JP2008150378A - トルエンジイソシアネートの製造方法 - Google Patents

トルエンジイソシアネートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008150378A
JP2008150378A JP2007325509A JP2007325509A JP2008150378A JP 2008150378 A JP2008150378 A JP 2008150378A JP 2007325509 A JP2007325509 A JP 2007325509A JP 2007325509 A JP2007325509 A JP 2007325509A JP 2008150378 A JP2008150378 A JP 2008150378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tdi
distillation
toluene diisocyanate
tda
residue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007325509A
Other languages
English (en)
Inventor
Wolfgang Lorenz
ローレンツ ヴォルフガング
Lars Padeken
パーデケン ラース
Bernd Pennemann
ペネマン ベルント
Friedhelm Steffens
シュテフェンス フリートヘルム
Lothar Weismantel
ヴァイスマンテル ローター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Covestro Deutschland AG
Original Assignee
Bayer MaterialScience AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer MaterialScience AG filed Critical Bayer MaterialScience AG
Publication of JP2008150378A publication Critical patent/JP2008150378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/10Preparation of derivatives of isocyanic acid by reaction of amines with carbonyl halides, e.g. with phosgene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C209/00Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton
    • C07C209/62Preparation of compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton by cleaving carbon-to-nitrogen, sulfur-to-nitrogen, or phosphorus-to-nitrogen bonds, e.g. hydrolysis of amides, N-dealkylation of amines or quaternary ammonium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/18Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • C07C265/12Derivatives of isocyanic acid having isocyanate groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • C07C265/14Derivatives of isocyanic acid containing at least two isocyanate groups bound to the same carbon skeleton

