JP2008155020A - コーナフィッティング - Google Patents

Abstract

【課題】引出しアセンブリにおいて、引出し背面パネル（４０、１００）に引出し側部（３０）を固定するためのコーナフィッティング（５０）を提供すること。
【解決手段】フィッティング（５０）は、第１のフランジ（６０）及び第２のフランジ（７０）を有する、略Ｌ字型のブラケットを備える。中空の支持構造体（８０）が、第１のフランジ（６０）と第２のフランジ（７０）とを連結させ、引出しアセンブリの構成部材による係合のための内部支持面を提供する。スロット（８６）が、フランジ（６０、７０）の１つの対向する面と、支持面の１つとの間の隙間により規定される。支持構造体（８０）は、引出しアセンブリの構成部材をロックするために、スロット（８６）の中へ突出するように偏倚された弾性ロッキングフラップ（８７）と、フラップ（８７）から中空の支持構造体（８０）の中へ延在するタブ（８９）とを有し、タブ（８９）は、スロット（８６）からのフラップ（８７）の引込みを可能にするように、引出しアセンブリの外部からアクセス可能である。
【選択図】図３Ａ

Description

本発明は、組立て式の引出しアセンブリに使用されるコーナフィッティングに関し、より詳細には、引出しアセンブリの背面パネルに引出し側部を固定するためのフィッティングに関する。

しばしば、引出しアセンブリは、輸送の容易性又は構成の柔軟性を目的にして、組立て式に設計される。このタイプの引出し組立て部品は、特殊工具又は特殊技術を必要とせずに、一般人によって容易に組み立てられなければならない。概して、既知の組立て式の引出しアセンブリは、底面パネルと、前面パネルと、後面パネルと、一対の側部パネルと、から構成され、この一対の側部パネルは、前面パネル及び背面パネルへ固定され、前面パネルと背面パネルとの間で平行に延在し、さらにその長手方向の全長に沿って底面パネルに係合されている。

新規の構成材料及び方法を用いて、引出しは、もはや木材又は木材製品のみから製造されるわけではない。成形されたシートメタル又はプラスチック成形物などの他の材料が、ますます使用されるようになりつつある。今や、引出しを多様な材料から製造された部品を用いて組み立てることは、普通である。特に、引出し側部パネルがシートメタルから製造され、これと同一の金属材料又は例えば木材などの他の材料から製造され得る、前面パネル、後面パネル、底面パネルと共に組み立てられることが、ますます知られるようになりつつある。

したがって、そのような引出しアセンブリに関して、引出し前面パネル及び後面パネルの両方へ、そのような側部パネルをしっかりと固定するための適切なフィッティングを提供する必要がある。

引出し背面パネルに引出し側部を固定するための既存のコーナフィッティングが、特許文献１に開示されている。既存のコーナフィッティングは、角ブラケットを介して引出し側部にコーナフィッティングを係合させるためのＬ字型ブラケットと、引出し背面パネルへコーナフィッティングを固定するための背面パネルフィッティングと、を備えている。

角ブラケットは、スポット溶接、ねじ、ボルト、ナット、又は他の適切な手段により、引出し側部へ取り付けられる。Ｌ字型ブラケットは、大フランジの内面に、一体型のガイドブラケットを備えている。Ｌ字型ガイドを有する三角ブラケットが、大フランジ及び小フランジを連結する垂直縁端部の下方隅部に配設されている。三角ブラケットのＬ字型ガイドと一体的に、一体型のガイドブラケットは、背面パネルフィッティングの側部フランジを摺動可能に受容するための第１の凹部を形成する。第１の凹部の中へ挿入された側部フランジをロックするための弾性延在部が、大フランジの内面に設けられている。延在部は、引出し背面パネルに平行な方向に、内面から離れるように突起している。第２の凹部が、角ブラケットの垂直フランジにＬ字型ブラケットを摺動可能に設置するために、Ｌ字型ブラケットの外面に形成される。

上述の説明より、この従来のコーナフィッティングは、引出し背面パネルへ引出し側部を係合させるために、３つの別個の構成部材、すなわち、側部パネル取付ブラケット（角ブラケット）と、Ｌ字型ブラケットと、背面パネル取付ブラケット（背面パネルフィッティング）と、を備える。これは、明らかに、このようなコーナフィッティングは製造するためのコストが高く、組立てに時間がかかるため、望ましくない。したがって、引出し背面パネルへ引出し側部を係合させるための、単一の構成部材から構成されるコーナフィッティングを有することが望ましいであろう。

