(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100(図2参照)がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の表示灯142がガラス板22を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカ146L、146Rが配設されている。
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた払出装置(図示省略)から払い出された賞球が排出される球排出口46が形成されている。この球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
図示を省略するが、球皿部34の底面は双方向に傾斜しており、一方は図1の正面視にて左側から右側に下る傾斜を手前側に配置し、他方は右側から左側に下る傾斜を奥側に配置し、両傾斜は正面視にて右側で円滑に連続形成されている。
手前側の傾斜は遊技機間に設けられた現金用遊技球貸出機(図示省略)を球皿部34の正面視、左側から受け入れて、右側に転動案内する一方、奥側の傾斜は球皿部34に受け入れた遊技球、後述する賞品球、あるいはカード式貸出機を介した貸出球などを球排出口46から受け入れて正面視、右側から左側に向かって転動案内する。
この奥側の傾斜は、当該傾斜に沿って幅寸法を漸次、狭く形成されており、これにより、球皿部34にある遊技球がパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に一列に整列させながら送り込まれる。
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
(遊技盤の構成)
図2には本実施の形態に係る遊技盤100が示されている。
遊技盤100は、基板として厚さ10mmの透明の平板状合成樹脂材が使用されている(以下、透明遊技盤100という)。
透明遊技盤100は、その表面が盤面100Aとなっており、盤面100Aの外周端部付近に、円弧状の外レール102、逆流防止弁103及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102、逆流防止弁103及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置(図示省略)から発射されて、逆流防止弁103で仕切られた放出口105を飛び出して打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域101とされている。
前記透明遊技盤100の裏面側には、少なくとも遊技領域101のほぼ全域に亘って表示面が対向する大型の液晶表示装置200が配設されている。
液晶表示装置200は、図2に示す上辺200a、下辺200b、左辺200c、右辺200dによって構成される四角形によって囲まれた内側の領域が表示領域201となっている。液晶表示装置200としては、例えば、解像度1600×1200(UXGA(Ultra eXtended Graphics Array))の20インチ液晶ディスプレイを使用することができる。この表示領域201の外側に対応する部分は、少なくとも透明遊技盤100の盤面100Aの裏面側は、不透明なセット板等によって覆われ、遊技者からはその内部の構造等が見えないように構成されている。そして、更に、外レール102、内レール104により囲まれた内側領域が実際に液晶画像による演出表示が見える領域である。なお、内レール104の外側ではあるが、盤面100Aの左上方に位置し、遊技球PBの放出口105付近の外レール102、上辺200a、逆流防止弁103、内レール104、左辺200cにより囲まれた領域211は、液晶画像による演出表示が見える領域であり、この領域を使用して擬似球表示等種々の演出が行なわれる。
遊技領域101には、遊技領域101の中心部を基準として図2の左側に、通過ゲート(スルー・チャッカー)118が配置されている。また、遊技領域101の中心部を基準として図2の下部には、特別図柄始動入賞口(スタート・チャッカー)108が配設されており、この特別図柄始動入賞口108のさらにその下方には、遊技領域101の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が設けられており、当該開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっている。開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球が開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域101内の特別図柄始動入賞口108のやや下方、アタッカー112のやや上方、かつ左右位置には、一般入賞口109a、109b、109c、109dが設けられ、遊技球PBが入賞することにより、所定個数の賞球の払出がなされるように構成されている。そして、これら特別図柄始動入賞口108、一般入賞口109a、109b、109c、109d、アタッカー112は、透明遊技盤100の裏面側から不透明なセット板によって透明遊技盤100上に固定され、その内部構造は遊技者からは見ることができないように構成されている。
