JP2008158260A - レンズ鏡筒およびレンズ鏡筒の偏芯調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズ枠(第1の枠)25の外周面25Sに対向し、互いに略直交したフランジ片241a−4、241a−5が保持枠(第2の枠)241に形成される。これらのフランジ片は光軸O方向に突出した第1、第2の対向面部を有し、対向面部とレンズ枠の外周面との間にローラ部材30がそれぞれ配置される。寸法の異なるローラ部材が用意され、調整装置の測定結果から対応する寸法のローラ部材が使用される。第1、第2の対向面部と等角的に位置するフランジ片241a−6のねじ穴に皿ねじ(付勢部材)32が螺着され、そのテーパ面がレンズ枠のフランジ25aを押圧し、レンズ枠を光軸と直交する方向に移動させ一対のローラ部材に当接させて偏芯調整がなされる。
【選択図】図4
Description
たとえば、特開平2002−318336号公報には、2つのレンズ枠の間に連結板を配置し、3本のねじ(ビス)を締付けながら2つのレンズ枠の間で光軸ずれの調整(偏芯調整)を行う構成が記載されている。
また、本発明は、一定の品質や良好な作業効率のもとで行えるレンズ鏡筒の偏芯調整方法の提供を別の目的としている。
図1に示すように、レンズ鏡筒10はその端部にレンズマウント12を備え、レンズマウントをカメラ本体(図示しない)のボデイマウントにバヨネット結合してレンズ鏡筒がカメラ本体に装着される。円環形状の裏蓋14がレンズマウント12に結合されて、後方(図1の右方)から入射する有害光をカットしている。
レンズマウント12は固定筒16にねじ止めされ、さらに、固定筒に案内筒18がねじ止めされている。
第5のレンズ群L5は筒状のレンズ枠(第5レンズ枠)25に保持され、第5レンズ枠はレンズ保持枠241にねじで結合されているため、ズーミング時にレンズ保持枠241と一体的に光軸に沿って移動する。
すなわち、レンズ枠25は、径方向に突出して一体成形されたフランジ25aをその外周面の対向端部に有している。また、保持枠241は、円周方向に離間し、径方向に突出した断片的な6つのフランジ片241a−1ないし241a−6を有し、フランジ片241a−1ないし241a−3にはねじ穴241bが光軸O方向に形成されている。そして、フランジ片241a−4、241a−5にもねじ穴241cが光軸O方向に形成され、さらに、フランジ片241a−6にもねじ穴241dが光軸O方向に形成されている。これに対して、レンズ枠のフランジ25aは欠けのないリング形状(円周フランジ)となっている。
そして、円周方向において、第1、第2の対向面部を有するフランジ片241a−4、241a−5の間に、フランジ片241a−1、241a−2、241a−3の内の1つが配置されている。実施例では、フランジ片241a−1がその間に配置されている。
一対のローラ部材30として外径寸法の異なるものが用意され、偏芯測定結果に基づいて対応する寸法の一対のローラ部材30が選択されて装着される。たとえば、20μずつ外径寸法の相違する数種類のローラ部材が用意される。ローラ部材30は、たとえば中空形状とされる。一対のローラ部材30として、互いにその外径寸法が異なるものや、同径寸法のものが選択される。
まず、裏蓋14のない状態で組立てられた略組立て完了手前のレンズ鏡筒10において、平底ねじ(平頭ねじ)からなる3本のレンズ枠固定用のねじ34aを保持枠241のフランジ片241a−1ないし241a−3のねじ穴241bに緩く螺着し、頭部の平らな底でレンズ枠のフランジ25aを押えてレンズ枠25を保持枠241に仮止めする。それから、一対のローラ部材30を保持枠のフランジ片241a−4、241a−5の第1、第2の対向面部それぞれの間に配置し、平底ねじからなる2本のローラ部材固定用のねじ34bを保持枠のフランジ片241a−4、241a−5のねじ穴241cに螺着し、頭部の平らな底でローラ部材を押えて仮止めする。
フランジ片241a−4、241a−5の第1、第2の対向面部の対向平面241fは、たとえば、略90°交差する2つの面形状とされるが、ローラ部材30をレンズ枠のフランジ25aとの間に挟持する形状であればよい。
