JP2008156794A - 帯の着付け補助具 - Google Patents

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英樹 寺西
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Abstract

【課題】 予め帯飾りを形成した状態で保持して、運搬することが可能であり、極めて容易に帯を着衣者の胴回りに締めることができる帯の着付け補助具1を提供する。
【解決手段】 帯の着付け補助具1は、帯6のたれ61と手62との境界部分を直角方向に曲げ、且つ、前記たれ61を用いて形成される帯結びを係止し、更に、前記手の手先63部分を固定する扁平板2と、該扁平板2の両側に固定されて互いの先端が固着自在な一対のベルト3と、前記たれ61と手62との中間付近の折り返し位置に取付けられる帯止め具5と、該帯止め具5を係止する前記扁平板2又はベルト3に設けた固定具26と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、着物の帯の着付けを簡単にすることができる帯の着付け補助具に関する。
従来より、和服で帯を結ぶときには、例えば、幅30cm程度で、長さが4m前後の長い芯入りの帯を、着物を着た後、着衣者の胴部に巻き、背中において美しく帯を形作って和服の後姿を美しく着飾るようにする。詳しく説明すると、和服の帯は、着物を着た後、帯を胴体に巻き、更に例えば身体の背中部分にお太鼓を形成する場合には、帯山を形成するために、帯のお太鼓形成部分の内側に帯枕を位置させて、帯枕を背中の所定の位置に位置付けし、帯枕に設ける2本の結び紐で帯枕を胴体に括り付ける。そして、次にお太鼓を形成して、帯胴体に巻いた手先をお太鼓の内側に入れて、帯締めで帯を固定するものである。
しかし、このような帯の着付け作業は、帯の結び方が複雑なものが多く、着付けの初心者が一人で行うことは困難である。また、帯結びの部分は通常着衣者の背中部分に形成されることが多いので、着付けの初心者が一人で美しい形の各種の帯結びを鏡を見ながら形成することは非常に困難である。
そこで、近年では、着衣者の胴部に帯を締める前に、予め帯結びの形を整えておき、この帯結びの形を保持するための保持具が設けられた帯の着付け補助具が種々提案されている。例えば、中央にスリット状の開口部が形成された偏平板と、該偏平板の上部に装着されて表面側に膨出した帯枕と、前記開口部の左右に設けられた一対の帯留め開口部と、前記扁平基板を利用して身体上を巻き付けた着物帯の手先と結び目裏に位置する着物帯との双方に係合して前記着物帯の手先を前記結び目裏に位置する着物帯に位置決めする手先止め金具とを備えている着物帯用補助具が提案されている(例えば特許文献1)。
また、着用者の胴部に周回状に装着され、長手方向の中心線に沿って折り合わせ、一端を垂れ部とし、他端を手先部とする帯本体と、この帯本体の垂れ部側を折り合わせを解いて展開させるようにし、同帯本体の折り合わせ部分と展開部分が直角状となるように折りたたみ、この折りたたみ部分に同帯本体の垂れ部側と折り合わせ部分側が直角状態を保持するように装着させる保持具と、を備えてなる着物用帯装置が提案されている(例えば特許文献2)。
以上のような補助具及び装置においては、予め帯結びを形成した後で、着衣者の胴部に帯を締めるものであるので、帯結びを形成する作業までは畳上や卓上等での作業とすることができ、身体の固い人や着物の着付け初心者であっても比較的容易に帯を締めることができる。
特開2006−144151号公報 特開平9−302512号公報
しかし、上述の補助具や装置は、いずれも簡単に所望の帯結びを形成することはできるものの、帯が十分に固定されておらず、すぐに帯締め等で固定する必要がある。また、帯の手先部分の処理が複雑なる場合や、従来の帯に所定の部材を縫合しなければならない場合も多い。
そこで、本発明は、予め帯結びを形成した状態で保持して、運搬することが可能であり、極めて容易に帯を着衣者の胴回りに締めることができる帯の着付け補助具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の帯の着付け補助具は、帯のたれと手の境界部分を直角方向に曲げ、且つ、前記たれを用いて形成される帯結びを係止し、更に、前記手の手先部分を固定する扁平板と、該扁平板の両側に固定されて互いの先端が固着自在な一対のベルトと、前記たれと手との中間付近の折り返し位置に取付けられる帯止め具と、該帯止め具を係止する前記扁平板又はベルトに設けた固定具と、を具備するを特徴とするものである。
