JP2008159110A - 光ディスク装置およびその制御用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】光ディスク装置において、光ピックアップにおいて対物レンズが不必要に移動させることを回避する。
【解決手段】光ディスク70が光ディスク装置1のディスク挿入口に挿入されると、フォーカスエラー信号に基づいてフォーカシングコイル48への電流供給が制御されてフォーカスオンされる。そして、信号処理部7におけるゲイン調整およびオフセット電圧値の調整が行なわれた後、トラックエラー信号に基づいてトラッキングコイル49への電流供給が制御されてトラックオンされる。なお、光ディスク70が挿入されてからトラックオンのための処理が開始されるまで、トラッキングコイル49は、トラックエラー信号よりも高い周波数の信号であるウォブル信号に基づいて駆動制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ピックアップ装置およびその制御に関し、特に、光ディスクに対して情報の記録および/または再生を行なうための光を照射するとともに当該光ディスクからの反射光を受光して電気信号に変換出力する光ピックアップを含む光ディスク装置およびその制御用プログラムに関する。
従来から、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクに対し、光ピックアップと呼ばれる光ヘッドにより、情報の記録および/または再生を行なう光ディスク装置がある。光ピックアップは、半導体レーザ等の光を対物レンズを介して光ディスク上に集光照射すると共に、光ディスク上に照射した光の反射光を受光してそれに応じた電気信号を出力する構成となっており、光ディスクの半径方向に移動するようになっている。
光ディスク装置は、光ピックアップを光ディスク上の所定の位置へ移動させ、光ディスクを回転させながら、光ピックアップからの光を光ディスクの記録トラックに集光照射することで、光ディスクに対して情報の記録および/または再生を行なう。
具体的には、光ディスクからの情報の再生にあたっては、まず、光ピックアップから照射する光の集光点が光ディスク面上に位置するようにフォーカスオン(フォーカス引き込み)させ、さらに、フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置するようにトラックオン(トラック引き込み)させる。これらフォーカスオンおよびトラックオンは、光ピックアップから出力される電気信号に応じて、対物レンズを光ディスク面に垂直な方向および記録トラックに垂直な方向に移動させることで行なわれる。そして、フォーカスオンおよびトラックオンさせた状態で光ピックアップから出力される電気信号に基づいて、光ディスクに形成されているピットが検出され、これにより光ディスクから情報が読取られ、その情報が再生される。
なお、光ディスクへの情報の記録は、光ピックアップから光ディスク上に集光照射する光により、光ディスクの記録トラックにピットを形成することにより行なわれる。
このような光ディスク装置に関し、種々の技術が開示されてきた。
たとえば、特許文献1では、軸摺動型の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、フォーカスオン動作の際にトラッキング駆動信号にウォブル信号を印加することによって、光ピックアップにおけるレンズホルダの動きをスムーズにして、フォーカスオン動作を安定させるという技術が開示されている。
特開2005−71395号公報
光ディスク装置では、フォーカスオンおよびトラックオンが行なわれる際には、実際では、フォーカスオンの後、トラックオンが行なわれる前に、ゲイン調整やオフセット電圧の調整などの各種調整動作が行なわれる。従来では、この各種調整動作中に、つまり、光ディスクがフォーカスオンでありトラックオフである状態にあるときに、光ディスクの偏心などにより発生するトラッキングエラー成分がフォーカスエラー信号にのり、これにより、光ピックアップの対物レンズが不必要にフォーカス方向に移動させられるという事態が生じていた。
そして、光ディスク装置において、このように対物レンズが不必要に移動させられた場合には、当該対物レンズを移動させるための駆動部位(たとえば、フォーカスコイル等)が過剰に発熱して当該部位の部品寿命が短くなるなど、種々の不都合が生じるおそれがある。
なお、従来では、この点についての考察はなされていなかった。また、上記した特許文献1においても、フォーカスオン動作の際の動作の安定のみが検討されただけで、それ以降の動作については、検討がなされていなかった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、光ピックアップにおいて対物レンズが不必要に移動させることを回避することができる、光ディスク装置およびその制御用プログラムを提供することである。
