JP2008147623A - フォトニック結晶を用いた構造体、及び面発光レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】 比屈折率差が小さい系においても、Guided Resonanceを起こさせる構造体を提供する。
【解決手段】 高屈折率である第1の部材1010に複数の孔が周期的に配列されているフォトニック結晶層1000と、低屈折率である第2の部材1020とを有する構造体であって、第1の部材1010の上には第3の部材1015が形成されている。この第3の部材1015の屈折率は、1.0よりも大きく、また第1の部材1000が有する屈折率よりも低い。そして、フォトニック結晶層1000に設けられている孔の深さは、第1の部材1010の厚さの20%以上80%以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フォトニック結晶を用いた構造体、及びそれを用いた面発光レーザに関する。
非特許文献1には、図8に示した形状のフォトニック結晶を用いて、Guided Resonanceに関する検討がなされている。
ここで、8000はサファイア基板であり、8050はフォトニック結晶層(GaN8010に、孔8020が周期的に形成されている。)であり、8030は、核形成層(AlN)である。
Guided Resonanceとは、屈折率周期構造を面内方向に有するフォトニック結晶の面内方向に導波している導波モードの光が、放射モードに結合することにより、フォトニック結晶の外に放射されることをいう。
このGuided Resonanceを利用することにより、フォトニック結晶は、ミラーとして利用することができる。すなわち、フォトニック結晶の面内に対して垂直方向に入射した光がライトラインより上に位置するモードと結合することで、フォトニック結晶中を導波するモードに変換される。その後、この光が放射モードに結合することで再度フォトニック結晶外に放射される。そして、導波モードに結合せず直接反射する光と、一旦導波モードに結合して再度外部に放射される光との干渉により、特異な反射現象、例えば効率100%の反射が起こる。
一般的には、導波モードとは、フォトニック結晶層から光が漏れないという条件を満たすモードのことをいい、放射モードとは、フォトニック結晶層から光が漏れるモードのことをいう。
また、ライトラインとは、導波層(この場合はフォトニック結晶層)に隣接する媒質中を伝播する光の分散関係を示すものである。このライトラインは、w=ck/n(w:角周波数、c:光速、n:屈折率、k:波数)で定まる直線で示すことができる。一般的に、ライトラインよりも高周波数の領域は、光がフォトニック結晶から漏れやすい領域となっている。
このように、Guided Resonanceを利用するミラーは、フォトニックバンドギャップを利用したミラーとは動作原理が異なるものである。
従って、図8で示されるフォトニック結晶層に垂直に入射する入射光の波長を、Guided Resonanceによって反射率が著しく増大する波長域に合わせると、入射した光は高い反射率で反射されることとなる。
そして、同文献では、フォトニック結晶層8050(GaNの屈折率は2.37である。)に隣接するサファイア基板8000(屈折率1.8)の屈折率が変化する場合に、Guided Resonanceがどのように変化するかをシミュレーションにより考察している。
OPTICS EXPRESS,vol.13,No.17,6564(2005)
図9は、横軸を周波数、縦軸を透過率として、フォトニック結晶層の屈折率を固定して、基板側の屈折率(図中のnに対応)を変化させた場合に生じる、Guided Resonanceのスペクトル変化を示したものである。
この図9により、フォトニック結晶層(屈折率nphc)と、それに隣接するクラッド層として機能する基板(屈折率nclad)との比屈折率差△n(=(nphc−nclad)/nphc)が小さくなるにつれ、Guided Resonanceが生じ難くなることが分かる。
具体的には、nphc=2.37、nclad=1.8の場合(図9中のnはncladに対応する。)、両者の比屈折率差は、約0.24(約24%)である。この場合、図9からも分かるように、Guided Resonanceが生じ得る。
