JP2012510810A - アダプター連結制限断片における反復配列を減少させる方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、制限エンドヌクレアーゼ処理、その後のアダプターライゲーション、任意に二本鎖配列ヌクレアーゼと組み合わせた、復元動力学ベースの断片化、およびさらなる制限エンドヌクレアーゼ処理その後のアダプターライゲーションの組み合わせによる、DNAサンプルにおける反復配列を減少させる方法(または低コピー配列における改善)に関する。低コピー配列増幅断片を、さらなるDNA解析に使用することができる。
Description
本発明は、ゲノムにおける総反復配列を減少させる方法、および低コピー配列についてサンプルを増大させる方法に関する。本発明はさらに、低コピー配列についてアダプター連結制限断片(adapter-ligated restriction fragment)を増大させるための復元動力学ベースの断片化(renaturation kinetics based fractionation)の使用に関する。本発明はさらに、低コピー配列についてアダプター連結制限断片を増大させるための二本鎖特異的ヌクレアーゼ(DSN)の使用に関する。本発明はさらに、フィンガープリント解析、SNPマイニングおよびマーカー開発における低コピー断片を富化したサンプルの使用に関する。
特に植物における多くのゲノムは、反復配列、すなわち大きいものであれ小さいものであれ、ゲノムの複数の部位で反復するDNAの部分を含む。特にゲノムサイズが増大する場合、および特にゲノムが巨大なサイズを有しうる(例えば、半数体ゲノムあたり、シロイヌナズナ130 Mb、コメ(Oryza sativa)430 Mb、トウモロコシ(Zea Mays)、オオムギ5300 Mb、およびタマネギ15000 Mb)植物の場合である。コショウおよびコムギのようないくつかのゲノムは、80%までの反復配列を含むと言われている。
AFLP (EP534858, Vos et al 1995)は、特定の痕跡またはQTLに連動する、マーカーの開発およびSNPの同定に優れた技術である。そのようなAFLPマーカーあるいはPCRマーカー、すなわち通常のPCRアッセイで使用することができるマーカーに対するSNPのような、それに続く開発のために、マーカーまたはSNPを変換しなければならない。変換は、特にゲノム中に反復配列が存在することにより、多くの場合成功しない(Brugmans et al. Nucleic Acids Research 2003 31 (10):e55)困難な方法である。反復配列では、痕跡または定量痕跡部位に連結することができる有用なマーカーまたはSNPが回収されない。それ自体必然的に問題を引き起こさないが、反復配列の存在により、AFLPマーカーのPCRメーカーへの連続変換が妨げられる。それゆえ、PCRマーカーへの変換に成功する可能性を増大し、それにより痕跡に対するゲノムマーカー開発の効率を改善するであろうため、低コピー配列に対するDNAサンプルより取得する制限断片混合物を増大させる必要が存在する。
Brugmans et al. Nucleic Acids Research 2003 31 (10):e55
本発明はここで、AFLP技術、DNA復元動力学(DNA reassociation kinetics)およびDSN標準化の要素を組み合わせることにより、有効で信頼できる、低コピー配列に対するDNAサンプルを増大する方法が提供されることを発見した。低コピー配列に対する増大は、本発明において、第一の制限エンドヌクレアーゼを使用する、アダプター連結制限断片を、復元動力学ベースで断片化するおよび断片をDSNで処理する、残りの断片を第二の制限エンドヌクレアーゼで処理し、第二のアダプターを制限断片にライゲーションすることにより開始時DNAの低コピー富化断片を得ることによりDNAサンプルからのアダプター連結制限断片を提供することにより、達成される。
定義:
AFLP:AFLPは、核酸を1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで処理して制限断片を回収し、アダプターを前記制限断片にライゲーションし、アダプターに(部分的に)相補し、制限エンドヌクレアーゼの残りに(部分的に)相補し、さらにプライマーの3’末端でA、C、TまたはG(あるいは場合によってはU)の中からランダムに選択される少なくとも1つのヌクレオチドを含む、少なくとも1つのプライマーでアダプター連結制限断片を増幅することによる核酸の選択的増幅方法を指す。AFLPは、前もって配列情報を全く必要とせず、いずれかの出発DNAに実行することができる。一般的に、AFLPは、
(a) 核酸、特にDNAまたはcDNAを、1つ以上の特異的な制限エンドヌクレアーゼで処理して、DNAを対応する一連の制限断片に断片化する工程、
(b) そうして二本鎖合成オリゴヌクレオチドアダプターで得られた制限断片をライゲーションして、それにより出発DNAのアダプター連結制限断片を生成する工程であって、前記アダプターの一端は、制限断片の一方または両方の末端に連結可能である工程、
(c) ハイブリダイズする条件下で、3’末端で選択的ヌクレオチドを含む1つ以上のオリゴヌクレオチドとアダプター連結制限断片を接触させる工程、
(d) プライマーがハイブリダイズする出発DNAの制限断片上のハイブリダイズしたプライマーのさらなる伸長を引き起こすように、PCRまたは類似の技術により、プライマーでハイブリダイズしたアダプター連結制限断片を増幅する工程、
(e) そうして得られる増幅または延長DNA断片を検出、同定または回復する工程
を含む。
AFLP:AFLPは、核酸を1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで処理して制限断片を回収し、アダプターを前記制限断片にライゲーションし、アダプターに(部分的に)相補し、制限エンドヌクレアーゼの残りに(部分的に)相補し、さらにプライマーの3’末端でA、C、TまたはG(あるいは場合によってはU)の中からランダムに選択される少なくとも1つのヌクレオチドを含む、少なくとも1つのプライマーでアダプター連結制限断片を増幅することによる核酸の選択的増幅方法を指す。AFLPは、前もって配列情報を全く必要とせず、いずれかの出発DNAに実行することができる。一般的に、AFLPは、
