JP2008151528A - 磁気センサーおよび磁気エンコーダー - Google Patents
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Abstract
た素子で磁気センサー素子を構成し、周囲温度変化に対しても安定した出力特性が得られ
る磁気センサーと磁気エンコーダーを提供する。
【解決手段】 感磁センサー素子と固定抵抗素子を同一の磁気抵抗効果膜で形成し、固定
抵抗素子を形成する下地の面粗さを5.0nm以上とするか固定抵抗素子を350℃以上
に加熱して、固定抵抗素子を形成する磁気抵抗効果膜の磁気抵抗効果発現を抑える。感磁
センサー素子と固定抵抗素子の電気抵抗率と電気抵抗の温度係数を合わせることができ、
周囲温度変化に対しても安定した出力特性が得られる磁気センサーと磁気エンコーダーが
実現できた。
【選択図】 図2
Description
しくは結合型巨大磁気抵抗効果人工格子膜と同じ膜構成で形成された感磁センサー素子と
、同じ電気抵抗で同じ電気抵抗の温度特性をもつ固定抵抗素子を備えた磁気センサーおよ
び磁気エンコーダーに関するものである。
に、ホール素子のような低価格の感磁素子が多く使用されている。高感度で検出を行う必
要がある場合には、磁気媒体との相対速度が再生出力に依存しない異方性磁気抵抗効果膜
(以下、AMR膜と言う)を有する磁気センサーが使用されている。しかしAMR膜を用
いた磁気センサーは、磁気抵抗変化率が3%程度と小さいため、得られる出力信号電圧が
小さい。そこで、磁気抵抗変化率が大きく、回路上では単純な2端子の抵抗として取り扱
えるという利点がある巨大磁気抵抗効果膜(以下、GMR膜と言う)を備えた磁気センサ
ーが注目され、その実用化が検討されている。
結合型巨大磁気抵抗効果人工格子膜(以下、結合型GMR膜と言う)が知られている。結
合型GMR膜は磁界変化に対する抵抗変化特性がAMR膜と同じであるため、容易にAM
R膜からの置き換えが可能である。結合型GMR膜は抵抗変化率が10%以上と大きいの
で大出力を得ることができる。しかし、最大抵抗変化を起こす動作磁界強度が大きいため
、大型の動作磁界発生手段が必要となる。また、結合型GMR膜の電気抵抗はAMR膜の
1/2〜1/3程度と小さいため、磁気センサーの低消費電力化が難しい。そのため、結
合型GMR膜を用いた磁気センサーは用途制限を受けるという問題がある。
スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果膜(以下、SVGMR膜と言う)がある。SVGMR膜
はハードディスク記憶装置(HDD)の磁気ヘッドに用いられている。SVGMR膜は、
特許文献1に開示されているように、外部磁界の方向が変化しても磁化方向が変化しない
磁化固定層と非磁性導電層、外部磁界の変化に追従して磁化方向が変化する磁化自由層か
ら構成されている。SVGMR膜を加工したセンサー素子(以下、SVGMR素子と言う
)は、結合型GMR膜を加工したセンサー素子に比べ電気抵抗が5〜6倍大きいので、磁
気センサーに用いた時低消費電力化が行ない易い。また、1〜160(A/m)[約0.
006〜20(Oe)]と比較的小さい磁場強度領域で動作すると言う特徴がある。
ップ)を持って対向して磁気センサー60を配している。磁気センサー60は複数の磁気
センサー素子51からなり、磁気センサー素子51は、磁界により電気抵抗が変化する感
磁センサー素子27と、磁界により電気抵抗がほとんど変化しない膜で形成した固定抵抗
素子28が直列に接続されている。固定抵抗素子28の他端は接地、感磁センサー素子2
7の他端は電源電圧Vccに接続している。感磁センサー素子27と固定抵抗素子28の
接続点31から中点電位を取り、この電圧が磁気センサー60の出力電圧となる。固定抵
抗素子28は磁界によって電気抵抗が変化しないので電気抵抗は略一定であり、感磁セン
サー素子27の比較抵抗として働く。感磁センサー素子27が磁気媒体61の漏洩磁界を
検知すると、電気抵抗が変化して中点電位が変化する。この中点電位の変化を磁気媒体6
1と磁気センサー60の相対位置信号として検出する。
ジを組んだ磁気センサー素子52を示す。磁気センサー素子51を逆方向で並列接続した