しかしながら、nphc=2.37、nclad=2.135の場合、すなわち、両者の比屈折率差が約0.10(約10%)以下になると、Guided Resonanceが生じ難くなることが分かる。
ところで、フォトニック結晶におけるGuided Resonanceを利用したミラーをレーザ等に適用することを考えると、フォトニック結晶層と隣接するクラッド層との屈折率差が非常に小さい条件で構成せざるを得ない場合がある。
例えば、フォトニック結晶層と、そのフォトニック結晶層と隣接する材料との間で屈折率差を確保したい場合、屈折率が低い空気をフォトニック結晶に隣接することも考えられる。しかし、このようないわゆるエアーギャップ構造は半導体の積層プロセスでは作製するのが困難である。そのため、光デバイスへの適用を考えると、空気よりも屈折率が大きい半導体材料がフォトニック結晶層に隣接している場合であってもGuided Resonanceを生じさせるような構成が望まれる。
波長670nmの面発光レーザにおける多層膜ミラーの代わりとして、フォトニック結晶層を用いる場合、例えば次のような構成を採ることがある。すなわち、フォトニック結晶層をAl0.5Ga0.5As(屈折率3.446)で構成し、それに隣接するクラッド層をAl0.93Ga0.07As(屈折率3.130)で構成することが想定される。
かかる場合の比屈折率差△n(=(nphc−nclad)/nphc)は、約9.2%である。つまり、前記非特許文献1に記載の構成をそのまま適用したのでは、Guided Resonanceが生じ難く、フォトニック結晶を多層膜ミラーの代わりとして使用することは難しいと考えられる。
そこで、本発明は、例えばフォトニック結晶層を構成するGaN8010と、それに隣接するサファイア基板8000のように、両者で比屈折率差が十分にとれない構成であっても、Guided Resonanceを発揮し得る構造体、及びそれを用いた面発光レーザを提供することを目的とする。
本発明に係るフォトニック結晶層を有する構造体は、第1の屈折率(n)を有する第1の部材に複数の孔が周期的に配列されているフォトニック結晶層と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率(n)を有し、前記フォトニック結晶層に隣接している第2の部材と、1.0よりも大きく、前記第1の屈折率よりも低い第3の屈折率(n)を有し、前記第1の部材の上に形成されている第3の部材とを備え、前記第1の屈折率と第2の屈折率との比屈折率差(=(n−n)/n)が0.10以下であり、かつ、前記フォトニック結晶層に設けられている前記孔の深さは、該第1の部材の厚さの20%以上80%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザは、上記の構造体を含み構成される第1の反射ミラーと、前記第1の反射ミラーと対向して配置されている第2の反射ミラーと、前記第1の反射ミラーと前記第2の反射ミラーとの間に配置されている活性層とを有することを特徴とする。
本発明によれば、例えばフォトニック結晶層を構成するGaN8010とそれに隣接するサファイア基板8000のように、両者で比屈折率差が十分にとれない場合であっても、Guided Resonanceを発揮し得る構造体、及びそれを用いた面発光レーザを提供することができる。
(第1の実施形態:ミラーとして用いる構造体)
本実施形態に係る構造体について、図1、及び図2を用いて説明する。なお、図2は、図1におけるa−a’面での断面図である。
図1において、1000は、第1の屈折率(n)を有する第1の部材(図2の1010)に、周期的に配列した複数の孔を設けて構成されるフォトニック結晶層である。
そして、1020は、該フォトニック結晶層1000に隣接し、該第1の屈折率(n)よりも低い第2の屈折率(n)を有する第2の部材としての低屈折率層である。この層は、クラッド層と呼ばれる場合もある。
本実施形態に係る構造体は、図1に記載した、フォトニック結晶層1000の面内に対して垂直方向に入射する光を反射するように設計される。すなわち、入射光の波長に対して、Guided Resonanceを生じるように設計される。この場合、フォトニック結晶層1000の面内に対して垂直方向に入射した光は、フォトニック結晶層内を導波するモードと結合し、その後、放射モードと結合することにより外部に放射され、結果としてミラーとして機能する。