(a) 核酸、特にDNAまたはcDNAを、1つ以上の特異的な制限エンドヌクレアーゼで処理して、DNAを対応する一連の制限断片に断片化する工程、
(b) そうして二本鎖合成オリゴヌクレオチドアダプターで得られた制限断片をライゲーションして、それにより出発DNAのアダプター連結制限断片を生成する工程であって、前記アダプターの一端は、制限断片の一方または両方の末端に連結可能である工程、
(c) ハイブリダイズする条件下で、3’末端で選択的ヌクレオチドを含む1つ以上のオリゴヌクレオチドとアダプター連結制限断片を接触させる工程、
(d) プライマーがハイブリダイズする出発DNAの制限断片上のハイブリダイズしたプライマーのさらなる伸長を引き起こすように、PCRまたは類似の技術により、プライマーでハイブリダイズしたアダプター連結制限断片を増幅する工程、
(e) そうして得られる増幅または延長DNA断片を検出、同定または回復する工程
を含む。
そしてAFLPにより、再現性よく、一連のアダプター連結断片が提供される。AFLPは、EP 534858、US 6045994およびVos et al 1995. AFLP: a new technique for DNA fingerprinting. Nucleic Acids Research 23(21 ):4407-4414において記載される。AFLPに関してさらに詳細な出版物への参照もこれらの出版物になされている、一般にAFLPは、複雑性減少技術およびDNAフィンガープリンティング技術として使用される。フィンガープリンティング技術としてAFLPを使用する文脈では、AFLPマーカーが開発されている。
AFLPマーカー:AFLPマーカーを、(フィンガープリントした)AFLPを使用して増幅した2つのサンプルの間で異なる、同じセットのプライマーを使用して増幅したアダプター連結制限断片である。そうして、この増幅したアダプター連結制限断片の存在または非存在を、痕跡または表現型に関連するマーカーとして使用することができる。慣用的なスタブゲル電気泳動で、AFLPマーカーは、ある移動度を有する、ゲル中のバンドとして現れる。キャピラリー電気泳動のような他の電気泳動技術は、これをバンドとして参照しないが、コンセプトは同じである、すなわちある長さと移動度を有する核酸を示す。バンドの存在または非存在は、表現型の存在または非存在の指標であってよい(または表現型の存在または非存在に関連してよい)。AFLPマーカーは、典型的には、エンドヌクレアーゼ(タイプ1)の制限部位、または選択的ヌクレオチド(タイプ2)における多型に関する。場合によりAFLPマーカーは、インデル(indel)(制限断片における欠失-挿入(タイプ3))に関連してよい。
選択的塩基または選択的ヌクレオチド:アダプターに相補的である部分と、制限部位の残りに相補的である部分とを含むプライマーの3’末端の位置で、選択的塩基がA、C、TまたはG(あるいは場合によってはU)の中からランダムに選択される。プライマーを選択的塩基で伸長することにより、連続した増幅で再生成可能な一連のアダプター連結制限断片のみ、すなわち選択的塩基を保持するプライマーを使用して増幅死することができる断片のみを回収するであろう。選択的ヌクレオチドを、1から10までの異なる数でプライマーの3’末端に付加することができる。典型的には、1-4で十分である。両方のプライマーは、異なる数の選択的塩基を含んでよい。それぞれ選択的塩基を付加されて、約4の因子でサブセットにおける増幅アダプター連結制限断片の量を減少する。典型的には、AFLPで使用される選択的塩基の数は+N/+Mにより示され、この場合1つのプライマーはN個の選択的ヌクレオチドを保持し、もう一方はM個の選択的ヌクレオチドを保持する。そして、EcoRI/MseI +1/+2 AFLPは、出発DNAをEcoRIとMseIで処理し、適切なアダプターとライゲーションし、1個の選択的塩基を保持するEcoRI制限部位に対する1個のプライマーと、2個の選択的塩基を保持するMseI制限部位に対する別のプライマーとで増幅したことの短縮表現である。少なくとも1つの選択的塩基を3’末端に保持するAFLPで使用するプライマーはまた、AFLPプライマーとも称される。選択的塩基を3’末端に保持せず、実際アダプターと制限部位の残りとに相補的であるプライマーは、しばしばAFLP+0プライマーと示される。選択的ヌクレオチドの語はまた、アダプターセクションに隣接して位置し、選択的プライマーの使用により同定され、その結果ヌクレオチドが既知になった標的配列のヌクレオチドに対しても使用される。
シークエンシング:シークエンシングの語は、核酸サンプル、例えばDNAまたはRNAにおけるヌクレオチドの順序(塩基配列)を決定することを指す。サンガーシークエンシング、ならびに454テクノロジー(Roche Applied Science)、lllumina Inc.およびApplied BioSystems、Helicosなどのようなハイスループット技術のような多くの技術を利用することができる。
制限エンドヌクレアーゼ:制限エンドヌクレアーゼまたは制限酵素は、二本鎖DNA分子において特異的なヌクレオチド配列(標的部位)を認識し、ブラント(blunt)のままにするか、ずれた末端にして、毎標的部位において、または毎標的部位近辺でDNA分子の両方の鎖を切断するであろう酵素である。
