JP2008158061A - 眼鏡用洗浄剤及び眼鏡用洗浄シート - Google Patents

眼鏡用洗浄剤及び眼鏡用洗浄シート Download PDF

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Abstract

【課題】指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏する洗浄剤を提供することを課題とする。
【解決手段】低級アルコールと水とが混合されてなるアルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を有効成分とする水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、眼鏡用のガラスやプラスチックレンズの表面の指紋等の皮脂汚れ、特に汚れてから長時間経過した皮脂汚れに対しても洗浄後に白い拭きむらの跡が残ることのない、皮脂汚れを完全に除去することの可能な水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤及び該眼鏡用洗浄剤を含浸させた眼鏡用洗浄シートに関する。
ガラス又はプラスチック等で形成された光学レンズが、種々の分野で使用されており、特に、眼鏡レンズとして、日常的に使用されているが、人体に至近距離で接触する眼鏡は、直接外界と接しているため、空気中の微細な埃等が付着しやすく、特に、汗や涙等の飛沫が付着しやすい。さらに、眼鏡をかける顔面上側部(鼻部から額部にかけて)は、皮脂の分泌量が非常に多い部分であり、汗に含まれる皮脂が付着したり、レンズ表面に指が触れたりして、皮脂汚れが生じることが多い。
そもそも皮脂汚れや涙等の飛沫は、脂質(例えば、トリグリセリド、ワックスエステル、遊離脂肪酸等を含有)、蛋白質の他に生体成分をも含む複雑な成分であり、これらが乾燥した場合、極めて頑固な汚れとなり、視界を妨げる原因となっている。また、眼鏡のフレーム等にも皮脂汚れが付着しやすい。
従来、ガラス、プラッスチック等の洗浄剤の成分として、界面活性剤、有機酸塩又は無機酸塩が常用されているが、これらは、洗浄後の表面に残留物となり、拭きむらの原因となっている。
一方、拭きむらの原因となる成分を含有しない脱脂洗浄剤として、例えば、グリコールエーテル及びアルコールを組み合わせた溶剤と水を配合した水系洗浄剤(特許文献1)やアルコール系洗浄剤(特許文献2)等が用いられているが、これら脱脂洗浄剤は、洗浄力が強いばかりか、場合によってはプラスチックや天然物(鼈甲やセルロイド等)で形成された眼鏡やフレームに悪影響を与える恐れがある。
そのため、従来からこのようなレンズやフレームの表面の有機物系の多い汚れを除去するために、例えば、柔らかい布や紙等に各種有機溶媒、低沸点アルコール及び水等の混合溶液からなる洗浄剤(例えば、特許文献3)を浸し、レンズ表面を傷つけないように拭うことで表面を清浄にしており、汚れの程度に応じて有機溶媒や水、アルコールの混合液を適用し、さらに指によるソフトなタッチで汚れを除去している。
しかし、従来の洗浄剤では、一般的な埃等の汚れに対しては洗浄効果を有するものの、指紋等の皮脂汚れ、特に汚れてから時間が経過した皮脂汚れに対しては、洗浄後に白い拭きむらの跡が残る等、皮脂汚れを完全に除去することが困難であるという問題があった。
これは、指紋等の皮脂汚れが、脂質、蛋白質の他に生体成分をも含む複雑な成分であり、汚れてから時間が経過し、水分が蒸発した皮脂汚れは、アルコールや界面活性剤を用いてもレンズ表面から完全に引きはがすことができず、拭き取りの際に残った汚れが引き延ばされるために、白い拭きむらが残ると考えられている。
特開平11−199896号公報 特開平9−025496号公報 特開平11−349994号公報
本発明は、上記状況に鑑み、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対して優れた洗浄効果を奏する水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤及び眼鏡洗浄用シートを提供することを課題とする。
また、本発明では、拭きむらが残らず、眼鏡レンズや眼鏡フレーム等に用いられている樹脂等へ悪影響(例えば、レンズの溶解等)が無く、安全な、水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤及び該眼鏡用洗浄剤が、吸液シートに含浸された眼鏡用洗浄シートを提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アルコール水溶液、ジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を組み合わせることにより、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏する水性組成物からなる洗浄剤を見出し、本発明を完成した。
本発明は、低級アルコールと水とが混合されているアルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を有効成分とする水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤を提供する。
上記眼鏡用洗浄剤組成物においては、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテルとグリコールエーテル系化合物が組み合わされ、さらに、アルコール水溶液に配合されることで、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏し、かつ、拭きむらが残ることが抑制される。
本発明は、以下の構成を基本とする。
(1)低級アルコールと水とが混合されてなるアルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を有効成分とする水性組成物からなることを特徴とする眼鏡用洗浄剤。
