JP2008154467A - 核酸の増幅方法とこれを用いた核酸の解析方法 - Google Patents

核酸の増幅方法とこれを用いた核酸の解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、核酸増幅中に生じる増幅エラーの増大を抑え、再現性のよい増幅産物を得ることを課題としている。
【解決手段】本発明においては、一本鎖のみの増幅を最初に行い、その増幅産物に相補的な鎖を次いで増幅する、二段階の増幅工程を経て増幅対象の核酸の増幅を行うことを特徴としている。増幅には、第一段階の増幅に用いる第1プライマーと、第二段階の増幅に用いる第2プライマーとを使用する。これらのプライマーはそれぞれ別個に使用するか、異なるストリンジェンシーを有するように設計し同時に使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸の増幅方法、及びこれを用いた核酸の解析方法に関する。より具体的には、2段階の増幅工程によって、微量の鋳型核酸を増幅する方法、及びこれを用いた核酸の解析方法に関する。
微量にしか存在しない核酸試料を対象として、遺伝子解析等の研究を行うには、対象核酸を予め増幅する必要がある。PCR法は、そのための方法として有効に活用できる技術の一つである。しかしながらPCR法においては、増幅エラーが生じる問題が本質的に存在している。増幅エラーの発生が増幅の初期段階にあった場合には、エラーも等比級数的に増幅され、増幅産物のかなりの部分においてエラーが存在することになる。
エラーの種類としては、塩基対のミスマッチが生じる場合がある。また同時に2箇所を増幅してその増幅産物の量を比較するような場合に、片方の箇所だけが過剰に増幅され(片方があまり増幅されない)、その2箇所の量比が崩れるなどのアンバランスな増幅が起こる場合などが挙げられる。更に、鋳型がゲノム中のマイクロサテライト領域のように、単位配列の繰り返しから構成される場合には、本来の長さよりも短いスタッターバンドが出現することもある。
一般に、PCR法で必要とされる鋳型の量は数ng〜20ng程度の範囲にあり、これ以下の量しか入手できない場合には、鋳型量を増やすために予備的な増幅を行う必要がある。このような方法には例えば、PEP(Primer Extension Pre-Amplification)法(非特許文献1)、DOP-PCR(Degenerate Oligonucleotide-Primed PCR)法(非特許文献2)、GenomiPhi法がある。
非特許文献1に開示されるPEP法では完全にランダム化した15-merの増幅プライマーを用いて増幅が行われる。この方法においては、(1)92℃での変性工程;(2)37℃でのハイブリダイゼーション工程;(3)ハイブリダイゼーション温度から55℃まで約0.1℃/秒の速度で徐々に上昇させる工程;(4)55℃でのポリメラーゼ伸長反応を4分間行う工程;から構成される連続熱サイクルを50回行っている。PEP法では、ランダム化したプライマーを使用するため、配列が未知の場合にも適用可能であるが、前のサイクルにおいて増幅した産物の内部領域が増幅される。従ってサイクルを経るごとに長さの短くなった産物が蓄積する結果となることを特徴としている。
DOP-PCR法は、未知の鋳型DNAにおいて統計的に代表される部分の配列を増幅することができる。この方法では、ゲノム全体に渡ってさまざまな部位に結合する、部分的に縮重したプライマーが用いられる。即ち、5’及び3’末端に特定の配列(3’側に統計的に代表する6塩基の縮退的部分を設けたもの)を有し、かつ中央部にランダムヘキサマー領域を有する増幅プライマーが使用される。非特許文献2に記載のDOP-PCR法では、最初の5回の熱サイクルでは少し厳しい条件で増幅を行い、次の35回の熱サイクルをより厳しい条件下で、より高いアニーリング温度にて増幅を行う。そしてこれらのサイクルの間に、完全に相補的なプライマーだけが増幅対象のDNAに結合できるようにしている。しかしながらこの技術においてもまた、増幅の偏りが生じ、最終産物中に一部のゲノムセグメントが含まれていない場合が生じてしまう。
上記のPEP法及びDOP-PCR法では、何れもPCRの全サイクル数が多くなるため、通常のPCR法と同様に、エラーの増幅度合いはPCRのサイクル数に関して等比級数的に増幅されるものとなる。このような影響を受けにくい方法としては、MDA(Multiple Displacement Amplification)法がある。この方法の一種であるGenomiPhi法では、Phi29DNAポリメラーゼを用いて鎖置換増幅を行う。これにより、一本鎖/二本鎖DNAの鋳型を非特異的にランダムに増幅することが可能となる。しかしながら反応時間が長いという問題が存在し、また非特異的な増幅の問題が完全になくなるわけではない。