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】TDIの単純な製造方法であって、残留物の後処理における費用と必要とされるエネルギー消費量が最小限であり、一方で同時に、TDIの収率損失が最小限であり、かつ廃棄されるべき残留物質の産生が最小限である方法を提供する。
【解決手段】トルエンジアミンとホスゲンとを反応させて、粗製トルエンジイソシアネートを形成させ、それを蒸留によって精製して、精製されたトルエンジイソシアネート及び、トルエンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートの蒸留残留物とを含有する混合物を形成させ、その混合物を水と230℃未満の温度で30バール未満の絶対圧力下で連続的に混合し、前記混合物を同じ条件下で、1以上の直列接続された管形反応器中で反応させてトルエンジアミンを形成させ、場合により得られたトルエンジアミンを精製させ、その少なくとも一部を反応に再循環させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トルエンジイソシアネート(TDI)の製造方法において、トルエンジアミン(TDA)をホスゲンと反応させてTDIを得て、その得られたTDIを蒸留により精製し、そして蒸留の間に形成された蒸留残留物を、230℃未満の温度で30バール未満の絶対圧力下で加水分解し、そして前記過程から得られたTDAを、引き続きTDAとホスゲンとの反応に再循環させる製造方法に関する。
本特許出願は、2006年12月18日に出願されたドイツ国特許出願第10 2006 060181.5号について、米国特許法第119条(a)から(d)に規定された優先権を主張する。
TDAのホスゲン化によるTDIの製造と、引き続いての粗製TDIの蒸留による精製は、一般に知られている。粗製TDIを蒸留により精製するための全ての公知の方法は、所望の精製されたTDIの他に、更に処理せねばならない蒸留残留物が、蒸留によって形成されるという共通の特徴を有する。
公知の先行技術には、TDIの製造において形成される蒸留残留物の処理のための様々な方法が記載されている。一般に、前記残留物の処理は、TDIの収率を最大にすること、形成される残留物の量を最小限にすること、そしてなるべく、TDI製造方法ではもはや使用できない蒸留残留物の量についての好適で廉価かつ簡単な使用を提供することを目的としている。
以下の方法は、原則的に知られている:
イソシアネート生成物及び蒸留残留物の混合物は、原則的に、連続的にもしくは断続的に、いずれかで焼却することができる。前記方法は技術的に単純であり、この目的のために適した熱利用のための施設又は設備が、イソシアネート生産用の施設又は設備の一般的に付近に存在するならば、その方法を、実用蒸気の生成のために使用して、導管接続を介して廃棄を保証することができる。しかしながら、前記方法の大きな欠点は、生成物であるイソシアネートの焼却によって引き起こされる生成物の収率損失である。TDI不含のもしくはほぼTDI不含の蒸留残留物は固体なので、このような焼却方法は、材料の焼却施設への流動可能なストリームを生ずるためには、幾らかのTDI生成物が存在することを必要とする。
イソシアネート収率における損失を最小限にするために、TDIと蒸留残留物との混合物を、撹拌され加熱された容器中に移送してよく、かつ該残留物中に存在する遊離のイソシアネートを完全に留去するために(又はかなりにおいて可能にするために)、蒸留条件下で不活性な高沸点炭化水素(有利にはビチューメン)と混合してよい。残りの残留物は、流動可能な固体として排出でき、そしてそれは焼却施設に供給することができる。前記方法の欠点は、付加的な工程を含むことであり、かつその方法とは異質の物質(例えばビチューメン)の使用を含むことであり、そして更には、固体としての残留生成物の取り扱いが必要となることである(EP0548685号A2に開示される)。
TDI残留物を分離除去するための更なる方法は、米国特許第5,446,196号に記載される混練乾燥機を使用することを特徴とする。この方法では、前記の加熱され撹拌される容器は、混練乾燥機に置き換えられる。例えばビチューメンを使用することによって、残りの残留物は、前記の例に記載されるように流動可能な固体として得られ、それは、例えばセメント作業における燃料として使用することができる。前記方法に対するこの方法の利点は、TDIの収率の増大であるが、より複雑な技術のために必要となる更に高い設備費用を欠点として見なすことができる。
ホスゲン化で使用されるアミンの他に、工業的に使用することもできる有用な物質、例えばTDI残留物とアルカノールアミンとの反応(米国特許第5,902,459号を参照)又はMDIとの反応(DE−A−4211774号及び米国特許第3,694,323号)に使用できる物質を得るために、TDI蒸留残留物を、水以外の反応物と反応させる方法は、公知でもあり、かつ特許文献において記載されている。
イソシアネート蒸留残留物の加水分解、特にTDIの製造における加水分解は、比較的長い間取り組まれていた分野である。イソシアネート蒸留残留物の加水分解は、例えば米国特許第3,128,310号、米国特許第3,331,876号、GB795,639号及びDE2703313号A1に記載されている。
これらの方法において、液状又は固体状のTDI蒸留残留物は、水によって高められた圧力下で高められた温度において加水分解される。前記の方法の間に、幾らかの残留物は、当初のアミン、この場合にTDAに変換され、該アミンは、好適な後処理後にホスゲン化工程に遡って再循環させることができ、従って原則的に、TDIの収率増大と、残留物の最小限化がもたらされる。幾つかの事例において、アンモニアなどの塩基、使用される当初のアミン、そしてアルカリ金属水酸化物も、反応の促進に使用される。この方法は、二段階で実施することもでき、この場合に当初のアミンと水を使用して実施できる(米国特許第4,654,443号に記載される)。固体残留物の加水分解における蒸気の使用も記載されており、その際、400℃までの温度も特許請求の範囲に記載されている(米国特許第3,225,094号を参照)。蒸留残留物の酸加水分解に引き続き、乾燥及び部分ホスゲン化を行うことにより所望のイソシアネートを得ることは、米国特許第3,636,030号に記載されている。WO2004/108656号A1は、固体状のTDI蒸留残留物の処理を記載しており、それは粉末化され、水中に懸濁され、そしてアルカリ金属水酸化物又は炭酸塩と、40〜250バールの圧力下で200〜370℃の温度で反応がなされる。固体の取り扱いの中間段階は、連続的TDI法において困難を引き起こすので、そこに欠点があると思われる。
多段階の、従って技術的に複雑な方法、又は固体状の残留物の取り扱いは、米国特許第3,499,035号、米国特許第4,091,009号及び米国特許第4,137,266号の方法において記載されるように必須である。DE19827086号A1は、連続流の逆混合反応器において加水分解生成物の存在下でTDI蒸留残留物からTDAを回収するための加水分解法を開示している。挙げられる逆混合反応器は、撹拌槽、撹拌槽のカスケード、反応混合ポンプ、スタティックミキサー及び/又は2成分混合ノズルを有するポンプ圧送循環、ジェットループ型反応器又はジェットノズル型反応器である。前記反応は、1〜50バール下で、120〜250℃の温度で実施される。加水分解から得られたアミンは、またホスゲン化に供給される。とりわけTDI蒸留残留物の加水分解及び回収されたトルエンジアミンのホスゲン化法への再循環のための装置及び方法は、米国特許第6,630,517号において特許請求の範囲に記載されている。純水による加水分解は、30〜300バールの反応気圧下で、190〜370℃の反応温度で記載されている。反応混合物の後処理は、揮発分除去(すなわち形成した二酸化炭素の分離除去)、脱水並びに加水分解によって得られた生成物(この場合にはTDA)の減圧下での蒸留による分離によって連続的に行われる。反応構成装置は、1もしくは複数の管形反応器を有する。水での、とりわけTDI蒸留残留物の連続的方法における加水分解は、同様に、米国特許第6,255,529号において管形反応器で記載されている。反応条件は、50バールより高い圧力下で100℃より高い温度として規定され、そして加水分解剤は、水である。
しかしながら、前記の方法の欠点は、残留物の後処理における時として高い費用と、収率における高い損失と、必要なエネルギーの高い消費量であり、それらは、とりわけ加水分解の間の高い圧力と温度によって引き起こされる。
先行技術の観点において、トルエンのニトロ化と、TDAの製造と、TDAのホスゲン化と、TDIの後処理と、そして塩素の再循環との一体型のシステムにおけるTDIの製造方法であって、できる限り高いTDI収率が得られ、そして廃棄する必要がある残留物質の産生が最小限となる方法を提供する必要がある。
ここで、前記目的は、TDI蒸留残留物の加水分解を使用することによって達成できることと、TDI後処理の蒸留残留物が、TDIとの混合物において、水によって30バール未満の反応圧力において、230℃未満の温度で、場合により塩基を添加することで既に加水分解して、良好な収率でTDAが得られることが判明した。このTDAは、ホスゲン化工程に返送することができる。
EP0548685号A2 米国特許第5,446,196号 米国特許第5,902,459号 DE−A−4211774号 米国特許第3,694,323号 米国特許第3,128,310号 米国特許第3,331,876号 GB795,639号 DE2703313号A1 米国特許第4,654,443号 米国特許第3,225,094号 米国特許第3,636,030号 WO2004/108656号A1 米国特許第3,499,035号 米国特許第4,091,009号 米国特許第4,137,266号 DE19827086号A1 米国特許第6,630,517号 米国特許第6,255,529号
