JP2008158802A - 携帯端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来とかわらぬRAM領域(容量)で、表示応答速度の向上をはかった携帯端末装置を提供する。
【解決手段】複数の筐体片が開状態閉状態を形成可能に接続される筐体と、複数の壁紙がそれぞれファイルとして格納される記憶部13と、閉状態にて隠され、開状態にて露出するよう筐体に設けられる第1表示部(メイン表示部171)と、筐体を閉状態から開状態に遷移する毎に、複数の壁紙のうちの異なる壁紙を前記第1表示部に表示させるよう制御する制御部12と、を備え、制御部は、筺体が閉状態となると、記憶部から次に表示すべき壁紙のファイルを読み出してデコードし、筺体が開状態に遷移したことを検知した場合に、デコードして得られる画像を第1表示部に壁紙表示するように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、操作部と表示部とがヒンジ機構を介して開閉自在とする筐体構造を備え、当該筐体を開閉する毎に壁紙の表示が変更される、携帯端末装置に関する。
市販の携帯電話では、待受画面に静止画像などを設定できるが、ユーザが意図的に設定を変更しない限り、固定の壁紙を表示していた。壁紙表示を行う場合の携帯電話における制御手順の一例を図5にフローチャートで示す。
図5のフローチャートにおいて、携帯電話は、まず、JPEG(Joint Photographic Experts Group)/GIF(Graphic Interchange Format)、さらにはFLASHなどの圧縮ファィルにより作成された壁紙ファイルをファイルシステムから読み出す(ステップS501)。そして、読み出した圧縮ファイルをデコードしてRGBで表現されたデータ(ビットマップデータ)に変換し(ステップS502)、当該変換されたRBGデータを表示デバイスへ転送して表示する(ステップS503)。
また、図6に他の制御手順の一例がフローチャートに示されるように、2回目以降の壁紙表示に対して、図5に示すステップS501とS502に要する処理時間を削減するために、一度デコードした画像をRAM領域に保持しておく方法もある(ステップS601〜S604)。
この方法を採用することで、壁紙表示の度に圧縮ファイルの読み出し、およびデコード処理を省略し、2回目以降(次回以降、待受画面に戻ったとき)はRAMデータを使用することで前回表示画面を単純に表示することができる(ステップS605)。このことにより、表示までの時間を短縮することができる。
一方、携帯電話の壁紙に対する機能拡張において、壁紙登録できるデータをリストに登録することにより、複数の壁紙から選択したものを表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術によれば、壁紙を表示するタイミングで、そのリストの中から表示する壁紙を選出し、表示を行うことができる。
特開2003−324505号公報
しかしながら、表示の高精細化(大容量化)や壁紙として動画像を設定できるような高機能化が進むにつれ、上記した拡張機能のように複数の壁紙を頻繁に変えて表示させようとすると、対象となる複数の壁紙をRAM領域に保持することが困難になる。具体的に、複数の壁紙で10枚分の壁紙を保持できるように仮に構成したケースでは、従来の10倍のRAM領域が必要となる。図7にその具体的な保存イメージが示されるように、仮に240×320画素で26万色表示可能な場合、壁紙1枚あたりに必要なRAM領域は230キロバイトであるため、10枚の壁紙では、2.3メガバイト必要となる。
RAMは比較的高価であるため、2.3メガバイト以上の領域(容量)を持つRAMを内蔵することは携帯端末装置ではコスト的に無視できない。したがって、表示データをRAM領域に保持しておくことで表示応答速度を向上させるための従来の技術は、保持する領域が増えた場合にコスト面で不都合があった。
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、従来と変わらぬRAM領域(容量)で、表示応答速度の向上をはかりつつも、多種の壁紙表示にも対応可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点の携帯端末装置は、複数の筐体片が開状態閉状態を形成可能に接続される筐体と複数の壁紙がそれぞれファイルとして格納される記憶部と、閉状態にて隠され、開状態にて露出するよう前記筐体に設けられる第1表示部と、前記筐体を閉状態から開状態に遷移する毎に、前記複数の壁紙のうちの異なる壁紙を前記第1表示部に表示させるよう制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記筺体が閉状態となると、前記記憶部から次に表示すべき壁紙のファイルを読み出してデコードし、前記筺体が開状態に遷移したことを検知した場合に、前記デコードして得られる画像を前記第1表示部に壁紙表示する構成としたものである。
