JP2008148814A - まな板 - Google Patents

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Katsuko Kikegawa
かつ子 亀卦川
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Abstract

【課題】まな板の表面が平滑で調理の作業性に優れ、かつまな板の水等を良好にシンク内に落とすことができるまな板を提供すること。
【解決手段】まな板材2の縦方向の端部の近傍にまな板材2を厚さ方向に貫通する水落し孔11と水落し孔11の両側で水落し孔11からまな板1の横方向の端に達する樋溝13を設けてなる
【選択図】図1

Description

この発明はまな板、特にまな板上の水の流れ方向を規制して、水が流し(洗槽、シンク)の外にこぼれるのを防ぐことができるまな板に関するものである。
キッチンで調理をする場合に、まな板は食材を洗って水切りをする台として使用したり、食材を切り刻む台として使用し、また次の調理作業に備えて洗浄の対象となるなど、まな板上には、水道の蛇口から流れ出た水や食材から出た汁液(以下単に「水等」と称する)が流れていることが多い。
特開平8−191771号 特開9−154750号 特開2000−41869号 特開2001−286405号
このため図9に示すようにまな板101上の水等がシンク110内に流れ落ちないで、一部分がまな板101の端からシンク110の外にこぼれて、キッチン室内を汚すことがある。
このため、このまな板上の水等の処理が課題になる。まな板上の水等が少量である場合には、まな板の表面の四周辺部に溝や案内口を設けて、まな板上の水等を溝に流れこんで、案内口から取り出すことが考えられている(特許文献1、特許文献2)。しかしこの方法はまな板上の水等が多量である場合には使用できないので、多量の場合にはまな板をシンク(洗槽)の縁に掛け渡して使用し、まな板上の水等がまな板からこぼれ落ちた場合に、そのこぼれ落ちた水を直接にシンク内に落とすことができて、シンク外のキッチン室内にこぼれ出ないようにすることが考えられている。
縦方向に伸びる長尺の縦辺と横方向に伸びる短尺の横辺からなる矩形のまな板をシンクの縁に掛け渡して使用する場合に、両側の縦辺を越えてあふれ出たまな板上の水等は開口しているシンクの上面からうまくシンク内に流れ落ちるのであるが、前後の、特に手前の横辺を越えてあふれた水等はまな板がシンクの上面開口をふさいだ状態となるので、シンク内に流れ入ることができず、図8に示すように、シンク外にあふれ出てキッチン室内を汚す結果になっている。
そこで、まな板に多数の水落し孔を形成してまな板の中央部分から、水等をシンク内に落とすことにより、まな板上の水等がまな板上の縦方向の端部まで達しないようにすることが考えられている(特許文献3)。
しかし、この場合は、まな板の中央部に多数の孔が形成されていて、まな板の表面の平滑性が阻害されるので、調理の作業性が悪い。また水落し孔が食材の切片などによってふさがれると水落し機能は発揮されない。
次にまな板の縦方向の端部の近くに横溝を設けて、水等をシンク内に案内することも考えられている(特許文献4)。しかしこの場合には、横溝だけでは、実際には多量の水等をガイドして規制することができない。
この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものでまな板の表面が平滑で調理の作業性に優れ、かつまな板上の水等を良好にシンク内に落とすことができるまな板を提供することを目的とするものである。
この目的に対応して、この発明のまな板は、まな板材の縦方向の端部の近傍にまな板材を厚さ方向に貫通する水落し孔と前記水落し孔の両側で前記水落し孔から前記まな板の横方向の端に達する樋溝を設けてなることを特徴としている。
請求項1に記載された発明では、まな板材の縦方向の端部に水落し孔と樋溝とが形成されていて、まな板上の縦方向の端部に達した水等は水落し孔を通して直接にシンク内に流し落とすことができ、または樋溝で一旦受けてから、水落し孔またはまな板の横方向の端である縦辺に導いて、水落し孔からまたは縦辺からシンク内に流し落とす。したがって水等は水落し孔を通して、または縦辺を越えてシンク内に流し落とすことができ、水等が手前の端部である前横辺からシンクの外にこぼれ落ちることがない。
水落し孔は形状が単純でかつ長尺の横長に形成されるので、水等の流れ落ちが良好であり、また食材の切片等が付着しても、その除去及び清掃は容易であり、清潔に性能を維持し得る。まな板上を流れる水等の水量はまな板の中央部において最も多量であるので、水抜き機能の最も大きい水落し孔をまな板の端部における横幅の中央部に設けることは、まな板の端部からの水等のあふれを防止するのには、きわめて有効である。
水落し孔に接続する樋溝は、まな板の強度を低下させずに形成することができ、水等を水落し孔に導いて水落し孔の機能を有効活用して、手前及び奥の端からこぼれる水等の発生を阻止する。
また、まな板の上面または下面の中央部分は水落し孔等を設けず、平滑面が確保されているので、調理の作業性がきわめて良好である。
請求項2に記載された発明では、この発明のまな板がシンクの縁の段差を利用して置かれるので、まな板の固定がきわめて安定し、この発明のまな板の機能を良好に発揮させることができる。
請求項3に記載された発明では、まな板の水落し孔及び樋溝の組合せをまな板の縦方向の一端部または両端部に選択的に設けることができるので、まな板のデザインを選択することができる。
請求項4に記載された発明では、樋溝をまな板の上面、下面または両面に選択的に形成することができるので、まな板のデザインを選択することができる。またいずれの面も各種の調理等に活用することができる。
請求項5に記載された発明では、まな板中央部の作業面に影響を与えずにフック用孔等を形成することができる。
請求項6に記載された発明では、まな板の材料の選択が容易になる。