本発明の課題は、TDIの単純な製造方法であって、残留物の後処理における費用と必要とされるエネルギー消費量が最小限であり、一方で同時に、TDIの収率損失が最小限であり、かつ廃棄されるべき残留物質の産生が最小限である方法を提供することであった。
本発明は、トルエンジイソシアネートの製造方法において、
a)トルエンジアミンとホスゲンとを反応させて、粗製トルエンジイソシアネートを形成させる工程と、
b)粗製トルエンジイソシアネートを蒸留によって精製して、精製されたトルエンジイソシアネート及び、トルエンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートの蒸留残留物とを含有する混合物を形成させる工程と、
c)トルエンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートの蒸留残留物とを含有する混合物を水と、230℃未満の温度で、30バール未満の絶対圧力下で連続的に混合し、前記混合物を同じ条件下(すなわち230℃未満の温度で、30バール未満の絶対圧力下で)で、1もしくはそれより多くの直列に接続された管形反応器中で反応させて、トルエンジアミンを形成させる工程と、
d)場合により工程c)から得られたトルエンジアミンを精製する工程と、
e)前記のトルエンジアミンの少なくとも一部を、工程a)の反応に再循環させる工程と
を含む方法に関する。
TDAとホスゲンとの反応は、原理的に公知であり、かつ例えばUllmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、A19巻、390頁以降、VCH Verlagsgesellschaft mbH,Weinheim,1991及びG.Oertel(ed.)Polyurethane Handbook、第2版、Hanser出版、Munich,1993,60頁移行;並びにG.Wegener他著のApplied Catalysis A:General 221(2001)、303−335頁、Elsevier Science B.Vといった文献に記載されている。
本発明によれば、TDAとホスゲンとの工程a)における反応は、好ましくは以下のように行われる:
TDIは、TDAとホスゲンとを方法工程a)において反応させることによって製造される。TDAは、好ましくは、ジニトロトルエン(DNT)の水素化から生ずる。方法工程a)を、本発明においてはホスゲン化とも呼称する。ホスゲン化反応は、副生成物として塩化水素を形成して行われる。
一般にイソシアネートの合成は、特にTDIの合成は、適宜、従来技術から知られており、一般にホスゲンは、TDAの量に対して化学量論的過剰で使用される。工程a)におけるホスゲン化は、適切には、液相中で行われ、それは、例えばDE3744001号C1及びEP0314985号A1に開示されており、それぞれ米国特許第5,117,048号及び米国特許第4,851,570号に相当すると考えられ、それらの開示は、参照を以て開示されたものとし、その際、ホスゲンとTDAは、溶剤中に溶解されていてもよい。好ましい溶剤は、塩素化された芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、相応のクロロトルエン類又はクロロキシレン類、クロロエチルベンゼン、モノクロロジフェニル、α−及びβ−ナフチルクロリド、安息香酸エチルエステル、フタル酸のジアルキルエステル、ジイソジエチルフタレート、トルエン及びキシレン類ある。好適な溶剤の更なる例は、公知であり、従来技術に記載されている。従来技術、例えばWO−A−96/16028号(これは、米国特許第5,925,783号に相当すると思われ、その開示は、参照をもって開示されたものとする)から更に知られるように、形成されたイソシアネートは、ホスゲンのための溶剤としても機能しうる。もう一つの好ましい実施態様においては、ホスゲン化は、TDAの沸点より高い温度で行われる。気相ホスゲン化は、例えばEP570799号A、EP1555258号A1、EP1526129号A1又はDE10161384号A1に記載されており、それらは、米国特許第5,449,818号、米国特許第6,930,199号、米国特許出願公開第2005/0011361号又は米国特許第7,019,164号にそれぞれ相当すると思われ、それらの開示は、参照をもって開示されたものとする。この方法の、その他で慣用の液相ホスゲン化に対する利点は、複雑な溶剤及びホスゲンの循環を最小限にするゆえのエネルギー削減にある。
TDAは、1段階もしくは2段階あるいは多段階の反応でホスゲンと反応させることができる。この関連において、連続的な作業法も断続的な作業法も可能である。
気相中での1段階のホスゲン化を選択する場合には、その反応は、TDAの沸点温度より高い温度で行われる。好ましくは、該反応は、平均接触時間0.05〜5秒以内で、温度200℃〜600℃で行われ、それは、DE10161384号A1(それは米国特許第7,019,164号に相当すると思われる)に記載されており、その開示は、参照をもって開示されたものとする。
温度20℃〜240℃及び圧力1バール〜約50バールは、液相中でのホスゲン化で適切に使用され、それは米国特許第3,544,611号に開示されており、その開示は、参照を以て開示されたものとする。液相中でのホスゲン化は、1段階でも又は多段階でも実施でき、その際、ホスゲンを化学量論的過剰で使用することが可能である。この関連において、TDA溶液及びホスゲン溶液を、静的混合エレメントによって合し、そして次いで、例えば底部から上方へと1もしくはそれより多くの反応塔に導通させることが好ましく、その際、該混合物は反応して所望のイソシアネートが得られる。好適な混合エレメントを備えた反応塔の他に、撹拌装置を備えた反応容器を使用してもよい。静的混合エレメントとは別に、特殊な動的混合エレメントを使用することもできる。好適な静的混合エレメント又は動的混合エレメントは、従来技術から知られている。
一般に、工業的規模では、イソシアネートの連続的な液相製造は、2段階で実施される。この関連において、一般に、第一段階において、220℃の最大温度、有利には160℃の最大温度で、塩化カルバモイルがアミンとホスゲンとから形成され、そしてアミン塩酸塩が、アミンと分離された塩酸とから形成される。この第一段階は、極めて発熱的である。第二段階において、両方の塩化カルバモイルが開裂されて、TDIと塩化水素が形成され、そしてアミン塩酸塩が転化して、塩化カルバモイルとなる。第二段階は、一般に、少なくとも90℃、有利には100℃〜240℃の温度で実施される。
粗製トルエンジイソシアネートが形成される工程a)におけるホスゲン化の後に、該ホスゲン化工程で形成されたTDIの分離と精製が、工程b)で行われる。これは、好ましくは、まず当業者に公知のようにして、ホスゲン化反応混合物を液状生成物流と気体状生成物流とに分離することによって実施される。液状生成物流、すなわち粗製トルエンジイソシアネートは、実質的に、TDIと、溶剤と、少量の未反応のホスゲンとを含有する。気体状生成物流は、実質的に、塩化水素ガスと、化学量論的に過剰のホスゲンと、少量の溶剤と、不活性ガス、例えば窒素及び一酸化炭素とを含有する。この気体状生成物流は、更なる後処理に供給され、その際、一般に、溶剤と、過剰のホスゲンと、形成された塩化水素ガスとが、分離される。溶剤と過剰のホスゲンは、経済的理由のために反応へと返送される。塩化水素は、様々な可能な使用、例えばエチレンをオキシ塩素化して二塩化エチレンを得ること、又は塩素をイソシアネート工程に再循環する再循環工程に供給することができる。これらの再循環工程は、例えば塩化水素の接触酸化(例えばDeacon法による)、気体状塩化水素の電気分解並びに塩化水素の水溶液(塩酸)の電気分解である。Deacon法による接触酸化のための方法は公知であり、かつWO−A−04/14845号において記載されており、それは米国特許第6,916,953号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとし、そして塩化水素の気相電気分解のための方法は公知であり、WO−A−97/24320号に記載されており、それは米国特許第6,010,612号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとする。電気化学的な再循環法の概要は、Dennie Turin Mahにより"12th International Forum Electrolysis in Chemical Industry − Clean and Efficient Processing Electrochemical Technology for Synthesis, Separation, Recycle and Environmental Improvement"(1998年11月11〜15日、フロリダ州クリアウォータービーチのシェラトン・サンド・キー)で公表された文献"Chlorine Regeneration from Anhydrous Hydrogen"において示されている。
液状生成物流、すなわち粗製トルエンジイソシアネートは、次いで(一般に)、工程b)における蒸留による多段階後処理に供給され、その際、依然として溶解されているホスゲンと溶剤とは、連続的に分離される。
工程b)における粗製トルエンジイソシアネートの蒸留は、一般に公知の方法によって、例えばEP−A−1413571号(それは米国特許第7,108,770号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとする)及びUS2003/0230476号A1(その開示は、参照を以て開示されたものとする)に記載される方法によって実施することができる。前記の蒸留は、有利には、以下に記載される3種の変法の1つによって行われる:
変法1:
変法1は、原理的には、Chem Systems’ PERP Peport for TDI/MDI(Chem Systems,Process Evaluation Research Planning TDI/MDI 98/99 S8,Tarrytown,N.Y.,USA:Chem Systems 1999,pp27−32)に記載されており、その開示は、参照をもって開示されたものとする。この変法において、蒸留によりホスゲンの分離を行った後に、液状反応混合物は、依然として、50質量%より多くの、好ましくは55〜65質量%の溶剤含有率を有する。この混合物は、溶剤の分離に供給され、その際、溶剤−TDI混合物は、溶剤蒸留塔中で予備蒸発器中で留去され、そして予備蒸発器の液状底部生成物は、更なる処理、いわゆる残留物の後処理に供給される。この液流は、2〜10質量%の溶剤の他に、約5〜25質量%の蒸留残留物を含有する。溶剤は、溶剤蒸留塔中で留去され、そして本方法に返送される。この蒸留は、1段階もしくは2段階で実施でき、それは米国特許第6,803,438号に記載されており、その開示は、参照を以て開示されたものとする。この溶剤蒸留の底部生成物は、依然として、TDIの他に、15〜25質量%の溶剤含有率を含有する。この流は、いわゆる中間塔に供給され、そこで残留溶剤が留去され、そして溶剤不含の底部生成物は、減圧下で運転される最終塔に供給され、蒸留物として精製された市販可能なイソシアネートTDIが導出される。純粋塔の底部からの残留物を含有する部分流は、同様に残留物の分離に供給される。選択的に、精密な蒸留塔と純粋な蒸留塔の作業は、米国特許出願公開第2003/0230476号A1(その開示は、参照を以て開示されたものとする)に記載されるように、1つの分割壁塔中で組み合わせることができ、その際、低沸点成分と溶剤の流、純粋なTDIの留分及び底部生成物としてTDIと高沸点成分とを含有する生成物流が形成される。最後に挙げた生成物流は、また蒸留残留物の後処理に供給される。
変法2:
変法1に対して、この実施態様においては、ホスゲンを蒸留によって分離した後に、液状反応混合物は、依然として、50質量%未満の溶剤含有率を含有する。この混合物は、予備蒸発器に供給され、そこから、50質量%未満の溶剤含有率を有する溶剤−イソシアネート混合物は、蒸留塔において、有利には頂部を介して留去される。この蒸留塔は、変法1における精密塔に相当する。予備蒸発器からの液状底部生成物は、更なる処理に、すなわちいわゆる残留物の後処理に供給される。この液流は、2〜10質量%の溶剤の他に、約5〜20質量%の蒸留残留物を含有する。中間塔の溶剤を含まない底部生成物は、減圧下で運転される最終塔中に供給され、そして蒸留物として精製された市販可能なイソシアネートTDIが導出される。最終塔の底部からの残留物を含有する部分流は、同様に残留物の分離に供給される。選択的に、中間蒸留塔と最終蒸留塔の作業は、EP1413571号A1(それは米国特許第7,108,770号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとする)に記載されるように、1つの分割壁塔中で組み合わせることができ、その際、低沸点成分と溶剤の流、純粋なTDIの留分及び底部生成物としてTDIと高沸点成分とを含有する生成物流が得られる。最後に挙げた生成物流は、また蒸留残留物の後処理に供給される。
変法3:
変法3は、前記の変法2と変法1に記載される蒸留シーケンスを含むが、約5〜20質量%の蒸留残留物を含有する液状底部生成物を、残留物の後処理に供給する前記の特定の予備蒸発器を含まない。この場合に、記載された蒸留シーケンスにおける蒸留残留物の含有率は、材料の液流を介して、特定の最後のTDI精製塔に同時供給される。この方法は、同様に原理的に知られており、EP1717223号A2に記載されており、それは米国特許出願公開第2007/0015934号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとする。この場合に、蒸留残留物(すなわち、トルエンジイソシアネートと蒸留残留物とを含有する混合物)は、完全に、最後の蒸留塔から残留物の後処理に排出される。
しかしながら、粗製TDIの工程b)での蒸留による全ての公知の精製方法は、蒸留からの所望の精製されたTDIの他に、トルエンジイソシアネートと蒸留残留物とを含有する混合物が得られることと、この混合物を更に処理せねばならないことといった共通の特徴を有する。
工程c)における蒸留残留物の加水分解は、トルエンジイソシアネートと蒸留残留物とを含有する混合物を連続的に水と230℃未満の温度で30ミリバール未満の絶対圧力下で(好ましくは静的もしくは動的な混合装置において、又はノズル、有孔ダイアフラムなどによって)混合され、そして230℃未満の温度で、30バール未満の絶対圧力下で、直列に接続された1もしくはそれより多くの管形反応器中で反応され、トルエンジアミンが得られる。この関連において、使用される管形反応器は、逆混合なく行われ、そして均一な滞留時間分布がこうして保証される。
蒸留残留物の加水分解は、好ましくは以下のように実施される:
後処理の変法1及び変法2で前記の工程b)で形成された予備蒸発器の底部生成物は、有利には、TDI及びTDIの蒸留残留物の他に、2.0〜10質量%の溶剤を含有する。この流は、有利には、TDIの製造に返送できる残留溶剤を留去するために、循環型蒸発器を有する蒸留塔を介して供給される。残留するTDI残留物混合物は、有利には、TDIと蒸留残留物との量の所望の比率を調整するために、更なる熱交換器、有利には流下薄膜型蒸発器に通過される。
TDIとTDIの蒸留残留物とを含有する、変法3による蒸留からの加水分解されるべき混合物は、液流として最後の蒸留塔から除去され、前記の残留溶剤の付加的な分離は必要ない。次いで、トルエンジイソシアネートとTDIの蒸留残留物とを含有する混合物は、有利には、強制圧送ポンプによって直接的に、加水分解反応器中に、すなわち直列に接続された1もしくはそれより多い管形反応器中に移送される。
工程b)で使用される蒸留法にかかわらず、同様に必要なことがある溶剤の分離にかかわらず、トルエンジイソシアネートとTDIの蒸留残留物とを含有する、工程c)における加水分解反応器中に導入される混合物は、有利には、混合物の100質量%に対して、10〜90質量%、好ましくは40〜60質量%のトルエンジイソシアネートを含有する。トルエンジイソシアネートとTDIの蒸留残留物とを含有する、工程c)における加水分解反応器中に導入される混合物は、同様に有利には、1質量%未満の溶剤、好ましくは0.001〜0.5質量%の溶剤を含有する。
同時に、水(有利には熱交換器中で予熱された後に)は、加水分解反応器中に移送される。有利には、この関連において、トルエンジイソシアネートとTDIの蒸留残留物とを含有する混合物と水は、0.1:1〜1:1の質量比で使用される。使用することが好ましい水は、真水、工程c)から留去された水及び/又はジニトロトルエン(DNT)の水素化で形成され、例えばEP1484312号A1(それは米国特許第7,122,701号に相当すると思われ、その開示は、参照を以て開示されたものとする)に記載されるように留去された水である。蒸気を使用することもできる。有用な相乗作用は、本発明では、トルエンのニトロ化と、TDAの製造と、TDAのホスゲン化と、TDIの後処理と、塩素の再循環との一体型システムにおいて表面化し、その際に、EP−A−236839号(それは米国特許第4,720,326号に相当すると思われ、その開示は参照を以て開示されたものとする)に開示されるように、DNTの水素化からの精製された反応水は、加水分解のために使用することができる。
工程c)で使用される水は、付加的に1もしくはそれより多くの塩基を含有することが好ましい。使用されることが好ましい塩基は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの水溶液、メタトルエンジアミン、オルトトルエンジアミン、トルエンジアミンの純水蒸留からのアミン含有残留物、アンモニア又はジニトロトルエンの水素化で形成された二次化合物、例えばトルイジン類、アミノメチルシクロヘキサン類もしくはジアミノメチルシクロヘキサン類である。蒸留残留物は、適切には、少量の塩素化された無機化合物及び/又は有機化合物であって、好ましくは混合物の100質量%に対して、1.5質量%未満の塩素の濃度を有するものを含有する。これらの二次成分は、実質的に塩化水素と、側鎖塩素化されたイソシアネートと、核塩素化されたイソシアネートである。更に、微量の化合物、例えば芳香族イソシアニド二塩化物が生じてもよい。これらの二次反応における塩素の起源は、使用されるホスゲン中の又はホスゲンの二次反応中の微量の塩素中に見出される。
好ましくは、水と一緒に供給される塩基は、トルエンジイソシアネートとTDIの蒸留残留物とを含有する混合物中に含まれる塩素化された無機化合物及び/又は有機化合物中に含まれる塩素に対して、化学量論的過剰で使用される。一方で、塩基は、塩素との結合に作用し、そして他方では、該塩基は、加水分解触媒として作用し、こうして比較的穏やかな反応条件が可能であり、その条件は、特に例えば米国特許第6,255,529号B1(その開示は参照を以て開示されたものとする)に記載されるような塩基の不在下で実施される文献中の実施例と比較すれば、エネルギー消費量及び装置の必要条件に関して好ましいものと分類されるべきである。
工程c)における反応の滞留時間は、有利には50分までであり、より有利には2〜40分である。
