JP2008150495A - ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、その硬化物、及びビルドアップフィルム - Google Patents

ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、その硬化物、及びビルドアップフィルム Download PDF

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邦裕 森永
Ichiro Ogura
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Abstract

【課題】硬化物自体の線膨張係数が著しく低く、ビルドアップフィルム絶縁層用材料として使用した場合に、フィルム寸法安定性に優れたビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、及び、寸法安定性に優れたビルドアップフィルムを提供する。
【解決手段】下記一般式1
Figure 2008150495

で表される化合物に代表される、2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有するエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂材料成分のガラス領域、及び硬化物が暴される温度領域(サーマルサイクル条件下)における線膨張係数が極めて低く、寸法安定性に優れるビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物に関する。
半導体パッケージ基板材料におけるビルドアップ基板の技術分野では、絶縁材料に用いられる樹脂材料としてこれまでの液状材料に代わり、エポキシ樹脂及び硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物からフィルム状に成形した所謂ビルドアップフィルムを基板上にラミネート、硬化させる技術が注目されている。このビルドアップフィルムは、絶縁層をフィルム形状とすることで内層回路パターンの被覆と表面ビアホール及びスルーホール内の樹脂充填が容易で加工性及び作業性に著しく優れる、多層基板の生産性が向上する、表面平滑性に優れる、という特徴を有し、更に、回路の線幅の極細化が可能で近年の半導体装置の高集積化に対応できるという利点をも兼備している。しかしながら、該フィルムを構成する絶縁層であるエポキシ樹脂硬化物は、銅配線、半田等といった異種材料との線膨張係数が相違(CTEミスマッチ)するために、寸法安定性に劣り、熱衝撃による応力によってクラックを招きやすいという問題を有していた。従って、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物にはこれまでになく硬化物の線膨張率が低い材料が低いものが求められていた。
そこで、例えば、接着フィルムを構成する絶縁材料として、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、及び無機充填材を必須成分としたエポキシ樹脂組成物を用い、かつ、該無機充填材を多量に使用して材料自体の線膨張係数を低く抑制した技術が知られている(下記、特許文献1参照)。
然し乍ら、近年、電子部品の高性能化に伴い半導体パッケージ基板には多段ビア構造が採用されるなど、接着フィルムにはより低い線膨張係数を有するものが求められているところ、前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂硬化物自体の線膨張係数の低減という点では十分ではなく、近年の著しい半導体装置の高速化に対応可能な水準に達していないのが現状であった。更に、前記エポキシ樹脂組成物は、ビルドアップ工法用に不可欠なビアホール形成時のレーザーによる加工性や、めっき層との密着性が十分なものではなかった。
他方、エポキシ樹脂硬化物の線膨張係数のより一層の低減化を図ることを目的として結晶性の高いエポキシ樹脂を用いた場合、結晶性エポキシ樹脂は溶剤溶解性に乏しいことからフィルム形状への成形が極めて困難なものとなってしまうものであった。
特開2005−154727号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化物自体の線膨張係数が著しく低く、ビルドアップフィルム絶縁層用材料として使用した場合に、フィルム寸法安定性に優れたビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、及び、寸法安定性に優れたビルドアップフィルムを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビルドアップフィルム絶縁層用材料としてエポキシ樹脂及び硬化剤を必須成分する樹脂組成物を用い、かつ、そのエポキシ樹脂の分子構造中に2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を導入することにより、該組成物の硬化物の線膨張係数が飛躍的に低下し、ビルドアップフィルムにした際に優れた寸法安定性を発現することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有するエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び有機溶剤(C)を必須成分とする樹脂組成物を、基材フィルム上に塗布、乾燥させ、次いで、熱硬化させてフィルム状の絶縁層を形成してなることを特徴とするビルドアップフィルムに関する。
本発明によれば、硬化物自体の線膨張係数が著しく低く、ビルドアップフィルム絶縁層用材料として使用した場合に、フィルム寸法安定性に優れたビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物、及び、寸法安定性に優れたビルドアップフィルムを提供できる。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、前記した通り、2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有しており、このように分子構造内に存在するスルホニル構造により、樹脂自体に優れた凝集力を発現させることができ、その硬化物において線膨張係数が著しく低いものとなる。また、一般にビスフェノールスルホン型エポキシ樹脂は、結晶性の高いエポキシ樹脂として知られているところ、本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、ベンゼン環上の置換位置においてスルホニル基に対してオキシ基が2,4’−位にあることから、結晶性が低減され、有機溶剤への溶解性も飛躍的に向上して、フィルム成形が可能となったものである。
かかるエポキシ樹脂(A)は、具体的には、
(1)下記構造式1
Figure 2008150495