このように、鋳型核酸を予備的に増幅する方法がいくつか存在するものの、PCRサイクル数の増加等に関連して、増幅の均一性・定量性が保証できないことも多く、ゲノムのオリジナルの状態を反映した解析結果を得ることが困難であるという問題が本質的に存在している。
米国特許第6124120号明細書 米国特許第6365375号明細書 米国特許出願公開第2002/0160404号明細書 テレニウスら(H. Telenius et al.)、「ジェノミックス(Genomics)」、1992年、第13巻、p.718-725 ツァンら(L. Zhang et al.)、「プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス USA(Proceedings of National Academy of Science, USA)」、1992年、第89巻、p.5847-5851
本発明においては斯かる問題を解決し、増幅におけるエラーや偏りを可能な限り低減して、より正確な増幅を行う方法を提供することを課題としている。
上記の課題に鑑みて本発明においては、下記の構成をとることを特徴としている。
(1) 増幅対象である二本鎖核酸、及び当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の二本鎖核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
を含む、核酸の増幅方法。
(2) 増幅対象である一本鎖核酸、及び当該核酸中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
を含む、核酸の増幅方法。
(3) 増幅対象である二本鎖核酸、当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該核酸のもう一方の鎖中の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;
第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに、
第2プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;
を含む、核酸の増幅方法。
(4) 増幅対象である一本鎖核酸、当該核酸中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該第1プライマーにより伸長される伸長産物の3’末端側の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;
第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに
第2プライマー、及び第1増幅工程の増幅産物の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;
を含む、核酸の増幅方法。
(5)前記ストリンジェンシーが、プライマーのアニーリング温度に関するものである、前記(3)又は(4)に記載の核酸の増幅方法。
(6) 第1プライマーの至適アニーリング温度(T1)と、第2プライマーの至適アニーリング温度(T2)との温度差が、5℃〜30℃である、前記(5)に記載の核酸の増幅方法。
(7) 前記二本鎖増幅工程、又は前記第2増幅工程の増幅産物の定量を行う工程;
を更に含む、前記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の核酸の増幅方法。
(8) 前記定量が、前記第1プライマー及び前記第2プライマー、の少なくとも一方に予め付与された検出可能な標識を基に行われる、前記(7)に記載の核酸の増幅方法。
(9) 前記定量が、
前記第1プライマー及び前記第2プライマーの少なくとも一方に、結合対の一方の物質を予め付与しておき、当該結合対のもう一方の物質と共役した酵素を、前記二本鎖増幅工程又は前記第2増幅工程の増幅産物に添加することにより、当該結合対及び増幅産物の接合体を形成させ;
検出可能な標識が共役された、当該酵素に対する基質を、当該接合体に接触させることにより、当該酵素による反応を行い;更に
当該酵素による反応産物中の当該標識の検出を行う;
ことにより行われる、前記(7)に記載の核酸の増幅方法。
(10) 前記増幅対象の核酸が、高次構造を有する配列、GC含量が50v%以上の配列、STR配列、マイクロサテライト配列からなる群より選択される配列を含む、前記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の核酸の増幅方法。
(11) 前記第1プライマーが複数種類である、前記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の核酸の増幅方法。
(12) 前記増幅対象の核酸の量が、増幅前に0.1〜5ngの範囲である、前記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の核酸の増幅方法。