水と、トルエンジアミンと、加水分解残留物と、適宜、例えば塩化ナトリウム及び炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩とを含有する反応混合物は、有利には、工程c)の反応で形成される。有利には、工程c)で使用される1つの管形反応器から又は直列に接続された最後の管形反応器から生ずる反応混合物は、実用水が、向流で導かれて熱交換で予熱されて、液状の加水分解混合物と気体状混合物とが形成された後に初めて膨張される。形成された反応ガスは、好適な廃棄処分に供給でき、例えば廃ガス焼却設備に供給でき、又は、例えば活性炭吸収塔などの好適な精製後に大気中に放出することができる。
工程d)における加水分解混合物から蒸留によるTDAの単離に先だって、有利には、蒸留による水の分離が行われる。しかしながら、加水分解混合物からの水の分離とTDAの単離は、共通の1つの蒸留段階で実施することもできる。
工程d)における蒸留は、別のシーケンスの蒸留工程において実施でき、その際、有利には、水がまず分離され、そして次いでTDAが蒸留により単離される。しかしながら、工程d)での蒸留は、また、任意の場合に存在する蒸留において、例えばTDAの製造において存在する蒸留装置中で実施することもできる。
好ましい一実施態様において、工程d)では、過剰の水がまず、得られた液状の加水分解混合物から留去される。このために、加水分解混合物は、好ましくは、循環型蒸発器と、場合により残留脱水のための1もしくはそれより多くの後続蒸発器とを有する脱水塔に供給される。依然として残留している残りの二酸化炭素は、この塔中で頂部を介して分離される。留去された水は、凝縮され、そして任意の連行TDAを維持するために、部分的に還流として塔中に戻し導入される。還流水は、例えばジアミノメチルシクロヘキサンなどの形成された任意の低沸点アミン成分を分離するための分離ボトルとして作用する容器に導かれる。加水分解反応の手法に応じて、そのアミンは、再び塩基として使用することができ、又はそれは廃棄目的のために、イソシアネートの一体型システム中でのTDA作業のTDA脱水で分離された低沸点成分と一緒に合することができる。加水分解の脱水段階で得られた低沸点成分は、場合により、利用目的のために、イソシアネートの一体型システム中で他のアミン含有残留物と、例えばTDA残留物の除去からのTDA残留物と合することができる。
脱水塔で生成した精製された水流は、廃水として除去することができ、又は少なくとも部分的に、加水分解水として工程c)における加水分解中に再循環させることができる。
工程d)において、トルエンジアミンは、蒸留によって加水分解混合物から得られ、前記混合物は、事前に好ましくは脱水され、そして少なくとも部分的に工程a)の反応に再循環される。蒸留は、有利には、真空中で、すなわち減圧下で実施される。
好ましくは、混合物の100質量%に対して、70〜90質量%のTDAと、30〜10質量%の加水分解残留物とを含有する混合物を、次いで、180〜220℃の温度で、DNTの水素化から得られたTDAの蒸留による精製を提供することが好ましい蒸留塔(すなわちTDA精製塔)中に移送される。該蒸留塔は、有利には、80ミリバール未満の絶対圧力下で運転される。該蒸留塔は、高圧蒸気が供給される外部循環蒸発器をもって運転することができる。TDAは、塔頂を介して蒸留され、そして少なくとも部分的に還流として再びその塔に導入される。他の部分は、TDA貯蔵に供給される。全ての場合において、工程c)の加水分解によって形成されたTDAは、少なくとも部分的に連続的に、工程a)のTDAのホスゲン化中に再循環される。
工程d)の蒸留から得られる加水分解残留物は、適宜、依然として、混合物の100質量%に対して5〜20質量%のTDAを含有し、そして好ましくは、TDA精製塔の底部から分離される。次いで、この加水分解残留物は、廃棄処分に供給され、それは、トルエンのニトロ化と、TDAの製造と、TDAのホスゲン化と、TDIの後処理と、塩素の再循環とのイソシアネート一体型システム内での熱利用のために作用することが好ましい。好ましくは、TDA及びTDIの製造の関連で得られる、実質的に液状アミン成分、例えばTDI加水分解残留物又はTDAの純粋蒸留の残留物又はジニトロトルエンの水素化で形成される二次化合物、例えばトルイジン、アミノメチルシクロヘキサン又はジアミノメチルシクロヘキサン及び、使用されなかった任意のオルトTDAを基礎とする残留成分は、一緒になって(例えば燃焼及び引き続いての蒸気生成又は物質流の加熱によって)熱利用に供給される。ジニトロトルエンを接触水素化させてTDAを得て、引き続きそれを蒸留によって精製する方法は、当業者に公知であり、かつ例えばEP−A−223035号及びEP−A−1602640号に記載されており、それらは米国特許第4,792,626号及び米国特許出願公開第2005/0263385号にそれぞれ相当し、それらの開示は、参照を以て開示されたものとする。そこに本加水分解法の利点があるのは、それによってTDA及びTDIの全製造ラインにおいて1つの全残留物の取り扱いだけが必要となるに過ぎないからであり、それは実際における本方法のかなりの単純化を意味する。
本発明による方法の利点を、以下のようにまとめることができる:
TDIの製造からの廃棄産物の生成は、最小限になる。
本発明による方法が、単純かつ経済的であるのは、TDI蒸留残留物が、1もしくはそれより多くの簡単な管形反応器中で後処理され、前記反応器が、低温及び低圧で作業できるからであり、従って好ましくは安全にも作業できる。
一方で、工業的に使用される従来技術の他の方法と比較して、固体蒸留残留物での固体の取り扱いは省かれ、そして同時に、固体を取り扱う場合に許容せねばならない燃焼による生成物の損失は回避される。
好ましい塩基の使用のため、塩素が生成物中に導入されることが回避される。原則的に、塩基の使用は、TDIの後処理の様々な段階からの残留物含有流の分離を可能にするので、これに関して最適な収率も与えることができる。
以下の実施例は、本発明の方法について更に詳説するものである。前記の開示にある本発明は、これらの実施例によって趣旨又は範囲のどちらにおいても制限されるものではない。当業者は、以下の手順の条件の公知の変更を用いることができると容易に理解するはずである。特に記載がない限り、全ての温度は摂氏温度である。
溶剤としてのo−ジクロロベンゼン(ODB)中でのTDAのホスゲン化によって製造されたTDIを、蒸留によって精製する。このために、溶剤蒸留の予備蒸発器段階から液相を得て、そしてそれをTDI精製塔、いわゆる精密塔の底部生成物と合する。2つの流は、以下の組成を有する:
予備蒸発器の底部生成物は、m−TDIと、TDI蒸留残留物と、o−ジクロロベンゼンとからなる。
蒸留塔の底部生成物は、m−TDIと、TDI蒸留残留物とからなる。
それらの2つの流を、蒸気作業される循環蒸発器を備えるストリッピング塔の塔頂で導入する。その塔で、残留ODBを、塔頂を介して分離し、そしてTDAのホスゲン化に返送する。分離されたこの蒸気流は、ODBとm−TDIとから構成される。この塔から分離された底部生成物は、溶剤不含であり、そしてm−TDI及びTDI蒸留残留物から構成される。次いでこの流を、真空下で作業され、かつ更に前記混合物中で残留物を濃縮する流下薄膜型蒸発器中に移送する。留去されたTDIを、本方法に返送し、そして流下薄膜型蒸発器の、TDIとTDI蒸留残留物との混合物を含有する底部生成物を、残留物の加水分解反応へとポンプ圧送する。TDIと蒸留残留物とを含有する混合物を、作業の中断時に簡単に入れることができ、かつ次いで加水分解工程に返送できるバッファー容器が利用できる。選択的に、TDIとTDI蒸留残留物との混合物を、熱利用のために供給することができる。
TDIとTDI蒸留残留物とを含有する混合物を、ピストンメンブレンポンプによって、連続的に、145℃で25バール下で加水分解反応器中にポンプ圧送する。加水分解反応器は、管形反応器であり、そこに該混合物は、底部から頂部に向かって流過する。加水分解媒体(水)を、反応器取り込み口に、第二のピストンポンプを用いてポンプ圧送し、そしてTDIとTDI蒸留残留物とを含有する混合物と、静的混合装置によって合する。同様に25バールで210℃において連続的に供給される水相は、有機相の流よりも多量の材料流を表す。その水相は、付加的に水酸化ナトリウムを溶解された形で含有する。加水分解反応は、25バールの制御された圧力下で行われ、そして二酸化炭素と、加水分解生成物と、TDAと、水と、塩化ナトリウム及び炭酸ナトリウムの混合物とを含有する二相混合物を、加水分解反応が完了したら膨張後に反応器から排出させる。その膨張に先立って、熱交換器があり、それを使用して反応器に供給される水を予熱する。その膨張は、25バールからほぼ大気圧にまで行われ、そして該反応混合物は、脱水塔の上流にある膨張容器中に通ずる。
この膨張容器から、気体状及び液状の流を、脱水塔中に供給し、その際、気体状生成物と液状の反応混合物は、106℃/1400ミリバール(絶対圧)の所定の圧力及び温度下で塔中に入る。気体状含分は、水と二酸化炭素から構成され、一方で液状流は、水とTDAを含有する。液流の残りは、加水分解生成物と前記の無機含分を含む。
二酸化炭素と水を、TDAの底部生成物及び加水分解生成物から分離する。循環蒸発器を通過した後の、脱水塔からの底部生成物は、200℃の温度で常圧下に、水と、TDAと、加水分解生成物と一緒に無機含分を含有する。残留水を、下流にある蒸気作業される管形の熱交換器で分離し、そして残りの混合物を、真空塔中に導き、そこで加水分解生成物とTDAとの分離が、80ミリバールの絶対圧力下で273℃の塔底温度で行われる。
精製されたTDAを、真空塔から留去し、そしてホスゲン化に返送する。加水分解生成物と、残留TDA含有率を有する底部生成物を、熱利用のために供給することができる。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