形である。この様にブリッジを組むことで、磁界により電気抵抗が変化する感磁センサー
素子27aと27bで、より電気抵抗の変化量を増幅する効果が得られる。接続点34a
と34b間で、図16の接続点31の約2倍の出力電圧が得られる。
ンサー素子51を形成した場合、膜の電気抵抗の温度特性の違いから、磁気センサーが高
温もしくは低温にさらされる周囲環境で使用されると、磁気センサー素子の中点電位が変
化して精度良く変位を検出できなくなる。磁気センサーを車載用センサーとして使用する
場合、150℃以上の耐熱性が要求されるが、例えばCuの温度係数が4.3×10−3
(deg.−1)であるのに対して、SVGMR膜の温度係数は1.0〜1.3×10−
3(deg.−1)と等しくないため、周囲温度の変化によりブリッジ回路の中点電位が
変化することになる。他の導体に用いられる金属のアルミニウムや金、銀の温度係数も4
.0〜4.2×10−3(deg.−1)であり、SVGMR素子の温度係数との差が大
きい。
、アルミニウムとマンガンを含んだニッケル合金のアルメル、銅と亜鉛の合金の黄銅、白
金とロジウムの合金があり、これらの温度係数は1.2〜1.4×10−3(deg.−
1)とSVGMR膜と非常に近いが、同じ値ではない。また、SVGMR膜とシート抵抗
値が異なるため、素子の形状や厚みを変えて電気抵抗値を合わせることが非常に難しい。
また、固定抵抗膜を得るために余分な製膜装置やスパッターターゲット材が必要となる。
抗効果膜で固定抵抗素子を形成し、周囲温度変化に対しても安定した出力特性が得られる
磁気センサーおよび磁気エンコーダーを提供することである。
応して電気抵抗が変化するGMR膜で形成した感磁センサー素子と、感磁センサー素子と
同一の膜材料で同一の膜積層順、同一の積層膜厚の構成で、外部磁界でほとんど抵抗変化
しない固定抵抗素子を有することが好ましい。
の構成である。膜は良好な磁気抵抗効果が得られる構成であることが重要である。膜厚の
ばらつきは良好な磁気抵抗効果が得られる範囲内とすることで、磁気抵抗変化率だけでな
く電気抵抗率、電気抵抗の温度係数のばらつきを低減することが出来る。積層膜厚は、G
MR膜を構成する各層の厚みと積層された全体の膜厚を言う。以降、各層の厚みと全体の
厚みを単に膜厚と称することもある。
定抵抗素子は外部磁界でほとんど抵抗変化しないのが本願発明の特徴である。固定抵抗素
子部のGMR膜に磁気抵抗効果を発現させない様にすることで、固定抵抗素子と感磁セン
サー素子を同じ電気抵抗率と同じ電気抵抗の温度係数とすることができる。固定抵抗素子
部のGMR膜に磁気抵抗効果を発現させない方法は、後項で詳細に説明するが、固定抵抗
膜の下地の面粗さを粗くする方法とGMR膜を加熱処理する方法を取ることができる。固
定抵抗素子の磁気抵抗はほとんど変化しないと記載しているが、その磁気抵抗変化率dR
/Rは0.2%以下を言う。測定器の測定限界値0.2%より低い値であるので、磁気抵
抗変化率は略ゼロと言えるレベルである。
を同じ電気抵抗値とするには素子寸法を変える必要がある。固定抵抗膜の下地の面粗さを
粗くする方法では、機械的に素子寸法を同じとすると電気抵抗が2〜20%大きくなって
しまう。これは、面粗さや面のうねりに倣ってGMR膜が製膜されるため、実質的な素子
寸法が長くなってしまうためである。そのため、素子の断面積を大きくするか素子の長さ
を短くして電気抵抗を合わせることが必要である。GMR膜を熱処理する方法では、感磁
センサー素子と固定抵抗素子は同じ面粗さの下地上に形成するので、実質的な素子寸法が
変わることはないため、固定抵抗素子と感磁センサー素子は同じ断面積と同じ長さに、パ
ターニングすることができる。
置した場合の感磁センサー素子間を繋ぐ配線部も、固定抵抗素子と同様にGMR膜に磁気
抵抗効果発現を起こさせないことが好ましい。これらの配線部は非磁性金属で形成するの
が好ましいが、配線を形成するのに多くの工数が必要である。配線部に磁気抵抗効果発現
を起こさないGMR膜を用いることで、製造工数の低減が図れる。
とが好ましい。
性導電層、非磁性導電層を介して隣り合う少なくとも2層の強磁性層、最上位に形成され
る保護層から構成する。
導電層、非磁性導電層を挟む磁化固定層および磁化自由層、磁化固定層の隣に形成される