そのような単一構成部材のコーナフィッティングが、特許文献２に開示されている。

特許文献２のコーナフィッティングと共に使用するために、引出し前面パネルは、その内面に、雌型の蟻ほぞ形状の一対の垂直溝を備え、各溝は、垂直縁端部のそれぞれに隣接して配置され、垂直縁端部のそれぞれに平行に配設されている。各側部パネルは、前面パネルの垂直溝のそれぞれの中に受容されるようになされた、雄型の蟻ほぞ構成の１つの縁端部を有している。さらに、各側部パネルは、その内面に配設され、対向する垂直縁端部に隣接し平行して配置された溝を備えている。背面パネルは、その内面に一対の垂直溝を備えており、各溝は、垂直縁端部のそれぞれに隣接し且つ平行に配置されている。

引出し側部パネルは、保持具（コーナフィッティング）により、背面パネルに固定されている。保持具は実質的にＬ字型ブラケットであって、縁端部に沿って連結され、ほぼ直角に相互から延在する一対の第１の部材（外方部材）と、縁端部に沿って連結され、ほぼ直角に相互から延在する一対の第２の部材（内方部材）と、を含んでなる。第１及び第２の部材は、離間され、それらの間にパネル受容チャネルを形成するように、それらの縁端部で細長いウェブにより連結されている。タブが第２の部材に設けられている。これらのタブは、第１の部材の方へ延在するように配設され、側部パネル及び背面パネルの垂直縁端部に隣接し平行する溝の中に受容されてなされている。

上述した引用文献２に記載された従来のコーナフィッティング（保持具）の明らかに不利な点は、それが、木材パネル又はプレスボードパネルを有する引出しアセンブリと共にのみの使用に限定されるという点である。前述のように、金属、プラスチック成形物、又は木材などの多様な材料から製造されるパネルを備える引出しアセンブリを有することは、一般的であり、望ましい。したがって、引用文献２に記載された従来のフィッティングを使用する場合、引出しアセンブリの材料及び／又は設計の点でユーザの柔軟性が制限されることになる。
マレーシア国特許出願第ＰＩ ２００２１８１６号明細書 米国特許第４,２７９,４５５号明細書

したがって、本発明は、従来技術のいくつかの又は全ての問題を軽減すること、ならびに、ユーザにとって材料及び／又は設計の点で柔軟であり、特別な工具又は技術を使用せずに引出しの背面パネルに引出し側部を組み付けるのが容易な、単一の構成部材のコーナフィッティングを提供することを目的とする。

本発明の一態様によれば、引出しアセンブリにおいて引出し背面パネルへ引出し側部を固定するために、コーナフィッティングが設けられている。フィッティングは、第１のフランジと、第２のフランジと、中空の支持構造体とを有する、実質的にＬ字型のブラケットを備え、中空の支持構造体は、第１のフランジと第２のフランジとを連結させ、引出しアセンブリの構成部材による係合のための内部支持面が形成され、引出しアセンブリの構成部材は、引出しアセンブリの内側で支持構造体を隠す役割を果たしている。スロットが、フランジの１つの対向する面と、支持面の１つとの間の隙間により規定されている。支持構造体は、引出しアセンブリの構成部材をロックするために、スロットの中へ突出するように偏倚された弾性ロッキングフラップを有する。タブが、フラップから中空の支持構造体の中へ延在し、このタブは、スロットからのフラップの引込みを可能にするように、引出しアセンブリの外部からアクセス可能である。

本発明の一実施形態において、中空の支持構造体は、３つの側部の壁と、タブにアクセス可能である第４の開いた側部とをさらに備えている。支持構造体の第４の開いた側部は、第１のフランジと第２のフランジとの間に配置され得る。隙間は、第１のフランジと、第１のフランジに隣接する支持構造体の側壁と、の間に規定され得る。

他の実施形態において、弾性ロッキングフラップは、支持構造体の側壁に設けられている。

他の実施形態によれば、弾性ロッキングフラップは、支持構造体の側壁の突出部を備えている。

さらに他の実施形態において、引出しアセンブリの構成部材が係合するための内部支持面は、支持構造体の側壁に形成されている。

他の実施形態において、タブは、スロットからフラップを引っ込めさせるために手動で押下げ可能である延在部をさらに備えている。

代替として、タブは、手持ち式の工具がスロットからフラップを引っ込めさせるために挿入され得る開口部を備えてもよい。

他の実施形態によれば、ブラケットは、第１のフランジが引出し側部に平行で、第２のフランジが引出し背面パネルに平行であるように、配向されてなされている。第１のフランジは、引出し側部にブラケットを連結するためにその底面部に設けられた開口部をさらに備えてもよい。第２のフランジは、それを引出し背面パネルの長手方向端部にブラケットを連結するための固定具が貫通することが可能である、少なくとも１つの開口部をさらに備えてもよい。