Claims (1)

  1. トルエンジイソシアネートの製造方法において、
    a)トルエンジアミンとホスゲンとを反応させて、粗製トルエンジイソシアネートを形成させる工程と、
    b)粗製トルエンジイソシアネートを蒸留によって精製して、精製されたトルエンジイソシアネート及び、トルエンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートの蒸留残留物とを含有する混合物を形成させる工程と、
    c)前記のトルエンジイソシアネートとトルエンジイソシアネートの蒸留残留物とを含有する混合物を、水と、230℃未満の温度で、30バール未満の絶対圧力下で混合して、前記混合物と水とを、前記の条件下で、直列に接続された1もしくはそれより多くの管形反応器中で連続的に反応させて、トルエンジアミンを形成させる工程と、
    d)場合により、工程c)で形成された前記トルエンジアミンを精製する工程と、
    e)前記のトルエンジアミンの少なくとも一部を、工程a)の反応中に再循環させる工程と
    を含む方法。
JP2007325509A 2006-12-18 2007-12-18 トルエンジイソシアネートの製造方法 Pending JP2008150378A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102006060181A DE102006060181A1 (de) 2006-12-18 2006-12-18 Verfahren zur Herstellung von Toluylendiisocyanat

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008150378A true JP2008150378A (ja) 2008-07-03