(13) 前記(1)乃至(12)の何れか一つに記載の核酸の増幅方法を用いて、核酸を増幅した後に核酸の検出を行なうことを特徴とする核酸の解析方法。
(14) 前記(13)に記載の核酸の解析方法であって、核酸の検出対象が、LOH解析、メチル化検出、ヘテロプラズミーの検出であることを特徴とする核酸の解析方法。
本発明の核酸の増幅方法は、増幅中に生じる可能性のある増幅エラーが等比級数的に増幅されてしまうことを効果的に防止し、定量性が求められる解析に供することが可能な核酸を増幅することを可能とする。
本発明の核酸増幅方法は、
増幅対象である二本鎖核酸、及び当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の二本鎖核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
を含む。
増幅対象の核酸は、本発明の実施においては特に限定されるものではないが、増幅が効果的に進むために、可能な限り精製されたものであって、増幅反応に悪影響を及ぼす夾雑物が含まれていないことが望ましい。増幅対象の核酸量としては、0.1〜5ng、より好ましくは1〜3ngの範囲である。増幅対象の核酸の長さについても特に限定されるものではないが、ゲノムDNAを対象とするような場合、事前に断片化処理、例えば超音波処理やDNアーゼI処理を行っておくことが望ましい。断片化後の核酸の長さとしては、500bp程度が好ましい。
相補鎖増幅工程においては、増幅対象である二本鎖核酸の一方の鎖の増幅を行う。そのため、当該一方の鎖中の領域に相補的な配列を有する第1プライマーを準備し、ポリメラーゼを使った伸長反応を行う。相補鎖増幅工程は、本質的に、一方のプライマーのみを使って行うPCR法である。従って第1プライマーの調製は、公知の方法により行うことができ、ポリメラーゼとしては、通常のPCRにおいて使用される、熱サイクルにおいて使用可能なものを利用することが望ましい。また、相補鎖増幅工程では、当該増幅の反応に適したバッファー及びその他必要な基質(dNTPs)等を使用する。
この相補鎖増幅工程は、以下の3つのサブ工程よりなる。
(1)増幅対象の核酸の変性を行う変性工程;
(2)第1プライマーと増幅対象核酸とのアニーリングを行うアニーリング工程;及び
(3)増幅対象核酸にアニーリングした第1プライマーの伸長反応を行う伸長工程;
である。これら3つのサブ工程からなる相補鎖増幅工程は、20〜40回の範囲のサイクル数で行うことが好ましい。20回未満であると、相補鎖の増幅度合いが少なく、また、40回を超えると、以下の二本鎖増幅工程における反応が阻害される傾向がでてくるためである。
変性工程においては、増幅対象核酸の変性が確実に生じる温度であれば特に限定されないが、二本鎖核酸の変性を確実に行うため95℃前後の温度で2〜10分間程度行うことが望ましい。アニーリング工程は、第1プライマーと増幅対象核酸との塩基対の長さ、当該塩基対中のGC含量などに応じて、適宜当業者が決定する至適条件(温度、塩濃度等)で行う。第1プライマーの長さが15〜25塩基の範囲の場合、通常、50〜65℃の範囲で30秒〜1分間アニーリングを行えば、プライマーと増幅対象核酸との間の非特異的な結合を生じることなく、両者の間に特異的塩基対のみから構成されるハイブリッドを形成することができるため好ましい。最後の伸長工程は、反応系の温度を、アニーリング温度から、使用するポリメラーゼに適する温度にまで変化させ、その温度で維持することにより行う。維持する時間は、伸長反応によって、プライマーが必要十分な長さにまで伸長されるのに十分な時間とする。即ち、第2プライマー添加後の二本鎖増幅工程において、第2プライマーが認識して結合する領域を含んで第1プライマーが伸長される時間とする。この時間は、第1プライマーと第2プライマーとがそれぞれ認識する核酸上の領域間の距離と、使用するポリメラーゼの一般的な反応速度等の情報に基づき、当業者らが適宜決定できるものである。通常は、ポリメラーゼの反応速度は、1kb/分程度であるので、伸長により要求される長さ(kb単位)をこの反応速度で割った値を、伸長時間(分)とすればよい。
相補鎖増幅工程を行った後、次いで、前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程を実施する。第2プライマーの調製もまた、公知の方法により行うが、上述のごとく、前記相補鎖増幅工程に増幅産物の3’末端側の領域に相補的な配列を有するように作成する。第2プライマーの添加によりバッファーの調整が必要な場合、適宜、バッファーの調整を行い、以下の増幅工程を阻害しないようにする。
