JP2008156282A - α−リポ酸L−オルニチン塩およびその製造法 - Google Patents

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Masahiko Shishido
雅彦 宍戸
Koichi Ueno
浩一 上野
Yuichi Nakagami
祐一 中神
Hiroki Moriwaki
浩樹 森脇
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Abstract

【課題】高純度のα−リポ酸L−オルニチン塩結晶およびその製造法を提供する。
【解決手段】液温0〜10℃のα−リポ酸エタノール溶液へ、液温0〜10℃のL−オルニチン含水エタノール溶液を徐々に滴下し、さらに同温度において混合液を攪拌し、析出した結晶を母液から分離し、0〜10℃の冷エタノール溶液で洗浄し,40℃以下の温度で減圧乾燥する。得られた結晶は融点169〜171℃を示し、X線回折により明らかな結晶像を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬品および食品サプリメントとして有用なα−リポ酸L−オルニチン塩の結晶、およびその製造法に関する。
チオクト酸とも呼ばれるα−リポ酸(化学名1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸)は、R(+)型として動物および植物細胞中に存在する天然物質である。このものは体内において糖代謝経路に含まれるケト酸の酸化的脱カルボキシル化反応に必須な補酵素であり、また抗酸化作用を有することから、活性酵素の抑制による老化防止が期待されている。近年化学合成されたα−リポ酸が医薬品として、および食品サプリメントとして使用されている。
α−リポ酸は水に難溶なため、食品サプリメントには固体のα−リポ酸が使用されている。水溶性のα−リポ酸塩も知られている。これらのうち生理的に意義がある有機塩基との塩として、FR4680Mにはα−リポ酸のオルニチン塩が記載されている。それによるとα−リポ酸オルニチン塩は融点147℃の白色結晶性粉末であると記載されている。しかしながらその製造法の記載はなく、原料オルニチンが天然型のL体であるとの記載もない。この特許が出願された1965年当時の技術水準を鑑みれば、オルニチンはタンパク質をアルカリで加水分解し、L−アルギニンの二次的分解およびラセミ化によって生成したDL−体であった可能性が大である。
今日では発酵法などにより天然型L−オルニチンの製造が可能になっており、高純度のα−リポ酸L−オルニチン塩の結晶およびその製造法の提供が望まれる。
本発明者らは、α−リポ酸のL−オルニチン塩を結晶として単離することに成功した。この結晶はFR4680Mに報告されている値と異なり、169〜171℃の融点を持っている。さらにX線回折チャートにより明らかな結晶像を持っている。オルニチンは必須アミノ酸ではないが、尿素回路の一員として尿素産生に関係し、代謝上重要な役割を持つことが知られている。しかしながらそのD−異性体にはそのような作用はないので、α−リポ酸のカウンターカチオンとしてL−オルニチンを選ぶことはオルニチンの生理活性を富化することになり、有益である。
本発明によるα−リポ酸L−オルニチン塩結晶の製造法は、液温0〜10℃のα−リポ酸エタノール溶液へ液温0〜10℃のL−オルニチン含水エタノール溶液を徐々に滴下し、さらに同温度において混合液を攪拌し、析出した結晶を母液から分離し、40℃以下の温度で減圧乾燥することよりなる。ここで母液から分離した結晶は、乾燥前に0〜10℃の冷エタノールで洗浄することが望ましい。
このように液体(エタノールおよび含水エタノール)の温度を0〜10℃に保つことは、結晶が析出する母液中の塩の飽和溶解度を下げ、大部分の塩を結晶の形で析出させて収率を高める効果があり、さらにα−リポ酸が重合して不純物として製品に混入することを避ける効果がある。さらにこの方法で使用する溶媒はエタノールと水のみであるから、安全性が高く、食品サプリメントとして投与するのに適している。
好ましい実施態様に従った本発明のα−リポ酸L−オルニチン塩結晶の製造法は、
(a)α−リポ酸を所要量のエタノールに溶解する工程;
(b)α−リポ酸に対して理論量のL−オルニチンを含水エタノールに溶解する工程;
(c)工程(a)で得たα−リポ酸溶液へ工程(b)で得たL−オルニチン溶液を徐々に滴下し、攪拌して結晶を析出させる工程;
(d)工程(c)で析出させた結晶を常法により母液から分離し、エタノールで洗浄する工程;
(e)分離した結晶を40℃以下の温度で減圧乾燥する工程;よりなり、
(f)工程(a)ないし(d)はすべて液温0〜10℃において実施され;
(g)工程(a)および(b)において使用するアルコールおよび水の量は工程(c)において結晶が析出する母液のエタノール濃度が90v/v%以上となる量とすること、すなわち工程(b)においてL−オルニチンを必要最小限の量の水に溶解し、これにエタノールを添加したものをα−リポ酸のエタノール溶液へ滴下することである。
例えばα−リポ酸を40〜48mL/gのエタノールに溶解し、一方当量のL−オルニチンを1.8〜2.2mL/gの水に溶解し、これに2〜10mL/gのエタノールを添加してα−リポ酸エタノール溶液へ滴下する。これによりエタノール全体の液量が少なくてすみ、かつ塩の結晶収率も例えば80%に向上する。
原料α−リポ酸は通常ラセミ体であるが、これを光学分割して得られるR(+)型異性体を使用することもできる。他方の原料L−オルニチンは通常塩酸塩の形で提供されるので、これから常法によりL−オルニチンを遊離させて用いる。例えば、塩酸塩水溶液を水酸化ナトリウムで中和し、中和液を強酸性イオン交換樹脂のカラムに通液して遊離オルニチンを吸着させる。カラムを水で良く洗浄し、洗液がpH7になったらアンモニア水で吸着された遊離オルニチンを溶出し、溶出液からアンモニアを蒸発により除去してから凍結乾燥してL−オルニチンを得ることができる。
以下に限定を意図しない実施例を挙げ、本発明を例証する。
A.遊離L−オルニチンの製造
L−オルニチン塩酸塩10gを水40mLに溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液62mL(2.1当量)で中和した。中和液を強酸性イオン交換樹脂100mLを充填したカラムに通液した。カラムに水を流し、洗液がpH7になったら1Nアンモニア水を流し、カラムに吸着されたL−オルニチンを溶出した。得られた溶出液から蒸発によりアンモニアを除去し、凍結乾燥して粉末状のL−オルニチンを得た。収量6.16g(理論の79%)
B.α−リポ酸L−オルニチン塩の製造
エタノール132mLを0から0℃に冷却し、α−リポ酸3gを加え、同温度で1時間攪拌し、溶解した。
別にL−オルニチン1.92g(1.0当量)を水9.6mLに加えて溶解し、これにエタノール18mLを添加してL−オルニチン溶液を得た。
0〜10℃に冷却した上のα−リポ酸溶液へ、同温度のL−オルニチン溶液を徐々に滴下し、同温度で一時間攪拌し、析出した結晶を濾過し、エタノール6mLで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、α−リポ酸L−オルニチン塩の結晶3.91g(理論の80%)を得た。このものは融点169〜171℃を示し、X線回折パターンにおいて明らかな結晶像を示した。
α−リポ酸L−オルニチン塩のX線回折チャートである。