本発明のある局面に従った光ディスク装置は、対物レンズを含み、光ディスクに対して前記対物レンズを介して光を照射するとともに、前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力する光ピックアップと、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいて、フォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する信号生成手段と、前記対物レンズを移動させる移動手段と、前記信号生成手段の生成するフォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するように前記移動手段のフォーカス方向の駆動制御を行なうフォーカシング制御手段と、前記フォーカスオンされた状態で、前記信号生成手段に対して、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整と前記光ピックアップからの電気信号の入力のためのオフセット電圧の調整とを含む、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なう調整手段と、前記調整手段による調整処理の後に、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置するように前記移動手段のトラック方向の駆動制御を行なうトラッキング制御手段と、前記フォーカシング制御手段のフォーカスオン動作の開始時から前記トラッキング制御手段によるトラックオン動作の開始時まで、前記トラッキング制御手段に、前記信号生成手段の生成するトラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に印加させるウォブル信号印加手段と、前記所定の周波数を記憶する記憶手段とを備え、前記ウォブル信号印加手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周波数を読出し、当該読出した周波数に基づいて前記ウォブル信号の周波数を決定し、前記信号生成手段は、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいてRF信号を生成し、前記信号生成手段の生成したRF信号に基づいて映像信号および/または音声信号を生成し、当該映像信号および/または音声信号を外手段装置に出力する信号出力手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明の他の局面に従った光ディスク装置は、対物レンズを含み、光ディスクに対して前記対物レンズを介して光を照射するとともに、前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力する光ピックアップと、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいて、フォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する信号生成手段と、前記対物レンズを移動させる移動手段と、前記信号生成手段の生成するフォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するように前記移動手段のフォーカス方向の駆動制御を行なうフォーカシング制御手段と、前記フォーカスオンされた状態で、前記信号生成手段に対して、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なう調整手段と、前記調整手段による調整処理の後に、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置するように前記移動手段のトラック方向の駆動制御を行なうトラッキング制御手段と、前記調整手段による前記調整処理の期間中、前記トラッキング制御手段に、前記信号生成手段の生成するトラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に印加させるウォブル信号印加手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に従った光ディスク装置では、前記ウォブル信号印加手段は、前記フォーカシング制御手段のフォーカスオン動作の開始時から前記トラッキング制御手段によるトラックオン動作の開始時まで、前記トラッキング制御手段に、前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に前記所定の周波数のウォブル信号を印加させることが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置は、前記所定の周波数を記憶する記憶手段をさらに備え、前記ウォブル信号印加手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周波数を読出し、当該読出した周波数に基づいて前記ウォブル信号の周波数を決定することが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置では、前記調整手段による前記調整処理は、前記信号生成手段に対する、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整を含むことが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置では、前記調整手段による前記調整処理は、前記信号生成手段に対する、前記光ピックアップからの電気信号の入力のためのオフセット電圧の調整を含むことが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置では、前記信号生成手段は、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいてRF信号を生成し、前記信号生成手段の生成したRF信号に基づいて映像信号および/または音声信号を生成し、当該映像信号および/または音声信号を外手段装置に出力する信号出力手段をさらに備えることが好ましい。