ここで、前記第1の屈折率(n)と第2の屈折率(n)との比屈折率差△n(=(n−n)/n)は0.10以下である。
既述のように、△nが0.10以下である場合は、前記非特許文献1に示されるようにGuided Resonanceが生じ難い。
しかし、本実施形態では、屈折率が1.0よりも大きい第3の屈折率(n)を有する第3の部材が、前記第1の部材の上に形成されている。
図2(a)に示すように、第1の部材1010の上に第3の部材が形成されている例としては、フォトニック結晶層に形成されている孔に第3の部材1015が充填されている形態がある。
フォトニック結晶層の孔に何も充填されていない場合には、この部分の屈折率は、空気の屈折率である1.0である。しかし、屈折率が1.0よりも大きい第3の部材が充填されることにより、フォトニック結晶層1000の実効屈折率(neff)をあげることができる。つまり、フォトニック結晶層1000と低屈折率層1020との屈折率差を大きくできる。
また、フォトニック結晶層1000の実効屈折率を上げるために、図2(b)のように構成することもできる。すなわち、孔1016に充填するのではなく、前記第3の部材1017をフォトニック結晶層1000の上に形成するのである。なお、このことは第3の部材1017が第1の部材1010の上に形成されているとも表現することができる。このような構成においても、フォトニック結晶層1000の実効屈折率を上げることができるのは、入射した光は、第1の部材1010内に完全に閉じ込められて伝播するのではなく、その両側にもエバネッセント波が染み出した状態で伝播するためである。
また、第3の部材が有する屈折率(第3の屈折率)は、第1の部材が有する屈折率(第1の屈折率)よりも小さい。第3の屈折率が第1の屈折率よりも高いと、フォトニック結晶層に光を閉じ込めることができず、Guided Resonanceが生じにくくなるからである。
更に、図2(c)のように、孔にも第3の部材1015を充填し、更にフォトニック結晶層1000の上に、屈折率が1.0よりも大きい他の第3の部材1017を設けることも、より実効的な屈折率を向上させることができる点において好ましい形態である。なお、かかる場合、第3の部材1015と、他の第3の部材1017とを構成する材料は屈折率が1.0よりも大きければよく、必ずしも同一の材料である必要は無い。
前記フォトニック結晶層1000は、面内方向に屈折率が周期的に異なることを特徴とする。本発明者らの知見によれば、第1の部材1010(スラブ)の厚さtに対して、孔の深さが20%未満では、その波長にも依存するが、面内方向の周期性に基づく影響を受け難くなる。
例えば、図3は、図2(c)に示した構成で生じるGuided Resonanceのシミュレーション結果であり、図2(c)における孔の深さ依存性をスラブ厚tの0%から30%の範囲で計算したものである。それぞれ(a)0%、(b)10%、(c)20%、(d)30%の深さに対応する。なお、第1の部材1010を屈折率は3.446、第2の部材である低屈折率層1020の屈折率は3.130、孔の周期は250nmとする四角格子である。孔の断面形状は、半径100nmの円であるものとしている。第3の部材1015と他の第3の部材1017とは同一の材料により構成されているとし、屈折率は2.0であるとした。
同図から分かるように、孔の深さが、スラブ厚の20%未満になると、透過スペクトル中のディップが小さくなり高反射率が得られなくなってしまうことが分かる。
また、第1の部材1010(スラブ)の厚さtに対して、孔の深さdが、スラブ厚tの80%を超えてしまうと、以下のような場合に不都合となる。
スラブ(第1の部材1010)と、クラッド(低屈折率層1020)を構成する第2の部材との屈折率差が極めて小さい場合、孔の深さが深くなることに起因して、孔の体積が大きくなってしまう。これにより、一層両者の実効的な屈折率差は小さくなってしまう。つまり、孔の深さはある程度以上に深くすることはできない。
この場合、孔の深さdがスラブ厚tの80%を超えると、図4からも分かるように、Guided Resonanceが起こらなくなる。なお、図4は、図3と同様に、孔の深さがスラブ厚tの70%から100%の範囲でのシミュレーション結果を示したものである。それぞれ(a)70%、(b)80%、(c)90%、(d)100%の深さに対応する。