反強磁性層からなる多層部、最上位に形成される保護膜から構成される。多層部で磁化固
定層および/または磁化自由層は、単層または複数層からなることが好ましい。
自由層タイプ、デュアルタイプ、スペキュラータイプ、スピンフィルタータイプのいずれ
の構造でも良い。また、反強磁性層のないセルフピンタイプ、保磁力差タイプのSVGM
R膜でも良いものである。また、いずれかの積層界面で界面の平坦化を目的として、プラ
ズマ処理を施すことができる。
、固定抵抗素子の下地面粗さRa2は5.0nm以上であることが好ましい。
下である。下地の面粗さRaは、レーザーを使った非接触型表面粗さ計や原子間力顕微鏡
(AFM)等の測定器を用いて測定することができ、JISB0601で規定される中心
線平均粗さで求める。固定抵抗素子や配線部の下地の面粗さを5.0nm以上とすること
で、GMR膜の磁気抵抗効果発現を抑えることができる。SVGMR膜の場合、下地の表
面粗さが0.3nm<Ra<0.7nm程度のとき、磁化自由層と非磁性導電層、および
非磁性導電層と磁化固定層の界面粗さも大きくなり、オレンジピールカップリングが増大
し、非磁性導電層を介しての磁化固定層と磁化自由層の強磁性的結合(Hint)が大き
くなる。HintはMR曲線のゼロ磁界からのシフト量として現れるため、例えば、感磁
センサー素子の動作磁界範囲よりもHintが大きい場合、感磁センサー素子の抵抗は磁
界によって変化するが、表面粗さの大きい下地上に成膜した固定抵抗素子の抵抗は変化し
ないことになる。下地の表面粗さが5.0nm以上のときは、GMR膜の積層された各々
の膜厚が1nmから数nm厚と非常に薄いため、製膜源(ターゲット)の平行部と斜面部
で同じ厚みの膜にならないため磁気抵抗変化率に差が現れ、磁気抵抗効果が発現しなくな
ると考えられる。
の界面粗さが大きくなり、非磁性導電層を介して強磁性層が反強磁性的に結合する領域が
減少して抵抗変化を示さなくなる。面粗さ大きくすることで、磁気抵抗効果発現条件の一
つを満たさなくしたものと考えられる。
下地の面粗さRa2を5.0nm以上と粗くすることで、同じGMR膜を製膜しても、感
磁センサー素子部は磁気抵抗効果が発現し、固定抵抗素子や配線部は磁気抵抗効果が発現
しない。この様に、固定抵抗素子部に感磁センサー素子部と同じ材質で同じ厚み、同じ膜
積層順構成のGMR膜を用いるため、固定抵抗素子部と感磁センサー素子部は同じ電気抵
抗率で同じ電気抵抗の温度係数とすることができる。これにより、使用環境温度の変化が
あっても、温度による磁気センサー素子の中点電位の変化をなくすことができる。
でも、凹凸のピッチが大きいと磁気抵抗効果の発現を抑えることはできない。つまり、大
きな周期のうねりを持った面では凹凸量が大きくても磁気抵抗効果の発現を抑えられない
ものである。大きな周期のうねりを持つ面では、製膜源(ターゲット)の平行部と斜面部
でも略同じ厚みの膜になってしまうためと考えられる。凹凸のピッチは0.5μm以下が
好ましいものである。うねりが大きいとマクロ的な寸法(パターニングした素子寸法)が
同じでも、ミクロ的にはうねりに沿って膜が形成されるため、素子の長さが変化すること
になり、固定抵抗素子28の電気抵抗が大きくなる。しかし、本発明の磁気センサーにお
いては、感磁センサー素子と固定抵抗素子の材質が同じで温度係数が等しいため、固定抵
抗素子の幅を広くするか長さを短くする等の調整をすることにより、感磁センサー素子と
固定抵抗素子の電気抵抗値を容易に合わせることができる。
用いることができる。シリコン基板を用いる場合は、シリコン基板面に絶縁性の酸化アル
ミニウム(アルミナ)や酸化シリコン(SiO2)等を製膜することがよい。
用い固定抵抗素子や配線部を形成する部位のみを、エッチングで面粗さRa2と大きくす
る。面粗さの大きな部位Ra2と小さな部位Ra1を有するウェファーに、GMR膜を形
成した後、感磁センサー部と固定抵抗部、配線部等のパターニングを行う。ウェファーの
Ra2加工のエッチングは、ドライエッチングとウェットエッチングの何れも使用でき、
ウェファーの材質で選択することもできる。また、サンドブラスト処理の様な機械的な加
工方法を用いることもできる。
を用い、凹凸を形成することもできる。凹凸を形成する部分に、一辺0.1μmから0.