本発明に従った光ディスク装置の制御用プログラムは、光ピックアップが光ディスクに対して対物レンズを介して光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力することによって出力する電気信号に基づいてフォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する光ディスク装置を制御するための、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、前記光ディスク装置に、前記フォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するようにフォーカスオンさせるステップと、前記フォーカスオンされた状態で、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なうステップと、前記調整処理の期間中、前記トラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記対物レンズのトラック方向の駆動信号に印加するステップと、前記調整処理の後に、前記トラックエラー信号に基づいて、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置させることによりトラックオンさせるように前記対物レンズのトラック方向の位置を制御するステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明に従った光ディスク装置の制御用プログラムでは、前記所定の周波数のウォブル信号を前記対物レンズのトラック方向の駆動信号に印加するステップは、前記光ディスク装置に、フォーカスオンのための動作の開始時からトラックオンのための動作の開始時まで行なわせることが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置の制御用プログラムでは、前記調整処理を行なうステップは、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整を行なうことが好ましい。
また、本発明に従った光ディスク装置の制御用プログラムでは、前記調整処理を行なうステップは、前記光ピックアップから出力される電気信号を受信するためのオフセット電圧の調整を行なうことが好ましい。
本発明によると、光ディスク装置がフォーカスオン状態であってトラックオフ状態である場合に、トラックエラー信号よりも高い周波数のウォブル信号が光ピックアップの対物レンズに対するトラック方向の駆動信号に印加される。これにより、当該対物レンズをトラック方向に移動させるようなトラッキングコイルなどの移動手段が、上記のような周波数のウォブル信号に基づいて駆動されるため、トラッキングエラー成分がフォーカスエラー信号にのってもフォーカスドライブ(対物レンズに対するフォーカス方向の移動手段を駆動する部分)はそれには反応できなくなる。したがって、トラッキングエラー成分がフォーカスエラー信号にのっても対物レンズがそれによってフォーカス方向に移動させられるという事態を回避できる。
また、本発明によれば、上記のような周波数のウォブル信号が、対物レンズの移動手段に、フォーカスオン動作の開始時から印加される。このため、トラッキングエラー成分がフォーカスエラー信号にのって対物レンズが移動させられるという事態を、より確実に回避できる。なお、上記のようなウォブル信号の印加は、トラックオン動作の開始時には停止される。このため、このような信号の印加がトラックオン動作に支障をきたすことはない。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本発明の一実施の形態である光ディスク装置の電気的ブロック構成を図1に示す。
図1を参照して、光ディスク装置1は、CDやDVD等の同心円状または渦巻状の情報記録トラックが形成された光ディスク70に対して、音楽や映像等の情報の記録および/または再生を行なう装置である。
光ディスク装置1は、ディスク挿入検知部2、スピンドルモータ3、光ピックアップ4、移動モータ5、レーザ駆動部6、信号処理部7、データスライス信号生成部8、およびサーボ制御部9を備えている。なお、サーボ制御部9が光ピックアップ4に対してフォーカスオンさせるため制御を行なうことから、本実施の形態では、当該サーボ制御部9によりフォーカシング制御部が構成されている。また、サーボ制御部9が光ピックアップ4に対してトラックオンさせるための制御を行なうことから、本実施の形態では、当該サーボ制御部9によりトラッキング制御部が構成される。また、光ディスク装置1は、映像・音声信号入出力部10、入力部12、表示部13、および上記各部を制御するCPU(Central Processing Unit)20を備えている。
ディスク挿入検知部2は、光ディスク70が不図示のディスク挿入部から挿入されたことを検出し、その信号をCPU20へ入力する。挿入された光ディスク70は、スピンドルモータ3に装着される。スピンドルモータ3は、CPU20による制御のもと回転駆動され、装着された光ディスク70を回転させる。
光ピックアップ4は、光ディスク70に対して情報の記録および/または再生を行なうための光を照射すると共に、光ディスク70からの反射光を受光して電気信号に変換出力するものであり、CPU20による制御のもと、リニアモータから成る移動モータ5により光ディスク70上でその半径方向に移動される。
この光ピックアップ4は、半導体レーザ41から出射された光をコリメートレンズ42、ビームスプリッタ43、および対物レンズ44を介して光ディスク70上に集光照射する。また、光ディスク70上からの反射光を対物レンズ44、ビームスプリッタ43、および集光レンズ45を介して光検知器46で受光する。
半導体レーザ41は、CPU20による制御のもと、レーザ駆動部6によりその発光が制御される。光検知器46は、受光面が複数の領域に分割され、受光面毎に受光強度に応じた電気信号を出力する分割フォトダイオードから構成されており、光検知器46からの出力信号は信号処理部7に入力される。