次いで、第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の二本鎖核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程を実施する。この工程では、第1プライマーにより増幅された相補鎖を認識する第2プライマーによって、当該相補鎖に対して相補的な鎖がまず増幅されるが、前記の相補鎖増幅工程において使用されなかった過剰の第1プライマーが存在する場合、第1のプライマーと第2のプライマーによって通常のPCR増幅が起こる。そして通常のPCRと同様にして、二つの鎖が等比級数的に増幅される。この二本鎖増幅工程においても、上述の相補鎖増幅工程と同様に、変性工程、アニーリング工程、伸長工程からなる熱サイクルを行う。サイクル数は、相補鎖伸長工程で伸長される伸長産物の量と、最終的に要求される二本鎖核酸の量、各工程での増幅効率などを考慮して当業者らが適宜決定できるものである。ただし、増幅回数が少ないと、増幅量が不十分で信頼性の高い解析を行うことができず、多すぎると増幅の誤差が大きくなってしまい定量的な解析ができなくなってしまう。このため、増幅前の増幅対象核酸の量が0.1〜5ngの場合は、より具体的には、増幅の回数は、20〜35回の範囲とすることがより好ましい。
本発明においては以上のように、相補鎖増幅工程を予め行うことで、(相補鎖増幅工程においては)増幅対象の核酸が、等比級数的ではなく、等差級数的に増幅される。増幅産物中に含まれるエラーは、反応条件や使用するポリメラーゼにより決まってくるが、相補鎖増幅工程においては等比級数的増幅ではなく、等差級数的、線形的な増幅がなされるため、不可避のエラーの増幅される度合いも等差級数的、線形的な増幅に留まる。より具体的には、従来のPCR法により二本鎖の鋳型を同時に増幅した場合、増幅サイクルが40サイクルである場合、最初の増幅段階で生じたエラーは、40サイクル後には、(各サイクルにおける増幅効率が100%であると仮定した場合)ほぼ240倍となる。一方、本発明の方法において相補鎖増幅工程を行うと、増幅された片側鎖は次の増幅の鋳型とはならないので次の増幅に引き継がれない。(但し、増幅された片側鎖に生じたエラーは、相補鎖増幅後のPCR反応ではPCRサイクル数分だけ等比級数的に増幅される)。従来のPCRの場合、増幅産物全体の約4分の1にエラーが含まれる。一方、本発明の相補鎖増幅の場合、増幅産物に生じるエラーは、増幅システム固有の一定割合である。両者では増幅量に差があるため、この差を考慮すると、従来のPCRの場合には、エラーを含んだ鎖の数は、本発明の相補鎖増幅工程の場合よりも顕著に大きい。そのため、従来のPCR増幅産物を基に配列を解析した場合には、エラーに基づく解析を行ってしまう確率が高くなってしまう。一方、本発明の場合には、エラーが含まれる鎖の数は、非常に小さい、一定割合であるため、適宜、通常の増幅方法により更に核酸の増幅を行えば、解析に必要な十分量の核酸が得られるのみならず、得られた核酸中にエラーが含まれる割合、確率は十分に低いものとすることが可能である。
上記では、増幅対象核酸が二本鎖である場合について記載したが、増幅対象核酸が一本鎖である場合にも、本質的に同様の方法により微量の核酸を増幅することが可能である。即ち、
増幅対象である一本鎖核酸、及び当該核酸中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
を含む方法を実施することで、増幅対象の一本鎖核酸について、エラーを等比級数的に増幅することなく、等差級数的に核酸を増幅することが可能である。
本発明の核酸の増幅方法においては、
増幅対象である二本鎖核酸、当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該核酸のもう一方の鎖中の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;
第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに、
第2プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;
を含むものとすることができる。
上記増幅準備工程においては、増幅対象核酸との関係におけるストリンジェンシーが有意に異なる2種類のプライマーを、増幅対象である二本鎖核酸と混合する。そして、次に第1プライマーと増幅対象核酸とに至適のストリンジェンシー条件下で第1増幅工程を行い、その次に第2プライマーと増幅対象核酸とに至適のストリンジェンシー条件下で第2増幅工程を行う。
第1増幅工程におけるストリンジェンシー条件は、第1プライマーと増幅対象核酸とに至適のストリンジェンシーであって、第2プライマーと増幅対象核酸とに至適なストリンジェンシー条件よりも顕著に厳しいものであるため、第1プライマーと増幅対象核酸との間でしか増幅が生じない。ここで、ストリンジェンシーとは、例えばプライマーのアニーリング温度に関するものとすることが可能である。この場合、第1プライマーの至適アニーリング温度(T1)と、第2プライマーの至適アニーリング温度(T2)との差が、5℃〜30℃であることが好ましい。より好ましくはT1とT2との差が10℃〜15℃である。