請求項2に記載の帯の着付け補助具は、請求項1に記載の帯の着付け補助具であって、前記扁平板が、帯の手を挿通可能な通し穴、該通し穴に挿通された手を前記帯のたれと手との境界部分近傍で係止する固定具、前記通し穴に挿通された手の手先部分を固定する手先固定具とを具備することを特徴とするものである。
請求項3に記載の帯の着付け補助具は、請求項1又は請求項2に記載の帯の着付け補助具であって、前記扁平板に、前記帯結びを係止するための帯枕を着脱自在に設けたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の帯の着付け補助具は、請求項2又は請求項3に記載の帯の着付け補助具であって、前記固定具が複数形成されることを特徴とするものである。
請求項1に記載の帯の着付け補助具によると、扁平板により帯のたれと手との境界は直角に曲げられ、且つ、たれを用いて形成される帯結びが係止される。さらに、扁平板により手の手先部分は固定される。扁平板の両側には一対のベルトが固定されており、この一対のベルトの先端は互いに固着自在に形成されている。また、帯の手の中間付近で帯の手を折り返す位置に帯止め具は取付けられる。そして、扁平板又はベルトに設けられた固定具により、帯止め具は係止される。このように構成されることで、予め帯結びを係止した扁平板を着衣者の背中に当接させて、一対のベルトを着衣者の胴回りに回すことで、帯結びを着衣者の背中に固定することができる。さらに帯止め具を固定具に係止することで、帯の手部分を着衣者の胴回りに固定することができる。したがって、予め所望の美しい帯結びを形成した後に帯を着衣者に着付けることとなるので、着衣者が無理な姿勢を取ることなく、極めて容易に美しい帯結びを形成した帯を一人で着付けることができる。
なお、請求項1に記載の帯の着付け補助具によると、固定具は扁平板又はベルトに設けられる。例えば、お太鼓結びや二重太鼓結びのように着衣者の背中にお太鼓を形成する帯結びを行うときには、固定具を扁平板に設けることでお太鼓の内部に固定具と固定具に係止される固定具とを隠すことができる。また、例えば蝶重ね、都結び、及び文庫結び等のお太鼓を形成しない帯結びを行うときには、固定具を着衣者が着衣した時に脇の部分に位置することになるベルトに設けることで、固定具及び固定具に係止される固定具を着物の袂に隠された目立たない位置に配置することができる。
請求項2に記載の帯の着付け補助具によると、扁平板に形成された通し穴に帯を手先から挿入し、帯の手部分全体を挿通した後、固定具により帯のたれと手との境界部分で帯の手を係止する。このようにすることで、帯の手とたれとの境界が崩れて帯結びの形状が崩れることを防ぐことができる。また、手先固定具により帯の手先部分は固定される。このように、帯のたれと手との境界部分及び帯の手の先端である手先部分を固定することで、帯の手が強固に固定されることとなる。したがって、帯結びを予め形成した状態で帯結びが崩れず、手が強固に固定された状態で帯を運搬することができる。したがって、予め帯結びを形成した帯を外出先で極めて簡単に着付けることができる。また、上述のように固定されることで、帯を着付けた後に帯結びの形が崩れることを防ぐことができる。
請求項3の帯の着付け補助具によると、扁平板に帯枕が着脱自在に構成されているので、太鼓結びや二重太鼓結びといった帯枕が必要な帯結びを形成するときには、扁平板に帯枕を係着した状態で帯結びを結ぶことができるとともに、蝶重ね、都結び、及び文庫結び等の帯枕を必要としない帯結びのときには、扁平板に帯枕が離脱した状態で帯結びを結ぶことができる。また、帯結びの種類や体型に合わせて、大きさや形状の異なる帯枕を用いることができる。