また、本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記壁紙ファイルを読み出してデコードするデコードタスクと、前記デコードして得られる画像を壁紙表示する表示制御タスクと、を含む複数のタスクを優先順位に従って実行可能であり、前記デコードタスクは、他のタスクよりも優先順位が低く、前記表示制御タスクは、前記デコードタスクよりも優先順位が低く設定されているように構成してもよい。
また、本発明の携帯端末装置において、前記制御部は、前記筐体が閉状態となり、前記デコードタスクよりも上位の優先順位のタスク処理が無くなると前記デコードタスクを実行し、当該デコードタスクによるデコードが完了すると前記表示制御タスクを実行するように構成してもよい。
また、本発明の携帯端末装置において、閉状態においても露出するよう前記筐体に設けられる第2表示部をさらに備え、前記制御部は、前記表示制御タスクを実行する際、前記筐体が閉状態ならば前記第2表示部に時計表示を行わせ、前記筐体が開状態ならば前記第1表示部に前記デコードタスクによりデコードされた壁紙の表示を行わせるように構成してもよい。
本発明の第2の観点の携帯端末装置は、操作部と、複数の壁紙がそれぞれファイルとして格納される記憶部と、前記筐体に設けられる表示部と、待受画面を表示する毎に、前記複数の壁紙のうちの異なる壁紙を前記表示部に表示させるよう制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記操作部における操作が無い状態が所定時間継続すると前記表示部の表示を消し、前記表示部の表示を消した状態にて前記記憶部から次に表示すべき壁紙のファイルを読み出してデコードし、次に前記表示部に待受画面を表示させる際には前記デコードして得られる画像を前記表示部に壁紙表示する構成としたものである。
本発明によれば、従来と変わらぬRAM領域(容量)で、表示応答速度の向上をはかりつつも多種の壁紙表示にも対応可能な携帯端末装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかわる携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。ここでは、携帯端末装置として、表示部17の設けられる側の筐体片と操作部18の設けられる側の筐体片とが不図示のヒンジ機構を介して開閉(回動)自在に構成される折畳式筐体からなる携帯電話端末が例示されており、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、音声処理部14と、スピーカ15(SP)と、マイク16(MIC)と、表示部17と、操作部18とからなる。
通信部11は、不図示の基地局のいずれかによって割り当てられるチャネルを介して当該基地局との間で無線信号の送受信を行う。
制御部12は、携帯電話の全体的な動作を統括的に制御する。すなわち、携帯電話の各種の処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧など)が操作部18の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部11における信号の送受信、音声処理部14における音声の入出力、表示部17における画像の表示など)を制御する。制御部12は、記憶部13に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。すなわち、記憶部7に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
また、制御部12は、本発明と特に関係するところでは、後述する壁紙ファイルを読み出してデコードするアプリケーションプログラムと、デコードして得られる画像を壁紙表示するアプリケーションプログラムとを含む複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有し、このため、主制御部120と、筐体開閉検知部121と、アプリケーション実行制御部122と、デコード処理部123と、表示制御部124と、ファイルシステム制御部125とで構成される。
筐体開閉検知部121は、主制御部120による制御の下、折畳式筐体の開閉状態を検知してこれをアプリケーションプログラム実行制御部122に通知する。
アプリケーションプログラム実行制御部122は、後述するアプリケーションタスクを実行する。具体的には、筐体開閉検知部121が、折畳式筐体が閉状態にあることを検知(閉状態を検出しなくなったときに開状態と検知する)した場合などの、処理負荷が軽減される状態に遷移したときに、記憶部13から次にデコードすべき壁紙ファイルを読み出してデコードし、折畳式筐体が開状態に遷移したことを検知した場合や、通信や操作画面を終了したときなど待受画面を表示すべきときに、デコードして得た画像をメイン表示部171に壁紙表示する機能を持つ。また、閉状態を検出したときには、サブ表示部172に必要最低限の表示を行う。