さらに他の実施形態によれば、ブラケットは、第１のフランジが引出し背面パネルに平行で、第２のフランジが引出し側部に平行であるように、配向されてなされている。第２のフランジは、引出し側部にブラケットを連結するためにその底面部に設けられた開口部をさらに備えてもよい。第１のフランジは、それを引出し背面パネルの長手方向端部にブラケットを連結するための固定具が貫通することが可能である、少なくとも１つの開口部をさらに備えてもよい。

一実施形態において、ブラケットは、プラスチック材料から製造されている。これは、単一の成形部材であってもよい。

本発明の他の態様によれば、引出しアセンブリは、１つの背面パネル及び２つの引出し側部を有し、各側部は、上述のように定義されたコーナフィッティングにより、背面パネルの長手方向端部の一方へ結合されている。各引出し側部は、二重壁であってもよく、細長部材上に嵌合するカバーを備えてもよい。引出し背面パネルは、木材又はシートメタルから製造されてもよい。さらに、引出し背面パネルは、レール支持具を備えてもよい。

支持構造体に係合可能なアセンブリの構成部材は、コーナフィッティングを保護するためのキャップを備えてもよい。

さらに、支持構造体に係合可能なアセンブリの構成部材は、引出し背面パネルを備えてもよい。

さらに、支持構造体に係合可能なアセンブリの構成部材は、レール支持具を備えてもよい。

本発明のコーナフィッティングは、単一の構成部材から構成されることが可能であり、有利には、側部パネル取付ブラケット及び／又は背面パネル取付ブラケットを必要とせずに、引出し側部の、引出し背面パネルへの係合を可能にし得る。

さらに、本発明のコーナフィッティングは、例えば木材、金属、プラスチック成形物などの様々な材料から製造された構成部材（パネル）を備えた引出しアセンブリにおいて、使用可能である。

また、さらに、使用時に、本発明のコーナフィッティングは、特殊工具又は特殊技術を利用することなく、引出しアセンブリ内に容易に設置される。

本発明が、添付の図面を参照しながらなされる実施形態の以下の説明により示されるが、それにより限定されることはない。

図１及び図２は、前面パネル１０と、背面パネル４０と、底面パネル２０と、引出しアセンブリの各側部で前面パネルと背面パネルとの間に延在する引出し側部３０と、を含んでなる引出しアセンブリを示す。引出し底面パネル２０及び前面パネル１０は、従来の態様で引出し側部３０へ結合されている。各引出し側部３０は、コーナフィッティング５０により、引出し背面パネル４０の長手方向端部へ固定されている。

図４、図５、図７、図８、図９、及び図１１に示されるように、引出し側部３０は、好ましくは金属から製造された「二重壁」タイプのもので、典型的には、各側部は、細長部材３２上に嵌合する略Ｕ字型の部分であるカバー３１を備えている。その後方の長手方向端部で、細長部材３２は、ねじが細長部材３２を貫通してコーナフィッティング５０へ細長部材（引出し側部）を連結するために挿入され得る、孔３３を備えている。また、孔３３の側部に位置し、互いに対して対角線上に配設されている一対の穴３４が、細長部材３２の後方の長手方向端部に設けられている。

コーナフィッティング５０の一実施形態が、図３Ａ〜図３Ｆに見られる。同コーナフィッティングは、第１のフランジ６０及び第２のフランジ７０を有する略Ｌ字型のブラケットを備え、第１のフランジと第２のフランジとを連結する支持構造体８０が、それらの間に設けられる。ブラケットは、単一の成形プラスチック部材から製造されることが好ましい。

第１のフランジ６０は、中央頂部部分６３から離れるように傾斜する外壁６１及び内壁６２を伴って、台形状の断面を有する。中央に配置された孔６４が、ブラケットが引出し側部３０の細長部材３２へ固定される際にねじを受けるために、第１のフランジ６０の底面に設けられている。２つの位置決め部６５が、中央の孔６４の両側に、互いから対角線上に設けられている。位置決め部６５は、ねじが締め付けられている際にブラケットが回転しないことを確実にする。第１のフランジ６０の内壁６２は、外壁６１の全長のわずかな部分にわたり延在し、そのため支持構造体８０に隣接する第１のフランジ６０は、「切断部」を有する。開口部６６が、開口部が切断部に隣接して配置された状態で、外壁６１に設けられている。第１のフランジ６０及び第２のフランジ７０を連結する支持構造体８０の一部分が、第１のフランジの切断部内に配置されている。