頻出カッターおよび希少カッター:制限酵素は典型的には、(MseIのような)3、4から6(EcoRI)、およびさらには8個(NotI)に変動するヌクレオチド数の認識配列を有する。使用する制限酵素は、頻出カッターおよび希少カッターでありうる。この点で「頻出(frequent)」の語は、典型的には「希少(rare)」の語に関連して使用される。頻出切断エンドヌクレアーゼ(aka頻出カッター)は、相対的に短い認識配列を有する制限エンドヌクレアーゼである。頻出カッターは典型的には、それらが認識し、その後切断する3から6個のヌクレオチドを有する。そして、平均して頻出カッターは、64から512ヌクレオチドごとにDNA配列を切断する。希少カッターは、相対的に長い認識配列を有する制限エンドヌクレアーゼである。希少カッターは典型的には、それらが認識し、その後切断する6個以上のヌクレオチドを有する。そして、平均して希少カッターは、1024ヌクレオチドごとにDNA配列を切断し、より長い断片をもたらす。頻出および希少の定義は、相互に相対的であると再び観察され、MseIのような4 bpの制限酵素が、AvaIIのような5-カッターと組み合わせて使用される場合、AvaIIは希少カッターとして、MseIは頻出カッターとみられることを意味する。
制限断片:制限エンドヌクレアーゼで消化することにより生成するDNA分子を、制限断片と呼ぶ。所与のいずれかのゲノム(または核酸、その始原に関わらず)は、特定の制限エンドヌクレアーゼによって、具体的なセットの制限断片に消化されるであろう。制限エンドヌクレアーゼ切断から生じるDNA断片を、種々の技術でさらに使用することができ、例えばゲル電気泳動で検出することができる。
ライゲーション:2個の二本鎖DNA分子を共有結合で一緒に連結するリガーゼ酵素により触媒される酵素反応は、ライゲーションと呼ばれる。一般的に、DNA鎖の両方は共有結合で一緒に連結されるが、鎖の一方の末端を化学的または酵素的に修飾することにより、2個の鎖の一つのライゲーションを防ぐこともまた可能である。その場合、共有結合の連結は、2個のDNA鎖の一方のみで起きるであろう。
合成オリゴヌクレオチド:好ましくは約10から約50塩基を有し、化学的に合成することができる一本鎖DNA分子を、合成オリゴヌクレオチドと呼ぶ。一般的に、関連する配列を有し、かつ核酸配列中の特異的な部位で異なるヌクレオチド組成物を有するファミリーの分子を合成することができるが、これらのDNA分子は、特異的または所望のヌクレオチド配列を有するよう設計される。合成オリゴヌクレオチの語は、設計されたまたは所望のヌクレオチド配列を有するDNA分子を指すものとして使用される。
アダプター:限定された数の塩基対、例えば約10から約30塩基対長を有し、制限断片の末端にライゲーションすることができるよう設計されている短い二本鎖DNA分子。アダプターは一般的に、お互い部分的に相補的であるヌクレオチド配列を有する2個の合成オリゴヌクレオチドからなる。適切な条件下で溶液中に2個の合成オリゴヌクレオチドを混合する場合、それらはお互いにアニールして、二本鎖構造を形成するであろう。アニール後、アダプター分子の一方の末端は、制限断片の末端と両立可能であり、それにライゲーションすることができるよう設計され、アダプターのもう一方の末端は、ライゲーションすることができないが、この場合そうである必要はない(二重ライゲーションアダプター(double ligated adaptor))。
アダプター連結制限断片:アダプターによりキャッピングされた制限断片。
プライマー:一般的に、プライマーの語は、DNAの合成を開始することができる合成DNAを指す。DNAポリメラーゼは、プライマーなしにDNAを新しく合成することはできない:それは、合成するヌクレオチドの順序に対する鋳型として相補鎖を使用する反応において、存在するDNA鎖を伸長することのみが可能である。出願人は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)においてプライマーとして使用する合成オリゴヌクレオチド分子を指す。
DNA増幅:DNA増幅の語は、典型的には、二本鎖DNAを回収するPCR、あるいは一本鎖DNAを回収するGenomiPhi / RepliGのような他の増幅方法を使用する、DNA分子のin vitro増幅を指すために使用される。しかし他の増幅方法が存在し、それらを、主旨から離れることなく本発明で使用してよい。
反復配列:反復配列は、多くの回数だが、DNAまたはゲノム中で少なくとも2回以上繰り返される配列である。高度反復配列:高度反復配列は、DNAまたはゲノム中で典型的には数百回から数千回繰り返される配列である。例は、サテライトDNA、ミニサテライトおよびマイクロサテライトのようなタンデムリピート、ならびにSINE(ショート散在因子、Short INterspersed Elements)およびLINE(ロング散在因子、Long INterspersed Elements)のような分散反復、(レトロ)トランスポゾンである。
低コピー配列、低コピー数配列、特異的配列:ゲノム中に限られたコピー数(または1コピーのみ)存在し、表現型に連結されるマーカーとして使用することができる配列。
低コピー断片:反復配列を減少させ、そのため低コピー配列であるDNAサンプルの断片、すなわち反復配列を除去した断片。
DSN(二本鎖特異的ヌクレアーゼ):二本鎖DNA配列を特異的に切断するヌクレアーゼ(Shagin et al 2002 Genome Research 12 1935-1945, Zhulidov et al 2004 NAR 32 3 e37)。
復元動力学ベースの断片化:低コピー配列を、DNAサンプル中の高コピーまたは反復はいれつから分離する技術。前記技術は、ゲノムDNAのサンプルを一本鎖形態に変性するまで加熱し、その後、鎖が一緒に対を再形成できるように、それを冷却することに関する。サンプルを冷却する間、各温度でどの程度のDNAが塩基対を形成するかを測定することができる。
一本鎖および二本鎖DNAの量を、急速にサンプルを希釈して再構成を遅延させ、その後ヒドロキシルアパタイトカラムにDNAを結合させることにより測定することができる。カラムを溶出して、一本鎖DNAを最初に溶出し、その後二本鎖DNAを溶出する。これら2つの溶液中のDNAの量を、分光光度計を使用して測定することができる。一本鎖DNAの配列は、その相補鎖を発見し、二重ヘリックスを再形成する必要があるため、共通の配列は、まれな配列よりも急速に復元する。実際、配列が再構成する速度は、DNAサンプル中のその配列のコピー数に比例する。高反復配列を有するサンプルは、急速に復元し、複雑な配列はゆっくりと復元するであろう。