請求項4の帯の着付け補助具によると、固定具は複数形成されるので、帯のたれと手との境界を係止する固定具を変えることで、帯の手の長さを調節することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明に係る帯の着付け補助具1の構成について、図1から図4を参照しつつ説明する。帯の着付け補助具1は、図1に示す扁平板2、一対のベルト3、及び帯枕4を有する補助具本体10と図4に示す帯止め具5とからなる。そして、扁平板2は、平板21と通し穴22と手先固定部23と補助穴24と支持部材241及び242と右係止具251と左係止具252と固定具26と凹型スナップボタン27とを備え、一対のベルト3は扁平板2と反対側の端部に互いに係着可能な面ファスナ31、32が備わる。また、帯枕4は帯枕本体41と凹型スナップボタン27と係着する凸型スナップボタン42が備わる。なお、図4に示すように、帯止め具5には引掛け部51と帯固定バー52とが備わる。
図2に示すように、扁平板2は例えば硬質合成樹脂、軽金属、木質板等を素材とする平板21にスリット状の通し穴22と、スリット状に形成され内部に帯6を係着できるローラ231を有する手先固定部23と、スリット状の補助穴24とが、列設されている。この通し穴22は平板21の左右方向の略中心に配置され、通し穴22の左に手先固定部23が設けられ、通し穴22の右に補助穴24が設けられている。
扁平板2の平板21の上端には支持部材241が、下端には支持部材242がそれぞれ固定されている。また、支持部材241には両端を半円形とする長手形状の開口241a、241bが設けられ、支持部材242には両端を半円形とする長手形状の開口242a、242bが設けられている。そして、支持部材241の開口241aと支持部材242の開口242aとには、2本の円柱251a、251bからなる右係止具251が両開口241a、及び242aに架けるように挿入されている。また、支持部材241の開口241bと支持部材242の開口242bとにも同様に円柱252a、252bからなる左係止具252が挿入される。そして、この両係止具251、252のそれぞれ2本の円柱251a、251b、252a及び252bは挿入された開口241a、241b、242a、242bをそれぞれ左右にスライド可能な構成となっている。また、支持部材241、242は扁平板2の左端側で円柱棒形状の固定具26を支持している。
なお、本実施形態において、上下及び左右は、帯の着付け補助具1を装着したときに、着衣者から見て、それぞれ上下左右方向となる方向をいう。
帯枕4は、例えばウレタンや発砲プラスチック等の弾性素材からなり、図3に示すように、扁平板2の上縁に突出した形状であり、帯枕本体41の下端に複数固定されている凸型スナップボタン42と扁平板2の上端に固定されている複数の凹型スナップボタン27とにより扁平板2から着脱自在に構成されている。なお、帯枕4の形状は本実施形態においては、お太鼓の帯結びを形成する形状のものを用いているがこれに限られるものではなく、着衣者の身長や帯結びの形状に合わせて、種々の形状の帯枕4を用いることができる。例えば、帯結びの形状を角だし結びとするときには、帯枕4の形状を直径約3センチメートルで、長さ約20センチメートルの円筒形状のものを用いることができる。帯枕4は、扁平板2に着脱自在であるので、帯枕4を用いない一文字結びなどの帯結びを形成する時には、帯枕4を取り外して使用し、帯枕4を使用する文庫結び、角だし結び、太鼓結び等の場合はそれぞれの結び方にあった形状の帯枕4を取付けて使用することができる。
図4に示すように、帯止め具5は、引掛け部51を両端に備え、その引掛け部51、51の間に2本の帯固定バー52を備えて構成される。引掛け部51は前述の固定具26に引掛けることができる形状であり、2本の帯固定バー52は帯幅の半分程度の長さを有している。そして、この2本の帯固定バー52の間の間隔は、二つ折りにした帯の厚み以上の間隔であり、両帯固定バー52、52の間に後述する帯6の手62を挿入することができる。
次に、以上のように構成される帯6の着付け補助具1を用いて帯6を着付ける手順について説明する。なお、本実施形態においては、帯6は模様の付いた表生地に無地の裏生地を縫い合わせた袋帯を用いるが、本発明の実施形態はこれに限られるものではない。例えば、帯全体の生地を二つ折りして縫い合わせた丸帯、胴に巻く部分の帯幅を帯結び部分の帯幅の半分に仕立てた名古屋帯などの通常用いられるあらゆる帯を適用することができる。