(式中、R、R、R3、R4、R5、R6、R7、及びRはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子を表し、Rはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるエポキシ樹脂、
(2)該化合物と2,4’−ビスフェノールスルホンとの共重合体であるビスフェノール型エポキシ樹脂、
(3)2,4’−ビスフェノールスルホンとビスフェノールA型エポキシ樹脂との共重合体であるビスフェノール型エポキシ樹脂、
(4)2,4’−ビスフェノールスルホンとホルムアルデヒドとを反応させたノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、
(4)2,4’−ビスフェノールスルホンとベンジルアルコール、ベンジルクロライド等のベンジル化剤とを反応させて得られるベンジル化2,4’−ビスフェノールスルホンと、エピクロルヒドリンとを反応させた構造を有するエポキシ樹脂
(5)ビスクロロメチルビフェニルと2,4’−ビスフェノールスルホンとを酸触媒下で脱塩酸反応させて得られたフェノール系樹脂のグリジルエーテル化物、或いは、ビスメトキシメチルビフェニルと2,4’−ビスフェノールスルホンとを酸触媒下で脱メタノール反応させて得られたフェノール系樹脂のグリジルエーテル化物等が挙げられる。
本発明では、とりわけ低粘度で取り扱いが容易である点から前記(1)のエポキシ樹脂が好ましい。また、前記(1)のエポキシ樹脂は、実際には多少高分子量化しているものも含まれているが、本発明ではエポキシ当量235g/eq以下のものであることが望ましい。ここで、エポキシ当量は、「JIS K7236(2001)」に準拠して測定される値である。
更に、前記構造式1で表されるエポキシ樹脂の中でも、特に工業的生産が容易であり、かつ、有機溶剤への溶解性が良好である点から2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホン、3,3'−ジメチル−2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホン、3,3'−ジエチル−2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホン、3,3',5,5’−テトラクロロ−2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホン、3,3',5,5’−テトラブロモ−2,4’-ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホン等が好ましいが、特に結晶性の低減という観点から下記構造式2
Figure 2008150495


で表される構造を有する2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンであることが特に好ましい。
なお、2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンを用いる場合、前記した通り、実際には多少高分子量化しているため、2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンはこのような高分子量体を若干量含むエポキシ樹脂として使用することができるが、本発明では該エポキシ樹脂中2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンをGPC測定で50面積%以上となる範囲であることが好ましい。ここで本発明におけるGPCの測定条件は下記の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
ここで、上記構造式1で表されるエポキシ樹脂は、2,4’−ビスフェノールスルホンとエピハロヒドリンとを反応させる方法により製造することができる。ここで用いる2,4’−ビスフェノールスルホンは、具体的に、下記構造式3
Figure 2008150495