以上の点より、該第1の部材1010の厚さ方向における該孔の深さdは、該第1の部材の厚さtの20%以上80%以下であるのがよいことが分かる。
(第1の部材、第2の部材)
第1の部材が有する第1の屈折率nとしては、例えば1.2から4.0の範囲である。具体的な材料としては、Si、SiO2、SiN、GaAs、AlGa1−xAs、GaN、AlGa1−xN、InPなどである。
第2の部材が有する第2の屈折率nとしては、例えば1.0から3.8の範囲である。具体的な材料としては、SiO2、SiN、AlGa1−xAs、AlAs、AlGa1−xN、AlNなどである。
比屈折率差△nが0.1以下となる構成としては、例えば第1の部材をAl0.5Ga0.5Asにより作製し、第2の部材をAl0.93Ga0.07Asで作製する。
フォトニック結晶層に設けられる孔の形状は円、四角などである。また、格子の形としては、四角格子や三角格子などがある。
第1の部材の厚さtは、光の導波モードや、作製条件等を考慮して決定される。例えば、10nmから10μmの範囲である。
第3の部材としては、屈折率が1.0より大きく、かつ、第1の部材が有する第1の屈折率よりも低い材料(第3の屈折率を有する材料)を適用できる。使用する光の波長域で透明であれば特に制限は無いが、具体的な材料としてはポリスチレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、SiN、SiO、TiO2、ITO、GaOなどである。勿論、第2の屈折率と第3の屈折率が等しい場合も本発明に含まれる。なお、第2の屈折率よりも、第3の屈折率を大きくすることもできる。
非特許文献1におけるGuided Resonanceにおける波長の半値幅を推定すると、図9においては、どれも2nm以下である。しかし、Guided Resonanceを利用したミラーをデバイスに適用したときのプロセスマージンを考慮すると、半値幅はより広い方が好ましく、具体的には、5nm以上あることが好ましい。
図6は、スラブの厚さと孔の深さとが等しい場合に、前述の半値幅を広げるために孔の半径rを徐々に大きくしていった場合の、当該半値幅の変化を示すグラフである。この計算は以下のパラメータを用いて行なったものである。
a=500nm
t=750nm
r=(a)0.08a、(b)0.10a、(c)0.12a、(d)0.14a
=3.446(例えば、材料Al0.5Ga0.5Asである。)n=3.200(例えば、材料Al0.8Ga0.2Asである。)
ここで、aはフォトニック結晶層の格子定数(四角格子の周期に該当する。)、tは前記第1の部材(スラブ)の厚さ、rはフォトニック結晶層に設けられている孔の半径、nは第1の部材の屈折率、nは第2の部材(クラッド層)の屈折率である。なお、この計算において、第1の部材の上には第3の部材は設けられていない。
スラブとそれに隣接するクラッド層間の比屈折率差△nは、約0.07(約7%)である。孔の半径rを大きくすることで、半値幅を1nm程度にまで拡大することはできるが(図6(c))、それ以上に大きくしようとすると、Guided Resonance自体が生じなくなってしまうことが分かる(図6(d))。
これは、孔の半径を大きくすることにより、孔が有する体積が増加し、実効的な屈折率が低下してしまうことによるものである。
図7(a)は、a、t、n、nについての条件は図6の場合と同一にして、既述の実施形態1に包含される構成の一例として、図2(a)を採用したときのシミュレーション結果である。
具体的には、孔の半径rは200nm、孔の深さdは375nmとした(即ち、フォトニック結晶層の厚さtの50%である。)。そして、孔に充填される材料の屈折率nは、1.7(例えば、材料はチオウレタン系樹脂である。)とした。この図より、本実施形態で説明した構造体を用いれば、スペクトルの半値幅を5nm程度、あるいはそれ以上にすることができる。
図7(b)、(c)には、それぞれ、図2(b)、(c)の構成の場合を、図7(a)と同様の条件で行ったものを示した。(a)、(b)、(c)どの構成でもそのスペクトルに大きな違いはなく、比屈折率差△nが約7%であっても、半値幅を広く保ちつつもGuided Resonance現象を生じさせることができることが分かる。