まず、図5に示すように、帯6を幅方向の中心に沿うように二つ折りし、一方側は展開してたれ61を形成し、他方側は二つ折りのまま手62を形成する。ここで、たれ61と手62とは略直角となるように帯6を折り曲げる。なお、このように折り曲げた部分は、帯6のたれ61と手62との境界部分66となる。次に、手先63を扁平板2の裏側から通し穴22に挿入し、帯6のうち手62部分全体を通し穴22に通す。このように帯6の手62全体を通し穴22に通すことで、通し穴22に帯のたれ61と手62との境界部分66が位置することとなる。そして、このとき図6に示すようにたれ61は帯枕4の裏側から上向きに突出するようにする。なお、通し穴22は、平板21の左右方向の略中央に位置するので、たれ61が上向きに突出したときに、たれ61の幅方向の中心線は平板21の左右方向の略中央に位置することとなる。したがって、後述のようにお太鼓を形成する際に、左右に歪まず美しいお太鼓を形成することができる。
なお、境界部分66は帯6のたれ61と手62との境界であり、帯6を直角に折り曲げてたれ61と手62とに分けたときに折れ曲がった部分をいい、本実施形態においては、通し穴22から右係止具251又は左係止具252に係止されるまでの間に位置する帯6部分を含むものである。
次に、二つ折りにして通し穴22を通した帯の手先63を二つ折りのまま右係止具251の2本の円柱251a、251bの外周をS字を描くように通す。すなわち、支持部材241の開口241a及び支持部材242の開口242aに挿入された右係止具251の右側の円柱251aのさらに右側、円柱251aと円柱251bとの間、左側の円柱251bのさらに左側の順で帯6の手先63を通し、そしてさらに帯6の手先63を右側に引っ張る。このようにすると、右側の円柱251aは、開口241a及び242aの右端で係止され、左側の円柱251bは帯6の手先63を右側に引っ張る力により帯6の手62を間に挟んで、右係止具251に固着する。すなわち、帯6のたれ61と手62との境界の帯6の手62部分が、左右の円柱251aと251bとに挟まれて固定される。
なお、本実施形態では、係止具を右係止具251と左係止具252との2つ列設する構成をとっている。このように構成することで、帯6の手62を固定する左右係止具251、252を選択することができ、帯6の手62の長さを細かく調節することができる。すなわち、上述のように帯6の手62を右係止具251に固定することもできるが、帯6の手62を左係止具252の2本の円柱252a及び252bの外周をS字を描くように通すこともできる。胴回りが長い着衣者が着衣する時には、帯6の手62を右係止具251に固定することで左係止具252に固定するときに比べて帯6の手62を長く着衣者に巻くことができる。一方、胴回りが短い着衣者が着衣する時には、帯6の手62を左係止具252に固定することで、右係止具251に固定する時よりも帯6の手62を短く着衣者に巻くことができる。なお、本実施形態において係止具の数は左右2つのものについて、説明したがこれに限定されるものではなく、係止具の数が1又は複数あればよい。
そして、次に、帯6の手先63を帯止め具5の2本の帯固定バー52の間に通して、帯止め具5を帯6の手62の中間部に配置する。そして、帯6の手62を帯止め具5の帯固定バー52に引掛けて折り返す。言い換えると、帯6の手62の折り返し位置に帯止め具5を配置する。そして、折り返された帯6の手先63を更に、扁平板2の表側から補助穴24に通し、更に扁平板2の裏側から手先固定部23に通す。手先固定部23は例えばローラベルトのバックル構造のように、挿入された帯6の手62を挿入方向と逆方向に引くと、ローラ231が帯6の手62を押圧して帯を固定する。なお、ここで帯6の手62のうち手先固定部23に固定する部分は、右係止具251又は左係止具252により帯6の手62を固定した部分から着衣者の胴回りの長さの2倍分、帯6の手先63側の位置を固定する。なお、手62の手先固定部23に固定された位置から手先63までの部分は、後述するお太鼓65の内側で折り返して処理できる。
なお、上述の作業は着衣者に帯の着付け補助具1を取り付ける前に行われるものである。また、帯の着付け補助具1を着衣者に取付けるときには、帯6の手62の中間部に配置した帯止め金具5を固定具26に引掛けて固定する。
以上のように、右係止具251又は左係止具252と手先固定部23とで帯6の手62の部分を固定することで、着衣者の胴回りに巻く帯6の手62の長さが固定されるので、着衣する時に極めて簡単に帯6を胴回りに固定することができる。