しかし、二本鎖DNAのパーセンテージ対時間を単純に測定する代わりに、復元量をCot値に対して通常測定する。Cot値は、Co(DNAの最初の濃度)、t(秒による時間)、およびバッファー中のカチオン濃度に依存する定数の積である。反復DNAは低いCot値で復元し、一方複雑かつ特異的なDNAは高いCot値で復元する。
Cotフィルトレーション(filtration):Cotフィルトレーションは、多くの真核生物ゲノムで優勢である反復DNA配列を、「ゲノムリッチ(gene-rich)」単一/低コピー配列から分離する、DNA復元動力学の原理を使用する技術である。これにより、DNAシークエンシングで最も情報量が多くかつ興味深いゲノムの一部を濃縮し、新規遺伝子の発見を速くし、前記方法をより効率的にするであろう(Peterson DG, Wessler SR, Paterson AH (2002). "Efficient capture of unique sequences from eukaryotic genomes". Trends Genet. 18 (11): 547-50, LLamoureux D, Peterson DG, Li W, Fellers JP, Gill BS (2005). "The efficacy of Cot-based gene enrichment in wheat (Triticum aestivum L.)" Genome 48 (6): 1120-6. , Yuan Y, SanMiguel PJ, Bennetzen JL (2003). "High-Cot sequence analysis of the maize genome". Plant J. 34 (2): 249-55.)。
そして、第一の実施態様において、本発明は、アダプター連結制限断片において、反復配列を減少させる(低コピー配列の(相対的)量を増大させる)方法であって、
a. 第一の制限エンドヌクレアーゼでサンプル中の出発DNAを処理し、第一のアダプターを制限断片にライゲーションしてアダプター連結制限断片を得る工程、
b. 工程(a)で得られたアダプター連結制限断片で復元動力学ベースの断片化を行う工程、
c. 工程(b)の復元断片を、二本鎖特異的ヌクレアーゼ(DSN)で処理する工程、
d. 工程(c)で得られた制限断片を、第二の制限エンドヌクレアーゼで処理し、第二のアダプターを制限断片にライゲーションする工程、
e. 出発DNAの低コピー富化断片を得る工程
を含む方法に関する。
a. 第一の制限エンドヌクレアーゼでサンプル中の出発DNAを処理し、第一のアダプターを制限断片にライゲーションしてアダプター連結制限断片を得る工程、
b. 工程(a)で得られたアダプター連結制限断片で復元動力学ベースの断片化を行う工程、
c. 工程(b)の復元断片を、二本鎖特異的ヌクレアーゼ(DSN)で処理する工程、
d. 工程(c)で得られた制限断片を、第二の制限エンドヌクレアーゼで処理し、第二のアダプターを制限断片にライゲーションする工程、
e. 出発DNAの低コピー富化断片を得る工程
を含む方法に関する。
本発明の方法は、AFLP(制限酵素およびアダプターのライゲーションを使用するアダプター連結制限断片の生成)のある要素を、復元動力学ベースの断片化(高コピー配列を復元して二本鎖にするが、低コピー配列は一本鎖のままにする)のある要素と組み合わせ、DSNにより二本鎖配列を除去し、再びAFLP(第二の制限酵素を使用するアダプター連結制限断片のさらなる生成)にかける。その結果、存在する低コピー配列が富化し、高反復配列の数が減少した出発DNAの断片が得られる。
本発明の方法の工程(a)において、出発DNAを制限エンドヌクレアーゼで処理する。出発DNAは、ゲノムDNA、cDNA、BAC DNA、ミトコンドリアDNA、葉緑体DNAまたはミトコンドリアDNAおよび葉緑体DNAを含む植物ゲノムDNAの混合物のようないずれかのDNAでありうる。第一の制限エンドヌクレアーゼは、出発DNAを消化して、制限断片を回収する。第一の制限エンドヌクレアーゼは、好ましくは、EcoRI(認識配列GAATTC)のようなATリッチエンドヌクレアーゼを適用する場合、およびほとんどの植物種のようにATリッチ生物の場合、典型的には1-4 kbの間の範囲のサイズである制限断片をもたらすEcoRI、EcoRII、BamHI、HindIII、PstIのようなヘキサカッター(hexacutter)のような希少カッターである。これらの制限断片に、第一のアダプターをライゲーションし、アダプター連結制限断片を回収する。
本発明の方法の工程(b)において、アダプター連結制限断片を、復元動力学ベースの断片化にかける。そして、アダプター連結制限断片を、一本鎖形態に変性するまで加熱し、その後鎖が一緒に対を再形成できるように、ゆっくりと冷却する。アダプター連結制限断片は、典型的には制限エンドヌクレアーゼの使用による範囲の長さと同じ範囲内にあるため、反復配列は、決定できる長さの時間内に再アニールし、一方低コピー配列はより長い期間の間、一本鎖のままであろう。冷却が十分長い時間進んだ後、再アニーリングを、例えば強制冷却により停止する。先行技術に開示される復元動力学ベースの断片化では、一本鎖および二本鎖DNAの量を、通常、急速にサンプルを希釈して再構成を遅延させ、その後ヒドロキシルアパタイトカラムにDNAを結合させ、その後一本鎖および二本鎖断片を溶出することにより測定する
本発明の好ましい実施態様において、それぞれ一本鎖DNAまたは二本鎖DNAを本質的に含むカラム、および断片への中間分離物の使用を、前記方法の工程(c)において二本鎖ヌクレアーゼでサンプルを(直接)処理することにより回避することができる。二本鎖ヌクレアーゼは、二本鎖DNA配列を特異的に切断する(Shagin et al 2002 Genome Research 12 1935-1945, Zhulidov et al 2004 NAR 32 3 e37)。ほとんどの反復配列が二本鎖形態であるため、サンプルは、反復配列に由来するアダプター連結制限断片について減少する(あるいは、低コピーまたは特異的配列にに由来するアダプター連結制限断片について増大する)。