中空の支持構造体８０は、略矩形のハウジングであり、第４の開いた側部を伴う３つの側部の壁８１、８２、８３と、ウェブ状の頂部部分８４と、ウェブ状の底部部分８５とを備える。第１のフランジ６０及び第２のフランジ７０のそれぞれに隣接する側壁８１及び８３は、第１のフランジ６０に平行な方向に延在する。側壁８１と８３との間の側壁８２は、第１のフランジ６０へ直角をなす方向に延在する。支持構造体の凹部の外部に設けられたこれら３つの側壁８１、８２、８３は、引出しアセンブリの構成部材が係合するための内部支持面を形成する。側壁８２及び８３の外面は、引出し構成部材による係合を容易にするための、摩擦軽減溝を備えることが好ましい。第１のフランジ６０と第２のフランジ７０との間に位置する第４の側部は、コーナフィッティング５０の背部で開いている。フィッティング５０が引出しアセンブリと共に組み立てられると、同第４の開いた側部により、支持構造体の凹部は、引出しアセンブリの外側からアクセス可能となる。

支持構造体８０は、側壁８１が第１のフランジの切断部に隣接し、第１のフランジの外壁６１の内面から間隔を置いて配置されるように、配向されている。側壁８１と第１のフランジの外壁６１の内面との間の狭い隙間が、第１のフランジの切断部内に、垂直スロット８６を画成する。弾性ロッキングフラップ８７は、フラップが、スロット中へ挿入された引出し構成部材をロックするために、スロット８６の中へ突出するように偏倚された状態で、同側壁８１に設けられている。フラップ８７は、側壁８１の突出部から構成されることが好ましい。フラップ８７の下方の、側壁８１の下方部が、支持構造体の凹部の底部８５上のステップ８８を画成する。第４の開いた側部を介してアクセス可能なタブ８９が、フラップ８７から支持構造体の凹部の中へ延在する。タブ８９は、実質的に平坦で、可撓である。簡易型延在部８９ｂが、第２のフランジ７０の方へ例えば指で手動的に延在部を押すことによって、タブ８９が撓曲され、次いでフラップ８７がスロット８６から引っ込められるように、タブ８９に設けられることが好ましい。これは図３に示されている。代替として、他の図面に示されるように、手持ち式の工具がスロットからフラップ８７を引っ込めるために挿入され得る開口部８９ａが、タブ８９に設けられている。ねじ回しなどの手持ち式の工具がタブの開口部８９ａの中へ挿入され、回転されると、タブは、上述の好ましい態様におけるように、撓曲し、スロット８６からフラップ８７を引っ込める。開口部８９ａは、十字型のものとして図示されているが、それは、使用される工具に応じて、単一のスロット又は六角形の輪郭などの他の形状をとり得ることが明らかである。

第２のフランジ７０は、支持構造体８０の側壁８３へ直交し、連結されている。少なくとも１つの開口部７１（図示されるように、好ましくは２つである）が、ねじなどの固定具により、コーナフィッティング５０へ、引出し背面パネル４０の長手方向端部を連結するために、第２のフランジ７０に設けられている。補強リブ７２が、垂直縁端部に形成されて、支持構造体８０の側壁８３へ第２のフランジ７０を結合する。

使用時には、図４に示されるように、まずコーナフィッティング５０が、細長部材３２上へブラケットを設置することにより、引出し側部３０に連結される。第１のフランジ６０の底面の中央孔６４及び位置決め部６５が、細長部材３２の孔３３及び穴３４に位置合わせされる。ブラケットが細長部材３２上へ設置されると、位置決め部６５が、細長部材の孔３３の両側に位置する穴３４の中へ嵌入し、ブラケットは、細長部材の孔３３及び第１のフランジの孔６４を通してねじを挿入させることにより、細長部材３２へ固定される。次いで、引出し側部カバー３１が、細長部材−ブラケットのユニット上に嵌められる。

その後、図５Ａ及び図５Ｂに示されるように、引出し背面パネル４０が、第２のフランジ７０の開口部７１を通して挿入された固定具により、コーナフィッティングブラケットへ取り付けられる。そこに係合される際に、背面パネル４０の側壁が、ブラケット支持構造体８０の壁８３の溝を付けられた表面に対して当接する。

次に、本発明のコーナフィッティング５０に係合可能な、引出しアセンブリの構成部材について説明する。

第１の代替物においては、図６Ａ及び図６Ｂに見られるように、コーナフィッティングブラケットを保護するためのキャップ９０が設けられている。保護キャップ９０は、金属から製造されることが好ましく、頂部水平フランジ９４と、３つの垂直フランジ９１、９２、９３とを備えている。垂直フランジ９１は、支持構造体８０のロッキングフラップ８７に係合するための側部係合部分を構成し、その係合により、キャップ９０はブラケットに組み合わせられる。垂直フランジ９１は、その垂直自由端部に設けられた切欠部９５によって、上方部分と下方部分とに分けられる。切欠部９５は、実質的に水平である下方ステップ端部９６を有する。