(2)上記組成物中、ジアルキルエーテルが、1〜5重量%(組成物基準)及びグリコールエーテル系化合物が5〜10重量%(同)が配合されてなることを特徴とする(1)に記載の眼鏡用洗浄剤。
(3)上記低級アルコールが、炭素数1〜4の1級及び2級アルコールよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の眼鏡用洗浄剤。
(4)上記ジアルキルエーテルが、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の眼鏡用洗浄剤。
(5)上記グリコールエーテル系化合物が、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の眼鏡用洗浄剤。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の眼鏡用洗浄剤が、吸液シートに含浸されてなることを特徴とする眼鏡用洗浄シート。
(7)含浸率が20〜110%であることを特徴とする(6)に記載の眼鏡用洗浄シート。但し、含浸率(%)は、(眼鏡用洗浄剤の重量/吸液シートの重量)×100で算出される。
本発明の眼鏡用洗浄剤では、上記ジアルキルエーテルが1〜5重量%(洗浄剤組成物基準、以下同じ)及び上記グリコールエーテル系化合物が5〜10重量%となるように配合されていることが好ましい。
本発明の水性組成物からなる洗浄剤においては、上記配合量に特定することで、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏し、かつ、拭きむらが残ることが抑制される。
本発明の水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤においては、上記低級アルコールは、炭素数1〜4の1級及び2級アルコールよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であり、上記ジアルキルエーテルは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であり、上記グリコールエーテル系化合物は、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。
上記組成の眼鏡用洗浄剤では、より一層指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏し、かつ、拭きむらが残ることが抑制される。
また、本発明では、本発明の眼鏡用洗浄剤が、吸液シートに含浸されてなる眼鏡用洗浄シートを用いて、レンズ等の洗浄を行えば、拭き取り後の乾燥が促進され、拭きむらの残ることがなくなる。
本発明の眼鏡用洗浄シートにおいては、含浸率は、20〜110%が好ましい。
なお、含浸率は、[(眼鏡用洗浄剤の重量/吸液シートの重量)×100%]で算出される。
含浸率が、20〜110%であれば、皮脂汚れに対する洗浄効果に優れ、且つより一層拭き取り後の乾燥が促進され、拭きむらが残ることが抑制される。
本発明の水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤は、アルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物が含有されていることで、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果があり、本発明の眼鏡用洗浄剤を用いたときに適宜のシートを用いた拭き取りの際も拭きむらが残ることが抑制される。
また、本発明の水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤は、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び該レンズを固定するため樹脂等で形成された眼鏡フレーム等に対して、樹脂部の溶解や白濁等の悪影響を及ぼさない。
また、本発明の上記組成の眼鏡用洗浄剤が、吸液シートに含浸された眼鏡用洗浄シートを用いた場合でも、拭いた後の乾燥性が良好でかつ拭きむらが残らない。
さらに、本発明の眼鏡用洗浄シートは、簡便な密閉容器等に入れることにより、使い捨てができ、且つ持ち運びが便利な眼鏡用のウエットワイパーとして利用できる。
以下、本発明の水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤について詳細に説明すると、本発明の眼鏡用洗浄剤は、低級アルコールと水とが混合されてなるアルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物が含有されているものである。
上記水性組成物において使用する低級アルコールは、レンズ表面に付着した皮脂汚れの除去に作用するのに有用で、1種又は2種以上が混合されているが、低級アルコールとしては、炭素数1〜4の1級及び2級アルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等が挙げられるが、適宜、1級アルコール同士、2級アルコール同士又は1級アルコールと2級アルコールとの混合物を使用すればよい。
また、上記低級アルコールは、本発明の水性組成物からなる眼鏡洗浄剤の主要成分となるもので、65〜90重量%(洗浄剤組成物基準)(以下、同じ)使用する。
さらに、アルコール水溶液の補助成分として5〜20重量%程度使用する水は、イオン交換水や精製水等が好ましく、ここで、水を用いるのは、レンズ表面に付着した汚れには、水可溶性の汚れ(例えば、涙等に含まれる塩分等)もあるため、水可溶性の汚れを除去するためでもあり、アルコール水溶液として用いても、レンズ表面に付着した皮脂汚れ及びレンズ表面に付着した水可溶性の汚れを除去することができる。また、洗浄後のレンズ表面の乾燥を促進する作用がある。
上記組成の洗浄剤中における低級アルコールと水との配合量は、適宜調整することができるが、好ましくは低級アルコールが65〜90重量%、特に好ましくは75〜85重量%、水は5〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%の範囲で調整できる。