工程(b)の復元断片は、任意に工程(c)でDSNで処理されるかされないかに関わらず、本発明の方法の工程(d)で制限エンドヌクレアーゼの第二の消化にかけられ、その後エンドヌクレアーゼに対応するアダプターとライゲーションする。得られるアダプター連結制限断片は、好ましい実施態様において、制限断片の各面に異なるアダプターを保持する。そして、本発明の方法の結果、低コピーDNAに対して増大した(または反復DNAの存在に相対的に顕著に減少した)アダプター連結制限断片のセットが得られる。
得られるアダプター連結制限断片を、SNPマイニングなどのために、AFLPのような連続フィンガープリンティング技術で使用することができる。そして、ある実施態様において、得られる低コピーDNAサンプルを選択的に富化させ、フィンガープリンティングしてより高品質のフィンガープリントを得ることができる。
Cot法は、それ自体はcDNAの標準化のためには既知であり、またDSNとの組み合わせにおいても既知である。典型的には、Cot断片は、せん断または他の方法により、ある程度ランダムな方法でDNAを断片化することにより得られる。Cot解析の前に、典型的には断片をサイズ選択して、より大きい断片が短い断片よりも速く復元し、所望の結果に有害でありうる効果を軽減する。Cot処理およびさらなる断片化前の第一のエンドヌクレアーゼ制限処理およびアダプターライゲーションを実行することにより、断片のサイズは、より管理しやすく、一般により制限されるサイズの範囲内にある。一方、2つの酵素(およびそれゆえ2つのアダプター)を使用するエンドヌクレアーゼ制限処理を実行することにより、(900-50 bpの範囲にある)あまりにも広い長さの範囲に至るかもしれない。第一の制限処理工程、その後のCot処理および続く制限処理工程を実行することにより、Cot処理を、広範囲にある大小のアダプター連結制限断片を含む断片の混合物よりもより均質な復元動力学を有する一連のアダプター連結制限断片で実行する。
本発明の方法は、AFLPマーカー(または他のマーカー)の、例えばPCRマーカーへ変換する変換を増大、ならびに全ゲノムDNAに適用可能なアッセイに使用できる有用なSNPの発見に特に有用である。
ここで本発明は、以下の実施例により説明される。当業者には、本発明の主旨から外れることなく、このプロトコールを改変することが可能であることは明らかであろう。
1.アガロースゲル
DNAの品質/統合性チェックのために、(RNaseで処理した!)5μlのDNAを、1%アガロースゲルにロードする。
DNAの品質/統合性チェックのために、(RNaseで処理した!)5μlのDNAを、1%アガロースゲルにロードする。
2.ナノドロップ定量化
DNAの正確な定量化のために、乾燥および再懸濁/Speedvacuumで、必要に応じてDNAを1000 ng/μLに濃縮する(最小濃度114 ng/μL)。
DNAの正確な定量化のために、乾燥および再懸濁/Speedvacuumで、必要に応じてDNAを1000 ng/μLに濃縮する(最小濃度114 ng/μL)。
3.EcoRIによるDNA消化(60 μg DNA)
試薬 濃度 サンプル
60 μg DNA 1000 ng/μL 60 μL
EcoRI 50 U/μL 6 μL
One-Phor-AII 10x 60 μL
BSA 10 mg/μL 3 μL
DTT 1 M 3 μL
Milli Q水 468 μL
総量 600 μL
試薬 濃度 サンプル
60 μg DNA 1000 ng/μL 60 μL
EcoRI 50 U/μL 6 μL
One-Phor-AII 10x 60 μL
BSA 10 mg/μL 3 μL
DTT 1 M 3 μL
Milli Q水 468 μL
総量 600 μL
37°Cで6時間、サンプルを処理する。
−DNA 1 μgあたり、5UのEcoRIを使用する[標準的なAFLPプロトコールでは25U/μg DNAが必要]。
−DNAの量は、最小20 μgから100 μgより多く(計測可能)まで変動しうる。
−制限酵素処理とライゲーションの間でサイズ選択工程は実行されない。
−DNA 1 μgあたり、5UのEcoRIを使用する[標準的なAFLPプロトコールでは25U/μg DNAが必要]。
−DNAの量は、最小20 μgから100 μgより多く(計測可能)まで変動しうる。
−制限酵素処理とライゲーションの間でサイズ選択工程は実行されない。
4.EcoRIアダプターライゲーション
試薬 濃度 サンプル
EcoRIアダプター 5 μM 300
One-Phor-AII 10x 100
BSA 10 mg/μL 2
DTT 1 M 2
ATP 10 mM 300
T4リガーゼ 1 U/μL 300
総量 1004
試薬 濃度 サンプル
EcoRIアダプター 5 μM 300
One-Phor-AII 10x 100
BSA 10 mg/μL 2
DTT 1 M 2
ATP 10 mM 300
T4リガーゼ 1 U/μL 300
総量 1004
1004 μLを、制限酵素処理した600 μLに加え、37°Cで一晩処理した。
−40 ng DNA/pmoleアダプターを[標準的なAFLPプロトコールにおけるように]使用する。
−40 ng DNA/pmoleアダプターを[標準的なAFLPプロトコールにおけるように]使用する。
5.アガロースゲル
EcoRI消化の品質をチェックする。2-3 kbで最も強い、1-10 kbの間のスメアが予想される。
EcoRI消化の品質をチェックする。2-3 kbで最も強い、1-10 kbの間のスメアが予想される。
6.サイズ選択
サンプルを、水槽中80°Cで20分間処理する。
サンプルを、水槽中80°Cで20分間処理する。
7.フィルインアダプター(dsアダプター合成)
dsアダプターを作成するために、以下の300 μL溶液を、1.604 mL R/Lを含む各チューブに添加する。
試薬 濃度 サンプル
10xPCRバッファーROCHE 190
dNTPs 5 mM 70
TaqポリメラーゼROCHE 5 U/μL 7