光軸のずれ(偏芯)は調整装置で測定され、偏芯測定結果に基づいて必要であればローラ部材30が対応する寸法(外径)のものと交換される。このとき、皿ねじ32を一旦緩めてローラ部材30を取り出し、ローラ部材が交換された後、皿ねじ32を締付けて光軸Oと直交する方向にレンズ枠25を移動させることにより、光軸ずれが調整される。
その後、ローラ固定用のねじ34bを締付けてローラ部材30をフランジ片241a−4、241a−5の第1、第2の対向面部とレンズ枠の外周面25Sとに挟まれた位置に固定するとともに、レンズ枠固定用のねじ34aを締付けてレンズ枠25を保持枠241に固定することにより、レンズ枠、保持枠が偏芯調整された状態で結合される。
これに対して、実施例では、レンズ鏡筒10内にローラ部材30を対向面部241a−4、241a−5に載置して保持させ、その後に、ローラ部材を抑え込むように固定用のねじ34bをねじ穴241cに螺着することにより、レンズ鏡筒内でのねじやローラ部材の脱落を防ぐことができ、高い作業効率が確保できる。
たとえば、フランジ片241a−1ないし241a−6の配置は一例であり、これに限定されない。図4に示すように、皿ねじ(付勢部材)40は、第1、第2の対向面部241a−4、241a−5と円周方向に等角的に位置して第1、第2の対向面部のローラ部材30にレンズ枠(第1の枠)25を均等に付勢、押圧しており、この構成が好ましいとはいえ、第1、第2の対向面部に対して非等角的な位置に皿ねじを設けたものも本発明に含まれる。
14 裏蓋
24 第4レンズ枠
241 第4レンズ枠の保持枠(第2枠)
241a−1ないし241a−6 フランジ片
241b ねじ穴
241c ねじ穴
241d ねじ穴
241e 保持枠の端面
241f 対向平面
25 第5レンズ枠(第1枠)
25a フランジ(周面フランジ)
25S 第5レンズ枠の外周面
30 ローラ部材
32 付勢部材(皿ねじ)
34a レンズ枠固定用のねじ
34b ローラ固定用のねじ
L1ないしL5 第1ないし第5のレンズ群
Claims (7)
- 第1の枠と、
上記第1の枠の外周面に対向する第1、第2の対向面部を有する第2の枠と、
上記第1、第2の枠との間に設けられ、上記第1の枠を上記第2の枠の第1、第2の対向面部方向に付勢する付勢部材と、
上記第1の枠の外周面と上記第2の枠の第1、第2の対向面部それぞれとの間に挟まれる一対のローラ部材と、
を具備することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 上記第2の枠の第1、第2の対向面部は、互いに略直交した位置に設けられている請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 上記第2の枠の第1、第2の対向面部は上記第2の枠と一体に形成され、上記一対のローラ部材が上記第2の枠に保持されている請求項1または2記載のレンズ鏡筒。
- 上記付勢部材は皿ねじからなり、上記第1の枠の外周面に設けられた円周フランジを該皿ねじのテーパ面で押圧して、上記第1の枠を上記一対のローラ部材にそれぞれに当接させる請求項1〜3のいずれか記載のレンズ鏡筒。
- 上記ローラ部材は当該レンズ鏡筒の外部から挿脱可能である請求項1〜4のいずれか記載のレンズ鏡筒。
- 光軸方向に沿って結合されるレンズ鏡筒の第1、第2の枠の偏芯調整方法において、
選択された外径寸法の一対のローラ部材に第1の枠を付勢部材で付勢して一対のローラ部材と付勢部材との三点で第1の枠を保持して第2の枠に対する第1の枠の偏芯を調整するレンズ鏡筒の偏芯調整方法。 - 一対のローラ部材と付勢部材とは、第1の枠のフランジに対向して第2の枠に設けられ、付勢部材は第2の枠の端面に螺着される皿ねじであり、皿ねじのテーパ面が第1の枠のフランジを押圧して第1の枠を光軸と直交する方向に移動させる請求項6記載のレンズ鏡筒の偏芯調整方法。
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