次に第2増幅工程を行う。第2増幅工程は、第2プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行われるが、このストリンジェンシーは、第1増幅工程のものよりも顕著に緩やかである。第1増幅工程では第1プライマーを使った反応が起こり、第2増幅工程では第1プライマー及び第2プライマーによる通常のPCRが起こる。そのため第1プライマーは、当該第1増幅工程で消費され尽くさないことが望ましい。
上記では、増幅対象が二本鎖核酸である場合について記載したが、増幅対象が一本鎖核酸である場合についても、本質的に同様の方法により核酸を増幅することが可能である。即ちこの場合に、増幅対象である一本鎖核酸、当該核酸中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該第1プライマーにより伸長される伸長産物の3’末端側の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに第2プライマー、及び第1増幅工程の増幅産物の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;を含む核酸の増幅方法とすることができる。
本発明においては、上記に記載の増幅方法の実施後に、その増幅産物の定量を行うことができる。具体的には上記二本鎖増幅工程、又は上記第2増幅工程における増幅産物の量を定量する。定量方法としては、増幅産物そのものを直接的に定量する方法や、増幅産物の量に比例する物性値の間接的な定量による方法を挙げることができる。直接的な定量方法としては、プライマーに予め導入しておいた蛍光標識などの検出可能な標識を定量する方法を挙げることができる。一方、間接的な定量方法としては、サイバーグリーンなどのインターカレーターでの検出が挙げられる。
別の間接的な定量方法としては、前記第1プライマー及び前記第2プライマーの少なくとも一方に、結合対の一方の物質を予め付与しておき、当該結合対のもう一方の物質と共役した酵素を、前記二本鎖増幅工程又は前記第2増幅工程の増幅産物に添加することにより、当該結合対及び増幅産物の接合体を形成させ;検出可能な標識が共役された、当該酵素に対する基質を、当該接合体に接触させることにより、当該酵素による反応を行い;更に当該酵素による反応産物中の当該標識の検出を行う;方法を挙げることができる。
本発明の核酸の増幅方法においては、増幅対象の核酸が、高次構造を有する配列、GC含量が50%以上、より好ましくは60%以上の配列、STR配列、マイクロサテライト配列である場合に好適に用いることができる。これらの配列は、一般に増幅時のエラーが生じやすいため、通常のPCRにより増幅を行った場合、初期段階にエラーが生じる可能性が高いためである。本発明においては、全増幅産物中、そのようなエラーを含む産物の割合が通常のPCRによる増幅方法を適用した場合と比較して顕著に小さい。そのため、増幅対象核酸がこのような配列の何れかを含む場合には、本発明の方法を実施する利点がある。
本発明の核酸の増幅方法においては、第1プライマーを複数種類使用することが可能である。即ち、増幅対象の核酸の一方の鎖の複数領域をそれぞれ認識するプライマーを準備し、最終的に長さの異なる増幅産物を得るようにすることも可能である。増幅対象となる核酸の配列中の全ての領域が均等に増幅可能であるとは限らないので、増幅対象核酸の初期量が極微量である場合には、このように複数領域の増幅を同時に行うことで、本発明の増幅方法によって、増幅対象が増幅される確率を上げることが可能である。
増幅のエラーが生じやすい配列、例えば、高次構造を有する配列、GC含量の多い配列、STR配列、マイクロサテライト配列などは、通常のPCRでは増幅されにくく、PCRのサイクル数を増やすと定量性が損なわれやすい。このような場合であっても、本発明の核酸の増幅方法を用いると、高い定量性を持って検出することが可能となる。この他にも、LOH解析、メチル化検出やヘテロプラズミーの検出などにも好適に用いることができる。
がん化におけるエピジェネティックスな解析のひとつとして、各組織におけるメチル化の度合いを比較する場合がある。このとき、メチル化の度合いを正確に比較する必要があるため定量的な解析が必要である。PCRを用いたメチル化解析を行うときに、ゲノムの量が少ない場合には、通常PCRのサイクルを増やさなければならない。単に、サイクル数を増やしただけでは、エラーが増幅されてしまい、定量的な解析を行うことができない。しかし、本発明を適用し、一度プレ増幅を行うことにより、定量的な解析が可能となる。