デコード処理部123は、後述するデコードタスクならびに本発明により付加される壁紙デコード専用タスクを実行し、表示制御部124は、表示制御タスクを実行し、ファイルシステム制御部125は、ファイルシステムタスクを実行する。
なお、主制御部120は、制御中枢となり、上記した各ブロック121〜125のシーケンス制御を司る。また、上記した各ブロック121〜125がそれぞれ持つ機能は、主制御部120を構成するCPU資源が割り当てられるタスク、ここでは、アプリケーションタスク131、表示制御タスク132、ファイルシステム制御タスク133、デコードタスク134、デコード専用タスク135を実行することにより実現される。
図2に、(a)従来におけるタスク構成と、(b)本発明において用いられるタスク構成とを対比して示してある。
ここでは、待受画面で壁紙を表示する等の判定を行うタスクをアプリケーションタスク131、メイン表示部171における待受画面の表示と、サブ表示部172における時計表示の制御を行うタスクを表示制御タスク132、JPEG等の圧縮ファイルを管理するタスクをファイルシステム制御タスク133、JPEG等の圧縮ファイルをRBGデータにデコード変換するタスクをデコードタスク134、デコード専用タスク135として記憶部13に記憶し、マルチタスク処理を実行する。
図2から明らかなように、本発明ではJPEG等の壁紙圧縮ファイルをRBGデータにデコード変換する壁紙デコード専用タスク135が付加され記憶部13に記憶されている。
マルチタスク構成では、複数のタスクと呼ばれる処理単位を待ち、それらに優先順位が割り付けられ、処理する順序が定義されている。優先順位がもっとも低いタスクに処理が割当てられた場合は、他に処理すべき仕事がないことを意味する。
なお、上記した各ブロック120〜125がそれぞれ持つ機能は、記憶部13に記憶されるタスクを制御部12で実行することにより達成されるものであって、制御部12内において実体的に他のブロックと区分され内蔵されるもののみを指すのではなく、あくまで説明の簡略化のために各処理部を分けて表現したものである。
一方、記憶部13は、上記したタスクの他に、デコード処理部123により参照される壁紙ファイルリスト136、および複数の壁紙ファイル137があらかじめ記憶される。壁紙ファイルリスト136には、用意された複数の壁紙ファイル137を切替えて待受画面として順に表示させるときのためにその切替え順序が設定され、ユーザが操作部18を操作することにより記憶部1への登録が可能である。
記憶部13には、他に、制御部12において処理に利用される不図示の各種のデータが記憶される。例えば、制御部12に備わるコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータなどを保持する。
なお、上記した記憶部13は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
また、音声処理部14は、SP15から出力される音声信号やMIC16において入力される音声信号の処理を行う。すなわち、MIC16から入力される音声を増幅し、アナログ−デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部12に出力する。
また、制御部12から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してSP15に出力する。
表示部17は、筐体を閉じた時にかくれ、開いたときに露出するメイン表示部171と、筐体を閉じていても外側に露出するサブ表示部172とから成り、いずれも、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの表示デバイスを用いて構成されており、制御部12から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
メイン表示部171には、例えば、発信時における発信先の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、バッテリ残量、発信成否、メニュー画面、待ち受け画面などの各種の情報や画像を、サブ表示部172には、日付や時刻等を表示する。
また、操作部18は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部12に入力する。
ところで、壁紙とは、通信部による通信(バックグラウンド動作を除く)を行っておらず、ユーザからの操作が生じていない場合に、ユーザからの操作を待ちうけている場合に表示されるものである。壁紙の表示切替えは、壁紙を表示する画面(筐体が開いている状態での待ち受け画面)から表示しない画面(筐体が閉じている状態での非待受画面)に切り替わり、再度、壁紙を表示する画面(筐体が開いている状態に遷移して待受画面を表示すべき状態)に戻ってきた場合に発生する。従来は、壁紙表示を行うタイミング、すなわち、待受画面に戻ったところで、次に表示すべき壁紙ファイルを読み出してデコードを行っていたため、このデコードに要する時間が壁紙画像として表示されるまでの表示応答遅れとして表面化していた。