Milli Q水 33
総量(1x PCR) 300
dsアダプターを作成するために、以下の300 μL溶液を、1.604 mL R/Lを含む各チューブに添加する。
試薬 濃度 サンプル
10xPCRバッファーROCHE 190
dNTPs 5 mM 70
TaqポリメラーゼROCHE 5 U/μL 7
Milli Q水 33
総量(1x PCR) 300
サンプル(1.904 mL)を、水槽中72°Cで30分間処理し、その後氷上でチューブを冷却しEtOHで沈殿させる。
8.ds-RLサンプルのDNA EtOH沈殿
50 mLチューブ(ブルーキャップ、Vボトム)中に1.904 mL R/Lを移す。
同量(1.9 mL)の7.5 M酢酸アンモニウムを添加し、混合する。
3倍量(11.4 mL)の100%エタノールを添加し、-20°Cで一晩DNAを沈殿させる。
サンプルを、4°Cで20分間、4800 rpm(大ローター)で遠心する。
ペレットを1.0 mL冷70%エタノールで洗浄し、注意深く(!)ペレットを1.5 mLエッペンドルフチューブに移す。
チューブを、4°Cで20分間、14000 rpm(マイクロ遠心器)で遠心する。
注意深く上清を捨て、37°Cで15から20分間、ペレットからEtOHを蒸発させる。
50 mLチューブ(ブルーキャップ、Vボトム)中に1.904 mL R/Lを移す。
同量(1.9 mL)の7.5 M酢酸アンモニウムを添加し、混合する。
3倍量(11.4 mL)の100%エタノールを添加し、-20°Cで一晩DNAを沈殿させる。
サンプルを、4°Cで20分間、4800 rpm(大ローター)で遠心する。
ペレットを1.0 mL冷70%エタノールで洗浄し、注意深く(!)ペレットを1.5 mLエッペンドルフチューブに移す。
チューブを、4°Cで20分間、14000 rpm(マイクロ遠心器)で遠心する。
注意深く上清を捨て、37°Cで15から20分間、ペレットからEtOHを蒸発させる。
9.DNA再懸濁
チューブを、室温で3時間または60°Cで20分間放置して、100 μL Milli Q水またはEBバッファー(キアゲン)中にペレットを再懸濁し、ピペッティングによりゆっくりと混合する。
チューブを、室温で3時間または60°Cで20分間放置して、100 μL Milli Q水またはEBバッファー(キアゲン)中にペレットを再懸濁し、ピペッティングによりゆっくりと混合する。
10.300 bpより大きい断片のAmpureビーズの精製(Ampureプロトコールを参照)
100 μLの再懸濁サンプルに、400 μLのEBバッファー(キアゲン)を添加し、混合する。
350μLのAmpureビーズを添加し、ボルテックスする(比率ビーズ/サンプル=0.7、カットオフ値〜300 bpを有する)。
サンプルを室温で5分間インキュベートする。
チューブをMPC(Magnetic Particle Concentrator、磁気粒子濃縮器)中で5分間挿入し、ビーズを沈殿させる。
(MPC中にチューブを置いたまま)ピペッティングにより上清を除去する。
MPC中にチューブを保持し、1 mL 70% EtOHでビーズを洗浄し、上清を捨てる(2回)。
ペレットを37°Cで10-15分間乾燥させる。
チューブをMPCからはずし、Milli Q水を添加し、ボルテックス/ピペッティングし、全てのビーズを再懸濁し、ビーズ沈殿のために5分間MPC中にチューブを設置することにより200 μLのMilli Q水でDNAを溶出する
(DNAを有する!)上清を保持し、それを新しい1.5 mLチューブに設置する(400 μL/サンプル)。
100 μLの再懸濁サンプルに、400 μLのEBバッファー(キアゲン)を添加し、混合する。
350μLのAmpureビーズを添加し、ボルテックスする(比率ビーズ/サンプル=0.7、カットオフ値〜300 bpを有する)。
サンプルを室温で5分間インキュベートする。
チューブをMPC(Magnetic Particle Concentrator、磁気粒子濃縮器)中で5分間挿入し、ビーズを沈殿させる。
(MPC中にチューブを置いたまま)ピペッティングにより上清を除去する。
MPC中にチューブを保持し、1 mL 70% EtOHでビーズを洗浄し、上清を捨てる(2回)。
ペレットを37°Cで10-15分間乾燥させる。
チューブをMPCからはずし、Milli Q水を添加し、ボルテックス/ピペッティングし、全てのビーズを再懸濁し、ビーズ沈殿のために5分間MPC中にチューブを設置することにより200 μLのMilli Q水でDNAを溶出する
(DNAを有する!)上清を保持し、それを新しい1.5 mLチューブに設置する(400 μL/サンプル)。
11.アガロースゲル
精製の品質をチェックする(1%アガロースゲルに2 μLをロードする)。
精製の品質をチェックする(1%アガロースゲルに2 μLをロードする)。
12.ナノドロップ定量化
正確なDNAの定量化のためのものである。
正確なDNAの定量化のためのものである。
13.1000 ng/μLへのSpeedVac濃縮
サンプルを濃縮し、1000 ng/μLの濃度でds-R/L精製DNAを得る。
(あるいは、サンプルを乾燥させ、正確な量のMilli Q水中に再懸濁する)
サンプルを濃縮し、1000 ng/μLの濃度でds-R/L精製DNAを得る。
(あるいは、サンプルを乾燥させ、正確な量のMilli Q水中に再懸濁する)
14.Cot処理
Cot処理を、以下の条件で実行する。
1. 500 ng/μL DNA
2. 0.3 M NaCl
3. 63°Cで復元
Cot処理を、以下の条件で実行する。
1. 500 ng/μL DNA
2. 0.3 M NaCl
3. 63°Cで復元
全ての条件で、Cot-320は60時間16分かかった。
ハイブリダイゼーションを(200 μLチューブ中で)以下の通り実行した。
サンプル
DNA (at 1000 ng/μL) 2 μL
(1000 ng/μLの)DNA 2 μL
2x Coハイブリダイゼーションバッファー(0.6 M NaCl)
注意:組成
−30%の4xトリマーハイブリダイゼーションバッファー(2 M NaCl)