ミトコンドリアDNAの突然変異により疾患が起こることがある。この疾患の重さは、突然変異の起こり方や、細胞内での突然変異型ミトコンドリアDNAと野生型DNAの比率による。したがって、ミトコンドリアDNAの突然変異による疾患を理解するには、ヘテロプラズミーの比率を知ることが重要となる。この場合も、ゲノムの量が少ない場合には、通常PCRのサイクルを増やさなければならない。単に、サイクル数を増やしただけでは、エラーが増幅されてしまい、定量的な解析を行うことができない。しかし、本発明を適用し、一度プレ増幅を行なうことにより、定量的な解析が可能となる。
以下の試料DNAおよびオリゴヌクレオチドを用いた。
DNA:ヒトゲノムDNA 2 ng(Promega社Human Genomic DNA: Male)
オリゴヌクレオチド:
配列番号1の塩基配列を有する第2プライマーD3S1293 for(HEX標識)
配列番号2の塩基配列を有する第1プライマーD3S1293 rev
上記のヒトゲノムDNA全量、上記の第1プライマー12.5 pmol、10×Ex Taq Bufferを1×(5μl)、dNTP mixを0.2 mMとなるように混合し、全体を50μlとした。この混合液にTaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを30回繰り返し、片側鎖増幅を行った。その後、その反応液に上記第2プライマーを12.5 pmol、TaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを25回繰り返し、PCR増幅を行った。
増幅産物の検出はGenetic Analyzer3130xl(ABI)で行った。
(結果)
第1プライマーによる相補鎖伸長反応を行わずして、通常の25サイクルのPCRを行ったのみでは検出されなかったバンドが、本発明の方法の実施により検出された。また、増幅産物を利用して定量的な解析(ピーク強度の比率の比較)を行うことができた。
以下の試料DNAおよびオリゴヌクレオチドを用いた。
DNA:ヒトゲノムDNA 2 ng(Promega社Human Genomic DNA: Male)
オリゴヌクレオチド:
配列番号1の塩基配列を有する第2プライマーD3S1293 for(HEX標識)
配列番号2の塩基配列を有する第1プライマーD3S1293 rev
配列番号3の塩基配列を有する第2プライマーD3S1234 for(6-FAM標識)
配列番号4の塩基配列を有する第1プライマーD3S1234 rev
上記のヒトゲノムDNA全量、第1プライマーrevをそれぞれ12.5 pmolずつ、10×Ex Taq Bufferを1×(5μl)、dNTP mixを0.2 mMとなるように混合し、全体を50μlとした。この混合液にTaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを30回繰り返し、片側鎖増幅を行った。その後、その反応液に第2プライマーforをそれぞれ12.5 pmolずつ、TaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを25回繰り返し、PCR増幅を行った。増幅産物の検出はGenetic Analyzer 3130xl(ABI)で行った。
(結果)
第1プライマーによる相補鎖伸長反応を行わずして、通常の25サイクルのPCRを行ったのみでは検出されなかったバンドが、本発明の方法の実施により検出された。また、増幅産物を利用して定量的な解析を行うことができた。
以下の試料DNAおよびオリゴヌクレオチドを用いた。
DNA:ヒトゲノムDNA 2 ng(Promega社Human Genomic DNA: Male)
オリゴヌクレオチド:
配列番号1の塩基配列を有する第2プライマーD3S1293 for(HEX標識)
配列番号2の塩基配列を有する第1プライマーD3S1293 rev
配列番号3の塩基配列を有する第2プライマーD3S1234 for(6-FAM標識)
配列番号4の塩基配列を有する第1プライマーD3S1234 rev
上記のヒトゲノムDNA全量、上記の第1プライマーrevをそれぞれ12.5 pmolずつ、10×Ex Taq Bufferを1×(5μl)、dNTP mixを0.2 mMとなるように混合し、全体を50μlとした。この混合液にTaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを40回繰り返し、片側鎖増幅を行った。その後、その反応液を半分に分け、新たなPCR反応液が25 μl(Ex Taq Bufferが1×、dNTP mixが0.2 mM)が含まれるチューブ1、2に移した。チューブ1には第1プライマーD3S1293revを6.25 pmolと第2プライマーD3S1293forを12.5 pmol、チューブ2には第1プライマーD3S1234revを6.25 pmolと第2プライマーD3S1234forを12.5 pmol、それぞれ加えた。最後にチューブ1、2のそれぞれにTaKaRa Ex Taqを1.25 unitsずつ加え、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを25回繰り返し、PCR増幅を行った。増幅産物の検出はGenetic Analyzer 3130xl(ABI)で行った。