対物レンズ44は、レンズホルダ47に保持されており、レンズホルダ47には、フォーカシングコイル48と、トラッキングコイル49が設けられている。フォーカシングコイル48は、不図示の磁石との磁気作用により、対物レンズ44を光ディスク70の記録面に対して垂直な方向へ移動させるものである。また、トラッキングコイル49は、対物レンズ44を、光ディスク70の記録面と平行に、つまり、光ディスク70の記録トラックに対して垂直な方向に、移動させるものである。
信号処理部7は、光検知器46からの出力信号に基づいて、RF信号(反射強度信号)を生成し、データスライス信号生成部8へ出力する。データスライス信号生成部8は、このRF信号を2値化したデータスライス信号を生成し、CPU20へ入力する。CPU20は、このデータスライス信号に基づいて、光ディスク70に形成されているピットを検出する。
また、信号処理部7は、光検知器46からの出力信号に基づいて、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号を生成し、サーボ制御部9へ出力する。フォーカスエラー信号は、対物レンズ44を介して光ディスク70に照射する光の集光点の光ディスク70面からのずれ量に対応する信号であり、トラックエラー信号は、集光点の記録トラックからのずれ量に対応する信号である。
サーボ制御部9は、これらフォーカスエラー信号およびトラックエラー信号に基づいて、フォーカシングコイル48およびトラッキングコイル49への電流供給を制御して対物レンズ44を移動させることにより、集光点が光ディスク70面上かつ記録トラック上に位置するようにサーボ制御する。
映像・音声信号入出力部10には、不図示のディスプレイやスピーカ、テレビ受像機等の外部装置が接続され、光ディスク70から再生した映像信号や音声信号の出力や、外部装置からの映像信号や音声信号の入力が行なわれる。
入力部12は、光ディスク装置1の各種動作についての操作内容を入力するためのものであり、各種の動作を操作するための操作キー(何れも不図示)を備えている。入力部12は、各種のキーが操作されることに応じて、当該キー操作に対応する信号をCPU20に出力する。表示部13は、光ディスク装置1本体のフロントパネルに設けられ、入力部12に対して操作がなされた内容や光ディスク装置1の動作状況等を表示する。なお、入力部12は、光ディスク装置1の本体から着脱可能なリモートコントローラと当該リモートコントローラの送出する信号を受信する受信部とによって構成されてもよい。つまり、光ディスク装置1は、当該光ディスク装置1の本体から離間した場所からの操作によって動作するように構成されていても良い。
ここで、光ディスク装置1における、光ディスク70に対する情報の記録/再生のための動作について説明する。
まず、光ディスク70からの情報の再生は、スピンドルモータ3により光ディスク70を回転させながら、半導体レーザ41からの光を光ディスク70に照射し、その反射光を光検知器46で受光する。
そして、CPU20は、サーボ制御部9に、信号処理部7からのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカシングコイル48への電流供給を制御させることによって対物レンズ44を移動させ、半導体レーザ41からの光の集光点が光ディスク70面上に位置するようにフォーカスオン(フォーカス引き込み)させる。そして、CPU20は、信号処理部7における、光検知器46から入力される電気信号のゲイン調整およびオフセット電圧値の調整が行なう。そして、CPU20は、サーボ制御部9に、信号処理部7からのトラックエラー信号に基づいてトラッキングコイル49への電流供給を制御させることによって対物レンズ44を移動させ、半導体レーザ41からの光の集光点が所望の記録トラック上に位置するようにトラックオン(トラック引き込み)させる。
フォーカスオンおよびトラックオンさせた後は、CPU20は、サーボ制御部9に、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号に基づいてフォーカシングコイル48およびトラッキングコイル49への電流供給を制御させて、フォーカスオン状態およびトラックオン状態を維持するようにフォーカシングサーボ制御およびトラッキングサーボ制御を行なわせる。そして、このサーボ状態で信号処理部7から出力されたRF信号がデータスライス信号生成部8に入力され、データスライス信号生成部8によりRF信号を2値化して生成されたデータスライス信号がCPU20に入力される。CPU20は、このデータスライス信号を基に光ディスク70に形成されているピットの有無を検出して光ディスク70に記録されている情報を読取り、読取った情報を映像信号や音声信号に再生して、映像・音声信号入出力部10から外部装置へ出力する。
また、光ディスク70への情報の記録は、同様に、フォーカスシングおよびトラッキングのサーボ状態で、半導体レーザ41からの光により光ディスク70上にピットを形成することにより行なわれる。このとき、映像・音声信号入出力部10から入力された映像信号や音声信号がCPU20により符号化され、半導体レーザ41が、CPU20による制御のもと、その符号化データに応じて発光制御される。これにより、その符号化データに応じたピットが光ディスク70の記録トラックに形成され、映像や音声の情報が記録される。ピットの形成は、半導体レーザ41を情報の読取り時よりも高出力で発光させることにより可能としている。