一方、遊技領域101には、ガイド部材125が配設されており、左右の延長ガイド125L、125Rと共に遊技球PBを遊技領域101の中央部分に構成される液晶表示装置200の表示領域201の主要部分を流下しないように案内すると共に、透明遊技盤100の裏面側通路と前面側通路とに遊技球PBの通路が設けられたステージ125Sを備えて構成しており、遊技球PBは、風車122や遊技釘123等によりステージ125S上に案内されるものもある。なお、このステージ125S上に案内された後、このステージ125Sを設けられたホール125Hを通過できた遊技球PBは、特別図柄始動入賞口108に入賞しやすくなる。
また、遊技領域101のガイド部材125の周囲には、風車122や、遊技領域101内を自重落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘123が設けられている。
透明遊技盤100の遊技領域101の最下位置には、外れ球を透明遊技盤100の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
更に、遊技領域101の右端部には、放出口105から放出された遊技球PBの放出強度が強すぎた場合に、その遊技球PBが通過できるように、通過路212が設けられている。この通過路212は、ガイド部材125の右側延長ガイド125Rと内レール104とによって構成されている。
なお、同図に破線で示される画像は、液晶表示装置200の表示領域201に表示される画像の一例である。
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150には、特別図柄始動入賞口108への入賞球を検出する始動入賞センサ180、通過ゲート118への入賞球を検出する通過ゲート入賞センサ184、アタッカー112への入賞球を検出する大入賞センサ186がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御部150へ出力する。なお、必要に応じて、アタッカー112内には、大当たり処理のラウンドを継続するきっかけとなるVゾーンが設けられる。アタッカー112内にVゾーンが設けられている場合には、このVゾーンを通過したことを検出するVゾーンセンサ228が配設される。
さらに、主制御部150には、アタッカー112の開閉扉116を開放/閉塞させるソレノイド175及び保留ランプ176がそれぞれ接続されている。
また、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108に入賞すると、これを始動入賞センサ180で検出することで特別図柄の当たり/外れの抽選(以下「特図抽選」と呼ぶ)が主制御部150にて実行され、この特図抽選の結果が当たり(大当たり)となった場合は通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行するように主制御部150にて制御する。なお、この大当たりについては、通常の当たりと、特別遊技状態の終了後に次の当たり確率がアップする確変モード、或いは図柄変動パターン時間を短縮する時短モードが付加される場合がある。
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
さらに、主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とがそれぞれ接続されており、これらの制御部は主制御部150からのコマンド送信により制御される。
演出制御部152には、図柄制御部156を介して液晶表示装置200が接続されている。また、演出制御部152は、透明遊技盤100の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子126、並びに、ガラス枠26に設けられた照明演出用の表示灯142及びエラー用の表示灯144の点灯、消灯、及び点滅を制御し、さらに、ガラス枠26前面に設けられたスピーカ146L、146Rを作動させて効果音等の出力を制御する。
この演出制御部152に制御される液晶表示装置200には、特図抽選の結果を報知するための図柄変動パターンの演出映像が表示され、スピーカ146L、146Rからはその図柄変動パターン演出時のBGMが出力される。これにより、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、特図抽選の結果に対応した演出図柄による演出を楽しむことができる。なお、保留ランプ176による表示内容は、この液晶表示装置200で表示するようにしてもよい。
図柄変動パターンには、特別図柄変動パターン及び演出図柄変動パターンがあり、双方共に特図抽選の結果を報知するものであるが、特別図柄変動パターンは予め定められた変動及び停止を行い特図抽選の結果を所定時間経過後に正式に報知する性質のものであるのに対し、演出図柄変動パターンはその特図抽選の結果を報知するまでの過程に演出を加味し、当たり/外れかに一喜一憂させながら報知する性質のものである。
ここで、特図抽選の結果が「大当たり」となり、液晶表示装置200における図柄変動パターン演出並びにスピーカ146L、146RからのBGM出力によって、そのことを報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
この大当たり処理は、アタッカー112が所定回数(ラウンド)開放するものであり、1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個の遊技球PBが入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドは終了となり、次ラウンドに移行する。