(式中、R、R、R3、R4、R5、R6、R7、Rはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子を表す。)で表されるビスフェノールスルホンであり、例えば、2,4’−ビスフェノールスルホン、3,3'−ジメチル−2,4’−ビスフェノールスルホン、3,3'−ジエチル−2,4’−ビスフェノールスルホン、3,3',5,5’−テトラクロロ−2,4’−ビスフェノールスルホン、3,3',5,5’−テトラブロモ−2,4’-ビスフェノールスルホン等が挙げられる。
前記方法は、具体的には、前記2,4’−ビスフェノールスルホンと、エピクロルヒドリン及びエピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンとを混合して溶解混合物とした後、該溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加、または滴下しながら20〜120℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。
ここで、前記エピハロヒドリンの添加量は、原料の2,4’−ビスフェノールスルホン中の水酸基1当量に対して、2.5〜10当量の範囲、なかでも生産性が良好となる点から3〜5当量の範囲であることが好ましい。
また、この反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法を採用してもよい。
上記反応は、また、2,4’−ビスフェノールスルホンとエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し50〜150℃で1〜5時間反応させて該2,4’−ビスフェノールスルホンのハロヒドリンエーテル化物を得、次いでこれにアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法を採用してもよい。
上記何れの反応も、反応を円滑に進行させるために有機溶媒を用いることが好ましい。かかる有機溶媒は、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。これらの使用量は、エピハロヒドリンの量に対し、通常、質量基準で、0.05〜0.50倍量、なかでも0.10〜0.30倍量であることが好ましい。特に、非プロトン性極性溶媒を用いる場合は、エピハロヒドリンの量に対し通常0.05〜1倍量、なかでも0.10〜0.60倍量であることが好ましい。
このようにして得られたエポキシ化反応を行った後、得られたエポキシ樹脂の粗生成物を、水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。また、更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、エピハロヒドリン等を回収した後に得られる粗エポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応させて閉環反応を行うことにより、エポキシ基の濃度をより高めることができる。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は粗エポキシ樹脂中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。前記閉環反応を行う際の反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量は、粗エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とするエポキシ樹脂が得られる。
次に、本発明で用いる硬化剤(B)は、具体的には、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの硬化剤を使用できる。
具体的には、アミン系化合物は、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
アミド系化合物は、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
フェノール系化合物は、フェノールノボラック樹脂、
クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、α−ナフトールアラルキル樹脂、β−ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、
アミノトリアジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。また、前記アミノトリアジン変性フェノール樹脂は、具体的には、メラミンやベンゾグアナミン等のアミノ基含有トリアジン化合物と、フェノール、クレゾール等のフェノール類と、ホルムアルデヒドとの共重合体が挙げられる。
これらの中でも、特に、硬化物の線膨張係数がより低くなり、熱的衝撃及び物理的衝撃に強く靱性に優れる点から多価フェノール系化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、α−ナフトールアラルキル樹脂、β−ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤(B)として前記フェノール性水酸基を1分子内に2つ以上含有する多価フェノール系化合物を用いる場合には、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基と、硬化剤(B)中のフェノール性水酸基との比率が、前者のエポキシ基/後者のフェノール性水酸基のモル比で0.95〜1.05となる配合割合であることが、線膨張係数が極めて低く、熱的衝撃/物理的衝撃に強い強靭な硬化物を得ることができる点から好ましい。
上記したとおり、本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とするものであるが、これらの各成分に加え、3官能以上のエポキシ樹脂を用いることが、硬化性に優れ、かつ、硬化物の耐湿性及び耐熱性が良好となる点から好ましい。即ち、ビルドアップ用の接着フィルムとして用いる場合、3官能以上のエポキシ樹脂を併用することが、硬化物の破断強度を向上させ、また硬化物の架橋密度を向上させることができ、無機充填材を用いた場合であっても粗化処理後の硬化物表面に無機充填材が剥き出しになるのを抑制し、安定して高いめっきピール強度を得ることができる。
ここで用いる3官能以上のエポキシ樹脂は、例えば、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、及び、
下記構造式
Figure 2008150495