次に、図8に示すように、帯6のたれ61部分を帯枕4の後ろ側から前側に垂らし、所望の帯結びの形状に整えた後、図示しないクリップなどで帯6のたれ61と扁平板2の平板21とを挟持して固定する。すなわち、帯6のたれ61を帯枕4の外周に沿うように垂らし、更に帯6のたれ61を扁平板2の下方近辺で内側に折込んでお太鼓65を形成し、その後お太鼓65内部から、たれ先64を垂らす。そして、クリップ等の挟持部材を用いて扁平板2の平板21の左右上方と左右下方の4箇所で帯6のたれ61と平板21とを挟持することでお太鼓65を固定する。このとき、帯6の手62のうち手先固定部に固定された部分から手先63までの部分はお太鼓65の内部に収納されるように、左右方向に数回折り曲げる。これにより、お太鼓内部で手先部分が膨らんで、より自然な形のお太鼓を形成できる。なお、図8では、説明の便宜上、帯6のたれ61と帯枕4との間に空間を設けているが、実際には帯6のたれ61は、帯枕4に上方からかぶさるようにほぼ密着する。また、帯6の手62部分の記載を省略しているが、実際には帯6のたれ61部分と扁平板2との間に帯6の手62部分が折りたたまれている。
以上のように形成したお太鼓65付きの帯6を着衣者に固定するときには、図8及び図9に示すように、まず、帯枕41に帯揚げ71をかぶせるとともに、帯締め72をお太鼓65内部に通す。なお、帯揚げ71は帯枕41にかぶせるだけではなく、例えば帯枕41を凹型スナップボタン27と凸型スナップボタン42との間に挟んで固定しても良い。このようにすることで、帯揚げ71の位置が確実に固定され、より容易に美しい帯の着付けを行うことができる。また、帯締め72をお太鼓65内部に通すだけでなく、帯枕41又は扁平板2に固定できる構成としても良い。例えば、帯枕41に1又は複数の環状の金具を有する紐を固定し、この環状の金具に帯締め72を通すことで帯締めを帯枕41の下方の所定の位置に固定させるものであっても良い。なお、この場合、複数の環状の金具が上下に連結されることで、帯締めを通す金具を選択することで帯締めの高さを調節することができる。次に、図10に示すように、帯の着付け補助具1の一対のベルト3を着衣者の胴回りに巻いて、ベルト3の両端に形成された面ファスナ31と面ファスナ32とを係合させることで、帯6のお太鼓65を着衣者の背中に固定する。そして、図11に示すように帯6の手62を着衣者の胴回りに巻いて、固定具26に帯止め具5を固定する。すなわち、帯止め具5の引っかかり部51を固定具26に引掛けて固定する。このとき、固定具26はお太鼓の内部に位置しているので、帯止め具5を固定具26に固定した部分が外部から見えず、自然な着姿となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
例えば、図2に示すように固定具26を平板21に固定するのではなく、図12に示すように固定具26aをベルト3の着衣時に着衣者の胴体と腕との間に位置する部分に固定する構成であっても良い。また、図4に示すように帯止め具5の引掛け部51を帯固定バー52の両端に設けるものとせずに、図13に示すように帯止め具5aの引掛け部51aを帯固定バー52bの中間部に設ける構成としても良い。なお、図12、図13、及び図14の構成のうち同一の前述の実施形態と同一の構造のものは同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、固定具26aは、ベルト3の幅方向を長手方向とする円柱形状の部材である第1係止バー26bと、第2係止バー26cとからなる。第1係止バー26bは、第2係止バー26cよりも若干扁平板2寄りに位置し、ベルト3との間に二つ折りにした帯6の手62を挿入可能な間隙を開けた状態で、ベルト3から延びる一対の支持体26dに両端を支持されている。また第2係止バー26cは、ベルト3との間の間隙を第1係止バー26bとベルト3との間の間隙よりもやや開いた状態で、支持体26dに両端を支持されている。
そして、図13に示すように、帯止め具5aは、長尺の帯固定バー52aと、帯固定バー52aから帯6の手62を挿入できる間隙を開けて配置される短尺の帯固定バー52bと、両帯固定バー52a、52bの端部を固定する一対の固定部52cと、短尺の帯固定バー52bの中間部に取付けられた上述の第1係止バー26bに引っ掛かる形状の引掛け部51aと、を有している。