このため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
また、前述したように、液晶表示装置200において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、並びに大当たり処理中に特別図柄始動入賞口108に入賞した場合、保留ランプ176の点灯数がその入賞数に応じて最大4個まで増える。
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、液晶表示装置200では、保留分の特図抽選結果を報知するために、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ176が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
また、払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置40が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160を作動させて、賞球又は貸し球の払い出し及び停止動作と払出数を制御する。また、発射制御部164は、遊技者による発射ハンドル39(図1参照)の操作により発射装置40を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、発射ハンドル39の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送信するようになっている。
ここで、本実施の形態では、図柄変動パターン演出として、液晶表示装置200の一部の変動領域内において、複数列の図柄をスクロール表示し、その後に停止表示する演出を行っている。そして、当該演出により停止表示した図柄の組み合わせによって特図抽選の結果を報知するようにしている。
図4には、図柄変動パターン演出実行時の液晶表示装置200の表示状態の一例が示されている。同図に示されるように、本実施の形態では、上記変動領域(図柄表示領域)203(図4に太い破線で囲んで示した内側の領域)を明確にすべく、背景画像と変動領域203との境界に対応する位置に、視覚的に明確な区切りあるいは仕切りとなるように差異をもたせた仕切り画像を配置して、図柄Pのスクロール(移動)方向の変動領域203の境界部分が明確になるようにしている。念のために記すと、太い破線そのものは画面に表示されることはない。なお、同図では、図柄Pは、左中右の3列の図柄列が背景画像が表示されている表示領域201の中の変動領域203内を矢印Sで示すスクロール方向に移動した後停止するようになっている。
同図に示す例では、変動領域203のスクロール方向S上流側の境界には、仕切り画像として椰子の木の葉の画像310を配置し、スクロール方向S下流側の境界には、仕切り画像として道路の画像320を配置している。
図柄Pは、順次椰子の木の葉の画像310の裏側から変動領域203内に出現して矢印Sの方向に移動し、道路画像320の裏側に潜り込むように消えて行くように演出表示される。
このように背景画像を構成することにより、図柄Pがスクロールしながら変動領域203内に出現してくる変動領域203の上側の境界部分203a(太い破線で示す部分)と、図柄Pがスクロールしながら変動領域203から消えていく変動領域203の下側の境界部分203b(太い破線で示す部分)とが明確になり、表示領域201の背景画像と変動図柄とを違和感なく、かつ、変動領域203の境界を把握可能に表示することができる。
なお、図4の実施の形態においては、図柄Pはスクロール中、変動領域203の左右方向に大きくずれるような演出は行なわないので、変動領域203の左右の境界部分203c、203dは、本実施の形態においては背景画像との区別はつけておらず、むしろ変動領域203内の背景画像と周囲の背景画像とが同化して境界部分203c203dが明確には識別し難いように、例えば双方の背景が空ならば空の画像が変動領域203の内外で連続するように、双方の背景が街の中ならば街中の画像が変動領域203の内外で連続するように画像を形成している。
もしも、図柄Pが左右方向にも変動してしまう演出がある場合には、図4の実施の形態に沿って説明するならば、椰子の木画像330、340を仕切り画像に用いて左右の境界部分203c、203dを構成し、この椰子の木画像330、340を越えた図柄Pの画像は、そこを境界として表示領域201から消えてしまう等の演出を行うことにより、背景画像と変動図柄との演出上の違和感の発生を無くすことができる。
図5には、一例として、図4に示される画像の構成が示されている。同図に示されるように、背景画面206Aに図柄Pが縦方向にスクロールする変動画面206Bを重ねて表示し、更に図4に示す変動領域203の上下方向の境界を示す画像310、320を含んで構成されたフレーム画面206Cを前面に重ねて表示したように見える。
なお、実際には、3枚の画像が重ねて表示されているのではなく、フレーム画面206Cとして示した画像は背景画像206Aに含まれており、この背景画像に、図柄Pが変動領域203内をスクロールする変動画像が重ねて表示されている。
また、本実施の形態では、上記変動領域の形状、大きさや位置を、演出の内容に応じて異ならせるようにしている。