−70% MQW 2 μL
総量 4 μL
ハイブリダイゼーションを(200 μLチューブ中で)以下の通り実行した。
サンプル
DNA (at 1000 ng/μL) 2 μL
(1000 ng/μLの)DNA 2 μL
2x Coハイブリダイゼーションバッファー(0.6 M NaCl)
注意:組成
−30%の4xトリマーハイブリダイゼーションバッファー(2 M NaCl)
−70% MQW 2 μL
総量 4 μL
4 μLサンプルを20 μLのミネラルオイルでカバーし、遠心する(4 μLがオイルでカバーされていることを確認する)。
サンプルを95°Cで10分間処理し(PCRサーモサイクラー)、Cot処理に必要な時間、63°Cでハイブリダイズさせる(Cot-320 = 60時間16分)。
サンプルを95°Cで10分間処理し(PCRサーモサイクラー)、Cot処理に必要な時間、63°Cでハイブリダイズさせる(Cot-320 = 60時間16分)。
15.DSN処理
DSNマスターバッファーを63°Cで5分間より長く前加熱する。
サンプルを氷上に30秒設置して、(60時間16分00秒後)Cot処理を停止する。
サンプルを63°Cに1分間設置する。
前加熱した5 μLのDSNマスターバッファーを、4 μLの復元溶液に添加し、ピペッティングにより迅速に混合し、63°Cでさらに10分間インキュベートする。
DSNマスターバッファーを63°Cで5分間より長く前加熱する。
サンプルを氷上に30秒設置して、(60時間16分00秒後)Cot処理を停止する。
サンプルを63°Cに1分間設置する。
前加熱した5 μLのDSNマスターバッファーを、4 μLの復元溶液に添加し、ピペッティングにより迅速に混合し、63°Cでさらに10分間インキュベートする。
1 μLのDSN酵素を添加し、ピペッティングにより迅速に混合し、遠心し(10 μLの全てがチューブの底にあることを確認する)、68°Cで25分間処理する。
10μLの停止溶液を添加し、混合し、遠心して、68°Cでさらに5分間保持した後、氷上にチューブを設置する。
20 μLの滅菌水を添加し[DSN処理後の総量=40 μL]、サンプルを精製する。
10μLの停止溶液を添加し、混合し、遠心して、68°Cでさらに5分間保持した後、氷上にチューブを設置する。
20 μLの滅菌水を添加し[DSN処理後の総量=40 μL]、サンプルを精製する。
16.キアゲン精製
キアゲン精製の説明書に従い、150 μL Milli Q水中に溶出する(3回の50 μL溶出)。
キアゲン精製の説明書に従い、150 μL Milli Q水中に溶出する(3回の50 μL溶出)。
17.SpeedVac濃縮
150μLを31 μLに濃縮する(35°Cで〜40分)。
必要に応じて、量を31 μLに調節する。
150μLを31 μLに濃縮する(35°Cで〜40分)。
必要に応じて、量を31 μLに調節する。
18.Advantage 2 PCRキットを使用するDSN処理ss-DNAサンプルのEcoRI+0 ds-合成
(キアゲン精製より溶出する31 μLのうち)30 μLを、+0増幅して、以下のようにds-DNAを作製する。
残りの1 μL(+0増幅しない)を、アガロース解析に使用するであろう。
サンプル
DSN処理からの精製ss DNA 30
EcoRI+0 E00L (50 ng/μL) 1.5
10x Ad2バッファー 5
50x dNTP 1
50x Ad2ポリメラーゼミックス 1
MQW 11.5
計 50
(キアゲン精製より溶出する31 μLのうち)30 μLを、+0増幅して、以下のようにds-DNAを作製する。
残りの1 μL(+0増幅しない)を、アガロース解析に使用するであろう。
サンプル
DSN処理からの精製ss DNA 30
EcoRI+0 E00L (50 ng/μL) 1.5
10x Ad2バッファー 5
50x dNTP 1
50x Ad2ポリメラーゼミックス 1
MQW 11.5
計 50
サンプルを、94°Cで30秒、その後94°Cで7秒を24サイクル、56°Cで30秒、72°Cで10分、最後のステップで72°Cで10分処理し、4°Cで保存する。
19.アガロースゲル
各サンプルに対する1 μLの「+0増幅しない」と、1.6 μLの「+0増幅した」をロードする。
各サンプルに対する1 μLの「+0増幅しない」と、1.6 μLの「+0増幅した」をロードする。
20.キアゲン精製
キアゲン精製の説明書に従い、150 μL Milli Q水中に溶出する(3回の50 μL溶出)。
キアゲン精製の説明書に従い、150 μL Milli Q水中に溶出する(3回の50 μL溶出)。
21.SpeedVac濃縮
150μLを40-50 μLに濃縮する(14 ng/μLの最小DNA濃度)。
150μLを40-50 μLに濃縮する(14 ng/μLの最小DNA濃度)。
22.ナノドロップ定量化
正確なDNAの定量化のためのものである。
正確なDNAの定量化のためのものである。
23.MseI制限処理(標準AFLPプロトコール)
試薬 濃度 サンプル
Cot処理DNA (500 ng) + Milli Q水 35.6
MseI 40 U/μL 0.03
One-Phor-AII 10x 4
BSA (μL) 10 mg/μL 0.2
DTT (μL) 1 M 0.2
総量 40
試薬 濃度 サンプル
Cot処理DNA (500 ng) + Milli Q水 35.6
MseI 40 U/μL 0.03
One-Phor-AII 10x 4
BSA (μL) 10 mg/μL 0.2
DTT (μL) 1 M 0.2
総量 40
サンプルを、37°Cで1.0時間処理する。
制限処理とライゲーションの間でサイズ選択ステップは行わない。
制限処理とライゲーションの間でサイズ選択ステップは行わない。
24.MseIアダプターライゲーション(標準AFLPプロトコール)
試薬 濃度 サンプル
MseIアダプター50 μM 1
One-Phor-AII 10x 1
BSA (μL) 10 mg/μL 0.05
DTT (μL) 1 M 0.05
ATP 10 mM 1