で表される4官能ナフタレン型エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)と3官能以上のエポキシ樹脂(A’)との配合割合は、成分(A)/成分(A’)の質量比で、1/0.1〜1/2の範囲、特に1/0.3〜1/1の範囲であることが、特にビルドアップ用の接着フィルムを製造する場合の組成物の粘着性が適度に抑えられ、真空ラミネート時の脱気性が良好でボイドの発生を防止できる点から好ましい。
また、エポキシ樹脂成分として前記成分(A’)を併用する場合であって、かつ、硬化剤(B)として前記フェノール性水酸基を1分子内に2つ以上含有する多価フェノール系化合物を用いる場合には、前記硬化剤(B)中のフェノール性水酸基のモル数に対して、成分(A)及び成分(A’)中のエポキシ基の総モル数の比(エポキシ基/フェノール性水酸基)が0.95〜1.05となる範囲であることが好ましい。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、上記した各成分に加え、更に、硬化促進剤(D)を併用してもよい。
ここで使用し得る硬化促進剤(D)は、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。この中でも、硬化物の低線膨張係数化の効果が顕著なものとなる点からリン系化合物、第3級アミン、イミダゾールが好ましい。
また、硬化促進剤(D)の添加量は、目標とする硬化時間等によって適宜調整することができるが、前記したエポキシ樹脂成分、硬化剤成分及び前記硬化促進剤(D)の総質量に対して0.01〜7質量%となる範囲であることが好ましい。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、適宜、上記した各成分に加え、更に有機溶剤(C)を使用することができる。例えば、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物を積層板用ワニスとして用いる場合には基材への含浸性が改善される他、ビルドアップ用接着フィルムとして用いる場合には、基材シートへの塗工性が良好になる。ここで使用し得る有機溶剤(D)は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
また、有機溶剤(D)の添加量は、目標とする粘度によって適宜調整することができるが、固形分濃度([エポキシ樹脂(A)及びその他エポキシ樹脂成分+硬化剤(B)]/[エポキシ樹脂(A)及びその他エポキシ樹脂成分+硬化剤(B)+有機溶剤(C)]で示される質量基準の濃度)が、50〜80質量%となる範囲であることが好ましい。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、上記した各成分に加え、更に、更に無機質充填材を使用することができる。この無機質充填材は、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に大きくする場合は、溶融シリカを用いることが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調製することが好ましい。ここで無機質充填材の使用量は、該無機質充填材の使用量を増加させた場合には、硬化物の線膨張係数はより低くなるものの、めっき層との接着性が低下する傾向にある。本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、その硬化物が顕著に低い線膨張係数を示すことから無機質充填材の使用量を低く抑えることができる。かかる観点から無機質充填材の使用量は、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物中80質量%以下であることが好ましく、特に20〜50質量%の範囲、更に20〜30質量%の範囲であることが好ましい。
また、本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、必要に応じて、難燃剤、シランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
ここで、難燃剤としては、ハロゲン化合物、燐原子含有化合物や窒素原子含有化合物や無機系難燃化合物などが挙げられる。具体的には、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、赤燐、燐酸エステル化合物などの燐原子含有化合物、メラミンなどの窒素原子含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、硼酸カルシウムなどの無機系難燃化合物が挙げられる。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物は、上記した各成分を常法により、均一に混合することにより得ることができる。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物からビルドアップフィルム絶縁層を製造する方法は、例えば、本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布、乾燥させてフィルム状の絶縁層を形成する方法が挙げられる。このようにして形成させたフィルムは、多層プリント配線板用のビルドアップフィルムとして使用できる。
本発明のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物から製造されたビルドアップフィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記ビルドアップフィルムの製造方法について、更に詳述すれば、具体的にはワニス状の本発明のビルドアップフィルム樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等の乾燥工程により有機溶剤を除去させることにより、絶縁層であるビルドアップフィルム樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。