その表示応答時間に要する処理の少なくとも一部を事前に実行していれば、待受画面に戻った時点で即時に壁紙表示が可能であるはずである。このため、本発明においては、非待受画面において、制御部12を構成するCPUの処理の空き時間が存在するところに着目して上記した処理を実行し、かつ、非待受画面で今まで行っていた処理に影響は与えないようにしたものである。
図3は、本発明の実施の形態にかかわる携帯端末装置の動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。ここでは、アプリケーション実行制御部122(アプリケーションタスク131)、表示制御部124(表示制御タスク132)、ファイルシステム制御部125(ファイルシステム制御タスク133)、デコード処理部123(デコードタスク134)におけるそれぞれの動作の流れが示されている。
以下、図3に示す動作シーケンス図を参照しながら、本発明の実施の形態にかかわる携帯端末装置の動作について説明する。この例では、筐体の開閉に連動してデコードする場合について説明を行う。
ここでは、壁紙デコード専用タスク135の処理優先順位を2番目に低く設定している。最も低い優先順位が割当てられているタスクは、メイン表示部171やサブ表示部172へ時刻表示を行う表示制御タスク132のように、他に何も操作処理が生じていないときに、処理を発生させるタスクである。他、スクリーンセーバのように、無操作が継続してはじめて起動されるアプリ等でもよい。
壁紙デコード処理は、新しく追加された壁紙デコード専用タスク135経由で行う。アプリケーションプログラム実行制御部121は、待受画面の表示可能な状態から待受画面の表示不可能な状態に切替った際、すなわち、筐体開閉検知部121が、折り畳み式筐体が閉状態に遷移したことを検知した(ステップS300)ときに、デコード処理部123に対して壁紙用デコード要求を発行する(ステップS301)。
この後、処理優先順位に則って各種タスクを主制御部120は処理を続け、処理優先順位が、壁紙デコード専用タスクの番になると、デコード処理部123は、他に優先タスクの処理要求が無い場合に限り、ファイルシステム制御部125に制御を移す(ファイルシステム制御タスク133にCPUを割当てる)。このことにより、ファイルシステム制御部125は、次に表示すべき壁紙ファイル137を予めユーザ操作により登録しておいた壁紙ファイルリスト136から選出する(ステップS302)。
上記した処理中、CPUの空き時間が発生すると(すなわち、主制御部120にとって、他に優先順位の高いタスクがなくなると)、ファイルシステム制御部125は、デコード処理部123へ選出したファイルの情報を引き渡す。
このことにより、デコード処理部123は、記憶部13から選出されたファイルである壁紙用のJPEG等の圧縮ファイル137を読み出し、伸長し、さらにRGB画像データに変換するデコード処理を実行してアプリケーションプログラム実行制御部122へ引き渡す(ステップS304)。
なお、この段階で2番目に処理優先順位の低いタスクである壁紙デコード専用タスクの処理が完了するため、この例では最も低いタスクである表示制御タスク132の処理として、サブ表示部172に、時刻などの表示を行わせるよう処理する(図示略)。その後、アプリケーションプログラム実行制御部122は、待受画面の表示不可能な状態から待受画面の表示可能な状態へ遷移したとき、すなわち、筐体開閉検知部121が、折畳式筐体が閉状態から開状態に変化したことを検知したとき(ステップS305)に、表示制御部124にデコード処理したファイルに関する壁紙RGBデータ表示要求を発行し(S306)、表示制御部124は、これを受けて壁紙RGBデータを不図示の表示メモリへ描画し、表示部17(メイン表示部141)に表示する。そして、表示制御部124は、アプリケーションプログラム実行制御部122へ完了通知を発行して壁紙デコード処理を終了する(ステップS307)。
以上説明のように、壁紙デコード専用タスク135の処理優先順位を2番目に低く設定することで、他に処理すべき優先タスクがない場合に限りCPUが割当てられる仕組みを構築できる。なお、一番処理優先度の低いタスクは固定であり、他に処理すべきタスクがない場合に限りCPUが割当てられるタスクになる。
なお、非待受画面の処理において、壁紙デコード専用タスク135の処理中に他の処理が発生した場合は、優先順位の高い処理に移るため、壁紙デコード専用タスク135は一時処理中断状態になる。再度、他のタスクがなくなった時点で中断状態を抜け出し、処理を再開する。このことにより、CPUの空き時間を利用したデコード処理を実現する。
なお、筐体状態が閉状態となってから、すぐさま開かれるなどして待受画面を表示しなければならなくなったときに、CPUの空き時間中に壁紙デコード処理が完了しなかった場合も待受画面を表示させる表示制御タスクよりも壁紙デコード専用タスクの方が処理優先度が高いため、表示制御部124は、デコード処理の完了を待ってから表示を行う。