使用時に、図５Ｃ、図７Ａ、図７Ｂ、及び図７Ｃに示されるように、垂直フランジ９１は、支持構造体８０の側壁８１と第１のフランジの外壁６１の内面との間に画成されたスロット８６の中へ挿入される。垂直フランジ９１がスロット８６の中へ押し下げられると、フランジ９１の下方端部９７が、弾性ロッキングフラップ８７の頂部に接触し、フラップ８７がほぼ垂直な位置に配設されるまで、スロット８６から出て第１のフランジの外壁６１の内面から離れるようにフラップ８７を屈曲させる。フランジ９１が、フランジ９１の下方端部９７が押されてフラップ８７を過ぎるように、スロット８６の中へさらに押し込まれると、フラップ８７は、その元の偏倚された位置へ戻る、すなわち、フラップ８７は、スロット８６の中へ突出する。同位置において、フラップ８７の下方端部は、フランジ９１の下方ステップ端部９６上に位置し、フランジ９１がスロット８６から出て引き上げられるのを防ぐ。言い換えると、フラップ８７は、スロット８６内で、フランジ９１（保護キャップ９０）をロックする。フランジ９１が、スロット８６の中へ完全に挿入されて、その中でロックされると、フランジ９１の下方端部９７は、支持構造体８０の底部８５上に位置し、フランジ９１の下方部分はステップ８８（フラップ８７の下方の、側壁８１の下部）に対して当接する。保護キャップのフランジ９１の上方部分と、垂直フランジ９２及び９３の内面と、水平フランジ９４の内面とが、支持構造体８０の壁８１の上部と、壁８２及び８３の溝を付けられた表面と、頂部８４とに対してそれぞれ、すなわち、支持構造体の係合支持面に対して、当接する。したがって、ブラケットは、保護キャップ９０によって、保護され、引出しアセンブリにおいて内部が見えないように隠されている。

ブラケットとの係合状態から保護キャップ９０を解除するために、フラップ８７は、スロット８６から出て、ほぼ垂直の位置へ屈曲される必要がある。図３に見られるタブ８９の好ましい態様においては、これは、タブ８９が撓曲され、その結果としてフラップ８７がスロット８６から引っ込められるように、指で第２のフランジ７０の方へタブ延在部８９ｂを単に押すことにより、実現され得る。一方、タブ８９が（他の図面において見られるように）開口部８９ａを備える場合には、ねじ回しなどの手持ち式の工具が、開口部８９ａの中へ挿入されて、回転される。工具が回転されると、タブ８９は、撓曲され、それによってフラップ８７は、スロット８６から出て、垂直位置へ屈曲される。フラップ８７の下方端部は、フランジ９１の下方ステップ端部９６との係合状態から解除されて、フランジ９１（保護キャップ９０）を、引き上げられ、スロット８６から出されるように解放する。

第２の代替物においては、図８Ａ及び図８Ｂに見られるように、引出し背面パネル１００が、シートメタルから、好ましくはスチールから製造される。背面パネル１００は、頂部１０４と、下部１０２と、２つの側方縁部１０３とを有するシートメタル部材を備えている。背面パネルの本体１０１へ直角であり、引出しアセンブリから離れるように背部方向で突出する頂部水平フランジ１０４は、背面パネル１００の上端部に設けられている。引出しアセンブリの底面パネルを受けるための下部スロットが、背面パネルの本体１０１の下端部１０２に設けられている。切断部分１０５が、背面パネルの本体１０１の各下方隅部に設けられ、それによって、背面パネル１００がブラケットに係合される場合に、そこにブラケットを配置できるようにしている。また、背面パネルの本体１０１から背部方向で延在する側部フランジ１０３は、背面パネル１００の各側方縁部（長手方向端部）に設けられている。同側部フランジ１０３は、上述の保護キャップ９０のフランジ９１と一致し、したがって保護キャップ９０のフランジ９１と同一の態様で、コーナフィッティングブラケットのスロット８６の中へ挿入可能である、側部係合部分を構成している。

背面パネルの側部フランジ１０３がスロット８６の中へ完全に挿入されると、背面パネルの側部フランジ１０３の内面と、背面パネルの頂部フランジ１０４と、背面パネルの本体１０１の前面部とが、ブラケット支持構造体８０の壁８１の上部と、頂部８４と、壁８２の溝を付けられた表面とに対して、それぞれ当接する。結果として、ブラケットは、背面パネル１００によって、保護され、見えないように隠される。また、コーナフィッティングブラケットのそれぞれのスロット８６の中へ背面パネルの側部フランジ１０３を共に挿入させることにより、ねじなどの固定具を使用することなく、コーナフィッティング５０を介して、引出し側部３０へ背面パネル１００を係合させている。結果的に、第２のフランジの開口部７１は、同代替物の引出し背面パネル１００がコーナフィッティング５０に係合される場合には、使用されない。