上記構成の光ディスク装置1は、CPU20による制御のもと、入力部12に対して操作がなされることにより、光ディスク70からの情報の再生や、光ディスク70への情報の記録等を行なう。また、光ディスク装置1は、CPU20による制御のもと、光ディスク70が挿入されると、光ディスク70の最内周側に記録されている情報を読取る初期動作を行なう。そして、初期動作で読取った情報に基づいて、挿入された光ディスク70の種類や記録内容を判断したり、その後の情報の記録や再生等の動作を制御する。
なお、本実施の形態の光ディスク装置1では、光ディスク70が挿入されてからトラックオンのための処理が開始されるまで、CPU20は、サーボ制御部9に対して、上記したトラックエラー信号よりも高い周波数の信号であるウォブル信号を印加する。これにより、サーボ制御部9は、当該ウォブル信号に基づいて、トラッキングコイル49への電流供給を制御する。なお、このウォブル信号の周波数は、トラック方向の移動手段(トラッキングコイル49)に対する移動のための制御(当該コイルへの電流の供給)によっては反応できない程度の高い周波数とされることが好ましい。この場合の周波数は、光ディスク装置1におけるレンズホルダ47の材質や移動しやすさなどに依存するものと考えられるため、光ディスク装置1が構成される条件ごとに適宜設定されるものであると考えられる。周波数の上限については、特に規定されるものではないが、サーボ制御部9の性能等に依存するものであると考えられる。なお、ウォブル信号について、たとえば周波数として200Hz〜1kHz程度(具体的には500Hz程度)を、また、電圧として2〜4V程度(具体的には3.5V程度)を挙げることができるが、光ディスク装置1が構成される条件に従って適宜求められるべきである。
そして、本実施の形態の光ディスク装置1において、トラックオンのための処理が開始されるまでこのような態様でトラッキングコイル49への電流供給が制御されることにより、トラックエラー成分がフォーカスエラー信号に乗ることがあっても、そのことによって光ピックアップ4のレンズホルダ47がフォーカス方向に無駄に振られることが回避される。なお、上記したウォブル信号の周波数(および信号の振幅(電圧))の値は、予め、適した値が求められ、そして、当該値がCPU20内のメモリ21に記憶されていることが好ましい。
次に、本実施の形態に係る光ディスク装置1において実行される、光ディスク70の挿入時における初期動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2を参照して、CPU20は、まずステップS10で、光ディスク70が不図示のディスク挿入部に挿入されたか否かを判断し、挿入されたと判断するとステップS20へ処理を進める。
ステップS20では、CPU20は、スピンドルモータ3により光ディスク70を回転させ、そして、上記したようなウォブル信号を生成してトラッキングコイル49の駆動を開始する。具体的には、CPU20は、たとえばメモリ21からウォブル信号を生成するための周波数等の値を読出し、そして、読出した値に基づいて、ウォブル信号を生成し、当該ウォブル信号をトラッキングコイル49に供給する。
次に、CPU20は、ステップS30で、光ピックアップ4を移動モータ5により予め定められた規定位置へ移動させて、光ピックアップ4からの光を光ディスク70上へフォーカスオンさせる。なお、予め定められた規定位置とは、光ピックアップ4からの光をフォーカスオンさせたときに、その光スポットが光ディスク70の記録エリアの最内周よりも予め定めら得た所定距離だけ外周の箇所に照射される位置である。
次に、CPU20は、ステップS40で、信号処理部7における光検知器46から入力される電気信号のゲイン調整およびオフセット電圧値の調整を含む、信号処理部7での光検知器46から信号の受信などに関する各種の調整処理が行なわれる。
次に、CPU20は、ステップS50で、上記したウォブル信号によるトラッキングコイル49の駆動制御を停止して、トラッキングコイル49の駆動制御をトラックエラー信号に基づいたものに切り換える。
次に、CPU20は、ステップS60で、半導体レーザ41からの光の集光点が所望の記録トラック上に位置するようにトラックオンさせて、初期動作を終了する。
光ディスク装置1においてフォーカスオンおよびトラックオンがなされた後は、上記のおうに、サーボ制御部9が、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号に基づいてフォーカシングコイル48およびトラッキングコイル49への電流供給を制御することにより、フォーカスオン状態およびトラックオン状態を維持するようにフォーカシングサーボ制御およびトラッキングサーボ制御が行なわれる。そして、光ディスク装置1は、このサーボ状態のもと、光ディスク70に記録されている情報を読取り、読取った情報を映像信号や音声信号に再生して、映像・音声信号入出力部10から外部装置へ出力する。
以上説明した本実施の形態の光ディスク装置1では、CPU20がたとえばメモリ21に記録されるプログラムを実行することによって、図2のフローチャートに示された動作が実現される。
なお、本発明の光ディスク装置では、図3に示された光ディスク装置1のように、CPU20が外部のコンピュータ100から動作を制御されることにより、図2のフローチャートに示された動作が実現されても良い。なお、コンピュータ100は、たとえば当該コンピュータ100とは別体で構成されるディスク101に記録されたプログラムを読み込んで実行することにより、上記したようなCPU20の制御を行なうように構成されていても良い。
また、図3に示したような光ディスク装置1のCPU20がコンピュータ100によって制御される場合には、ウォブル信号を生成するための周波数等の情報は、コンピュータ100(またはディスク101)側に記録されていれば良く、メモリ21に記憶されている必要はない。