低級アルコールと水との配合量が上記範囲内であれば、皮脂汚れ及び水可溶性の汚れの除去が良好となり、また、洗浄後のレンズ表面の乾燥も促進される。
上記ジアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が2以上のものが用いられる。 該ジアルキルエーテルとして具体的には、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−sec−ブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテルが挙げられる。 これらの中でも、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルが好ましい。上記ジアルキルエーテルは、1種又は2種以上が混合されて使用される。
ジアルキルエーテルは、上記低級アルコールでは、除去することが困難な皮脂汚れを除去するために配合される。
上記ジアルキルエーテルの配合量は、1〜5重量%が好ましい。
上記ジアルキルエーテルの配合量が上記範囲内であれば、低級アルコールでは除去することが困難な皮脂汚れの除去が促進される。
本発明におけるグリコールエーテル系化合物として具体的には、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが挙げられる。
これらの中でもプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルが好ましい。
上記グリコールエーテル系化合物は、1種又は2種以上が混合されて使用される。
グリコールエーテル系化合物は、主に、レンズ表面に付着した強固な皮脂汚れをレンズ表面から浮き上がらせる作用をするものと考えられる。
上記グリコールエーテル系化合物の配合量は、5〜10重量%が好ましい。
グリコールエーテル系化合物の配合量が上記範囲内であれば、レンズ表面に付着した強固な皮脂汚れをレンズ表面から浮き上がらせる作用が促進されるものと考えられる。
本発明では、低級アルコールに対して上記ジアルキルエーテルと上記グリコールエーテル系化合物を組み合わせることで、低級アルコール単独では、除去することが困難であった強固な皮脂汚れの除去が促進される。
このメカニズムは、上記グリコールエーテル系化合物が、レンズ表面に付着した強固な皮脂汚れをレンズ表面から浮き上がらせ、次いで、上記ジアルキルエーテルで皮脂汚れが除去されるものと考えられる。
また、ジアルキルエーテルとグリコールエーテル系化合物との配合量を上述のような所定の範囲としたのは、これらの化合物等は、樹脂を溶解させる力が強いため、例えば、配合量の調整なくプラスチックレンズ等に用いた場合、レンズ自体が溶解し白濁するおそれがあるためである。
さらに、アルコール水溶液を上述のような所定量配合することで、ジアルキルエーテルとグリコールエーテル系化合物とを組み合わせることで得られる皮脂汚れの洗浄能力を残しつつ、レンズ自体の溶解をより一層抑制できるのである。
本発明の水性組成物からなる眼鏡用洗浄剤は、上記アルコール水溶液、上記ジアルキルエーテル及び上記グリコールエーテル系化合物が配合されている。
具体的な処方でいえば、エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−プロピルエーテルと、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルとが配合されたもの;エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−プロピルエーテルと、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルとが配合されたもの;エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−プロピルエーテルと、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルとが配合されたもの;エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−ブチルエーテルと、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルとが配合されたもの;エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−ブチルエーテルと、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルとが配合されたもの;エタノールとiso−プロピルアルコールと水とが混合されたアルコール水溶液と、ジ−n−ブチルエーテルと、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルとが配合されたもの等が挙げられる。
なお、低級アルコール、水、ジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物の配合量は、100重量%となるように上記のように記載した範囲内で適宜調整することができる。
本発明の上記組成の眼鏡用洗浄剤には、さらに、他の有機溶媒(例えば、ケトン系溶媒等)や香料等を適宜配合することができる。
他の有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン等が挙げられる。
なお、他の有機溶媒の配合量としては、本発明の眼鏡用洗浄剤の効果を低下させず、且つ、洗浄対象物に悪影響(例えば、プラスチックレンズの溶解等)を与えない範囲で適宜調整することができる。配合量としては、眼鏡用洗浄剤に対して0.01〜1重量%が好ましい。
本発明の眼鏡用洗浄剤は、所定量の低級アルコール、水、ジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を混合し、攪拌することで製造できる。混合する順序等に特に決まりはなく、適宜混合させることにより容易に製造することができる。