5μm程度の方形孔のフォトレジストパターンを形成し、水酸化カリウム溶液等を用いて
ウェットエッチングを行うと、逆ピラミッド型のエッチピットが得られる。フォトレジス
トパターンを除去した後、酸化シリコンやアルミナ等の絶縁膜を100nm程度形成する
ことで、固定抵抗素子や配線部を形成する部位の面粗さRa2が粗いシリコンウェファー
を得ることができる。
成の変化や結晶面の違いにより、良好な磁気抵抗効果が発現するRa1まで研磨すること
は難しい。例え研磨ができたとしても非常に高価なウェファーとなってしまい、工業的に
使用することが難しい。ウェファーの面粗さは磁気抵抗効果が発現しないRa2とし、感
磁センサー素子を形成する部位に、アルミナや酸化シリコンの膜を300nm程度形成し
、感磁センサー素子に磁気抵抗効果を発現させる面粗さRa1とする。アルミナや酸化シ
リコンの膜の端部は直角ではなく斜面とすると、連続したGMR膜が形成し易いので好ま
しい。
が好ましい。
いることもできる。固定抵抗素子や配線部のGMR膜を、スポット的に350℃以上に加
熱して磁気抵抗効果の発現を抑える。加熱熔融して合金を製造するのではなく、積層膜間
の交換結合やピン止め磁界を弱めたり無くしたりするもので、熔融する温度まで上げる必
要はない。
スポット加熱がある。加熱範囲の制御の容易さや昇温速度の速さ等から、レーザーを用い
ることが好ましい。レーザーを用い加熱範囲を制御することで、感磁センサー素子と固定
抵抗素子、感磁センサー素子と配線部の境界をはっきりさせ、感磁センサー素子への熱の
影響を最小限にすることができる。
げると、電気抵抗率や電気抵抗の温度係数が変化してしまい使用できなくなる。酸化を防
ぐには不活性ガス中か真空中で加熱処理を行えば良いが、装置が大掛かりになる事と作業
性が悪くなるので好ましくない。また、加熱温度が高くなると熱が感磁センサー素子部ま
で伝わり、磁気抵抗効果の性能を低下させる恐れがある。そのため、磁気抵抗効果が発現
しなくなる温度より、数10℃から100℃程度高い温度で熱処理することが好ましい。
成位置で面粗さRaの異なる部位を形成する工程、GMR膜を形成する工程、GMR膜を
感磁センサー素子と固定抵抗素子、配線部の形状にパターニングする工程、ウェファーを
個片化し磁気センサーを形成する工程を有することが好ましい。
感磁センサー素子と固定抵抗素子、配線部の形状にパターニングする工程、固定抵抗素子
と配線部をスポット加熱する工程、ウェファーを個片化し磁気センサーを形成する工程を
有することが好ましい。
磁気エンコーダーであって、本願発明の外部磁界に反応して電気抵抗が変化するGMR膜
で形成した感磁センサー素子と、感磁センサー素子と同一の膜材料と膜厚、膜積層順構成
で、外部磁界でほとんど抵抗変化しない固定抵抗素子で、ブリッジ回路を形成した磁気セ
ンサーを用いることが好ましい。
形成することで、周囲温度変化に対しても安定した出力特性が得られる磁気センサーと磁
気エンコーダーが実現できた。
るため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
SVGMR膜の構成を示す。図1a)に膜構成図、図1b)に実施した膜材質を示す。ガ
ラスウェファー11上に下地層12、反強磁性層13、磁化固定層14、非磁性導電層1
5、磁化自由層16、保護層17の順でスパッター成膜したボトム積層フェリ固定層タイ
プのSVGMR膜101である。外部磁界により磁化自由層16の磁化が回転し、磁化固
定層14の磁化方向と成す相対角度によって電気抵抗が変化する。電気絶縁性有するガラ
スウェファー11側からNiFeCr(4nm)/MnPt(12nm)/CoFe(1
.8nm)−Ru(0.9nm)−CoFe(2.0nm)/Cu(2nm)/CoFe
(1nm)−NiFe(3nm)/Ta(3nm)の順にスパッター膜を積層した。Ni
FeCrが下地層12、MnPtが反強磁性層13、Ruとこれを挟むCoFeが磁化固
定層14、Cuが非磁性導電層15、保護層側のCoFeとNiFeが磁化自由層16、
Taが保護層17に対応している。
部を形成する部位のウェファー11の面粗さ)Ra2を求めるため、一枚のガラスウェフ
ァーに、Raを0.3nmから10nmまで変化させた部位を形成した。ガラスウェファ
ーにRaの異なる部位を形成し、SVGMR膜を形成することで、SVGMR膜のロット
間での影響を無くした。イオンミリング時間を変えることでRaを変化させた。磁気抵抗
変化率を精度良く測るため、10mmx10mmの大きさの試験パターンを用いた。
.5nmはイオンミリングを行なわない場所の面粗さで、感磁センサー素子の下地の面粗
さRa1である。Ra1での磁気抵抗変化率(dR/R)は13.1(%)である。Ra
が大きくなるに従い磁気抵抗変化率は低下して、Ra4.6nmで磁気抵抗変化率は略ゼ