また、本発明の光ディスク装置では、上記した初期動作は、光ディスク70を光ディスク装置1のディスク挿入部に挿入されたことに応じて実行されていた。なお、本発明の光ディスク装置において当該初期動作が実行されるタイミングは、光ディスクの挿入時に限定されず、光ディスク70の挿入状態での電源オン時や、ユーザによる光ディスク70からの情報の再生操作時等であっても良い。
また、本発明の光ディスク装置では、少なくとも、フォーカスオンの後トラックオンのための制御が開始されるまでの間、トラッキングコイル49が上記したようなウォブル信号に基づいて電力を供給されれば良い。したがって、図2のフローチャートにおけるステップS20の処理は、ステップS30のフォーカスオンの後に実行されても良い。このような変形例のフローチャートを、図4に示す。
図4を参照して、CPU20は、まずステップSA10で、光ディスク70が不図示のディスク挿入部に挿入されたか否かを判断し、挿入されたと判断するとステップSA20へ処理を進める。
ステップSA20では、次に、CPU20は、スピンドルモータ3により光ディスク70を回転させ、そして、光ピックアップ4を移動モータ5により予め定められた規定位置へ移動させて、光ピックアップ4からの光を光ディスク70上へフォーカスオンさせる。
ステップSA30では、CPU20は、トラッキングコイル49の駆動信号を上記したようなウォブル信号に切り換える。具体的には、CPU20は、たとえばメモリ21からウォブル信号を生成するための周波数等の値を読出し、そして、読出した値に基づいてウォブル信号を生成し、当該ウォブル信号をトラッキングコイル49の駆動信号として、トラッキングコイル49に供給する。
次に、CPU20は、ステップSA40で、信号処理部7における光検知器46から入力される電気信号のゲイン調整およびオフセット電圧値の調整を含む、信号処理部7での光検知器46から信号の受信などに関する各種の調整処理が行なわれる。
次に、CPU20は、ステップSA50で、上記したウォブル信号によるトラッキングコイル49の駆動制御を停止して、トラッキングコイル49の駆動制御をトラックエラー信号に基づいたものに切り換える。
次に、CPU20は、ステップSA60で、半導体レーザ41からの光の集光点が所望の記録トラック上に位置するようにトラックオンさせて、初期動作を終了する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施の形態である光ディスク装置の電気的ブロック構成を示す図である。 図1の光ディスク装置において実行される、光ディスクの挿入時における初期動作のフローチャートである。 図1の光ディスク装置の変形例および当該光ディスク装置を制御するコンピュータを示す図である。 図2のフローチャートによって示された初期動作の変形例のフローチャートである。
符号の説明
1 光ディスク装置、3 スピンドルモータ、4 光ピックアップ、5 移動モータ、7 信号処理部、8 データスライス信号生成部、9 サーボ制御部、20 CPU、41 半導体レーザ、44 対物レンズ、46 光検知器、48 フォーカシングコイル、49 トラッキングコイル、70 光ディスク、100 コンピュータ、101 ディスク。

Claims (11)

  1. 対物レンズを含み、光ディスクに対して前記対物レンズを介して光を照射するとともに、前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力する光ピックアップと、
    前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいて、フォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する信号生成手段と、
    前記対物レンズを移動させる移動手段と、
    前記信号生成手段の生成するフォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するように前記移動手段のフォーカス方向の駆動制御を行なうフォーカシング制御手段と、
    前記フォーカスオンされた状態で、前記信号生成手段に対して、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整と前記光ピックアップからの電気信号の入力のためのオフセット電圧の調整とを含む、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なう調整手段と、
    前記調整手段による調整処理の後に、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置するように前記移動手段のトラック方向の駆動制御を行なうトラッキング制御手段と、
    前記フォーカシング制御手段のフォーカスオン動作の開始時から前記トラッキング制御手段によるトラックオン動作の開始時まで、前記トラッキング制御手段に、前記信号生成手段の生成するトラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に印加させるウォブル信号印加手段と、
    前記所定の周波数を記憶する記憶手段とを備え、
    前記ウォブル信号印加手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周波数を読出し、当該読出した周波数に基づいて前記ウォブル信号の周波数を決定し、
    前記信号生成手段は、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいてRF信号を生成し、