図6には、一例として、図4に示した演出画像が液晶表示装置200に表示されたときの遊技領域101のほぼ全体像が示されている。なお、図6以下図13までの各図において、図2と同じ構成部分については同一の番号を付し、各実施形態において特段理由のないものについては、明細書中での説明は省略している。同図に示す例では、スクロール方向S上流側の仕切り画像310の位置は、遊技球PBの流れをガイドするガイド部材125に対応する部位よりも下方に表示するようにしている。また、スクロール方向S下流側の仕切り画像320の位置は、ガイド部材のステージ125S上に案内されて、その中央部の最頂部125Tに載置された際の遊技球PBの中心よりも上方に表示するようにしている。
すなわち、透明遊技盤100上の変動領域203Aに対応する位置、言い換えれば変動領域203Aと面法線上で対面する領域には、風車122、遊技釘123、ガイド部材125等の遊技盤構成物を配設しないようにして、遊技球PBが通過できないように構成し、変動領域203Aを遊技球PBが遮ることがないようにしている。
なお、図6に示す変動領域203Aは図4に示す変動領域203と同一のものであるが、後述する他の実施形態との比較上、別の記号203Aを使用している。そのため、図4に示した境界部分203a、203b、203c、203dについてもそれぞれ境界部分203Aa、203Ab、203Ac、203Adと記載しているが、同一のものである。
このようにして、図柄Pの変動領域203Aの図柄スクロール方向Sの上下双方における視認性を確保し、図柄の変動表示をより違和感なく認識することができるようにしている。
また、図7には、一例として、スクロール方向Sが液晶表示装置200の左右方向(横方向)である場合の演出画像が液晶表示装置200に表示されたときの遊技領域101が示されている。
同図に示されるように、本実施の形態では、横方向にスクロールする図柄Pの仕切り画像350、360として、潜水艦の窓枠を表示し、図柄Pを潜水艦の窓から見える海中を移動する魚等に見立てて演出表示している。仕切り画像350は、遊技球PBの流れをガイドするガイド部材125の左側の延長ガイド125Lの配設位置よりも外側、すなわち更に左側の通過ゲート118、風車122、釘123と対向する位置に表示されるようになっている。
また、仕切り画像360の位置も図6の境界部分203Adの位置よりも更に右側に移動し、境界部分203Bdを右側の延長ガイド125Rの近傍に配置するように構成している。更に、横方向ほど大きくはないが、境界部分203Baも図6に示す境界部分203Aaよりも上方に位置させて液晶表示装置200の上辺200aの位置ぎりぎりまで変動領域203Bを拡大し、境界部分203Bbも図6に示す境界部分203Abよりも更に下方のステージ最頂部125T近傍又はその下方まで下げて変動領域203Bを拡大させている。
これにより、変動領域203Bの面積が上記変動領域203A(図6参照)よりも大きくなるので、図柄Pを小さくすることなく、遊技領域101内を大きく使い、図柄Pを図7に示すように上中下段3段に配列した状態で横方向にスクロール表示させることができる。
すなわち、横方向にスクロールする場合、もしも上記図6に示す例と同じ変動領域203A内で同じ大きさの図柄Pをスクロールさせようとすると、図柄Pを1列、しかも1つしか完全な形では表示できないことになり、スクロール方向Sが把握し難いだけでなく、前後の図柄Pが表示されないことで、遊技者の遊技に対する期待感が低下することにつながりかねない。
なお、同図に示す横スクロール表示を行なう場合も、上述した図4乃至図6に示す例と同様に、図柄Pは、矢印Sで示すスクロール方向Sに沿って上中下段3段の図柄列が右から左へ移動表示されて変動表示領域203B内に表示されるように移動され、仕切り画像360のところで変動領域203Bと仕切り画像360との境目でもある境界部分203Bdを境に仕切り画像360の背後を通過して初めて画面上に現れ遊技者に目視されるように変動表示領域203B内に現れて表示される。また、変動表示領域203Bをスクロール方向Sに沿って移動表示された図柄Pは、仕切り画像350のところで変動領域203Bとは仕切り画像350との境目でもある境界部分203Bcを境に仕切り画像350の背後を通過して表示されながら消えるように表示される。
また、本実施の形態では、変動領域203B内に図柄Pが停止表示される際には、中央部に上中下段3個の図柄Pが縦1列に並んで停止表示した図柄Pの組み合わせによって特図抽選の結果を報知するようにしている。
このため、変動領域203Bの両端部であれば、透明遊技盤100上の通過ゲート118、風車122、遊技釘123、ガイド部材125の特に左側の延長ガイド125L等の遊技盤構成物が配設されており、図柄Pが遊技球PBが通過する位置に対応する液晶表示装置200の表示領域、言い換えれば遊技盤構成物の配設位置と面法線上で対面する表示領域の一部に重なる形で表示されていても、演出内容の把握の妨げにはならない。
また、本実施の形態では、変動停止時に変動領域203Bの両端部に表示される図柄Pは必ず一部が欠けた状態で表示する。これにより、変動停止時に両端部に表示された図柄Pは特図抽選の結果を示すものではないことを遊技者に自然に認識させることができる。
ただし、遊技者の誤解を避けるためには、両端部の図柄Pを一部が欠けた状態で表示するほか、上中下段の全図柄を同一図柄で揃える等の特図抽選の結果当選したことを示す組合せは両端部には表示させないように制御することが好ましい。
図8には、一例として、スクロール方向Sが液晶表示装置200の表示面の奥行き方向である場合の演出画像が液晶表示装置200に表示されたときの遊技領域101が示されている。