第３の代替物においては、レール支持具１１０及びレールホルダ１２０が、図９、図１０Ａ、及び図１０Ｂに見られるように、別個に設けられている。レール支持具１１０は、金属から製造されることが好ましく、４つの垂直フランジ１１１、１１２、１１３、１１５と、頂部水平フランジ１１４とを備えている。垂直フランジ１１３に直交する垂直フランジ１１５は、ねじによる背面パネル４０への係合のために、少なくとも１つの開口部１１７（図示されるように、好ましくは２つの開口部）を備えている。第１の代替物における保護キャップ９０のフランジ９１、及び第２の代替物における背面パネル１００の側部フランジ１０３と同様に、ほぼ水平の下方ステップ端部を有する切欠部が、垂直フランジ１１１の垂直端部の下部に形成されている。したがって、レール支持具１１０の垂直フランジ１１１は、同一の態様で、コーナフィッティングブラケットのスロット８６の中へ挿入される。

図１１に示されるように、垂直フランジ１１１がスロット８６の中へ完全に挿入されると、垂直フランジ１１１、１１２、及び１１３の内面と、頂部フランジ１１４とが、支持構造体８０の壁８１の上部と、壁８２及び８３の溝を付けられた表面と、頂部８４とに対して、それぞれ当接する。したがって、レール支持具１１０は、ブラケットを保護し、見えないように隠している。

さらに、レールホルダ１２０の突起部１２１を受容するための孔１１６が、垂直フランジ１１１の頂部に、頂部水平フランジ１１４に隣接して設けられている。好ましくはプラスチックから製造されるレールホルダ１２０は、Ｕ字型であり、レール支持具の垂直フランジ１１１の孔１１６の中に挿入可能である突起部１２１を有する。レールホルダ１２０は、引出し側部３０のレールをしっかりと保持するように構成された内部形状（図示せず）を有する。レールホルダ１２０の内部形状は、使用されるレールの外形に応じて、円筒形又は非円筒形となり得る。

本発明の特許請求の範囲内の他の実施形態（図面には図示せず）においては、ブラケットの支持構造体は、引出し構成部材を受けるためのスロットが引出し背面パネル４０に平行で、支持構造体の第４の開いた側部がコーナフィッティングの側部（引出しアセンブリ）で開口するようになされている。弾性ロッキングフラップを有する支持構造体の側壁が、引出し背面パネル４０に平行に配設され、タブは、支持構造体の第４の開いた側部を介して、コーナフィッティングの側部（引出しアセンブリ）からアクセス可能である。スロット内の引出し構成部材のロッキングが、上述の好ましい実施形態におけるものと同一の態様で、同実施形態において実現されている。

本明細書においてなされた、前／前方、後／背、頂部、底部、側方、垂直、内方、外方などの、方向に関する全ての表現は、使用時における引出しアセンブリの配向に対するものである。

当業者には容易に明らかになるであろうが、本発明はその特許請求の範囲又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態においても容易に製造され得る。したがって、本実施形態は、単に例示のものであって、限定的なものではないと見なされるべきで、本発明の範囲は、前述の説明よりもむしろ特許請求の範囲により示されている。したがって、本発明の範囲内の全ての変更形態はその中に包含されるべきであることが意図されている。