Family

ID=39204931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007325509A Pending JP2008150378A (ja) 2006-12-18 2007-12-18 トルエンジイソシアネートの製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (2) US20080146835A1 (ja)
EP (1) EP1935877B1 (ja)
JP (1) JP2008150378A (ja)
KR (1) KR20080056659A (ja)
CN (1) CN101205199B (ja)
AT (1) ATE482190T1 (ja)
DE (2) DE102006060181A1 (ja)
PL (1) PL1935877T3 (ja)
RU (1) RU2007146359A (ja)
TW (1) TW200846310A (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8440856B2 (en) 2008-04-14 2013-05-14 Basf Se Method for treating residues from the production of isocyanates
DE102008063991A1 (de) * 2008-12-19 2010-06-24 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
US20120289746A1 (en) * 2011-05-09 2012-11-15 Basf Se Process for working up an isocyanate-comprising stream
WO2012152832A1 (de) 2011-05-09 2012-11-15 Basf Se Verfahren zur aufarbeitung eines isocyanat enthaltenden stoffstroms
WO2014009342A1 (de) 2012-07-11 2014-01-16 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur aufarbeitung von destillationsrückständen aus der isocyanatherstellung
JP6581581B2 (ja) 2013-08-19 2019-09-25 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag イソシアネート製造において生じる蒸留残渣から有機イソシアネートを取得する方法
CN103787894B (zh) * 2014-02-08 2015-09-16 济南大学 从甲苯二异氰酸酯制备过程中形成的残渣废料中回收甲苯二胺的方法
EP3558940B1 (de) 2016-12-21 2021-01-20 Covestro Intellectual Property GmbH & Co. KG Verfahren zur herstellung eines isocyanats
CN110372562B (zh) 2019-07-09 2021-04-06 上海再启生物技术有限公司 一种btk激酶抑制剂关键中间体的晶型及其制备方法
EP3960728A1 (de) 2020-08-24 2022-03-02 Covestro Deutschland AG Verfahren zur isocyanat-herstellung mit rezyklierender, thermisch oxidativer verwertung
US11542228B2 (en) 2021-01-05 2023-01-03 Anhui Dongzhi Guangxin Agrochemical Co., Ltd Method and device for preparing diisocyanate
WO2023208914A2 (en) * 2022-04-26 2023-11-02 Basf Se A process for storing a toluene diisocyanate and high boilers containing mixture and a process for working up a toluene diisocyanate comprising crude reaction product
CN115536552A (zh) * 2022-10-11 2022-12-30 宁夏瑞泰科技股份有限公司 一种水相成盐工艺合成1,5-萘二异氰酸酯的方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151270A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Kobe Steel Ltd 化学プラント内廃棄物の分解方法および装置
JP2002518369A (ja) * 1998-06-18 2002-06-25 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト トリレンジイソシアネートの合成で生成する蒸留残渣の後処理

