JP2008156597A - イオン液体組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(A)と、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(B1)及び/又は1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(B2)を含有してなることを特徴とするイオン液体組成物。
【選択図】 なし
Description
ところが、これらの潤滑油や電解液は、高温下において発火や蒸発の危険性を有しており、さらに低温下において、潤滑油は粘度の上昇や固化という問題点を、電解液は溶解させている電解質が析出するという問題点を有していた。
なお、本発明におけるイオン液体とは、常温(25℃)において溶融状態にあるイオン性物質のことを示す。
特に、イオン液体(A)とイオン液体(B1)を含有させる場合は、その混合比(重量比)が、(A):(B1)=7:3〜2:8であることが好ましく、イオン液体(A)とイオン液体(B2)を含有させる場合は、その混合比(重量比)が、(A):(B2)=8:2〜6:4であることが好ましい。イオン液体(A)の混合量が多すぎると、組成物の融点が高くなる傾向があり、少なすぎると組成物の粘度が高くなる傾向がある。
なお、粘度指数が高いほど温度による粘度変化が小さく、潤滑油として優れていることを意味するものである。
尚、例中「部」「%」となるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
また、粘度、融点については下記方法により求めた。
使用機器:AR−1000型回転レオメーター(TA Instruments社製)
測定方法:装置を25℃に設定し、サンプル0.6mlを試料台上に載せ、コーンを設置し、かかるコーンを一定の力(20Pa)で回転させた時の粘度値を読みとった。なお、粘度の評価基準は以下の通りである。
○・・・粘度が、25mPa・s以下であるもの
×・・・粘度が、25mPa・sを超えるもの
また、40℃および100℃における動粘度は、上記機器、測定方法を用いて各温度における粘度値を測定した後、その値から計算(粘度/比重)することにより求めた。また、これら動粘度の値を用いて、日本工業規格(JIS)K2283(原油および石油製品の動粘度試験方法ならびに石油製品粘度指数算出方法)に記載されている粘度指数計算式より粘度指数を算出した。
使用機器:DSC2920(TA Instruments社製)
測定方法:アルミニウムセルにサンプルを10mg秤量しシールして、DSCにサンプルとリファレンスサンプル(アルミニウム空セル)をセットし、窒素を50ml/minでパージしながら、液体窒素を用いて室温から−150℃まで冷却し、同温度で3分保った。その後、昇温速度10℃/minで100℃まで昇温し、昇温のデータを取り込んだチャートより融点を測定した。なお評価基準は以下の通りである。
◎・・・融点が−40℃以下であるもの
○・・・融点が−40℃を超え、−25℃以下であるもの
×・・・融点が−25℃を越えるもの
測定方法:サンプルを2g入れた5mlのガラス性サンプル瓶を−80℃のフリーザーに入れ、2日以上放置した後、目視で結晶化を確認した。その後、結晶化したサンプルを(1)−40℃、(2)−30℃、(3)−25℃のメタノールバスに入れ、サンプルの温度がそれぞれの温度になるまで待ち、各温度での溶融状態を目視で確認した。なお評価基準は以下の通りである。
◎・・・−40℃において溶融状態であるもの
○・・・−40℃において結晶化状態であるが、−30℃において溶融状態であるもの
△・・・−30℃において結晶化状態であるが、−25℃において溶融状態であるもの
×・・・−25℃においても結晶化状態であるもの
還流管を付けたフラスコに1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド19.1g(0.10mol)と水20mlを加えた後、さらにビス(フルオロスルホニル)イミドのカリウム塩21.9g(0.10mol)を加え40℃で5時間攪拌した。反応終了後、塩化メチレンを80ml加えて十分攪拌し、分液した。塩化メチレン層をさらに水40mlで5回水洗後、塩化メチレン層を減圧下濃縮し、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド23.8g(0.08mol、収率81.8%)を得た。本化合物単体の粘度は19mPa・s(25℃)、融点は−14℃に検出された。
上記合成法1の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド19.1gを1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムブロミド20.5gに変更し同様の操作を実施したところ、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド27.5g(0.09mol,収率90.1%)を得た。本化合物単体の粘度は29mPa・s(25℃)、融点はDSCで検出されなかったが、ガラス転移点は−102℃で検出された。
上記合成法1の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブロミド19.1gを1-メチル-3-イソプロピルイミダゾリウムブロミド20.5gに変更し同様の操作を実施したところ、1-メチル-3-イソプロピルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド27.1g(0.09mol,収率88.8%)を得た。本化合物単体の粘度は27mPa・s(25℃)、融点は−6℃に検出された。
イオン液体(A)として合成例1の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを、イオン液体(B1)として合成例2の1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを使用し、表1に示す如き組成にて、イオン液体組成物を製造した。その物性を測定した結果を表1に示す。
イオン液体(A)として合成例1の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを、イオン液体(B2)として合成例3の1-メチル-3-イソプロピルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド使用し、表2に示す如き組成にて、イオン液体組成物を製造し、その物性を測定した結果を表2に示す。
Claims (6)
- 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(A)と、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(B1)及び/又は1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウムカチオンを持つイオン液体(B2)を含有してなることを特徴とするイオン液体組成物。
- イオン液体(A)のアニオン部と、イオン液体(B1)及び/又はイオン液体(B2)のアニオン部が同一であることを特徴とする請求項1記載のイオン液体組成物。
- イオン液体(A)とイオン液体(B1)及び/又はイオン液体(B2)のアニオン部が、ビス(フルオロスルホニル)イミド、または(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであることを特徴とする請求項1又は2記載のイオン液体組成物。
- イオン液体(A)とイオン液体(B1)及び/又はイオン液体(B2)の混合比(重量比)が、(A):(B1)及び/又は(B2)=8:2〜2:8であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のイオン液体組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載のイオン液体組成物からなることを特徴とする合成潤滑油。
- 請求項1〜4いずれか記載のイオン液体組成物を含有してなることを特徴とする電解液。
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