請求項7に記載された発明では、まな板をシンクの縁に掛け渡して使用する場合もまな板上の水等の規制が可能となる。
請求項8に記載された発明では、水落し孔がシンクの上に開口しているので、水落しがきわめて円滑である。
請求項9に記載された発明では、中央部の水落し孔と両側の樋溝との組合せがまな板を横幅方向に横断することになるので、まな板上の縦辺方向の水等のあふれを完全に遮断することができる。
以下この発明の詳細を最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1から図5において、1はまな板である。まな板1はまな板材2を有する。
まな板材2は木材、プラスチック材、金属材などで構成することができる。まな板材2は縦方向の左右の長尺の側辺3(以下縦辺3と称する)(縦幅L)、横方向の前後の短尺の端辺4(以下横辺4と称する)(横幅W)、及び厚さ方向の厚さ辺5(厚さT)(図4参照)を有するほぼ直方形である。縦辺3と横辺4とで囲まれた上面21と下面22を有し、縦辺3と厚さ辺5とで囲まれた左側面23、右側面24を有し、横辺4と厚さ辺5とで囲まれた前端面25と後端面26を有する。但しまな板材2は正確に直方体である必要はない。
上面21及び下面22は長方形でなくてもよく、楕円形であってもよいが、上面21または下面22に調理等をしたり、水等が供給されるための作業面を有し、その作業面の外側に後述する水落し孔や樋溝を形成することができる形状のものである必要がある。
縦辺3と横辺4との間の隅角部は必要に応じて面取りが施される。まな板1がシンクの上に掛け渡して使用するものの場合には、縦辺3の長さ(縦幅L)はシンク10の奥と手前の両縁6、7に掛け渡すことが可能な寸法を有し、特に図6に示すように、シンク10の縁6、7が高低段差のある外縁8と内縁9をもつ場合には、内縁9に横辺4が載置可能な寸法をなしている。
横辺4の幅(横幅W)はシンク10の横幅よりも小さい。したがってまな板1をシンク10の中央の対向する縁間に掛け渡したときには、まな板1の中央部分の作業面16の両側にシンク10が開口している状態になる。
まな板材2の縦辺3方向の端部の近傍に横辺4方向の中央部またはほぼ中央部に横辺4に平行に、または横辺4の方向よりもわずかに傾斜した方向にかつ横長に水落し孔11が形成されている。水落し孔11はまな板材2を厚さ辺5の方向または厚さ辺5の方向よりわずかに傾斜した方向に貫通して形成されている。
水落し孔11の長さL1は横幅Wのほぼ10%〜90%で、例えばまな板材2の横幅Wが250mmであるとすると水落し孔11の長さL1は25mm〜225mmであり、さらにまな板材2の強度が保たれる範囲で決定される。水落し孔11の幅W1はこの実施形態では5mm〜50mmで水を円滑に流し落とすことができる範囲に決定する。
水落し孔11はまな板材2の縦辺3方向の端部のうちの一方の端部たとえば手前の前端部または奥の後端部若しくは両方の端部に形成する。水落し孔11を両方の端部に形成した時はまな板1を180°方向を回転させて両端のどちらでも手前にして使用することができる。水落し孔11の縦辺3方向の位置L3は、まな板1をシンク10の対向する縁間に掛け渡したときに水落し孔11の外側縁17がシンク10の上にかかる位置に来ることが望ましく、例えばL3は5mm〜50mmである。
水落し孔11の両側には横辺4にほぼ沿って樋溝13が設けられている。樋溝13は水等を流し通す溝で、横断面形状がU字状や凹状の樋状をなしている。
樋溝13は流れ込んだ水等を水落し孔11やまな板材2の縦辺3の外側に導く水路として機能するもので、樋溝13の上端開放部の幅W2は水落し孔11の幅W1と同じか或いはそれよりもわずかに小さい。
樋溝13の長さL2は左右で同じ長さとするとL=(W−L1)/2である。樋溝13の深さT2はまな板材2の厚さ辺5の厚さTのほぼ5%以上で、さらにまな板材2の強度に応じて決定される。
樋溝13の一端は水落し孔11の端部に接続して開口し、他端はまな板材2の縦辺3に達して開口している。樋溝13はまな板材2の上面21もしくは下面22または両面に形成する。図4に示す実施形態では、樋溝13はまな板材2の上面21にだけ形成されている。
また必要な場合には図7に示すように、まな板材2の辺部にはフック用の孔若しくは切り欠き14が形成されている。このフック用の孔若しくは切り欠き14は水落し孔11及び樋溝13よりも外側の部分、好ましくはまな板材2の隅角部近傍や水落し孔11と隣接した部分に形成する。
このように構成されたまな板1においては図8に示すように、まな板1上の水等は水落し孔11に流れ落ち、または樋溝13に一旦流れ込んだ後に、水落し孔11または縦辺3からシンク10内に流れ落ちるので、いずれにしてもまな板1の横辺4にまで達することがないので、シンク10からこぼれ出ることがない。
まな板1の水落し孔11と水落し孔11との間の中央部の作業面16には孔や溝がなく平滑であるので、調理する時の作業性は良い。
水落し孔11や樋溝13は開口部が広く、形状が単純であるので、洗浄が容易で、清潔に保つことができる。
シンク上に載置した状態のまな板を示す斜視説明図 シンク上に載置した状態のまな板を示す平面図 まな板の斜視説明図 まな板を示す図で、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は正面図、(d)は側面図 図4(a)におけるまな板の各部の断面を示す図で、(a)はa−a部断面図、(b)はb−b部断面図、(c)はc−c部断面図、(d)はd−d部断面図 まな板とシンクの縁との係合状態を示す説明図 まな板のフック用孔を示す説明図 まな板の使用状態を示す斜視説明図 従来のまな板の使用状態を示す斜視説明図
符号の説明
1 まな板
2 まな板材
3 縦辺
4 横辺
5 厚さ辺
6 奥縁
7 手前縁
8 外縁
9 内縁
10 シンク
11 水落し孔
13 樋溝
14 フック用孔
16 作業面
17 外側縁
21 上面
22 下面
23 左側面
24 右側面
25 前端面
26 後端面