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3128310A (en) * 1955-09-09 1964-04-07 Bayer Ag Recovery of amines
GB795639A (en) 1955-09-09 1958-05-28 Bayer Ag A process for recovering amines from the residues in the production of aromatic isocyanates
CA801785A (en) * 1960-08-11 1968-12-17 M. Priestley Hill Detergents
US3225094A (en) * 1962-06-15 1965-12-21 Du Pont Preparation of polyamines by steam hydrolysis of polyisocyanate reaction products
GB1047101A (en) * 1964-03-23 1966-11-02 Mobay Chemical Corp Recovery of amines
US3531451A (en) * 1966-05-17 1970-09-29 Hoechst Ag Process for the manufacture of high molecular weight homo- and copolymers of n-vinylazetidinones
US3499035A (en) * 1967-10-02 1970-03-03 Olin Mathieson Toluene diamine recovery process
US3694323A (en) * 1968-08-05 1972-09-26 Du Pont Separation of distillable isocyanates from their phosgenation masses
US3636030A (en) * 1968-12-16 1972-01-18 Du Pont Recovery of aromatic dhsocyanates from still residues
US4091009A (en) * 1976-08-16 1978-05-23 Olin Corporation Process for deactivating toluene diisocyanate distillation residue
DE2703313A1 (de) 1977-01-27 1978-08-03 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von organischen polyaminen
US4137226A (en) * 1977-12-19 1979-01-30 Gaf Corporation 3,3-(1,1'-Biphenyl-2,2'-diyl)-1-(4-methylphenyl)-1-triazene
US4654443A (en) * 1985-03-11 1987-03-31 The Dow Chemical Company Hydrolysis of isocyanate distillation bottoms
DE4142769A1 (de) * 1991-12-23 1993-06-24 Bayer Hispania Ind S A Verfahren zur herstellung von isocyanaten und aufarbeitung des rueckstandes
DE4211774A1 (de) * 1992-04-08 1993-10-14 Bayer Ag Modifizierte aromatische Polyisocyanate und ihre Verwendung zur Herstellung von harten Urethangruppen aufweisenden Schaumstoffen
DE4317669A1 (de) * 1993-05-27 1994-12-01 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten und kontinuierlichen Aufarbeitung des Rückstandes
US5902459A (en) * 1996-06-10 1999-05-11 Basf Corporation Recovery of products from toluenediisocyanate residues
TW358106B (en) * 1997-02-05 1999-05-11 Kobe Steel Ltd Apparatus for and process of hydrolyzing and recycling polyisocyanate derivatives
WO2000068180A1 (en) * 1999-05-05 2000-11-16 The Dow Chemical Company A process for recovering toluene diamine from toluene diisocyanate distillation residues
IE20000835A1 (en) * 1999-10-14 2002-02-06 Atropos Ltd A retractor
ES2271171T3 (es) * 2002-10-22 2007-04-16 Bayer Materialscience Ag Procedimiento para la purificacion de toluendiisocianato que incorpora una columna de destilacion de pared divisoria para la purificacion final.
KR100578607B1 (ko) 2003-06-09 2006-05-10 한화석유화학 주식회사 톨루엔디이소시아네이트 제조공정에서 배출되는 고비점 타르 잔류물로부터 톨루엔디아민을 회수하는 방법
US7547801B2 (en) * 2006-06-26 2009-06-16 Bayer Materialscience Llc Process for the continuous preparation of isocyanates

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151270A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Kobe Steel Ltd 化学プラント内廃棄物の分解方法および装置
JP2002518369A (ja) * 1998-06-18 2002-06-25 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト トリレンジイソシアネートの合成で生成する蒸留残渣の後処理

Also Published As

Publication number Publication date
ATE482190T1 (de) 2010-10-15
EP1935877A1 (de) 2008-06-25
US8063241B2 (en) 2011-11-22
KR20080056659A (ko) 2008-06-23
EP1935877B1 (de) 2010-09-22
DE502007005131D1 (de) 2010-11-04
CN101205199A (zh) 2008-06-25
TW200846310A (en) 2008-12-01
PL1935877T3 (pl) 2011-03-31
CN101205199B (zh) 2013-05-22
US20110021811A1 (en) 2011-01-27
RU2007146359A (ru) 2009-06-27
US20080146835A1 (en) 2008-06-19
DE102006060181A1 (de) 2008-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008150378A (ja) トルエンジイソシアネートの製造方法
KR101385909B1 (ko) 이소시아네이트의 제조 방법
JP5366580B2 (ja) イソシアネートの製造方法
JP4336655B2 (ja) 塩化水素とホスゲンの混合物を分離する方法
JP2007302672A (ja) イソシアネートの製造方法
JP5388427B2 (ja) イソシアネートの連続的な製造方法
JP5129808B2 (ja) HCl酸化法の生成ガスから塩素を分離する方法
US20070269365A1 (en) Processes for the preparation of isocyanates
WO2007007791A1 (ja) イソシアネート系化合物の分解回収方法およびその分解回収設備
KR20160138410A (ko) 기체 상 포스겐화 플랜트의 가동 방법
KR20090010074A (ko) 유기 이소시아네이트의 제조 방법
JP2009537450A (ja) 塩化水素含有ガスから一酸化炭素を分離する方法
JP5398546B2 (ja) ジフェニルメタンジアミンの製造方法
JPH10279539A (ja) イソシアネート系分解対象化合物の分解回収方法およびその分解回収設備
US9771291B2 (en) Process for working up waste water from nitrobenzene preparation
NL2017130A (en) Process for the production of melamine with separation and recovery of high-purity co2 and nh3
CN115920788A (zh) 一种胺化反应系统
JP2008546858A (ja) イソシアネート付加体の後処理方法
JPH11124359A (ja) ホルムアミドの製造法
HU202834B (en) Process and apparatus for producing aromathic isocyanates

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101126

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101227

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130312

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130315

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130701