前記乾燥工程の条件は、ビルドアップフィルム樹脂組成物の層(X)中の有機溶剤(D)の含有率が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させることが好ましい。乾燥条件はワニス中の有機溶媒量によっても異なるが、例えば30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明におけるビルドアップフィルム樹脂組成物の層(X)は、後述する保護フィルムで保護することが好ましい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱する、所謂プレヒートを行ってもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm2(9.8×104〜107.9×104N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
ここで、回路基板とは、ガラスエポキシ、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものが挙げられる。
このように接着フィルムを回路基板にラミネートした後、支持フィルム(Y)を剥離する場合は剥離し、熱硬化することにより回路基板に絶縁層が形成される。加熱硬化の条件は150℃〜220℃で20分〜180分の範囲で選択され、より好ましくは160℃〜200℃で30〜120分である。
絶縁層を形成した後、硬化前に支持フィルム(Y)を剥離しなかった場合は、ここで剥離する。次に回路基板上に形成された絶縁層に、ドリル、レーザー、プラズマ等の方法により、穴開けを行いビアホール、スルーホールを形成する。
次いで、絶縁層表面を酸化剤より粗化処理を行う。酸化剤としては、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等が挙げられる。
次に、粗化処理により凸凹のアンカーが形成された樹脂組成物層表面に、無電解めっきと電解めっきを組み合わせた方法で導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのめっきレジストを形成し、無電解めっきのみで導体層を形成してもよい。なお導体層形成後、150〜200℃で20〜90分アニール処理することにより、導体層のピール強度をさらに向上、安定化させることができる。本発明では、前記したとおり、無機充填材(E)の使用量を低く抑えることができる点から、優れたピール強度を発現させることができる。
また、導体層をパターン加工し回路形成する方法としては、例えばサブトラクティブ法、セミアディディブ法などを用いることができる。
以下、実施例及び比較例において本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例中のエポキシ樹脂の性状値の測定方法は下記の通りである。
[エポキシ当量]
「JIS K7236(2001)」に準拠して測定した。
[軟化点]
「JIS K7234」に準拠して測定した。
[ICI粘度]
「ASTM D4287」に準拠して測定し、150℃における溶融粘度を測定した。
[GPC]
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
実施例1(2,4’−ビスフェノールスルホン型エポキシ樹脂の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,4’−ビスフェノールスルホン(日華化学株式会社製「BPS−24C」)250g(1.0モル)、エピハロヒドリン740g(8.0モル)、n−ブタノール222gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、40℃に昇温した後に、20質量%水酸化ナトリウム水溶液440g(2.20モル)を2時間かけて滴下した、その間に徐々に昇温し、滴下終了後には系内が65℃になるようにし、続いて65℃で0.5時間ホールドして、攪拌を続けた。その後、静置して水層を除去した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。更にこの溶液に10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ樹脂(E−2)356gを得た。この樹脂(E−2)のエポキシ当量は224g/eq.、軟化点57℃、ICI粘度0.5dPa・s(150℃)、下記構造式で表される2,4’−ビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンの理論構造体の含有率はGPC測定で68.8面積%であった。
Figure 2008150495
比較例1(1段法による4,4’−ビスフェノールスルホン型エポキシ樹脂)
実施例1における2,4’−ビスフェノールスルホン250gを4,4’−ビスフェノールスルホン(小西化学工業製「BS−PN」)250gに変更する以外は、実施例1と同様にしてエポキシ化を実施したが、得られるエポキシ樹脂の結晶性が強く溶解性が悪いためか、樹脂を得ることができなかった。
比較例2(1段法による4,4’−ビスフェノールスルホン/ビスフェノールA共縮型エポキシ樹脂の合成)
実施例1における2,4’−ビスフェノールスルホン250gを、4,4’−ビスフェノールスルホン(小西化学工業製「BS−PN」)200g(1.6モル)とビスフェノールA91g(0.4モル)の併用に変更する以外は、実施例1と同様にしてエポキシ化を実施し、エポキシ樹脂(R−1)404gを得た。この樹脂(R−1)のエポキシ当量は251g/eq.、軟化点56℃、ICI粘度1.0dPa・s(150℃)、下記構造式の含有率(4,4’−ビスフェノールスルホンジグリシジルエーテルとビスフェノールAジグリシジルエーテルのピークの合計%)は、GPC測定で45.2面積%であった。