同図に示されるように、例えば道路を走るバスの中から見た風景が表示され、図柄Pが図8紙面奥行き方向にスクロール(奥側から手前側に移動)するように表示される。すなわち、本実施形態では、PL、PC、PRの3つの図柄が変動表示されるようになっており、図柄PL,PRが焦点位置F付近から出現し、表示位置をそれぞれスクロール方向Sに移動しながら徐々に拡大表示されるように演出表示される。また、図柄PCは図示位置でほぼ一定の大きさでその種類を変化させる。これにより、図柄Pが道路の彼方からバスに向かって近づいてくるように表示される。そして、図柄PLはフェードアウト位置FLに、図柄PCはフェードアウト位置FCに、図柄Pはフェードアウト位置FRに、それぞれ流れていくように表示される。
左右の図柄PL,PRは、それぞれ図柄が連続的に現れて徐々に拡大しながらフェードアウトするように表示されるため、同図に示されるように、一度に前後の図柄が連なって一部重なって表示されることがある。
また、図柄PCは、焦点位置Fの少し上方に、遊技者に十分認識可能な大きさで表示されつつ変化することにより、図柄の変動表示中であることを印象付けることができる。
この表示面の奥行き方向のスクロールによる演出は、所定時間変動表示された後、3図柄とも画像の略中央部で仮停止し、左右の図柄が同一図柄(リーチ)であった場合には、スーパーリーチ演出に発展する。
また、図8の実施形態による奥行き方向のスクロールの場合、バスの車窓から眺めた外の景色を想定した演出を行なっているため、図8の表示領域201の下部にはバスの内装枠371に沿って変動表示領域203Cの下部境界部分203Cdを構成している。
これにより、図柄Pは表示領域201のほぼ全体を使って変動表示演出がなされることになり、上記図6、図7に示されるような仕切り画像により上下左右を囲まれた変動領域203A,203B内だけを変動表示する場合と比較して、躍動感を感じさせる大掛かりな演出画像表示が実現できる。
ここで、本実施の形態では、図柄Pのスクロール表示による演出の実行中に、特図抽選の結果が当たりであることへの期待度や、次の遊技がどのように進行するか(通常の当たりか、確変モード或いは時短モードが付加されるか)等を報知を予告する予告演出を実行する場合がある。
図9乃至図11には、図6に示すような変動表示の実行中に、表示される予告演出の一例がそれぞれ示されている。
図9に示す例では、違和感なく予告演出を実行すべく、変動領域203の背景画像中に仕切り画像320として表示されている道路の上を走るバスの画像が予告演出画像370として表示される。このように、予告演出画像370によって変動領域203を隠すことで、遊技者の期待感を向上させることができる。この場合、例えば、表示領域を通過するバスの色によって特図抽選の結果が当たりであることへの期待度や、次の遊技がどのように進行するか(通常の当たりか、確変モード或いは時短モードが付加されるか)等を報知することができる。
また、図10に示す例では、図6に示すような変動表示の実行中に、図柄Pのスクロール表示を一旦非表示として、変動領域203の背景画像中に仕切り画像320として表示されている道路の上に、椰子の実の画像が予告演出画像372として表示される。この場合、例えば、椰子の実が道路の上に落下してくるように表示し、表示する椰子の実の大きさや、落下した椰子の実が爆発するか爆発しないかによって、特図抽選の結果が当たりであることへの期待度や、次の遊技がどのように進行するか(通常の当たりか、確変モード或いは時短モードが付加されるか)等を報知することができる。
さらに、図11に示す例では、図6又は図7に示すような変動表示の実行中に、変動領域203内における図柄Pのスクロール表示、背景画像及び仕切り画像330、340の前面に、これらの画像を覆い隠すように、次に表示されるスーパーリーチの演出テーマを予告する画像として、プレート画像376が所定時間表示される。
このプレート画像376には、次のスーパーリーチの演出の名称を示す文字や、演出に登場する背景や人物、物等を含めることで、遊技者のスーパーリーチへの期待感を向上させることができる。
すなわち、本実施の形態では、複数種類のスーパーリーチ演出パターンが設定されており、何れかのスーパーリーチ演出パターンを選択的に実行するようになっている。
また、プレート画像376は、変動領域203を覆い隠すだけでなく、更に変動領域203の周囲に表示される仕切り画像330、340にもかかる大きなサイズの板状の画像で構成されている。同図に示される例では、遊技球PBの流れをガイドするガイド部材125の左側の延長ガイド125Lの配設位置よりも外側、すなわち通過ゲート118、風車122、釘123と対向する位置や、右側の延長ガイド125Rに対向する位置にかかるように大きく表示されている。
このプレート画像376は、変動表示が開始されてから変動表示が停止するまでの間の所定のタイミングから所定時間(例えば、2〜3秒)、背景画像、変動領域203及び仕切り画像330、340の前面側に図10に示すような背後の画像を覆い隠して表示される。
このように、演出テーマを示す大きなサイズのプレート画像376を、図柄Pの変動表示中に変動領域203及び仕切り画像330、340の前面に跨って図柄Pの変動表示を所定時間覆い隠すように表示することにより、スーパーリーチ予告が完全予告であることを告げることができると共に、遊技者に対し大当たりに対する期待感を高めることができる。