(結果)
それぞれ増幅産物を検出することができた。
以下の試料DNAおよびオリゴヌクレオチドを用いた。
DNA:ヒトゲノムDNA 2 ng(Promega社Human Genomic DNA: Male)
オリゴヌクレオチド:
配列番号1の塩基配列を有する第2プライマーTP53 for(HEX標識)
配列番号2の塩基配列を有する第1プライマーTP53 rev
上記のヒトゲノムDNA全量、上記の第1および第2のプライマーを20 pmolずつ、10×Ex Taq Bufferを1×(5μl)、dNTP mixを0.2 mMとなるように混合し、全体を50μlとした。この混合液にTaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、65℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを30回繰り返し、第1プライマーのみからの片側鎖増幅を行った。その後、94℃・30秒、55℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを25回繰り返し、PCR増幅を行った。増幅産物の検出はGenetic Analyzer 3130xl(ABI)で行った。
(結果)
第1プライマーによる相補鎖伸長反応を行わずして、通常の25サイクルのPCRを行ったのみでは検出されなかったバンドが、本発明の方法の実施により検出された。また、増幅産物を利用して定量的な解析を行うことができた。
比較例1
(GenomiPhi DNA Amplification Kit(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)での増幅)
試料DNAにはがん組織(パラフィン切片)から抽出したDNA 2 ngを断片化処理したものを用いた。
1μlの蒸留水(又はTEバッファー)に懸濁したDNA溶液と9 μlのサンプルバッファーを混ぜ、95℃で3分間熱変性を行い、急冷した。そのあと9μlの反応バッファーと1μlの酵素ミックスを混ぜて30℃で16時間から18時間インキュベートした。最後に65℃10分間で酵素を失活させ、PicoGreen(登録商標) ds DNA Quantification Assay(Molecular Probes社)を用いて定量した。
(結果)
GenomiPhiで増幅した産物の定量は、Genetic Analyzer 3130xl(ABI)で行った。鋳型無のコントロール反応とほぼ同じ定量結果となった。また非特異増幅が多いことも示唆された。この産物20ngを用いて更に通常のPCRを行ったところ、目的の領域についての増幅産物が全く得られなかった(非特異的なシグナルが多く検出された)。
(比較例2)
PCRのみでのサイクル数増による解析
以下の試料DNA、オリゴヌクレオチドを用いた。
DNA:ヒトゲノムDNA パラフィン切片から抽出したがん組織由来DNA 20 ng、又は2 ng
オリゴヌクレオチド:
配列番号1の塩基配列を有するプライマーTP53 for(HEX標識)
配列番号2の塩基配列を有するプライマーTP53 rev
上記のヒトゲノムDNA 20 ng又は2 ng、上記のPCRプライマーをそれぞれ20 pmolずつ、10×Ex Taq Bufferを1×(5μl)、dNTP mixを0.2 mMとなるように混合し、全体を50μlとした。この混合液にTaKaRa Ex Taqを1.25 units加え、94℃・30秒、65℃・30秒、74℃・30秒の熱サイクルを25回(又は35回)繰り返し、PCR増幅を行った。増幅産物の検出はGenetic Analyzer 3130xl(ABI)で行った。
(結果)
鋳型DNA を2 ngとして、25回の熱サイクルを行った場合には、増幅産物を検出することができなかったが、鋳型DNAを20 ngとして25回の熱サイクルを行った場合には再現性のいい結果が得られた。
鋳型DNAを2 ngとして、35回の熱サイクルを行った場合には、増幅産物は得られた。しかしながら、二つ一組で行った2チューブ間でそれぞれの増幅パターンの比較を行ったところ、二つ存在しているピークの量比がそれぞれのチューブで異なっていた。即ち、増幅の再現性が損なわれていたと考えられた。
本発明の核酸の増幅方法では、微量にしか存在しない鋳型核酸を、エラーの増幅度合いを顕著に抑えることができるため、定量性が要求される核酸解析の初期段階において核酸増幅することに利用することが可能である。

Claims (14)