また、上述したシミュレーションは、文献Physical Review B,Vol.68,155101(2003)に記載の転送行列法を用いて行っている。
(実施形態2:VCSEL型面発光レーザ)
本実施形態に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)に関して説明する。図5は、VCSELの構成に関して、その断面図を模式的に示したものである。
5050は基板、5000は下部反射ミラー(例えば、多層膜ミラーからなる。)、1021は下部クラッド層、5900は活性層、5020は上部クラッド層である。1010は、フォトニック結晶層1000を構成する第1の部材であり、1015は、孔へ充填される前記第3の部材としての充填材である。
フォトニック結晶層1000に関しては、実施形態1で説明した技術事項が適用される。なお、本実施形態における上部クラッド層5020は、第1の実施形態における第2の部材1020に対応する。つまり、クラッド層5020は、活性層5900に対する上部クラッド層としての役割と、フォトニック結晶層1000に対する低屈折率層としての役割を兼ねている。
VCSEL型の面発光レーザにおいては、活性層5900において発生する光を上下のミラーで共振させ、増幅することによりレーザ発振が実現される。そして、活性層における発光波長は、活性層の材料や層構成により決まるので、上部反射ミラーとして作用するフォトニック結晶層における、Guided Resonance が、当該発光波長に対応するように設計する必要がある。
このように、上記実施形態1において説明したフォトニック結晶層1000を、図5のように、下部反射ミラー5000に対向して配置される上部反射ミラーとして用いることで、面発光レーザを実現できる。
下部反射ミラーは、AlGa1−xAs/Alx’Ga1−x’As、GaN/AlGa1−xN、InGa1−xAs1−y/Inx’Ga1−x’Asy’1−y’などの多層膜ミラーを用いる。勿論、実施形態1に示すようなフォトニック結晶を適用することもできる。
(活性層、クラッド層、基板など)
活性層5900は、例えばGaInP/AlGaInP、GaN/InGaNなどの材料を用いた多重量子井戸構造である。
クラッド層1021は、例えば、AlGaInP、AlGaNなどである。
基板5050は、例えば、GaAs、GaNなどである。
本実施形態に係るVCSELにおいては、光励起方式、あるいは電流注入方式により駆動することができる。同図においては、電極等は省略している。
なお、フォトニック結晶層を含み構成されるミラーを第1の反射ミラーといい、この第1の反射ミラーと対向して配置されているミラーを第2の反射ミラーということもある。この第1の反射ミラーは、上記のように上部反射ミラーとして用いてもよいし、また下部反射ミラーとして用いてもよい。
(実施形態3:DFB型面発光レーザ)
本実施形態に係るDFB型レーザ(Distributed Feed−Back Laser)に関する面発光レーザに関して説明する。図14は、DFBレーザの構成に関して、その断面図を模式的に示したものである。
5050は基板、6000はクラッド層、1010は第1の部材、1015は第3の部材、1000はフォトニック結晶層(光共振層ということもある。)、5900は活性層、5020は上部クラッド層である。ここで、クラッド層6000は、フォトニック結晶層1000に対する低屈折率層(第2の部材)としての役割を兼ねている。
DFB型の面発光レーザにおいては、活性層5900で発生する光がフォトニック結晶層1000に入射する。この入射した光が導波モードの光となり、フォトニック結晶層1000の面内方向において共振をして増幅される。そして、その後、放射モードに結合されることにより、フォトニック結晶層の外に放射される。これにより、上部クラッド層5020からコヒーレントな光が面発光される。
すなわち、本実施形態では、実施形態2で説明した下部反射ミラー5000が必ずしも必要ではない点が異なる。
クラッド層6000としては、実施形態1で説明した第2の部材を用いることができる。また、基板5050、活性層5900なども実施形態1で説明した材料を用いることができる。