図12には、本実施の形態に係るスーパーリーチ演出の実行時に表示される画像の一例が示されている。同図に示されるように、スーパーリーチ演出の実行時には、仕切り画像により囲まれた変動領域203における図柄Pのスクロール表示に代えて、既に変動表示を停止(図柄が未確定という意味で、正確には仮停止)した図柄列の停止図柄画像386が遊技領域101の右上隅及び左上隅に通過ゲート118、遊技釘123、延長ガイド125L等の遊技盤構成物の配置位置と面法線上で対面する表示領域の一部に重なる形で表示されると共に、遊技領域101全体に、最後の図柄列の停止図柄を報知する演出画像Pが変動表示される。すなわち、上述したように、本実施の形態では、3個の図柄列を左中右列3列又は上中下段3段に表示して変動表示を行うため、停止図柄は3個の図柄列にそれぞれ存在するため、停止図柄画像386も左右、上下等2箇所に表示している。
なお、本実施の形態では、スーパーリーチ演出を複数パターン実行可能に構成されているが、例えば、同図に示す例では、変動中の図柄列の図柄Pが配列順に1個ずつ表示領域201の中央に表示されては炎388に包まれ、次の図柄が表示されるような演出が実行される。このようにして、最終的に特図抽選の結果に応じた図柄が表示される。
これにより、最終停止まで遊技者の大当たりへの期待感を持続させることができる。
図13には、本実施の形態に係る大当たり演出の実行時に表示される画像の一例が示されている。同図に示されるように、大当たり演出の実行時には、仕切り画像は表示されず、遊技領域101全体に、大当たり演出のストーリーに沿った画像が表示される。
また、図12及び図13に示されるように、本実施の形態では、図柄変動中に始動入賞口118に入賞した遊技球数である保留球数を示す保留球数画像380が遊技領域101の隅に表示される。当該保留球数画像380の表示個数は、上述した保留ランプ176と同様に、入賞数に応じて最大4個まで増え、図柄変動パターン演出が終了するか、或いは大当たり処理が終了すると、1個減る。これにより、保留球数の消化状況を遊技者に報知する。
本実施形態では、当該保留球数画像380の表示位置は、ガイド部材125の外で、釘123等の遊技盤構成物が配設された透明遊技盤の、遊技球PBが移動可能な領域であって、釘等123の遊技盤構成物を避けた位置に対応するように表示される。
これにより、保留球数画像380はガイド部材125等の遊技盤構成物に対応する位置を避けて配置するように表示するので、保留球数が認識しやすくなる。また、保留球数画像380は、遊技盤構成物に対応する位置は避けるものの、遊技球PBが移動可能な領域に対応する位置に表示するので、遊技領域101のガイド125により囲まれた中央部領域をメインとして遊技領域101全体に表示される特別図柄のデモ図柄演出やスーパーリーチ演出の演出画像の表示を妨げることがない。
従って、特別図柄のデモ図柄演出を可能な限りの大画面を用いて演出表示しつつ、特別図柄のデモ図柄演出から大きく目をそらさなくても保留球数画像380を視認させることができる。
また、同図に示されるように、大当り演出の実行時に、所定表示領域381内の保留球数画像380に隣接する位置に、今回の大当たりの確定時に表示されたデモ図柄画像384を表示している。当該デモ図柄画像384は、保留球数と同様、特別図柄の演出表示位置及び透明遊技盤遊に設けられた技盤構成物に対応する位置を避けつつ、遊技球PBが移動可能な領域に表示される。また、同図に示す例では、保留球数画像380に隣接させて表示させるデモ図柄画像384の縦横の長さがそれぞれ1/2程度又はそれ以上になるように縮小して表示されるので、デモ図柄画像384の表示サイズは、面積比で変動表示時のデモ図柄の大きさの1/4程度又はそれ以上としている。
これにより、大当たり遊技中に、通常遊技における特図デモ図柄位置付近を中心に表示される演出の主要部の視認性を低下させることなく、大当たりの報知に用いられたデモ図柄を示すデモ図柄画像384も保留球数画像380と共に遊技者の見易い位置に見易い大きさで表示させることができる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル39を操作すると、一体皿30の球皿部34に貯えられている遊技球は球送り装置により一球ずつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される。発射された遊技球PBは、外レール102に沿って透明遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、風車122、遊技釘123、ガイド部材125等の遊技盤構成物によって方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球はアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが特別図柄始動入賞口108へ入賞すると、特別図柄の当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、液晶表示装置200の下部の一部の領域では、2個の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される。また、この表示に伴い、液晶表示装置200のほぼ全域では、演出図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経て停止表示される。この演出図柄変動パターンの演出映像には、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。