以上のように構成される固定具26a及び帯止め具5aを用いると、図14に示すように、帯6の手先63を右係止具251又は左係止具252に挿入し、帯止め具5aの2本の帯固定バー52a、52bの間に通したあと、更に平板21の補助穴24、通し穴22に通す。そして通し穴22を通った帯6の手先63を固定具26aの第2係止バー26cに巻いて、更に、手先固定部23に通して固定する。以上のようにして形成した帯6の手62を着衣者の胴部に回して、固定具26aの第1係止バー26bに帯止め具5aの引掛け具51aを引掛けて固定する。なお、扁平板2付近に位置する帯6のたれ61と帯6の手先63とを結んで帯結びを形成することができる。
上述のようにすることで、固定具26a及び帯止め具5aはその殆どの部分が帯6の手62に隠されて目立たない。固定具26aの位置を着衣者の脇の部分とすることで、着物の袖に隠れるので、固定具26aと帯止め具5aとが固定した部分が目立たず、例えば一文字締めのように内部に帯止め具5を固定具26に固定した部分を内包することができない場合にも、本発明の帯の着付け補助具1を用いることができる。
本発明に係る帯の着付け補助具1は、初心者の帯の着付け作業や出先での帯の着付け作業に好適に用いることができる。
扁平板2、ベルト3、及び帯枕4の構成を示す正面図である。 扁平板2の構成を説明する拡大斜視図である。 帯枕4の構成を説明する扁平板2の裏面から見た正面図である。 帯止め具5の構成を示す斜視図である。 通し穴22に帯6の手先63を挿入した状態を示す図である。 通し穴22に帯6の手62全体を挿入した状態を占めす図である。 帯6の手62を帯の着付け補助具1に固定した状態を説明する簡略説明図である。 帯6のたれ61を帯の着付け補助具1を用いて、お太鼓65にした状態の簡略説明図である。 お太鼓65を形成し、手先63を固定した状態の帯及び帯の着付け補助具1を示す斜視図である。 帯の着付け補助具1を用いて着衣者に帯を取付ける作業を説明する着衣者正面から見た図である。 帯の着付け補助具1を用いて着衣者に帯を取付ける作業を説明する着衣者背面から見た図である。 固定具26aをベルト3の着衣者の脇に位置する部分に固定した実施形態を示す斜視図である。 帯止め具5aの構成を示す斜視図である。 固定具26aをベルト3の着衣者の脇に位置する部分に固定したときに、帯6の手62を帯の着付け補助具1に固定した状態を説明する簡略説明図である。
符号の説明
1 帯の着付け補助具
2 扁平板
3 ベルト
4 帯枕
5、5a 帯止め具
6 帯
22 通し穴
23 手先固定部
26、26a 固定具
251 右係止具
252 左係止具
66 境界部分
67 折り返し位置

Claims (4)

  1. 帯のたれと手との境界部分を直角方向に曲げ、且つ、前記たれを用いて形成される帯結びを係止し、更に、前記手の手先部分を固定する扁平板と、
    該扁平板の両側に固定されて互いの先端が固着自在な一対のベルトと、
    前記たれと手との中間付近の折り返し位置に取付けられる帯止め具と、
    該帯止め具を係止する前記扁平板又はベルトに設けた固定具と、を具備することを特徴とする帯の着付け補助具。
  2. 前記扁平板が、帯の手を挿通可能な通し穴と、該通し穴に挿通された手を前記帯のたれと手との境界部分で係止する係止具と、前記通し穴に挿通された手の手先部分を固定する手先固定具とを具備することを特徴とする請求項1に記載の帯の着付け補助具。
  3. 前記扁平板に、前記帯結びを係止するための帯枕を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯の着付け補助具。
  4. 前記係止具が、複数形成されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の帯の着付け補助具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH111809A (ja) * 1997-06-05 1999-01-06 Mandai:Kk 帯保形具
JP2002004110A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Shiroe Sawadaishi 簡易式着物
JP2006144151A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Takako Ieda 着物帯用補助具

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