また、本実施形態において、活性層5900を配置する位置は、光共振層としてのフォトニック結晶層1000に光を入射させることのできる位置であればよいが、利得を多く得るという目的から、フォトニック結晶層と近接した位置に設けることが好ましい。例えば、活性層5900はフォトニック結晶層1000の上に形成することもできる。また、活性層5900はフォトニック結晶層1000の内部に配置することもできる。
なお、上記では、クラッド層6000を低屈折率層とすることを説明したが、基板5050を低屈折率層とする構成であってもよい。すなわち、基板5050の上にフォトニック結晶層1000が形成されたレーザも本発明は包含する。
(実施例1:ミラー)
実施例1では、本発明を適用して構成した2次元フォトニック結晶ミラーについて説明する。図10(d)に、本実施例におけるミラーの構成を示す。
図10(d)において、1000はGaNからなる層に円柱孔を正方格子状に設けて構成されたフォトニック結晶層である。層の厚さは100nm、円柱孔の間隔は200nm、円柱孔の半径は60nm、円柱孔の深さは40nm(スラブ厚さの40%)である。円柱孔は屈折率1.7のチオウレタン系樹脂で充填されており、フォトニック結晶層の上部も同一の樹脂で構成された第3の部材1017により覆われている。1020はAl0.4Ga0.6Nからなる基板である。
図11(d)に、図10(d)の構成の透過スペクトル計算結果を示す。GaNの屈折率は2.54、Al0.4Ga0.6Nの屈折率は2.32だとした。両者の比屈折率差は約8.7%である。また、計算の都合上、部材1017と基板1020の厚さは無限だとした。
図11(d)において、波長465nm付近に透過率が急激に落ち込む(つまり、反射率が急激に増大する)波長域が存在することが確認される。したがって、この構成は高反射率のミラーとして動作させることができる。
また、本実施例との比較のために、図11(a)、(b)、(c)に、それぞれ図10(a)、(b)、(c)の構成について透過スペクトルを計算した結果を示す。図10(a)は孔を100nm(スラブ厚さの100%)の深さまで設けた構成、図10(b)は図10(a)に屈折率1.7の樹脂を充填した構成、図10(c)は円柱孔を40nm(スラブ厚さの40%)の深さまで設けた構成である。図11(a)、(b)、(c)においては、透過率が10%以下(つまり反射率が90%以上)といった高反射率の波長域は存在しない。
つまり、この構成においては、円柱孔の深さを浅くする手法と、円柱孔に樹脂を充填するという手法を単独で行なうだけでは不十分であり、2つの手法を採用することではじめてミラーとして動作させることができる。
(実施例2:VCSEL)
実施例2では、本発明を適用して構成した面発光レーザ(VCSEL)について説明する。図12に、本実施例における面発光レーザの構成を示す。
図12において、1000はAl0.5Ga0.5Asからなる層に円柱孔を正方格子状に設けて構成されたフォトニック結晶層である。層の厚さは308nm、円柱孔の間隔は205nm、円柱孔の半径は82nm、円柱孔の深さは154nm(スラブ厚さの50%)である。円柱孔には、屈折率1.7のアクリル系樹脂1015が充填されており、同一材料からなる部材1017がフォトニック結晶層1000の上部を満たしている。
5020はp型AlGaInPクラッド層、5900はGaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層、1021はn型AlGaInPクラッド層である。また、5000はn型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRからなる下部ミラー層、5050はGaAs基板である。1200はリング型の上部電極、1210は下部電極である。
図13に、図12中のフォトニック結晶層の透過スペクトル計算結果を示す。波長669nm付近で高い反射率を有したミラーとして動作することが確認される。
下部ミラー層5000も同様に波長669nm付近で高い反射率を持つように設計されている。また、フォトニック結晶層1000と下部ミラー層5000との間隔で決まる共振器長は、共振器中で形成される定在波の腹が活性層5900に重なるような長さに設計されている。これらは、面発光レーザを設計する際に一般に使われる手法をそのまま適用することができる。