本実施の形態では、図柄変動パターンが表示領域201内の変動領域203を図柄Pがスクロールするものである場合には、変動領域203に応じて背景画像を予め設定すると共に、演出の内容に応じて、変動領域203の形状及び大きさを変更する。
すなわち、図柄Pを縦方向にスクロール表示させる演出の場合には、図6に示されるように、変動領域203Aを略矩形状としており、背景画像の変動領域203Aの境界に相当する位置に、仕切り画像310として椰子の木の葉の画像を、仕切り画像320として道路の画像を表示する。
また、図柄Pを横方向にスクロール表示させる演出の場合には、図7に示されるように、変動領域203Bを略円形状としており、背景画像の変動領域203Bの境界に相当する位置に、仕切り画像350、360として潜水艦の窓枠の画像を表示する。
更に、図柄Pを表示面奥行き方向にスクロール表示させる演出の場合には、図8に示されるように、液晶表示装置200の表示領域201のほぼ全体を使って変動表示演出をすることにより、上記図6、図7に示されるような仕切り画像により上下左右を囲まれた変動領域203A,203B内だけを変動表示する場合と比較して、躍動感を感じさせる大掛かりな演出画像表示が実現できる。
また、本実施の形態では、遊技状態に応じて図柄変動表示の演出パターンにおけるスクロール方向を選択するようにしており、通常は縦方向スクロール表示(図6参照)を選択し、確変モードでは横スクロール表示(図7参照)を選択し、時短モードでは奥行き方向スクロール表示(図8参照)を選択する。
これにより、遊技状態に応じて遊技領域101に表示する演出画像の表示形態を大きく変化させることができるので、変化に富んだ大掛かりな演出画像表示を実現できる。
さらに、図6乃至図8に示されるように、変動領域203の形状や大きさだけでなく、仕切り画像の位置及び有無や図柄Pも異ならせることにより、演出パターンの違いを強調することで、より多種多様な演出画像表示が可能である。
そして、図6乃至図8に示すような図柄の変動中に始動入賞口118に遊技球PBが入賞して保留球が生ずると、図6に示すように遊技領域101の右端部に設けられた遊技球の通過路212の下方位置でガイド部材125や遊技釘123等の遊技盤構成物を外した位置に設けられた所定表示領域381に保留球の数が判るように保留球数画像380が表示される。
これにより、特別図柄のデモ図柄演出を変動領域203全体を使い可能な限りの大画面を用いて演出表示することができ、また、遊技者は、特別図柄のデモ図柄演出から大きく目をそらさなくても保留球数画像380を容易に視認することができる。
また、本実施の形態では、図柄変動パターンの実行中に、図9及び図10に示されるような予告演出を実行する場合がある。この場合、表示領域を通過するバスの色、表示する椰子の実の大きさや、椰子の実が爆発するか爆発しないか、等によって、特図抽選の結果が当たりであることへの期待度や、次の遊技がどのように進行するか(通常の当たりか、確変モード或いは時短モードが付加されるか)等が報知される。
さらに、本実施の形態では、スーパーリーチ演出に移行する場合には、図柄変動パターンの実行中に、図11に示されるような予告演出を実行する場合もある。この場合、変動領域203内における図柄Pのスクロール表示、背景画像及び仕切り画像330、340の前面に表示されるプレート画像376に含まれる文字や人物、物等によって、次に実行されるスーパーリーチ等の演出の種類が報知される。
なお、演出テーマを含めた大きなサイズのプレート画像376を、図柄Pの変動表示中に変動領域203及び仕切り画像330、340の前面に表示することにより、スーパーリーチ予告が完全予告であることを告げることができると共に、遊技者に対し従来よりも大当たりに対する期待感を高めることができる。
また、スーパーリーチ演出の実行時には、図12に示されるように、仕切り画像を用いることなく、遊技領域101全体を使って演出画像の表示を行なう。かかるスーパーリーチ演出の実行時に保留球があれば、図6に示したのとほぼ同じ位置である遊技領域101の隅の所定表示領域381に、保留球数を示す保留球数画像380を表示して、スーパーリーチ演出の演出画像を大画面で見易く表示しつつ、演出から大きく視線をそらすことなく、保留球数を容易に把握させることができる。
ここで、特図抽選の結果を報知し終えると、大当たりの場合には、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
この大当たり処理は、アタッカー112が所定回数(ラウンド)、所定時間、開放する。一般的には、1ラウンドの開放時間は約30秒、この間に最大10個の遊技球が入賞、或いは30秒経過、何れか一方が先に満足されると、そのラウンドは終了となり、次ラウンドに移行する。これが、約15ラウンド継続されるため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
また、大当たり処理の実行時には、一例として図13に示されるように、遊技領域101全体に演出画像が表示される。この場合も、遊技領域101の隅に、保留球数を示す保留球数画像380を表示して、遊技者には大当たり演出の演出画像を大画面で見易く表示しつつ、演出から大きく視線をそらすことなく、容易に保留球数を把握させることができるようにしている。
さらに、保留球数画像380に隣接させて今回の大当たりを報知したデモ図柄画像384を縮小しながらも遊技者に見易い大きさで表示するようにしているので、演出の演出画像を大画面で見易く表示しつつ、大当たり演出から大きく視線をそらすことなく、今回の大当たりを報知したでも図柄を把握させることができる。