すなわち、アプリケーションプログラム実行制御部122は、筐体開閉検知部121が、折畳式筐体が閉状態にあることを検知した場合に、デコード処理部123を起動することによって記憶部13から壁紙ファイルを読み出しデコード処理を実行するが、当該デコード処理が完了する前に、筐体開閉検知部121が、筐体が開状態に遷移したことを検知した場合に、デコードの終了を待ち、当該デコードして得られる画像の壁紙表示を行なわせるように制御する。
図4に比較対象の意味で壁紙デコード専用タスクを設定しない例として壁紙デコードのタスク間遷移図を示した。図4のタスク間遷移図によれば、アプリケーションタスク131は、折畳式筐体の開閉に伴い待受画面の表示可能な状態から待受画面の表示不可能な状態へ、そして、待受画面の表示不可能な状態から待受画面の表示可能な状態へ遷移したことを契機に切り替用壁紙デコード処理が開始される。
具体的に、アプリケーションタスク131は、ファイルシステム制御タスク133を起動して壁紙用JPEGファイル読み出し(S401)、ファイルシステム制御タスク133から完了通知を受け取る(S402)。続いて、アプリケーションタスク131は、デコードタスク134を起動してJPEGファイルのデコード要求を発行し(S403)、デコードタスク134から完了通知を受け取る(S404)。そして、アプリケーションタスク131は、表示制御タスク132に対して壁紙データ表示要求を発行し(S405)、表示制御タスク132から完了通知を受け取って新しい壁紙の表示が完了する(S406)。
図4中、符号Yで示されるように、JPEGなどの圧縮ファイルの読み出し、およびデコードに要する時間(S401〜S404)が、そのまま壁紙表示までの時間に対する遅延となって現れる。
これに対し、図3に示す本発明の実施形態に基づく携帯端末装置の動作シーケンス図によれば、壁紙デコード専用タスク135の処理の優先順位を2番目に低く設定することで、他に処理するタスクがある場合はそのタスクを優先して処理を行い、他に処理するタスクが無い場合にCPUが割当てられる仕組みを構築し、あくまでJPEG等の圧縮ファイルの読み出し、およびデコード処理を、他に処理するタスクがない場合に実行することで、他の処理の妨げにならないタイミングを見はからって壁紙表示の準備を事前に行うことができる。
したがって、空き時間中にすべての圧縮ファイルの読み出し、圧縮ファイルのデコードが完了すれば、これらに要する時間分だけ表示応答時間を短縮することができる。万が一、空き時間があまり取れず、すべての処理が完了しなかったとしても、空き時間中に行った処理分は従来のデコード処理より短縮することができ、CPUの空き時間を効率的に利用することが可能である。
以上説明のように、従来、待受画面において、壁紙の表示が必要なタイミングになってからデコード処理を行っていたため、その分、壁紙表示までのタイムラグが発生していたが、本発明の実施の形態にかわる携帯端末装置によれば、CPUの空き時間に壁紙デコード処理を行うことにより、より効果的なCPUの利用ができ、かつ、壁紙切り替えの高速化も実現できる。今後、スライドショーなどの静止画像を一定時間で表示を切り替えるようなケースにおいても、この空き時間を利用したデコード処理は有効に活用できることが期待できる。
なお、本発明は、CPUの空き時間の例として、複雑な操作の生じることが無いことが特定できる状態であればよい。本実施例では、折畳構造の筐体を有する携帯電話における、筐体を閉じた状態をこの例の一つとして示したが、これに限定されるものではない。すなわち、たとえ筐体が開状態であろうとも、操作部18による操作が所定時間生じていない場合に、一般には省電力モード(表示器を消灯したり、キーの照明を消したりする。)に移行する。この省電力モードについては、何らかのキー操作が生じると通常モードに復帰するよう制御される。すなわち、省電カモード時にはキー操作が生じないために新たなアプリケーションプログラムの処理が生じにくい。よって、本発明は開閉状態を検知することに代えて、キー操作が所定時間生じていない状態が生じたかどうかを検出するように構成してもよい。この手法によっても、ユーザにとって、見た目上は処理負荷面での悪影響は全く無く、なおかつ、ユーザによるキー操作が生じて待受画面に復帰した際には応答良く待受画面の表示処理に遷移することができる。このように、デコード開始のトリガを筐体の開閉状態に連動させる以外の構成であっても良い。この例によれば、折り畳み式以外のスライド式(メイン表示部が露出したまま一方の筐体片に対して他方の筐体片が摺動して開閉可能なタイプ)や、ターン式(メイン表示部が露出したまま一方の筐体片に対して他方の筐体片が回動して開閉可能なタイプ)、さらにはストレート式やフリップ式の携帯電話機においても処理負荷の軽いときにデコード処理が行え、次に待受画面を表示するときの応答性が良い。
また、折り畳み式以外のスライド式、ターン式の携帯電話機の場合には、筐体が閉状態のときに省電力のために表示部を消灯していても、開状態、閉状態の状態に変化が生じたときに即、待受画面を表示させるように構成されることが多い。よって、閉状態、開状態のいずれにおいても無操作状態が所定時間継続して節電モードに移行する際に、上述したデコード処理をしておけば、開閉状態の遷移が生じたときに待ち時間無く壁紙を待受画面として表示させることが出来る。
