照)を調整することができる。そして、移動量調整後に、ロックナット61を締め込んでエンドカバー21をバルブ本体2に固定する。
かかる構成により、ストッパ部材22は、胴部22aの外周部に形成されたねじ部22bをバルブ本体2の内周部に形成されたねじ部2bに螺合させて鍔部22cをバルブ本体2の端面に当接して固定するようになっている。
かかる構成により、クッション制御バルブ1は、リターンスプリング34により、移動体3を戻り方向に付勢してエンドカバー21の右端面21d(図3(b)参照)に押圧することで、確実に戻り位置(図3(a)の位置)で移動体3を保持することができるようになっている。
図3(a)は、液圧アクチュエータ101のピストン101bが左端にある移動前の状態を示す。ここで、液圧アクチュエータ101の全ストロークをL1とし、クッション制御バルブ1の移動体3の全移動量をS1とする。
液圧アクチュエータ101の全ストロークL1は、クッションを効かせる開始位置までのストロークL2(図3(b)参照)とクッションストロークL3(図3(c)参照)を合計したものである(図5参照)。クッションストロークL3は、クッションを効かせる開始位置から全ストロークL1の移動端(図3(c)の位置)までのストローク(L1−L2)である(図5参照)。
液圧アクチュエータ101が原点位置である図3(a)の状態からストロークL2だけ移動する間に、移動体3は、液圧アクチュエータ101のストロークL2に連動して、全移動量S1を移動する。
このときの液圧アクチュエータ101の移動量L2と移動体3の全移動量S1との関係は以下のとおりである。
つまり、液圧アクチュエータ101の直径をD、移動体3の直径をdとすると、
(π/4)・D2・L2=(π/4)・d2・S1であるから、
S1=(D/d)2・L2である。
このようにしてクッション制御バルブ1は、液圧アクチュエータ101の作動ストロークを移動体3のストロークに変換することで、液圧アクチュエータ101の作動ストロークが小さい場合であっても移動体3の大きなストロークに変換して、より正確な位置でクッションを効かせるクッション制御を行うことができる。
図3(c)に示すように、移動体3が行き側の移動端まで移動してストッパ部材22に当接して停止すると、液圧アクチュエータ101はクッションストロークL3に移行する。
具体的には、ピストン101bがクッションストロークL3だけ移動している間は、液圧アクチュエータ101のヘッド側ポート101eから排出されて第1液圧室41に導入された作動液は、移動体3が停止しているので、クッション液路5を通って第2液圧室42に流入し開口部22eから排出される。このため、絞られたクッション液路5から流出する作動液の流動抵抗によってクッション効果が生じる。
図4(a)は、液圧アクチュエータ101が行き側の移動端まで移動した状態を示し、移動体3も行き側の移動端に位置する。
図4(a)に示す状態から、液圧アクチュエータ101を戻り方向(図の左方向)に移動させる場合には、方向切換弁102(図1)を切り換えて、液圧ポンプ103からクッション制御バルブ1を通って液圧アクチュエータ101のヘッド側ポート101eへ作動液を供給する。
移動体3が原点位置である図4(a)の状態から全移動量S1だけ移動する間に、液圧アクチュエータ101のピストン101bは、移動体3の全移動量S1に連動してストロークL2を移動する。
開口部33aから貫通孔33を通って第1液圧室41に流入した作動液は、液圧アクチュエータ101のヘッド側ポート101eまで到達する。ヘッド側ポート101eから導入された作動液は、液圧アクチュエータ101のピストン101bを移動端(終端)まで移動させる。
液圧アクチュエータ101のクッション制御システム110は、図6(a)に示すように、クッション制御バルブ1と並列に流量制御弁104を接続した点で図1のクッション制御システム100と相違する。
かかる構成により、液圧アクチュエータ101の行き側、および戻り側の両方で好適にクッション動作を制御することができる。
例えば、本実施形態においては、移動量調整機構6において、エンドカバー21を軸方向に移動して移動体3の移動量を調整したが、これに限定されるものではなく、ストッパ部材22を移動自在に構成して調整してもよいし、エンドカバー21とストッパ部材22の両方を移動自在に調整可能に構成してもよい。
2 バルブ本体
3 移動体
5 クッション液路
6 移動量調整機構
8 逆止弁
21 エンドカバー
22 ストッパ部材
41 第1液圧室
42 第2液圧室
81 弁本体
82 バルブヘッド
83 スプリング
100,110,120 クッション制御システム
101 液圧アクチュエータ
102 方向切換弁(切り換え弁)
103 液圧ポンプ
104 流量制御弁
Claims (4)
- 液圧アクチュエータのポートに接続して当該液圧アクチュエータのクッションを制御するクッション制御バルブであって、
筒状のバルブ本体と、
このバルブ本体に摺動自在に内挿された移動体と、
前記バルブ本体内に形成され、前記液圧アクチュエータから排出された作動液が導入されて前記移動体を一方向に移動させる第1液圧室と、
前記移動体の移動を規制して移動量の終端を設定するストッパ部材と、
前記移動体を挟んで前記第1液圧室の反対側に設けられ当該移動体を他方向に移動させる第2液圧室と、
前記移動体に設けられ、前記第1液圧室から前記第2液圧室に作動液を排出するクッション液路と、
前記移動体の移動量を調整して、前記液圧アクチュエータの作動ストロークを当該作動ストロークよりも大きな当該移動体の所定のストロークに変換する移動量調整機構と、
を備えたことを特徴とするクッション制御バルブ。 - 前記移動体は、前記第1液圧室から前記第2液圧室への作動液の流入を規制し、前記第2液圧室から前記第1液圧室への作動液の流入を許容する逆止弁を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載のクッション制御バルブ。 - 請求項1または請求項2に記載のクッション制御バルブを使用して前記液圧アクチュエータのクッションを制御するクッション制御システムであって、
前記液圧アクチュエータの往復動作を切り換える切り換え弁と、
この切り換え弁と前記液圧アクチュエータの間に配設された前記クッション制御バルブと、
このクッション制御バルブと並列に配設された流量制御弁と、
を備えたことを特徴とする液圧アクチュエータのクッション制御システム。 - 請求項1または請求項2に記載のクッション制御バルブにおけるクッション液路を設けていないクッション制御バルブ本体を使用し、前記クッション液路に代えた流量制御弁により前記液圧アクチュエータのクッションを制御するクッション制御システムであって、
前記クッション制御バルブ本体は、筒状のバルブ本体と、
このバルブ本体に摺動自在に内挿された移動体と、
前記液圧アクチュエータから排出された作動液が導入されて前記移動体を一方向に移動させる第1液圧室と、
前記移動体の移動を規制して移動量の終端を設定するストッパ部材と、
前記移動体を挟んで前記第1液圧室の反対側に設けられ当該移動体を他方向に移動させる第2液圧室と、を有し、
前記液圧アクチュエータの往復動作を切り換える切り換え弁と、
この切り換え弁と前記液圧アクチュエータの間に配設された前記クッション制御バルブ本体と、
このクッション制御バルブ本体と並列に配設された前記流量制御弁と、
を備えたことを特徴とする液圧アクチュエータのクッション制御システム。
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