ロとなり、磁気抵抗効果が発現しなくなった。GMR膜の製膜ロットを増やして測定し、
ばらつき分を考慮してもRaを5.0nm以上とすることで、磁気抵抗効果の発現を抑え
ることができることが確認できた。
下地の面粗さRa2を5.0nmとした磁気センサー素子の製造工程について、図3を参
照して説明する。形成した磁気センサー素子52を図3g)に示し、図3g)のp−p’
断面を用いて製造工程を説明する。図3g)の磁気センサー素子52は、図17のブリッ
ジタイプを素子形状で表したものである。ガラスウェファー11の表面粗さRa1面の、
感磁センサー素子形成部にフォトレジスト20を形成する[図3a]]。イオンミリング
装置でガラスウェファー11をドライエッチングする[図3b]]。イオンエッチング装
置から取り出して、フォトレジスト20を有機溶剤で除去し、感磁センサー素子形成部の
下地の面粗さがRa1で、固定抵抗素子と配線部を形成する部分の下地の面粗さがRa2
となったガラスウェファーを得た[図3c]]。判り易くするためRa2部は太線を追加
して表示している。SVGMR膜101をスパッターで形成[図3d]]。SVGMR膜
101上に感磁センサー素子と固定抵抗素子、配線部のパターンを得るためフォトレジス
ト20を塗布し、露光、現像を行った後、イオンミリングでSVGMR膜101をパター
ニングした[図3e]]。フォトレジスト20を有機溶剤で除去し、磁気センサー素子5
2を得た[図3f]と図3g]]。
素子幅w=8μm、素子長さL=60μmとした。配線部25の幅は場所によって異なる
が、概ね素子幅の半分とした。感磁センサー素子27と固定抵抗素子28の電気抵抗は、
1380(Ω)で同じ値であった。Ra2を形成するのにイオンエッチングを使用したの
で、うねりの凹凸のピッチは10〜30μmであった。うねりによる固定抵抗素子部と感
磁センサー素子部の電気抵抗値の差は0.1%以下と無視できる値であったので、固定抵
抗素子と感磁センサー素子部のマクロ的な寸法は同じとした。
SVGMR膜の構成を示す。実施例1の反強磁性層下置積層フェリ固定層タイプ(ボトム
積層フェリ固定層タイプ)SVGMR膜の積層順を略逆にした構造である。図4に示す様
に、ガラスウェファー11側から下地層12、磁化自由層16、非磁性導電層15、磁化
固定層14、反強磁性層13、保護層17の順でスパッター成膜したトップ積層フェリ固
定層タイプのSVGMR膜102である。材料と膜厚は、基板11側からNiFeCr(
4nm)/NiFe(3nm)−CoFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(2n
m)−Ru(0.9nm)−CoFe(1.8nm)/MnPt(12nm)/Ta(3
nm)の順にスパッター膜を積層した。
熱温度と磁気抵抗変化率の関係を精度良く測るため、10mmx10mmの大きさの試験
パターンを用いた。また、ガラスウェファー上のSVGMR膜で、多数の試験パターンを
形成して試験パターン毎に過熱温度を変えることで、SVGMR膜のロット間の影響を除
いた。用いたレーザーはYAGレーザーで、レーザービーム径は10μmである。試験パ
ターン全域にレーザーを一定の速度でスキャンし、SVGMR膜を加熱した。加熱温度は
、レーザー出力と照射時間を変えることで制御し、過熱温度を180℃から450℃まで
変化させた試料を作製し、磁気抵抗変化率dR/R(%)を測定した。また、シート抵抗
Rs(Ω/□)も測定した。レーザービームで加熱された箇所の温度を直接測ることは非
常に難しいため、次の方法を用いて温度を求めた。ガラスウェファーの一部を切断して、
個別の試験パターンが形成されたチップを作製し、チップを大気炉に10秒程度入れて加
熱処理を行い、磁気抵抗変化率とシート抵抗を測定した。炉の温度と磁気抵抗変化率とシ
ート抵抗の関係を予め求めておき、レーザー照射加熱した試験パターンの磁気抵抗変化率
とシート抵抗から、レーザー加熱温度を求めた。膜が非常に薄いので10秒程度炉に入れ
るだけで、膜の温度は炉の温度となることは確認している。
温度が270℃以下では磁気抵抗変化率は変わらないが、それ以上の温度になると磁気抵
抗変化率は低下し、320℃で磁気抵抗変化率は略ゼロとなり、磁気抵抗効果が発現しな
くなった。400℃以下ではシート抵抗Rsの変化は無いが、400℃以上になるとシー
ト抵抗Rsは大きくなり始め、450℃で急激に大きくなった。これは、磁気抵抗効果膜
が酸化したためと考えられる。磁気抵抗変化率とシート抵抗から、レーザー加熱温度の下
限は320℃、上限は400℃である。作業ばらつき等を考慮し、レーザー照射による加
熱温度は350以上400以下が好ましい範囲であることが確認できた。
ー素子52を図6f)に示し、図6f)のp−p’断面を用いて製造工程を説明する。ガ
ラスウェファー11の0.4nmの表面粗さRa1面にSVGMR膜102を形成した[