  1. 増幅対象である二本鎖核酸、及び当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
    前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
    第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の二本鎖核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
    を含む、核酸の増幅方法。
  2. 増幅対象である一本鎖核酸、及び当該核酸中の領域に相補的な第1プライマーを使って行う相補鎖増幅工程;
    前記相補鎖増幅工程の増幅産物の3’末端側の領域に相補的な第2プライマーを添加する、第2プライマー添加工程;並びに、
    第1プライマー及び第2プライマーの存在下で、前記増幅対象の核酸の増幅を行う、二本鎖増幅工程;
    を含む、核酸の増幅方法。
  3. 増幅対象である二本鎖核酸、当該核酸の一方の鎖中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該核酸のもう一方の鎖中の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;
    第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに、
    第2プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;
    を含む、核酸の増幅方法。
  4. 増幅対象である一本鎖核酸、当該核酸中の領域に相補的な第1プライマー、及び当該第1プライマーにより伸長される伸長産物の3’末端側の領域に相補的であり、その至適ストリンジェンシーが第1プライマーのものよりも顕著に緩やかな第2プライマーを混合する増幅準備工程;
    第1プライマー及び増幅対象の核酸の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第1増幅工程;並びに
    第2プライマー、及び第1増幅工程の増幅産物の組合せに至適のストリンジェンシー条件下で行う、第2増幅工程;
    を含む、核酸の増幅方法。
  5. 前記ストリンジェンシーが、プライマーのアニーリング温度に関するものである、請求項3又は4に記載の核酸の増幅方法。
  6. 第1プライマーの至適アニーリング温度(T1)と、第2プライマーの至適アニーリング温度(T2)との温度差が、5℃〜30℃である、請求項5に記載の核酸の増幅方法。
  7. 前記二本鎖増幅工程、又は前記第2増幅工程の増幅産物の定量を行う工程;
    を更に含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の核酸の増幅方法。
  8. 前記定量が、前記第1プライマー及び前記第2プライマー、の少なくとも一方に予め付与された検出可能な標識を基に行われる、請求項7に記載の核酸の増幅方法。
  9. 前記定量が、
    前記第1プライマー及び前記第2プライマーの少なくとも一方に、結合対の一方の物質を予め付与しておき、当該結合対のもう一方の物質と共役した酵素を、前記二本鎖増幅工程又は前記第2増幅工程の増幅産物に添加することにより、当該結合対及び増幅産物の接合体を形成させ;
    検出可能な標識が共役された、当該酵素に対する基質を、当該接合体に接触させることにより、当該酵素による反応を行い;更に
    当該酵素による反応産物中の当該標識の検出を行う;
    ことにより行われる、請求項7に記載の核酸の増幅方法。
  10. 前記増幅対象の核酸が、高次構造を有する配列、GC含量が50%以上の配列、STR配列、マイクロサテライト配列からなる群より選択される配列を含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の核酸の増幅方法。
  11. 前記第1プライマーが複数種類である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の核酸の増幅方法。
  12. 前記増幅対象の核酸の量が、増幅前に0.1〜5ngの範囲である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の核酸の増幅方法。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載の核酸の増幅方法を用いて、核酸を増幅した後に核酸の検出を行なうことを特徴とする核酸の解析方法。
  14. 請求項13に記載の核酸の解析方法であって、核酸の検出対象が、LOH解析、メチル化検出、ヘテロプラズミーの検出であることを特徴とする核酸の解析方法。
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