Figure 2008150495
実施例2、3及び比較例3、4
表1に示す各成分を配合比率に従って、ビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物(ワニス)を調整した。次に、この樹脂ワニスを銅箔(厚さ18μm)上に、乾燥後の樹脂厚みが70μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で10分乾燥させ、180℃で1.5時間の硬化させた。その後、エッチング液(第二塩化鉄液)にて全面エッチングを行い、乾燥させることでフィルム状硬化物試験片を得、評価に供した。
<耐熱性(ガラス転移温度)>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置RSAII、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
<熱膨張係数の評価>
硬化物フィルムを幅約3mm長さ約15mmの試験片とし、熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製SS−6100)を用いて、引張モードで熱機械分析を行った。(測定架重:30mN、昇温速度:3℃/分で2回、測定温度範囲:−50℃から250℃) 2回目の測定における、1)ガラス領域(50℃)における線膨張係数、2)硬化物が暴される温度領域における線膨張係数(30℃から150℃の温度範囲における平均膨張係数)を評価した。
<硬化物の強靭性(機械強度)の評価>
硬化物フィルムを用いて、日本工業規格(JIS K7127)に準拠し、引張破断強度測定を行った。
Figure 2008150495
表1中の各成分は、以下の通り。
エポキシ樹脂(E−1):エポキシ当量:224g/当量 軟化点:57℃ ICI粘度 0.5dPa・s
エポキシ樹脂(R−1):エポキシ当量:251g/当量 軟化点:56℃ ICI粘度 1.0dPa・s
エポキシ樹脂(R−2):大日本インキ化学工業株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピクロン 850S」(エポキシ当量:188g/当量 液状 ICI粘度 <0.1dPa・s)
硬化剤(H−1):フェノールノボラック樹脂〔大日本インキ化学工業株式会社製「フェノライトTD−2090−60M」、水酸基当量105g/当量、固形分軟化点120℃、不揮発分60質量%(溶剤:MEK)〕
硬化剤(H−2):メラミン変性フェノールノボラック樹脂〔大日本インキ化学工業株式会社製「フェノライトLA−1356」、水酸基当量146g/eq、固形分軟化点135℃、不揮発分60質量%、窒素含有量19質量%〕
2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)
MEK:メチルエチルケトン
※1):MEKは、前記硬化剤(H−1)及び硬化剤(H−2)中に含まれているMEKの量を考慮して、組成物全体に占めるMEKの全量が表1中の量となるように配合した。

Claims (8)

  1. 2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有するエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(A)が、下記一般式1
    Figure 2008150495

    (式中、R、R、R3、R4、R5、R6、R7、及びRはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子を表し、Rはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表される分子構造を有するものである請求項1記載のビルドアップフィルム用樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)に加え、更に、有機溶剤(C)を固形分濃度が50〜80質量%となる割合で含有する請求項1又は2記載のビルドアップフィルム絶縁層用樹脂組成物。
  4. 前記ビスフェノールS型エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)に加え、更に、硬化促進剤(C)を含有する請求項1、2、又は3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  6. 2,4’−ビス(オキシフェニレン)スルホン構造を分子構造中に有するエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び有機溶剤(C)を必須成分とする樹脂組成物を、基材フィルム上に塗布、乾燥させてなることを特徴とするビルドアップフィルム。
  7. 請求項6記載のビルトアップフィルムの絶縁樹脂層上に、更に、保護シートをラミネートしてなるビルドアップフィルム。
  8. 基材フィルム上に前記絶縁層を形成させた後、次いで、該絶縁層上にゴム成分又はフィラー成分を含有する粗面化層を配し、該粗面化層上に保護シートをラミネートしてなる請求項7記載のビルドアップフィルム。
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