なお、上記した本発明の実施の形態によれば、携帯端末装置として携帯電話を例示したが、携帯電話に限らず、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機等にも同様に適用が可能である。また、本発明の携帯端末装置が持つ各構成ブロックの機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、制御部12における処理や、通信部11、音声処理部14におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
本発明の実施の形態にかかわる携帯端末装置の内部構成を示すブロック図である。 従来におけるタスク構成と、本発明の実施の形態において用いられるタスク構成とを対比して示した図である。 本発明の実施の形態にかかわる携帯端末装置の動作を説明するために引用した動作シーケンス図である。 従来の携帯端末装置のデコード処理実行時におけるタスク遷移図である。 従来の携帯端末装置による通常の壁紙表示手順を説明するために引用したフローチャートである。 従来の携帯端末装置によるRAMを利用した壁紙表示手順を説明するために引用したフローチャートである。 図5、図6に示した従来例において必要となる壁紙領域を対比して示した図である。
符号の説明
11…通信部、12…制御部、13…記憶部、14…音声処理部、15…スピーカ(SP)、16…マイク、17…表示部(メイン表示部171、サブ表示部172)、18…操作部、120…主制御部、121…筐体開閉検知部、122…アプリケーション実行制御部、123…デコード処理部、124…表示制御部、125…ファイルシステム制御部、131…アプリケーションタスク、132…表示制御タスク、133…ファイルシステム制御タスク、134…デコードタスク、135…壁紙デコード専用タスク、136…壁紙ファイルリスト、137…壁紙ファイル

Claims (5)

  1. 複数の筐体片が開状態閉状態を形成可能に接続される筐体と
    複数の壁紙がそれぞれファイルとして格納される記憶部と、
    閉状態にて隠され、開状態にて露出するよう前記筐体に設けられる第1表示部と、
    前記筐体を閉状態から開状態に遷移する毎に、前記複数の壁紙のうちの異なる壁紙を前記第1表示部に表示させるよう制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記筺体が閉状態となると、前記記憶部から次に表示すべき壁紙のファイルを読み出してデコードし、前記筺体が開状態に遷移したことを検知した場合に、前記デコードして得られる画像を前記第1表示部に壁紙表示する
    ことを特徴とする携帯端末装置。
  2. 前記制御部は、
    前記壁紙ファイルを読み出してデコードするデコードタスクと、前記デコードして得られる画像を壁紙表示する表示制御タスクと、を含む複数のタスクを優先順位に従って実行可能であり、
    前記デコードタスクは、他のタスクよりも優先順位が低く、
    前記表示制御タスクは、前記デコードタスクよりも優先順位が低く設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
  3. 前記制御部は、
    前記筐体が閉状態となり、前記デコードタスクよりも上位の優先順位のタスク処理が無くなると前記デコードタスクを実行し、当該デコードタスクによるデコードが完了すると前記表示制御タスクを実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
  4. 閉状態においても露出するよう前記筐体に設けられる第2表示部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記表示制御タスクを実行する際、前記筐体が閉状態ならば前記第2表示部に時計表示を行わせ、前記筐体が開状態ならば前記第1表示部に前記デコードタスクによりデコードされた壁紙の表示を行わせる請求項3に記載の携帯端末装置。
  5. 操作部と、
    複数の壁紙がそれぞれファイルとして格納される記憶部と、
    前記筐体に設けられる表示部と、
    待受画面を表示する毎に、前記複数の壁紙のうちの異なる壁紙を前記表示部に表示させるよう制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記操作部における操作が無い状態が所定時間継続すると前記表示部の表示を消し、前記表示部の表示を消した状態にて前記記憶部から次に表示すべき壁紙のファイルを読み出してデコードし、次に前記表示部に待受画面を表示させる際には前記デコードして得られる画像を前記表示部に壁紙表示する
    ことを特徴とする携帯端末装置。
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