Claims (4)

  1. 液温0〜10℃のα−リポ酸エタノール溶液へ、液温0〜10℃のL−オルニチン含水エタノール溶液を徐々に滴下し、さらに同温度において混合液を攪拌し、析出した結晶を母液から分離し、40℃以下の温度で減圧乾燥することを特徴とするα−リポ酸L−オルニチン塩の製造法。
  2. 母液から分離した結晶を減圧乾燥する前に、0〜10℃の冷エタノールで洗浄する工程を含む請求項1の方法。
  3. (a)α−リポ酸を所要量のエタノールに溶解する工程;
    (b)α−リポ酸に対し理論量のL−オルニチンを含水エタノールに溶解する工程;
    (c)工程(a)で得たα−リポ酸溶液へ工程(b)で得たL−オルニチン溶液を徐々に滴下し、攪拌して結晶を析出させる工程;
    (d)工程(c)で析出させた結晶を常法により母液から分離し、エタノールで洗浄する工程;
    (e)分離した結晶を40℃以下の温度で減圧乾燥する工程;よりなり、
    (f)工程(a)ないし(d)は液温0〜10℃において実施され;
    (g)工程(a)および(b)において使用するアルコールおよび水の量は工程(e)において結晶が析出する母液のエタノール濃度が90v/v%以上となる量である;
    ことを特徴とするα−リポ酸L−オルニチン塩結晶の製造法。
  4. 融点169〜171℃を示すα−リポ酸L−オルニチン塩結晶。
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