T4リガーゼ 1 U/μL 1
MilliQ水 5.9
総量 10
試薬 濃度 サンプル
MseIアダプター50 μM 1
One-Phor-AII 10x 1
BSA (μL) 10 mg/μL 0.05
DTT (μL) 1 M 0.05
ATP 10 mM 1
T4リガーゼ 1 U/μL 1
MilliQ水 5.9
総量 10
10 μLを、制限処理した40 μLに添加し、37°Cで一晩処理する。
Cot処理R/Lサンプルから出発し、標準プロトコールによる(すなわち、AFLP、CRoPS等を後に行うことができる)。
反復配列の減少を、コショウおよびコムギ(両方とも高度に反復したゲノムである)からのサンプルを選択して実行する。
Cot処理前の変換R/Lミックス(制限処理−ライゲーション混合物)の組成は、
EcoRI/MseI 100-1000 bp
PstI/MseI 100-1000 bp
部分消化のみのMseI 平均1000 bp
EcoRIのみ 平均2000-3000 bp
PstIのみ 平均4000-5000 bp
Cot処理R/Lサンプルから出発し、標準プロトコールによる(すなわち、AFLP、CRoPS等を後に行うことができる)。
反復配列の減少を、コショウおよびコムギ(両方とも高度に反復したゲノムである)からのサンプルを選択して実行する。
Cot処理前の変換R/Lミックス(制限処理−ライゲーション混合物)の組成は、
EcoRI/MseI 100-1000 bp
PstI/MseI 100-1000 bp
部分消化のみのMseI 平均1000 bp
EcoRIのみ 平均2000-3000 bp
PstIのみ 平均4000-5000 bp
Cotパラメーターは0-320 (0, 1 , 2, 5, 10, 20, 40, 80, 160, 320)の範囲である。
コショウに対する結果はコショウE33/M49であり、コショウP14/M60を図1に示す。
種々の制限酵素で消化し、EcoRIで制限処理し、プライマーE33 (E-AAG) およびM49 (M-CAG)を使用して増幅したもの(コショウE33/M49)と、PstIで制限処理し、プライマーP14 (P-AT)およびM60 (M-CTC) を使用して増幅したもの(コショウP14/M60)の2つのコショウサンプルでCot変性時間を試験した。図1より、反復形態が減少し、それにともない複数の低コピーバンドが明らかになったことは明確である。
コムギに対する結果はコムギE35/M48であり、コムギP12/M50を図2に示す。種々の制限酵素で消化し、EcoRIで制限処理し、プライマーE35 (E-ACA) およびM48 (M-CAC)を使用して増幅したもの(コムギE35/M48)と、PstIで制限処理し、プライマーP12 (P-AC)およびM50 (M-CAT)を使用して増幅したもの(コムギP12/M50)の2つのコムギサンプルでCot変性時間を試験した。
図2より、反復形態が減少し、それにともない複数の低コピーバンドが明らかになったことは明確である。
これらの結果より、以下のことが結論付けられる。
これらの結果は、Cot処理により、40-50 %の標準AFLPバンドの消失と、5%の新しいバンドの出現が測定されたことを示す。
Cot処理後に残存するバンドの総計20-30 %は、バンド強度の変動(増大または減少)を提示する。
qRT-PCRコショウの評定
これらの結果より、単一コピー遺伝子より〜40倍より多量にある配列が、Cot処理により〜4倍に減少したこと(40:1から10:1)が結論付けられた。
さらなる評定を、サンガーシークエンシングにより実行する。
Claims (10)
- アダプター連結制限断片において、(低コピー配列の(相対的)量を増大させて)反復配列を減少させる方法であって、
a. 第一の制限エンドヌクレアーゼでサンプル中の出発DNAを制限酵素処理し、第一のアダプターを制限断片にライゲーションしてアダプター連結制限断片を得る工程、
b. 工程(a)で得られたアダプター連結制限断片において復元動力学ベースの断片化を行う工程、
c. 場合により、工程(b)の復元断片を、二本鎖特異的ヌクレアーゼ(DSN)で処理する工程、
d. 工程(b)または(c)より得られた制限断片を、第二の制限エンドヌクレアーゼで制限酵素処理し、第二のアダプターを制限断片にライゲーションする工程、
e. 出発DNA由来のアダプター連結制限断片の低コピー富化断片を得る工程
を含む方法。 - 第一の制限エンドヌクレアーゼが希少カッターである、請求項1に記載の方法。
- 第二の制限エンドヌクレアーゼが頻出カッターである、請求項1または2に記載の方法。
- 復元動力学ベースの断片化が、Cotである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- Cot値が320である、請求項4に記載の方法。
- 出発DNAから得られるアダプター連結制限断片の低コピー断片を、3’末端で場合により1から10個の選択的ヌクレオチドを有するアダプターに対するプライマーを使用して増幅する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 出発DNAが、ゲノムDNA、cDNA、BAC DNA、ミトコンドリアDNA、葉緑体DNAあるいはミトコンドリアDNAおよび葉緑体DNAを有する植物ゲノムDNAの混合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- DSN標準化を、二本鎖特異的ヌクレアーゼを含む処理を使用して実行する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 低コピー配列が富化したAFLPフィンガープリントを生成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法の使用。
- マーカー変換またはSNPマイニングに先立つ、DNAサンプルの処理としての請求項1から8のいずれか一項に記載の方法の使用。
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