なお、本実施形態においては、保留球数画像380に隣接させた領域にデモ図柄画像384を表示するのは当該図柄の入賞に基づく大当たり遊技中のみであるが、この領域にデモ図柄384を表示する場合としては、本実施形態のような当該大当たり遊技中のみに限らず、その大当たり遊技終了後の確率変動や時間短縮を伴う付加遊技等の特典遊技中や、さらにその大当たり遊技終了後や特典遊技終了後の通常確率かつ通常変動時間に戻って遊戯が行なわれる通常遊技中であってもよい。これらの場合に表示されるデモ図柄画像384は、遊技状態が異なることから、正確には前回の大当たり図柄の画像であるが、直近の大当たり図柄の画像であることからして、今回の大当たり図柄の画像と称しても特に問題はないであろう。
このように、今回の大当たり図柄をデモ図柄画像384として、大当たり遊技終了後の特典遊技中や通常遊技中にも同じ領域に表示することにより、表示領域201内の図柄表示領域203における画像の演出表示が大当たり遊技終了後の特典遊技や通常遊技においても今回の大当たり図柄のデモ図柄画像384によって妨げられる恐れがなく、大当たり遊技終了後の特典遊技や通常遊技における図柄の変動表示がデモ図柄画像384によって遮られることがないため、変動表示図柄の大きさをより大きく、かつ、より自由に演出表示させることができる。
上述のように、図柄Pの変動表示を実行する場合は、背景の中に「きりかけ」となる仕切り画像を施して、仕切り画像の背後に図柄Pが入り込むように表示して仕切り画像で囲まれた変動領域203内で図柄Pの変動表示を行なうと共に、スクロール方向によっては仕切り画像を設けることなく表示領域201のほぼ全体を用いた躍動感ある変動表示を行ない、これらの変動表示の発展形であるリーチ演出や、大当たり演出等、変動表示以外の演出を実行する場合には、仕切り画像を設けずに遊技領域101全体を使って演出画像を表示するので、遊技状態や演出内容の変化に合わせて遊技領域101の使い方を大きく変化させることができる。
また、釘123等の遊技盤構成物が配置された領域に対応する位置までかかる大きな演出画像を表示することで、遊技領域101全体を使った大掛かりな画像演出を実現することができる。
すなわち、遊技状態や演出内容に応じて、仕切り画像を表示して区切られた変動領域203を用いて演出を実行する場合と、仕切り画像を用いることなく遊技領域101全体を使って演出実行する場合と、に分けているので、遊技領域101のほぼ全領域が表示領域201とされた遊技機の特性を生かして変化に富んだ演出が実行できる。
なお、本実施の形態では、通常は縦方向スクロール表示の演出パターンを表示させ、スーパーリーチ演出やノーマルリーチ演出に移行する可能性や確変モードや時短モードに移行する可能性を予告演出画像により報知し、確変モードでは横方向スクロール表示の演出パターンを表示させるなど、遊技状態によって演出パターンを選択している。
以上説明したように、本実施の形態によれば、図柄Pが移動するように表示するスクロール表示の演出パターンとして、図柄Pの移動方向、変動領域203、及び背景画像の構成がそれぞれ異なる3種類の変動表示パターンを用意しておき、これらを選択的に実行するので、図柄の変動を違和感なく認識することができ、図柄の移動方向の特徴を生かして変化に富んだ画像表示演出を行なうことができる遊技機を提供することができる。
具体的には、本実施の形態では、図6乃至図8に示す3種類の演出パターンを選択的に実行するようにしており、スクロール方向が縦方向の場合は遊技者の把握しやすい領域として203Aで示される領域を変動領域として仕切り画像を配置し、スクロール方向が横方向の場合は、縦方向スクロールの場合よりも横に大きい203Bで示される領域を変動領域として仕切り画像を配置し、スクロール方向が奥行き方向の場合は、仕切り画像を設けることなく表示領域201全体を変動領域としている。
また、本実施の形態では、遊技状態に応じて、通常は縦方向スクロールの演出パターンを、確変モードでは横方向スクロールの演出パターンを、時短モードでは奥行き方向スクロールの演出パターンを、それぞれ選択して実行するので、遊技者は遊技状態に応じた演出パターンにより遊技に対する期待感を高めることができる。
なお、スクロール方向は実施の形態のように図柄表示領域内で図柄Pを遊技機の上から下への方向、又は右から左への方向のみに限られることはなく、例えば、逆に下から上に、又は左から右に移動する場合もありうる。また、図柄Pの図柄表示領域内での移動方向は、上下左右に限られるものではなく、斜め方向の移動の場合であっても各仕切り画像の何れかの背後から現れ、各仕切り画像の何れかの背後に消えるように表示されることになる。
また、図柄Pの移動方向は、図柄表示領域の中央付近から現れて、上下左右をあらゆる方向に向けて拡大するような移動表示や、逆に、図柄表示領域外の上下左右あらゆる方向から現れて、図柄表示領域内に突如表示され、図柄表示領域の中央付近で収束して消滅するような演出であってもよい。係る拡大表示の場合には、図柄Pは、図柄表示領域の中央付近から現れて、各仕切り画像の何れかの背後に消え、収束表示の場合には、各仕切り画像の何れかの背後から現れて、図柄表示領域の中央付近で収束して消滅するように表示されることになる。
なお、本実施の形態に係る遊技機10の構成(図1乃至図3参照)や演出画像(図4乃至図13参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更し得ることは言うまでもない。