図6a)]。SVGMR膜102上に感磁センサー素子と固定抵抗素子、配線部のパター
ンを得るためフォトレジスト20を塗布し、露光、現像を行った後、イオンミリングでS
VGMR膜102をパターニングし、感磁センサー素子27と固定抵抗素子28’、配線
部25’を得た[図3b]と図3c]]。この工程で形成された固定抵抗素子と配線部は
、磁気抵抗効果を発現するので、固定抵抗素子28’、配線部25’と符号に’を付けて
区別している。固定抵抗素子と配線部に大気中でレーザー照射し380℃まで加熱した。
レーザーは予めプログラムされた通りにスキャニングさせた[図6d]]。レーザー照射
した固定抵抗素子と配線部のSVGMR膜102は磁気抵抗効果を発現せず、感磁センサ
ー素子は磁気抵抗効果を発現する磁気センサー素子52を得た[図6e]と図6f]]。
本実施例では、SVGMR膜102を各素子にパターニングしてから、レーザー照射した
が、工程を逆にして所定の部位にレーザー照射した後、各素子形状にパターニング行うこ
ともできる。レーザー照射により電気抵抗率は変化しないので、感磁センサー素子と固定
抵抗素子の素子寸法は同じとしている。
す。ガラスウェファー11側からNiFeCr(4nm)/MnPt(12nm)/Co
Fe(2.5nm)/Cu(2nm)/CoFe(1nm)−NiFe(3nm)/Ta
(3nm)の順でスパッター成膜した反強磁性層下置タイプSVGMR膜103である。
NiFeCrが下地層12、MnPtが反強磁性層13、下地層側のCoFeが磁化固定
層14、Cuが非磁性導電層15、保護層側のCoFeとNiFeが磁化自由層16、T
aが保護層17にそれぞれ対応する。
る部位を、イオンミリングで面を粗してRa5.0nmとした。ガラスウェファー11に
図7に示す反強磁性層下置タイプSVGMR膜103を形成し、フォトリソ技術とイオン
ミリングを用いて磁気センサー素子を形成した。磁気センサー素子の製造工程は実施例1
と同じとした。
示す。アルミナウェファー11側からNiFeCr(4nm)/NiFe(3nm)−C
oFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(2.5nm)/MnPt(12nm)/
Ta(3nm)の順でスパッター成膜した反強磁性層上置タイプSVGMR膜104であ
る。NiFeCrが下地層12、下地層に接するNiFeとこの上に成膜されるCoFe
が磁化自由層16、Cuが非磁性導電層15、保護層側のCoFeが磁化固定層16、M
nPtが反強磁性層13、Taが保護層17にそれぞれ対応する。
の面にSVGMR膜を製膜しても磁気抵抗効果は発現しないため、感磁センサー素子を形
成する部位に、スパッターで300nm厚のアルミナ膜を形成し表面を平滑化した。アル
ミナ膜面の面粗さRaは0.4nmとなり、SVGMR膜を製膜すると磁気抵抗効果が発
現させることができた。
ー素子52を図9g)に示し、図9g)のp−p’断面を用いて製造工程を説明する。ア
ルミナウェファー11の表面粗さRa2面にステンシル形状(きのこ状)のフォトレジス
ト21を形成した[図9a]]。フォトレジスト21の開口部は感磁センサー素子が形成
される場所である。アルミナ膜43を300nm製膜した[図9b]]。ステンシル形状
フォトレジスト21のきのこの傘部分で、膜の附着が妨げられきのこの茎の根元にかけて
、アルミナ膜は傾斜した形状とすることができる。片側の傘の張り出し部分のフォトレジ
スト長さは1.2μmとした。フォトレジスト21を有機溶剤で除去し、感磁センサー素
子形成部がアルミナ膜43で面粗さRa1が0.4nmのウェファーを得た[図9c]]
。SVGMR膜104を形成[図9d]]。フォトレジスト20を塗布し各素子形状にパ
ターニングした後、イオンミリングでSVGMR膜104をパターニングした[図9e]
。フォトレジスト20を有機溶剤で除去し、磁気センサー素子52を得た[図9f]と図
9g)]。アルミナ膜の端部を緩やかな傾斜面とすることで、感磁センサー素子と配線部
もしくは固定抵抗素子との接続がスムーズになり、接続部での断線や電気抵抗の増加等を
防ぐことができた。
構成を示す。ウェファー11側からNiFeCr(4nm)/MnPt(12nm)/C
oFe(1.8nm)−Ru(0.9nm)−CoFe(2nm)/Cu(2nm)/C
oFe(1nm)−NiFe(2nm)−Ru(0.9nm)−NiFe(2nm)/T
a(3nm)の順にスパッター膜を積層したボトム積層フェリ固定層および積層フェリ自
由層タイプのSVGMR膜105である。NiFeCrが下地層12、MnPtが反強磁
性層13、下地層側のRuとこれを挟むCoFeが磁化固定層14、Cuが非磁性導電層
15、保護層側のCoFeおよびこの上に成膜されるRuとこれを挟むNiFeが磁化自
由層16、Taが保護層17にそれぞれ対応する。
サー素子52を図11i)に示し、図11i)のp−p’断面を用いて製造工程を説明す