Claims (9)

  1. まな板材の縦方向の端部の近傍にまな板材を厚さ方向に貫通する水落し孔と前記水落し孔の両側で前記水落し孔から前記まな板の横方向の端に達する樋溝を設けてなることを特徴とするまな板
  2. 前記樋溝の一端は前記水落し孔に接続し、他端はまな板材の縦辺に達していることを特徴とする請求項1記載のまな板
  3. 前記水落し孔及び前記樋溝はまな板材の縦方向の両端部の内の少なくとも一方の端部の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか1記載のまな板
  4. 前記樋溝はまな板材の上面及び下面のうちの少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1記載のまな板
  5. 前記まな板材の前記縦方向の両端部である前端部及び後端部のうちの少なくとも一方の端部の近傍において前記水落し孔または樋溝より縦方向の端寄りの部分にフック用の孔または切欠きを形成してなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1記載のまな板
  6. 前記まな板材は木材製、プラスチック製または金属製であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1記載のまな板
  7. 前記まな板材は前記縦方向の端部を支えとしてシンクの対向する手前側と奥側の縁の間に掛け渡すことが可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載のまな板
  8. 前記シンクの対向する縁は内縁と外縁にとの間に段差がありかつ外縁は内縁よりも高さが高く構成されたものであり、前記まな板材は前記シンクの縁の対向する内縁の間に掛け渡すことが可能な縦方向の幅を有することを特徴とする請求項7記載のまな板
  9. 前記水落し孔は前記まな板材の縦方向の端部の近傍において前記シンクの縁よりも内側の部分に対応する部分に形成されていることを特徴とする請求項7から8のいずれか1記載のまな板
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