    前記信号生成手段の生成したRF信号に基づいて映像信号および/または音声信号を生成し、当該映像信号および/または音声信号を外手段装置に出力する信号出力手段をさらに備える、光ディスク装置。
  2. 対物レンズを含み、光ディスクに対して前記対物レンズを介して光を照射するとともに、前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力する光ピックアップと、
    前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいて、フォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する信号生成手段と、
    前記対物レンズを移動させる移動手段と、
    前記信号生成手段の生成するフォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するように前記移動手段のフォーカス方向の駆動制御を行なうフォーカシング制御手段と、
    前記フォーカスオンされた状態で、前記信号生成手段に対して、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なう調整手段と、
    前記調整手段による調整処理の後に、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置するように前記移動手段のトラック方向の駆動制御を行なうトラッキング制御手段と、
    前記調整手段による前記調整処理の期間中、前記トラッキング制御手段に、前記信号生成手段の生成するトラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に印加させるウォブル信号印加手段とを備える、光ディスク装置。
  3. 前記ウォブル信号印加手段は、前記フォーカシング制御手段のフォーカスオン動作の開始時から前記トラッキング制御手段によるトラックオン動作の開始時まで、前記トラッキング制御手段に、前記移動手段に対するトラック方向の駆動信号に前記所定の周波数のウォブル信号を印加させる、請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記所定の周波数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記ウォブル信号印加手段は、前記記憶手段に記憶された前記所定の周波数を読出し、当該読出した周波数に基づいて前記ウォブル信号の周波数を決定する、請求項2または請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記調整手段による前記調整処理は、前記信号生成手段に対する、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整を含む、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の光ディスク装置。
  6. 前記調整手段による前記調整処理は、前記信号生成手段に対する、前記光ピックアップからの電気信号の入力のためのオフセット電圧の調整を含む、請求項2〜請求項5のいずれかに記載の光ディスク装置。
  7. 前記信号生成手段は、前記光ピックアップが出力する電気信号に基づいてRF信号を生成し、
    前記信号生成手段の生成したRF信号に基づいて映像信号および/または音声信号を生成し、当該映像信号および/または音声信号を外手段装置に出力する信号出力手段をさらに備える、請求項2〜請求項6のいずかに記載の光ディスク装置。
  8. 光ピックアップが光ディスクに対して対物レンズを介して光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換出力することによって出力する電気信号に基づいてフォーカスエラー信号とトラックエラー信号を生成する光ディスク装置を制御するための、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
    前記光ディスク装置に、
    前記フォーカスエラー信号に基づいて、前記光ピックアップから照射する光の集光点が前記光ディスク面上に位置するようにフォーカスオンさせるステップと、
    前記フォーカスオンされた状態で、前記光ピックアップからの電気信号の入力に関する調整処理を行なうステップと、
    前記調整処理の期間中、前記トラックエラー信号よりも高い所定の周波数のウォブル信号を前記対物レンズのトラック方向の駆動信号に印加するステップと、
    前記調整処理の後に、前記トラックエラー信号に基づいて、前記フォーカスオンさせた光が記録トラック上に位置させることによりトラックオンさせるように前記対物レンズのトラック方向の位置を制御するステップとを実行させる、光ディスク装置の制御用プログラム。
  9. 前記所定の周波数のウォブル信号を前記対物レンズのトラック方向の駆動信号に印加するステップは、前記光ディスク装置に、フォーカスオンのための動作の開始時からトラックオンのための動作の開始時まで行なわせる、請求項8に記載の光ディスク装置の制御用プログラム。
  10. 前記調整処理を行なうステップは、前記光ピックアップからの電気信号の入力のゲイン調整を行なう、請求項8または請求項9に記載の光ディスク装置の制御用プログラム。
  11. 前記調整処理を行なうステップは、前記光ピックアップから出力される電気信号を受信するためのオフセット電圧の調整を行なう、請求項8〜請求項10のいずれかに記載の光ディスク装置の制御用プログラム。
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