る。シリコウェファー11の磁気センサー素子形成面は結晶面(100)とした[図11
a)]。シリコンウェファー11にフォトレジスト20を塗布し、固定抵抗素子と配線部
を形成する部位に多数の0.2μm□の孔の開いたフォトレジスト22を形成した[図1
1b)]。エッチング液41にシリコンウェファー11を浸漬し、ウェットエッチングを
行った[図11c]]。エッチング液には水酸化カリウム(KOH)溶液を用いた。フォ
トレジスト20,22を有機溶剤で除去し、固定抵抗素子と配線部を形成する部位には、
一辺wが0.2μmの逆ピラミッド型のエッチピット42が形成され、感磁センサー素子
形成部はエッチングされていないシリコン面を持つ、シリコンウェファーを得た[図11
d]。電気的絶縁とエッチピットの角部を滑らかにするため、酸化シリコン(SiO2)
46を300nm厚で形成した[図11e]]。酸化シリコン膜面の面粗さがRa1とR
a2になる。本実施例では、感磁センサー素子の下地の面の粗さRa1は0.3nm、固
定抵抗素子と配線部の下地の面粗さRa2は8nmである。面粗さRa2が8nmの面で
は形成されたSVGMR膜105は、磁気抵抗効果を発現できない。酸化シリコン膜の上
に、スパッターでSVGMR膜105を製膜した[図11f]]。SVGMR膜105上
に、フォトレジスト20を塗布し各素子形状にパターニングした後、イオンミリングでS
VGMR膜105をパターニングした[図11g]]。フォトレジスト20を有機溶剤で
除去し、磁気センサー素子52を得た[図11h)と図11i)]。
eCr(4nm)/MnPt(12nm)/CoFe(1.8nm)−Ru(0.9nm
)−CoFe(2nm)/Cu(2nm)/CoFe(0.5nm)−NiFe(3nm
)−CoFe(0.5nm)/Cu(2nm)/CoFe(2nm)−Ru(0.9nm
)−CoFe(1.8nm)/MnPt(12nm)/Ta(3nm)の順にスパッター
膜を積層したデュアルタイプSVGMR膜106である。NiFeCrが下地層12、下
地層側のMnPtが第1反強磁性層13A、下地層側のRuとこれを挟むCoFeが第1
磁化固定層14A、下地層側のCuが第1非磁性導電層15A、第1非磁性導電層15A
上のCoFe(0.5nm)/NiFe(3nm)/CoFe(0.5nm)が磁化自由
層16、保護層側のCuが第2非磁性導電層15B、保護層側のRuとこれを挟むCoF
eが第2磁化固定層14B、保護層側のMnPtが第2反強磁性層13B、Taが保護層
17にそれぞれ対応する。
サー素子52を図13g)に示し、図13g)のp−p’断面を用いて製造工程を説明す
る。ガラスウェファー11の表面粗さRa1が0.4nmの面に、感磁センサー素子形成
部を覆うフォトレジスト20を形成する[図3a]]。サンドブラスト装置でガラスウェ
ファー11の面を荒らした[図3b]]。0.5μmのアルミナ砥粒45を1.8mmФ
のノズルから2(kg/cm2)の圧力で吐出した。面粗さはサンドブラスト加工時間で
調整し、Ra2で12nmの面を得た。面粗さ12nmはSVGMR膜106が磁気抵抗
効果を発現できない面粗さである。サンドブラスト装置から取り出して、フォトレジスト
20を有機溶剤で除去し、感磁センサー素子形成部の下地の面粗さがRa1で、固定抵抗
素子と配線部を形成する部分の下地の面粗さがRa2となったガラスウェファーを得た[
図3c)]。SVGMR膜106をスパッターで形成[図3d]。SVGMR膜106上
に感磁センサー素子27と固定抵抗素子28、配線部25のレジストパターン20を形成
し、イオンミリングでSVGMR膜106をパターニングした[図3e]]。フォトレジ
スト20を有機溶剤で除去し、磁気センサー素子52を得た[図3f]と図3g]]。本
実施例では、サンドブラスト装置を用いたためかRa2部に、凹凸のピッチが1〜5μm
のうねりが形成されていた。感磁センサー素子と固定抵抗素子のマクロ的寸法を同じとす
ると、固定抵抗素子の電気抵抗値が約5%大きくなってしまうため、固定抵抗素子の素子
幅は変えずに素子長さを5%小さくして、感磁センサー素子と固定抵抗素子の電気抵抗値
を合わせている。
した膜材質を示す。ウェファー11上に下地層12をスパッター成膜した後、この下地層
12上に強磁性層18と非磁性導電層15とを交互にスパッター成膜を行い、一対の強磁
性層18と非磁性導電層15を1ユニットとして、このユニットを14回積層し、さらに
強磁性層18をスパッター成膜した後、最上位に保護層17をスパッター成膜した結合型
GMR膜107である。
サー素子52を図15g)に示し、図15g)のp−p’断面を用いて製造工程を説明す
る。シリコンウェファー11に絶縁のため酸化シリコン(SiO2)膜46を300nm
厚にスパッターで形成した[図15a]]。酸化シリコン膜46の面粗さがRa1で0.