引出し背面パネルの長手方向端部のそれぞれに各引出し側部を固定するための、好ましい実施形態のコーナフィッティングを有する、引出しアセンブリの正面斜視図である。 図１の引出しアセンブリの背面斜視図である。 好ましい実施形態のコーナフィッティングの背面斜視図である。 他の実施形態のコーナフィッティングの背面斜視図である。 スロットに対するロッキングフラップの位置を示す、図３Ａの断面切断図である。 図３Ａのコーナフィッティングの背面図である。 図３Ａのコーナフィッティングの外面斜視図である。 図３Ａのコーナフィッティングの内面斜視図である。 図３Ａのコーナフィッティングの底面図である。 引出し側部に固定される、図３Ａのコーナフィッティングの分解図である。 引出し側部に固定された図３Ａのコーナフィッティングを有する、引出し背面パネルの係合を示す背面斜視図である。 固定手段による引出し背面パネルの係合を示す図である。 図５Ａ及び図５ｂの、組み立てられたコーナフィッティングと、引出し側部と、引出し背面パネルとへの、第１の代替物である保護キャップの係合を示す図である。 第１の代替物における、図３Ａのコーナフィッティングと共に使用するための保護キャップの、背面斜視図である。 図６Ａの保護キャップの正面斜視図である。 図３Ａのコーナフィッティングのスロットの中への、図６Ａ及び図６Ｂの保護キャップの挿入を示す、背面断面図である。 図３Ａのコーナフィッティングのスロットの中への、図６Ａ及び図６Ｂの保護キャップの挿入を示す、背面断面図である。 図３Ａのコーナフィッティングのスロットの中への、図６Ａ及び図６Ｂの保護キャップの挿入を示す、背面断面図である。 引出し側部へ固定された図３Ａのコーナフィッティングへの、第２の代替物である引出し背面パネルの係合を示す、背面斜視図である。 図８Ａの係合された構成部材の背面斜視図である。 引出し側部に設置される、第３の代替物であるレールホルダと、好ましい実施形態のコーナフィッティングとを有するレール支持具の分解図である。 図３Ａのコーナフィッティングと共に使用するための、レール支持具の背面斜視図である。 図１０Ａのレール支持具の正面斜視図である。 引出しアセンブリにおいて組み立てられた、図３Ａのコーナフィッティングに係合された図１０Ａ及び図１０Ｂのレール支持具を有する図３Ａのコーナフィッティングを示す図である。

符号の説明

１０ 前面パネル
２０ 底面パネル
３０ 引出し側部
３１ カバー
３２ 細長部材
３３ 孔
３４ 穴
４０ 背面パネル
５０ コーナフィッティング
６０ 第１のフランジ
６１ 外壁
６２ 内壁
６３ 中央頂部部分
６４ 中央に配置された孔
６５ 位置決め部
６６ 開口部
７０ 第２のフランジ
７１ 開口部
７２ 補強リブ
８０ 支持構造体
８１ 壁
８２ 壁
８３ 壁
８４ ウェブ状の頂部部分
８５ ウェブ状の底部部分
８６ 垂直スロット
８７ 弾性ロッキングフラップ
８８ ステップ
８９ タブ
８９ａ 開口部
８９ｂ 簡易型延在部
９０ 保護キャップ
９１ 垂直フランジ
９２ 垂直フランジ
９３ 垂直フランジ
９４ 頂部水平フランジ
９５ 切欠部
９６ 下方ステップ端部
９７ 下方端部
１００ 背面パネル
１０１ 本体
１０２ 下部／下端部
１０３ 側方縁部／側部フランジ
１０４ 頂部／頂部水平フランジ
１０５ 切断部分
１１０ レール支持具
１１１ 垂直フランジ
１１２ 垂直フランジ
１１３ 垂直フランジ
１１４ 頂部水平フランジ
１１５ 垂直フランジ
１１６ 孔
１１７ 開口部
１２０ レールホルダ
１２１ 突起部

Claims (26)