以上の構成により、活性層5900で発生する光を上下のミラーで共振させ、増幅することによりレーザ発振が実現される。
本発明に係るフォトニック結晶層を説明するための斜視図である。 本発明に係るフォトニック結晶層を説明するための断面図である。 透過スペクトルの孔深さ依存性を示すグラフである。 透過スペクトルの孔深さ依存性を示すグラフである。 実施形態2に係るVCSELを説明するための模式図である。 透過スペクトルの孔径依存性を示すグラフである。 本発明のフォトニック結晶ミラーの透過スペクトルを示すグラフである。 非特許文献1に記載のフォトニック結晶である。 非特許文献1に記載の透過スペクトルである。 実施例1に記載のフォトニック結晶ミラーを説明する概略図である。 実施例1に記載のフォトニック結晶ミラーの透過スペクトルを示すグラフである。 実施例2に記載の面発光レーザを説明する概略図である。 実施例2に記載の面発光レーザを構成するフォトニック結晶ミラーの透過スペクトルを示すグラフである。 実施形態3に係るDFB型レーザを説明するための模式図である。
符号の説明
1000 フォトニック結晶層
1010 第1の部材
1015 第3の部材
1016 孔
1017 第3の部材
1020 第2の部材
5000 下部反射ミラー
5020 上部クラッド層
5050 基板
5900 活性層
6000 クラッド層
8000 サファイア基板
8030 核形成層
8050 フォトニック結晶層

Claims (9)

  1. フォトニック結晶層を有する構造体であって、
    第1の屈折率(n)を有する第1の部材に複数の孔が周期的に配列されているフォトニック結晶層と、
    前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率(n)を有し、前記フォトニック結晶層に隣接している第2の部材と、
    1.0よりも大きく、前記第1の屈折率よりも低い第3の屈折率(n)を有し、前記第1の部材の上に形成されている第3の部材とを備え、
    前記第1の屈折率と第2の屈折率との比屈折率差(=(n−n)/n)が0.10以下であり、かつ、
    前記フォトニック結晶層に設けられている前記孔の深さは、該第1の部材の厚さの20%以上80%以下であることを特徴とする構造体。
  2. 前記第3の部材が、前記フォトニック結晶層に形成されている前記孔に充填されていることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 前記第3の部材が、前記フォトニック結晶層の上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  4. 前記フォトニック結晶層の面内方向に導波した光が、該フォトニック結晶層の外に取り出されることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  5. 面発光レーザであって、
    請求項1に記載の構造体を含み構成される第1の反射ミラーと、
    前記第1の反射ミラーと対向して配置されている第2の反射ミラーと、
    前記第1の反射ミラーと前記第2の反射ミラーとの間に配置されている活性層とを有することを特徴とする面発光レーザ。
  6. 前記第2の反射ミラーは請求項1に記載の構造体を含み構成されていることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザ。
  7. 面発光レーザであって、
    請求項1に記載の構造体を含み構成される光共振層と、
    前記光共振層に光を入射させることのできる位置に配置されている活性層とを有することを特徴とする面発光レーザ。
  8. 前記活性層は、前記光共振層の上に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の面発光レーザ。
  9. 前記活性層は、前記光共振層の内部に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の面発光レーザ。
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