3nmとなった。酸化シリコン膜46上に結合型GMR膜107を形成した[図15b]
]。結合型GMR膜107上に各素子のレジストパターン20を形成し、イオンミリング
で結合型GMR膜107をパターニングし、感磁センサー素子27と固定抵抗素子28’
、配線部25’を得た[図15c]と図15d]]。この工程で形成された固定抵抗素子
と配線部は、磁気抵抗効果を発現するので、固定抵抗素子28’、配線部25’と符号に
’を付けて区別している。固定抵抗素子28’と配線部25’に大気中でレーザー照射し
380℃まで加熱した。レーザーは予めプログラムされた通りにスキャニングさせた[図
16e)]。レーザー照射した固定抵抗素子28と配線部25の結合型GMR膜107は
磁気抵抗効果を発現せず、感磁センサー素子27は磁気抵抗効果を発現する磁気センサー
素子52を得た[図16f]と図16g]]。本実施例では、結合型GMR膜107を各
素子にパターニングしてから、レーザー照射したが、工程を逆にして所定の部位にレーザ
ー照射した後、各素子形状にパターニング行うこともできる。
エンコーダー63を作製した。ウェファー11上に形成された実施例1〜7の磁気センサ
ー素子を、ダイアモンド砥石で個片化した後、フレキシブルプリント回路(FPC)を取
付け磁気センサー60を得た。図16では、FPCの図示は省いている。図16に示す様
に、磁気センサー60と磁気媒体61で磁気エンコーダーを構成し、磁気エンコーダーを
恒温槽に入れて温度を上げ中点電位の変化を測定した。温度は−40℃と75℃とした。
−40℃の時の中点電位v1、75℃の時の中点電位v2の差=|v1−v2|を、中点
電位の変化量とした。比較のため従来の、感磁センサー素子に実施例1〜7のGMR膜を
用い、固定抵抗素子に銅と亜鉛の合金の黄銅、配線部にアルミニウムを用いた比較磁気セ
ンサーも供試した。印加した電圧Vccは5(V)である。
例1から7の磁気センサーに対応する比較磁気センサーの中点電位の変化量は、20(m
V)〜100(mV)と、実施例1〜7の約20倍と大きな値であった。実施例1〜7の
中点電位の変化量が小さいと言うことは、周囲環境温度の変化に対して安定した、言い換
えると精度の高い出力特性が得られる磁気センサーや磁気エンコーダーが得られたことに
なる。これは、感磁センサー素子と固定抵抗素子の膜材質と膜厚、膜積層順の膜構成を同
じとしたことで、電気抵抗率と電気抵抗の温度係数を同じとすることができた効果による
ものである。
12 下地層、
13 反強磁性層、
14 磁化固定層
15 非磁性導電層、
16 磁化自由層、
17 保護層、
18 強磁性層
20,21,22 フォトレジスト、
25 配線部、
27 感磁センサー素子、
28 固定抵抗素子
31,32,33,34 端子、
41 エッチング液、
42 エッチピット、
43 アルミナ膜、
45 砥粒、
46 酸化シリコン膜、
51,52 磁気センサー素子、
60 磁気センサー、
61 磁気媒体、
63 磁気エンコーダー、
101,102,103,104,105,106,107 磁気抵抗効果(GMR)膜
。
Claims (7)
- 外部磁界を検出する磁気センサーであって、外部磁界に反応して電気抵抗が変化する巨
大磁気抵抗効果膜で形成した感磁センサー素子と、前記感磁センサー素子を構成する巨大
磁気抵抗効果膜と同一の膜材料で同一の膜積層順、同一の積層膜厚の構成で、外部磁界で
ほとんど抵抗変化しない固定抵抗素子とを有することを特徴とする磁気センサー。 - 前記巨大磁気抵抗効果膜が、結合型巨大磁気抵抗効果人工格子膜もしくは、スピンバル
ブ型巨大磁気抵抗効果膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサー。 - 前記感磁センサー素子の下地面粗さRa1が0.5nm以下で、前記固定抵抗素子の下
地面粗さRa2が5.0nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサー
。 - 巨大磁気抵抗効果膜をスポット加熱して前記固定抵抗素子を形成することを特徴とする
請求項1に記載の磁気センサー。 - ウェファーに感磁センサー素子と固定抵抗素子の形成位置で面粗さRaの異なる部位を
形成する工程、前記ウェファー上に結合型巨大磁気抵抗効果人工格子膜もしくはスピンバ
ルブ型巨大磁気抵抗効果膜の巨大磁気抵抗効果膜を形成する工程、前記巨大磁気抵抗効果
膜を感磁センサー素子と固定抵抗素子、配線部の形状にパターニングする工程、前記ウェ
ファーを個片化し磁気センサーを形成する工程を有することを特徴とする磁気センサーの
製造方法。 - ウェファーに結合型巨大磁気抵抗効果人工格子膜もしくはスピンバルブ型巨大磁気抵抗
効果膜の巨大磁気抵抗効果膜を形成する工程、前記巨大磁気抵抗効果膜を感磁センサー素
子と固定抵抗素子、配線部の形状にパターニングする工程、前記パターニングされた固定
抵抗素子と配線部をスポット加熱する工程、前記ウェファーを個片化し磁気センサーを形
成する工程を有することを特徴とする磁気センサーの製造方法。 - 磁気媒体から発生する磁界を磁気センサーで検出する磁気エンコーダーであって、請求
項1に記載の磁気センサーを用いたことを特徴とする磁気エンコーダー。
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