また、上記得られた眼鏡用洗浄剤を、適宜の吸液シートに含浸することにより眼鏡用洗浄シートを作製する。このときに用いる吸液シートは、不織布、綿、織物、編物、紙等が挙げられる。
本発明の眼鏡用洗浄剤を含浸させた不織布等からなる眼鏡用洗浄シートによって、該眼鏡用洗浄剤でレンズ表面から浮き上がらせた各種汚れが、シートを構成する繊維等に吸着され、洗浄効果がより一層向上すると共に、余分な洗浄剤も除かれるため、拭きむらが残ることなく且つレンズの乾燥が促進される。
本発明の眼鏡用洗浄シートは、各種のパウチ容器等に入れて密閉することにより、使い捨てができ、且つ持ち運び自在な眼鏡用のウエットワイパーとして利用することができる。
本実施形態の眼鏡用洗浄シートにおいては、含浸率が20〜110%が好ましく、40〜70%がより好ましい。
含浸率が上記範囲内であれば、皮脂汚れに対する洗浄効果に優れ、且つより一層拭き取り後の乾燥が促進され、拭きむらが残ることが抑制される。
本発明の眼鏡用洗浄剤は、指紋汚れ等の強固な皮脂汚れに対しても優れた洗浄効果を奏する。
また、本発明の眼鏡用洗浄剤は、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び該レンズを固定する樹脂等で形成されて眼鏡フレームに対して悪影響(例えば、樹脂部の溶解や樹脂部の白濁等)を及ぼす恐れが抑制されている。
以下、実施例において本発明の眼鏡用洗浄剤について説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
エタノール(試薬特級)、iso−プロピルアルコール(試薬特級:太陽化学工業(株))、水(精製水)、ジ−n−ブチルエーテル(試薬特級:昭和エーテル(株))、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(試薬特級:日本乳化剤(株))、アセトン(試薬特級)及びメチルエチルケトン(試薬特級)を表1の配合量で各成分を配合し、混合して洗浄剤を調整した。該洗浄剤を不織布(ダイワボウ製:品番;RHT−38)に含浸して含浸率が50%の洗浄シートを作成した。
実施例2〜7及び比較例1〜3についても、実施例1と同様に表1に記載した配合量で各成分を配合して、洗浄シートを作製した。
(洗浄効果を実験するための試料の作製)
プラスッチクレンズ(ポリメチルメタアクリレート樹脂製 )に、主に身体の額部分に分泌する皮脂成分(汗等を含む)を付着させ、室温(30℃)で10時間乾燥して試料とした。
(洗浄試験及び評価法)
上記洗浄シートを用いて、上記で作製した試料の表面を3回拭いた後、目視で拭きむら残り(白い拭きむらの跡、以下、跡むらと記載する。)の有無を判断した。また、上記洗浄シートを用いて表面を拭いた後、レンズ表面が乾燥するまでの時間を測定した。
上記洗浄試験及び評価結果を表1に示す。
(洗浄後の跡むら及び乾燥時間)
跡むらの評価基準:
×:跡むらあり
△:若干跡むらあり
○:跡むらなし
◎:痕跡全くなし
乾燥時間の評価基準:
△:20秒超えて乾燥
○:20秒以内に乾燥
◎:15秒以内に乾燥
Figure 2008158061

(*1):実施例6及び実施例7で加えているアセトン及びメチルエチルケトンの配合量は、エタノールとiso−プロピルアルコールと水とジ−n−ブチルエーテルとプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルとを混合したものを基準とした。
〔結果の総括〕
実施例1〜7に示すように、アルコール水溶液に対してジアルキルエーテルとグリコールエーテル系化合物とを併用した本発明の眼鏡用洗浄剤においては、優れた洗浄効果及び乾燥性を示し、拭きむらが残らないことが判明した。
また、エタノールやイソプロピルアルコール等の低級アルコール水溶液に対して、n−ブチルエーテル(ジアルキルエーテル)又はプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(グリコールエーテル系化合物)を増量した場合、跡むらは良くなり、n−ブチルエーテル(ジアルキルエーテル)は1〜5重量%、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(グリコールエーテル系化合物)は5〜10重量%で、跡むら及び乾燥性に優れた効果を発揮することが確認できた。
アセトンやメチルエチルケトンを若干量加えることによって、この跡むら及び即乾性がさらに改善されることがわかった。

Claims (7)

  1. 低級アルコールと水とが混合されてなるアルコール水溶液、アルキル基の炭素数が2以上のジアルキルエーテル及びグリコールエーテル系化合物を有効成分とする水性組成物からなることを特徴とする眼鏡用洗浄剤。
  2. 上記組成物中、ジアルキルエーテルが、1〜5重量%(組成物基準)及びグリコールエーテル系化合物が5〜10重量%(同)が配合されてなることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用洗浄剤。
  3. 上記低級アルコールが、炭素数1〜4の1級及び2級アルコールよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡用洗浄剤。
  4. 上記ジアルキルエーテルが、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡用洗浄剤。
  5. 上記グリコールエーテル系化合物が、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルよりなる群から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡用洗浄剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼鏡用洗浄剤が、吸液シートに含浸されてなることを特徴とする眼鏡用洗浄シート。
  7. 含浸率が20〜110%であることを特徴とする請求項6記載の眼鏡用洗浄シート。
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