1. 引出しアセンブリにおける、引出し背面パネル（４０、１００）に引出し側部（３０）を固定するためのコーナフィッティング（５０）において、
   第１のフランジ（６０）及び第２のフランジ（７０）を備えた、略Ｌ字型のブラケットと、
   前記第１のフランジ（６０）と前記第２のフランジ（７０）とを連結させる中空の支持構造体（８０）であって、当該引出しアセンブリの構成部材による係合のために、複数の内部支持面が形成された中空の支持構造体（８０）と、
   前記フランジ（６０、７０）の一方の対向する面と、前記支持面の一つとの間の隙間により規定されたスロット（８６）と、
   前記支持構造体（８０）に含まれる弾性ロッキングフラップ（８７）であって、当該引出しアセンブリの前記構成部材をロックするために、前記スロット（８６）の中へ突出するように偏倚された弾性ロッキングフラップ（８７）と、
   前記フラップ（８７）から前記中空の支持構造体（８０）の中へ延在し、前記スロット（８６）からの前記フラップ（８７）の引込みを可能にするように、前記引出しアセンブリの外部からアクセス可能であるタブ（８９）と、
   を含んでなり、前記構成部材が、当該引出しアセンブリの内側で前記支持構造体を隠す役割を果たしていることを特徴とするコーナフィッティング（５０）。
2. 前記中空の支持構造体（８０）が、３つの側部の壁（８１、８２、８３）と、前記タブ（８９）にアクセス可能である第４の開いた側部と、をさらに備えていることを特徴とする請求項１に記載のコーナフィッティング。
3. 前記支持構造体（８０）の前記第４の開いた側部が、前記第１のフランジ（６０）と前記第２のフランジ（７０）との間に配置されていることを特徴とする請求項２に記載のコーナフィッティング。
4. 前記隙間は、前記第１のフランジ（６０）と、前記第１のフランジ（６０）に隣接する前記支持構造体（８０）の側壁（８１）との間に形成されていることを特徴とする請求項２又は３に記載のコーナフィッティング。
5. 前記弾性ロッキングフラップ（８７）が、前記支持構造体（８０）の側壁（８１）に設けられていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
6. 前記弾性ロッキングフラップ（８７）が、前記支持構造体（８０）の側壁（８１）の突出部を含んでなることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
7. 前記引出しアセンブリの前記構成部材が係合するための前記内部支持面は、前記支持構造体（８０）の側壁（８１、８２、８３）により形成されていることを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
8. 前記タブ（８９）は、前記スロット（８６）から前記フラップ（８７）を引っ込めさせるために手動で押下げ可能である延在部をさらに含んでなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
9. 前記タブ（８９）は、手持ち式の工具が前記スロット（８６）から前記フラップ（８７）を引っ込めさせるために挿入され得る開口部（８９ａ）をさらに含んでなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
10. 前記ブラケットは、前記第１のフランジ（６０）が引出し側部（３０）に平行で、且つ前記第２のフランジ（７０）が前記引出し背面パネル（４０）に平行となるように、配向されてなされていることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
11. 前記第１のフランジ（６０）は、引出し側部（３０）に前記ブラケットを連結するために、前記第１のフランジ（６０）の底面部に設けられた開口部（６４）をさらに含んでなることを特徴とする請求項１０に記載のコーナフィッティング。
12. 前記第２のフランジ（７０）は、少なくとも１つの開口部（７１）をさらに含んでなり、前記引出し背面パネル（４０）の長手方向端部に前記ブラケットを連結するために、固定具が前記開口部を貫通し得ることを特徴とする請求項１０に記載のコーナフィッティング。
13. 前記ブラケットは、前記第１のフランジが前記引出し背面パネル（４０）に平行で、且つ前記第２のフランジが引出し側部（３０）に平行となるように、配向されてなされていることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
14. 前記第２のフランジは、引出し側部（３０）に前記ブラケットを連結するために、前記第２のフランジの底面部に形成された開口部をさらに含んでなることを特徴とする請求項１３に記載のコーナフィッティング。
15. 前記第１のフランジは、少なくとも１つの開口部をさらに含んでなり、前記引出し背面パネル（４０）の長手方向端部に前記ブラケットを連結するために、固定具が前記開口部を貫通し得ることを特徴とする請求項１３に記載のコーナフィッティング。
16. 前記ブラケットが、プラスチック材料から製造されていることを特徴とする請求項１〜１５のいずれか一項に記載のコーナフィッティング。
17. 前記ブラケットが、単一の成形部材であることを特徴とする請求項１６に記載のコーナフィッティング。
18. １つの背面パネル（４０、１００）及び２つの引出し側部（３０）を有する引出しアセンブリであって、請求項１〜１７のいずれか一項に記載のコーナフィッティング（５０）によって、各側部が前記背面パネルの長手方向端部の一方へ結合されていることを特徴とする引出しアセンブリ。
19. 前記引出し背面パネル（４０）が、木材から製造されていることを特徴とする請求項１８に記載の引出しアセンブリ。
20. 前記引出し背面パネル（１００）が、シートメタルから製造されていることを特徴とする請求項１８に記載の引出しアセンブリ。
21. 前記アセンブリが、レール支持具（１１０）及びレールホルダ（１２０）をさらに含んでなることを特徴とする請求項１８に記載の引出しアセンブリ。
22. 前記支持構造体（８０）に係合可能な前記アセンブリの前記構成部材が、前記コーナフィッティング（５０）を保護するためのキャップ（９０）を含んでなることを特徴とする請求項１８又は１９に記載の引出しアセンブリ。
23. 前記支持構造体（８０）に係合可能な前記アセンブリの前記構成部材が、前記引出し背面パネル（１００）を含んでなることを特徴とする請求項１８又は２０に記載の引出しアセンブリ。
24. 前記支持構造体（８０）に係合可能な前記アセンブリの前記構成部材が、レール支持具（１１０）を含んでなることを特徴とする請求項１８に記載の引出しアセンブリ。
25. 前記引出し側部（３０）が、二重壁となっていることを特徴とする請求項１８〜２４のいずれか一項に記載の引出しアセンブリ。
26. 前記引出し側部（３０）が、細長部材（３２）上に嵌合するカバー（３１）を含んでなることを特徴とする請求項１８〜２５のいずれか一項に記載の引出しアセンブリ。

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